特許第6582009号(P6582009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6582009医薬固形製剤コーティング液用分散剤、医薬固形製剤コーティング液用添加剤、医薬固形製剤コーティング液及び医薬固形製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582009
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】医薬固形製剤コーティング液用分散剤、医薬固形製剤コーティング液用添加剤、医薬固形製剤コーティング液及び医薬固形製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/14 20060101AFI20190912BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20190912BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   A61K9/14
   A61K47/32
   A61K47/14
   A61K47/12
   A61K47/20
   A61K47/26
   A61K47/04
   A61K9/30
【請求項の数】7
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2017-35815(P2017-35815)
(22)【出願日】2017年2月28日
(65)【公開番号】特開2018-140957(P2018-140957A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2018年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】元藤 梓平
(72)【発明者】
【氏名】堀江 誠司
(72)【発明者】
【氏名】山崎 祐亮
【審査官】 山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/136376(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/126059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00
A61K 47/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される(メタ)アクリルモノマー(A)の内、構造式が異なる少なくとも2種の(メタ)アクリルモノマー(a)を必須構成単量体とする共重合体(B)と、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリオキシエチレングリコール、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の乳化剤(C)と、タルク、カオリン、セッコウ、ホウ砂、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子(E)と、水とを含有する医薬固形製剤コーティング液であって、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれるリン原子の重量割合が、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれる乳化剤(C)の重量を基準として800ppm以下であり、前記共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として50ppm以下であり、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれる共重合体(B)、乳化剤(C)及び無機粒子(E)の合計重量を基準として40ppm以下である医薬固形製剤コーティング液。
【化1】
[一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり;Xは、一般式(2)で表される1価の基又は一般式(3)で表される1価の基である。]
−[O−R] (2)
[一般式(2)において、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基又は炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基である。]
−[O] (3)
[一般式(3)において、Yは1価のカチオンである。]
【請求項2】
前記(メタ)アクリルモノマー(a)が、メタクリル酸、メタクリル酸の塩、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸(2−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸(2−ジエチルアミノ)エチル及び[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも2種の(メタ)アクリルモノマーである請求項1に記載の医薬固形製剤コーティング液。
【請求項3】
前記共重合体(B)の数平均分子量が1000以上、100万以下である請求項1又は2に記載の医薬固形製剤コーティング液。
【請求項4】
一般式(3)においてYが、アルカリ金属イオン、アンモニウム、炭素数1〜10のモノアルカノールアンモニウム、炭素数2〜20のジアルカノールアンモニウム及び炭素数3〜30のトリアルカノールアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬固形製剤コーティング液。
【請求項5】
前記共重合体(B)及び前記乳化剤(C)の合計重量の割合が、前記医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として1〜98重量%であり、
前記共重合体(B)の重量割合が、前記共重合体(B)及び前記乳化剤(C)の合計重量を基準として、3.226〜99.999重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬固形製剤コーティング液。
【請求項6】
前記共重合体(B)及び前記乳化剤(C)の合計重量の割合が、前記医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として1〜98重量%であり、前記無機粒子(E)の重量割合が、前記医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として1〜50重量%であり、前記水の重量割合が、前記医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として1〜98重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬固形製剤コーティング液。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬固形製剤コーティング液でコーティングされてなる医薬固形製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬固形製剤コーティング液用分散剤、医薬固形製剤コーティング液用添加剤、医薬固形製剤コーティング液及び医薬固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品分野では、固形製剤が口腔内、胃及び腸等の患部に到達して初めて溶解又は崩壊し、有効成分を放出することが必要であり、固形製剤に、溶解、膨潤まで製剤形状を維持する錠剤強度(賦形性)と、患部で速やかに溶解又は崩壊する有効成分放出性(崩壊性、腸溶性、胃溶性及び徐放性等)を添加剤によって付与している。前記の添加剤として、従来はアクリル系ポリマー等が用いられている(例えば特許文献1)。
また、固形製剤に滑沢性を付与する目的で、添加剤として無機粒子(タルク等)が用いられている。
前述のアクリル系ポリマー及び無機粒子を固形製剤に添加する製造プロセスにおいて、アクリル系ポリマー及び無機粒子を含有する混合液をコーティング液として使用する事が多いが、アクリル系ポリマーと無機粒子の混合時にアクリル系ポリマーを介して無機粒子が凝集してしまうため、ろ過工程等の追加による煩雑化、ゲル物除去に伴う原料費の増大、ゲル物除去に伴うコーティング液組成の変動等の課題がある。
