(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも2つの音響発生アクチュエータのうちの第1アクチュエータと第2アクチュエータとの間の距離は、前記第1アクチュエータまたは第2アクチュエータの直径より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
前記カバーボトムに固定されるセルフ−クリンチングナットをさらに含み、前記アクチュエータ固定装置は前記アクチュエータ固定装置を前記カバーボトムに固定するための複数の取付孔をさらに含み、前記アクチュエータ固定装置は前記取付孔に挿入される固定ボルトにより前記セルフ−クリンチングナットに固定されることを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一な構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一な符号を有する。また、本発明を説明するに当たって、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0032】
また、本発明の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用する。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質、順序、手順、または個数などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に“連結”、“結合”、または“接続”されると記載された場合、その構成要素は該他の構成要素に直接的に連結または接続できるが、各構成要素の間に他の構成要素が“介在”されるか、または各構成要素が他の構成要素を通じて“連結”、“結合”、または“接続”されることもできると理解されるべきである。
【0033】
図2は本実施形態が適用できるパネル振動型音響発生装置を含む表示装置の概略図であって、
図2aは平面図、
図2bは断面図である。
【0034】
図2に示すように、本実施形態による表示装置は、映像を表示する表示パネル100と、表示装置の後面支持構造であるカバーボトム(Cover Bottom;300)と、表示パネルの一面に接触して表示パネルを振動させて音響を発生させる2つの隣接配置される音響発生アクチュエータ200、200’と、2つの隣接した音響発生アクチュエータを固定するアクチュエータ固定装置1000を含んで構成できる。
【0035】
以下、音響発生アクチュエータ200、200’を単純にアクチュエータとも表現する。
【0036】
図6などでより詳細に説明するが、音響発生アクチュエータ200は、マグネットと、マグネットを支持するプレートと、前記プレートの中央領域に突出形成されるセンターポールと、前記センターポールの周囲を囲むように配置され、音響発生用電流が印加されるコイルが巻き取られたボビンとを含み、前記ボビンの先端部が前記表示パネルの一面に接触するように配置される。
【0037】
アクチュエータ固定装置1000は、発生する音響強度、即ち音圧を増加させるために2つの隣接したアクチュエータを支持して表示装置の後面支持構造と固定させるための固定構造物であって、その細部構成に対しては
図3を参照しつつ以下に詳細に説明する。
【0038】
また、
図2bに示すように、表示装置は表示パネルの後面または側面のうちの1つ以上を支持する支持構造を含むことができ、音響発生アクチュエータ固定装置1000は表示装置の支持構造に固定される。
【0039】
支持構造は表示パネルの後面に配置されるカバーボトム300を含み、表示パネルの側面を囲みながら前記カバーボトムと結合され、表示パネルの一側縁部を収容して支持するミドルキャビネット500をさらに含むことができる。
【0040】
支持構造を構成するカバーボトム(Cover Bottom)は、表示装置の後面の全体に亘って延びる金属またはプラスチック材質の板状部材でありうる。
【0041】
一方、本明細書でのカバーボトム300はその用語に限定されるものではなく、プレートボトム(Plate Bottom)、バックカバー(Back Cover)、ベースフレーム(Base Frame)、メタルフレーム(Metal Frame)、メタルシャーシ(Metal Chassis)、シャーシベース(Chassis Base)、m−シャーシなど、他の表現で使われることができ、表示パネルを支持する支持体であって、表示装置の後方基底部に配置される全ての形態のフレームまたは板状構造物を含む概念として理解されるべきである。
【0042】
本明細書で、“表示装置”という用語は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部を含む液晶モジュール(Liquid Crystal Module;LCM)、有機発光表示モジュール(OLED Module)のような狭義の表示装置は勿論、そのようなLCM、OLEDモジュールなどを含む完成品であるノートブックコンピュータ、TV、コンピュータモニター、スマートフォン、または電子パッドのようなモバイル電子装置などのセット電子装置、またはセット装置までも含む概念として使用する。
【0043】
即ち、本明細書での表示装置は、LCM、OLEDモジュールのような狭義のディスプレイ装置は勿論、それを含む応用製品であるセット装置まで含む意味として使用する。
【0044】
