特許第6582188号(P6582188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582188
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】ノイズ対策部材
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   H01F17/06 K
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-147953(P2015-147953)
(22)【出願日】2015年7月27日
(65)【公開番号】特開2017-28204(P2017-28204A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000242231
【氏名又は名称】北川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川合 秀治
【審査官】 久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−015828(JP,A)
【文献】 特開2014−110343(JP,A)
【文献】 特開2015−027205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/06
H01F 27/06
H02G 3/04
B60R 16/02
H03H 7/01
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の磁性体コアと、
前記磁性体コアを収容するケースと
を有し、
前記磁性体コアは、互いに当接させると環状になる一対のコア部品を有し、
前記ケースは、それぞれが一対の前記コア部品のいずれかを収容する一対の収容部と、一対の前記収容部を相互に固定可能な係合機構とを有し、
同一軸線を中心とする複数の環状凸部が軸方向に列設された形状とされた外周面を有するコルゲートチューブを、それぞれが前記コア部品を収容する一対の前記収容部間に挟み込んで、前記係合機構によって一対の前記収容部を相互に固定することにより、一対の前記コア部品によって構成される環状の前記磁性体コアを、前記コルゲートチューブの外周を囲む位置に取り付け可能に構成され、
前記ケースは、前記コルゲートチューブの挿通方向である第一方向の両端のうち、一端に第一開口部、他端に第二開口部を有し、前記第一開口部側には第一規制部が設けられ、前記第二開口部側には第二規制部が設けられ、
前記第一規制部は、前記ケースが前記コルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において前記コルゲートチューブの軸方向に一致する方向の寸法が二つ以上の前記環状凸部の外周に当接可能な寸法とされた当接面を有し、前記当接面で前記環状凸部の外周に当接することにより、前記コルゲートチューブが前記ケースに対して相対的に径方向へ変位するのを規制可能に構成され、
前記第二規制部は、前記ケースが前記コルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において二つの前記環状凸部間にある凹部に入り込むことにより、前記コルゲートチューブが前記ケースに対して相対的に軸方向に変位するのを規制可能に構成され、
前記第一規制部は、前記当接面で前記環状凸部の外周に当接した際に、前記環状凸部間にある凹部へ入り込まないように構成され、
前記第二規制部は、複数の前記環状凸部間にある複数の凹部のうちの1つの凹部に入り込むように構成されており、
前記第一規制部及び前記第二規制部は、前記ケースが前記コルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において、前記ケース外から目視可能な位置に設けられている
ノイズ対策部材。
【請求項2】
請求項に記載のノイズ対策部材であって、
前記第一開口部は、前記コルゲートチューブにおける前記環状凸部が設けられた箇所の外径よりも大径とされ、
前記第一規制部は、前記第一開口部の周囲にある部分から前記ケースの外側へと延出する形状に構成され、
前記当接面は、前記第一開口部と中心及び径が一致する円筒内周面の一部に相当する形状、かつ前記第一開口部の内周面から連続して前記ケースの外側へと延びる形状とされている
ノイズ対策部材。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載のノイズ対策部材であって、
前記第二開口部は、前記コルゲートチューブにおける前記環状凸部が設けられた箇所の外径よりも小径とされ、
