特許第6582079号(P6582079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582079
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】チャイルドシート用サポートベース
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   B60N2/28
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-38607(P2018-38607)
(22)【出願日】2018年3月5日
(65)【公開番号】特開2018-144805(P2018-144805A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年3月28日
(31)【優先権主張番号】62/466,500
(32)【優先日】2017年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/513,759
(32)【優先日】2017年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/547,397
(32)【優先日】2017年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517447828
【氏名又は名称】ワンダーランド スウィツァランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(72)【発明者】
【氏名】ロバート スコット アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エム. ハーテンスタイン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エイ. レーマン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ジェイ.ジー. バウワーズ
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02251225(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02612793(EP,A2)
【文献】 国際公開第2015/151181(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0328369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシート用サポートベースであって、
終端部を有するシェルと、
遠位端を有するラッチ装置であって、前記遠位端で車両に設けられる固定構造と解除可能に係合するように操作可能であるラッチ装置と、
前記ラッチ装置および前記シェルに結合する結合構造であって、前記結合構造はキャリアを含み、前記キャリアは前記ラッチ装置と枢動的に接続し、前記シェルに対して摺動可能であり、前記ラッチ装置は前記キャリアおよび前記シェルに対して、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で回転可能であり、前記キャリアは前記シェルに対して、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部外側に離間して変位する第1の方向と、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部に変位する、相対する第2の方向に移動可能である結合構造と、
調節ラッチであって、前記キャリアと係合し、前記キャリアが前記シェルに対して前記第1の方向に摺動することを防ぐように移動可能であり、前記シェルに対して前記キャリアが摺動しないように前記キャリアから解除するように移動可能な調節ラッチと、
を備え、
前記結合構造はさらに、前記シェルと固定的に接続する第1の管状部分を含み、前記キャリアは、互いに固定的に接続する第2の管状部分および第3の管状部分と、内部に前記第2の管状部分および第3の管状部分が組み立てられる筐体とを含み、前記第2の管状部分は前記第1の管状部分と摺動可能に接続し、前記第3の管状部分は前記第2の管状部分に対して横方向に延在し、前記ラッチ装置に枢動的に接続され、前記ラッチ装置は前記筐体の側部に配置され、前記筐体、前記ラッチ装置、前記第2の管状部分および第3の管状部分は共に、前記シェルおよび前記第1の管状部分に対して摺動可能である、サポートベース。
【請求項2】
前記調節ラッチは、前記調節ラッチが前記キャリアと係合することによって、前記キャリアが前記第1の方向に摺動することを防ぎ、前記キャリアが前記第2の方向に摺動することを許可することを特徴とする、請求項に記載のサポートベース。
【請求項3】
前記第1の管状部分はブラケットと固定的に接続し、前記調節ラッチは前記ブラケットと枢動的に接続することを特徴とする、請求項1又は2に記載のサポートベース。
【請求項4】
さらに、前記ラッチ装置および前記調節ラッチに結合する解除作動機構を含み、前記解除作動機構は、前記ラッチ装置が前記保存位置に向かって回転することによって、前記調節ラッチが前記キャリアから解除されるように構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載のサポートベース。
【請求項5】
前記解除作動機構は、前記キャリアに支持されるケーブル作動装置と、それぞれ前記調
