【実施例】
【0073】
(実施例1)本発明の方法
フローチャート500(
図5)は、体液をチャンバに提供するステップと、試薬を用いて体液中の被分析物を分析するステップと、スライドから視覚データを取得するステップと、視覚データを分析するステップとを含む、体液を分析するための方法を図示する。実施例は、体液が血液サンプルである、代表的な実施形態を図示する。
【0074】
505では、対象が少量の血液サンプルをチャンバに提供する。対象は、皮膚を貫通するため、および一滴の血液を回収するために、指先採血針を使用することができる。比較的少量の血液が必要とされ、一滴の血液は、例えば、マイクロリットル未満の量の血液、または約1μL〜約5μLの量の血液であり得る。対象は、一滴の血液を本明細書で説明されるチャンバ等のチャンバに追加することができる510。
【0075】
チャンバは、血液サンプルを染色する試薬とともに事前包装することができる515。試薬は、例えば、アクリジンオレンジ等の蛍光染料、およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤を含むことができる。染色サンプルは、例えば、以前に説明されたような光源300を用いて、照射することができる520。サンプルは、第1の波長で照射することができ、撮像システムは、照射されたサンプルから視覚データを取得することができる525。第1の波長または波長範囲での染色サンプルの蛍光応答を、撮像システムによって測定することができる。例えば、第1の波長は、アクリジンオレンジ等のチャンバ内の細胞型と関連付けられるフルオロフォアを励起させることができる。フルオロフォアの励起および視覚画像の取得は、特定の細胞型または被分析物中のDNAの濃度と関連付けられる視覚画像を提供することができる。サンプルを照射するために、第2の波長を使用することができ、撮像システムは、第2の波長で照射されたサンプルから視覚データを取得することができる530。異なる波長で放射する、1つまたはそれを上回る付加的な光源を使用した、付加的な波長での染色サンプルの蛍光放射も測定することができる。血液サンプルの明視野および暗視野画像もまた、撮像システムによって取得することができる。チャンバから視覚データを取得するように構成される、撮像システム525および530は、画像を取得する前にレンズを用いて視野を拡大するように構成することができる。525および530は、視覚データの分析中に追加してともに合併することができる視野または複数の視野から、視覚データを取得することができる。
【0076】
取得された視覚データは、グループ化して分析することができる535。例えば、チャンバを照射するために使用される波長に基づいて、一式の視覚データをグループ化することができる。取得された視覚データのグループ化は、画像の合併を提供することができる。コンピュータプログラム製品による視覚データの分析は、全血球計算値を提供することができる540。
【0077】
図5のパネルBは、取得された視覚データ550上の白血球の蛍光に基づいて、本発明の方法を用いて識別することができる、血液サンプル中の異なる種類の白血球を図示するグラフである。緑色蛍光応答および赤色蛍光応答の量に基づいて、個々の細胞、またはそれらの代表を、グラフ550上に配置することができる。グラフ550では、x軸は、緑色蛍光応答のレベルを表し、y軸は、赤色蛍光応答のレベルを表す。グラフ550上に配置される細胞は、それらの蛍光に基づいて、複数の明確に異なる群に分割することができる。例えば、第1の群555は、好中球の数に対応することができ、第2の群560は、リンパ球の数に対応することができ、第3の群565は、単球の数に対応することができ、第4の群570は、血小板の数に対応することができる。
【0078】
図6は、血液サンプル中の赤血球の数を数える方法を図示する、プロセス600のフローチャートである。605では、対象が、少量の血液サンプルをチャンバに提供する。対象は、皮膚を貫通するため、および一滴の血液を回収するために、指先採血針を使用することができる。比較的少量の血液が必要とされ、一滴の血液は、例えば、マイクロリットル未満の量の血液、または約1μL〜約5μLの量の血液であり得る。対象は、一滴の血液を本明細書で説明されるチャンバ等のチャンバに追加することができる。
【0079】
610では、サンプルの少なくとも一部分を、赤血球サンプリングチャンバ、例えば、115で説明される第1のサンプリングチャンバの中へ供給することができる。615では、血液サンプル中の赤血球を球形にするために、界面活性剤等の試薬を使用することができる。界面活性剤と反応した後に、サンプリングチャンバ中の赤血球は、それらの正常な両凹円盤様形状を失い、丸い球状形状になる。620では、スライドから視覚データを取得するように構成される撮像システムが、サンプリングチャンバから取り出される。チャンバは、所望される測定の種類に応じて、1つまたはそれを上回る波長または波長範囲で撮像することができる。サンプリングチャンバの底面における丸みを帯びた赤血球は、例えば、テンプレート合致を介して、それらの形状によって容易に識別することができる。適切な希釈で、620で取得される視覚データは、適切な希釈で100,000個より多くの球形赤血球の視覚表現を含むことができる。625では、赤血球数(RBC)を判定するように、視覚データ内で識別される赤血球の数を数えることができる。
(実施例2)本発明のシステム
【0080】
本発明のシステムは、本発明のデバイスから視覚データを取得するように明確に異なる様式で構成される、複数の撮像システムを備えることができる。
【0081】
図7は、体液を分析するためのシステム104およびデバイスのブロック図を示す。システム104、具体的には、自動携帯用スライド分析器150Aは、
図3を参照して説明されるシステム10および自動携帯用スライド分析器150に類似し得る。しかしながら、本実施例は、撮像システムが、チャンバ内または明確に異なるチャンバ内の異なる場所から視覚データを捕捉することを可能にするように、血液収集および分析スライド100Rが、平行移動の代わりに回転を介して移動する、システム104を図示する。
【0082】
システム104は、スライド100Rを連結し、スライド100Rの所望のサンプリングチャンバを可視化するためにスライド100Rを回転させるように構成される、モータ100Mを備える。
