(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
(両替機の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態の両替機10を示す。両替機10は、箱形の筐体102と筐体102にヒンジ106を介して開閉可能に取り付けられた前扉104とを備えている。前扉104の上部には、表示装置108と、5つの操作ボタン110が配置されている。表示装置108には投入金額や両替時の紙幣および硬貨の種類などの各種情報が表示され、操作ボタン110を適宜に操作することにより、両替時の紙幣および硬貨の種類が選択される。前扉104の右側には、紙幣入金口112および紙幣出金口114が配置されている。紙幣入金口112には両替対象紙幣が投入され、紙幣出金口114からは返却紙幣や両替紙幣が払い出される。前扉104のほぼ中央には、硬貨投入口116および硬貨返却レバー118が配置され、その斜め下方には、硬貨払出口120と硬貨払出口120を介して払い出された硬貨を貯留する硬貨受皿122とが配置されている。硬貨投入口116には、500円硬貨または100円硬貨が投入される。返却レバー118が操作されると、硬貨投入口116に投入された硬貨が硬貨払出口120を介して硬貨受皿122へ返却される。操作ボタン110の操作により選択された種類の硬貨は、硬貨払出口120を介して硬貨受皿122に貯留される。前扉104は、前扉104の右下方に位置する主ロック装置124によって施解錠可能である。
【0017】
次に、
図2を参照しながら、両替機10の内部構成について説明する。筐体102は、2つの棚部材126、128によって上段、中段および下段に区画されている。棚部材126で区画された筐体102の上段には、両替機10の全体を制御する制御ユニット130が配置されている。棚部材126および棚部材128で区画された筐体102の中段には、左側に2つの硬貨払出ユニット131、132が配置され、右側に紙幣入出金ユニット136が配置されている。硬貨払出ユニット131の上方には100円硬貨を貯留する硬貨貯留容器138が配置され、硬貨払出ユニット132の上方には500円硬貨を貯留する硬貨貯留容器140が配置されている。硬貨払出ユニット131の下方には硬貨振分シュート133が配置され、硬貨払出ユニット132の下方には硬貨振分シュート134が配置されている。棚部材128で区画された筐体102の下段には、左側に2つの硬貨回収シュート142、144が配置され、右側に電源ユニット150が配置されている。硬貨回収シュート142は硬貨振分シュート133の下方に位置し、硬貨回収シュート144は硬貨振分シュート134の下方に位置している。硬貨回収シュート142の下方には硬貨回収袋146が配置され、硬貨回収シュート144の下方には硬貨回収袋148が配置されている。硬貨回収袋146は硬貨回収シュート142の一対の掛止体145を介して硬貨回収シュート142に吊り下げられ、硬貨回収袋148は硬貨回収シュート144の一対の掛止体145を介して硬貨回収シュート144に吊り下げられている。
【0018】
前扉104の裏面側において、中央部には硬貨選別装置154が配置され、下部には硬貨金庫156、158が配置されている。硬貨金庫156には500円硬貨が収納され、硬貨金庫158には100円硬貨が収納される。硬貨選別装置154の投入口(図示せず)の上方には、硬貨投入口116に投入された硬貨を硬貨選別装置154の投入口へ案内するシュート160が配置されている。硬貨選別装置154の第1正貨口(図示せず)の下方には、硬貨選別装置154で正貨として選別された500円硬貨を硬貨金庫158へ案内するシュート162が配置される。硬貨選別装置154の第2正貨口(図示せず)の下方には、硬貨選別装置154で正貨として選別された100円硬貨を硬貨金庫156へ案内するシュート164が配置されている。
図2におけるシュート162の右側には、硬貨払出ユニット131、132から払い出された硬貨を硬貨振分シュート133、134を介して受け入れて硬貨払出口120へ案内する共通シュート166が配置されている。硬貨選別装置154の返却口(図示せず)と共通シュート166の間にはシュート168が配置されている。
【0019】
次に、
図3および
図4を参照しながら、硬貨貯留容器138、140について説明する。硬貨貯留容器138、140は同じ構成であるため、ここでは硬貨貯留容器138についてのみ説明し、硬貨貯留容器140の説明は省略する。硬貨貯留容器138は、左側板172、右側板174、背面板176および前面部178により構成されている。硬貨貯留容器138は、上下が開口した筒状であって、その内部に硬貨を貯留する貯留空間180を形成している。硬貨貯留容器138が筐体102に配置された状態において、硬貨貯留容器138の上部開口は、その上方に位置する棚部材126によって閉鎖されている。硬貨貯留容器138の下端には開口198が形成されており、当該開口198を介して後述する硬貨払出ユニット132の保留ボウル208に連通している。これにより、硬貨貯留容器138は、保留ボウル208と協働して硬貨を貯留する。
【0020】
前面部178は、その一部が前方へ突出し、上方から下方へ向けて順に配置された第1前面板182、第2前面板184、第3前面板186、第4前面板188により構成されている。第2前面板184および第4前面板188は、左側板172および右側板174に対して固定されている。第1前面板182はヒンジ190を介して第2前面板184に回動可能に取り付けられ、第3前面板186はヒンジ192を介して第4前面板188に回動可能に取り付けられている。第1前面板182の上部には施解錠可能なロック機構194が設けられ、第3前面板186の上部には施解錠可能なロック機構196が設けられている。