前記第二開口部の周囲にある部分の前記第一方向の寸法を、二つの前記環状凸部間にある凹部に入り込む寸法とすることにより、前記第二規制部が構成されている
ノイズ対策部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ対策部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノイズ電流を減衰させるために電線に装着されるノイズ対策部材として、電線が通されるコルゲートチューブに対して装着可能に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
下記特許文献1に記載されたノイズ対策部材の場合、一方の開口(123)を構成する半円形凹部(124A,124B)に、コルゲートチューブ(500)の凹部(510)に嵌まり込む凸脈(125A,125B)が設けられている。このような凸脈が設けられていれば、コルゲートチューブが軸方向へ変位するのを規制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−015828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載されたノイズ対策部材の場合、凸脈が設けられた一方の開口においては、コルゲートチューブの径方向への変位も凸脈によってある程度規制される。すなわち、凸脈がある分だけ一方の開口は他方の開口よりも小径となっているので、コルゲートチューブの径方向への変位は抑制される。
【0006】
これに対し、凸脈が設けられていない他方の開口においては、コルゲートチューブの径方向への変位が凸脈によって規制されることはない。そのため、他方の開口をなす部分とコルゲートチューブの外周にある凹部の位置とが重なった場合には、凸脈がない分だけコルゲートチューブが大きく径方向へ変位することになる。特に、コルゲートチューブの外周にある凹凸の大きさやピッチは様々に変わる得るため、凹部の範囲が大きくなるほど他方の開口をなす部分と凹部の位置が重なる可能性は高くなる。
【0007】
したがって、そのような場合に、コルゲートチューブが大きく径方向へ変位すると、コルゲートチューブがフェライトコア(190)に対して強く押し付けられ、コルゲートチューブの摩耗やフェライトコアの破損を招きやすくなる可能性があった。
【0008】
以上のような事情から、コルゲートチューブと磁性体コアとの間で互いに負荷がかかるのを抑制可能なノイズ対策部材を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に説明するノイズ対策部材は、環状の磁性体コアと、磁性体コアを収容するケースとを有し、磁性体コアは、互いに当接させると環状になる一対のコア部品を有し、ケースは、それぞれが一対のコア部品のいずれかを収容する一対の収容部と、一対の収容部を相互に固定可能な係合機構とを有し、同一軸線を中心とする複数の環状凸部が軸方向に列設された形状とされた外周面を有するコルゲートチューブを、それぞれがコア部品を収容する一対の収容部間に挟み込んで、係合機構によって一対の収容部を相互に固定することにより、一対のコア部品によって構成される環状の磁性体コアを、コルゲートチューブの外周を囲む位置に取り付け可能に構成され、ケースは、コルゲートチューブの挿通方向である第一方向の両端のうち、一端に第一開口部、他端に第二開口部を有し、第一開口部側には第一規制部が設けられ、第二開口部側には第二規制部が設けられ、第一規制部は、ケースがコルゲートチューブの外周に取り付けられた状態においてコルゲートチューブの軸方向に一致する方向の寸法が二つ以上の環状凸部の外周に当接可能な寸法とされた当接面を有し、当接面で環状凸部の外周に当接することにより、コルゲートチューブがケースに対して相対的に径方向へ変位するのを規制可能に構成され、第二規制部は、ケースがコルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において二つの環状凸部間にある凹部に入り込むことにより、コルゲートチューブがケースに対して相対的に軸方向に変位するのを規制可能に構成されている。
【0010】
このように構成されたノイズ対策部材によれば、第一開口部側にある第一規制部は、コルゲートチューブの軸方向に一致する方向の寸法が二つ以上の環状凸部の外周に当接可能な寸法とされた当接面を有する。ケースがコルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において、第一規制部は、上述の当接面で環状凸部の外周に当接し、コルゲートチューブがケースに対して相対的に径方向へ変位するのを規制する。
