【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月9日 株式会社ヤマトが株式会社ローソンに販売し、ローソン館林木戸町店に設置、引き渡しを行った。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
不凍液を水で所定の濃度に希釈したブラインを貯留する蓄熱槽と、前記蓄熱槽内のブラインを冷却する貯留ブライン冷却手段と、前記蓄熱槽内のブラインを冷却負荷側に供給する供給配管と、を備え、前記貯留ブライン冷却手段は、CO2冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部で圧縮されたCO2冷媒を熱交換して液化する熱交換部と、前記熱交換部で液化したCO2冷媒を断熱膨張させる膨張部と、前記膨張部で膨張したCO2冷媒との熱交換により前記蓄熱槽内のブラインを冷却する貯留ブライン熱交換部と、を有した蓄熱装置と、
前記供給配管に接続した冷却負荷と、
前記蓄熱槽内のブラインを前記供給配管を介して前記冷却負荷側に圧送するポンプ手段と、
前記冷却負荷で熱交換したブラインを冷却する流下ブライン冷却手段と、
前記流下ブライン冷却手段を構成しCO2冷媒を圧縮する第2の圧縮部と、前記流下ブライン冷却手段を構成し前記第2の圧縮部で圧縮されたCO2冷媒を冷却して液化する第2の熱交換部と、前記流下ブライン冷却手段を構成し前記第2の熱交換部で冷却されたCO2冷媒を断熱膨張させる第2の膨張部と、前記流下ブライン冷却手段を構成し前記第2の膨張部で膨張したCO2冷媒との熱交換により前記冷却負荷で熱交換したブラインを冷却する流下ブライン熱交換部と、
前記流下ブライン熱交換部の下流側に位置し吐出側が前記蓄熱槽側と前記供給配管側とに分岐した3方弁と、を有することを特徴とする冷却システム。
夜間運転時には、3方弁の流路を供給配管側にするとともに、貯留ブライン冷却手段と流下ブライン冷却手段とが冷却動作を行い、前記貯留ブライン冷却手段が蓄熱槽内のブラインを冷却するとともに、前記流下ブライン冷却手段が供給配管内を流下するブラインを冷却し、
昼間運転時には、供給配管内を流下するブラインの温度に応じて3方弁が前記蓄熱槽側へのブラインの還流量と供給配管側へのブラインの還流量を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら従来の冷却システムでは冷媒としてCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)といった特定フロンやHFC(ハイドロフルオロカーボン)といった代替フロンが使用されてきた。しかしながら、現在、特定フロンはオゾン層破壊物質として、また代替フロンは温室効果ガスとして、国際的な規制が行われている。このため、これらフロンに替わる環境負荷(温暖化係数)の小さいCO
2冷媒への代替が求められている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、CO
2冷媒を用いブラインを冷却する蓄熱装
置を用いた冷却システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1)不凍液を水で所定の濃度に希釈したブラインを貯留する蓄熱槽30と、前記蓄熱槽30内のブラインを冷却する貯留ブライン冷却手段32Aと、前記蓄熱槽30内のブラインを冷却負荷50A〜50C側に供給する供給配管40と、を備え、前記貯留ブライン冷却手段32Aは、CO
2冷媒を圧縮する圧縮部20aと、前記圧縮部20aで圧縮されたCO
2冷媒を熱交換して液化する熱交換部21aと、前記熱交換部21aで液化したCO
2冷媒を断熱膨張させる膨張部24aと、前記膨張部24aで膨張したCO
2冷媒との熱交換により前記蓄熱槽30内のブラインを冷却する貯留ブライン熱交換部26と、を有
した蓄熱装置80と、
