特許第6582095号(P6582095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582095
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】駆動システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H05B37/02 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-98540(P2018-98540)
(22)【出願日】2018年5月23日
(65)【公開番号】特開2018-200872(P2018-200872A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2018年5月23日
(31)【優先権主張番号】106117768
(32)【優先日】2017年5月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511057984
【氏名又は名称】李玉麟
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】李玉麟
(72)【発明者】
【氏名】黄國忠
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−166189(JP,A)
【文献】 特開平01−160146(JP,A)
【文献】 特開2013−164932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動システムであって、
受信ユニットとローパスフィルタとを有し、
前記受信ユニットで信号を受信し、
前記ローパスフィルタでフィルタ処理を行い、駆動信号を生成し、
入力部と複数の出力部を有し、前記入力部に前記駆動信号が入力され、前記駆動信号の発生回数に基づいて対応する前記出力部に切り替えて制御信号を出力させることで、電気装置を制御するジョンソンカウンタと、を備え、
前記駆動システムは、さらに電圧調整ユニットを備え、
前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と加算器を有し、
前記抵抗器のそれぞれは、一端が前記出力部に接続され、他端が前記加算器に接続され、
前記電圧調整ユニットは、前記出力部からの制御信号に基づいて、対応する前記抵抗器と前記加算器で特定の制御電圧を出力し、前記電気装置を制御する
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項2】
駆動システムであって、
受信ユニットとローパスフィルタとを有し、
前記受信ユニットで信号を受信し、
前記ローパスフィルタでフィルタ処理を行い、駆動信号を生成し、
入力部と複数の出力部を有し、前記入力部に前記駆動信号が入力され、前記駆動信号の発生回数に基づいて対応する前記出力部に切り替えて制御信号を出力させることで、電気装置を制御するジョンソンカウンタと、を備え、
前記駆動システムは、さらに複数のダイオードと電圧調整ユニットを備え、
前記複数のダイオードは、それぞれ前記ジョンソンカウンタの前記出力部に接続され、
前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と分圧抵抗器を有し、
前記複数の抵抗器は、それぞれ前記ダイオードに接続され、かつ前記分圧抵抗器に直列に接続され、
前記抵抗器で前記制御信号に基づいて対応する制御電圧を出力し、前記電気装置を制御する
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項3】
駆動システムであって、
受信ユニットとローパスフィルタとを有し、
前記受信ユニットで信号を受信し、
前記ローパスフィルタでフィルタ処理を行い、駆動信号を生成し、
入力部と複数の出力部を有し、前記入力部に前記駆動信号が入力され、前記駆動信号の発生回数に基づいて対応する前記出力部に切り替えて制御信号を出力させることで、電気装置を制御するジョンソンカウンタと、を備え、
前記駆動システムは、さらに複数のスリーステートバッファと電圧調整ユニットを備え、
前記複数のスリーステートバッファは、それぞれ前記ジョンソンカウンタの前記出力部に接続され、前記制御信号を受けたスリーステートバッファは、干渉を受けていない制御信号を前記電圧調整ユニットに転送し、
前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と分圧抵抗器を有し、
前記複数の抵抗器は、それぞれ前記スリーステートバッファに接続され、かつ前記分圧抵抗器に直列に接続され、
前記抵抗器で前記制御信号に基づいて対応する制御電圧を出力し、電気装置を制御する
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項4】