節ラッチおよび前記ケーブル作動装置と接続する2つの相対する端部を含むケーブルと、前記ラッチ装置と回転して結合するカムとを含み、前記ラッチ装置が前記保存位置に向かって回転することによって、前記カムは移動中の前記ケーブル作動装置と接触して付勢し、前記ケーブル作動装置はそれによって、前記ケーブルに引っ張る動作を適用し、それによって、調節ラッチは前記キャリアから解除されることを特徴とする、請求項に記載のサポートベース。
【請求項6】
前記ケーブル作動装置は前記キャリアと枢動的に接続することを特徴とする、請求項に記載のサポートベース。
【請求項7】
前記ケーブル作動装置は、前記ケーブルの一端に取り付けられ、前記キャリアと移動可能に接続する作動部分と、前記作動部分と移動可能に接続する留め金部分であって、前記作動部分に対して配備状態と格納状態との間で移動可能である留め金部分と、それぞれ前記作動部分および前記留め金部分と接続するばねであって、前記留め金部分を前記配備状態に向かって付勢するばねと、を含み、前記ラッチ装置が前記保存位置に向かって回転することで、前記カムは前記配備状態の前記留め金部分に接触し、それによって、前記留め金部分および前記作動部分を付勢して前記ケーブルを引っ張るために一緒に移動させ、前記ラッチ装置が前記保存位置から離れて移動することで、前記カムは前記留め金部分を押して、前記作動部分に対して、前記配備状態から前記格納状態まで、前記作動部分を付勢せずに移動することを特徴とする、請求項に記載のサポートベース。
【請求項8】
前記作動部分は前記キャリアと枢動的に接続し、前記留め金部分は前記作動部分と枢動的に接続することを特徴とする、請求項に記載のサポートベース。
【請求項9】
さらに前記調節ラッチに結合する解除作動機構を含み、前記調節ラッチは前記シェルと枢動的に接続し、前記解除作動機構は前記調節ラッチと枢動的に接続するリンク部分と、前記リンク部分と接続し、摺動可能に前記シェルと組み立てられる作動装置とを含み、前記作動装置は前記調節ラッチを回転して、前記キャリアから解除するように操作可能である、請求項1〜のいずれか一項に記載のサポートベース。
【請求項10】
前記キャリアは複数のロック開口を含み、前記調節ラッチは前記シェルによって支持され、ばね付勢されて任意の前記ロック開口と係合し、前記ロック開口は、前記シェルに対して前記キャリアの最も伸張した位置に対応する最初のロック開口を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のサポートベース。
【請求項11】
前記調節ラッチは戻り止め機構と接続し、前記戻り止め機構は、前記調節ラッチが前記キャリアから解除された後に、前記調節ラッチが前記キャリアと再係合することを防ぐように操作可能であり、前記キャリアが前記最も伸張した位置にあるとき、前記戻り止め機構は解除されることを特徴とする、請求項10に記載のサポートベース。
【請求項12】
前記戻り止め機構は、前記調節ラッチと接続するスペーサと、それぞれ前記スペーサおよび前記調節ラッチと接続するばねと、を含み、前記調節ラッチが前記キャリアから前記最も伸張した位置以外の位置で解除されるとき、前記ばねは前記スペーサを妨害位置まで付勢し、前記妨害位置では、前記調節ラッチが前記キャリアと係合することを防ぐことを特徴とする、請求項11に記載のサポートベース。
【請求項13】
前記スペーサは前記調節ラッチと枢動的に接続することを特徴とする、請求項12に記載のサポートベース。
【請求項14】
前記スペーサの端部は前記調節ラッチを超えて突出し、前記スペーサが前記妨害位置であるとき、前記キャリアの表面に対向して接触し、前記調節ラッチが前記キャリアと係合することを防ぎ、前記キャリアが前記最も伸張した位置にあるとき、前記スペーサの端部は前記最初のロック開口に降下し、前記戻り止め機構を解除することを特徴とする、請求項12または13に記載のサポートベース。
【請求項15】
前記キャリアが前記シェルに対して前記最も伸張した位置から離れて摺動し、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部に向かって変位することによって、前記キャリアは前記スペーサを押して、前記最初のロック開口を解除し、前記調節ラッチが前記最初のロック開口以外の前記ロック開口のいずれかと係合するとき、前記スペーサは前記キャリアの表面と接触を維持することを特徴とする、請求項14に記載のサポートベース。
【請求項16】
さらに、前記キャリアと接続するばねを含み、前記ばねは前記キャリアを前記シェルに対して最も伸張した位置に付勢する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のサポートベース。
【請求項17】
前記シェルはさらに保存ロックを含み、前記保存ロックは、前記ラッチ装置と係合し、
前記キャリアが前記シェルに関して最も伸張した位置にある間、前記ラッチ装置を前記保
存位置に維持するように操作可能であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載のサポートベース。
【請求項18】
チャイルドシート用サポートベースであって、
終端部を有するシェルと、
遠位端を有するラッチ装置であって、前記遠位端で車両に設けられる固定構造と解除可能に係合するように操作可能であるラッチ装置と、
前記ラッチ装置および前記シェルに結合する結合構造であって、前記結合構造はキャリアを含み、前記キャリアは前記ラッチ装置と枢動的に接続し、前記シェルに対して摺動可能であり、前記ラッチ装置は前記キャリアおよび前記シェルに対して、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で回転可能であり、前記キャリアは前記シェルに対して、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部外側に離間して変位する第1の方向と、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部に変位する、相対する第2の方向に移動可能である結合構造と、