この課題を解決するために分散剤[モノステアリン酸グリセリン、クエン酸トリエチル及びポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル)等]の多量添加等が提案されているが(例えば特許文献2)、分散剤を余分に添加すると、有効成分放出性(崩壊性、腸溶性、胃溶性及び徐放性等)が悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−516282号公報
【特許文献2】特表2008−524257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コーティング後の医薬固形製剤の有効成分放出性を悪化させることなく、かつ、優れた無機粒子分散性を有する医薬固形製剤コーティング液並びにこれに用いる医薬固形製剤コーティング液分散剤及び医薬固形製剤コーティング液用添加剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、一般式(1)で示される(メタ)アクリルモノマー(A)の内、構造式が異なる少なくとも2種の(メタ)アクリルモノマー(a)を必須構成単量体とする共重合体(B)と、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリオキシエチレングリコール、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の乳化剤(C)と、タルク、カオリン、セッコウ、ホウ砂、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子(E)と、水とを含有する医薬固形製剤コーティング液であって、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれるリン原子の重量割合が、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれる乳化剤(C)の重量を基準として800ppm以下であり、前記共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として50ppm以下であり、前記医薬固形製剤コーティング液に含まれる共重合体(B)、乳化剤(C)及び無機粒子(E)の合計重量を基準として40ppm以下である医薬固形製剤コーティング液;前記医薬固形製剤コーティング液でコーティングされてなる医薬固形製剤である。
【0006】
【化1】
【0007】
[一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり;Xは、一般式(2)で表される1価の基又は一般式(3)で表される1価の基である。]
−[O−R] (2)
[一般式(2)において、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基又は炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基である。]
−[O] (3)
[一般式(3)において、Yは1価のカチオンである。]
【発明の効果】
【0008】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤又は本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤を用いた医薬固形製剤コーティング液は、無機粒子(タルク等)分散性に優れるため、無機粒子凝集物発生による医薬品生産工程のロスを抑制することができ、また、前記医薬固形製剤コーティング液でコーティングした医薬固形製剤は、有効成分放出性も十分である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤は、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリオキシエチレングリコール、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の乳化剤(C)を含有する医薬固形製剤コーティング液用分散剤である。
【0010】
前記医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれるリン原子の重量割合は、前記医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれる乳化剤(C)の重量を基準として、800ppm以下であり、無機粒子の分散性の観点から好ましくは28ppm以下である。
【0011】

本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれるリン原子の重量割合は、以下の条件の誘導結合プラズマ(以降、ICPと略記する)発光分析法により測定することができる。
<ICP発光分析法によるリン原子含量の評価条件例>
事前処理:試料を超純水で1000倍に希釈。
ICP発光分析装置:VARIAN社製「Varian730−ES」
測定波長:213.6nm
検量線:超純水に、リン酸二水素カリウムを所定濃度溶解させた水溶液を用いて作製。
【0012】
前記医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれる前記の乳化剤(C)の重量割合は、前記医薬固形製剤コーティング液用分散剤の重量を基準として、99重量%以上であることが好ましい。
【0013】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤は、市場から入手可能な乳化剤(C)を、セライト等を用いて濾過し、リン含量を上記の値に調整することで、得ることができる。
【0014】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、一般式(1)で示される(メタ)アクリルモノマー(A)の内、構造式が異なる少なくとも2種の(メタ)アクリルモノマー(a)を必須構成単量体とする共重合体(B)と、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリオキシエチレングリコール、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の乳化剤(C)とを含有する医薬固形製剤コーティング液用添加剤である。
なお、本出願において「(メタ)アクリル」の表記はアクリルとメタクリルを意味する。
【0015】
【化2】
【0016】
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基である。
前記共重合体(B)を構成する前記(メタ)アクリルモノマー(a)の内、少なくとも1種は、Rがメチル基であるメタクリルモノマーであることが好ましい。
【0017】
一般式(1)中、Xは、上記一般式(2)で表される1価の基又は上記一般式(3)で表される1価の基である。
−[O−R] (2)
−[O] (3)
【0018】
一般式(2)中、Rは水素原子、炭素数1〜10の1価のアルキル基、炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基又は炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基である。
【0019】
炭素数1〜10の1価のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基及びn−デシル基等が挙げられる。
炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基としては、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基及び2−ジブチルアミノエチル基等が挙げられる。
炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基としては、2−(トリメチル塩化アンモニウム)エチル基等が挙げられる。
【0020】
として、有効成分放出性の観点から好ましいのは、水素原子、炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基及び炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基であり、更に好ましいのは、水素原子、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2−ジブチルアミノエチル基及び2−(トリメチル塩化アンモニウム)エチル基である。
