特許第6582077号(P6582077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イビコンの特許一覧

<>
  • 特許6582077-埋設構造物 図000002
  • 特許6582077-埋設構造物 図000003
  • 特許6582077-埋設構造物 図000004
  • 特許6582077-埋設構造物 図000005
  • 特許6582077-埋設構造物 図000006
  • 特許6582077-埋設構造物 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582077
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】埋設構造物
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   E03F5/04 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-37398(P2018-37398)
(22)【出願日】2018年3月2日
(65)【公開番号】特開2019-152017(P2019-152017A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2018年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246343
【氏名又は名称】株式会社イビコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 義弘
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−208957(JP,A)
【文献】 特開2016−098499(JP,A)
【文献】 特開平9−13479(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0308092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に埋設され、路面からの雨水等を排水する埋設構造物であって、
内部に集水空間を備える本体部と、当該本体部を設置する土台部とを備え、
当該土台部は、底壁から上方に形成された当接壁と側壁とを備え、
前記本体部の両側の側壁の下端側は、互いに離間して開放されており、当該下端側には、前記当接壁の円弧状の表面と対応した形状の当接部を備え、
当該当接部が前記当接壁に当接した状態で、前記本体部の側壁の下端側の外面と前記土台部の側壁との間に、充填材を充填可能な第一充填空間を備え、
当該第一充填空間は、前記本体部の側壁の下端と前記土台部の底壁との間の、前記充填材を充填可能な第二充填空間と連通しており、
前記第二充填空間は、前記本体部の長尺方向に沿って直線状に延びるように連続して形成され、
前記本体部の側壁の下端側の内面に、充填材を充填可能な第三充填空間を備え、当該第三充填空間は、前記本体部の長尺方向に沿って直線状に延びると共に、前記第二充填空間と連通していることを特徴とする埋設構造物。
【請求項2】
前記土台部は、前記側壁を前記底壁の両側に備え、
前記本体部の両側の側壁の外面と、前記土台部の両側の側壁との間のそれぞれに、前記第一充填空間を備えることを特徴とする請求項1に記載の埋設構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、勾配を有する道路や、林道等の路面を横断するようにして埋設される側溝等の埋設構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、勾配を有する道路や林道では、その路面を横断するようにして、側溝等の埋設構造物が埋設されている。この側溝は、路面からの雨水等を集水して排水している。ただ、側溝は水平に設置される場合が多く、この側溝と、その周囲の勾配を有する路面との間で、勾配変化が不連続となっていた。そのため、路面を走行している車両等が側溝を横断すると、不連続な勾配変化を拾ってしまい、同乗者や積荷に衝撃が伝わるという問題があった。また、その衝撃により埋設構造物も破損するという問題があった。
【0003】
そこで、特許文献1に開示された埋設構造物は、内部に集水空間を備える本体部と、当該本体部を設置する設置面を設けた土台部とを備えたものであって、前記本体部の底壁は、円弧状をしており、前記設置面は、前記底壁と対応した形状をしているため、周囲の路面勾配に合わせて、前記本体部を当該設置面上で傾斜させて、不連続な勾配変化を無くしていた。
【0004】
さらに、特許文献1の埋設構造物は、本体部の底壁に、ボルト等の固定部材が貫通可能な長尺状の貫通孔を設け、前記設置面には、前記固定部材の先端を固定可能な固定穴を設けているので、傾斜した状態の本体部を固定することができ、埋設構造物の設置作業が容易となっていた。
【0005】
しかしながら、本体部の高さが高くなるなどして、本体部の重量が大幅に増加した場合は、本体部が動かないように、特許文献1の固定部材の固定力よりも更に強力に本体部を固定するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2013−219109号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、集水空間を備える本体部を強力に固定可能な埋設構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明の埋設構造物は、路面に埋設され、路面からの雨水等を排水する埋設構造物であって、内部に集水空間を備える本体部と、当該本体部を設置する土台部とを備え、当該土台部は、底壁から上方に形成された当接壁と側壁とを備え、前記本体部の側壁の下端側には、前記当接壁の円弧状の表面と対応した形状の当接部を備え、当該当接部が前記当接壁に当接した状態で、前記本体部の側壁の下端側の外面と前記土台部の側壁との間に、充填材を充填可能な第一充填空間を備え、当該第一充填空間は、前記本体部の側壁の下端と前記土台部の底壁との間の、前記充填材を充填可能な第二充填空間と連通していることを特徴としている。