調節ラッチであって、前記キャリアと係合し、前記キャリアが前記シェルに対して前記第1の方向に摺動することを防ぐように移動可能であり、前記シェルに対して前記キャリアが摺動しないように前記キャリアから解除するように移動可能な調節ラッチと、
前記ラッチ装置および前記調節ラッチに結合する解除作動機構であって、前記解除作動機構は、前記ラッチ装置が前記保存位置に向かって回転することによって、前記調節ラッチが前記キャリアから解除されるように構成され、前記解除作動機構は、前記キャリアに支持されるケーブル作動装置と、それぞれ前記調節ラッチおよび前記ケーブル作動装置と接続する2つの相対する端部を含むケーブルと、前記ラッチ装置と回転して結合するカムとを含み、前記ラッチ装置が前記保存位置に向かって回転することによって、前記カムは移動中の前記ケーブル作動装置と接触して付勢し、前記ケーブル作動装置はそれによって、前記ケーブルに引っ張る動作を適用し、それによって、調節ラッチは前記キャリアから解除される、解除作動機構と、
を備える、サポートベース。
【請求項19】
チャイルドシート用サポートベースであって、
終端部を有するシェルと、
遠位端を有するラッチ装置であって、前記遠位端で車両に設けられる固定構造と解除可能に係合するように操作可能であるラッチ装置と、
前記ラッチ装置および前記シェルに結合する結合構造であって、前記結合構造はキャリアを含み、前記キャリアは前記ラッチ装置と枢動的に接続し、前記シェルに対して摺動可能であり、前記ラッチ装置は前記キャリアおよび前記シェルに対して、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で回転可能であり、前記キャリアは前記シェルに対して、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部外側に離間して変位する第1の方向と、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部に変位する、相対する第2の方向に移動可能である結合構造と、
調節ラッチであって、前記キャリアと係合し、前記キャリアが前記シェルに対して前記第1の方向に摺動することを防ぐように移動可能であり、前記シェルに対して前記キャリアが摺動しないように前記キャリアから解除するように移動可能な調節ラッチと、
を備え、
前記キャリアは複数のロック開口を含み、前記調節ラッチは前記シェルによって支持され、ばね付勢されて任意の前記ロック開口と係合し、前記ロック開口は、前記シェルに対して前記キャリアの最も伸張した位置に対応する最初のロック開口を含む、サポートベース。
【請求項20】
チャイルドシート用サポートベースであって、
終端部を有するシェルと、
遠位端を有するラッチ装置であって、前記遠位端で車両に設けられる固定構造と解除可能に係合するように操作可能であるラッチ装置と、
前記ラッチ装置および前記シェルに結合する結合構造であって、前記結合構造はキャリアを含み、前記キャリアは前記ラッチ装置と枢動的に接続し、前記シェルに対して摺動可能であり、前記ラッチ装置は前記キャリアおよび前記シェルに対して、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で回転可能であり、前記キャリアは前記シェルに対して、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部外側に離間して変位する第1の方向と、前記ラッチ装置の遠位端を前記シェルの終端部に変位する、相対する第2の方向に移動可能である結合構造と、
調節ラッチであって、前記キャリアと係合し、前記キャリアが前記シェルに対して前記第1の方向に摺動することを防ぐように移動可能であり、前記シェルに対して前記キャリアが摺動しないように前記キャリアから解除するように移動可能な調節ラッチと、
を備え、
前記シェルはさらに保存ロックを含み、前記保存ロックは、前記ラッチ装置と係合し、前記キャリアが前記シェルに関して最も伸張した位置にある間、前記ラッチ装置を前記保存位置に維持するように操作可能である、サポートベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチャイルドシート用サポートベースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されているチャイルドシートは、車両シート上に簡単に設置できるように、サポートベースに取り付けることができるものがある。サポートベースを車両シート上に正確に配置するために、様々な方法が提案されてきた。