図4に示すように、ロック機構194を解錠して第1前面板182を
図4の反時計方向に回動することにより、硬貨を投入するための硬貨補給口200が開放される。この硬貨補給口200を介して硬貨貯留容器138への硬貨の補給が行われる。第3前面板186についても同様に、ロック機構196を解錠して反時計方向に回動することにより、硬貨取出口(図示せず)が開放される。この硬貨取出口は、硬貨貯留容器138に貯留された硬貨を手動で取り出すために使用される。
【0021】
次に、
図5を参照しながら、硬貨払出ユニット131、132について説明する。硬貨払出ユニット131、132は同じ構成であるため、ここでは硬貨払出ユニット131についてのみ説明し、硬貨払出ユニット132の説明を省略する。硬貨払出ユニット131は、上面が傾斜した基台202、基台202上に固定されたベース部材204、ベース部材204に設けられた硬貨送出機構206、ベース部材204に着脱可能に取り付けられた保留ボウル208および基台202の下方に配置された電気モータ210を備えている。基台202は、下向きコの字形に形成され、その左右において鉛直方向に延在する脚部(図示せず)を有している。ベース部材204は平板状であって、前面側に向けて斜め上方に傾斜し、硬貨送出機構206によって移動される硬貨の一面を支持する。保留ボウル208は、略矩形の開口109aが形成された上部209bと、底部に底穴(図示せず)が形成された円筒形の下部209cと、上部209bおよび下部209cの間に形成された傾斜部209dと、を有している。保留ボウル208は、硬貨貯留容器138の下方に位置し、保留ボウル208の開口209aと硬貨貯留容器138の底部に形成された開口198とが対応して配置されることにより、硬貨貯留容器138と保留ボウル208とが連通している。換言すれば、硬貨貯留容器138に貯留された硬貨は保留ボウル208に供給されて貯留される。保留ボウル208に貯留された硬貨は傾斜部209dによって滑落して上部209bから下部209cに達し、下部209cの底穴を介して硬貨送出機構206に供給される。硬貨送出機構206は、電気モータ210により駆動され、保留ボウル208から供給された硬貨を一枚ずつ分離して硬貨出口212を介して放出する。硬貨送出機構206としては、例えば、特公昭63−36040号公報に開示された機構が使用される。硬貨送出機構206により硬貨出口212に送られる硬貨は、図示しない硬貨センサにより検知される。この硬貨センサで硬貨出口212を介して放出される硬貨の枚数をカウントすることができる。硬貨出口212の近傍には、硬貨送出機構206により硬貨出口212から放出される硬貨を斜め前方へ案内する案内部材213が取り付けられている。案内部材213は、後述する硬貨振分シュート133の上部において硬貨通路215に延在している。これにより、硬貨払出ユニット132の硬貨出口212から放出された硬貨は硬貨通路215に導入される。
【0022】
次に、
図5および
図6を参照しながら、硬貨振分シュート133、134について説明する。硬貨振分シュート133、134は同じ構成であるため、ここでは硬貨振分シュート133についてのみ説明し、硬貨振分シュート134の説明は省略する。硬貨振分シュート133は、硬貨払出ユニット131の前方に配置され、硬貨払出ユニット131の基台202に取り付けられている。硬貨振分シュート133は、鉛直方向に延在する断面視矩形の硬貨通路215を形成すると共に、自重により硬貨通路215を通って落下する途上の硬貨を斜め前方および鉛直下方のいずれか一方に選択的に振り分ける。硬貨通路215を形成する通路形成部材216の前面板217には開口218が形成され、開口218には回動板220が配置されている。回動板220は、その下端部近傍において両側端から横方向に突出する一対の支軸(図示せず)を有しており、当該支軸が通路形成部材215に形成された一対の軸孔(図示せず)に挿入されている。これにより、回動板220は支軸を中心に回動可能である。通路形成部材215の右側方には回動板220を回動させる駆動部としてのソレノイド222が配置され、ソレノイド222のプランジャ(図示せず)と回動板220との間にはリンク機構(図示せず)が設けられている。ソレノイド222のプランジャは戻りバネ(図示せず)によりソレノイド222の本体から離れる方向に付勢されている。ソレノイド222が非通電状態の場合、戻りバネの作用により回動板220は前面板217と面一となる回収位置CP(
図5参照)に位置するため、硬貨は硬貨通路215に沿って移動し、硬貨通路215の底部に形成された開口224に達する。ソレノイド222が通電状態の場合、ソレノイド222のプランジャは戻りバネの付勢力に抗してソレノイド222の本体側に引き込まれ、リンク機構を介して回動板220が回動されて回収位置CPから払出位置DPに変位する(
図6参照)。この状態では、回動板220が硬貨通路215の内部に侵入して硬貨通路215を遮るため、硬貨払出ユニット131から導入された硬貨は、回動板220によって斜め前方へ案内され、開口218を介して放出されることになる。
【0023】
次に、
図2および