【0011】
そのため、このような当接面でコルゲートチューブの外周に当接すれば、当接面が二つの環状凸部間にある凹部に入り込むことはなく、コルゲートチューブの径方向への変位を適切に抑制できる。したがって、そのような変位に伴ってコルゲートチューブが磁性体コアに対して強く押し付けられるのを抑制でき、コルゲートチューブの摩耗や磁性体コアの破損を抑制することができる。
【0012】
また、第二開口部側にある第二規制部は、ケースがコルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において二つの環状凸部間にある凹部に入り込む。したがって、このような第二規制部により、コルゲートチューブがケースに対して相対的に軸方向に変位するのを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1(A)はノイズ対策部材の平面図である。図1(B)はノイズ対策部材の左側面図である。図1(C)はノイズ対策部材の正面図である。図1(D)はノイズ対策部材の右側面図である。図1(E)はノイズ対策部材の背面図である。図1(F)はノイズ対策部材の底面図である。
図2図2(A)はノイズ対策部材の斜視図である。図2(B)はノイズ対策部材がコルゲートチューブに取り付けられた状態を示す斜視図である。
図3図3(A)は一方の分割部品の斜視図である。図2(B)は他方の分割部品の斜視図である。
図4図4(A)はノイズ対策部材がコルゲートチューブに取り付けられる前の状態を示す正面図である。図4(B)はノイズ対策部材がコルゲートチューブに取り付けられた後の状態を示す正面図である。
図5図5はノイズ対策部材の断面図である。
図6図6は第一規制部がないノイズ対策部材についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、上述のノイズ対策部材について、例示的な実施形態を挙げて説明する。なお、以下の説明では、図1(A)〜図1(F)に例示するノイズ対策部材1について、図1(A)の平面図に表れる各部が向けられる方向を上、図1(B)の左側面図に表れる各部が向けられる方向を左、図1(C)の正面図に表れる各部が向けられる方向を前、図1(D)の右側面図に表れる各部が向けられる方向を右、図1(E)の背面図に表れる各部が向けられる方向を後、図1(F)の底面図に表れる各部が向けられる方向を下と規定して、これらの各方向を利用してノイズ対策部材1を構成する各部の相対的な位置関係を説明する。また、図2図6においては、これらの各方向を図中に併記する。ただし、実際にノイズ対策部材1を利用するに当たって、ノイズ対策部材1がどのような方向に向けられるかは任意であり、例えば、図中に示す上下方向が重力との関係で鉛直方向とは一致しない状態でノイズ対策部材1が使用されてもかまわない。
【0015】
ノイズ対策部材1は、図2(A)及び図2(B)に示すように、コルゲートチューブ2の外周に装着されて、コルゲートチューブ2の内周側に配設される電線(図示略。)を流れるノイズ電流を減衰させる部材である。ノイズ対策部材1は、環状の磁性体コア3と、磁性体コア3を収容するケース5とを有する。
【0016】
磁性体コア3は、フェライト製で、図3(A)及び図3(B)に示すように、互いに当接させると環状になる一対のコア部品3A,3Aを有する。ケース5は、ポリアミド樹脂製で、それぞれが一対のコア部品3A,3Aのいずれかを収容する一対の収容部7,7と、一対の収容部7,7を相互に固定可能な二組の係合機構9,9とを有する。各係合機構9は、係合部9Aと、係合部9Aが係合する被係合部9Bとを有する。
【0017】
また、ケース5は、コルゲートチューブ2の挿通方向である第一方向(各図中でいう左右方向。)の両端のうち、一端(図中でいう左端。)に第一開口部11を有し(図1(B)参照。)、他端(図中でいう右端。)に第二開口部12を有する(図1(D)参照。)。第一開口部11側には第一規制部21が設けられ、第二開口部12側には第二規制部22が設けられている。
【0018】
ノイズ対策部材1が取り付けられるコルゲートチューブ2は、図4(A)に示すように、同一軸線を中心とする複数の環状凸部2A,2A,…が軸方向に列設された形状とされた外周面を有する。隣り合う位置にある環状凸部2A,2Aの間には、環状凸部2Aよりも小径となる凹部2B,2B…を有する。
【0019】
このようなコルゲートチューブ2に対してノイズ対策部材1を取り付ける際には、コア部品3A,3Aを収容する一対の収容部7,7間にコルゲートチューブ2を挟み込んで、図4(B)に示すように、係合機構9,9によって一対の収容部7,7を相互に固定する。これにより、一対のコア部品3A,3Aによって構成される環状の磁性体コア3を、コルゲートチューブ2の外周を囲む位置に取り付けることができる。