また、Rとして、後述する有効成分と共重合体(B)との副反応を抑制する観点から好ましいのは、炭素数3〜10のジアルキルアミノアルキル基及び炭素数4〜15のトリアルキルアンモニウムアルキル基であり、更に好ましいのは、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2−ジブチルアミノエチル基及び2−(トリメチル塩化アンモニウム)エチル基である。
【0021】
一般式(3)に中、Yは1価のカチオンである。
としては、アルカリ金属イオン、アンモニウム、炭素数1〜10のモノアルカノールアンモニウム(モノメタノールアンモニウム、モノエタノールアンモニウム及びモノデカノールアンモニウム等)、炭素数2〜20のジアルカノールアンモニウム(ジメタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム及びジデカノールアンモニウム等)及び炭素数3〜30のトリアルカノールアンモニウム(トリメタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム及びトリデカノールアンモニウム等)等が挙げられる。
【0022】
Xが一般式(3)で表される1価の基である構成単量体とするためには、構成単量体として(メタ)アクリル酸を用い、後述する方法で共重合体(B)を合成した後に、塩基性化合物(D)にて、(メタ)アクリル酸由来のカルボキシ基を、中和する方法等が挙げられる。
【0023】
本発明における塩基性化合物(D)としては、1価のアルカリ金属の水酸化物及びアミン化合物等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭素数1〜10のモノアルカノールアミン(モノメタノールアミン、モノエタノールアミン及びモノデカノールアミン等)、炭素数2〜20のジアルカノールアミン(ジメタノールアミン、ジエタノールアミン及びジデカノールアミン等)及び炭素数3〜30のトリアルカノールアミン(トリメタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリデカノールアミン等)であり、更に好ましくは水酸化ナトリウム及びアンモニアである。
【0024】
本発明における(メタ)アクリルモノマー(a)として、有効成分放出性の観点から好ましいのは、メタクリル酸、メタクリル酸の塩、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸(2−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸(2−ジエチルアミノ)エチル及び[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライドである。
また、後述の医薬固形製剤が含有する有効成分及びその他の添加剤の全てが、酸性又は中性の化合物である場合、医薬固形製剤に用いる医薬固形製剤コーティング液用添加剤が含有する(B)の構成単量体(a)は、有効成分等の安定性の観点から、Xが一般式(2)で表される1価の基である単量体であることが好ましく、更に好ましいのは、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸(2−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸(2−ジエチルアミノ)エチル及び[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライドである。
【0025】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記共重合体(B)の数平均分子量としては、有効成分放出性の観点から、好ましくは1000以上、100万以下であり、更に好ましくは1万以上、90万以下である。
【0026】
本発明において、数平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPC)を用いて、下記の条件で測定できる。
装置 :GPC[東ソー(株)製「HLC−8220GPC」]
溶媒 :メタノール
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :40℃
【0027】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記共重合体(B)の結合様式は、ランダム共重合でもブロック共重合でもよい。結合様式については、熱分解ガスクロマトグラフィー法でダイマー由来のシグナル又はトリマー由来のシグナルを帰属する事で、ランダム共重合体かブロック共重合体かを判別できる。
ブロック共重合体は、ランダム共重合体と異なる特徴的なシグナルを示す。例えば、モノマーA及びモノマーBの2成分系ジブロック共重合体の場合、ダイマー由来のシグナルの内、AA由来のシグナルの割合及びBB由来のシグナルの割合は、ランダム共重合体の場合より増加し、AB由来のシグナルの割合は、ランダム共重合体の場合より減少する。
また、トリマー由来のシグナルの内、AAA由来のシグナルの割合及びBBB由来のシグナルの割合はランダム共重合体の場合より増加し、その他のトリマー由来のシグナル(ABB等)の割合は、ランダム共重合体の場合より減少する。
なお、ランダム共重合体の上記のシグナルの割合は、熱分解ガスクロマトグラフィー法で測定する方法以外に、H−NMRによって、ランダム共重合体を構成する各モノマーの比率を算出し、モンテカルロシミューレション法を活用することでも導出できる。
【0028】
前記の共重合体(B)の結合様式については、本発明の添加剤を用いて製造した医薬固形製剤の有効成分放出性の観点からは、ブロック共重合体であることが好ましい。
【0029】
<熱分解ガスクロマトグラフィー法の評価条件例>
事前処理:カルボキシ基を有する試料は、塩基性条件下、トリメチルシリルクロライドで処理し、カルボキシ基をトリメチルシリルエステルに変換する。
キューリーポイントパイロライザ:JHP−3型(日本分析工業製)
ガスクロマトグラフ:HP−5890A(Hewlett Packard社)
質量分析計:JMS−DX303(日本電子製)
熱分解温度:445℃
【0030】
H−NMRの評価条件例>
溶媒:重メタノール
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
【0031】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記共重合体(B)の結合様式がブロック共重合である時、各ブロックの数平均分子量について特に限定されないが、好ましくは300以上、999,700以下であり、更に好ましくは500以上、899,500以下である。
【0032】
各ブロックの数平均分子量は、前記のH−NMRによって算出されたモノマー比と、前記の熱分解ガスクロマトグラフィー法で特定した構造から導出した化学式量と、GPCを用いて測定した医薬固形製剤コーティング液用添加剤の数平均分子量を用いて計算する事ができる。
【0033】
本発明における共重合体(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明における共重合体(B)は、有効成分放出性の観点から好ましいのは(メタ)アクリルモノマー(a)を2種用いた共重合体、(メタ)アクリルモノマー(a)を3種用いた共重合体及び(メタ)アクリルモノマー(a)を4種用いた共重合体であり、更に好ましいのは(メタ)アクリルモノマー(a)を2種用いた共重合体及び(メタ)アクリルモノマー(a)を3種用いた共重合体である。
【0034】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、その性状が乳化液状の場合と粉末状の場合がある。
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤が、乳化液である場合は、前記の共重合体(B)と前記の乳化剤(C)以外に水及び/又は有機溶剤(エタノール及びイソプロパノール等)を含有する乳化液であることが好ましい。
【0035】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記共重合体(B)の製造方法としては、特に限定されないが、後述の医薬固形製剤コーティング液用添加剤の製造方法の説明で、例示している重合方法等が挙げられる。
【0036】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、前記共重合体(B)の重合時に使用した化合物を含んでいてもよい。