図7を参照しながら、硬貨回収シュート142、144について説明する。硬貨回収シュート142、144は同じ構成であるため、ここでは硬貨回収シュート142についてのみ説明し、硬貨回収シュート144の説明は省略する。硬貨回収シュート142は、硬貨振分シュート133において回動板220が回収位置CPに位置する状態で、硬貨払出ユニット131が作動された場合に、硬貨振分シュート133の開口224から落下する硬貨を下方に案内して硬貨回収袋146に導入する。硬貨回収シュート142は、内部に硬貨通路226を形成する硬貨通路形成体225を有している。硬貨通路形成体225は、前面板225a、背面板225b、左側板225cおよび右側板225dによって構成されている。前面板225aは、鉛直方向に延在する上部225aa、斜め後方に向けて傾斜した中間部225abおよび鉛直下方に延在する下部225acを有している。中間部225abの上端は上部225aaの下端に接続され、中間部225abの下端は下部225acの上端に接続されており、上部225aa、中間部225abおよび下部225acは一体で形成されている。これにより、硬貨通路形成体225において、上端に相対的に大きい矩形の開口227が形成され、下端に相対的に小さい矩形の開口228が形成される。開口227は硬貨振分シュート133の下端の開口224に対応して配置されるため、開口227を大きくすることにより硬貨振分シュート133の開口224から落下する硬貨を確実に硬貨通路226に導入することができる。硬貨通路形成体225の左側板225cおよび右側板225dには、硬貨回収袋146を吊り下げるための一対の掛止体145がそれぞれ取り付けられている。硬貨回収袋146は、掛止体145を介して着脱可能に取り付けられる。硬貨通路形成体225の左側板225cおよび右側板225dには、略L字形の取り付け部材229がそれぞれ固定されている。硬貨回収シュート142は、取り付け部材229を介して棚部材128に固定されている。
【0024】
次に、
図8を参照しながら、前扉104に取り付けられた硬貨選別装置154について説明する。硬貨選別装置154は、投入口154aに投入された硬貨の真偽および金種を判別し、500円正貨を第1正貨口154bから放出し、100円正貨を第2正貨口154cから放出すると共に、偽貨または500円、100円以外の硬貨を返却口154dから放出する。硬貨選別装置154の投入口154aの上方には、硬貨の受け入れを確実にするための誘導部材155が配置されている。誘導部材155は、横幅が投入口154aと同一であって、前後の長さにおいて上端から下端に向けて小さくなるよう設定された末すぼまりの内寸法を有している。
【0025】
次に、
図8を参照しながら、前扉104に取り付けられた共通シュート166について説明する。共通シュート166は、硬貨振分シュート133の開口218から放出された100円硬貨および硬貨振分シュート134の開口218から放出された500円硬貨を硬貨払出口120に案内すると共に、硬貨選別装置154の返却口から放出された返却硬貨を硬貨払出口120に案内する。共通シュート166は、
図7の右上方に配置された硬貨受入口232と左上方に配置された硬貨受入口234とを有している。前扉104を閉じた状態において、硬貨受入口232は硬貨振分シュート133の開口218に対応して配置され、硬貨受入口234は硬貨振分シュート134の開口218に対応して配置されるように共通シュート166が構成されている。硬貨受入口232の下方には隔壁236および傾斜壁240が形成され、硬貨受入口234の下方には隔壁238および傾斜壁242が形成されている。共通シュート166の底部には、前下がりの斜面244が形成されている。硬貨受入口232に導入された硬貨は、自重により傾斜壁240上に落下し、傾斜壁240を滑落した後、斜面244により硬貨払出口120に向けて移動する。同様に、硬貨受入口234に導入された硬貨は、自重により傾斜壁242上に落下し、傾斜壁242を滑落した後、斜面244により硬貨払出口120に向けて移動する。
【0026】
次に、
図8を参照しながら、前扉104に取り付けられたシュート160、162、164、168について説明する。シュート160、162、164、168は、断面視矩形の硬貨通路(図示せず)を形成して硬貨の自重により所定の位置へ硬貨を移動させる。シュート160は、硬貨投入口116から鉛直下方に向けて延在して誘導部材155に達しており、硬貨投入口116に投入された硬貨を硬貨選別装置154の投入口154aへ案内する。シュート162は、硬貨選別装置154の第1正貨口154bから鉛直下方に向けて延在して硬貨金庫158に達しており、第1正貨口154bから放出される500円硬貨を硬貨金庫158へ案内する。シュート164は、硬貨選別装置154の第2正貨口154cから屈曲しつつ下方に延在して硬貨金庫156に達しており、第2正貨口154cから放出される100円硬貨を硬貨金庫156へ案内する。シュート168は、硬貨選別装置154の返却口154dから鉛直下方に延在して共通シュート166の硬貨受入口234に達しており、返却口154dから放出される偽貨または500円、100円以外の硬貨を硬貨受入口234へ案内する。
【0027】
次に、
図8を参照しながら、硬貨金庫156、158について説明する。硬貨金庫156は、硬貨選別装置154で100円正貨として判別された硬貨を貯留する。硬貨金庫158は、硬貨選別装置154で500円正貨として判別された硬貨を貯留する。硬貨金庫156はロック機構246を有し、硬貨金庫158はロック機構248を有している。硬貨金庫156、158は、前扉104に対して着脱可能に取り付けられている。ロック機構246、248を解錠することにより、硬貨金庫156、158を取り外すことができる。
【0028】
次に、
図9および