【0009】
上記特徴によれば、本体部を傾斜させた状態で、本体部の側面側を第一充填空間内の充填材によって固定し、本体部の下方側を第二充填空間内の充填材によって固定することができるので、本体部の位置姿勢を強力に固定することができる。
【0010】
さらに、上記課題を解決するために、本願発明の埋設構造物は、前記土台部は、前記側壁を前記底壁の両側に備え、前記本体部の両側の側壁の外面と、前記土台部の両側の側壁との間のそれぞれに、前記第一充填空間を備えることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、本体部は両側から第一充填空間内の充填材によって固定されることとなり、本体部の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【0012】
さらに、上記課題を解決するために、本願発明の埋設構造物は、前記第二充填空間は、前記本体部の長尺方向に沿って延びるように連続して形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、本体部の下方側が長尺方向の全面にわたり固定されることとなり、本体部の位置姿勢は更に強力に固定されるのである
【0014】
上記課題を解決するために、本願発明の埋設構造物は、前記本体部の側壁の下端側の内面に、充填材を充填可能な第三充填空間を備え、当該第三充填空間は、前記第二充填空間と連通していることを特徴とする。
【0015】
上記特徴によれば、本体部の下端は、外側の第一充填空間と内側の第三充填空間のそれぞれに充填された充填材によって、内外から強力に固定されることとなり、本体部の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本願発明の埋設構造物は、集水空間を備える本体部を強力に固定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本体部の全体斜視図、(b)は本体部の底面図、(c)は本体部の側面図である。
図2】(a)は土台部の全体斜視図、(b)は土台部の平面図、(c)は土台部の側面図である。
図3】(a)は、土台部を一列に並べた状態の全体斜視図、(b)は、土台部の上に本体部を載せた状態の埋設構造物の全体斜視図である。
図4】(a)は図3(b)におけるAーA断面図、(b)は図3(b)におけるBーB断面図である。
図5】(a)は、図4(a)の状態から本体部を傾斜させた断面図、(b)は、図4(b)の状態から本体部を傾斜させた断面図である。
図6】本体部が傾斜した状態の埋設構造物の端部側を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
100 本体部
120 側壁
121 下端
122 外面
130 当接部
200 土台部
210 底壁
220 土台部
230 側壁
300 埋設構造物
X1 第一充填空間
X2 第二充填空間

【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、図1に、本願発明の埋設構造物300の本体部100を示す。図1(a)は本体部100の全体斜視図、図1(b)は本体部100の底面図、図1(c)は本体部100の側面図である。
【0021】
図1に示すように、本体部100は、上壁110と、当該上壁110の両端から下方へ延びる側壁120と、上壁110と両側の側壁120とで囲まれた集水空間Sを備える。上壁110は平坦な形状をしており、その略中央部分に開口111を備える。この開口111は路面からの雨水等を集水空間Sへ排水するものであり、通常は、通水部分を備えるグレーチング等の蓋体で閉じられている。また、両側の側壁120は、上壁110から略直角に下方へ延びて、互いに平行となっており、平坦な形状をしている。そして、側壁120の外面122は、上端から下端121まで平坦であるが、下端121の両端には円弧状の表面131を備えた当接部130が設けられている。そのため、当接部130の表面131は、周囲の外面122より内側に窪んだ状態となっている。また、側壁120の内面124は、上端から下端121まで平坦となっている。さらに、下端121の底面123は平坦面となっているが、その両端の外面122側は円弧状の表面131となっている。
【0022】
また、この本体部100は、全体がコンクリート製であり、両側の側壁120の下端121同士が離間して、下方が開放された状態となっている。そして、後述するように、集水空間S側からモルタル等の充填材を流し込んで、下方の開放された部分を埋め、その充填材によって、集水空間Sの底面部が構成されるのである。また、充填材の量を増減させれば、集水空間Sの底面部の位置も上下するので、集水空間Sの深さを任意に調節できるのである。この本体部100は、集水空間Sの深さを調節できるように、側壁120を上下に長く形成してあり、いわゆる可変側溝と呼ばれるものである。
【0023】
