【課題を解決するための手段】
【0005】
ある特定の実施形態では、本発明は、光受容体前駆細胞の実質的に純粋な調製物を提供し、この調製物は、複数の光受容体前駆細胞、およびこれらの光受容体前駆細胞の生存度を維持するのに適切な培地を含む。
【0006】
ある特定の実施形態では、本発明は、光受容体前駆細胞の調製物を提供し、この調製物は、少なくとも50パーセントの光受容体前駆細胞を含む複数の細胞、およびこれらの光受容体前駆細胞の生存度を維持するのに適切な培地を含む。
【0007】
ある特定の実施形態では、本発明は、光受容体前駆細胞の調製物を提供し、この調製物は、多能性幹細胞、網膜神経節細胞、成熟光受容体および/またはアマクリン細胞を実質的に含まない、即ち、これらの細胞の10%未満またはいずれか、さらにいっそう好ましくは5%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満またはさらには0.01%未満の眼野多能性幹細胞(eye field pluripotent stem cell)、網膜神経節細胞、成熟光受容体および/またはアマクリン細胞を含む、複数の光受容体前駆細胞;ならびにこれらの光受容体前駆細胞の生存度を維持するのに適切な培地を含む。
【0008】
ある特定の実施形態では、本発明は、哺乳動物患者における使用に適切な光受容体前駆細胞の医薬調製物を提供し、この医薬調製物は、複数の光受容体前駆細胞;および哺乳動物患者中への移植のためにこれらの光受容体前駆細胞の生存度を維持するための薬学的に許容される担体を含む。
【0009】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも10
9の光受容体前駆細胞、およびこれらの光受容体前駆細胞と適合性であり、解凍の後のかかる細胞の生存度を維持するための凍結保存系を含む低温細胞調製物(cryogenic cell preparation)を提供する。
【0010】
上記調製物の好ましい実施形態では、この調製物中の細胞の少なくとも70%が、免疫細胞化学的にPAX6+およびCHX10−であり、qPCRによって検出されるMASH1についてmRNA転写物陽性であり(任意選択でではあるが)、さらにいっそう好ましくは、この調製物中の細胞の少なくとも80%、90%、95%または98%が、免疫細胞化学的にPAX6+およびCHX10−であり、qPCRによって検出されるMASH1についてmRNA転写物陽性である(任意選択でではあるが)。
【0011】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞の大部分は、qPCRによって検出されるNr2e3、Trβ2、RORβおよびNROについてmRNA転写物陽性である。
【0012】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、網膜神経前駆細胞と比較して、分泌されたタンパク質のイムノアッセイまたはqPCRによるmRNA転写物レベルによって検出されるuPA、テネイシン−C、CXCL16、CX3CL1およびキチナーゼ3様−1から選択される1種または複数のタンパク質を、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍またはさらには10倍多く発現する。
【0013】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、細胞培養物中で少なくとも10回、20回、30回、50回またはさらには100回の集団倍加を起こす複製能力を有し、これらの細胞の25パーセント未満が、10回目、20回目、30回目、50回目またはさらには100回目の倍加までに、細胞死を起こす、老化する、または表現型的に光受容体でない細胞へと分化する。
【0014】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼについてよりも、少なくとも10、25、50またはさらには75パーセント少ない、トランスフェリンタンパク質およびまたはトランスフェリンmRNAレベルを有する。
【0015】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、HLAが遺伝子型的に同一であり、好ましくは、ゲノム的に同一である。
【0016】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、7kb、7.5kb、8kb、8.5kb、9kb、9.5kb、10kb、10.5kb、11kb、11.5kbまたはさらには12kbよりも長い平均末端制限断片長(TRF)を有する。
【0017】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、胎仔由来光受容体と比較して、統計的に有意な減少した含量および/または酵素活性の、(i)細胞周期調節および細胞加齢、(ii)細胞エネルギーおよび/または脂質代謝、ならびに(iii)アポトーシスのうちの1つまたは複数に関与するタンパク質を有する。
【0018】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、胎仔由来光受容体と比較して、統計的に有意な増加した含量および/または酵素活性の、細胞骨格構造およびそれに関連する細胞動態に関与するタンパク質を有する。