図10を参照しながら、紙幣入出金ユニット136について説明する。紙幣入出金ユニット136は、箱形の筐体252と、筐体252の前面板254の上端部に配置された紙幣入金口112と、前面板254において紙幣入金口112の下方に配置された紙幣出金口114とを有している。筐体252の内部には、5千円紙幣および2千円紙幣を収納する第1紙幣収納庫257と、1万円紙幣を収納する第2紙幣収納庫258と、1千円紙幣を収納する第3紙幣収納庫259とが設けられている。前面板254には筐体252の左側板255の開閉を規制するロック機構256が設けられ、ロック機構256を解錠することにより左側板255を開くことができる。第1、第2および第3紙幣収納庫257、258、259における紙幣の取り出しおよび補給は左側板255を開いた状態で行われる。紙幣入金口112に紙幣が投入された場合、図示しない第1紙幣搬送機構によって筐体252の内部に紙幣が取り込まれ、図示しない紙幣識別部により紙幣の真偽および金種が判別される。紙幣識別部により正貨と判別された場合には、図示しない第2紙幣搬送機構によって下方に搬送された後、判別された金種に応じて第1、第2および第3紙幣収納庫257、258、259のいずれかに振り分けられて収納される。紙幣識別部により偽貨と判別された場合には、第1紙幣搬送機構により紙幣が逆方向に搬送され、紙幣入金口112に戻される。第2および第3紙幣収納庫258、259は、リサイクル収納庫として構成され、第2および第3紙幣収納庫258、259に収納された紙幣は図示しない第3紙幣搬送機構によって紙幣出金口114へ向けて搬送され、紙幣出金口114から払い出される。
【0029】
次に、
図11〜
図13を参照しながら、制御ユニット130について説明する。制御ユニット130は、主制御部261、複数のボタンから構成される入力キー262、表示部264、プリンタ266、入出力制御部280、紙幣入出金制御部282、硬貨払出計数制御部284および振分制御部286を含んでいる。入力キー262、表示部264およびプリンタ266は、制御ユニット130の前面板側に配置されている。主制御部261は、両替機10の所定機能を実行するために入出力制御部280、紙幣入出金制御部282、硬貨払出計数制御部284および振分制御部286を制御する。また、主制御部261は、両替機10の設定情報を表示部264へ表示すると共に入力キー262の操作に対応して当該設定情報を変更する。さらに、主制御部261は、両替機10における入出金情報をプリンタ266から出力する。また、制御ユニット130は、硬貨貯留容器138へ硬貨を補給する場合に、入力キー262により当該硬貨の補給枚数が入力され、入力された硬貨補給枚数に対応する金額の紙幣を払い出すよう紙幣入手金制御部282を制御する。
【0030】
入出力制御部280は、主制御部261から出力された表示情報に基づいて表示装置108を制御し、表示装置108に各種情報を表示させる。両替機10の利用者は、表示装置108に表示された情報を視認して操作ボタン110を操作する。入出力制御部280は、操作ボタン110の操作に応じた操作情報を主制御部261へ出力する。
【0031】
紙幣入出金制御部282は、紙幣入出金ユニット136から出力された紙幣入出金信号に基づいて紙幣入金情報および紙幣出金情報を主制御部261へ出力する。主制御部261は、紙幣入金情報および紙幣出金情報に基づいて紙幣入出金ユニット136における各金種の紙幣の入出金に関する情報を記憶する。主制御部261が紙幣の払い出しが必要と判断した場合、主制御部261が紙幣入出金制御部282に紙幣払出指令を出力し、紙幣入出金制御部282が紙幣入出金ユニット136を制御することにより、指定された金種および枚数の紙幣が紙幣入出金ユニット136から払い出される。
【0032】
硬貨払出計数制御部284は、硬貨払出ユニット131、132の作動を制御すると共に、硬貨払出ユニット131、132の硬貨センサによって検知された硬貨検知信号に基づいて硬貨払出ユニット131、132で払い出された硬貨を計数する。主制御部261が硬貨の払い出しが必要と判断した場合、硬貨払出計数制御部284に対して金種および払出枚数を指定する硬貨払出指令を出力する。硬貨払出指令を受けた硬貨払出計数制御部284は、指定された金種に対応する硬貨払出ユニット131または硬貨払出ユニット132を選択して硬貨の払い出しを開始させると共に、硬貨の払出枚数を計数する。払出枚数が指定された枚数に達した時点で、硬貨払出計数制御部284は、硬貨払出ユニット131または硬貨払出ユニット132における硬貨の払い出しを停止させる。主制御部261が硬貨の回収が必要と判断した場合、硬貨払出計数制御部284に対して金種を指定する硬貨回収指令を出力する。硬貨回収指令を受けた硬貨払出計数制御部284は、指定された金種に対応する硬貨払出ユニット131または硬貨払出ユニット132を選択して硬貨の払い出しを開始させると共に、硬貨の払出枚数を計数する。硬貨払出ユニット131または硬貨払出ユニット132において硬貨センサにより所定時間硬貨の検出がなされない場合には、硬貨払出計数制御部284が貯留された全ての硬貨が払い出されたものと判断し、硬貨払出ユニット131または硬貨払出ユニット132における硬貨の払い出しを停止させる。
【0033】
振分制御部286は、硬貨振分シュート133、134におけるソレノイド222の作動を制御して回動板220を払出位置DPおよび回収位置CPのいずれか一方に位置させる。主制御部261が硬貨の払い出しが必要と判断した場合、振分制御部286に対して硬貨の金種および振分位置を指定する振分指令を出力する。振分指令を受けた振分制御部286は、指定された金種に対応する硬貨振分シュート133または硬貨振分シュート134におけるソレノイド222を通電状態として回動板220を回収位置CPから払出位置DPに移動させる。主制御部261が硬貨の払い出しが完了したと判断した場合、振分制御部286に対して硬貨払出完了指令を出力する。硬貨払出完了指令を受けた振分制御部286は、硬貨振分シュート133または硬貨振分シュート134におけるソレノイド222を非通電状態として回動板220を払出位置DPから回収位置CPに移動させる。