図7に示されるように、モータ100Mは、スライド100Rのサンプリングチャンバ115Rを、光源300、305、ならびに光学アセンブリ330と整合させることができる。
【0083】
プロセッサ350からの命令の下で、サンプリングチャンバ120Rを代わりに分析することができるように、モータ100Mは、サンプリングチャンバ120Rを代わりにこれらの構成要素と整合させることができるように、スライド100Rを回転させることができる。モータ100Mはまた、スライド100Rの付加的なチャンバまたは較正チャンバ等の種々の他の特徴を分析のために可視化することができるように、スライド100Rを回転させることもできる。
【0084】
システム104の他の構成要素を、平行移動の代わりに回転によって移動させることができる。
図7に示されるように、例えば、システム104はさらに、回転可能なフィルタアセンブリ310Rに連結されるモータ310Mを備えることができる。モータ310Mは、フィルタアセンブリ310Rのフィルタ315Rを、光学アセンブリ330、ならびに光源300および305によって照射されるサンプリングチャンバ115Rと整合させることができる。プロセッサ350の命令の下で、モータ310Mは、フィルタ320Rを代わりにこれらの構成要素と整合させることができるように、フィルタアセンブリ310Rを回転させることができる。モータ310Mはまた、フィルタアセンブリ310Rの他のフィルタ等の種々の他の特徴が、システム104の光学構成要素と整合させられ得るように、フィルタアセンブリ310Rを回転させることもできる。一次光源300および二次光源305の両方はさらに、平行照射ビームの形成を促進することによって等、スライドおよびその構成要素の照射を促進するように、それぞれ、コンデンサ光学部300aおよび305aを備えることができる。いくつかの実施形態では、自動携帯用スライド分析器150Aはさらに、統合血液コレクタ380を備えることができる。統合血液コレクタ380は、自分の血液を収集するように医学的に訓練されていない対象およびシステム104のユーザによる、血液サンプルの収集を促進することができる。
【0085】
システム104は、第1のレンズ335と、第2のレンズ340とを備えることができる。画像捕捉要素345は、CCDまたはCMOS検出器アレイ、例えば、低費用の高解像度CCDを備えることができる。システム104はさらに、画像捕捉要素345を冷却するための冷却要素345cを備えることができる。本発明のシステムは、プロセッサ350と、通信モジュール360と、伝送機375と、ディスプレイ160と、制御パネル170とを備えることができる。プロセッサ350は、取得された視覚データを種々の受信機に伝送することができる365、伝送機360に連結することができる。受信機は、視覚データを分析するようにプログラムされるコンピュータシステム370と連結することができる。
【0086】
図8のパネルAは、本明細書で説明される体液収集部および分析スライドの上面図を図示する。パネルBは、指台および身体コレクタを図示する。パネルCは、本発明の撮像システムと、スライド/チャンバとを備える、筐体を図示する。パネルBで図示されるように、統合血液コレクタ380は、対象の指Fを刺してそこから血液を収集するための針380Lを有する、指台を備えることができる。汚染を回避するために、統合血液コレクタ380は、
図8のパネルCに示されるように、自動携帯用スライド分析器150Aの外部に搭載することができる(スライド分析器150A上の血液コレクタ380の場所を参照)。統合血液コレクタ380は、収集された血液をスライド100Rの中へ供給するように、
図8のパネルAに示されるスライド100Rに連結することができる。いったん血液が一連の分析のために収集されると、統合血液コレクタ380を自動携帯用スライド分析器150Aから除去し、別の統合血液コレクタ380と交換することができる。
【0087】
図8は、血液収集および分析スライド100Rの上面図を示す。スライド100Rは、スライド100Rが中心ハブ800の周囲で回転することができるように、モータ100Mをスライド100Rに連結するための中心ハブ800を備える。スライド100Rは、使い捨てであり得、血液サンプルを収集して分析し、種々の試薬を貯蔵するために使用され、概して、上記で説明される平行移動可能なスライド100Rに類似する多くの機能を有することができる。加えて、モータ100Mは、混合を促進するように、および種々の血液成分の物理的分離を提供するように、スライド100Rを回転させることができる。モータ100Mはまた、サンプリングチャンバ115Rおよび120Rの焦点面内の種々の視野を連続的に撮像することができるように、かつ多くの場合、光学アセンブリ330、フィルタアセンブリ310または310R、および画像捕捉要素345等のシステム10Aの光学構成要素を走査する必要なく、小さい精密な増分でスライド100Rを回転させることもできる。上記で議論されるように、分析することができるサンプリングチャンバ全体の広視野画像を形成するように、種々の視野の画像をともにデジタルで繋ぎ合わせることができる。
【0088】
スライド100Rは、平行移動させられたスライド100の構成要素に類似するが、円形の回転させられたスライド100Rとともに使用するために適合される、種々の構成要素を備えることができる。例えば、スライド100Rは、入口130Rと、混合チャンバ815と、第1の試薬貯蔵チャンバ805と、第2の試薬貯蔵チャンバ810と、弁820と、第1のサンプリングチャンバ115Rと、第2のサンプリングチャンバ120Rと、第1の較正チャンバ116Rと、第2の較正チャンバ121Rとを備える。第1および第2の較正チャンバ116Rおよび121Rは、それぞれ、上記で説明される第1および第2の較正チャンバ116および121に類似し得、白血球および赤血球の複製等の細胞複製を含むことができる。第1および第2の試薬貯蔵チャンバ805および810は、種々の試薬、例えば、界面活性剤、乾燥剤、溶解剤、乾燥型試薬、液体試薬、または所定量の希釈剤のうちの1つまたはそれを上回るものを含有することができる。
【0089】