既存の製品の中には、サポートベースを車両のシートベルト、または調節可能なベルトを用いて正確に車両シート上に配置するものもある。車両のシートベルト、または調節可能なベルトは車両が備える固定構造に取り付け可能なサポートベースに設けられる。サポートベースの剛性シェルがラッチ装置と組み立てられる製品もある。ラッチ装置は車両の固定構造に取り付けられ、サポートベースを車両シート上に正確に配置する。ただし、固定構造の位置は、車両のモデルによって異なることもあるため、ラッチ装置を固定構造に適切に取り付けることが困難となることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、費用対効率の良い方法で製造可能であり、少なくとも前述の問題を対処可能な改良された設計が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、車両の固定構造に取り付けやすくするために調節可能なラッチ装置を有する、チャイルドシート用のサポートベースを記載する。サポートベースは終端部を有するシェルと、遠位端を有し、車両に装備される固定構造とその遠位端で解除可能に係合するラッチ装置と、ラッチ装置およびシェルに結合する結合構造とを含む。結合構造は、ラッチ装置と駆動的に接続し、シェルに対して摺動可能なキャリアと、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で、キャリアおよびシェルに対して回転可能なラッチ装置と、シェルに対して第1の方向および第2の方向に移動可能なキャリアとを含む。第1の方向は、ラッチ装置の遠位端をシェルの終端部から外側に離れるように変位する方向であり、第2の方向は反対に、ラッチ装置の遠位端をシェルの終端部に向かって変位する方向である。サポートベースはさらに調節ラッチを含む。調節ラッチは、キャリアがシェルに対して第1の方向に摺動することを防ぐためにキャリアと係合し、シェルに対してキャリアを摺動するためにキャリアから解除されるように移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】チャイルドシート用サポートベースの実施形態を例示する斜視図である。
図2】調節ラッチと、解除作動機構と、戻り止め機構とを含むサポートベースの内部構造の詳細の一部を例示する概略斜視図である。
図3図2に示す、サポートベースの内部構造を例示する概略斜視図であり、調節ラッチは解除状態にある。
図4図2に示す、サポートベースの内部構造を例示する概略斜視図であり、調節ラッチは最初のロック開口に降下し、戻り止め機構は解除状態にある。
図5】サポートベースが備える調節ラッチおよび解除作動機構の別の実施形態を例示する概略斜視図である。
図6図4に示す、解除状態にある調節ラッチを例示する概略斜視図である。
図7】ラッチ装置の摺動および回転調節が可能である、サポートベースの別の実施形態を例示する概略斜視図である。
図8】ラッチ装置の摺動および回転調節が可能である、サポートベースの別の実施形態を例示する概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1はチャイルドシート用のサポートベース100の実施形態を例示する斜視図であり、図2〜4はサポートベース100の内部構造の詳細の一部を例示する概略図である。
図1〜4を参照する。サポートベース100は、シェル102と、2つのラッチ装置104とを含んでいてもよい。シェル102は、互いに取り付けられる1または複数の剛性筐体部分を含んでいてもよい。シェル102を製造するのに適切な代表的な素材には、剛塑性素材が含まれていてもよい。
シェル102は車両シート上に配置するのに適切な底部106と、チャイルドシートの設置を受容するのに適切な上面108(不図示)を含んでいてもよい。たとえば、シェル102の上面108は複数の空洞110を含んでいてもよい。複数の空洞110には、チャイルドシートの対応する部分が受容され、適切な位置にロックされてもよい。一部の実施形態では、シェル102の上面108は、サポートベース100上に設置されたチャイルドシートを調節するため、シェル102の下部に対して前後に移動可能な摺動するプラットホームによって保持されてもよい。
【0007】
2つのラッチ装置104は、シェル102の終端部112に隣接するシェル102に組み立てられてもよく、それぞれシェル102の左右に隣接して配置されることもある。2つのラッチ装置104は、車両に設置される固定構造(たとえば、ISOFIX固定具)と解除可能に係合し、サポートベース100を車両シート上の適切な位置にロックするように操作可能である。各ラッチ装置104は、ラッチ装置104の遠位端104Aで車両の固定構造と係合およびロック可能である。
【0008】
図1〜4を参照する。サポートベース100は、さらに、シェル102およびラッチ装置104に結合する結合構造114を含む。
結合構造114は少なくとも部分的にシェル102内に含有され、固定枠116と、固定枠116と移動可能に接続するキャリア118とを含んでいてもよい。シェル102は、明確に例示するために図2〜4では省略する。
固定枠116は、シェル102に固定的に取り付けることもできる。たとえば、固定枠116は、シェル102と固定的に接続する管状部分120を含んでいてもよい。管状部分120は任意の適切な形状をとることができる。たとえば、管状部分120の断面は、非限定的に、円形、長方形、正方形、多角形などを含んでいてもよい。
【0009】
キャリア118はラッチ装置104を保持し、固定枠116と組み立てられて、サポートベース100の前から後ろに延在するX軸の長手方向に沿って摺動運動をしてもよい。たとえば、キャリア118は、互いに固定的に接続する側部管状部分122と、横管状部分124とを含んでいてもよい。
キャリア118の側部管状部分122は固定枠116の管状部分120と摺動可能に接続する。たとえば、側部管状部分122は、伸縮自在に管状部分120と組み立てられてもよく、側部管状部分122はそれぞれ部分的に管状部分120内に受容される。横管状部分124は側部管状部分122と固定的に接続されてもよく、側部管状部分122に対して横方向に延在してもよい。
【0010】
実施例によれば、固定枠116は、互いに平行であり、左側および右側に対称的に配置される2つの管状部分120を含んでいてもよい。キャリア118は、前述した2つの管状部分120と摺動可能に接続する2つの側部管状部分122を含んでいてもよい。
【0011】