【0019】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、ヒト患者への投与に適切である。
【0020】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、非ヒト獣医学的患者への投与に適切である。
【0021】
上記調製物中の好ましい実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、好ましくは胚性幹細胞および人工多能性幹細胞からなる群より選択される、哺乳動物多能性幹細胞、特にヒト多能性幹細胞から誘導される。
【0022】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、共通の多能性幹細胞供給源から分化する。
【0023】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、杆体および錐体の両方へと分化する可塑性を維持する。
【0024】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、ELOVL4−TG2マウスの網膜下空間中に移植され得、外顆粒層へと遊走し、このELOVL4−TG2マウスにおいて暗順応および明順応ERG応答を改善する。
【0025】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、食作用活性、例えば、単離された光受容体外節、pHrodo(商標)Red E.coli BioParticlesまたはそれらの両方を貪食する能力を有する。
【0026】
ある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、1種または複数の神経保護因子を分泌する。
【0027】
ある特定の実施形態では、光受容体前駆細胞の生存度を維持するのに適切な培地は
、培養培地、凍結保存剤および
ヒト患者における注射に適切な生体適合性注射媒体からなる群より選択される。
【0028】
ある特定の実施形態では、この光受容体前駆細胞調製物は、発熱物質およびマイコゲン(mycogen)を含まない。
【0029】
本発明の別の態様は、哺乳動物患者における使用に適切な光受容体の医薬調製物を提供し、この医薬調製物は、多能性幹細胞由来光受容体細胞であって、これらの細胞の70%超、80%超、90%超、95%超またはさらには98%超が、免疫細胞化学的にPAX6+、CHX10−であり、ロドプシン+および/またはオプシン+である、多能性幹細胞由来光受容体細胞;ならびに哺乳動物患者中への移植のためにこれらの光受容体細胞の生存度を維持するための薬学的に許容される担体を含む。
【0030】
本発明のなお別の態様は、網膜色素上皮細胞、および光受容体前駆細胞、光受容体細胞またはそれらの両方のいずれか;ならびに哺乳動物患者中への移植のためにこれらの光受容体細胞の生存度を維持するための薬学的に許容される担体を含む、医薬調製物を提供する。この細胞の調製物は、細胞懸濁物として(一緒に混合されるか、もしくは共同して送達される別々の用量の細胞を有するキットの形態でのいずれか)、または多層細胞移植片として(生体適合性マトリックスもしくは固体支持体上に任意選択で配置されて)、提供され得る。多層細胞移植片の場合、RPE細胞は、単層として、好ましくは極性化単層として提供され得る。
【0031】
本発明のさらに別の態様は、患者における光受容体の喪失によって引き起こされる疾患または障害を処置するための方法を提供し、この方法は、本明細書に記載されるかかる医薬調製物、例えば、光受容体前駆細胞もしくは光受容体細胞またはそれらの両方の調製物を投与するステップを含む。これらの調製物は、局所的に、例えば、患者の眼の網膜下空間中に、患者の硝子体中に注射され得るか、または全身的に、もしくは細胞が持続し得る他の体腔中に送達され得る。
【0032】
光受容体の喪失によって引き起こされる疾患または障害には、黄斑変性症、例えば初期であれ後期段階であれ加齢性黄斑変性症、および網膜色素変性症が含まれる。
【0033】
ある特定の実施形態では、本発明は、以下のステップを含む、光受容体前駆細胞を生成する方法を提供する。
【0034】
(a)細胞クラスターが個々の細胞球(cell sphere)を形成するのに十分な期間にわたって、神経分化培地中で、好ましくは細胞クラスターとして、好ましくは低接着条件または非接着条件下で眼野前駆細胞を培養するステップ;
(b)接着条件下で、好ましくは、マトリックス(例えば、生体材料足場)上で、培養物中の細胞の大部分がPAX6+、CHX10+およびSOX2−として特徴付けられる網膜神経前駆細胞になるまで、神経分化培地中でこれらの細胞球を培養するステップ;
(c)その後、これらの網膜神経前駆細胞が個々の細胞球を形成するのに十分な期間にわたって、低接着条件または非接着条件の間で培養条件を1または複数回交互に繰り返し、次いで、接着条件下で細胞球を含む網膜神経前駆細胞を培養するステップであって、交互に繰り返す培養条件が、これらの細胞の大部分が光受容体前駆細胞になるまで継続される、ステップ。
【0035】