但し、場合によっては、表示パネルとその駆動部などで構成されるLCM、OLEDモジュールを狭義の“表示装置”と表現し、そのようなLCM、OLEDモジュールを含む完成品としての電子装置を“セット装置”に区別して表現することもできる。例えば、狭義の表示装置は液晶(LCD)または有機発光(OLED)表示パネルとそれを駆動するための制御部であるソースPCBを含み、セット装置はソースPCBに電気的に連結されてセット装置の全体を制御するセット制御部であるセットPCBをさらに含む概念でありうる。
【0045】
本実施形態に使われる表示パネル100は、液晶表示パネル、有機電界発光(OLED:Organic Light Emitting Diode)表示パネル、プラズマ表示パネル(PDP:Plasma Display Panel)は全ての形態の表示パネルが使われることができ、音響発生アクチュエータ200により直接振動されることによって、音波を発生できる限り、特定の表示パネルに限定されるものではない。
【0046】
より詳しくは、表示パネルが液晶表示パネルの場合には、複数のゲートラインとデータライン及びその交差領域に定義されるピクセル(Pixel)と、各ピクセルでの光透過度を調節するためのスイッチング素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板と、カラーフィルタ及び/又はブラックマトリックスなどを備えた上部基板と、その間に形成される液晶物質層を含んで構成できる。
【0047】
また、表示パネルが有機電界発光(OLED)表示パネルの場合には、複数のゲートラインとデータライン及びその交差領域に定義されるピクセル(Pixel)と、各ピクセルに選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板と、アレイ基板上の有機発光素子(OLED)層、及び有機発光素子層を覆うようにアレイ基板上に配置される封止基板またはエンカプセレーション(Encap.)基板などを含んで構成できる。封止基板は外部の衝撃から前記薄膜トランジスタ及び有機発光素子層などを保護し、前記有機発光素子層への水分の侵入を防止する。
【0048】
本実施形態による表示装置に使われる表示パネルはその形態に制限はないが、以下のような理由により有機電界発光表示パネルがより好ましい。
【0049】
具体的に、液晶表示パネルの場合、積層されるレイヤが多く、別途の光源が配置された間接光源方式のバックライトが備えられなければならないので、音響発生アクチュエータ200により直接振動される場合、液晶材料の方向性が揺れて、それによって画像の歪みが発生することがある。
【0050】
一方、有機発光(OLED)表示パネルの有機発光素子は自発光素子に該当して別途の光源を必要とせず、偏光レイヤ(POL)、ガラスレイヤ、エンカプセレーションレイヤ(Encap.)などの種々のレイヤが1つのパネルに合紙されているので、音響発生アクチュエータ200により直接振動されても有機発光層の発光特性に影響がほとんどないので画像の歪みが発生しない。したがって、本実施形態では有機発光表示パネルを使用することがより好ましい。
【0051】
一方、本実施形態による表示装置に使われる表示パネルは一般的な構造を有するので、表示パネルに対するより具体的な説明は省略する。
【0052】
また、本実施形態による表示装置は、支持構造であるカバーボトム300またはミドルキャビネット500と表示パネルとの間に配置されて発生した音波を伝達させる空間であるエアーギャップ空間600(A/G)を形成するためのバッフル部400をさらに含むことができる。
【0053】
即ち、エアーギャップ空間(A/G)の縁部で表示パネルをカバーボトムに密着結合することによって、表示パネルとカバーボトムとの間のエアーギャップ空間が形成され、アクチュエータが表示パネルを振動させて発生した音波がこのようなエアーギャップ600(A/G)空間を通じて維持または伝播できる。
【0054】
即ち、バッフル部400はカバーボトムまたはミドルキャビネットの縁部に配置され、かつ表示パネルの底面と表示装置の支持構造(カバーボトムまたはミドルキャビネット)との間を塞ぐことで、表示パネル振動に従う音響発生を可能にするエアーギャップ空間を定義する部材を意味する。
【0055】
本実施形態のような表示パネル振動型表示装置では、表示パネル100を振動させるアクチュエータの出力または大きさに従って発生する音響の強さ、即ち音圧が決定される。
【0056】
一方、アクチュエータの出力を大きくするにはアクチュエータの大きさが大きくならなければならず、そのような場合、表示装置の全体の厚さが増加する問題などが発生することがある。
【0057】
したがって、表示装置の厚さを薄く維持しながらも一定以上の音響強度(音圧)を有する音響を発生させるために同一な制御信号が提供される複数のアクチュエータが使用できる。
【0058】
一方、同一に動作する複数のアクチュエータが離隔配置される場合には、そのアクチュエータで発生する音波の干渉または共鳴現象によって音響出力特性が低下することがある。
【0059】
したがって、音圧の増加のために複数のアクチュエータを配置する時には、音響特性を維持するために複数のアクチュエータを隣接して配置する必要がある。
【0060】
しかしながら、単純に2つ以上のアクチュエータを隣接して配置しても2つのアクチュエータが分離されている場合にはアクチュエータの間の干渉及びディレイ現象などによって特定周波数で強い音圧が発生する、いわゆるディップ(Dip.)現象が発生することがある。
【0061】
したがって、本実施形態では2つ以上のアクチュエータを隣接して一体に支持し、それを表示装置の支持構造(カバーボトム)に固定することができるアクチュエータ固定装置1000を提供する。