供給配管40に接続した冷却負荷50A〜50Cと、蓄熱槽30内のブラインを前記供給配管40を介して前記冷却負荷50A〜50C側に圧送するポンプ手段42と、前記冷却負荷50A〜50Cで熱交換したブラインを冷却する流下ブライン冷却手段32Bと、前記流下ブライン冷却手段32Bを構成しCO2冷媒を圧縮する第2の圧縮部20bと、前記流下ブライン冷却手段32Bを構成し前記第2の圧縮部20bで圧縮されたCO2冷媒を冷却して液化する第2の熱交換部21bと、前記流下ブライン冷却手段32Bを構成し前記第2の熱交換部21bで冷却されたCO2冷媒を断熱膨張させる第2の膨張部24bと、前記流下ブライン冷却手段32Bを構成し前記第2の膨張部24bで膨張したCO2冷媒との熱交換により前記冷却負荷50A〜50Cで熱交換したブラインを冷却する流下ブライン熱交換部28と、前記流下ブライン熱交換部28の下流側に位置し吐出側が前記蓄熱槽30側と前記供給配管40側とに分岐した3方弁44と、を有することを特徴とする冷却システム100を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)蓄熱槽30内に気泡を吐出してブラインを攪拌するエア攪拌手段36をさらに有することを特徴とする上記(1)記載の
冷却システム100を提供することにより、上記課題を解決する。
(
3)夜間運転時には、3方弁44の流路を供給配管40側にするとともに、貯留ブライン冷却手段32Aと流下ブライン冷却手段32Bとが冷却動作を行い、前記貯留ブライン冷却手段32Aが蓄熱槽30内のブラインを冷却するとともに、前記流下ブライン冷却手段32Bが供給配管40内を流下するブラインを冷却し、
昼間運転時には、供給配管40内を流下するブラインの温度に応じて3方弁44が前記蓄熱槽30側へのブラインの還流量と供給配管40側へのブラインの還流量を変化させることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載の冷却システム100を提供することにより、上記課題を解決する。
(
4)
冷却負荷50A〜50Cの熱交換器52に対する霜取り運転時には、流下ブライン冷却手段32Bを停止するとともに、3方弁44の流路を供給配管40側とすることを特徴とする
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の冷却システム100を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係
る冷却システムは温暖化係数の小さいCO
2冷媒を用いてブラインの冷却を行い、このブラインを用いて冷却負荷の冷却を行う。これにより、温暖化係数の高い温室効果ガスの使用量を低減することができる。
また、本発明に係る冷却システムは、比較的電力料金が割安で且つ昼間よりも外気温度が低い夜間に貯留ブラインを高効率で冷却し蓄熱を行う。そして、昼間運転ではこの貯留ブラインの冷熱を冷却負荷の冷却に用いる。これにより、日中の電力消費を抑制することができ、エネルギーコストの削減を図ることができる。また、夜間の余剰な電力の有効活用が可能となり、省エネルギー化に貢献することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係
る冷却システム100について図面に基づいて説明する。ここで、
図1は本発明に係
る冷却システム100の夜間運転時の概略構成図である。また、
図2は昼間運転時の概略構成図である。また、
図3は霜取り運転時の概略構成図である。尚、
図1〜
図3中の実線の矢印はCO
2冷媒及びブラインの流下方向を示すものであり、破線の矢印は制御信号の経路を簡略化して示したものである。
【0011】
先ず、本発明に用いるブラインは、エチレングリコールやプロピレングリコール等の周知の不凍液を水で希釈したものであり、所定の温度(例えば−6℃)で水成分の凍結が開始する濃度に調製する。そして本発明に係る