前記分圧抵抗器は、一端が前記抵抗器に直列に接続され、他端がアースされている
ことを特徴とする請求項またはに記載の駆動システム。
【請求項5】
前記電気装置は照明装置であり、前記照明装置は駆動ユニットと少なくとも1つの発光ダイオードを有し、
前記駆動ユニットは、
交流電源を受けて直流電源に変換する整流回路と、
前記整流回路と電圧調整ユニットに接続される一次側、および所定のパワーを前記少なくとも1つの発光ダイオードに出力する二次側を有するスイッチング電源と、を備える
ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記ローパスフィルタはコンデンサである
ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記受信ユニットで受信する信号が、赤外線信号である
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な回路構成で駆動信号の発生回数に基づいて制御信号を出力し、電気装置を所望の稼働状態に制御する駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電気装置は現代生活の必需品になっており、電気装置の操作の利便性を向上させるために、リモートコントローラの利用は一般的になっている。通常、電気装置には赤外線受信部が設置されている。それによって、ユーザはリモートコントローラを用いて遠隔で電気装置を操作することができる。ユーザは、リモートコントローラを用いて電気装置、例えば、テレビをオン/オフにすることができ、チャンネルを切り替えることができる。リモートコントローラの普及によって、ユーザは電気装置の前まで移動する必要がなくなり、簡単に電気装置を操作することが可能になる。異なる電気装置を操作するにはそれぞれ対応するリモートコントローラの使用が必要である。それで、リモートコントローラの数が増え、複数のリモートコントローラから該当のものを探すのは手間がかかり、時間の無駄になる(特許文献1および2参照)。そのため、リモートコントローラの数を減らし、簡単に複数の電気装置を操作し、かつ簡単に設定することができるリモートコントロール方式の実現が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案第201986225号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開105826898号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のリモートコントロール方式には以下の欠点が挙げられる。
(1)赤外線技術やブルートゥース(登録商標)技術を利用した従来のリモートコントロール方式は、発信側と受信側とのペアリングが必要である。すなわち、受信側はペアリングされた発信側の信号しか受信できない。そのため、従来のリモートコントロール方式では、電気装置の稼働状態を遠隔で制御するには、既にペアリングされたものを利用する必要がある。
(2)従来のリモートコントロール方式は、復号ユニットまたは復調部の設置が必要である。復号ユニットや復調部は、受信側で受信された制御信号を復号し、受信側の電気装置に対応する制御信号に変換することで、電気装置を制御する。または、プログラムすることが可能な制御ユニットを設置し、受信された制御信号に基づいて所定の処理を行い、電気装置を制御する。ただし、前記従来の方式では、回路構成が複雑であり、コストも高いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な回路構成で駆動信号の発生回数に基づいて制御信号を出力し、電気装置を所望の稼働状態に制御する駆動システムの提供を目的とする。
【0006】
本発明の駆動システムは、受信ユニットとローパスフィルタとを有し、前記受信ユニットで赤外線信号を受信し、前記ローパスフィルタでフィルタ処理を行い、駆動信号を生成する赤外線受信モジュールと、入力部と複数の出力部を有し、前記入力部に前記駆動信号が入力され、前記駆動信号の発生回数に基づいて対応する前記出力部に切り替えて制御信号を出力させることで、電気装置を制御するジョンソンカウンタと、を備えることを特徴とする駆動システムである。なお、ジョンソンカウンタとは、入力部から駆動信号を受信し、所定の計算手順にしたがって、電気装置を駆動するための制御信号を出力するカウンタ(電子回路)である。ジョンソンカウンタを用いた具体的な処理内容については、後述する実施形態で詳しく説明する。
【0007】
本発明は、簡易な回路構成で駆動信号の発生回数に基づいて対応する出力部に制御信号を出力させることで、電気装置の稼働状態を制御する。例えば、本発明の駆動システムは、照明装置の制御に適用することが可能であり、異なる制御信号で照明装置の稼働状態(例えば、オン、オフや色温度など)を制御することができる。また、リモートコントローラに適用することで遠隔操作を実現することが可能になる。