次に、図2に本願発明の埋設構造物300の土台部200を示す。図2(a)は土台部200の全体斜視図、図2(b)は土台部200の平面図、図2(c)は土台部200の側面図である。
【0024】
図2に示すように、土台部200は略直方体形状をしており、平坦な底壁210と、当該底壁210から上方に立ち上がるように形成された当接壁220と側壁230とを備える。底壁210には、側壁230と並列するように、充填孔211が形成されている。また、当接壁220は略台形形状をしており、底壁210の両側に設けられた当接壁220は、互いに相対するように配置されている。この当接壁220の内側の表面221は、円弧状をしており、本体部100の当接部130の表面131が表面221上で傾斜できるように、当接部130の表面131と対応した形状をしている。
【0025】
さらに、側壁230は板状形状をしており、底壁210の両側に設けられた側壁230は、互いに相対するように配置されている。また、当接壁220と側壁230は連続して設けられており、当接壁220は、側壁230よりも内側に向けて突出した状態となっている。そのため、突出した当接壁220は本体部100の下端121に当接するが、当接壁220よりも外側に配置された側壁230は、本体部100の下端121に当接せず、側壁230と本体部100の下端121の間には隙間が形成される。詳しくは後述するが、この隙間は、充填材を充填可能な第一充填空間X1となる。
【0026】
なお、この図2に示す土台部200は、略中央に2つの当接壁220、当該各当接壁220の両側に計4つの側壁230が配置されているが、この配置に限定されず、土台部200は当接壁220と側壁230のそれぞれを少なくとも一つ以上備えていればよく、例えば、図3(a)に示すように、土台部200を中央で分断した形状の土台部200Aのように、当接壁220Aを2つ、各当接壁220Aの片側に計2つの側壁230Aを配置してもよい。また、図2では、土台部200の両側に、当接壁220及び側壁230が相対するように配置されているが、これに限定されず、土台部200の片側のみに、当接壁220及び側壁230を設けてもよい。
【0027】
では次に、図3を参照して、土台部200の上に本体部100を載置した状態の埋設構造物300について説明する。なお、図3(a)は、土台部200及び土台部200Aを一列に並べた状態の全体斜視図、図3(b)は、土台部200の上に本体部100を載せた状態の埋設構造物300の全体斜視図である。
【0028】
図3(a)に示すように、土台部200の長尺方向の両側に、土台部200Aを一列に並べて配置する。隣接する土台部200の側壁230と土台部200Aの側壁230Aは直線状に並んでいる。また、隣接する土台部200の当接壁220と土台部200Aの当接壁220Aの距離は、本体部100の長尺方向の両端の当接部130同士の距離に対応している。そのため、図3(b)に示すように、本体部100の両端の当接部130のそれぞれは、土台部200の当接壁220と土台部200Aの当接壁220Aに当接し、安定して載置されるのである。
【0029】
では次に、図4を参照して、本体部100が土台部200に設置された状態をより詳しく説明する。なお、図4(a)は図3(b)におけるAーA断面図、図4(b)は図3(b)におけるBーB断面図である。また、図3(b)では、AーA断面図及びBーB断面図のそれぞれの断面を仮想線で示している。
【0030】
まず、図4(a)は、土台部200の当接壁220を通る断面図となっており、本体部100の当接部130の表面131が、土台部200の当接壁220の表面221に当接して、本体部100は土台部200上に安定して載置されている。そして、当接壁220の表面221は円弧状をしており、当接部130の表面131も表面221に対応するように円弧状をしているので、当接部130の表面131は、当接壁220の表面221上を表面221に沿って滑らかに移動することができる。また、当接壁220は底壁210より上方に形成されているので、当接壁220上に載置された本体部100は、底壁210から離間した状態となる。そのため、本体部100の下端121と底壁210の間には、後述するように充填材を充填可能な第二充填空間X2が形成されている。
【0031】
次に、図4(b)は、土台部200の側壁230を通る断面図となっており、側壁230は当接壁220より外側に配置されているので、本体部100の下端121と当接することがなく、両者は離間している。そのため、下端121の外面122と側壁230との間には、充填材を充填可能な第一充填空間X1が形成されている。また、本体部100は、底壁210より上方に突出している当接壁220によって支持されているので、本体部100の下端121の底面123と土台部200の底壁210とは離間している。そのため、第一充填空間X1と第二充填空間X2は、下端121の底面123と底壁210の間を介して互いに連通した状態となっている。
【0032】
では次に、図5を参照して、本体部100を土台部200上で傾斜させた状態について説明する。なお、図5(a)は、図4(a)の状態から本体部100を傾斜させた断面図、図5(b)は、図4(b)の状態から本体部100を傾斜させた断面図である。
【0033】