【0034】
硬貨入金計数部288は、硬貨選別装置154から出力される硬貨検出信号に基づいて、硬貨選別装置154で正貨と判別された硬貨を金種別に計数し、計数された金種別の枚数を示す情報を主制御部261に出力する。
【0035】
入力キー262は、両替機10の管理者により操作され、主制御部261の入力装置として機能する。入力キー262により主制御部261に対して設定情報の出力が指定された場合、主制御部261は表示部264に主制御部261に記憶された設定情報を表示する。入力キー262により主制御部261に対して設定情報の変更が指定された場合、主制御部261は主制御部261に記憶された設定情報を更新する。入力キー262により主制御部261に対して入出金情報の出力が指定された場合、主制御部261は主制御部261に記憶された入出金情報をプリンタ266に出力し、プリンタ266により入出金情報が印刷される。入出金情報とは、紙幣入出金ユニット136の金種別の紙幣受け入れ枚数および紙幣払い出し枚数、硬貨選別装置154における金種別の硬貨受け入れ枚数、硬貨払出ユニット131、132における金種別の硬貨払い出し枚数、硬貨回収袋146、148における金種別の硬貨回収枚数、紙幣入出金ユニット136および硬貨選別装置154の受け入れ合計金額などである。
【0036】
入力キー262により主制御部261に対して硬貨の補給が指定された場合、主制御部261は硬貨の補給枚数を入力する促す情報を表示部264に表示する。管理者は入力キー262を操作して硬貨補給枚数を入力し、入力された硬貨補給枚数が主制御部261に記憶される。主制御部261は、記憶された硬貨補給枚数に対応する金額の紙幣払出指令を紙幣入出金制御部282に出力し、紙幣入出金制御部282が紙幣入出金ユニット136を制御することにより、硬貨補給枚数に対応する金額の紙幣が紙幣入出金ユニット136の紙幣出金口114から払い出される。
【0037】
(両替機の動作)
次に、両替機10の動作について説明する。まず、
図13および
図14を参照しながら、両替機10において通常行われる両替動作および逆両替動作について説明する。
【0038】
ステップS1では、入金が検知されたか否かが判断される。すなわち、紙幣の投入により紙幣入出金ユニット136が正貨と判別した場合には、紙幣入出金ユニット136が紙幣入金信号を紙幣入出金制御部282へ出力し、紙幣入出金制御部282が投入された紙幣の金種を示す情報を主制御部261へ出力する。他方、硬貨の投入により硬貨選別装置154が正貨と判別した場合には、硬貨選別装置154が硬貨検知信号を硬貨入金計数部288へ出力し、硬貨入金計数部288が投入された硬貨の金種および枚数を示す情報を主制御部261へ出力する。主制御部261は、紙幣入出金制御部282または硬貨入金計数部288からの情報を受けて入金があったことを検知する。ステップS1において、入金を検知した場合には、次のステップS2に進み、入金を検知しない場合にはステップS1を繰り返し実行する。換言すれば、ステップS1は、入金を検知するまでは待機状態となる。
【0039】
次のステップS2では、紙幣の入金であるか否かが判断される。すなわち、紙幣入出金制御部282が投入された紙幣の金種を示す情報を主制御部261へ出力した場合には、紙幣の入金があったと判断して次のステップS3に進む。この場合には、紙幣の両替であると主制御部261が判断する。硬貨入金計数部288が投入された硬貨の金種および枚数を示す情報を主制御部261へ出力した場合には、ステップS2において紙幣の入金ではないと判断してステップS12に進む。
【0040】
ステップS3では、主制御部261が入出力制御部280に表示情報を出力し、入出力制御部280が投入された紙幣の金種に応じた両替金種および枚数を表示装置108に表示する。例えば、金種が1千円紙幣である場合、500円硬貨1枚と100円硬貨5枚の両替とするか、100円硬貨10枚の両替とするかを表示装置108に表示する。紙幣が1万円である場合、1千円紙幣9枚と100円硬貨10枚の両替とするか、1千円紙幣9枚と500円硬貨1枚と100円硬貨5枚の両替とするか、1千円紙幣10枚の両替とするかを表示装置108に表示する。紙幣が2千円または5千円である場合にも適宜の表示がなされる。
【0041】
次のステップS4では、入出力制御部280が操作ボタン110の操作に応じた操作情報を主制御部261へ出力し、主制御部261において操作ボタン110が操作されたか否かが判断される。操作ボタン110が操作された場合には次のステップS5に進み、操作ボタン110が操作されない場合にはステップS4が繰り返し実行される。換言すれば、操作ボタン110の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0042】
次のステップS5では、主制御部261が操作ボタン110の操作に対応して両替金種および枚数を決定する。例えば、投入された紙幣が1万円であり、1千円紙幣9枚と100円硬貨10枚の両替であると決定する。その後、ステップS6に進む。
【0043】
次のステップS6では、ステップS5で決定された両替における紙幣の払い出しの有無が主制御部261により判断される。紙幣の払い出しが有ると判断された場合、次のステップS7に進む。紙幣の払い出しが無いと判断された場合、ステップS8に進む。
【0044】
次のステップS7では、ステップS5で決定された両替金種および枚数に基づいて主制御部261が紙幣出金情報を紙幣入出金制御部282へ出力し、紙幣入出金制御部282が紙幣入出金ユニット136を作動させて決定された金種および枚数の紙幣を払い出す。その後、ステップS8に進む。
【0045】