図1〜4を参照する。実施形態によれば、キャリア118はさらに筐体126を含んでいてもよい。筐体126は少なくとも部分的に側部管状部分122および横管状部分124を受容できる。たとえば、側部管状部分122および横管状部分124は、筐体126に固定的に取り付けられてもよい。筐体126は説明図を明確にするために、図2〜4では想像線で示される。
【0012】
図1〜4を参照する。2つのラッチ装置104は、キャリア118と2つの相対する側部で枢動的に接続できる。たとえば、2つのラッチ装置104はそれぞれ筐体126左側および右側に配置され、横管状部分124と2つの相対する端部で枢動的に接続できる。構造例によれば、2つのラッチ装置104はロッド128の2つの相対する端部に固定的に取り付けることができる。ロッド128は横管状部分124によって枢動的に支持される。ラッチ装置104およびロッド128は、それによって、キャリア118に対して枢軸Yの回りを共に回転できる。
【0013】
前述のアセンブリを用いて、キャリア118(側部管状部分122、横管状部分124および筐体126を含む)およびラッチ装置104は、縦方向の調節のためにシェル102および固定枠116に対して長尺軸Xに沿って共に摺動できる。たとえば、キャリア118は、シェル102に対して第1の方向および第2の方向に摺動可能である。
第1の方向は各ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112から外側に離れて変位する方向であり、第2の方向は反対に、各ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112に向かって変位させる方向である。さらに、ラッチ装置104はキャリア118およびシェル102に対して、保存位置と使用時の複数の配備位置との間で、枢軸Yの回りを回転できる。
保存位置では、各ラッチ装置104は、一般に、シェル102に向かって後退した遠位端104Aと水平に位置する。各ラッチ装置104の遠位端104Aは、車両の固定構造に取り付けるためにシェル102の終端部112(代表的に図1に示す)を超えて延在できる。それにしたがって、ラッチ装置104は、少なくとも2つの調節の程度を有することができ、長尺軸Xに沿った摺動調節、および枢軸Yの回りの回転調節によって、サポートベース100を車両に設置し、ロックすることを促進する。
【0014】
図3を参照する。実施形態によれば、サポートベース100はさらに、キャリア118と接続するばね130(想像線で図示)を含んでいてもよい。たとえば、ばね130は、それぞれキャリア118の側部管状部分122と固定枠116の管状部分120と接続する2つの相対する端部を有していてもよい。ばね130は、サポートベース100の車両シートへの設置を促進するために、シェル102および固定枠116に対して最も伸張した位置に向けてキャリア118を付勢してもよい。
【0015】
図1を参照する。シェル102はさらに、ラッチ装置104を保存位置に保つために、対応するラッチ装置104と係合するように操作可能な保存ロック132を含んでいてもよい。たとえば、保存ロック132はシェル102と組み合わされてもよく、ラッチ装置104の遠位端104Aと保存位置で係合するように、ばね荷重をかけられてもよい。
実施例によれば、キャリア118はシェル102および固定枠116に対して最も伸張した位置にある一方、保存ロック132は、ラッチ装置104を保存位置に係合およびロックしてもよい。ただし、保存ロック132はまた、シェル102および固定枠116に対してキャリア118のその他の所望の位置の保存位置でラッチ装置104を係合およびロックするように構成されてもよいことを理解されたい。
【0016】
図1〜4を参照する。サポートベース100はさらに、調節ラッチ134および解除作動機構136を含んでいてもよい。調節ラッチ134は、シェル102によって支持され、シェル102に対して移動可能であり、キャリア118上に設けられる複数のロック開口138のいずれかと係合し、解除する。たとえば、調節ラッチ134は、ブラケット140と枢動的に接続してもよい。ブラケット140は管状部分120と固定的に接続する。
ロック開口138は、側部管状部分122上に設けられ、側部管状部分122は伸縮自在に管状部分120と接続する。調節ラッチ134は管状部分120の開口120Aを通じて移動し、任意のロック開口138と係合できる。調節ラッチ134はキャリア118と係合し、キャリア118がシェル102に対して、第1の方向に摺動することを防ぐ。第1の方向は各ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112から外側に離れて変位し、キャリア118を解除してシェル102に対してキャリア118を摺動する方向である。
【0017】
実施形態によれば、調節ラッチ134は、キャリア118の動きを第1の方向のみに選択的に限定し、各ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112から外側に離れて変位させることができるラチェットのように操作するような形状であってもよい。
それにしたがって、調節ラッチ134が任意のロック開口138と係合することによって、キャリア118が第1の方向に摺動することを防ぐことができる一方、キャリア118が第2の方向に摺動し、各ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112に向かって後退させる。
【0018】