冷却システム100の蓄熱装置80は、このブラインを貯留する蓄熱槽30と、この蓄熱槽30内のブラインを冷却する貯留ブライン冷却手段32Aと、蓄熱槽30内のブラインを冷却負荷50A〜50C側に供給する供給配管40と、を備えている。また、貯留ブライン冷却手段32Aは、CO
2冷媒を圧縮する圧縮部20aと、この圧縮部20aで圧縮されたCO
2冷媒を冷却して液化する熱交換部21aと、この熱交換部21aで液化したCO
2冷媒を断熱膨張させる膨張弁等の周知の膨張部24aと、この膨張部24aにより膨張したCO
2冷媒との熱交換により蓄熱槽30内のブライン(貯留ブライン)を冷却する貯留ブライン熱交換部26と、を有している。また、貯留ブライン冷却手段32Aは、熱交換部21aで液化したCO
2冷媒と、貯留ブラインの冷却で使用したCO
2冷媒との間で熱交換を行う液ガス熱交換部22aを有することが好ましい。尚、圧縮部20a及び熱交換部21aは、CO
2冷媒を用いた周知の冷凍装置の室外機34aを用いることが好ましい。
【0012】
また、貯留ブライン冷却手段32Aは、CO
2冷媒中に混入した水分を除去するための周知のドライヤ10を熱交換部21aと液ガス熱交換部22aとの間に有していても良い。また、CO
2冷媒中に混入した夾雑物を除去する周知のサクションフィルタ12を液ガス熱交換部22aと圧縮部20aとの間に有していても良い。また、貯留ブライン熱交換部26と液ガス熱交換部22aとの間に周知のアキュムレータ14を設けても良い。
【0013】
また、貯留ブライン熱交換部26は蓄熱槽30内に設置され貯留したブラインを所定の設定温度まで冷却するものであり、
図4に示すようにコイル形状の冷却配管25を蓄熱槽30内に複数配列したものを用いても良いし、その他の形状のものを用いても良い。中でも
図5に示すように、所定の間隔で折り返された折返し管路23を並列に接続し、蓄熱槽30の内部を満たすように構成することが特に好ましい。尚、
図4(a)はコイル形状の冷却配管25を用いた貯留ブライン熱交換部26の上面図であり、
図4(b)は正面図である。また、
図5(a)は折返し管路23を用いた貯留ブライン熱交換部26の正面図であり、
図5(b)は側面図である。そして、蓄熱槽30には貯留ブラインの温度を取得する温度センサS2と、貯留ブラインの水位を取得する水位取得手段S1とが設けられている。尚、水位取得手段S1は貯留ブラインの水位を直接取得するものを用いても良いが、圧力センサを用い貯留ブラインの圧力から水位を算出して取得しても良い。
【0014】
尚、蓄熱槽30の貯留ブラインが冷却され凍結温度に達すると、ブライン中の水成分が凍結し、この際の潜熱も蓄熱がされる。また、このとき貯留ブライン冷却手段32A及び後述のエア攪拌手段36の設定を最適化することで、ブライン中の水成分を微細な氷として凍結させ、貯留ブラインを微細な氷と液体の不凍液とが混在したシャーベット状のアイススラリとしても良い。この構成では供給配管40、ポンプ手段42等をアイススラリの圧送に対応可能なものとすることで、貯留ブラインのアイススラリで冷却負荷50A〜50Cを冷却することができる。この場合、貯留ブラインの顕熱に加え、アイススラリが融解するときの潜熱を直接冷却負荷50A〜50Cの冷却に使用できるため、より高い冷却効率を得ることができる。
【0015】
さらに、蓄熱装置80はエア攪拌手段36を有することが好ましい。このエア攪拌手段36は蓄熱槽30内の底面側に設けられ、エアポンプ36aにより送気されるエアを底側から気泡として排出することで貯留ブラインを攪拌する。この構成によれば、貯留ブラインを全体的に冷却することが可能となり、無駄の少ない効率的な蓄熱を行うことができる。また、負荷冷却を行う際にも、蓄熱した冷熱を無駄なく使用することが可能となる。特に貯留ブラインに氷が存在している場合には、その氷の潜熱を速やかに貯留ブライン全体に伝導させ負荷の冷却に効果的に用いることができる。
【0016】