【0062】
このような観点で、本実施形態による表示装置の構成をまた説明すると、本実施形態によるパネル振動型音響発生表示装置は、映像を表示する表示パネル100と、表示パネルの少なくとも後面をカバーして支持する後面支持構造としてのカバーボトム300と、カバーボトムに備えられた支持孔310に挿入され、先端部が表示パネルの一面に接触するように配置されて表示パネルを振動させて音響を発生させる2つ以上の音響発生アクチュエータ200、200’と、2つ以上の音響発生アクチュエータを隣接するように一体に支持して、カバーボトムに固定させるアクチュエータ固定装置1000を含んで構成できる。
【0063】
このような本実施形態による細部構成を
図3から
図8を参照しつつより詳細に説明する。以下では便宜上、音響発生アクチュエータが2つのアクチュエータである第1アクチュエータ200及び第2アクチュエータ200’を含むことと説明するが、それに限定されるものではない。
【0064】
図3は本実施形態によるアクチュエータ固定装置と、表示装置の支持構造であるカバーボトムへの固定構造を図示する斜視図であり、
図4は本実施形態によるアクチュエータ固定装置とアクチュエータとが結合された形態の図であって、
図4aは一方向斜視図、
図4bは平面図、
図4cは他方向斜視図である。
【0065】
図3に示すように、本実施形態に使われるアクチュエータ固定装置1000は、第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’が隣接するように固定支持する一体型固定構造物である。
【0066】
このようなアクチュエータ固定装置1000は、プラスチックなどの材料をモールディング工法によリ製造できるモールド構造物でありうるが、それに限定されるものではない。
【0067】
より具体的に、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000は、第1アクチュエータ200を支持する第1支持部1120と、第2アクチュエータ200’を支持する第2支持部1220と、第1支持部と第2支持部と隣接して配置される補強リブ部1400と、カバーボトムとの固定のための複数の取付孔1310〜1340を含むことができる。
【0068】
第1支持部1120は第1アクチュエータ200の側面の一部と後面の一部を支持する円筒形状の構造物であり、第1支持部の内側には第1アクチュエータの後方の一部が収容される第1収容部1110が形成される。
【0069】
同様に、第2支持部1220は第2アクチュエータ200’の側面の一部と後面の一部を支持する円筒形状の構造物であり、第2支持部の内側には第2アクチュエータの後方の一部が収容される第2収容部1210が形成される。
【0070】
第1支持部1120と第2支持部1220は2つまたは4個の円弧形状突出部で構成されることができ、各突出部の先端は内側に折り曲げられて各アクチュエータの後面の一部を支持することによって、アクチュエータがアクチュエータ固定装置の外側に離脱することを防止する。
【0071】
一方、アクチュエータ固定装置1000の剛性を維持しながら長時間の使用にもアクチュエータ固定装置の変形を防止し、2つ以上のアクチュエータの間の距離を一定に維持するために第1支持部と第2支持部の付近には複数の補強リブ部が形成できる。
【0072】
より具体的に、補強リブ部1400は第1支持部と第2支持部の外周から縦方向に延びる第1縦方向リブ部1410と、第1支持部と第2支持部とを縦方向に連結する第2縦方向リブ部1420と、第2縦方向リブ部に対して垂直に延びる横方向リブ部1430とを含むことができる。
【0073】
本明細書では、2つのアクチュエータが配置される長辺方向を縦方向と表現し、それに垂直な短辺方向を横方向と表現する。
【0074】
第1縦方向リブ部1410は、第1支持部1120と第2支持部1220の外側から縦方向に長く延長されて、アクチュエータ固定装置の縦方向の外周構造を形成する。
【0075】
この際、第1縦方向リブ部1410の中央領域、即ち第1支持部1120と第2支持部1220との間の中央領域は、第1縦方向リブ部1410の両側領域に比べて高さがより高く形成しても良いし、またはリブの厚さがより厚く形成しても良い。
【0076】
したがって、2つのアクチュエータが長時間高出力で振動してもアクチュエータの固定装置の変形を防止し、2つのアクチュエータと表示パネルとの間の相対的な位置の変化を最小化する。
【0077】
一方、第1縦方向リブ部1410の内側には第1支持部1120及び第2支持部1220と一体連結される1以上の第2縦方向リブ部1420が配置される。
【0078】
図3及び
図4では、第2縦方向リブ部1420が2つ配置されるものとして図示したが、それに限定されるものではなく、第2縦方向リブ部1420を1つまたは3個以上形成しても良い。
【0079】
また、2つの第2縦方向リブ部1420の間または2つの第1縦方向リブ部1410の間には、縦方向リブ部と一体連結され、横方向に延びる1以上の横方向リブ部1430が形成される。
【0080】
図3及び
図4では、1つの横方向リブ部1430が含まれるものを例示しており、
図3では横方向リブ部1430が2つの第2縦方向リブ部1420の間で延びる構造を、
図4bでは横方向リブ部1430が2つの第1縦方向リブ部1410の間に亘って延びる構造を例示する。
【0081】
また、
図4b及び
図10aなどに示すように、第1支持部または第2支持部と第1縦方向リブ部1410との間には斜めに延びる1以上の斜線リブ部1440がさらに形成できる。このような斜線リブ部1440は、結果的に、表示パネルの一側に対して斜めに延長できる。
