特許第6582337号(P6582337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6582337法律文書データ修正方法、法律文書データ修正システム及び法律文書データ修正プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6582337
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】法律文書データ修正方法、法律文書データ修正システム及び法律文書データ修正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20190919BHJP
【FI】
   G06Q50/18
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-212613(P2018-212613)
(22)【出願日】2018年11月13日
【審査請求日】2019年3月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517299951
【氏名又は名称】GVA TECH株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000350
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人GVA法律事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−101539(JP,A)
【文献】 特開2012−208547(JP,A)
【文献】 特開2017−138746(JP,A)
【文献】 特開2014−115858(JP,A)
【文献】 特開2006−065421(JP,A)
【文献】 特開2012−173824(JP,A)
【文献】 特許第5383942(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0232630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を文字情報、色情報その他の視覚情報にて記録するレビュー結果記録ステップと、
レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果を出力するレビュー結果出力ステップと、
レビュー結果出力ステップにて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受け付ける対応情報入力受付ステップと、
対応情報入力受付ステップにて対応情報を受け付けると、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する修正ステップと、
を有する法律文書データの修正方法であって、
修正ステップは、
レビュー結果記録ステップにて記録されたレビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツである修正候補コンテンツを一又は複数出力し、選択を受け付ける修正候補コンテンツ入力受付サブステップと、
受け付けた修正候補コンテンツを用いて法律文書データを所定単位ごとに修正するコンテンツ利用修正サブステップと、
を有する法律文書データの修正方法。
【請求項2】
複数の表記方法の類否関係を規律する言語ルールである類否関係判定ルールを保持し、
修正ステップは、類否関係判定ルールを用いて法律文書データを修正する類否判定修正サブステップをさらに有する請求項に記載の法律文書データの修正方法。
【請求項3】
対応情報入力受付ステップにて受け付けた対応情報の内容が修正を必要としない内容であった場合に、修正ステップでは当該対応情報に対応する法律文書データのうちの所定単位部分の修正を行わない請求項1又は2に記載の法律文書データの修正方法。
【請求項4】
修正ステップは、
一又は複数の質問コンテンツを出力する質問出力サブステップと、
外部端末より質問出力サブステップにて出力された質問コンテンツに対する回答の入力を受け付ける回答受付サブステップと、
受け付けた回答に応じて法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する回答依存修正サブステップと、
からなる請求項1から3のいずれか一に記載の法律文書データの修正方法。
【請求項5】
法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を文字情報、色情報その他の視覚情報にて記録するレビュー結果記録部と、
所定単位の文章を利用者の立場と紐づけてレコメンド文章として保持するレコメンド文章保持部と、
レビュー結果記録部にて記録された法律文書データのレビュー結果を出力するレビュー結果出力部と、
レビュー結果出力部にて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受け付ける対応情報入力受付部と、
対応情報入力受付部にて対応情報を受け付けると、レビュー結果記録部にて記録された法律文書のレビュー結果又は当該法律文書データをレコメンド文章保持部にて保持するレコメンド文章を用いて所定単位ごとに修正する修正部と、
を有する法律文書データ修正システムであって、
修正部は、
レビュー結果記録部にて記録されたレビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツである修正候補コンテンツを一又は複数出力し、選択を受け付ける修正候補コンテンツ入力受付手段と、
受け付けた修正候補コンテンツを用いて法律文書データを所定単位ごとに修正するコンテンツ利用修正手段と、
を有する法律文書データ修正システム。
【請求項6】
法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を文字情報、色情報その他の視覚情報にて記録するレビュー結果記録ステップと、
レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果を出力するレビュー結果出力ステップと、
レビュー結果出力ステップにて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受け付ける対応情報入力受付ステップと、
対応情報入力受付ステップにて対応情報を受け付けると、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する修正ステップと、
をコンピュータにて実行可能とするための法律文書データ修正プログラムであって、
修正ステップは、
レビュー結果記録ステップにて記録されたレビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツである修正候補コンテンツを一又は複数出力し、選択を受け付ける修正候補コンテンツ入力受付サブステップと、