【0008】
また、本発明の実施形態では、前記駆動システムは、さらに電圧調整ユニットを備える。前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と加算器(Summing amplifier)を有し、前記抵抗器のそれぞれは、一端が前記出力部に接続され、他端が前記加算器に接続される。前記電圧調整ユニットは、前記出力部からの制御信号に基づいて、対応する前記抵抗器と前記加算器で特定の制御電圧を出力し、前記電気装置を制御する。
【0009】
また、本発明の実施形態では、前記駆動システムは、さらに複数のダイオードと電圧調整ユニットを備える。前記複数のダイオードはそれぞれ前記ジョンソンカウンタの前記出力部に接続される。前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と分圧抵抗器を有し、前記複数の抵抗器はそれぞれ前記ダイオードに接続され、かつ前記分圧抵抗器に直列に接続される。前記抵抗器で前記制御信号に基づいて対応する制御電圧を出力し、前記電気装置を制御する。
【0010】
また、本発明の実施形態では、前記駆動システムは、さらに複数のスリーステートバッファ(3―State buffer)と電圧調整ユニットを備える。前記複数のスリーステートバッファは、それぞれ前記ジョンソンカウンタの前記出力部に接続され、前記制御信号を受けたスリーステートバッファは、干渉を受けていない制御信号を前記電圧調整ユニットに転送する。前記電圧調整ユニットは、複数の抵抗器と分圧抵抗器を有し、前記複数の抵抗器はそれぞれ前記スリーステートバッファに接続され、かつ前記分圧抵抗器に直列に接続される。前記抵抗器で前記制御信号に基づいて対応する制御電圧を出力し、電気装置を制御する。
【0011】
なお、本発明の実施形態では、前記分圧抵抗器は、一端が前記抵抗器に直列に接続され、他端がアースされている。
【0012】
また、本発明の実施形態では、前記電気装置は照明装置であり、前記照明装置は、駆動ユニットと少なくとも1つの発光ダイオードを備える。前記駆動ユニットは、交流電源を受けて直流電源に変換する整流回路と、前記整流回路と電圧調整ユニットに接続される一次側、および所定のパワーを出力することで前記発光ダイオードを制御する二次側を有するスイッチング電源と、を備える。
【0013】
なお、本発明の実施形態では、前記ローパスフィルタはコンデンサである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る駆動システムの第1実施形態を示す回路模式図である。
図2】本発明に係る駆動システムの第2実施形態を示す回路模式図である。
図3】本発明に係る駆動システムの第3実施形態を示す回路模式図である。
図4】本発明に係る駆動システムの第4実施形態を示す回路模式図である。
図5】本発明に係る駆動システムの第4実施形態の使用例を示す回路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特許審査官に本発明の特徴、メリット、効果を理解していただくために、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。以下の図面は簡略化した図面であり、本発明の内容を説明するためのものであるので、実際の寸法や比率と異なる場合がある。そのため、本発明は図面に記載された内容に限定されない。
【0016】
図1は、本発明に係る駆動システムの第1実施形態を示す回路模式図である。図1に示すように、本発明に係る駆動システムは、赤外線受信モジュール2とジョンソンカウンタ3とを備える。
【0017】
赤外線受信モジュール2は、受信ユニット21とローパスフィルタ(Low−pass filter)22を有する。前記受信ユニット21は赤外線信号を受信する。前記ローパスフィルタ22は、所定の周波数範囲内で前記赤外線信号に対してフィルタ処理を行い、駆動信号を生成する。また、前記ローパスフィルタ22は、赤外線信号における高周波数の成分を排除し、低周波数の成分を通過させるコンデンサであってもよい。
【0018】
ジョンソンカウンタ3は、入力部Cと複数の出力部Q1、Q2、Q3、Q4を有する。入力部Cは駆動信号を受ける。その駆動信号に基づいて対応する出力部Q1、Q2、Q3、Q4に切り替えて、制御信号を生成させる。具体的には、ジョンソンカウンタ3は、サイクルカウントの機能で入力された駆動信号の発生回数を計数し、その発生回数に基づいて対応する出力部Q1、Q2、Q3、Q4に制御信号を出力させる。なお、出力部の数は本実施形態に示す数量に限らず、ジョンソンカウンタの数も1つに限られるものではない。複数のジョンソンカウンタを接続して多数の出力部を備えてもよい。
【0019】