【0082】
このように、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000では、縦方向、横方向、及び斜線方向に延びる複数のリブ部を含む補強リブ部が形成されることによって、2つのアクチュエータが長時間強い振動をしてもアクチュエータを強く支持することができ、結果的に、アクチュエータの固定装置の変形を防止し、2つのアクチュエータと表示パネルとの間の相対的な位置の変化を最小化することができる。
【0083】
これによって、長時間の動作による音響特性変化を最小化することができ、その実験結果に対しては
図10でより詳細に説明する。
【0084】
このように、本実施形態によるアクチュエータ固定装置に形成される補強リブ部1400は、2つのアクチュエータを繋ぐ縦方向に配置される少なくとも1以上の縦方向リブ部を含む。
【0085】
また、補強リブ部1400が非対称の場合には、高温または低温でアクチュエータ固定装置の撓み量の差が発生して音響特性が悪くなることがあるので、本実施形態による補強リブ部1400は全体的に上下左右対称のものが好ましい。
【0086】
前述したように、一般スピーカーの場合、薄い振動板(紙、PPなど)を使用すれば、音圧は十分に出るが、本実施形態のように、表示パネルを振動板として使用する場合には、表示パネルの重さ及び厚さによって音圧が基本的に落ちて商用化が困難になる。
【0087】
したがって、表示パネル直接振動型表示装置では音圧を高めるために同一に制御される複数のアクチュエータを直列に連結する構造が提案されている。
【0088】
しかしながら、単純に複数のアクチュエータを直列に配置する場合、アクチュエータと表示パネルとの接触特性を均一に維持し難いだけでなく、アクチュエータの間の干渉及びディレイ現象によって音質が低下する問題が発生する。
【0089】
したがって、本実施形態では2つ以上のアクチュエータを隣接するように固定支持して、表示装置の後面支持構造であるカバーボトムに固定する装置であるアクチュエータ固定装置を提供することによって、前記のような問題点を解決する。
【0090】
この際、第1支持部1120と第2支持部1220は、各々第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’の後面の一部のみ支持して、第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’の後面中央部がアクチュエータ固定装置の外部に露出する構造を有することが好ましい。
【0091】
即ち、
図4aに示すように、第1支持部1120と第2支持部1220の突出部の先端部が内側に若干折り曲げられて、各アクチュエータの後面のうちの一部だけを支持することによって、アクチュエータ200、200’の後面中央部が外部に露出する構造である。
【0092】
図2bに示すように、最近の表示装置の薄型化傾向によって表示パネル100とカバーボトム300との間のエアーギャップ空間600の間隔Gが約0.9mm以下と極めて小さい。
【0093】
一方、表示パネルが振動することによって、音波が発生する本発明のような構造では、エアーギャップ空間で空気の圧縮弛緩特性がアクチュエータの上下振動に影響を及ぼすことがあり、エアーギャップ空間が小さな場合には、このような影響が大きくなる問題が発生する。
【0094】
即ち、狭いエアーギャップ空間によって空気の圧縮弛緩特性がアクチュエータの上下振動運動を制限してアクチュエータの動作性能が低下する現象であるエアダンピング現象が発生する。
【0095】
したがって、本実施形態では第1支持部1120と第2支持部1220が各々第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’の後面の一部のみ支持して、第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’の後面中央部がアクチュエータ固定装置の外部に露出する、いわゆる開放構造を有することによって、エアーギャップ空間の足りないエアー量を増やして前述したエアダンピング現象を抑制する効果を提供することができる。
【0096】
また、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000では、2つのアクチュエータの間の距離が、発生する音響の特性に影響を及ぼすので、両アクチュエータの間の距離または第1支持部と第2支持部との間の隔離距離(d)を最適化する必要がある。
【0097】
図5に示すように、第1支持部1120と第2支持部1220との間の最短距離として定義される隔離距離(d)は、補強リブ部の形成のために最小しきい値よりは大きくなければならず、第1アクチュエータまたは第2アクチュエータの大きさである最大しきい値よりは小さいことが好ましい。
【0098】
同様に、本実施形態では第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’との間の距離やはり各アクチュエータ200、200’の大きさ(直径)より小さくしても良い。
【0099】
より具体的に、第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)は小さいほど音質特性は優れるが、補強リブ部が機能するための最小厚さを確保するために第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)は最小しきい値である約7mmよりは大きくなければならない。