好ましい実施形態では、これらの眼野前駆細胞は、免疫染色および/もしくはフローサイトメトリー、または細胞におけるマーカー発現を特徴付けるために使用される他の標準的なアッセイによって決定され得るとおり、例えば、免疫細胞化学的にPAX6+およびRX1+およびOCT4−およびNANOG−として特徴付けられ、さらにいっそう好ましくは、Six3+、Six6+、Lhx2+、Tbx3+、SOX2+およびネスチン+としても特徴付けられる。
【0036】
好ましい実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、例えば免疫細胞化学的に、PAX6+およびCHX10−として特徴付けられ(例えば、免疫染色および/もしくはフローサイトメトリー、または細胞におけるマーカー発現を特徴付けるために使用される他の標準的なアッセイによって決定され得る)、さらにいっそう好ましくは、qPCRによって検出されるMash1、Nr2e3、Trβ2、RORβおよびNROについてmRNA転写物陽性としても特徴付けられる。
【0037】
好ましい実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、レチノイン酸での処理の際に光受容体細胞へと分化することが可能であるとして特徴付けられる。
【0038】
好ましい実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、杆体および錐体の両方へと分化する可塑性を維持する。
【0039】
好ましい実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、ELOVL4−TG2マウスの網膜下空間中に移植された場合に、外顆粒層へと遊走し、対照(細胞注射なし)ELOVL4−TG2マウスと比較して、このELOVL4−TG2マウスにおいて暗順応および明順応ERG応答を改善する。
【0040】
ある特定の実施形態では、これらの接着条件には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアルキレン、ポリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(polyethyene terephtalate)、セルロース、ガラス繊維、セラミック粒子、生体材料足場、ポリL乳酸、デキストラン、不活性金属繊維、シリカ、ナトロンガラス、ホウケイ酸ガラス、キトサンまたは植物性スポンジのうちの1種または複数を含む、単に例示のためであり得る接着性材料を含む、細胞が接着し得る表面を有する培養系が含まれる。一部の実施形態では、この接着性材料は、静電的に荷電している。ある特定の実施形態では、この生体材料足場は、細胞外マトリックス、例えばコラーゲン(例えば、IV型またはI型コラーゲン)、804G由来マトリックス、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コンドロネクチン(chondronectin)、ラミニンまたはMatrigel(商標)である。他の実施形態では、この生体材料は、ゼラチン、アルギネート、ポリグリコリド、フィブリンまたは自己組織化ペプチドである。
【0041】
ある特定の実施形態では、これらの眼野前駆細胞、ならびに結果として網膜神経前駆細胞および光受容体前駆細胞は、多能性幹細胞、例えば胚性幹細胞または人工多能性幹細胞から誘導される。
【0042】
好ましい実施形態では、多能性幹細胞を実質的に含まない、即ち、10%未満の多能性幹細胞、さらにいっそう好ましくは5%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満またはさらには0.01%未満の多能性幹細胞を含む、光受容体前駆細胞の得られた調製物が提供される。
【0043】
好ましい実施形態では、眼野前駆細胞および網膜神経前駆細胞を実質的に含まない、即ち、これらの細胞の10%未満またはいずれか、さらにいっそう好ましくは5%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満またはさらには0.01%未満の眼野前駆細胞および網膜神経前駆細胞を含む、光受容体前駆細胞の得られた調製物が提供される。
【0044】
好ましい実施形態では、この光受容体前駆細胞の得られた調製物の細胞性成分は、他の細胞型(即ち、光受容体前駆細胞ではない細胞)に対して、少なくとも50%純粋、好ましくは少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%純粋である。
【0045】
ある特定の実施形態では、この方法は、光受容体前駆細胞を凍結保存するさらなるステップを含む。これらの細胞は、好ましくは、凍結保存剤を除去するために細胞を任意選択で洗浄した後に、凍結細胞を最終的に解凍することと適合性である凍結保存剤中で凍結され、これらの光受容体は、少なくとも25%の細胞生存度(例えば、培養効率に基づく)、より好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%またはさらには少なくとも90%の細胞生存度を保持する。
【0046】