次のステップS8では、ステップS5で決定された両替における500円硬貨の払い出しの有無が主制御部261により判断される。500円硬貨の払い出しが有ると判断された場合には次のステップS9に進み、500円硬貨の払い出しが無いと判断された場合にはステップS10に進む。
【0046】
次のステップS9では、主制御部261が硬貨払出計数制御部284へ500円硬貨の払出しを指示する硬貨払出指令を出力すると共に、振分制御部286へ500円硬貨に対応する硬貨振分シュート134の振分位置を指定する振分指令を出力する。硬貨払出指令を受けた硬貨払出計数制御部284は硬貨払出ユニット132(すなわち、500円硬貨払出ユニット)を作動させ、硬貨払出ユニット132から500円硬貨が払い出される。振分指令を受けた振分制御部286は、硬貨振分シュート134の回動板220を回収位置CPから払出位置DPに移動させる。これにより、硬貨振分シュート134の開口218から500円硬貨が払い出され、共通シュート166および硬貨払出口120を介して硬貨受皿122に貯留される。硬貨払出ユニット132の硬貨センサにより500円硬貨の払い出しが検知されると、硬貨払出計数制御部284は払い出し枚数が指定された枚数に達したと判断し、硬貨払出ユニット132における500円硬貨の払い出しを停止すると共に、主制御部261へ500円硬貨の払い出しを完了した情報を出力する。これに伴って、主制御部261は振分制御部286に対して硬貨払出完了指令を出力する。硬貨払出完了指令を受けた振分制御部286は、硬貨振分シュート134の回動板220を払出位置DPから回収位置CPに移動させる。
【0047】
次のステップS10では、ステップS5で決定された両替金種に100円硬貨があるか否かを主制御部261が判断する。100円硬貨の払い出しが有ると判断された場合、次のステップS11に進む。100円硬貨の払い出しが無いと判断された場合、ステップS1へ戻る。
【0048】
次のステップS11では、主制御部261が硬貨払出計数制御部284へ100円硬貨の払出しを指示する硬貨払出指令を出力すると共に、振分制御部286へ100円硬貨に対応する硬貨振分シュート133の振分位置を指定する振分指令を出力する。硬貨払出指令を受けた硬貨払出計数制御部284は硬貨払出ユニット131(すなわち、100円硬貨払出ユニット)を作動させ、硬貨払出ユニット131から100円硬貨が払い出される。振分指令を受けた振分制御部286は、硬貨振分シュート133の回動板220を回収位置CPから払出位置DPに移動させる。これにより、硬貨振分シュート133の開口218から100円硬貨が払い出され、共通シュート166および硬貨払出口120を介して硬貨受皿122に貯留される。硬貨払出ユニット132の硬貨センサにより100円硬貨の払い出しが検知されると、硬貨払出計数制御部284は払い出し枚数を計数し、計数値が指定された枚数に達した場合に硬貨払出ユニット131における100円硬貨の払い出しを停止すると共に、主制御部261へ100円硬貨の払い出しを完了した情報を出力する。これに伴って、主制御部261は振分制御部286に対して硬貨払出完了指令を出力する。硬貨払出完了指令を受けた振分制御部286は、硬貨振分シュート133の回動板220を払出位置DPから回収位置CPに移動させる。
【0049】
次に、ステップS2において紙幣の入金が無いと判断された場合に実行されるステップS12について説明する。ステップS12では、500円硬貨の入金であるか否かが判断される。すなわち、硬貨選別装置154から出力される硬貨検知信号に基づいて硬貨入金計数部288で計数された硬貨の金種が500円硬貨であるか否かが主制御部261で判断される。500円硬貨の入金であると判断された場合、主制御部261が100円硬貨への両替であると判断し、次のステップS13へ進む。主制御部261により500円硬貨の入金でないと判断された場合、100円硬貨の入金であると判断し、
図15のステップS15へ進む。
【0050】
ステップS13では、ステップS11と同様に硬貨払出ユニット131(すなわち、100円硬貨払出ユニット)および硬貨振分シュート133が作動されて、5枚の100円硬貨が払い出されて硬貨受皿122に貯留される。
【0051】
図15のステップS15〜S20では、100円硬貨が入金された場合の逆両替(すなわち、100円硬貨から500円硬貨または1000円紙幣への両替)の動作を示す。まず、ステップS15では、100円硬貨の入金枚数に対応した金額と等価となる逆両替の金種および枚数が表示装置108に表示される。すなわち、硬貨投入口116に投入された100円硬貨の真偽が硬貨選別装置154で判別され、判別結果が正貨の場合に硬貨選別装置154が硬貨検知信号を硬貨入金計数部288へ出力する。硬貨入金計数部288は、入力された硬貨検知信号を計数し、100円硬貨の入金枚数を示す硬貨入金情報を主制御部261へ出力する。主制御部261は、硬貨入金情報から逆両替可能な金種および枚数を決定し、入出力制御部280へ表示情報を出力する。表示情報を受けた入出力制御部280は、逆両替金種および枚数を表示装置108に表示する。例えば、100円硬貨が5枚投入された場合には500円硬貨1枚への逆両替が表示され、100円硬貨10枚が投入された場合には1千円紙幣1枚への逆両替が表示される。
【0052】
次のステップS16では、
図14のステップS4と同様に操作ボタン110が操作されたか否かが判断される。操作ボタン110が操作された場合には次のステップS17に進み、操作ボタン110が操作されない場合にはステップS16が繰り返し実行される。換言すれば、操作ボタン110の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0053】