弁820は、第1および第2のサンプリングチャンバ115Rおよび120Rから、試薬貯蔵チャンバ805および810ならびに混合チャンバ815を分離することができる。血液が入口130Rを通して収集された後、スライド100Rの回転は、試薬貯蔵チャンバ805および810から、試薬、血液、および希釈剤が混合することができる混合チャンバ815の中へ、試薬、および場合によっては希釈剤を抽出する、遠心効果を生成することができる。遠心効果はまた、血液成分を分離するために使用することもできる。次いで、弁820は、この混合が第1および第2のサンプリングチャンバ115Rおよび120Rの中へ供給されるために開放することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、サンプリングチャンバのうちの1つまたはそれを上回るチャンバは、種々の付加的な試薬を含むことができる。例えば、第1のサンプリングチャンバ115Rは、白血球を分析するためのものであり得、白血球分析を促進するように、赤血球を溶解させる溶解剤を含むことができる。弁820は、溶解剤が第1のサンプリングチャンバ115Rから混合チャンバ815の中へ入ることを防止することができる。遠心効果を使用する液体の供給に加えて、回転可能なスライド100Rとともに、例えば、吸引の使用、マイクロ流体工学、圧力機構、毛管作用、電気泳動、およびその他を含む、サンプルを操作する多くの他の方法も使用することができる。血液サンプルは、スライドの平行移動または回転を伴うものだけでなく多くの他の方法で撮像することができる。
(実施例3)本発明のデバイス、システム、および方法の臨床用途
【0091】
本発明のデバイス、システム、および方法を用いて、サンプル調製、画像取得、および画像分析の質を評価するために、13人の健康および不健康なボランティアの研究を行い、本発明および市販の自動血液分析器を用いて得られた結果の間の比較分析を行った。各ボランティアについて、1)臨床自動血液分析器上で、および2)本明細書で説明される本発明の実施形態を使用して、血液を1回採取して測定した。
【0092】
図9は、血液サンプルの分析に適用される体液の分析のためのシステムの概略図である。パネルAは、マイクロリットル未満の量の全血からのサンプル調製を図示する。マイクロリットル未満の量の全血を第1の試薬中で20倍に希釈し、次いで、本発明の厚さ100μmのチャンバに血液サンプルを注入することによって、サンプルが調製された。第1の試薬は、少量の核酸染料であるアクリジンオレンジ(AO、6.25μM)およびアニオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS、0.3mM)を伴うリン酸緩衝生理食塩水(pH7〜7.2)から成った。第1の試薬の組成は、サンプル調製プロトコルにおけるステップの数を最小限化しながら、取得された視覚画像から抽出することができる、パラメータの数を最大限化した。本明細書で説明されるような第1の試薬の使用は、赤血球が球形として成形されることを可能にしながら、アクリジンオレンジが白血球および血小板を蛍光染色することを可能にした。本明細書で説明されるような第1の試薬の使用はまた、細胞の一様な単層が、厚さ100μmのチャンバであって、100mm
2の表面積を有するチャンバの底部で形成することを可能にした。プロトコルは、各対象の血液の3つの別個のアリコートで繰り返された。各対象の単一の測定について、視覚画像を同一のチャンバから取得した。
【0093】
図9のパネルBは、小型で低倍率の広視野撮像システムを図示する。静脈血を、静脈穿刺を介して13人のボランティアから採取し、EDTAで処理した収集管の中に貯蔵した。サンプルは、即時に、Coulter LH500 Hematology
TM上で実行された。これに続いて、血液のマイクロリットル未満のアリコートを管から取り出し、結果として生じる混合物の全体積が10マイクロリットルであるように、0.1mM〜0.3mMのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および3μM〜12μMのアクリジンオレンジ(AO)を含有する、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の溶液中で5〜20倍に希釈した。溶液は、十分な希釈および染色を確保するように、数分間置かれた。次いで、希釈溶液は、10マイクロリットル容量を伴う市販の厚さ100ミクロンの細胞計数チャンバ内に配置された。チャンバの小さい高さにより、細胞は、毛管力によって引き込まれ、チャンバ底に一様な層を形成した。
【0094】
一貫した様式で、これらの画像から最大量の情報を抽出するために、自動データ分析技法が利用された。視覚撮像システムは、広い視野を利用し、蛍光染色が、形態学的差異よりもむしろ化学的差異に基づいて、白血球の種類の分離を可能にしたため、詳細な細胞内形態の識別のために高解像度を必要としなかった。所与の軸に沿ったその位置が、ある蛍光チャネル中のその強度を表す、多次元点として各細胞を表すことができるように、複数のチャネル中の蛍光強度が、画像内の各細胞について判定された。各画像について、各細胞は、2つの蛍光チャネルの平均の閾値化バージョンに基づいてカウントマスクを作成することによって、視覚画像内で識別された。
【0095】
視覚画像が、パネルBの撮像システムを用いて取得され、伝送機が、取得された視覚画像を受信機に伝送した。パネルCは、視覚画像データ分析のプロセスの選択ステップ、および視覚撮像システムの選択構成要素を図示する。各細胞チャンバが、自動蛍光顕微鏡901(Personal Deltavision
TM、 Applied Precision)のステージの上に配置され、5分間定着させられた。白血球測定については、チャンバ920全体が、4×0.13NA対物レンズ935を使用して撮像された。励起が、470±20nmフィルタ945を伴うキセノンランプ900によって行われた。顕微鏡の側面ポートに取り付けられたPhotometrics CoolsnapES
TMカメラを使用して、画像が取得された。2つの連続蛍光画像が、各視野について取得され、1つは、カメラの前に配置された緑色(528±19nm)905フィルタを用いて、第2の画像は、カメラの前に配置された赤色(685±20nm)920フィルタを用いて取得される。血小板画像については、対物レンズが10×0.25NA対物レンズ904に交換され、チャンバ925全体の一部分のみが撮像された。カメラの前に配置された赤色フィルタを用いた単一の画像が、各視野について記録された。最終的に、赤血球画像については、915チャンバが撮像され、フーリエ面内にリングマスクを伴うコンデンサを通過させられたタングステン電球からの暗視野照明と併せて、4×0.13NA対物レンズ935が使用された。照明は、対物レンズの収集範囲を越える角度を含有した。Nikon D800