種々の前駆細胞ならびに光受容体細胞が、凍結保存され得る。一部の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、球として凍結保存される。
【0047】
ある特定の実施形態では、神経分化培地(または本明細書でしばしばそのまま言及される培地)は、D−グルコース、ペニシリン、ストレプトマイシン、GlutaMAX(商標)、N2サプリメント、B27サプリメント、MEM非必須アミノ酸溶液を含み得、任意選択でノギンを含む。
【0048】
この神経分化培地は、ノッチ経路を活性化する薬剤、例えばノッチリガンドまたは抗体を含み得る。
【0049】
ある特定の実施形態では、この神経分化培地は、本質的に無血清の培地、例えばMEDII順化培地であり得る。ある特定の実施形態では、この神経分化培地は、DMEM/F12、FGF−2およびMEDII順化培地を含む。ある特定の実施形態では、この神経分化培地は、およそ10%〜およそ50%>の間のMEDII順化培地である。ある特定の実施形態では、このMEDII順化培地は、Hep G2順化培地である。このMEDII培地は、大きい分子量の細胞外マトリックスタンパク質を含み得る。このMEDII培地は、プロリンを含む低分子量成分を含み得る。
【0050】
ある特定の実施形態では、この神経分化培地は、本質的に無血清の細胞分化環境であり、5%未満の血清を含む。
【0051】
ある特定の実施形態では、この神経分化培地は、本質的にLIFを含まない。
【0052】
この神経分化培地は、種々のサプリメント、例えばB27サプリメント(Invitrogen)およびN2サプリメント(これもInvitrogenから)もまた含み得る。B27サプリメントは、他の構成要素のうちで、SOD、カタラーゼおよび他の抗酸化剤(GSH)、ならびに独自の脂肪酸、例えばリノール酸、リノレン酸、リポ酸を含む。N2サプリメントは、例えば、以下のカクテル:トランスフェリン(10g/L)、インスリン(500mg/L)、プロゲステロン(0.63mg/L)、プトレシン(1611mg/L)およびセレナイト(0.52mg/L)で置き換えられ得る。
【0053】
上述の態様および実施形態のある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、多能性幹細胞供給源、例えば、OCT4、アルカリホスファターゼ、SOX2、SSEA−3、SSEA−4、TRA−1−60およびTRA−1−80を発現する多能性幹細胞(例えば、胚性幹(ES)細胞株または誘導多能性幹(iPS)細胞株であるがこれらに限定されない)から、さらにいっそう好ましくは共通の多能性幹細胞供給源から、分化する。
【0054】
上述の態様および実施形態のある特定の実施形態では、これらの光受容体前駆細胞は、7kb、7.5kb、8kb、8.5kb、9kb、9.5kb、10kb、10.5kb、11kb、11.5kbまたはさらには12kbよりも長い平均末端制限断片長(TRF)を有する。
【0055】
上述の態様および実施形態のある特定の実施形態では、調製物は、ヒト患者への投与に適切であり、より好ましくは、発熱物質を含まないおよび/または非ヒト動物生成物を含まない。
【0056】
上述の態様および実施形態のある特定の実施形態では、調製物は、例えばイヌ、ネコまたはウマであるがこれらに限定されない非ヒト獣医学的哺乳動物への投与に適切である。
【0057】
一態様では、本開示は、眼野前駆細胞を生成する方法を提供し、この方法は、(a)網膜誘導培養培地中で多能性幹細胞を培養するステップを含む。これらの多能性幹細胞は、ヒトであり得る。
【0058】
この網膜誘導培養培地は、インスリンを含み得る。このインスリンは、ヒトであり得る。このインスリンは、約5〜50ug/mlのヒトインスリンまたは約25ug/mlの濃度で存在し得る。この網膜誘導培養培地は、DMEM/F12、DMEM/高グルコースまたはDMEM/ノックアウトを含み得る。
【0059】
この網膜誘導培養培地は、D−グルコースを含み得る。この網膜誘導培養培地は、約450mg/mlのD−グルコースまたは約400mg/mlと約500mg/mlとの間のD−グルコースを含み得る。
【0060】
この網膜誘導培養培地は、1種または複数の抗生物質を含み得る。これらの抗生物質には、ペニシリンおよびストレプトマイシンの一方またはそれらの両方、任意選択で約0〜100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約0〜100μg/mlの濃度のストレプトマイシン、さらには任意選択で約100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約100μg/mlの濃度のストレプトマイシンが、含まれ得る。
【0061】
この網膜誘導培養培地は、N2サプリメントを含み得る。このN2サプリメントは、約0.1〜5%または約1%の濃度で存在し得る。
【0062】
この網膜誘導培養培地は、B27サプリメントを含み得る。このB27サプリメントは、約0.05〜2.0%または約0.2%の濃度で存在し得る。
【0063】
この網膜誘導培養培地は、非必須アミノ酸もしくはMEM非必須アミノ酸またはグルタミンもしくはGlutaMAX(商標)を含み得る。この非必須アミノ酸またはMEM非必須アミノ酸は、約0.1mMの濃度で存在し得る。