次のステップS17では、主制御部261が操作ボタン110の操作に対応して逆両替金種および枚数を決定する。その後、ステップS18に進む。
【0054】
次のステップS18では、ステップS17で決定された逆両替における500円硬貨の払い出しの有無が主制御部261により判断される。500円硬貨の払い出しが有ると判断された場合、次のステップS19に進む。500円硬貨の払い出しが無いと判断された場合、ステップS20に進む。
【0055】
次のステップS19では、
図14のステップS9と同様に硬貨払出ユニット132(すなわち、500円硬貨払出ユニット)が作動されて500円硬貨が払い出され、硬貨受皿122に貯留される。この場合にも、硬貨振分シュート134の回動板220は回収位置CPから払出位置DPに移動され、500円硬貨の払い出しが完了すると回動板220は払出位置DPから回収位置CPに移動される。
【0056】
次のステップS20では、ステップS17で決定された逆両替における紙幣の払い出しの有無が判断される。紙幣の払い出しが有ると判断された場合、次のステップS21に進む。紙幣の払い出しが無いと判断された場合、
図14のステップS1に戻る。
【0057】
次のステップS21では、
図14のステップS7と同様に紙幣入出金ユニット136が作動され、1千円紙幣が紙幣出金口114から払い出される。その後、
図14のステップS1に戻る。
【0058】
次に、
図16および
図17を参照しながら、両替機10の入出金情報の出力および硬貨の補給動作について説明する。まず、
図15のステップS31において、主制御部261が表示部264に選択可能な操作項目を表示する。
【0059】
次のステップS32では、入力キー262の操作に応じた操作情報が主制御部261に入力され、主制御部261において入力キー262が操作されたか否かが判断される。入力キー262が操作された場合には次のステップS33に進み、入力キー262が操作されない場合にはステップS32が繰り返し実行される。換言すれば、入力キー262の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0060】
次のステップS33では、入力キー262の操作に応じて選択された操作項目が入出金情報の印刷であるか否かが主制御部261により判断される。すなわち、ステップS32において所定のボタンが押下された場合に入出金情報の印刷であると判断される。入出金情報の印刷であると判断された場合、ステップS34に進み、主制御部261から出力される入出金情報がプリンタ266により印刷される。入出金情報の印刷でないと判断された場合、ステップS34に進む。
【0061】
入出金情報としては、例えば、両替機10における1日の硬貨および紙幣の払い出し枚数、受け入れ枚数、受け入れ合計金額などがレシートに印刷される。両替機10の管理者は、これらの情報に基づいて両替機10を管理することができる。
【0062】
次のステップS35では、ステップS33における入力キー262の操作で選択された操作項目が硬貨の補給であるか否かが主制御部261により判断される。硬貨の補給であると判断された場合、ステップS36に進む。硬貨の補給ではないと判断された場合、ステップS31に戻る。
【0063】
次のステップS36では、主制御部261が補給硬貨の金種の選択を促す情報を表示部264に表示する。すなわち、表示部264には100円硬貨の補給か500円硬貨の補給かを選択する情報が表示される。
【0064】
次のステップS37では、入力キー262の操作に応じた操作情報が主制御部261に入力され、主制御部261において入力キー262が操作されたか否かが判断される。入力キー262が操作された場合には次のステップS38に進み、入力キー262が操作されない場合にはステップS37が繰り返し実行される。換言すれば、入力キー262の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0065】
次のステップS38では、ステップS37での入力キー262の操作に応じて主制御部261が補給硬貨の金種を決定する。
【0066】
次のステップS39では、ステップS38で決定された金種の硬貨の補給枚数の入力を促す情報を表示部264に表示する。例えば、ステップS38で決定された金種が100円硬貨の場合、表示部264には100円硬貨の補給枚数の入力を求める情報が表示される。
【0067】
次のステップS40では、入力キー262の操作に応じた操作情報が主制御部261に入力され、主制御部261において入力キー262が操作されたか否かが判断される。入力キー262が操作された場合には次のステップS41に進み、入力キー262が操作されない場合にはステップS40が繰り返し実行される。換言すれば、入力キー262の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0068】
次のステップS41では、主制御部261が、ステップS40での入力キー262の操作に応じて硬貨の補給枚数を決定すると共に、補給硬貨の金種および枚数から算出される金額に相当する紙幣の金種および枚数を決定する。換言すれば、補給硬貨を紙幣に等価交換した場合の紙幣の金種および枚数を決定する。
【0069】
次のステップS42では、ステップS38で決定された金種とステップS41で決定された補給枚数の硬貨の投入を指示する情報を主制御部261が表示部264に表示する。例えば、表示部264には、100円硬貨を2000枚投入するよう表示される。この場合、管理者は、100円硬貨を貯留する硬貨貯留容器138の第1前面板182を回動させ、硬貨補給口200を開放し、予め準備された2000枚の100円硬貨を硬貨供給口200を介して硬貨貯留容器138に投入する。これにより、100円硬貨の補給がなされる。500円硬貨の場合には、100円硬貨の場合と同様に、硬貨貯留容器140に500円硬貨を投入することにより、500円硬貨の補給がなされる。