TM大判カメラを使用して、単一のカラー画像が記録された。
【0096】
図10は、上記で説明される視覚画像のための計数マスクを図示する。
図10のパネルa、パネルf、およびパネルhは、それぞれ、白血球、血小板、および赤血球について取得された広視野画像を示す。差し込み図は、より大きい画像内の囲んだ領域の拡大を示す。白血球画像では、細胞は、様々な量の赤色および緑色強度を伴う点状ドットとして出現する。血小板は、はるかに大きく明るい白血球と一緒に薄暗い物体として出現する。その一方で、赤血球は、明るい輪として出現する。赤血球は球形にされているが、赤血球の暗視野撮像は、膜において画像コントラストを提供した。したがって、赤血球は、不透明な円盤よりもむしろ輪として出現した。
【0097】
各白血球の蛍光強度は、計数マスクの各要素内で平均赤色または緑色強度を求めることによって、画像の各チャネルについて計算された。画像内の全ての細胞について赤色対緑色強度を描画することにより、
図10のパネルCに示されるようなプロットを生じた。この画像は、細胞が3つの明確に異なる領域(視覚基準として提供される影付きの領域)にクラスタ化したことを図示する。1つの細胞群は、少量のRNAを示すが、細胞中の大量で高濃度のDNAを示す、低い赤色蛍光および強い緑色蛍光によって特徴付けられた。これらは、それらの静止状態で活発な転写がほとんどない、リンパ球である。別の細胞群は、高い赤色蛍光および低い緑色蛍光によって特徴付けられた。このパターンは、大量のRNA、ならびに試薬1のアクリジンオレンジで赤色に染色した顆粒を有する、顆粒球に対応した。別の細胞群、すなわち、パネルCの中心群は、適度な染色によって特徴付けられた。これらの細胞は、単球であり、適度な転写活性によって特徴付けられる。
【0098】
群内の重複をより良好に区別するために、データは、ガウス混合モデルを用いてモデル化された。細胞レベルデータおよび個々のデータ点が、2次元ヒストグラムに取り込まれた。そのプロセスは、
図10のパネルDに示されるように、3次元表面を生じた。パネルd内のこれらのピークを2次元ガウスモデルと適合させることによって、各クラスタ中の総白血球数の相対的割合が判定された。このモデルベースのアプローチは、たとえ器具によって測定された細胞の総数が、従来の流量計によって必要とされる細胞の総数より有意に小さくても、血液中の細胞の基礎的分布が正確に推定されることを可能にした。
【0099】
図10のパネルeは、未加工データ上のガウス適合のオーバーレイを図示する。このトップダウン図では、ピークの高さは、ガウス適合の中心に向かって増加する高さとともに、様々な陰影レベルによって示されている。各ガウス1/e輪郭は、厚い白線で印付けられる。
【0100】
血小板は、全血球計算値において判定される重要なパラメータである。アクリジンオレンジで染色されたとき、血小板蛍光は、各血小板内のより少量の核酸により、概して、他の細胞型によって提供される蛍光より薄暗い。血小板からより薄暗い蛍光を正確に検出することができる、視覚画像を取得するために、これらの測定を行うために、より大きい開口数を伴う対物レンズを使用した。血小板の視覚画像の信号対雑音比が比較的低いため、視覚画像は、最初に、全変動制約雑音除去技法を使用して、雑音除去された。雑音除去アルゴリズムは、小さくて薄暗い血小板を識別するために必要であった、画像内の鋭い縁を保存しながら雑音を取り除いた、L1ノルム最小化を利用した。雑音除去アルゴリズムを適用した後、特定の閾値を設定することによって、画像が2値化され、白血球分析について上記で説明されたものと同様に、計数マスクを使用して、血小板の数が数えられた。各粒子のサイズが、計数マスクにおいて分析され、非常に大きいサイズを伴う物体が、血小板数から(同様に蛍光赤色である)白血球を除外するように破棄された。異なる対象が異なる量の血小板蛍光を有するため(蛍光強度が血小板齢と強く相関するために)、全ての対象に対する単一の強度閾値を選択することは可能ではなかった。この課題を解決するために、各血小板画像については、計数が広範囲の閾値で行われた。これは、
図10のパネルgに示されるように、計数対閾値曲線を生成した。この曲線に沿った最大値は、雑音ピクセルからの寄与を排除し、同時に、最も弱い蛍光を伴う血小板を見落とすことを回避した。
【0101】
蛍光強度はまた、赤血球集団についても計算された。各画像内の各赤血球は、テンプレート合致によって識別された。いくつかのテンプレート画像が作成され、各テンプレートは、黒色背景上の単一の赤血球から成った。赤血球は、ドデシル硫酸ナトリウムで処理された後に形状が一様であったため、赤血球集団を特徴付けるために、わずかに異なるサイズの細胞の3つのテンプレートを使用することが十分であった。赤血球の視覚画像が、視野の縁から領域を除去するように切り取られた後(視野依存性収差が有意になり得る場合、または細胞の一部分のみが可視的である場合)、各テンプレートと視覚画像との間で正規化相互相関が計算された。テンプレート細胞内の細胞が視覚画像内の細胞に類似したとき、画像間の相互相関は、画像内の細胞の場所におけるいくつかの鋭いピークから成った。
【0102】
各細胞を識別して数えるために、拡張最大値変換(MATLAB関数imextendedmax)を使用して、それらの局所近傍より高い相互相関マップの領域が画定された。各テンプレートについて、2値画像が作成され、相互相関における拡張最大値の領域が1として定義され、画像の全ての他の部分が0として定義された。全てのテンプレートからの全ての2値画像は、「または」基準を使用して組み合わせられた。しかしながら、この分析は、画像内のほぼ全ての細胞を正確に識別したが、それらの近傍より大きい相関値を有する背景の領域も識別することができた。正確に数えられた領域から、これらの背景領域を分離するために、複合2値拡張最大値マップに基づいて、計数マスクが作成された。このマスクの各構成要素について、元の画像の平均値、および相互相関マップの平均値の両方が求められた。真の細胞は、高い画像強度または高い相関値のいずれかを有することが期待された一方で、背景計数は、これらの軸の両方の上で低いことが期待された。したがって、空間を4つの四分円に区分化して、閾値画像強度および閾値相関値が設定された。次いで、低い方の左四分円内の全ての計数が除外された。画像内の各細胞の場所に「ドット」を有する、最終強度および相関フィルタにかけた2値画像、および元の暗視野画像のオーバーレイが、