図2〜4を参照する。調節ラッチ134はばね付勢され、任意のロック開口138と係合してもよい。たとえば、ばね142はそれぞれ、調節ラッチ134およびシェル102が備える固定構造(たとえば、管状部分120または管状部分120と固定的に接続する任意の適切な取り付け構造)と接続してもよく、調節ラッチ134を付勢して、キャリア118の側部管状部分122と係合させてもよい。
【0019】
固定枠116が2つの管状部分120を含み、キャリア118が2つの側部管状部分122を含む場合は、前述した調節ラッチ134およびばね142の2つの類似するセットが、2つの管状部分120上に設けられ、2つの側部管状部分122と係合してもよい。
【0020】
図2〜4を参照する。解除作動機構136は、調節ラッチ134を付勢してキャリア118から解除し、キャリア118がシェル102に対して摺動するように操作可能である。実施形態によれば、解除作動機構136は調節ラッチ134およびラッチ装置104に操作可能に結合してもよく、保存位置に向かってラッチ装置104が回転することで、調節ラッチ134がキャリア118から解除されるように構成されてもよい。たとえば、解除作動機構136は、キャリア118によって支持されるケーブル作動装置144と、2つの相対する端部146Aおよび146Bを有するケーブル146と、ラッチ装置104に回転して結合するカム148とを含んでいてもよい。
2つの対向する端部146Aおよび146Bは、それぞれ調節ラッチ134およびケーブル作動装置144と接続する。ケーブル作動装置144はキャリア118と枢動的に接続する。たとえば、筐体126は、取り付けブラケット150と固定的に接続してもよく、ケーブル作動装置144は取り付けブラケット150と枢軸接続152を介して枢動的に接続してもよい。カム148は突起148Aを有していてもよく、ロッド128に固定的に取り付けられ、それによってラッチ装置104およびカム148が両方向に一致して回転してもよい。
ラッチ装置104が保存位置に向かって回転するにつれて、カム148はラッチ装置104に沿って回転し、それによってカム148の突起148Aは移動中のケーブル作動装置144に接触し、付勢してもよい。ケーブル作動装置144は次に、ケーブル146に引く力を適用し、それによって調節ラッチ134はキャリア118から解除される。実施例によれば、ケーブル146は、2つの相対する端部を有し、シース153内部を貫通して動くための代表的なガイドであってもよく、2つの相対する端部はそれぞれ調節ラッチ134および取り付けブラケット150と接続する。
【0021】
構造例によると、ケーブル作動装置144は、作動部分154と、留め金部分156と、ばね158とを含んでいてもよい。作動部分154は、キャリア118の取り付けブラケット150と枢軸接続152を介して枢動的に接続してもよく、ケーブル146の端部146Bに取り付けられてもよい。留め金部分156は作動部分154と移動可能に接続してもよく、それによって配備状態と格納状態との間で移動可能となる。
たとえば、留め金部分156は、作動部分154と枢軸接続160を介して枢動的に接続してもよく、それによって、留め金部分156は作動部分154に対して配備状態と格納状態との間を回転してもよい。作動部分154および留め金部分156は、配備状態の凹面162を少なくとも部分的に画定してもよい。配備状態から格納状態へ向かう留め金部分156の回転によって、凹面162が減少させてもよい。
【0022】
ばね158は、それぞれ作動部分154および留め金部分156と接続してもよく、留め金部分156を配備状態に向けて付勢してもよい。ばね158は代表的なねじりばねであってもよい。
【0023】
前述の構造を用いて、ラッチ装置104が保存位置に向かって方向R1へ回転することによって、カム148の突起148Aは、配備状態の留め金部分156と接触する。カム148と留め金部分156との接触は、ラッチ装置104が保存位置に達する前に、凹面162で発生する摺動接触であってもよい。その結果として、カム148は、留め金部分156および作動部分154を付勢して、共に移動させ、ケーブル146を引っ張り、調節ラッチ134をキャリア118から解除させてもよい。ラッチ装置104が保存位置に到達すると、カム148の突起148Aは留め金部分156を超えて移動する。それによって、作動部分154および留め金部分156はケーブル146を引っ張ることを解除する中立位置に戻ることができる。
【0024】
ラッチ装置104が保存位置から配備位置に向かって方向R2に逆回転することによって、カム148の突起148Aは、留め金部分156と接触し、留め金部分156を押して、配備状態から格納状態に向かってばね158の付勢力に対向して、作動部分154に対して回転させる。その結果として、カム148の突起148Aはケーブル146を移動させることなく、作動部分154を超えて移動できる。それによって、調節ラッチ134はロック状態に留まることができ、ラッチ装置104は配備位置まで回転する。
【0025】
2つの調節ラッチ134が設けられた実施形態では、前述の解除作動機構136の同一の2つのセットは、それぞれ2つの調節ラッチ134およびラッチ装置104と結合してもよい。
【0026】
図2〜4を参照する。実施形態によれば、各調節ラッチ134はさらに、戻り止め機構164と接続してもよい。戻り止め機構164は、調節ラッチ134がキャリア118から解除された後に、再度キャリア118と再係合しないように操作可能であり、キャリア118が最も伸張した位置にあるとき、戻り止め機構164は解除される。
構造例によると、戻り止め機構164は、スペーサ166と、ばね168とを含んでいてもよい。スペーサ166は、枢軸接続169の回りで調節ラッチ134と枢動的に接続してもよく、枢軸接続169から偏心する端部166Aを有していてもよい。ばね168はそれぞれ、スペーサ166および調節ラッチ134と接続する。たとえば、ばね168はねじりばねであってもよい。ねじりばねはスペーサ166の枢軸接続169の近くに組付けられ、それぞれスペーサ166および調節ラッチ134と接続する2つの端部を有する。