【0100】
また、第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)が最小しきい値以上に大きくなる場合、音質特性が多少変化するが、第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)がアクチュエータの大きさ(D)より小さいか等しい程度まではその音質特性の変化が大きくないが、第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)がアクチュエータの大きさ(D)より大きくなる場合、音質特性が急激に低下することを確認した。
【0101】
したがって、本実施形態では、アクチュエータ固定装置1000の第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)がアクチュエータの大きさ(D)より小さいようにすることによって、音質の低下を最小化することができる効果があり、その実験結果に対しては以下で
図11を参照しつつより詳細に説明する。
【0102】
また、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000はカバーボトムと固定結合するために複数の取付孔を備えることができ、
図3及び
図4の実施形態ではアクチュエータ固定装置の4箇所の隅に各々第1取付孔1310乃至第4取付孔1340が形成される構造を例示する。
【0103】
また、
図3に示すように、カバーボトム300に固定されるペムナット330をさらに含み、アクチュエータ固定装置1000は取付孔3130〜1340に挿入される固定ボルト320によりペムナットに固定できる。
【0104】
本明細書で、ペムナットはセルフ−クリンチングナット(Self-clinching nut)と同一な意味として使われて、便宜上、以下ではペムナットの用語のみを使用する。
【0105】
また、たとえ図示してはいないが、ペムナット330はカバーボトム300に形成されるペムナット固定孔に一側が圧入された後、先端部がコーティングされることによってカバーボトムに固定できる。
【0106】
一方、ペムナット330の内面にはねじ貫通孔が形成されているので、アクチュエータ固定装置の取付孔をペムナットのねじ貫通孔と整列した後、固定ボルト320を引き締めることによって、アクチュエータ固定装置1000をカバーボトム300に固定させることができる。
【0107】
このようなペムナット330を使用すると、アクチュエータの強い振動がカバーボトムに伝達されることを一定部分防止することができる。
【0108】
即ち、ペムナット330無しで直ちにアクチュエータ固定装置1000をカバーボトムに接触結合する場合、アクチュエータの動作時に発生する強い振動が長時間カバーボトムに伝達され、それによって比較的薄く製作されるカバーボトムが撓みまたは変形される問題が発生する可能性がある。
【0109】
一方、本実施形態のようにペムナット330を使用すると、アクチュエータで発生する振動がペムナットで一定部分吸収され、結果的にカバーボトムに伝達される振動を最小化することができる。
【0110】
また、前記のようなペムナット330を使用したならば、カバーボトムが薄くて固定ボルトをカバーボトムに直接ねじ結合する場合に固定力が充分でないという問題を解決することができるという利点がある。
【0111】
即ち、ペムナット300がない場合、アクチュエータ固定装置の取付孔に形成されるねじ孔を通過した固定ボルトをカバーボトムに形成されるねじ孔に直接ねじ結合させて固定しなければならないが、この場合、カバーボトムの厚さが大きければ結合に問題がないが、カバーボトムの厚さが薄い場合、結合力が充分でないという問題が発生する。
【0112】
したがって、前記のようにペムナット330を予めカバーボトムに圧入/コーキング方式により固定させた後、そのペムナットにアクチュエータ固定装置を結合させると、カバーボトムの厚さが薄い場合にも充分の結合力が確保できるようになる。
【0113】
以下、本実施形態に使用できるアクチュエータの細部構造と、アクチュエータの振動により音響が発生する原理を詳細に説明する。
【0114】
図6は本実施形態に使われる音響発生アクチュエータの構造の一例を図示する断面図であり、
図7は本実施形態に使用できる音響発生アクチュエータが表示パネルを振動させて音響を発生する状態を図示する。
【0115】
本実施形態に使われる第1音響発生アクチュエータ200及び第2音響発生アクチュエータ200’は同一な構造を有し、以下ではそのうちの1つである第1音響発生アクチュエータ200を代表して説明する。
【0116】
本実施形態に使われる音響発生アクチュエータ200は、永久磁石であるマグネット220と、そのマグネットを支持するプレート210、210’と、プレートの中央領域に突出するセンターポール230と、前記センターポール230の周囲に囲むように配置されるボビン250と、ボビンの外周に巻き取られて音響発生のための電流が印加されるコイル260などを含んで構成できる。
【0117】
一方、本実施形態に使われる音響発生アクチュエータは、マグネットがコイルの外側に配置される第1のタイプの構造と、マグネットがコイルの内側に配置される第2のタイプの構造を両方とも含むことができ、
図6はマグネットがコイルの外側に配置される第1のタイプの構造を図示する。
【0118】
このような第1のタイプの構造による音響発生アクチュエータは外磁型と称されることができる。下部プレート210は、アクチュエータ固定装置の第1支持部1120に収容されて固定され、下部プレートの外周に環状の永久磁石であるマグネット220が配置される。