図10のパネルiに示されている。
【0103】
データ取得に続いて、画像は、細胞を列挙して区別するように、自動ルーチンに提出された。全ての処理は、社内で開発されたカスタムスクリプトを使用するMATLAB(The MathWorks, Natick, MA)を用いて行われた。各画像によって表される体積を判定するために、USAF1951解像度標的を使用して、撮像システムの正確な倍率が較正された。これは、細胞計数チャンバの既知の高さと組み合わせて、各画像によって測定されるサンプルの体積の計算を可能にした。
【0104】
図11は、自動血液分析器から得られた臨床結果との本発明の方法を用いて得られたCBCパラメータの画像ベースの判定の比較を図示する。全血球計算値の各構成要素について、
図11は、本明細書で説明される方法を用いて得られた結果と臨床結果との間の相関を示す。
図11はまた、本明細書で説明される方法を用いて得られた結果および自動臨床器具を用いて得られた結果のテューキー平均差プロットを図示する。相関プロット(
図11のパネルa、パネルc、パネルe、パネルg、パネルi、およびパネルk)について、x軸が、臨床器具によって報告される値を表す一方で、y軸は、本方法によって予測される値を表す。各図中の中央の対角線は、2つの方法の間の完璧な一致を表す。中央線の上方および下方の線は、製造業者によって報告されるような、±2標準偏差として定義される、臨床測定の誤差範囲を表す。各血球数パラメータについて、予測における二乗平均平行根誤差(RMSEP)、すなわち、測定間の平均誤差の尺度が計算された。RMSEPは、以下のように定義され、
【0105】
RMSEP=sqrt(sum i=1^N(Ci−M1)^2)
【0106】
Nは、患者の数であり、Cは、i番目の患者の臨床値であり、Mは、その患者に対する本方法からの予測である。これらの誤差は、表1で提示される。
【表1-1】
【表1-2】
【0107】
単球分画を除く全てのパラメータについて、臨床測定および方法は、臨床器具の誤差限界内で一致する結果を生じた。
図11のパネルeで図示されるように、単球および顆粒球は、わずかに重複し、重複の程度は、対象によってわずかに変動する。この重複は、データのガウス混合モデリングの誤差につながり得る。場合によっては、単球の数の過剰計数および顆粒球の数の過小計数につながり得る、モデリングの系統的誤差が観察された。
【0108】
本発明を用いて得られる結果が、標準臨床測定を用いて得られる結果と適合する程度をさらに査定するために、テューキー平均差プロットが作成され、
図11のパネルb、パネルd、パネルf、パネルh、パネルj、およびパネルlで図示されている。これらのプロットでは、x軸が、臨床および画像ベースの測定の平均を表す一方で、y軸は、2つの測定の間の差異を表す。全てのサンプルにわたる平均差は、赤色で示され、±1.96標準偏差線(95%信頼区間を表す)は、緑色で示され、2つの方法の間の最大期待不一致を表す。各計数群に対する臨床測定からの観察された最大偏差は、特に、全血球計算値の臨床的に有意な変動と比較したときに低かった。
(実施例4)視覚画像の分析のためのコンピュータアーキテクチャ
【0109】
シークエンシングデータは、種々のコンピュータアーキテクチャを用いて、複数のコンピュータによって分析することができる。種々のコンピュータアーキテクチャは、本発明とともに使用するために好適である。
図12は、本発明の例示的実施形態に関連して使用することができる、コンピュータシステム1200の第1の例示的アーキテクチャを図示する、ブロック図である。
図12で描写されるように、例示的コンピュータシステムは、命令を処理するためのプロセッサ1202を含むことができる。プロセッサの非限定的実施例は、Intel Core i7
TMプロセッサ、Intel Core i5
TMプロセッサ、Intel Core i3
TMプロセッサ、Intel Xeon
TMプロセッサ、AMD Opteron
TMプロセッサ、Samsung 32ビットRISC ARM 1176JZ(F)−S v1.0
TMプロセッサ、ARM Cortex−A8 Samsung S5PC100
TMプロセッサ、ARM Cortex−A8 Apple A4
TMプロセッサ、Marvell PXA 930
TMプロセッサ、または機能的に同等のプロセッサを含む。複数の実行のスレッドを並列処理に使用することができる。いくつかの実施形態では、単一のコンピュータシステム内であろうと、クラスタ内であろうと、または複数のコンピュータ、携帯電話、および/または携帯用情報端末を備えるネットワークを経由してシステムにわたって分配されようと、複数のプロセッサ、または複数のコアを伴うプロセッサを使用することができる。
【0110】
図12で図示されるように、プロセッサ1202によって最近使用された、または頻繁に使用される、命令またはデータのための高速メモリを提供するように、高速キャッシュ1201を、プロセッサ1202に接続するか、またはそれに組み込むことができる。プロセッサ1202は、プロセッサバス1205によって、ノースブリッジ1206に接続される。ノースブリッジ1206は、メモリバス1204によってランダムアクセスメモリ(RAM)1203に接続され、プロセッサ1202によるRAM1203へのアクセスを管理する。ノースブリッジ1206はまた、チップセットバス1207によってサウスブリッジ1208に接続される。サウスブリッジ1208は、順に、周辺機器用バス1209に接続される。周辺機器用バスは、例えば、PCI、PCI−X、PCI Express、または他の周辺機器用バスであり得る。ノースブリッジおよびサウスブリッジは、多くの場合、プロセッサチップセットと称され、プロセッサ、RAM、および周辺機器用バス1209上の周辺構成要素間のデータ転送を管理する。いくつかのアーキテクチャでは、別個のノースブリッジチップを使用する代わりに、ノースブリッジの機能性をプロセッサに組み込むことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、システム1200は、周辺機器用バス1209に取り付けられたアクセラレータカード1212を含むことができる。アクセラレータは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはある処理を加速するための他のハードウェアを含むことができる。