【0064】
この網膜誘導培養培地は、BMPシグナル伝達インヒビターを含み得る。このBMPシグナル伝達インヒビターは、ノギン、例えばノギンポリペプチド、ドルソモルフィン、LDN−193189およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。
【0065】
この網膜誘導培養培地は、ノギン、例えばノギンポリペプチドを含み得る。このノギンは、約5ng/ml〜100ng/mlの間または約10ng/ml〜100ng/mlの間または約50ng/mlの濃度で存在し得る。
【0066】
一部の実施形態では、この培地は、ノギン、DKK1およびIGF−1を含み得る。一部の実施形態では、この培地は、5ng/mlのノギン、5ng/mlのDKK1および5ng/mlのIGF−1を含み得る。
【0067】
これらの多能性幹細胞は、ヒトES細胞、ヒトiPS細胞またはヒトSTAP細胞を含み得る。これらの多能性幹細胞は、無フィーダー条件および/もしくは異物フリー条件下で、ならびに/またはMatrigel(商標)(Engelbreth−Holm−Swarm(EHS)マウス肉腫細胞由来の可溶性調製物)を任意選択で含む基材上で、および任意選択でmTESR1培地中で、インスリンを含む網膜誘導培養培地中で培養される前に、培養され得る。
【0068】
この網膜誘導培養培地は、毎日新たな網膜誘導培養培地で置き換えられ得る。ステップ(a)におけるこの培養するステップは、約1〜10日間または約2〜7日間または約5〜6日間にわたって継続され得る。
【0069】
この方法は、(b)神経分化培地中でこれらの細胞を培養するステップをさらに含み得る。この神経分化培地は、Neurobasal培地を含み得る。
【0070】
この神経分化培地は、D−グルコースを含み得る。この神経分化培地は、約450mg/mlのD−グルコースまたは約400mg/mlと約500mg/mlとの間のD−グルコースを含み得る。
【0071】
この神経分化培地は、1種または複数の抗生物質を含み得る。これらの抗生物質には、ペニシリンおよびストレプトマイシンの一方またはそれらの両方、任意選択で約0〜100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約0〜100μg/mlの濃度のストレプトマイシン、さらには任意選択で約100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約100μg/mlの濃度のストレプトマイシンが、含まれ得る。
【0072】
この神経分化培地は、N2サプリメントを含み得る。このN2サプリメントは、約0.1〜5%または約2%の濃度で存在し得る。
【0073】
この神経分化培地は、B27サプリメントを含み得る。このB27サプリメントは、約0.05〜5.0%、約0.05〜2.0%または約2%の濃度で存在し得る。
【0074】
この神経分化培地は、非必須アミノ酸もしくはMEM非必須アミノ酸またはグルタミンもしくはGlutaMAX(商標)を含み得る。この非必須アミノ酸またはMEM非必須アミノ酸は、約0.1mMの濃度で存在し得る。
【0075】
この神経分化培養培地は、BMPシグナル伝達インヒビターを含み得る。このBMPシグナル伝達インヒビターは、ノギン、例えばノギンポリペプチド、ドルソモルフィン、LDN−193189およびそれらの任意の組合せからなる群より選択され得る。
【0076】
この神経分化培養培地は、ノギン、例えばノギンポリペプチドを含み得る。このノギンは、約10ng/ml〜100ng/mlの間または約50ng/mlの濃度で存在し得る。
【0077】
これらの細胞は、約10〜60日間または約15〜35日間または約24日間にわたって、この神経分化培地中で培養され得る。
【0078】
これらの眼野前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。
【0079】
これらの眼野前駆細胞は、マーカーPAX6およびRX1の一方またはそれらの両方を発現する。したがって、これらの眼野前駆細胞は、PAX6(+)および/またはRX1(+)であり得る。これらの眼野前駆細胞は、SIX3(+)、SIX6(+)、LHX2(+)、TBX3(+)および/またはネスチン(+)のうち1つまたは複数であり得る。これらの眼野前駆細胞は、SOX2(+)およびOCT4(−)およびNanog(−)のうち1つまたは複数であり得る。これらの眼野前駆細胞は、ヒトであり得る。
【0080】
この方法は、これらの眼野前駆細胞を網膜神経前駆細胞へと分化させるステップをさらに含み得る。
【0081】
別の一態様では、本開示は、例えば、上述の段落に記載されるような、本明細書に記載される方法を使用して生成される眼野前駆細胞を含む組成物を提供する。別の一態様では、本開示は、任意選択でヒトである眼野前駆細胞を含む組成物を提供する。
【0082】
これらの眼野前駆細胞は、ヒトであり得る。これらの眼野前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。これらの眼野前駆細胞は、マーカーPAX6およびRX1の一方またはそれらの両方を発現する。したがって、これらの眼野前駆細胞は、PAX6(+)および/またはRX1(+)であり得る。これらの眼野前駆細胞は、SIX3(+)、SIX6(+)、LHX2(+)、TBX3(+)および/またはネスチン(+)のうち1つまたは複数であり得る。これらの眼野前駆細胞は、SOX2(+)およびOCT4(−)およびNanog(−)のうち1つまたは複数であり得る。これらの眼野前駆細胞は、凍結保存され得る。