【0027】
調節ラッチ134がキャリア118から最も伸張した位置以外の位置で解除されると、ばね168はスペーサ166を付勢して、調節ラッチ134に対して、スペーサ166の端部166Aが調節ラッチ134を超えて突出可能な位置である妨害位置まで回転させる。
スペーサ166が妨害位置にある間、スペーサ166の端部166Aはキャリア118の表面に接触して、調節ラッチ134がキャリア118と係合することを防いでもよい。たとえば、スペーサ166の端部166Aは、妨害位置で側部管状部分122の表面122Aと接触してもよく、それによって、調節ラッチ134は、解除状態で、側部管状部分122から離間して維持されてもよい。実施例によれば、スペーサ166の端部166Aが表面122Aと妨害位置で接触するとき、スペーサ166は側部管状部分122の表面122Aから垂直に延在してもよい。
【0028】
キャリア118が摺動し、シェル102および固定枠116に対して最も伸張した位置に到達するとき、戻り止め機構164は解除されてもよい。たとえば、側部管状部分122上に設けられるロック開口138は、キャリア118の最も伸張した位置に対応する最初のロック開口138Aを含んでいてもよい。最初のロック開口138Aは、他のすべてのロック開口138よりもサイズが大きい。
スペーサ166の端部166Aは最初のロック開口138Aに降下し、キャリア118が最も伸張した位置に到達するとき、戻り止め機構164を解除する。実施例によれば、戻り止め機構164が解除されるとき、調節ラッチ134はまた、最初のロック開口138Aにスペーサ166と共に降下してもよい。それにしたがって、キャリア118の最も伸張した位置は、サポートベース100が車両シートに設置される前に、キャリア118が再配置されなくてはならないリセット位置として画成されてもよい。これによって、確実にサポートベース100が適切に車両シート上に設置される助けとなってもよい。
【0029】
さらに、キャリア118がシェル102に対して最も伸張した位置から摺動し、ラッチ装置104の遠位端104Aがシェル102の終端部112から変位することによって、キャリア118は調節ラッチ134およびスペーサ166を押して、最初のロック開口138Aから解除する。
キャリア118が摺動して、ラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112を変位するとき、または調節ラッチ134が最初のロック開口138A以外の任意のロック開口138と係合するとき、ばね168によって付勢されるスペーサ166は、キャリア118の表面(たとえば、ロック開口138に隣接する側部管状部分122の表面122A)と接触を維持できる。スペーサ166はキャリア118の接触面に対して角度を付けて傾斜する。それにしたがって、キャリア118がラッチ装置104の遠位端104Aをシェル102の終端部112に向けて変位する方向にシェル102に対して摺動するとき、戻り止め機構164は解除を維持し、調節ラッチ134の操作を妨げない。
図2は代表的に、調節ラッチ134が最初のロック開口138A以外のロック開口138の1つと係合し、スペーサ166が側部管状部分122の表面122Aと接触することを例示する。図3は代表的に、調節ラッチ134が側部管状部分122から解除されることを例示する。図4は代表的に、調節ラッチ134およびスペーサ166が最初のロック開口138A内に降下し、それによって戻り止め機構164が解除状態にあることを例示する。
【0030】
サポートベース100を車両シート上に設置するための代表的な操作を図1〜4を参照して説明する。サポートベース100を車両シート上に設置する前に、サポートベース100は初期状態であってもよい。初期状態では、キャリア118はシェル102に関して最も伸張した位置にあり、ラッチ装置104は保存ロック132によって保存位置に維持される。
サポートベース100が車両シート上に設置されるときには、保存ロック132をまず、対応するラッチ装置104から解除してもよい。たとえば、ラッチ装置104上に設けられる解除作動装置170(図1に示す)は、移動中の保存ロック132を付勢して、ラッチ装置104の遠位端104Aから解除するように操作されてもよい。より具体的には、ラッチ装置104上に設けられる解除作動装置170は一般に、内部部分(不図示)と接続する。
内部部分は、ラッチ装置104を車両の固定構造から解除するように移動可能である。この内部部分の動きはまた、保存ロック132を付勢してラッチ装置104から解除するために使用可能である。解除作動装置170および解除作動装置170に結合する内部部分は既存のラッチ装置104で周知であり、その説明はここでは省略する。
【0031】
ラッチ装置104がシェル102から解除されると、ラッチ装置104は保存位置から所望の配備位置まで回転されてもよい。前述したように、ラッチ装置104が配備位置に向かって回転すると、カム148の突起148Aは留め金部分156に接触して押し、配備状態から格納状態まで作動部分154に対して回転させる。その結果として、カム148の突起148Aは、ケーブル146を移動させずに、作動部分154を超えて移動可能となってもよい。それにしたがって、ラッチ装置104が配備位置まで回転する間、調節ラッチ134は、最初のロック開口138Aと係合するロック状態に維持されてもよい。
【0032】