【0112】
ソフトウェアおよびデータは、外部記憶装置1213に記憶され、プロセッサによる使用のために、RAM1203および/またはキャッシュ1201にロードすることができる。システム1200は、システムリソースを管理するためのオペレーティングシステムを含み、オペレーティングシステムの非限定的実施例は、Linux(登録商標)、Windows(登録商標)、MACOS
TM、BlackBerry OS
TM、iOS
TM、および他の機能的に同等なオペレーティングシステム、ならびにオペレーティングシステムの上で作動するアプリケーションソフトウェアを含む。
【0113】
本実施例では、システム1200はまた、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)および分散型並列処理に使用することができる他のコンピュータシステム等の外部記憶装置にネットワークインターフェースを提供するための周辺機器用バスに接続されたネットワークインタフェースカード(NIC)1210および1211も含む。
【0114】
図13は、複数のコンピュータシステム1302aおよび1302b、複数の携帯電話および携帯用情報端末1302c、ならびにネットワークアタッチトストレージ(NAS)1301aおよび1301bとともに、ネットワーク1300を示す略図である。いくつかの実施形態では、システム1302a、1302b、および1302cは、データ記憶を管理し、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)1301aおよび1302bに記憶されたデータのためにデータアクセスを最適化することができる。数学的モデルをデータに使用し、コンピュータシステム1302aおよび1302b、ならびに携帯電話および携帯用情報端末システム1302cにわたって分散型並列処理を使用して評価することができる。コンピュータシステム1302aおよび1302b、ならびに携帯電話および携帯用情報端末システム1302cはまた、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)1301aおよび1301bに記憶されたデータの適応データ再構成のための並列処理を提供することもできる。
図13は、実施例のみを図示し、多種多様の他のコンピュータアーキテクチャおよびシステムを、本発明の種々の実施形態と併せて使用することができる。例えば、並列処理を提供するために、ブレードサーバを使用することができる。並列処理を提供するように、バックプレーンを通してプロセッサブレードを接続することができる。記憶装置もまた、バックプレーンに、または別個のネットワークインターフェースを通してネットワークアタッチトストレージ(NAS)として接続することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、別個のメモリ空間を維持し、他のプロセッサによる並列処理のために、ネットワークインターフェース、バックプレーン、または他のコネクタを通してデータを伝送することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサのうちのいくつかまたは全ては、共有仮想アドレスメモリ空間を使用することができる。
【0115】
図14は、共有仮想アドレスメモリ空間を使用する、マルチプロセッサコンピュータシステムのブロック図である。本システムは、共有メモリサブシステム1402にアクセスすることができる、複数のプロセッサ1401a−fを含む。本システムは、複数のプログラマブルハードウェアメモリアルゴリズムプロセッサ(MAP)1403a−fをメモリサブシステム1402に組み込む。各MAP1403a−fは、メモリ1404a−fと、1つまたはそれを上回るフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1405a−fとを備えることができる。MAPは、構成可能な機能ユニットを提供し、特定のアルゴリズムまたはアルゴリズムの部分を、それぞれのプロセッサと密接に協調して処理するためにFPGA1405a−fに提供することができる。本実施例では、各MAPは、これらの目的でプロセッサの全てによって大域的にアクセス可能である。1つの構成では、各MAPは、関連メモリ1404a−fにアクセスするためにダイレクトメモリアクセス(DMA)を使用することができ、それぞれのマイクロプロセッサ1401a−fから独立し、かつそれらとは非同期的に、タスクを実行することを可能にする。この構成では、MAPは、アルゴリズムのパイプライン化および並列実行のために、結果を別のMAPに直接供給することができる。
【0116】
上記のコンピュータアーキテクチャおよびシステムは実施例にすぎず、一般プロセッサ、コプロセッサ、FPGAおよび他のプログラマブル論理デバイス、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ならびに他の処理および論理要素の任意の組み合わせを使用するシステムを含む、多種多様の他のコンピュータ、携帯電話、および携帯用情報端末アーキテクチャおよびシステムを、例示的実施形態に関連して使用することができる。ランダムアクセスメモリ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、テープドライブ、ディスクアレイ、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)、ならびに他のローカルまたは分散型データ記憶デバイスおよびシステムを含む、任意の種々のデータ記憶媒体を、例示的実施形態に関連して使用することができる。
【0117】