【0083】
別の一態様では、本開示は、それを必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、眼野前駆細胞を含む組成物(例えば、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載される方法を使用して生成される組成物)を、この個体に投与するステップを含む。この組成物は、眼、網膜下空間または静脈内に投与され得る。かかる個体は、加齢性黄斑変性症を含む黄斑変性症を有し得、かかる黄斑変性症は、初期または後期段階であり得る。かかる個体は、網膜色素変性症、網膜異形成、網膜変性症、糖尿病性網膜症、先天性網膜ジストロフィー、レーバー先天黒内障、網膜剥離、緑内障または視神経症を有し得る。
【0084】
別の一態様では、本開示は、網膜神経前駆細胞または光受容体前駆細胞を生成する方法を提供し、この方法は、(a)神経分化培地中で眼野前駆細胞を培養するステップを含む。この神経分化培地は、Neurobasal培地を含み得る。
【0085】
この神経分化培地は、D−グルコースを含み得る。この神経分化培地は、約450mg/mlのD−グルコースまたは約400mg/mlと約500mg/mlとの間のD−グルコースを含み得る。
【0086】
この神経分化培地は、1種または複数の抗生物質を含み得る。これらの抗生物質には、ペニシリンおよびストレプトマイシンの一方またはそれらの両方、任意選択で約0〜100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約0〜100μg/mlの濃度のストレプトマイシン、さらには任意選択で約100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約100μg/mlの濃度のストレプトマイシンが、含まれ得る。
【0087】
この神経分化培地は、N2サプリメントを含み得る。このN2サプリメントは、約0.1〜5%または約2%の濃度で存在し得る。
【0088】
この神経分化培地は、B27サプリメントを含み得る。このB27サプリメントは、約0.05〜5.0%、約0.05〜2.0%または約2%の濃度で存在し得る。
【0089】
この神経分化培地は、非必須アミノ酸もしくはMEM非必須アミノ酸またはグルタミンもしくはGlutaMAX(商標)を含み得る。この非必須アミノ酸またはMEM非必須アミノ酸は、約0.1mMの濃度で存在し得る。
【0090】
この神経分化培養培地は、任意選択で、外因的に添加されたBMPシグナル伝達インヒビターを含まない。この神経分化培地は、任意選択で、外因的に添加されたノギン、例えばノギンポリペプチドを含まない。
【0091】
ステップ(a)は、(i)細胞が球を形成するまで眼野前駆細胞を培養するステップ、および(ii)これらの球を接着条件下でプレートするステップを含み得る。
【0092】
ステップ(i)は、低接着性プレート上で細胞を培養するステップを含み得る。ステップ(i)は、懸滴で細胞を培養するステップを含み得る。ステップ(i)の培養物は、培養細胞を、機械的または酵素的に単一細胞懸濁物へと分解することによって形成され得る。ステップ(i)は、1〜10、3〜8または約5日間にわたって継続され得る。
【0093】
ステップ(ii)は、Matrigel(商標)上にこれらの球をプレートするステップを含み得る。ステップ(ii)は、ラミニンまたはコラーゲン上にこれらの球をプレートするステップを含み得る。ステップ(ii)は、この培養物がコンフルエントになるまで継続され得る。
【0094】
ステップ(i)および(ii)は、交互に繰り返す様式で反復され得る。
【0095】
これらの細胞は、約10〜60日間または約15〜35日間または約25日間にわたって、この神経分化培地中で培養され得る。
【0096】
これらの網膜神経前駆細胞は、これらの眼野前駆細胞から分化し得、漸増する数でこの培養物中に存在し得る。これらの網膜神経前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。
【0097】
これらの網膜神経前駆細胞は、マーカーPAX6およびRX1の一方またはそれらの両方を発現し得る。したがって、この神経前駆細胞は、PAX6(+)および/またはCHX10(+)であり得る。この網膜神経前駆細胞は、SOX2(−)であり得る。この網膜神経前駆細胞は、Tuj1(+)またはTuj1(−)であり得る。
【0098】
これらの細胞は、約10〜330日間または約15〜300日間または約10〜100日間または約15〜100日間または約100日間にわたって、この神経分化培地中で培養され得る。
【0099】
これらの光受容体前駆細胞は、これらの網膜神経前駆細胞から分化し、漸増する数でこの培養物中に存在し得る。これらの光受容体前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。
【0100】