まず、図5(a)に示すように、埋設構造物300を埋設する路面の勾配に一致するように、本体部100を任意の角度だけ傾斜させる。本体部100の当接部130の表面131は、円弧状の表面221と対応した形状をしているので、本体部100を表面221上で任意の角度へ容易に傾斜させることができる。そして、その傾斜した状態の本体部100の位置姿勢を固定するために、第二充填空間X2にモルタルやインバートコンクリート等の充填材Cを充填していく。充填材Cは、本体部100の上壁110の開口111を介して第二充填空間X2に充填することができる。そして、第二充填空間X2に流し込まれた充填材Cは、図5(b)に示すように、第二充填空間X2に連通している第一充填空間X1に流れ込み、第一充填空間X1は充填材Cによって充填される。また、集水空間Sの下方は第二充填空間X2と連通しているので、第二充填空間X2に充填材Cが充填されると、その充填された充填材Cによって、集水空間Sの底面部が形成されることになる。そのため、第二充填空間X2に充填される充填材Cの量を増減させれば、集水空間Sの底面部の位置を上下させて、任意の深さの集水空間Sを形成することができる。
【0034】
そして、第一充填空間X1内の充填材Cが固化することで、本体部100の下端121の外面側が固定される。さらに、第二充填空間X2内の充填材Cが固化することで、本体部100の下方側が固定されることになる。つまり、本願発明の埋設構造物300によれば、本体部100を傾斜させた状態で、本体部100の側面側を第一充填空間X1内の充填材Cによって固定し、本体部100の下方側を第二充填空間X2内の充填材Cによって固定することができるので、本体部100の位置姿勢を強力に固定することができるのである。
【0035】
特に、土台部200の底壁210よりも上方に当接壁220を設けて、本体部100の下端121を底壁210から離間させたことで、本体部100の下端121側に十分な第二充填空間X2を確保している。そのため、第二充填空間X2内に充填した充填材Cによって、本体部100の位置姿勢は強力に固定されるのである。なお、充填材Cが固化して本体部100の位置姿勢が固定された後は、埋設構造物300は埋め戻されて路面に埋設されることになる。そして、路面からの雨水は本体部100の開口111を介して集水空間Sに排水されるのである。
【0036】
さらに、本願発明の埋設構造物300によれば、土台部200が底壁210の両側に側壁230を備え、本体部100の両側の側壁120の外面122と側壁230との間のそれぞれに、第一充填空間X1を備えているため、本体部100は両側から第一充填空間X1内の充填材Cによって固定されることとなり、本体部100の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【0037】
また、図5に示すように、第二充填空間X2に充填した充填材Cは、底壁210の充填孔211にも流れ込んで充填されることから、充填孔211内で固化した充填材Cによって、第二充填空間X2内で固化した充填材Cが底壁210に強力に固定され、本体部100の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【0038】
また、図4及び図5に示すように、側壁120は互いに平行に配置され、側壁120の内面124同士が離間して、本体部100の下方が開放された状態となっている。そのため、側壁120の下端121の内面124側には、第三充填空間X3が形成されている。そして、第三充填空間X3と第二充填空間X2とは連通しているので、第二充填空間X2に充填された充填材Cは第三充填空間X3にも充填されることになる。すると、本体部100の下端121は、外側の第一充填空間X1と内側の第三充填空間X3のそれぞれに充填された充填材Cが固化することによって、内外から強力に固定されることとなり、本体部100の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【0039】
なお、図5及び図6では、側壁120の下端121同士が離間して下方が開放された状態となっているが、これに限定されず、下方の開口を閉じるように、下端121同士を連結する底部を備えていてもよい。その場合であっても、下端121同士を連結する底部と土台部200の底壁210との間には、第二充填空間X2が確保されているので、第二充填空間X2に充填された充填材Cによって、本体部100の位置姿勢は強力に固定される。なお、下端121同士を連結する底部を備える場合は、第一充填空間X1側から充填材Cを流し込んで、第一充填空間X1と連通した第二充填空間X2に充填材Cを充填することになる。また、下端121同士を連結する底部に貫通孔を設ければ、その貫通孔を介して集水空間S側から充填材Cを第二充填空間X2に流し込んで充填することができる。そして、第二充填空間X2に充填された充填材Cは、第二充填空間X2と連通した第一充填空間X1にも充填されることになる。また、底部の貫通孔を介して第三充填空間X3と第二充填空間X2は連通することにもなるので、本体部100の下端121は、外側の第一充填空間X1と内側の第三充填空間X3のそれぞれに充填された充填材Cによって、内外から強力に固定されることになる。
【0040】
次に図6に、本体部100が傾斜した状態の埋設構造物300の端部側を拡大した斜視図を示す。この図6に示すように、第二充填空間X2は、本体部100の長尺方向に沿って延びるように連続して形成されているので、本体部100の下方側が長尺方向の全面にわたり固定されることとなり、本体部100の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。また、第二充填空間X2は、土台部200の当接壁220A及び側壁230Aに沿うように連続して形成されているので、本体部100の下方と土台部200との隣接箇所が全体的にしっかりと固定され、本体部100の位置姿勢は更に強力に固定されるのである。
【0041】
なお、本願発明の埋設構造物は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6