ジョンソンカウンタ3の出力部Q1、Q2、Q3、Q4から出力された制御信号は、電気装置の稼働状態(例えば、1つの照明装置のオン/オフ、輝度、色温度などの稼働状態)を制御することができる。前述した内容によれば、本発明は駆動信号の発生回数に基づいた制御信号で電気装置を制御するので、ユーザは装置のペアリングを行わなくても、異なるリモートコントローラで1つの電気装置の稼働状態を制御することができる。また、特殊な復号方式や復調方式を必要とせず、異なるリモートコントローラであっても、任意のボタンを押せば電気装置を操作することができる。
【0020】
図2は、本発明に係る駆動システムの第2実施形態を示す回路模式図である。図2に示すように、本発明に係る駆動システムは、赤外線受信モジュール2と、ジョンソンカウンタ3と、電圧調整ユニット5と、を備える。また、本実施形態では、ジョンソンカウンタ3に電圧調整ユニット5が接続される点で、第1実施形態と異なっている。電圧調整ユニット5は、複数の抵抗器R1〜R4と、加算器51(Summing amplifier)とを有する。抵抗器R1〜R4の一端はそれぞれ出力部Q1、Q2、Q3、Q4に接続されている。抵抗器R1〜R4の他端は前記加算器51に接続されている。出力部Q1、Q2、Q3、Q4からの制御信号は、抵抗器R1〜R4のいずれかと加算器51を経由し、特定の制御電圧として出力されることによって、電気装置を制御する。本実施形態は、照明装置6の駆動を例とする。出力された制御電圧は加算器51によって干渉されにくいという効果がある。また、抵抗器の数は出力部の数に対応する。
【0021】
図3は、本発明に係る駆動システムの第3実施形態を示す回路模式図である。図3に示すように、本発明に係る駆動システムは、赤外線受信モジュール2と、ジョンソンカウンタ3と、複数のダイオード41と、電圧調整ユニット5と、を備える。
【0022】
また、本実施形態では、ジョンソンカウンタ3にダイオード41と電圧調整ユニット5が順に接続されている点で、第1実施形態と異なっている。複数のダイオード41は、それぞれジョンソンカウンタ3の出力部Q1、Q2、Q3、Q4に接続されて、かつそれぞれ抵抗器R1〜R4に接続されている。
【0023】
電圧調整ユニット5は、ダイオード41と接続される複数の抵抗器R1〜R4と、分圧抵抗器R5と、を有する。抵抗器R1〜R4と分圧抵抗器R5は、前記制御信号に基づいて対応する制御電圧を出力する。ダイオード41と接続される抵抗器R1〜R4は、互いに並列に接続されている。また、抵抗器R1〜R4は分圧抵抗器R5の一端と直列に接続されている。分圧抵抗器R5の他端はアースされている。抵抗器R1〜R4はそれぞれ分圧抵抗器R5と組み合わせて異なる制御電圧を生成することができる。
【0024】
入力部Cからジョンソンカウンタ3に駆動信号が入力されると、ジョンソンカウンタ3は駆動信号の発生回数に基づいて対応する出力部Q1、Q2、Q3、Q4に制御信号を出力させる。出力部Q1、Q2、Q3、Q4から出力された制御信号は、対応のダイオード41に送信される。ダイオード41の整流作用によって、制御信号を受けていないダイオード41には逆バイアスで電流が流れていない。また、制御信号を受けたダイオード41は、制御信号をそのまま隣接の抵抗器に転送する。制御信号を受けていないその他のダイオード41には電流が流れていないため、抵抗器に転送される制御信号に干渉しない。また、制御信号を受けた抵抗器と分圧抵抗器で対応の制御電圧を生成し、その制御電圧で電気装置を駆動する。なお、本実施形態は、電気装置として照明装置6を採用する。
【0025】
図4は、本発明に係る駆動システムの第4実施形態を示す回路模式図である。図4に示すように、本発明に係る駆動システムは、赤外線受信モジュール2と、ジョンソンカウンタ3と、複数のスリーステートバッファ42(3―State buffer)と、電圧調整ユニット5と、を備える。また、本実施形態では、ジョンソンカウンタ3と電圧調整ユニット5の間にダイオードに代わって複数のスリーステートバッファ42が設置されている点で、第3実施形態と異なっている。複数のスリーステートバッファ42は、それぞれジョンソンカウンタ3の出力部Q1、Q2、Q3、Q4に接続される。制御信号を受けたスリーステートバッファ42は、干渉を受けていない制御信号を電圧調整ユニット5に転送する。電圧調整ユニット5は、スリーステートバッファ42と接続される複数の抵抗器R1〜R4と、分圧抵抗器R5と、を有する。
【0026】
入力部Cからジョンソンカウンタ3に駆動信号が入力されると、ジョンソンカウンタ3は駆動信号の発生回数に基づいて対応する出力部Q1、Q2、Q3、Q4に制御信号を出力させる。出力部Q1、Q2、Q3、Q4から出力された制御信号は、対応のスリーステートバッファ42に送信される。スリーステートバッファ42の性質によれば、制御信号を受けていないスリーステートバッファ42の出力側はハイ・インピーダンス状態になるため、その出力側と該当のスリーステートバッファ42は切り離されている状態になる。また、制御信号を受けたスリーステートバッファ42は、制御信号をそのまま電圧調整ユニット5に転送する。制御信号を受けていないスリーステートバッファ42は、ハイ・インピーダンス状態になり、切り離されている状態になるため、電圧調整ユニット5に転送される制御信号に干渉しない。さらに、干渉を受けていない制御信号を抵抗器に送信し、抵抗器によって制御電圧を生成し、その制御電圧で電気装置を駆動する。なお、本実施形態は、電気装置として照明装置6を採用する。