受け付けた修正候補コンテンツを用いて法律文書データを所定単位ごとに修正するコンテンツ利用修正サブステップと、
を有する法律文書データの修正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法律文書データの内容を修正する方法、システム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
契約書をはじめとする法律文書は、その内容が自身にとって法的観点から有利か不利かの判断に専門知識を要するため、一般消費者や企業の新入社員などがその判断を行うためには、前提となる知識を集積しておく必要がある。
【0003】
また、士業者や企業の法務担当者のように専門知識をもつ人々は、業務等で日頃から多くの法律文書を確認することがあるところ、それらの法律文書のなかには定型的な規定が多く含まれており、一般的な努力義務規定のように本来は確認の必要がないにもかかわらず、確認の要否判断のためには法律文書をいったん閲読しなければならず、業務が極めて煩雑になっていた。
【0004】
このような課題感のもと、法律文書のリスク判断を機械的処理によって行うことが求められ、かかる要請に応える技術が従来から知られてきた。具体的にみると、特許文献1には、契約書に含まれる単語を注意を要する語である注意目的語、注意述語などと位置付け、これらの語の組み合わせに応じて、当該語によって構成される文章の危険度を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−208547
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術はあくまで、契約書の個々の条項など法律文書を構成する文章の危険度を判定するに過ぎない。そのため当該技術を適用しても、法務担当者等にとっては数多くの法律文書をチェックする処理の順番を整理できるようになるだけで、その作業コストを効率化する効果が得られるとは言い難かった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決すべく、本発明は、法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を記録するレビュー結果記録ステップと、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果を出力するレビュー結果出力ステップと、 レビュー結果出力ステップにて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受け付ける対応情報入力受付ステップと、対応情報入力受付ステップにて対応情報を受け付けると、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する修正ステップと、を有する法律文書データの修正方法などを提案する。
【0008】
また、同様の構成に基づくシステム及びプログラムなどを提案する。
【発明の効果】
【0009】
主に以上のような構成をとる本発明によって、法律文書に含まれた課題感を把握するだけでなく、その課題感克服のための具体的な対策まで講じることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の法律文書データ修正システムを用いて請負契約書の一部を修正しようとする利用者の管理する端末である利用者端末の表示画面の一例を示す図
図2】実施形態1の法律文書データ修正システムの機能ブロックの一例を示す図
図3】実施形態1の法律文書データ修正システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図
図4】実施形態1の法律文書データ修正システムにおける処理の流れの一例を示す図
図5】実施形態2の法律文書データ修正システムの機能ブロックの一例を示す図
図6】実施形態2の法律文書データ修正システムにおける処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず図1を示す。図1は本発明の概要を示す図で、本発明の法律文書データ修正システムを用いて請負契約書を修正する際の利用者の管理する端末である利用者端末の表示画面の一例を示す図である。同図では請負契約の第14条として「乙は、甲の事前の書面による承諾を得た場合に限り、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」などと規定されている文章のレビュー結果が「不利」と出力表示されている。ここで利用者は、同画面に表示されている「自社の条文」「自社有利」「対等な関係」というタイトルの下にそれぞれ記載されている(「対等な関係」の下に記載されている内容は画像領域の都合上一部割愛する)「乙は、甲の承諾を得た場合に限り、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」「有利」といった表記や、「受託者は、本件業務の全部又は一部を第三者に委託することはできない。ただし、委託者の事前の承諾を得た場合はこの限りでない。」「やや有利」という表記などのレコメンド文章を確認したうえで、第14条を自己に有利な内容に修正するべく対応情報が入力されようとしている画面が表示されている。本発明では、同画面の表示を踏まえて利用者が対応情報を出力した場合、当該対応情報の入力を受け付けたうえで、14条を含む所定単位の文章につき、請負契約書データを修正することを特徴としている。
【0013】
以下、本発明の各実施形態について図面とともに説明する。まず実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1、2、3、5、6などに対応する。実施形態2は、主に請求項などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、技術常識に従って特許請求の範囲の各請求項に記載の技術的思想を有し、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
【0014】
<<実施形態1>>
<概要>
図2は、本実施形態の法律文書データ修正システムの機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「法律文書データ修正システム」0200は、「レビュー結果記録部」0201と、「レコメンド文章保持部」0202と、「レビュー結果出力部」0203と、「対応情報入力受付部」0204と、「修正部」0205と、を有する。
【0015】
なお、以下で詳しく説明する法律文書データ修正システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードや操作ボタン、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、マイク、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0016】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