また、本発明に係る冷却システム100は、上記の蓄熱装置80と、この蓄熱装置80の供給配管40に接続した冷却負荷50A〜50Cと、蓄熱槽30内の貯留ブラインを供給配管40を介して冷却負荷50A〜50C側に圧送するポンプ手段42と、冷却負荷50A〜50Cで熱交換したブラインを冷却する流下ブライン冷却手段32Bと、吐出側が蓄熱槽30側と供給配管40側とに分岐した3方弁44と、これらの各部を制御する図示しない制御部と、を有している。
【0017】
また、流下ブライン冷却手段32Bは、貯留ブライン冷却手段32Aと同様に、CO
2冷媒を圧縮する圧縮部20b(第2の圧縮部)と、この圧縮部20bで圧縮されたCO
2冷媒を冷却して液化する熱交換部21b(第2の熱交換部)と、この熱交換部21bで冷却されたCO
2冷媒を断熱膨張させる膨張弁等の周知の膨張部24b(第2の膨張部)と、この膨張部24bで膨張したCO
2冷媒との熱交換により冷却負荷50A〜50Cで熱交換したブラインを冷却するブライン熱交換部28と、を有している。そして、このブライン熱交換部28の下流側に3方弁44が位置する。また、流下ブライン冷却手段32Bは、熱交換部21bで液化したCO
2冷媒と、ブライン熱交換部28での熱交換したCO
2冷媒との間で熱交換を行う液ガス熱交換部22bを有することが好ましい。また、圧縮部20b及び熱交換部21bは、貯留ブライン冷却手段32Aと同様に、CO
2冷媒を用いた周知の冷凍装置の室外機34bを用いることが好ましい。さらに、貯留ブライン冷却手段32Aと同様に、ドライヤ10、サクションフィルタ12等を冷媒経路上に設けることが好ましい。
【0018】
また、冷却負荷50A〜50Cは、例えば冷蔵ショーケース、冷蔵倉庫、その他の冷蔵設備、冷房空調設備等であり、供給配管40からのブラインと庫内(室内)の空気とを熱交換して冷却する熱交換器52をそれぞれ有している。また、各熱交換器52の上流には3方弁54がそれぞれ設けられており、この3方弁54の一方の吐出側がそれぞれの熱交換器52と接続する。また、3方弁54の他方の吐出側には熱交換器52の下流で合流するバイパス管56が接続する。また、各冷却負荷50A〜50Cには庫内の温度を測定して出力する温度センサS4がそれぞれ設けられている。
【0019】
尚、冷却負荷50A〜50Cは単体で構成しても良いが、基本的に複数台接続して用いる。この際、冷却負荷50A〜50Cは直列に接続し、さらに低温での冷蔵が要求される例えば、肉、魚貝類用の冷蔵ショーケースを上流側(冷却負荷50A)に配置し、それよりも若干高い温度での冷蔵が許容される例えば、野菜や飲料用の冷蔵ショーケースや冷房空調設備等(冷却負荷50B、50C)を下流側に順に配置する。この構成では上流側の冷却負荷50Aに低温のブライン(もしくはアイススラリ)が供給され、このブラインとの熱交換により庫内の冷却が行われる。また、この冷却に用いられたブラインは下流側の冷却負荷50B、50Cに順々に供給され、それぞれの熱交換器52において熱交換が行われ庫内(室内)の冷却が行われる。この構成では、低い冷却温度が要求される冷却負荷50Aに最も低温のブラインを供給して庫内の冷却を行い、さほどの冷却温度が要求されない冷却負荷50B、50Cには前段の冷却負荷で使用したブラインを用いて冷却を行う。このように、ブラインの持つ冷熱をカスケード的に無駄なく利用することで、冷却負荷50A〜50Cの効率的な冷却を行うことができる。そして、冷却負荷50A〜50Cの冷却に使用されたブラインは帰還配管46を介して3方弁44側に流下する。
【0020】
また、供給配管40には自身を流下するブラインの温度を取得する温度センサS3が設けられ、昼間運転においては温度センサS3が取得したブラインの温度に応じて3方弁44の吐出側の開口比率が制御される。また、流下ブライン熱交換部28の前後には、冷却負荷50A〜50Cによる熱交換後のブラインの温度を取得する温度センサS5と、流下ブライン熱交換部28による熱交換後のブラインの温度を取得する温度センサS6とが設けられ、この温度センサS5が取得したブラインの温度に応じてポンプ手段42の吐出量が制御される。また、温度センサS6が取得したブラインの温度に応じて流下ブライン冷却手段32Bのオン・オフが制御される。