【0037】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる乳化剤(C)は、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリオキシエチレングリコール、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
【0038】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる乳化剤(C)は、本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤が含有する乳化剤(C)であることが好ましい。
【0039】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれるリン原子の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる乳化剤(C)の重量を基準として、800ppm以下であり、無機粒子の分散性の観点から好ましくは28ppm以下である。
また、本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれるリン原子の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として50ppm以下である。
【0040】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれるリン原子の重量割合は、上記の医薬固形製剤コーティング液用分散剤で説明したICP発光分析法で測定することができる。
【0041】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、医薬固形製剤に用いられる公知の添加剤〔賦形剤(結晶セルロース、エチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース及び架橋ポリビニルピロリドン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコール等)、(固体)分散剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート等)、核剤(乳糖等)、増粘剤(メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム等)、可溶化剤[ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、α−シクロデキストリン及びポリオキシエチレン(重合度20)モノオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80)等]、徐放剤(エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びステアリルアルコール等)、崩壊剤(カルメロース、カルボキシメチルエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルスターチ等)、可塑剤[ポリエチレングリコール(重合度2〜400)、ポリオキシエチレン(重合度20)モノオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80)、オリーブ油、グリセリン、ソルビトール及びショ糖等]、コーティング剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース及びポリビニルアルコール等)、基剤(大豆油、牛油、トリオレイン、リン脂質、ジヒドロコレステロール、カルナウバロウ、流動パラフィン、ミリスチン酸オクチルドデシル及びジメチルポリシロキサン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、カルナウバロウ、デンプン、シリカ、ショ糖ステアリン酸エステル、ケイ酸カルシウム及びタルク等)、安定剤(ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール及びアスコルビン酸等)、矯味剤(サッカリン、ショ糖及びマルトース等)、矯臭剤(ココア末、ハッカ油及び桂皮末等)、乳化剤(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン及びヒアルロン酸等)、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びL−システイン塩酸塩等)、pH調整剤(リン酸、リン酸一水素ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウム等)、着香剤(l−メントール及びペパーミント等)及び着色剤(タール色素、蛍光染料、天然色素、酸化チタン及び黄酸化鉄等)等〕を含有していてもよい。
前記の公知の添加剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0042】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記共重合体(B)の重量割合は、共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として、3.226〜99.999重量%であることが好ましく、更に好ましくは9.091〜99.998重量%である。
【0043】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤に用いる前記(C)の重量割合は、共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として、0.001〜96.774重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.002〜90.909重量%である。
【0044】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤が、上記の公知の添加剤を含有する場合、上記の公知の添加剤の重量割合は、共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として、0.01〜400重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜300重量%である。
【0045】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤が、水及び/又は有機溶剤を含有する場合、水及び有機溶剤の合計重量は、共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量を基準として、10〜500重量%であることが好ましい。
【0046】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤の製造方法としては、以下のように、共重合体(B)の製造と共に製造する方法等が挙げられる。
(1)共重合体(B)がランダム共重合の場合
(1−1)乳化重合
水に、必要に応じて少量の有機溶剤(エタノール及びイソプロパノール等)と、(メタ)アクリルモノマー(a)複数種と、フリーラジカル開始剤[過硫酸塩(過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機ジアゾ触媒(アゾビスイソブチロニトリル等)及び過酸化物(t−ブチルパーオキシピバレート及び過酸化ベンゾイル等)等]と、乳化剤(C)とを加え、90℃で24時間撹拌し、共重合体(B)を含有する乳化液を得る。
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、上述の通り、その性状が乳化液状の場合と粉末状の場合があり、乳化液状の場合は、重合後の乳化液そのものであり、粉体状の場合は、減圧乾燥又はスプレードライにて乳化液から有機溶剤及び水を除去して得られる粉末である。
(1−2)有機溶剤中での重合
有機溶剤(エタノール及びイソプロパノール等)中に、(メタ)アクリルモノマー(a)複数種と、フリーラジカル開始剤[有機ジアゾ触媒(アゾビスイソブチロニトリル等)及び過酸化物(過酸化ベンゾイル等)等]とを加え、80℃で24時間撹拌し、共重合体(B)を含有する溶液を得る。
その後、減圧留去で有機溶剤を除去し、粉砕して粉体とした後、乳化剤(C)と水を加え、25℃で24時間撹拌し、共重合体(B)を含有する乳化液を得る。本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、上述の通り、その性状が乳化液状の場合と粉末状の場合があり、乳化液状の場合は、前記乳化液そのものであり、粉体状の場合は、減圧乾燥又はスプレードライにて乳化液から有機溶剤及び水を除去して得られる粉末である。