【0020】
第一規制部21は、図5に示すように、ケース5がコルゲートチューブ2の外周に取り付けられた状態において、当接面21Aで環状凸部2Aの外周に当接する。当接面21Aは、コルゲートチューブ2の軸方向に一致する方向の寸法が二つ以上の環状凸部2Aの外周に当接可能な寸法とされている。
【0021】
第一開口部11は、コルゲートチューブ2における環状凸部2Aが設けられた箇所の外径よりも大径とされている。第一規制部21は、第一開口部11の周囲にある部分からケース5の外側へと延出する形状に構成されている。当接面21Aは、第一開口部11と中心及び径が一致する円筒内周面の一部に相当する形状、かつ第一開口部11の内周面から連続してケース5の外側へと延びる形状とされている。このような当接面21Aで環状凸部2Aの外周に当接することにより、第一規制部21は、コルゲートチューブ2がケース5に対して相対的に径方向(図中でいう上下方向。)へ変位するのを規制する。
【0022】
第二開口部12は、コルゲートチューブ2における環状凸部2Aが設けられた箇所の外径よりも小径とされている。この第二開口部12の周囲にある部分の第一方向の寸法を、二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込む寸法とすることにより、第二規制部22が構成されている。ケース5がコルゲートチューブ2の外周に取り付けられた状態においては、第二規制部22が二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込み、これにより、コルゲートチューブ2がケース5に対して相対的に軸方向に変位するのを規制する。
【0023】
[効果]
以上のように構成されたノイズ対策部材1によれば、ケース5がコルゲートチューブ2の外周に取り付けられた状態において、第一規制部21は、上述の当接面21Aで環状凸部2Aの外周に当接し、コルゲートチューブ2がケース5に対して相対的に径方向へ変位するのを規制する。そのため、このような当接面21Aでコルゲートチューブ2の外周に当接すれば、当接面21Aが二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込むことはなく、コルゲートチューブ2の径方向への変位を適切に抑制できる。
【0024】
ちなみに、仮に第一規制部21が設けられていなければ、コルゲートチューブ2の形状によっては、図6に示すように、第一開口部11の周縁にある部分が、コルゲートチューブ2の外周にある凹部2Bに入り込むことがある。この場合、コルゲートチューブ2は、図6中に矢印で示したように、第一規制部21が設けられている場合に比べ、径方向への変位が規制されなくなる。そのため、ケース5内においてコルゲートチューブ2が磁性体コア3に対して押し付けられやすくなり、コルゲートチューブ2の摩耗や磁性体コア3の破損を招きやすくなる。
【0025】
この点、第一規制部21が設けられていれば、コルゲートチューブ2が磁性体コア3に対して押し付けられるのを抑制でき、コルゲートチューブ2の摩耗や磁性体コア3の破損を招く可能性を低減できる。特に、第一開口部11は第二開口部12よりも大径となっていて、第一開口部11がコルゲートチューブ2の径方向への変位を規制する能力は、第二開口部12よりも低いので、第一開口部11側に上記第一規制部21を設けることが、コルゲートチューブ2の余計な変位を抑制する上で効果的である。ただし、第一規制部21相当の構成を第二開口部12側に設けてもよく、あるいは、第一規制部21相当の構成を第一開口部11側と第二開口部12側の両方に設けてもよい。
【0026】
また、第二規制部22は、ケース5がコルゲートチューブ2の外周に取り付けられた状態において、二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込むので、コルゲートチューブ2がケース5に対して相対的に軸方向に変位するのを規制することができる。
【0027】
更に、上記ノイズ対策部材1の場合、第一規制部21及び第二規制部22によってコルゲートチューブ2の変位が適切に規制されているか否かを、ケース5外から目視で確認することができる。したがって、第一規制部21及び第二規制部22相当の機能を有する部分が、ケース5の内部に設けられている場合に比べ、第一規制部21及び第二規制部22が適切に機能しているか否かを容易に確認することができる。
【0028】