【0070】
次のステップS43では、入力キー262の操作に応じた操作情報が主制御部261に入力され、主制御部261において入力キー262が操作されたか否かが判断される。入力キー262が操作された場合には次のステップS44に進み、入力キー262が操作されない場合にはステップS43が繰り返し実行される。換言すれば、入力キー262の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0071】
次のステップS44では、ステップS43における入力キー263の操作に対応して硬貨の補給が完了したことが確認され、紙幣入出金ユニット136から等価交換紙幣が払い出される。すなわち、ステップS41で決定された等価交換紙幣の金種および枚数に基づき、主制御部261が紙幣入出金制御部282に対して紙幣払出指令を出力し、紙幣入出金制御部282が紙幣入出金ユニット136を制御して、紙幣入出金ユニット136から紙幣が払い出される。例えば、100円硬貨を2000枚補給した場合、1万円紙幣20枚が払い出される。
【0072】
次のステップS45では、入力キー262の操作に応じた操作情報が主制御部261に入力され、主制御部261において入力キー262が操作されたか否かが判断される。入力キー262が操作された場合には次のステップS46に進み、入力キー262が操作されない場合にはステップS45が繰り返し実行される。換言すれば、入力キー262の操作がなされるまでは待機状態となる。
【0073】
次のステップS46では、ステップS45における入力キー263の操作に対応して主制御部261により硬貨の補給が完了したか否かが判断される。補給が完了したと判断された場合、
図16のステップS31に戻る。補給が完了していない場合、
図16のステップS36に戻る。
【0074】
(ゲーム場の運営システム)
次に、
図18を参照しながら、ゲーム場における両替機10の使用方法について説明する。
図18は、両替機10が使用されるゲーム場運営システム1を示す。ゲーム場運営システム1は、両替機10と、複数のゲーム機20A〜20Eと、集金装置30とにより構成される。各ゲーム機20A〜20Eは、ゲーム場の利用者が所定金額の硬貨を各ゲーム機20A〜20Eの硬貨投入口21に投入することにより、プレイが可能となる。硬貨投入口21に投入された硬貨は、各ゲーム機20A〜20Eの内部に設けられた金庫(図示せず)に貯留される。
【0075】
ゲーム場の営業終了後、ゲーム場の管理者により、各ゲーム機20A〜20Eの金庫に貯留された硬貨が回収される。硬貨の回収は、集金装置30を用いて行われる。集金装置30は、ゲーム機20A〜20Eから回収された硬貨の枚数を金種別に計数する機能を有している。回収された硬貨は、集金装置30の内部に設けられた貯留部(図示せず)に貯留される。
【0076】
ゲーム場の管理者は、営業終了後に両替機10の入力キー262を操作して、両替機10の入出金情報を印刷する。管理者は、印刷された入出金情報から両替機10における硬貨の払い出し枚数を確認し、確認された払い出し枚数から硬貨の補給枚数を判断する。例えば、100円硬貨の払い出し枚数が2000枚の場合、2000枚の100円硬貨を補給すると判断する。管理者は、集金装置30の貯留部に貯留された100円硬貨を集金装置30で計数して2000枚の100円硬貨を準備する。このとき、管理者は、集金装置30の操作キー31を操作して、2000枚の100円硬貨の引き出し情報を集金装置30に入力する。その後、管理者は、両替機10の入力キー262を操作して、2000枚の100円硬貨を補給する作業を行い、両替機10の紙幣出金口114から払い出された20万円の等価交換紙幣を回収する。管理者は、回収された等価交換紙幣の金種および枚数に関する情報(1万円紙幣、20枚)を操作キー31を介して集金装置30に入力する。こうして、ゲーム機20A〜20Eからの硬貨の回収作業と、両替機10における硬貨の補給作業が完了する。
【0077】
上述した通り、本発明の一実施形態の両替機10では、両替硬貨の補給は、硬貨貯留容器138、140の硬貨供給口200に複数のゲーム機20A〜20Eから回収された硬貨を投入することによりなされる。その際に、補給する両替硬貨の枚数が入力キー262で入力される。そして、制御ユニット130が入力された硬貨補給情報に基づいて補給される硬貨と同額の両替紙幣の払い出しを紙幣入出金ユニット136に対して指定し、紙幣入出金ユニット136が指定された金額の両替紙幣を紙幣出金口114から払い出す。
【0078】
したがって、ゲーム機20A〜20Eからの回収硬貨を硬貨の補給に用いることにより、硬貨の回収作業が改善され、利便性を高めることができる。また、ゲーム機20A〜20Eから回収された硬貨はゲーム機20A〜20Eにおける売上金に相当するため、硬貨による売上金を紙幣に等価交換することができる。そのため、売上金に占める硬貨の割合が減少し、売上金の管理が容易になる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では補給する硬貨の枚数を入力しているが、硬貨の枚数の代わりに硬貨の金額を入力してもよい。また、補給する硬貨の枚数を入力キー262で手入力する代わりに、集金装置30との間で通信可能な通信手段を用い、集金装置30で計数された硬貨の枚数を集金装置30から受信して入力することもできる。換言すれば、通信手段を入力装置として用いてもよい。