【0119】
マグネット220の上部には上部プレート210’が配置され、上部プレートの外周には上部プレートから突出形成される外部フレーム240が配置される。
【0120】
一方、下部プレート210の中央領域にはセンターポール230が突出して配置され、センターポール230の周囲を囲むボビン250が配置される。
【0121】
ボビン250の下側部の周囲にはコイル260が巻き取られており、このコイルに音響発生用電流が印加される。
【0122】
一方、ボビンの上側の一部と外部フレーム240との間にはダンパ270が配置できる。
【0123】
下部プレート210は
図3aに図示されたように円形に備えられ、前記下部プレート210上にリング形状に備えられたマグネット220が備えられ、マグネット上に上部プレート210’が備えられる。
【0124】
プレートは、鉄(Fe)のように磁性を有する物質からなることができる。プレートはその用語に限定されるものではなく、ヨークなど、他の用語で表現できる。
【0125】
一方、センターポール230と下部プレート210とは一体形成されても良い。
【0126】
ボビン250は紙またはアルミニウムシートなどで形成される環状構造物であって、ボビンの下側の一定領域の周囲にコイル260が巻き取られる。このようなボビンとコイルとを合せてボイスコイルと表現することもできる。
【0127】
コイルに電流が印加されれば、コイルの周囲に磁場が形成され、マグネット220により形成される外部磁場があるため、フレミングの法則に従って、ボビンの全体がセンターポールによりガイドされながら上側に移動する。
【0128】
一方、ボビン250の先端部は表示パネル100の後面に接触しているため、電流印加及び非印加状態によって表示パネルを振動させるようになり、このような振動により音波が発生する。
【0129】
マグネット220はバリウムフェライトなど、焼結磁石を用いることができ、材質は酸化第2鉄(Fe
2O
3)、炭酸バリウム(BaCO
3)、磁力成分が改善されたストロンチウムフェライト、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の合金鋳造磁石などが使用できるが、それに限定されるものではない。
【0130】
一方、ボビン250の上側の一部と外部フレーム240との間にはダンパ270が配置され、ダンパ270は蛇腹構造で備えられて、ボビンの上下運動によって収縮及び弛緩しながら前記ボビンの上下振動を調節する。即ち、ダンパ270がボビン250と外部フレーム240に各々連結されているので、ボビンの上下振動はダンパ270の復原力により制限され、具体的に、ボビン270が一定高さ以上に振動するか、または一定高さ以下に振動する場合、ダンパ270の復原力によりボビンが原位置に原状復帰することができる。このようなダンパはエッジなど、他の用語で表現できる。
【0131】
また、ボビン250の先端部にはボビンと表示パネル100を接着しながらボビンの振動を表示パネルに伝達するための振動伝達部材280を配置しても良い。
【0132】
このような振動伝達部材280はリング形状の板状部材であって、両側には接着面が形成されてその一面はボビンの先端に接着され、残りの他面は表示パネルに接着できる。
【0133】
本実施形態に使われるアクチュエータは、
図6のような外磁型に限定されるものではなく、マグネットがコイルの内側に配置される、マイクロタイプまたは内磁型のアクチュエータが使用されることもできるが、便宜上、内磁型アクチュエータの構造に対しては説明を省略する。
【0134】
また、本実施形態による表示装置に使われる音響発生アクチュエータは、
図6に図示した形態に限定されるものではなく、電流印加によって表示パネルを上下に振動させて音響を発生できる限り、他の種類のアクチュエータが使われても構わない。
【0135】
図7は、本実施形態に使用できる音響発生アクチュエータが表示パネルを振動させて音響を発生する状態を図示する。
【0136】
図7aは電流が印加された状態を示している。マグネットの下面と連結されたセンターポールがN極となり、マグネットの上面と連結された上部プレートがS極となって、コイルの間に外部磁場が形成される。
【0137】
この状態で音響発生用電流がコイルに印加されれば、コイルの周囲に印加磁場が生成されるが、印加磁場と外部磁場によりボビンを上側に移動する力が発生する。
【0138】
したがって、
図7aのようにボビンが上側に移動し、ボビンの先端部に接触している表示パネルが上側に振動する。
【0139】
この状態で電流印加が中止されるか、または反対方向の電流が印加されれば、
図7bのように、類似の原理によってボビンを下側に移動させる力が発生し、したがって、表示パネルが下側に振動する。
【0140】
このように、コイルへの電流印加方向とサイズによって、表示パネルが上下に振動するようになり、このような振動により音波が発生する。
【0141】
図8は、本実施形態による表示装置での支持構造であるカバーボトムと表示パネルとの間に配置されるバッフル部の構造を図示する。
【0142】
本実施形態によるパネル振動型音響発生装置では、表示パネル100と支持構造(カバーボトム;300など)との間に音響発生アクチュエータ200によってパネルが振動することができる空間であるエアーギャップ600を確保しなければならない。
【0143】
また、表示パネルが振動する時、音波を発生できるように表示パネルの一側が表示パネルの支持構造に接合されなければならず、特に発生した音響が表示装置の側面などを通じて外部に漏洩されてはならない。