【0021】
次に、本発明に係
る冷却システム100の夜間運転時の動作を
図1を用いて説明する。尚、冷却システム100の昼間運転と夜間運転、及び霜取り運転の切替は、例えば制御部に設定されたタイマによって行われる。
【0022】
先ず、夜間運転において制御部は3方弁44の流路を供給配管40側とする。これにより、冷却負荷50A〜50C側を流下するブラインの流路と、蓄熱槽30とは分離する。そして、制御部は貯留ブライン冷却手段32Aを動作させる。これにより、圧縮部20aが動作してCO
2冷媒を圧縮し高温高圧状態にして吐出する。次に、この高温高圧のCO
2冷媒は熱交換部21aにおいて外気もしくは水との熱交換により冷却し液化する。次に、このCO
2冷媒はドライヤ10により内部に混入した不要な水分が除去された後、液ガス熱交換部22aにて貯留ブラインの冷却に用いられたCO
2冷媒との間で熱交換が行われ、さらに冷却する。次に、このCO
2冷媒は膨張部24aにて断熱膨張し低温低圧の気液二相冷媒となる。次に、このCO
2冷媒は蓄熱槽30内に設けられた貯留ブライン熱交換部26を流下して蓄熱槽30内の貯留ブラインとの間で熱交換が行われ気化する。そして、この際のCO
2冷媒の吸熱により貯留ブラインの温度が低下する。この貯留ブラインの温度は温度センサS2が取得して制御部に出力する。次に、気化したCO
2冷媒はアキュムレータ14を介して液ガス熱交換部22aに流入し、上流側のCO
2冷媒(液相)との間で熱交換がなされる。次に、CO
2冷媒はサクションフィルタ12にて無用な夾雑物が除去された後、圧縮部20aに吸引され、高温高圧のCO
2冷媒として再度吐出される。
【0023】
また、制御部は温度センサS2を介して取得した貯留ブラインの温度が予め設定された特定の温度範囲になった場合、もしくは、予め設定した時間帯となった場合にエアポンプ36aを動作させる。これにより、エア攪拌手段36から気泡が吐出し貯留ブラインを攪拌する。これにより、貯留ブライン熱交換部26による熱交換が万遍なく行われ、貯留ブラインの温度が全体的に低下する。そして、貯留ブラインの温度が凍結温度に達すると貯留ブライン中の水分が凍結する。この凍結により貯留ブラインの体積は増大し水位が上昇する。この貯留ブラインの水位の変化は水位取得手段S1が取得して制御部に出力する。そして、制御部は貯留ブラインの水位が予め設定された上限水位に達すると貯留ブライン冷却手段32Aを停止する。これにより、貯留ブラインの過剰な凍結(蓄熱)は防止される。また、制御部は温度センサS2を介して取得した貯留ブラインの温度が予め設定された下限温度に達すると貯留ブライン冷却手段32Aを停止する。これにより、蓄熱槽30には所定の温度のブラインが貯留する。尚、制御部は貯留ブラインが上限水位及び下限温度に達しない場合でも、予め設定された時間帯を超えた場合に貯留ブライン冷却手段32Aを停止する。
【0024】
また、これと並行して、制御部は温度センサS5を介して帰還配管46を流下するブラインの温度を取得して、その温度に応じてポンプ手段42を動作させる。尚、ポンプ手段42は周知のインバータ制御により吐出量の調整が可能であり、制御部はブラインの温度が高い場合にはポンプ手段42の吐出量を増大させ、ブラインの温度が低い場合にはポンプ手段42の吐出量を減少させる。
【0025】
また、制御部は温度センサS6を介して流下ブライン熱交換部28の下流側のブラインの温度を取得して、その温度が予め設定された温度を超えた場合に流下ブライン冷却手段32Bを動作させる。これにより、流下ブライン冷却手段32Bの圧縮部20bが動作してCO
2冷媒を圧縮し高温高圧状態にして吐出する。次に、この高温高圧のCO
2冷媒は熱交換部21bにおいて外気もしくは水との熱交換により冷却し液化する。次に、このCO