また、上記ノイズ対策部材1の場合、第一規制部21に設けられた当接面21Aが、第一開口部11と中心及び径が一致する円筒内周面の一部に相当する形状、かつ第一開口部11の内周面から連続してケース5の外側へと延びる形状とされている。そのため、このような当接面21Aをコルゲートチューブ2の外周に当接させれば、当接面21Aを二つ以上の環状凸部2Aの外周に当接させてコルゲートチューブ2の変位を規制することができる。
【0029】
また、上記ノイズ対策部材1の場合、第二開口部12は、コルゲートチューブ2における環状凸部2Aが設けられた箇所の外径よりも小径とされ、第二開口部12の周囲にある部分の第一方向の寸法が、二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込む寸法とされている。そのため、第二開口部12の周囲にある部分を二つの環状凸部2A間にある凹部2Bに入り込ませることができ、これにより、コルゲートチューブ2の変位を規制することができる。
【0030】
以上、ノイズ対策部材について、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本発明の一態様として例示されるものにすぎない。すなわち、本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
【0031】
例えば、上記実施形態では、2組の係合機構9を設けてあったが、係合機構9相当の構造を何組設けるかは任意である。
また、上記実施形態では、ケース5をポリアミド樹脂製とする例を示したが、他の樹脂材料(例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは各種エンジニアリングプラスチック類など。)でケース5を形成してもよい。
【0032】
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本明細書で説明したノイズ対策部材は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
まず、本明細書で説明したノイズ対策部材において、第一規制部及び第二規制部は、ケースがコルゲートチューブの外周に取り付けられた状態において、ケース外から目視可能な位置に設けられていてもよい。
【0033】
このように構成されたノイズ対策部材によれば、第一規制部及び第二規制部によってコルゲートチューブの変位が適切に規制されているか否かを、ケース外から目視で確認することができる。
【0034】
また、本明細書で説明したノイズ対策部材において、第一開口部は、コルゲートチューブにおける環状凸部が設けられた箇所の外径よりも大径とされ、第一規制部は、第一開口部の周囲にある部分からケースの外側へと延出する形状に構成され、当接面は、第一開口部と中心及び径が一致する円筒内周面の一部に相当する形状、かつ第一開口部の内周面から連続してケースの外側へと延びる形状とされていてもよい。
【0035】
このように構成されたノイズ対策部材によれば、第一規制部に設けられた当接面が、第一開口部と中心及び径が一致する円筒内周面の一部に相当する形状、かつ第一開口部の内周面から連続してケースの外側へと延びる形状とされている。そのため、このような当接面をコルゲートチューブの外周に当接させれば、当接面を二つ以上の環状凸部の外周に当接させてコルゲートチューブの変位を規制することができる。
【0036】
また、本明細書で説明したノイズ対策部材において、第二開口部は、コルゲートチューブにおける環状凸部が設けられた箇所の外径よりも小径とされ、第二開口部の周囲にある部分の第一方向の寸法を、二つの環状凸部間にある凹部に入り込む寸法とすることにより、第二規制部が構成されていてもよい。
【0037】
このように構成されたノイズ対策部材によれば、第二開口部は、コルゲートチューブにおける環状凸部が設けられた箇所の外径よりも小径とされ、第二開口部の周囲にある部分の第一方向の寸法が、二つの環状凸部間にある凹部に入り込む寸法とされている。そのため、第二開口部の周囲にある部分を二つの環状凸部間にある凹部に入り込ませることができ、これにより、コルゲートチューブの変位を規制することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…ノイズ対策部材、2…コルゲートチューブ、2A…環状凸部、2B…凹部、3…磁性体コア、3…磁性体、3A…コア部品、5…ケース、7…収容部、9…係合機構、9A…係合部、9B…被係合部、11…第一開口部、12…第二開口部、21…第一規制部、21A…当接面、22…第二規制部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6