例示的実施形態では、コンピュータシステムは、上記または他のコンピュータアーキテクチャおよびシステムのうちのいずれかで実行する、ソフトウェアモジュールを使用して実装することができる。他の実施形態では、システムの機能は、部分的または完全に、ファームウェア、
図14で参照されるようなフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブル論理デバイス、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他の処理および論理要素で実装することができる。例えば、
図12で図示されるアクセラレータカード1212等のハードウェアアクセラレータカードの使用を通したハードウェア加速を伴って、セットプロセッサおよびオプティマイザを実装することができる。
(実施形態)
【0118】
以下の非限定的実施形態は、本発明の例証的実施例を提供するが、本発明の範囲を限定しない。
【0119】
実施形態1.いくつかの実施形態では、本発明は、a)体液を受容するように構成されるスライドであって、スライドは、i)第1のチャンバであって、第1のチャンバは、体液中の第1の被分析物を検出することが可能な第1の試薬を含有する、第1のチャンバと、ii)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、体液中の第2の被分析物を検出することが可能な第2の試薬を含有する、第2のチャンバとを備える、スライドと、b)スライドから視覚データを取得するように構成される、撮像システムとを備える、デバイスを提供する。
【0120】
実施形態2.伝送機をさらに備え、伝送機は、取得された視覚データを受信機に伝送するように構成される、実施形態1に記載のデバイス。
【0121】
実施形態3.伝送は、無線である、実施形態2に記載のデバイス。
【0122】
実施形態4.体液は、尿である、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のデバイス。
【0123】
実施形態5.体液は、血液である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のデバイス。
【0124】
実施形態6.第1の被分析物は、赤血球である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のデバイス。
【0125】
実施形態7.第2の被分析物は、白血球である、実施形態6に記載のデバイス。
【0126】
実施形態8.スライドおよび撮像システムは、共通の筐体に含有される、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のデバイス。
【0127】
実施形態9.スライドは、可撤性である、実施形態8に記載のデバイス。
【0128】
実施形態10.スライドはさらに、スライドの表面を横断してチャネルを備え、チャネルは、第1のチャンバおよび第2のチャンバと接続している、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のデバイス。
【0129】
実施形態11.スライドはさらに、ポートを備え、ポートは、体液を受容し、体液を少なくとも1つのチャンバまでチャネルに通過させるように構成される、実施形態10に記載のデバイス。
【0130】
実施形態12.スライドはさらに、第3のチャンバを備え、第3のチャンバは、体液中の第3の被分析物を検出することが可能な第3の試薬を含有する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のデバイス。
【0131】
実施形態13.第3の被分析物は、血小板である、実施形態12に記載のデバイス。
【0132】
実施形態14.スライドはさらに、少なくとも1つの対照チャンバを備え、対照チャンバは、対照被分析物を含有する、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のデバイス。
【0133】
実施形態15.スライドは、わずか5マイクロリットルの体液を保持する、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のデバイス。
【0134】
実施形態16.いくつかの実施形態では、本発明は、a)体液を受容するように構成される、スライドと、b)スライドから視覚データを取得するように構成される、撮像システムと、c)少なくとも1マイルの距離にわたって取得された視覚データを無線で伝送するように構成される、伝送機とを備える、デバイスを提供する。
【0135】
実施形態17.デバイスは、わずか2,000gの質量を有する、実施形態16に記載のデバイス。
【0136】
実施形態18.撮像システムは、スライドの少なくとも2つの異なる部分から視覚データを取得する、実施形態16〜17のいずれか1つに記載のデバイス。
【0137】
実施形態19.スライドおよび撮像システムは、共通の筐体に含有される、実施形態16〜18のいずれか1つに記載のデバイス。
【0138】
実施形態20.スライドは、可撤性である、実施形態19に記載のデバイス。
【0139】
実施形態21.体液は、唾液である、実施形態16〜20のいずれか1つに記載のデバイス。
【0140】
実施形態22.体液は、血液である、実施形態16〜21のいずれか1つに記載のデバイス。
【0141】
実施形態23.撮像システムは、体液中の被分析物を検出するように構成される、実施形態16〜22のいずれか1つに記載のデバイス。
【0142】
実施形態24.被分析物は、赤血球である、実施形態23に記載のデバイス。
【0143】
実施形態25.被分析物は、白血球である、実施形態23に記載のデバイス。
【0144】
実施形態26.被分析物は、血小板である、実施形態23に記載のデバイス。
【0145】
実施形態27.スライドは、わずか5マイクロリットルの体液を保持する、実施形態16〜26のいずれか1つに記載のデバイス。
【0146】
実施形態28.いくつかの実施形態では、本発明は、体液を分析するための方法であって、a)体液をスライドに提供するステップであって、スライドは、第1のチャンバと、第2のチャンバとを備える、ステップと、b)第1のチャンバ中で、第1の試薬を用いて、体液中の第1の被分析物を検出するステップと、c)第2のチャンバ中で、第2の試薬を用いて、体液中の第2の被分析物を検出するステップと、d)撮像システムによって、スライドから視覚データを取得するステップと、e)伝送機によって、取得された視覚データを受信機に伝送するステップとを含む、方法を提供する。