2冷媒はドライヤ10により内部に混入した不要な水分が除去された後、液ガス熱交換部22bにてブライン熱交換部28の熱交換で使用したCO
2冷媒との間で熱交換が行われ、さらに冷却する。次に、このCO
2冷媒は膨張部24bにて断熱膨張し低温低圧の気液二相冷媒となる。次に、このCO
2冷媒は流下ブライン熱交換部28を流下して帰還配管46を流下するブラインとの間で熱交換が行われ気化する。そして、この際のCO
2冷媒の吸熱によりブラインの温度が低下する。この熱交換後のブラインの温度は温度センサS6が取得して制御部に出力する。次に、気化したCO
2冷媒は液ガス熱交換部22bに流入し、上流側のCO
2冷媒(液相)との間で熱交換がなされる。次に、CO
2冷媒はサクションフィルタ12にて無用な夾雑物が除去された後、圧縮部20bに吸引され、高温高圧のCO
2冷媒として再度吐出される。
【0026】
また、流下ブライン熱交換部28で冷却されたブラインは3方弁44を通して供給配管40に流入し、ポンプ手段42によって冷却負荷50A〜50C側に圧送される。尚、供給配管40を流下するブラインの温度は温度センサS3が取得するが、夜間運転においては温度センサS3に基づく特別な制御は行われない。
【0027】
そして、ポンプ手段42で圧送されたブラインは最上流に位置する冷却負荷50Aの3方弁54に到達する。このとき制御部は、冷却負荷50Aの温度センサS4を介して取得した庫内の温度が予め設定された温度よりも高い場合に、3方弁54の吐出方向を熱交換器52側とする。この場合、ブラインは熱交換器52を流下して庫内の空気との熱交換が行われ、冷却負荷50Aの庫内の温度を低下させる。そして、後段の冷却負荷50B側に流下する。また、冷却負荷50Aの庫内の温度が予め設定された温度よりも低い場合、制御部は冷却負荷50Aの冷却状態は十分であるとして3方弁54の吐出方向をバイパス管56側とする。この場合、ブラインは熱交換器52を通らずにバイパス管56を通って後段の冷却負荷50B側に直接流下する。そして、冷却負荷50B側に流下したブラインは、冷却負荷50Aと全く同様にして熱交換器52もしくはバイパス管56を通って冷却負荷50C側に流下する。また、冷却負荷50C側に流下したブラインは、同様にして熱交換器52もしくはバイパス管56を通って帰還配管46に流下する。そして、流下ブライン熱交換部28にて冷却された後、供給配管40を介して再度冷却負荷50A〜50Cの冷却に給される。また、制御部は温度センサS6を介して取得したブラインの温度が予め設定された温度以下となった場合に流下ブライン冷却手段32Bを停止する。これにより、過度の冷却による流下ブライン熱交換部28内でのブラインの凍結を防止することができる。
【0028】
ここで、夜間では冷却負荷50A〜50Cの負荷量が日中と比較して小さい。そして、流下ブライン冷却手段32Bの各部は、夜間における冷却負荷50A〜50Cの負荷量を補える能力に設計される。
【0029】
次に、本発明に係
る冷却システム100の昼間運転時の動作を
図2を用いて説明する。先ず、昼間運転においては貯留ブライン冷却手段32Aは基本的に停止する。ただし、温度センサS2が取得する貯留ブラインの温度が予め設定されている上限温度を超えた場合には、制御部が貯留ブライン冷却手段32Aを動作させ、夜間運転時と同様に貯留ブラインの冷却を行う。
【0030】
また、制御部は流下ブライン冷却手段32B及び各3方弁54を夜間運転時と同様に制御する。また、制御部は温度センサS3が取得する供給配管40のブラインの温度に応じて3方弁44の供給配管40側と蓄熱槽30側の開度を調整する。即ち、温度センサS3の温度が設定温度と同等もしくは低い場合、制御部は3方弁44の供給配管40側の開口比率を大きく、蓄熱槽30側の開口比率が小さくなるように制御する。これにより、ブラインの供給配管40への還流量が多くなり、蓄熱槽30への還流量が少なくなる。この場合、冷却負荷50A〜50Cの冷却は流下ブライン冷却手段32B側が主体的に行う。