【0144】
このような目的のために、本実施形態による表示装置では表示パネルの下面と支持構造であるカバーボトムとの間に一定のバッフル部400を形成する。
【0145】
より詳しくは、音響発生アクチュエータの周囲の一定の区画(即ち、エアーギャップ空間)が定義され、その区画の縁部には表示パネルの下面とミドルキャビネットまたはカバーボトムの上面との間でバッフル部が配置され、バッフル部400は表示パネルの底面と表示装置の支持構造の上面との間に接着される両面テープのような接着部材412と、接着部材の外周にさらに配置されるシーリング部414とを含んで構成されることが好ましい。
【0146】
この際、バッフル部が形成される区画は表示パネルの外周の4個の辺により定義される表示パネル領域全体でありうるが、それに限定されるものではない。
【0147】
図8のように、表示装置の支持構造は表示パネルの後面の全体をカバーするカバーボトム300の以外に、カバーボトムに結合され、表示パネルの一部を安着するためのミドルキャビネット500をさらに含むことができる。
【0148】
ミドルキャビネット500は表示パネルの外周に沿って形成されるフレーム形態の部材であって、表示パネルの一部が安着する水平支持部と、前記水平支持部から両側に折曲形成されてカバーボトムの側面及び表示パネルの側面をカバーする垂直支持部を含んで全体的にT字断面形状を有していても良い。
【0149】
このようなミドルキャビネット500は、表示装置またはセット装置の側面外観部を構成し、場合によっては、使われないか、またはカバーボトムと一体形成されても良い。
【0150】
図8の実施形態によれば、バッフル部400を構成する接着部材412はミドルキャビネット500の水平支持部の上面と表示パネルとの間に配置される両面テープであって、表示パネルの下面をミドルキャビネットに接着固定する機能をする。
【0151】
また、バッフル部を構成するシーリング部414は接着部材の外周にさらに配置され、非圧縮時に、非圧縮時の接着部材の厚さまたは高さより大きい厚さまたは高さを有することが好ましい。
【0152】
シーリング部414は弾性の大きいゴムなどの材質で構成することができ、
図7bに示すように、非圧縮時の接着部材412の厚さ(t1)より大きい厚さt2を有する。
【0153】
即ち、
図8のように、ミドルキャビネット500の水平支持部の上面の内側部分に厚さt1を有する両面テープである接着部材412の一面を接着配置し、接着部材の外周にt1より大きい厚さを有する弾性材料のシーリング部414を配置する。
【0154】
その状態で、表示パネル100が接着部材412の接着面に付着させると、より大きい厚さを有するシーリング部414が一定程度圧迫されながら表示パネルとミドルキャビネットとに接着する。
【0155】
したがって、音響発生アクチュエータの周囲のエアーギャップ領域の封入性をより向上できる。
【0156】
結果的に、
図8のように、ミドルキャビネットの水平支持部と接着部材412の厚さだけのエアーギャップ600が形成されながら表示パネル100とカバーボトム300とが結合されることによって、表示パネルが音響を発生することができる振動空間を確保することができると共に、内部で発生した音波が表示装置の側面に沿って外部に流出することを防止することができる。
【0157】
特に、エアーギャップ空間の縁部に配置されるバッフル部400を接着部材412とシーリング部414の二重構造にし、かつ非圧縮時のシーリング部の厚さをより大きく形成することによって、エアーギャップ空間の封入性をより向上させて音響の流出をさらに遮断することができる。
【0158】
本明細書でのミドルキャビネット500は、ガイドパネル(Guide Panel)、プラスチックシャーシ、p−シャーシ、サポートメイン、メインサポート、モールドフレームなど、他の表現に取り替えることができ、複数の折曲部がある断面形状を有する四角フレーム形状の構造物であって、カバーボトムに連結されて表示パネル及びバッフル部を支持するために使われる全ての形態の部材を含むものとして理解されるべきである。
【0159】
一方、前述したように、カバーボトムと表示パネルとの間を支持するためにミドルキャビネットが使用しても良い。このようなミドルキャビネットは必ず必要な構造でないことがあり、ミドルキャビネットが使われない場合には、前述したバッフル部がカバーボトム300の上面と表示パネルの下面との間に配置されても良い。
【0160】
図9は、本実施形態による音響発生アクチュエータ固定装置が使われた場合の音響出力特性を説明するためのものである。
【0161】
より具体的に、
図9aは本実施形態と対比される形態のアクチュエータ取付構成を図示し、
図9bは
図9aの取付構造と本実施形態での音響出力特性を対比したグラフである。
【0162】
前述したように、表示パネルを直接振動させて音響を発生させる表示装置では、音圧を増加させるために同一特性の2つ以上の音響発生アクチュエータを隣接配置する構造を採択することができる。
【0163】
図9aは、本実施形態のようなアクチュエータ固定装置無しで2つのアクチュエータ200、200’を単純に隣接配置する構造である。
【0164】
図9bの破線は、
図9aのように別個のアクチュエータ固定装置無しで2つのアクチュエータを隣接して個別に固定した場合であって、800〜900Hz帯域で音圧が急激に増加するディップ(Dip.)現象が発生する。
【0165】
このようなディップ現象は、個別に固定されるアクチュエータで発生する音波間の干渉及びディレイ現象などによって特定周波数で強い音圧が発生するものであって、全体的な音質の低下と認識される。