【0147】
実施形態29.約1マイクロリットル〜約5マイクロリットルの体液が、スライドに提供される、実施形態28に記載の方法。
【0148】
実施形態30.伝送は、無線である、実施形態28〜29のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態31.伝送機および受信機は、少なくとも1マイル離れている、実施形態30に記載の方法。
【0150】
実施形態32.体液は、唾液である、実施形態28〜31のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
実施形態33.体液は、血液である、実施形態28〜31のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態34.第1の被分析物は、赤血球である、実施形態28〜31のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
実施形態35.第2の被分析物は、白血球である、実施形態34に記載の方法。
【0154】
実施形態36.スライドはさらに、第3のチャンバを備え、本方法はさらに、第3のチャンバ中で、第3の試薬を用いて、体液中の第3の被分析物を検出するステップを含む、実施形態35に記載の方法。
【0155】
実施形態37.第3の被分析物は、血小板である、実施形態36に記載の方法。
【0156】
実施形態38.スライドはさらに、スライドの表面を横断してチャネルを備え、チャネルは、第1のチャンバおよび第2のチャンバと接続している、実施形態28〜37のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
実施形態39.デバイスはさらに、ポートを備え、ポートは、体液を受容し、体液を少なくとも1つのチャンバまでチャネルに通過させるように構成される、実施形態28〜38のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
実施形態40.取得された視覚データを画像に変換するステップをさらに含む、実施形態28〜39のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
実施形態41.いくつかの実施形態では、本発明は、a)デバイスであって、i)体液を受容するように構成されるスライドと、ii)スライドから視覚データを取得するように構成される、撮像システムと、iii)伝送機であって、伝送機は、取得された視覚データを無線で伝送する、伝送機とを備える、デバイスと、b)伝送機から無線で伝送された視覚データを受信する、受信機であって、伝送機および受信機は、少なくとも1マイルの距離にわたって通信するように構成される、受信機とを備える、システムを提供する。
【0160】
実施形態42.デバイスは、わずか2,000gの質量を有する、実施形態41に記載のシステム。
【0161】
実施形態43.撮像システムは、スライドの少なくとも2つの異なる部分から視覚データを取得するように構成される、実施形態41〜42のいずれか1つに記載のシステム。
【0162】
実施形態44.スライド、撮像システム、および伝送機は、共通の筐体に含有される、実施形態41〜43のいずれか1つに記載のシステム。
【0163】
実施形態45.体液は、唾液である、実施形態41〜44のいずれか1つに記載のシステム。
【0164】
実施形態46.体液は、血液である、実施形態41〜44のいずれか1つに記載のシステム。
【0165】
実施形態47.スライドは、少なくとも2つのチャンバを備える、実施形態41〜46のいずれか1つに記載のシステム。
【0166】
実施形態48.スライドはさらに、スライドの表面を横断してチャネルを備え、チャネルは、第1のチャンバおよび第2のチャンバと接続している、実施形態41〜47のいずれか1つに記載のシステム。
【0167】
実施形態49.撮像システムは、体液中の被分析物を検出するように構成される、実施形態41〜48のいずれか1つに記載のシステム。
【0168】
実施形態50.被分析物は、赤血球である、実施形態49に記載のシステム。
【0169】
実施形態51.被分析物は、白血球である、実施形態49に記載のシステム。
【0170】
実施形態52.被分析物は、血小板である、実施形態49に記載のシステム。
【0171】
実施形態53.スライドは、わずか5マイクロリットルの体液を保持する、実施形態41〜52のいずれか1つに記載のシステム。
【0172】
実施形態54.受信機は、取得された視覚データに基づいて画像を生成するように構成される、コンピュータシステムと通信している、実施形態41〜53のいずれか1つに記載のシステム。
【0173】
実施形態55.a)デバイスであって、i)体液を受容するように構成されるスライドであって、スライドは、第1のチャンバと、第2のチャンバとを備える、スライドと、ii)スライドから視覚データを取得するように構成される、撮像システムとを備える、デバイスと、b)体液中の第1の細胞型を検出することが可能な第1の試薬と、c)体液中の第2の細胞型を検出することが可能な第2の試薬とを備える、キット。
【0174】
実施形態56.スライドはさらに、スライドの表面を横断してチャネルを備え、チャネルは、第1のチャンバおよび第2のチャンバと接続している、実施形態55に記載のキット。
【0175】
実施形態57.スライドはさらに、ポートを備え、ポートは、体液を受容し、体液を少なくとも1つのチャンバまでチャネルに通過させるように構成される、実施形態55〜56のいずれか1つに記載のキット。
【0176】
実施形態58.記第1の細胞型は、赤血球である、実施形態55〜57のいずれか1つに記載のキット。
【0177】
実施形態59.第2の細胞型は、白血球である、実施形態58に記載のキット。
【0178】
実施形態60.スライドはさらに、第3のチャンバを備え、キットは、体液中の第3の細胞型を検出することが可能な第3の試薬を備える、実施形態59に記載のキット。
【0179】
実施形態61.第3の細胞型は、血小板である、実施形態60に記載のキット。