【0047】
(2)共重合体(B)がブロック共重合の場合
(2−1)可逆移動触媒重合(RTPC)
例えば、有機溶剤(トルエン、エチレングリコール及びイソプロパノール等)中に、(メタ)アクリルモノマー(a)1種目と、ヨウ素と、ヨウ素化合物[N−ヨードコハク酸イミド及び2−ヨード−2−シアノプロパン等]と、ラジカル発生剤(アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等)とを加え、80℃で24時間撹拌した後、1種目と異なる(メタ)アクリルモノマー(a)の2種目を加え、更に80℃で24時間撹拌することで共重合体(B)を含有する溶液を得る。
その後、減圧留去で有機溶剤を除去し、粉砕して粉体とした後、乳化剤(C)と水を加え、25℃で24時間撹拌し、共重合体(B)を含有する乳化液を得る。本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤は、その性状が乳化液状の場合と粉末状の場合があり、乳化液状の場合は、前記乳化液そのものであり、粉体状の場合は、減圧乾燥又はスプレードライにて乳化液から助溶剤及び水を除去して得られる粉末である。
【0048】
(3)共重合体(B)が、Xが一般式(3)で表される1価の基である構成単量体を含む場合
上記(1)又は(2)の方法を用いての医薬固形製剤コーティング液用添加剤の製造において、共重合体(B)を合成する際に、構成単量体の1種として(メタ)アクリル酸を用い、重合して得られた共重合体(B)を、前記の塩基性化合物(D)にて、(メタ)アクリル酸由来のカルボキシ基を中和する工程を更に実施することで、Xが一般式(3)で表される1価の基である構成単量体を含む共重合体(B)を含有する医薬固形製剤コーティング液用添加剤を得ることができる。
【0049】
上記の医薬固形製剤コーティング液用添加剤の製造方法で用いる乳化剤(C)は、本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤が含有する乳化剤(C)であることが好ましく、上記の製造方法(1)〜(3)中で乳化剤(C)を加える工程においては、本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤を加えることで、医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれる乳化剤(C)が同時に加えられることが好ましい。
【0050】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤が、必要により用いる前記の公知の添加剤を含有する場合、その混合方法としては、これらの原料を練り込むように均一混合することが好ましい。混合装置としては、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機等の公知の混合装置を使用できる。
【0051】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤の性状については特に限定はなく、乳化液、有機溶剤溶液及び粉体等が挙げられる。粉体の場合、その形状については不定形破砕状、リン片状、パール状、米粒状及び多孔質球状等が挙げられる。これらのうち、固形製剤製造プロセスへの適合性の観点から、乳化液又は粉体が好ましく、粉体の場合は不定形破砕状、パール状又は多孔質球状が好ましい。
【0052】
本発明の医薬固形製剤コーティング液は、前記の医薬固形製剤コーティング液用添加剤と、タルク、カオリン、セッコウ、ホウ砂、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機粒子(E)と、水とを含有する。
本発明の医薬固形製剤コーティング液は、前記の医薬固形製剤コーティング液用添加剤を含有することで、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる共重合体(B)及び乳化剤(C)を含有することができる。
【0053】
本発明の医薬固形製剤コーティング液に含まれるリン原子の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液に含まれる乳化剤(C)の重量を基準として、800ppm以下であり、無機粒子の分散性の観点から好ましくは28ppm以下である。
また、本発明の医薬固形製剤コーティング液に含まれるリン原子の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる共重合体(B)、乳化剤(C)及び無機粒子(E)の合計重量を基準として40ppm以下である。
【0054】
本発明の医薬固形製剤コーティング液に含まれるリン原子の重量割合は、上記の医薬固形製剤コーティング液用分散剤で説明したICP発光分析法で測定することができる。
【0055】
医薬固形製剤コーティング液が含有する共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量の割合は、医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として、1〜98重量%であることが好ましい。
後述の医薬固形製剤コーティング液の製造方法において、医薬固形製剤コーティング液用添加剤の投入量は、医薬固形製剤コーティング液用添加剤が含有する共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量の割合が、上記の割合となる量であることが好ましい。
また、医薬固形製剤コーティング液が含有する無機粒子(E)の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として、1〜50重量%であることが好ましい。
また、医薬固形製剤コーティング液が含有する水の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液の重量を基準として、1〜98重量%であることが好ましい。
【0056】
本発明の医薬固形製剤コーティング液は、前記の無機粒子(E)及び水を、公知の撹拌装置(ホモジナイザー、プロペラ撹拌機、メカニカルスターラー及びマグネティックスターラー等)を用いて混合した後に、前記の医薬固形製剤コーティング液用添加剤を添加し、更に混合することで製造することができる。
【0057】
本発明の医薬固形製剤は、固形製剤の用途に応じて用いられる公知の有効成分、又は、前記の有効成分と必要により用いられるその他の添加剤[賦形剤、結合剤、(固体)分散剤、増粘剤、可溶化剤、徐放剤、崩壊剤、可塑剤、コーティング剤、基剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、酸化防止剤、pH調整剤、着香剤及び着色剤等]との混合物を、本発明の医薬固形製剤コーティング液で、コーティングしたものである。
【0058】
前記の公知の有効成分としては日本薬局方収載の成分が挙げられ、具体的には、消化酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチチターゼ及びリボヌクレアーゼ等)、タムスロシン塩酸塩、アスコルビン酸、アスピリン、アセトアミノフェン、アミノ安息香酸エチル、安息香酸、アンチピリン、イオパノ酸、イソソルビド、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、インドメタシン、エテンザミド、エタクリン酸、エチル炭酸キニーネ、エトスクシミド、エナント酸テストステロン、エナント酸メテノロン、エピリゾール、エルゴカルシフェロール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸アセブトロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アマンタジン、塩酸インデノロール、塩酸L − エチルシステイン、塩酸エチルモルヒネ、塩酸エチレフリン、塩酸オクスプレノロール、塩酸クロコナゾール、塩酸シクロペントラート、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸トリメトキシノール、塩酸フェニレフリン、塩酸ベラパミル、塩酸メクロフェノキサート、オキセサゼイン、カプトプリル、カルバミン酸クロルフェネシン、カルモフール、キシリトール、グアノフェネシン、クエン酸クロミフェン、クエン酸ペントキシベリン、クエン酸ジエチルカルバマジン、クリノフィブラート、クロチアゼパム、クロトリマゾール、クロルプロパミド、ケトプロフェン、コレカルシフェロール、酢酸メテノロン、サリチル酸、ジアゼパム、シアナミド、シクロホスファミド、ジスルフィラム、ジフェンヒドラミン、ジメチジン、ジメンヒドリナート、臭化水素酸デキストロメトルファン、臭化ピリドスチグミン、臭化ブチルスコポラミン、酒石酸イフェンプロジル、シンフィブラート、チアマゾール、チオテパ、チニダゾール、トラピジル、トリメタジオン、トルナフタート、トルブタミド、トレピブトン、トロピカミド、ドロペロドール、ナドロール、ニコチン酸アミド、ビサコジル、ハロペリドール、ビホナゾール、フェナセチン、フェニルブタゾン、ブスルファン、フマル酸ホルモテロール、プラゼパム、フルジアゼパム、フルラゼパム、フルルビプロフェン、プログルミド、プロゲステロン、プロチオナミド、プロピオン酸テストステロン、プロピオン酸ドロスタノロン、ペルフェナジン、ベンズブロマロン、マレイン酸クロルフェニラミン、d − マレイン酸クロルフェニラミン、ミグレニン、ミコナゾール、メキタジン、メシル酸ガベキサート、メシル酸デフェロキサミン、メシル酸ベタヒスチン、メストラノール、メダゼパム、メチラポン、メチル硫酸ネオスチグミン、メトキサレン、メトクリプラミド、メナテトレノン、メフルシド、ユビデカレノン、ヨウ化エコチオパート、ヨードホルム、酪酸リボフラビン、リドカイン、l−メントール、アムホテリシンB 、アルプロスタジルアルファデクス、エピネフリン、塩酸セフカペンピボキシル、酢酸ヒドロキソコバラミン、酢酸レチノール、酒石酸エルゴタミン、硝酸イソソルビド、セフチブテン、トリメタジオン、ナイスタチン、ニトログリセリン、バソプレシン、パンテチン、メシル酸ブロモクリプチン及びメピチオスタン等が挙げられる。
前記の公知の有効成分は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0059】
前記のその他の添加剤としては、医薬固形製剤コーティング液用添加剤の説明で例示した医薬固形製剤に用いられる公知の添加剤等が挙げられる。
【0060】
本発明の医薬固形製剤の製造に用いる医薬固形製剤コーティング液の重量割合は、医薬固形製剤コーティング液に含まれる共重合体(B)、乳化剤(C)及び無機粒子(E)の合計重量が、前記の有効成分の重量を基準として、0.01〜80重量%となる量であることが好ましく、更に好ましくは0.03〜75重量%である。
【0061】
本発明の医薬固形製剤が含有する前記の有効成分の重量割合は、医薬固形製剤の重量を基準として、0.1〜90重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜85重量%である。
本発明の医薬固形製剤が含有する前記のその他の添加剤の重量割合は、医薬固形製剤の重量を基準として、0.01〜70重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.03〜65重量%である。
【0062】
本発明の医薬固形製剤の形状としては、顆粒剤、丸剤、散剤及び錠剤等が挙げられる。
【0063】
本発明の医薬固形製剤は、本発明の医薬固形製剤コーティング液と、前記の公知の有効成分と、必要により用いられる前記のその他の添加剤を用いて、以下の公知の方法(コーティングパン方式、流動層コーティング方式及び転動コーティング方式等)によって製造することができる。
(1)コーティングパン方式
有効成分及び必要により用いられるその他の添加剤を前記の公知の混合装置を用いて混合し、その後、圧縮成型する。続いて、圧縮成型物を回転ドラム(パン)に投入し、パン内で転動する圧縮成型物に、コーティング液を噴霧、乾燥してコーティングし、医薬固形製剤を得る。
(2)流動層コーティング方式
流動造粒機を用いて、空気流により有効成分及び必要により用いられるその他の添加剤を浮遊あるいは流動させ、その浮遊懸濁状態にコーティング液を噴霧、乾燥してコーティングすることで、顆粒剤状又は散剤状の医薬固形製剤を得る。必要により、その後圧縮成型することで、丸剤状又は錠剤状の医薬固形製剤としてもよい。
(3)転動コーティング方式
(3−1)
有効成分及び必要により用いられるその他の添加剤を前記の公知の混合装置を用いて混合し、必要に応じて、その後圧縮成型する。続いて、転動造粒機を用いて、水平の円盤を回転させ、円盤上面を転動運動する前記の混合物又は圧縮成型物にコーティング液を噴霧、乾燥して被覆することで、医薬固形製剤を得る。
(3−2)
転動造粒機を用いて、水平の円盤を回転させ、円盤上面を転動運動する有効成分及び必要により用いられるその他の添加剤にコーティング液を噴霧、乾燥して被覆することで、顆粒剤状又は散剤状の医薬固形製剤を得る。必要により、その後圧縮成型することで、丸剤状又は錠剤状の医薬固形製剤としてもよい。
【実施例】
【0064】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。尚、実施例1〜37は参考例である。
【0065】
<実施例1〜5及び比較例1>
セライト[昭和化学工業(株)製「ラヂオライドデラックスW−50」]を表1記載の部数で充填したカラムに、下記乳化剤(C1−1)100部を吸引濾過する事で、各乳化剤を含有する本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤(P1−1−1)〜(P1−1−5)及び比較用の分散剤(P’1−1−1)を得た。
【0066】
<実施例6〜16>
セライト[昭和化学工業(株)製「ラヂオライドデラックスW−50」]1000部を充填したカラムに、下記乳化剤(C1−2)、(C1−3)及び(C2−1)〜(C2−9)各100部を吸引濾過する事で、実施例で使用する医薬固形製剤コーティング液用分散剤(P1−2)、(P1−3)及び(P2−1)〜(P2−9)を得た。
【0067】
実施例1〜16で用いる乳化剤(C1−1)〜(C1−3)及び(C2−1)〜(C2−9)としては以下のものを使用した。
なお、濾過前の乳化剤(C1−1)〜(C1−3)及び(C2−1)〜(C2−9)を、そのまま比較用の分散剤(P’1−1)〜(P’1−3)及び(P’2−1)〜(P’2−9)とした。
・ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル(C1−1):三洋化成工業(株)製「ポリソルベート80」
・ラウリル硫酸ナトリウム(C1−2):日光ケミカルズ(株)製「NIKKOL SLS」
・ポリオキシエチレン(100)ノニルフェニルエーテル(C1−3):日本乳化剤(株)製「ニューコール520」
・ラウリル硫酸ナトリウム(C2−1):日光ケミカルズ(株)製「NIKKOL SLS」
・クエン酸トリエチル(C2−2):Jungbunzlauer製「CITROFOL AI」
・ポリオキシエチレングリコール6000(C2−3):三洋化成工業(株)製「マクロゴール6000」
・ポリオキシエチレングリコール400(C2−4):三洋化成工業(株)製「マクロゴール400」
・クエン酸アセチルトリエチル(C2−5):Jungbunzlauer製「CITROFOL AII」
・クエン酸トリブチル(C2−6):Jungbunzlauer製「CITROFOL BI」
・クエン酸アセチルトリブチル(C2−7):Jungbunzlauer製「CITROFOL BII」
・モノステアリン酸グリセリン(C2−8):日光ケミカルズ(株)製「NIKKOL−MGS−BMV」
・ステアリン酸(C2−9):花王(株)製「日本薬局方ステアリン酸70」
【0068】
実施例で用いる分散剤(P1−1−1)〜(P1−1−5)、(P1−2)〜(P1−3)及び(P2−1)〜(P2−9)並びに比較例で用いる分散剤(P’1−1−1)、(P’1−1)〜(P’1−3)及び(P’2−1)〜(P’2−9)のリン原子含量を下記条件のICP発光分析法にて測定し、医薬固形製剤コーティング液用分散剤に含まれる乳化剤(C)の重量に対するリン原子の重量割合を求めた。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
<ICP発光分析法によるリン原子含量の評価条件例>
事前処理:試料を超純水で1000倍に希釈。
ICP発光分析装置:VARIAN社製「Varian730−ES」
測定波長:213.6nm
検量線:超純水に、リン酸二水素カリウムを所定濃度溶解させた水溶液を用いて作製。
【0071】
<実施例17〜21及び比較例2〜3>
表2に記載の(メタ)アクリルモノマー(a−1)及び(a−2)と、重合開始剤と、重合溶剤と、分散剤(P1)又は比較用の分散剤(P’1)とを、表2に記載の部数で反応容器に加え、窒素置換した後、表2記載の重合条件で撹拌することで、共重合体(B)及び乳化剤(C)を含有する本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤[(X−1−1)〜(X−1−5)]及び比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤[(X’−1−1)及び(X’−1−2)]を得た。