これらの光受容体前駆細胞は、PAX6(+)および/またはCHX10(−)であり得る。これらの光受容体前駆細胞は、マーカーNr2e3、Trβ2、Mash1、RORβおよび/またはNROのうちの1種または複数を発現し得、したがって、Nr2e3(+)および/またはTrβ2(+)および/またはMash1(+)および/またはRORβ(+)および/またはNRO(+)であり得る。
【0101】
これらの細胞は、少なくとも約130日間、少なくとも約160日間、少なくとも約190日間またはそれ超にわたって、この神経分化培地中で培養され得、それによって、これらの光受容体前駆細胞は、杆体を形成する能力を保持したまま、錐体へと分化する減少した能力を示すか、またはかかる能力を示さない。
【0102】
この方法は、これらの光受容体前駆細胞を光受容体へと分化させるステップをさらに含み得る。
【0103】
これらの眼野前駆細胞は、多能性幹細胞、例えばES細胞もしくはiPS細胞またはSTAP細胞から分化し得、この多能性幹細胞、例えばES細胞もしくはiPS細胞またはSTAP細胞は、任意選択でヒトであり得る。
【0104】
別の一態様では、これらの網膜神経前駆細胞は、ヒトであり得る。
【0105】
別の一態様では、本開示は、本明細書に記載される任意の方法、例えば、上述の段落に記載される方法に従って生成される網膜神経前駆細胞を含む組成物を提供する。別の一態様では、本開示は、任意選択でヒトである網膜神経前駆細胞を含む組成物を提供する。
【0106】
これらの網膜神経前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。
【0107】
これらの網膜神経前駆細胞は、PAX6およびCHX10マーカーの一方またはそれらの両方を発現し得、したがって、PAX6(+)および/またはCHX10(+)であり得る。これらの網膜神経前駆細胞は、SOX2(−)であり得る。これらの網膜神経前駆細胞は、Tuj1(+)またはTuj1(−)であり得る。
【0108】
これらの網膜神経前駆細胞は、凍結保存され得る。
【0109】
別の一態様では、本開示は、それを必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、網膜神経前駆細胞を含む組成物、例えば、本明細書に記載される組成物または本明細書に記載される方法に従って生成される組成物を、この個体に投与するステップを含む。この組成物は、眼、網膜下空間または静脈内に投与され得る。これらの光受容体前駆細胞は、ヒトであり得る。かかる個体は、加齢性黄斑変性症を含む黄斑変性症を有し得、かかる黄斑変性症は、初期または後期段階であり得る。かかる個体は、網膜色素変性症、網膜異形成、網膜変性症、糖尿病性網膜症、先天性網膜ジストロフィー、レーバー先天黒内障、網膜剥離、緑内障または視神経症を有し得る。
【0110】
別の一態様では、本開示は、本明細書に記載される方法、例えば、上述の段落に記載される方法に従って生成される光受容体前駆細胞を含む組成物を提供する。別の一態様では、本開示は、任意選択でヒトである光受容体前駆細胞を含む組成物を提供する。
【0111】
これらの光受容体前駆細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。
【0112】
これらの光受容体前駆細胞は、PAX6(+)および/またはCHX10(−)であり得る。これらの光受容体前駆細胞は、Nr2e3、Trβ2、Mash1、RORβおよび/またはNROマーカーのうちの1種または複数を発現し、したがって、Nr2e3(+)および/またはTrβ2(+)および/またはMash1(+)および/またはRORβ(+)および/またはNRO(+)であり得る。
【0113】
これらの光受容体前駆細胞は、凍結保存され得る。
【0114】
別の一態様では、本開示は、それを必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、光受容体前駆細胞を含む組成物、例えば、本明細書、例えば上述の段落に記載される組成物、または本明細書、例えば上述の段落に記載される方法に従って生成される組成物を、この個体に投与するステップを含む。この組成物は、眼、網膜下空間または静脈内に投与され得る。かかる個体は、加齢性黄斑変性症を含む黄斑変性症を有し得、かかる黄斑変性症は、初期または後期段階であり得る。かかる個体は、網膜色素変性症、網膜異形成、網膜変性症、糖尿病性網膜症、先天性網膜ジストロフィー、レーバー先天黒内障、網膜剥離、緑内障または視神経症を有し得る。
【0115】
別の一態様では、本開示は、光受容体細胞を生成する方法を提供し、この方法は、(a)光受容体分化培地中で光受容体前駆細胞を培養するステップを含む。この光受容体分化培地は、Neurobasal培地を含み得る。
【0116】
この光受容体分化培地は、D−グルコースを含み得る。この光受容体分化培地は、約450mg/mlのD−グルコースまたは約400mg/mlと約500mg/mlとの間のD−グルコースを含み得る。
【0117】