【0031】
また、温度センサS3の温度が設定温度よりも高い場合、即ち冷却負荷50A〜50Cの負荷量が増大し流下ブライン冷却手段32Bの能力を超えた場合、制御部は3方弁44の蓄熱槽30側の開口比率を大きく、供給配管40側の開口比率が小さくなるように制御する。この場合、ブラインの蓄熱槽30への還流量が増大するとともに、供給配管40への還流量が減少する。これにより、蓄熱槽30から低温の貯留ブラインが供給配管40に流入し、冷却負荷50A〜50Cの冷却に給される。また、蓄熱槽30内に吐出されたブラインは貯留ブラインによって冷却される。これにより、流下ブライン冷却手段32Bの負荷は軽減され、日中の電力消費を抑制することが可能となる。
【0032】
次に、本発明に係
る冷却システム100の霜取り運転時の動作を
図3を用いて説明する。尚、霜取り運転は冷却負荷50A〜50Cの熱交換器52に付着した霜を融解して除去するためのものであり、夜間運転、昼間運転を問わず予め設定された間隔で定期的に行われる。
【0033】
冷却システム100における霜取り運転では、制御部は3方弁44の吐出方向を供給配管40側にする。これにより、冷却負荷50A〜50C側を流下するブラインの流路と、蓄熱槽30とは分離する。また、制御部は冷却負荷50A〜50Cの3方弁54の吐出方向を全て熱交換器52側とする。そして、制御部は流下ブライン冷却手段32Bを停止する。これにより、冷却負荷50A〜50Cで熱交換されたブラインは冷却されることなく全ての熱交換器52内を循環する。そして、これを一定時間継続して行うことで熱交換器52に付着した霜は融解し除去される。そして、規定の時間の霜取り運転が終了すると、流下ブライン冷却手段32Bは前述の夜間運転もしくは昼間運転動作に復帰する。尚、貯留ブライン冷却手段32Aは霜取り運転時でも特別な動作は行わず、夜間運転時、昼間運転時の動作をそのまま維持する。
【0034】
以上のように、本発明に係
る冷却システム100は温暖化係数の小さいCO
2冷媒を用いてブラインの冷却を行い、このブラインを用いて冷却負荷50A〜50Cの冷却を行う。これにより、温暖化係数の高い温室効果ガスの使用量を低減することができる。
【0035】
また、本発明に係る冷却システム100は、比較的電力料金が割安で且つ昼間よりも外気温度が低い夜間に貯留ブラインを高効率で冷却し蓄熱を行う。そして、昼間運転ではこの貯留ブラインの冷熱を冷却負荷50A〜50Cの冷却に用いる。これにより、昼間運転における流下ブライン冷却手段32Bの負荷が軽減され、日中の電力消費を抑制することができる。これにより、エネルギーコストの削減を図ることが可能な他、夜間の余剰な電力の有効活用が可能となり、省エネルギー化に貢献することができる。
【0036】
さらに、本発明に係る冷却システム100は、流下ブライン冷却手段32Bを停止して、ブラインの循環により熱交換器52の霜取りを行う。これにより、さらなるエネルギーコストの削減と省エネルギー化を図ることができる。
【0037】
尚、本例で示した蓄熱装置80、蓄熱槽30、冷却システム100の各部の構成、機構、形状、寸法、配管経路、動作等は一例であるから、本例に限定される訳ではなく、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
冷媒を用いてブラインの冷却を行い、このブラインを用いて冷却負荷50A〜50Cの冷却を行う。これにより、温暖化係数の高い温室効果ガスの使用量を低減することができる。また、この冷却システム100は、比較的電力料金が割安で且つ昼間よりも外気温度が低い夜間に貯留ブラインを高効率で冷却し蓄熱を行う。そして、昼間運転ではこの貯留ブラインの冷熱を冷却負荷50A〜50Cの冷却に用いる。これにより、日中の電力消費を抑制することができ、エネルギーコストの削減を図ることが可能な他、夜間の余剰な電力の有効活用が可能となり、省エネルギー化に貢献することができる。