【0027】
図5は、第4実施形態の使用例を示す回路模式図である。図5に示すように、照明装置6は駆動ユニット61と少なくとも1つの発光ダイオード62とを備える。駆動ユニット61は、整流回路611とスイッチング電源612とを有する。整流回路611は、交流電源を受けて直流電源に変換する。スイッチング電源612は、一次側613と二次側614を有する。一次側613は、整流回路611に接続され、電圧調整ユニット5と並列に接続されている。
【0028】
本発明に係る駆動システムは無線で制御を行う。図5に示すように、リモートコントローラ7として、赤外線技術のもの、例えば、家電のリモートコントローラを利用して説明する。リモートコントローラ7のボタン71が押されると、リモートコントローラ7から駆動信号が出力される。駆動信号は、リモートコントローラの種類によって異なる送信プロトコルで送信される。また、複数のボタン71は、それぞれ異なる指令コードに対応する。本発明に係る駆動システムは、受信ユニット21で駆動信号を受信し、ローパスフィルタ22でフィルタ処理を行い、処理後の駆動信号S1をジョンソンカウンタ3に転送する。
【0029】
ジョンソンカウンタ3は、入力部Cによって駆動信号S1を受け、駆動信号の発生回数に基づいて、対応する出力部Q1、Q2、Q3、Q4に制御信号を出力させる。例えば、ユーザがボタン71を1回押すと、生成された駆動信号の発生回数(1回)に基づいて、出力部Q1から制御信号が出力される。また、ユーザがボタン71を連続して2回押すと、駆動信号の発生回数(2回)に基づいて、出力部Q2から制御信号が出力される。具体的に、ボタン71が1回押されると、生成された駆動信号の発生回数(1回)に基づいて、出力部Q1から制御信号S2が出力される。制御信号S2は、出力部Q1に対応のダイオード41と、抵抗器R1と、分圧抵抗器R5とに転送される。制御信号S2が処理された後、制御電圧V1として照明装置6の駆動ユニット61に転送される。さらに、スイッチング電源612は、一次側613で制御電圧V1を受け、二次側614で所定のパワーを出力し、発光ダイオード62を駆動する。駆動ユニット61は、制御電圧によって対応するパワーを出力して、発光ダイオード62を駆動することができる。また、パワーによって発光ダイオード62を異なる輝度で発光させることが可能である。
【0030】
例えば、ユーザがボタンを1回押すと、照明装置は最大の輝度で発光する状態になる。また、ユーザがボタンを連続して2回押すと、照明装置は一旦最大の輝度で発光する状態になり、そのあと輝度を20%減らして発光する状態になる。なお、ユーザがボタンを連続して3回押すと、照明装置は一旦最大の輝度で発光する状態になり、そのあと輝度を20%減らして、さらに輝度を20%減らして発光する状態になる。前述した実施形態によれば、ユーザは、装置のペアリングを行わなくても、異なるリモートコントローラで照明装置の稼働状態(オン/オフ、輝度、色温度など)を制御することができる。また、特殊な復号方式や復調方式を必要とせず、異なるリモートコントローラであっても、任意のボタンを押せば照明装置を操作することができる。
【0031】
上記のように、本発明は、赤外線技術を採用して電気装置の遠隔操作を行うが、発信側と受信側とのペアリングや復調回路の設置は必要がないという利点がある。また、本発明は、ジョンソンカウンタのサイクルカウントの機能で、リモートコントローラのボタンが押された回数(駆動信号の発生回数)を計数し、対応する制御信号を出力し、電気装置を所望の稼働状態に制御する。なお、本発明は、電圧調整ユニットによって、制御信号に基づいて所望の制御電圧を出力することができる。そのため、例えば照明装置の輝度をコントロールすることができる。
【0032】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本発明は、前記の実施形態に限定されるものではない。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
2 赤外線受信モジュール
3 ジョンソンカウンタ
5 電圧調整ユニット
6 照明装置
7 リモートコントローラ
21 受信ユニット
22 ローパスフィルタ
41 ダイオード
42 スリーステートバッファ
51 加算器
61 駆動ユニット
62 発光ダイオード
611 整流回路
612 スイッチング電源
613 一次側
614 二次側
71 ボタン
C 入力部
Q1〜Q4 出力部
R1〜R4 抵抗器
R5 分圧抵抗器
S1 駆動信号
S2 制御信号
V1 制御電圧
図1
図2
図3
図4
図5