サポートベース100は次に、車両シート上に配置されてもよく、配備位置の各ラッチ装置104は、車両シートの固定構造を最も伸張した位置にあるキャリア118に取り付けることができる。次に、シェル102を車両シートの背もたれに向かって押し、シェル102の終端部112を車両シートの背もたれに対して当接するように配置してもよい。その結果として、キャリア118およびラッチ装置104は、各ラッチ装置104の遠位端104Aとシェル102の終端部112との間の距離を減少させるために、シェル102および固定枠116に対して共に摺動してもよい。
シェル102および固定枠116に対してキャリア118がこのように変位することによって、キャリア118はスペーサ166および調節ラッチ134を押し、最初のロック開口138Aから解除し、側部管状部分122に沿って摺動させる。この変位中、スペーサ166が側部管状部分122の表面122Aと摺動して接触する間、調節ラッチ134は1または複数のロック開口138を超えて移動する。シェル102の終端部112が車両シートの背もたれに対して当接すると、調節ラッチ134は対応するロック開口138と係合してもよく、スペーサ166は側部管状部分122の表面122Aと接触を維持していてもよい。
【0033】
サポートベース100を用いないときは、ラッチ装置104は車両の固定構造から外し、サポートベース100を除去することができる。ラッチ装置104は次に、キャリア118およびシェル102に対して保存位置まで回転してもよい。ラッチ装置104のこの回転により、前述したように解除作動機構136の操作によって、調節ラッチ134はキャリア118の側部管状部分122から解除される。
調節ラッチ134がキャリア118から解除されると、ばね168は戻り止め機構164のスペーサ166を妨害位置まで付勢してもよい。妨害位置では、スペーサ166の端部166Aは調節ラッチ134を超えて突出し、側部管状部分122の表面122Aに対向して接触してもよい。調節ラッチ134はそれによって、解除状態で、側部管状部分122から離間して維持されてもよい。ばね130は次に、キャリア118を付勢してシェル102および固定枠116に対して、前述したように最も伸張した位置まで移動させてもよい。
【0034】
前述したサポートベース100の少なくとも一部分は独立して実装されてもよいことを理解されたい。たとえば、解除作動機構136および戻り止め機構164は互いに独立して実装されてもよい。
【0035】
図5および6は概略斜視図である。調節ラッチ134’に結合する別の解除作動機構172を例示する。図5および6を参照する。調節ラッチ134’はシェル102と枢動的に接続し、キャリア118の側部管状部分122上に設けられる複数のロック開口138のいずれかと係合および解除するように回転可能であってもよい。解除作動機構172はリンク部分174と、作動装置176とを含んでいてもよい。リンク部分174は、調節ラッチ134’と枢動的に接続する端部174Aと、作動装置176と摺動可能に接続する別の端部174Bとを有していてもよい。より具体的には、リンク部分174の端部174Bは、作動装置176に設けられる細長いスロット178に沿って摺動移動するように誘導されてもよい。
細長いスロット178は、シェル102の長尺軸Xに対して角度をつけて傾斜している。さらに、作動装置176は、長尺軸Xに沿って摺動移動するように、シェル102と組み立てられてもよい。このアセンブリを用いて、作動装置176は、リンク部分174が細長いスロット178とリンク部分174の端部174Bとの間の摺動接続によって、移動できるように操作可能であり、それによって調節ラッチ134’を付勢して回転させ、キャリア118の側部管状部分122から解除する。
図5は係合状態の調節ラッチ134’を例示し、図6は解除状態の調節ラッチ134’を例示する。
【0036】
図7および8は概略斜視図である。ラッチ装置104を摺動および回転調節することができるサポートベース100’の別の実施形態を例示する。
図7および8を参照する。サポートベース100’のシェル102は、車両シート上のサポートベース100’の角度位置を調節するように操作可能なリクライニング式脚部180を含んでいてもよい。リクライニング式脚部180は、シェル102と枢動的に組み立てられてもよい。構造例によると、シェル102は、固定枠181と固定的に接続してもよく、リクライニング式脚部180は固定枠181と枢動的に接続してもよい。
ラッチ装置104を枢動的に支持するキャリア118は、リクライニング式脚部180と摺動可能に組み立てられてもよい。たとえば、キャリア118の横管状部分124は、リクライニング式脚部180の2つの相対する側部壁上の2つの平行なガイドスロット182に沿って摺動運動するために誘導されてもよい。ラッチ装置104はそれによって、シェル102およびリクライニング式脚部180に対してサポートベース100’の任意の角度位置で調節可能である。キャリア118はリクライニング式脚部180によって支持されるため、ラッチ装置104を十分に低く、または適切に車両の固定構造にサポートベース100’の任意の角度位置で維持することができる。
【0037】
本明細書に記載する本構造の有利点は、チャイルドシート用サポートベースを提供する能力を含む。チャイルドシート用サポートベースによってラッチ装置の摺動および回転調節が可能になり、サポートベースを車両シート上に設置することが容易となる。
【0038】
チャイルドシート用サポートベースの実現を具体的な実施形態に照らして記載してきた。これらの実施形態は例示的な物であり、非限定的なものであることを意図する。多くの変形、修正、追加および改良が可能である。このような変形またはその他の変形、修正、追加および改良は以下の請求項で規定する範囲内にあってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8