【0166】
一方、
図9bの実線は本実施形態のように2つのアクチュエータを一体的に固定させるアクチュエータ固定装置1000が使われた場合の音響出力特性であって、一定周波数で音圧が異状に増加するディップ(Dip.)現象が相当に除去されることが分かる。
【0167】
このように、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000を使用すれば、全周波数帯域で均一な音圧を発生させて優れる音響出力特性が実現できるようになる。
【0168】
図10は、本実施形態によるアクチュエータ固定装置のリブ部が使われた場合の効果を示すグラフである。
【0169】
図10aに示すように、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000は、前述したように、2つの第1縦方向リブ部1410、2つの第2縦方向リブ部1420、横方向リブ部1430、斜線リブ部1440のうち、1つ以上を含む補強リブ部1400を含む。
【0170】
図10bは本実施形態による補強リブ部無しで、単純に2つのアクチュエータを固定する第1支持部と第2支持部だけで構成されたアクチュエータ固定装置が使われた場合の音響出力特性を図示するものである。
図10bの破線は最初の音響出力特性を示し、実線は240時間以上動作した以後の音響出力特性を図示する。
【0171】
図10bのように、本実施形態による補強リブ部が使われない場合には、動作時間が経過するほど音響出力特性が変化することが分かり、これは長時間のアクチュエータ振動によってアクチュエータ固定装置が変形されることに起因することと予測される。
【0172】
一方、
図10cは本実施形態による補強リブ部を含むアクチュエータ固定装置が使われた場合であって、240時間以上の動作時間が経過しても(
図10cの実線)、最初の音響出力特性(
図10cの破線)をほとんどそのまま維持することが分かる。
【0173】
このように、本実施形態によるアクチュエータ固定装置1000では、縦方向、横方向、及び斜線方向に延びる複数のリブ部を含む補強リブ部が形成されることによって、2つのアクチュエータが長時間強い振動をしてもアクチュエータは剛性を維持し、2つのアクチュエータと表示パネルとの間の相対的な位置の変化を最小化することができ、結果的に長時間動作に従う音響特性変化を最小化することができる効果を有する。
【0174】
図11は、本実施形態によるアクチュエータ固定装置で、両アクチュエータの間の隔離距離(d)に応じた音響出力特性を示すグラフである。
【0175】
図5で説明したように、第1アクチュエータ200と第2アクチュエータ200’の大きさ(直径)がDの時、第1支持部1120と第2支持部1220との間の最小距離である隔離距離dは、補強リブ部の形成のための最小しきい値である約7mmよりは大きく、アクチュエータの大きさDよりは小さくなければならず、
図11はその理由を説明するためのものである。
【0176】
図11に示すように、第1支持部1120と第2支持部1220との間の最小距離である隔離距離dが約7mmの場合、全周波数帯域で均一な音圧を有する優れる音響出力特性を示し(
図11の破線)、隔離距離dが増加するほど音響出力特性が変化するが、隔離距離dがアクチュエータの大きさ(D)である約28mmより多少小さな約0.85D(約23,6mm)の場合には、その音質特性の変化が大きくないことが分かる(
図11の実線)。
【0177】
一方、第1支持部1120と第2支持部1220との間の最小距離である隔離距離dがアクチュエータの大きさD(=28mm)より大きくなって約30mm(約1.1.D)になれば、特定周波数で音圧が増加するディップ現象が発生し始めることが分かる(
図11の一点鎖線)。
【0178】
したがって、本実施形態では、アクチュエータ固定装置1000の第1支持部1120と第2支持部1220との間の隔離距離(d)がアクチュエータの大きさ(D)より小さくすることによって、優れる音響出力特性を維持するようにする。
【0179】
以上のように、本実施形態によれば、パネル振動型音響発生装置を含む表示装置を構成するに当たって、表示装置の支持構造に形成された支持孔に2つの音響発生アクチュエータを隣接するように挿入させて固定させる固定構造であるアクチュエータ固定装置を提供することによって、高い音圧で優れる音響を発生させながらも表示装置の厚さを減少させることができる。
【0180】
また、2つの音響発生アクチュエータを隣接するように支持するアクチュエータ固定装置を提供し、かつ各アクチュエータ支持部の間に複数のリブ部を含む補強リブ部を形成することによって、長時間の動作時にもアクチュエータ支持構造の強度が維持できる。
【0181】
また、2つの音響発生アクチュエータを隣接するように支持するアクチュエータ固定装置で、2つのアクチュエータ支持部の間の最小距離である離隔距離(d)を各アクチュエータの大きさに関連して一定の範囲に制限することによって、全周波数帯域での音響特性を維持しながらも音圧を増加させることができる。
【0182】
以上の説明及び添付の図面は本発明の技術思想を例示的に示すことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で構成の結合、分離、置換、及び変更などの多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものでなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。