【0072】
<実施例22〜26、30〜31>
表3に記載の(メタ)アクリルモノマー(a)と、重合開始剤と、重合溶剤と、分散剤(P1)とを、表3に記載の部数で反応容器に加え、窒素置換した後、表3記載の重合条件で撹拌することで、共重合体(B)及び乳化剤(C)を含有する本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤[(X−1)〜(X−5)及び(X−9)〜(X−10)]を得た。
【0073】
<実施例27〜29>
表3に記載の(メタ)アクリルモノマー(a)と、重合開始剤と、重合溶剤とを、表3に記載の部数で反応容器に加え、窒素置換した後、表3記載の重合条件で撹拌することで、共重合体(B)を含有する反応溶液を得た。
次に、減圧留去により反応溶液から重合溶剤を除去し、粉砕して粉体とした後、表3に記載の部数の分散剤(P2)と水467部を加え、25℃で24時間撹拌し、本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤[(X−6)〜(X−8)]を得た。
【0074】
<実施例32>
まず、(メタ)アクリルモノマー(a−1)と、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、ヨウ素及びN−ヨードコハク酸イミド)と、重合溶剤(イソプロパノール)とを表3に記載の部数で、反応容器に加え、窒素置換した後、表3に記載の重合条件で重合反応(第1反応)させ、その後、(メタ)アクリルモノマー(a−2)を表3に記載の部数で、反応容器に加え、表3に記載の重合条件で重合反応(第2反応)させることで、ブロック共重合体である共重合体(B)を含有する反応溶液を得た。
上記の重合反応後に、減圧留去により反応溶液から重合溶剤を除去し、粉砕して紛体とした後、表3に記載の部数の分散剤(P2)と水467部を加え、25℃で24時間撹拌し、本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−11)を得た。
【0075】
<比較例4〜14:リン含量上限オーバーの例>
実施例22〜32において、分散剤(P1−1−1)、(P1−2)〜(P1−3)及び(P2−1)〜(P2−9)に代えて、それぞれ比較用の分散剤(P’1−1)〜(P’1−3)及び(P’2−1)〜(P’2−9)を用いること以外は、実施例22〜32と同様にして、比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1)〜(X’−11)を得た。
【0076】
<比較例15:分散剤(P’)の多量添加>
反応容器に、(X−1)100部、(P’1−1)15部、(P’2−2)15部及び(P’2−8)15部加え、25℃で5時間撹拌し、比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−12)を得た。
【0077】
前記表2〜4に記載の化合物は以下のものを使用した。
・過硫酸アンモニウム:(株)ADEKA製「過硫酸アンモニウム(APS)」
・t−ブチルパーオキシピバレート:化薬アクゾ(株)製「カヤエステルP−70」
・アゾビスイソブチロニトリル:ALDRICH社製
・ヨウ素:ALDRICH社製
・N−ヨードコハク酸イミド:ALDRICH社製
・メタクリル酸(a−1):東京化成(株)製
・アクリル酸エチル(a−2):東京化成(株)製
・メタクリル酸メチル(a−3):東京化成(株)製
・メタクリル酸ブチル(a−4):東京化成(株)製
・メタクリル酸(2−ジメチルアミノ)エチル(a−5):東京化成(株)製
・メタクリル酸(2−ジエチルアミノ)エチル(a−6):東京化成(株)製
・[2−(メタクリロイロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロライド(a−7):
MRCユニテック(株)製の品名「QDM」
・分散剤(P1−1−1)〜(P1−1−5)、(P1−2)〜(P1−3)及び(P2−1)〜(P2−9):実施例1〜16で製造した化合物
・比較用の分散剤(P’1−1−1):比較例1で製造した化合物
・比較用の分散剤(P’1−1)〜(P’1−3)及び(P’2−1)〜(P’2−9):濾過前の乳化剤(C1−1)〜(C1−3)及び(C2−1)〜(C2−9)を、そのまま比較用の分散剤(P’1−1)〜(P’1−3)及び(P’2−1)〜(P’2−9)として用いた。
【0078】
<実施例33〜37及び比較例16〜21:塩基性化合物(D)による中和>
反応容器に、医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−1)〜(X−4)及び(X−11)及び比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1)〜(X’−4)及び(X’−11)〜(X’−12)と、表5に記載の塩基性化合物(D)とを、表5に記載の部数で加え、25℃で5時間撹拌し、本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−1N)〜(X−4N)及び(X−11N)並びに比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1N)〜(X’−4N)及び(X’−11N)〜(X’−12N)を得た。
なお、中和率は医薬固形製剤コーティング液用添加剤及び塩基性化合物(D)の投入量から算出した。
【0079】
実施例17〜37で得た本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−1−1)〜(X−1−5)、(X−1)〜(X−11)、(X−1N)〜(X−4N)及び(X−11N)並びに比較例2〜21で得た比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1−1)〜(X’−1−2)、(X’−1)〜(X’−12)、(X’−1N)〜(X’−4N)及び(X’−11N)〜(X’−12N)について、以下の方法でリン原子含量と、無機粒子分散性を評価した。結果を表2〜5に示す。
また、医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−1−1)〜(X−1−5)及び(X−1)〜(X−11)並びに比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1−1)〜(X’−1−2)及び(X’−1)〜(X’−12)が含有する共重合体(B)の数平均分子量を、以下の方法で測定した。結果を表2〜4に示す。
【0080】
<リン原子含量の評価>
各医薬固形製剤コーティング液用添加剤のリン原子含量を測定し、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる乳化剤(C)の重量に対するリン原子の重量割合、及び、医薬固形製剤コーティング液用添加剤に含まれる共重合体(B)及び乳化剤(C)の合計重量に対するリン原子の重量割合を求めた。
なお、ICP発光分析法の測定条件については、試料を事前に減圧乾燥にて濃縮したものを用いたこと以外は、上記の医薬固形製剤コーティング液用分散剤について測定した時の条件と同様にして実施した。また、試料の濃縮倍率を記録し、測定結果に濃縮倍率を反映させた(例えば、濃縮倍率が2倍であった場合は、ICP発光分析法による測定で得られた値を2分の1にした。)。
【0081】
<共重合体(B)の数平均分子量>
各医薬固形製剤コーティング液用添加剤が含有する共重合体(B)の数平均分子量は、GPCを用いて、下記の条件で測定した。
装置 :GPC[東ソー(株)製「HLC−8220GPC」]
溶媒 :メタノール
基準物質 :ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel MIXED−B
カラム温度 :40℃
【0082】
医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−11)及び比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−11)の各ブロックの数平均分子量は、H−NMRによって算出したモノマー比と、使用したアクリルモノマー(a−1)及び(a−2)の化学式量と、GPCを用いて測定した医薬固形製剤コーティング液用添加剤の数平均分子量を用いて計算した。