この光受容体分化培地は、1種または複数の抗生物質を含み得る。これらの抗生物質には、ペニシリンおよびストレプトマイシンの一方または複数または全て、任意選択で約0〜100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約0〜100μg/mlの濃度のストレプトマイシン、さらには任意選択で約100単位/mlの濃度のペニシリンおよび任意選択で約100μg/mlの濃度のストレプトマイシンが、含まれ得る。
【0118】
この光受容体分化培地は、N2サプリメントを含み得る。このN2サプリメントは、約0.1〜5%または約2%の濃度で存在し得る。
【0119】
この光受容体分化培地は、B27サプリメント(例えば、処方番号080085−SA)を含み得る。このB27サプリメントは、約0.05〜5.0%、約0.05〜2.0%または約2%の濃度で存在し得る。
【0120】
この光受容体分化培地は、非必須アミノ酸もしくはMEM非必須アミノ酸またはグルタミンもしくはGlutaMAX(商標)を含み得る。GlutaMAX(商標)は、L−グルタミンの安定化形態であるL−アラニル−L−グルタミンである。この非必須アミノ酸またはMEM非必須アミノ酸は、約0.1mMの濃度で存在し得る。
【0121】
この光受容体分化培地は、フォルスコリンを含み得る。このフォルスコリンは、約1〜100μMの間または約5μMの濃度で、この光受容体分化培地中に存在し得る。
【0122】
この光受容体分化培地は、BDNFを含み得る。このBDNFは、約1〜100ng/mlの間または約10ng/mlの濃度で、この光受容体分化培地中に存在し得る。
【0123】
この光受容体分化培地は、CNTFを含み得る。このCNTFは、約1〜100ng/mlの間または約10ng/mlの濃度で、この光受容体分化培地中に存在し得る。
【0124】
この光受容体分化培地は、LIFを含み得る。このLIFは、約5〜50ng/mlの間または約10ng/mlの濃度で、この光受容体分化培地中に存在し得る。
【0125】
この光受容体分化培地は、DATPを含み得る。このDATPは、約1〜100μMの間または約10μMの濃度で、この光受容体分化培地中に存在し得る。
【0126】
これらの光受容体前駆細胞は、任意選択でヒトである網膜神経前駆細胞から分化し得る。これらの光受容体細胞は、ヒトであり得る。
【0127】
一部の実施形態では、光受容体前駆細胞は、光受容体分化培地中での培養の前に、ND培地中のレチノイン酸およびタウリンで予め処理される。このレチノイン酸は、約100〜1000ng/mlの濃度で使用され得、タウリンは、約20〜500μMの濃度で使用され得る。この培養ステップは、一部の実施形態では、約1〜2週間にわたって起こり得る。この培地は、一部の場合には、2日毎に交換され得る(例えば、半分を交換)。次いで、この培地は、レチノイン酸およびタウリンを欠くND培地に交換され得、これらの細胞は、さらなる約1〜2週間にわたって、またはコンフルエントになるまで、培養され得る。
【0128】
別の一態様では、本開示は、任意選択でヒトである、本明細書、例えば上述の段落に記載される方法に従って生成された光受容体細胞を含む組成物を提供する。
【0129】
これらの光受容体細胞は、PAX6(−)であり得る。これらの光受容体細胞は、この培養物中の細胞の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%を構成し得る。これらの光受容体細胞は、凍結保存され得る。
【0130】
別の一態様では、本開示は、それを必要とする個体の処置の方法を提供し、この方法は、光受容体細胞を含む組成物、例えば、本明細書、例えば上述の段落に記載される組成物、または本明細書、例えば上述の段落に記載される方法によって生成される組成物を、この個体に投与するステップを含む。この組成物は、眼、網膜下空間または静脈内に投与され得る。かかる個体は、加齢性黄斑変性症を含む黄斑変性症を有し得、かかる黄斑変性症は、初期または後期段階であり得る。かかる個体は、網膜色素変性症、網膜異形成、網膜変性症、糖尿病性網膜症、先天性網膜ジストロフィー、レーバー先天黒内障、網膜剥離、緑内障または視神経症を有し得る。
【0131】
別の一実施形態では、本発明は、ヒト起源の光受容体前駆細胞(PRPC)または光受容体細胞(PR)の、好ましくは、マウス線維芽細胞フィーダープラットフォーム上で増殖させなかった細胞に起源する非ドナー由来光受容体前駆細胞または光受容体細胞の、実質的に純粋な調製物に関する。例えば、この調製物は、85%〜95%純粋であり得る。一実施形態では、本発明は、マウス線維芽細胞フィーダープラットフォームから誘導された細胞の必要性を省く、ヒト起源のPRPCまたはPRの実質的に純粋な調製物を調製する方法に関する。本発明の方法でフィーダー系を置き換えることで、例えば、75%〜100%または85%〜95%の、より高い均一性の光受容体細胞を生成する。無フィーダー幹細胞の分化は、外因性誘導因子の導入の非存在下でも生じ得、これは、先行技術を超えた実質的な改善である。しかし、ノギンの任意選択の添加は、幹細胞の分化を加速し得るが、分化を生じさせるために必要というわけではない。得られた光受容体前駆細胞は、免疫細胞化学的にPAX6陽性(PAX6(+))およびCHX10陰性(CHX10(−))として、独自に特徴付けられる。
【0132】
カラー図面(複数可)を伴うこの特許または特許出願公開のコピーは、請求および必要な手数料の支払いに応じて、特許庁によって提供される。