H−NMRの評価条件>
溶媒:重メタノール
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
【0083】
<無機粒子分散性の評価>
各医薬固形製剤コーティング液用添加剤について、以下の方法で無機粒子分散性を評価した。
無機粒子としてタルク[MERCK製「パーテックLUBタルク」]10g及び酸化チタン[フロイント産業(株)製「酸化チタンA−HR」]3gを水100gに加え、25℃にて、ホモジナイザーを用いて2時間撹拌した。
その分散液に、医薬固形製剤コーティング液用添加剤を10g加え、25℃にて2時間撹拌した後、金属メッシュ(目開き125μm)で混合液中の凝集物を濾取した。その凝集物を120℃、24時間乾燥させた後、重量を測定した。
凝集物重量が少ないほど、無機粒子分散性が高いことを示す。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
<実施例38〜58及び比較例22〜41:医薬固形製剤コーティング液及び医薬固形製剤の作製>
実施例17〜37で得た本発明の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X−1−1)〜(X−1−5)、(X−1)〜(X−11)、(X−1N)〜(X−4N)及び(X−11N)並びに比較例2〜21で得た比較用の医薬固形製剤コーティング液用添加剤(X’−1−1)〜(X’−1−2)、(X’−1)〜(X’−12)、(X’−1N)〜(X’−4N)及び(X’−11N)〜(X’−12N)を用いて、以下の方法で、医薬固形製剤コーティング液(L−1−1)〜(L−1−5)、(L−1)〜(L−11)、(L−1N)〜(L−4N)及び(L−11N)並びに比較用の医薬固形製剤コーティング液(L’−1−1)〜(L’−1−2)、(L’−1)〜(L’−12)、(L’−1N)〜(L’−4N)及び(L’−11N)〜(L’−12N)を作製した。
更に作製した医薬固形製剤コーティング液を用いて医薬固形製剤(M−1−1)〜(M−1−5)、(M−1)〜(M−11)、(M−1N)〜(M−4N)及び(M−11N)並びに比較用の医薬固形製剤(M’−1−1)〜(M’−1−2)、(M’−1)〜(M’−12)、(M’−1N)〜(M’−4N)及び(M’−11N)〜(M’−12N)を作成した。
【0089】
(1)医薬固形製剤コーティング液及び医薬固形製剤の作製
無機粒子としてタルク20部を水490部に加え、25℃にて、ホモジナイザーを用いて2時間撹拌した。
その分散液に、医薬固形製剤コーティング液用添加剤をそれぞれ490部加え、25℃にて2時間撹拌した後、金属メッシュ(目開き125μm)で混合液中の凝集物を濾去した医薬固形製剤コーティング液を作製した。
その後、作製した医薬固形製剤コーティング液を用いて、有効成分(1mmのスクリーンを用いて押出造粒したタムスロシン塩酸塩の顆粒400部)に下記条件でコーティングして、評価用の医薬固形製剤を得た。
【0090】
<コーティング条件>
装置:転動流動相式造粒機[(株)不二パウダル製「ニューマルメライザーNQ−RABOサイドスプレー」]
ローター回転数:400rpm
給気温度:41〜45℃
排気温度:33〜35℃
品温:39〜40℃
スプレー速度:7g/分
【0091】
実施例38〜58で得た本発明の医薬固形製剤コーティング液(L−1−1)〜(L−1−5)、(L−1)〜(L−11)、(L−1N)〜(L−4N)及び(L−11N)並びに比較例22〜41で得た比較用の医薬固形製剤コーティング液(L’−1−1)〜(L’−1−2)、(L’−1)〜(L’−12)、(L’−1N)〜(L’−4N)及び(L’−11N)〜(L’−12N)について、リン原子含量を以下の方法で測定した。結果を表6〜9に示す。
また、実施例38〜58で得た本発明の医薬固形製剤(M−1−1)〜(M−1−5)、(M−1)〜(M−11)、(M−1N)〜(M−4N)及び(M−11N)並びに比較例22〜41で得た比較用の医薬固形製剤(M’−1−1)〜(M’−1−2)、(M’−1)〜(M’−12)、(M’−1N)〜(M’−4N)及び(M’−11N)〜(M’−12N)について、有効成分放出性を以下の方法で測定した。結果を表6〜9に示す。
【0092】
<リン原子含量>
各医薬固形製剤コーティング液について、リン原子含量を測定し、医薬固形製剤コーティング液に含まれる乳化剤(C)の重量に対するリン原子の重量割合、及び、医薬固形製剤コーティング液に含まれる共重合体(B)、乳化剤(C)及び無機粒子(E)の合計重量に対するリン原子の重量割合を求めた。
なお、ICP発光分析法の測定条件については、試料を事前に減圧乾燥にて濃縮したものを用いたこと以外は、上記の医薬固形製剤コーティング液用分散剤について測定した時の条件と同様にして実施した。また、試料の濃縮倍率を記録し、測定結果に濃縮倍率を反映させた(例えば、濃縮倍率が2倍であった場合は、ICP発光分析法による測定で得られた値を2分の1にした。)。
【0093】
<有効成分放出性>
有効成分放出性の評価方法として、下記の評価方法で、
(M−7)〜(M−10)及び比較用の(M’−7)〜(M’−10)については徐放性を、
(M−6)及び比較用の(M’−6)については胃溶性を、
それ以外の医薬固形製剤(M)及び比較用の医薬固形製剤(M’)は腸溶性を評価した。
【0094】
<徐放性の評価方法>
日本薬局方の溶出試験機(回転パドル法)を用い、37℃の0.05mol/Lリン酸緩衝液(pH6.8)500mL中に医薬固形製剤40mgを投入した。回転パドルを100rpmで回転させ、1、4、24時間後の溶出したアセトアミノフェン量をUVの吸光度[(株)島津製作所「UV−1800」、244nm]で定量し、製剤中の何%が溶出したかを表7及び表8に示す。
時間(時間)をX軸、放出量(%)をY軸とするX−Y座標図をプロットし、最小二乗法で直線を引いた時の決定係数(R値)が1に近い程、徐放性に優れる。
【0095】
<腸溶性の評価方法>
日本薬局方の溶出試験機[富山産業(株)製「NTR-6400A」、回転バスケット法]を用い、37℃の日局崩壊試験第1液500mL中に医薬固形製剤10gを投入した。回転バスケットを100rpmで回転させ、100分撹拌した後、タムスロシン塩酸塩の溶出量をUVの吸光度[(株)島津製作所「UV−1800」、279nm]で定量し、製剤中の何%が溶出したかを表6〜9に示す。
その後、第1液から日局崩壊試験第2液500mLに溶液置換し、再度、回転バスケットを100rpmで回転させ、85%のタムスロシン塩酸塩が溶出した時間を表6〜表9に示す。なお、タムスロシン塩酸塩の溶出量は、UVの吸光度{(株)島津製作所「UV−1800、279nm」}で定量した。
第1液中での溶出量は低い程好ましく、第2液中での85%溶出時間は短い程、腸溶性に優れる。
【0096】
<胃溶性の評価方法>
日本薬局方の溶出試験機(回転バスケット法)を用い、37℃の日局崩壊試験第1液500mL中に医薬固形製剤10gを投入した。回転バスケットを100rpmで回転させ、85%のタムスロシン塩酸塩が溶出した時間を表7及び表8に示す。なお、タムスロシン塩酸塩の溶出量は、UVの吸光度[(株)島津製作所「UV−1800」、279nm]で定量した。
第1液中での85%溶出時間が短い程、胃溶性に優れる。
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
表2〜5の結果から、本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤及び添加剤は、比較用の医薬固形製剤コーティング液用分散剤及び添加剤に比べて、無機粒子(タルク等)分散性に優れる事が分かる。また、表6〜9の結果から、比較例15のように乳化剤(C)を多量に用いた(X’−12)、無機粒子(タルク等)分散性はある程度改善するものの、本発明には劣る上、この(X’−12)を用いた医薬固形製剤(M’−12)は有効成分放出性が悪化してしまう事が分かる。
また、本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤又は添加剤を含有する医薬固形製剤は、比較用の医薬固形製剤コーティング液用分散剤又は添加剤を含有する医薬固形製剤に比べて、製剤工程における無機粒子等のロスが少ないため、生産安定性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の医薬固形製剤コーティング液用分散剤又は添加剤を用いた医薬固形製剤の製造は、工程中の無機粒子の凝集を抑制できるため、生産安定性に優れる。また、前記の製造方法で得た医薬固形製剤は有効成分放出性も優れているため、本発明は非常に有用である。