【0017】
<機能的構成>
「レビュー結果記録部」0201は、法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を記録するように構成されている。ここでいう「法律文書データを構成すべき所定単位の文章」とは、具体的には、法律文書を構成する個々の条項を「条」の単位ごとであったり、「条」に内包される単位である「項」や「号」の単位ごとであったりすることが考えられる。
【0018】
また、複数の「条」にまたがる文章のレビュー結果をまとめて一の単位として記録されていたり、一の条項ごとでなく、「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」「知的財産権の帰属」のように一の法的テーマごとにレビュー結果が記録されていたりする構成であってもよい。
様々な態様のレビュー結果を記録することができることにより、利用者にとって好適なレビュー結果の出力が可能になる。
【0019】
なお、レビュー結果記録部にて記録されるレビュー結果とは、既に説明した所定単位の文章の内容が、利用者にとって有利かどうかの判断結果であることを意味する。具体的なレビュー結果の手法及び内容は適宜決められてよく、具体的には、自然言語処理を用いた機械学習を通じて得られた学習済みモデルを用いたレビューの結果を記録することが考えられるが、各文章に含まれる語と語の関係性について所定のテーブルを用いて有利不利等を判断し記録するようにしてもよい。
【0020】
レビュー結果の記録態様は、所定単位の文章ごとに有利か不利かを判定する内容や、有利かどうかの程度を複数段階で判定するものであってもよい。また、文章の性質上有利か不利かを一概には判断できないような場合に、「相手との関係性を踏まえて判断ください」のように、敢えて利用者の自主的な判断を促すようなレビュー結果を出力してもよい。また、レビュー結果は文字情報で記録されてもよいし、色情報その他の視覚情報にて記録されてもよい。係る構成により、利用者にとりレビュー結果を直感的に確認させることができるようになる。
【0021】
また、レビュー結果は法律文書データを現に構成する文章に対してのみならず、法律文書データを構成すべき文章に対しても記録されうる。具体的に言えば、一般的な法律文書データには含まれているべき事項と関連する文章が含まれていない場合に、その旨の情報がレビュー結果として記録されてもよい。
【0022】
以上の点を、具体例を挙げて説明する。特定の製品の製造を委託する内容の請負契約に関する契約書を法律文書データとする場合、当該契約書の中に製造対象となる製品を納入する際の検査・検収の方法や合否判断の決め方に関する規定が含まれていなかったことがレビューの結果判明した場合、レビュー結果として有利不利ではなく、「検収方法の定めがない」旨のレビュー結果が記録される。
【0023】
「レコメンド文章保持部」0202は、所定単位の文章を利用者の立場と紐づけてレコメンド文章として保持するように構成されている。利用者の立場とは、法律文書の性質に応じて定められ、例えば既に挙げた請負契約の例の場合に即していえば、発注者(注文者)と受注者(請負人)という立場に紐づけられたレコメンド文章がそれぞれ保持されることになる。
【0024】
レコメンド文章についてより具体的に説明すると、法律文書データとして秘密保持契約書を例にとった場合、秘密情報の開示者・受領者という立場に応じて、それぞれ契約締結の目的に関する条項・文章、秘密情報の定義に関する条項・文章、秘密情報の取扱い権限に関する条項・文章など、先ほどの請負契約の場合と比べて異なる内容が含まれる場合がある。
【0025】
またさらに、レコメンド文章は、一の立場と一の法的事項に対して複数種類設けて保持することが可能である。具体的にいうと、利用者と相手方との相対的な関係性に応じて複数種類のレコメンド文章を設けることが考えられる。「相手方有利」「対等な関係」「自身有利」といったような相対的な関係性に応じたレビュー結果を記録することを可能とすることにより、レビュー結果が杓子定規となり個別の取引などの参考とならないような弊害を避けることができるようになる。
【0026】
ちなみに、ここでいうレコメンド文章は、適宜アップデートすることが可能であり、利用者自身によって管理することも可能である。具体的に言えば、利用者から自らが汎用的に使用している法律文書データのひな形における文章をレコメンド文章として入力受付しておき、レコメンド文章保持部にて保持しておくことが考えられる。当該構成を採用することにより、後述する修正部において、利用者自身のひな形を基準に修正処理を行うことが可能になり、より利用者にとって汎用性の高い修正済みの法律文書データを提供することが可能になる。
【0027】
「レビュー結果出力部」0203は、レビュー結果記録部にて記録された法律文書のレビュー結果を出力するように構成されている。ここでいうレビュー結果については、既にレビュー結果記録部における説明で述べたとおり、利用者の立場(請負人や秘密情報の開示者など)や相手との相対的な地位(相手方有利など)を踏まえ、所定単位ごとに一又は複数種類のレビュー結果を出力する。レビュー結果の具体的な出力内容については、利用者が自身の管理する端末を通じて適宜選択することが可能であり、レコメンド文章を含む詳細なコンテンツデータにて出力されてもよいし、有利不利を色情報等の視覚情報でのみ出力されてもよい。つまり、レビュー結果出力部にて出力されるレビュー結果については、レコメンド文章保持部にて保持されるレコメンド文章を用いない態様も当然に含まれる。
【0028】
なお、レビュー結果出力の態様についても適宜選択可能であり、利用者があらかじめ指定したメールアドレス宛にメール送信する方法や、利用者が利用可能なウェブサイト、アプリケーション画面上に表示出力する方法などが考えられる。
【0029】
「対応情報入力受付部」0204は、レビュー結果出力部にて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受け付けるように構成されている。ここでいう「対応情報」とは、具体的にはレビュー結果に対応した所定単位の文章に対する修正や追記、削除といった対応を求める情報のほか、通常含まれているべき事項と関連する文章が含まれていない旨のレビュー結果に対して、当該含まれているべき事項と関連する文章の追加といった対応を求める情報である場合もありうる。一の法律文書データに対応したレビュー結果のうちすべての事項につき対応を求めることを内容とする場合もあれば、利用者の選択に応じて一部についてのみ対応を求めることを内容とする場合であってもよい。
【0030】
対応情報入力の受付態様は適宜自由に設定することが可能であり、具体的には、利用者が自身で管理する端末を通じて所定単位の文章ごとに対応の要否を選択し、当該選択結果の出力結果を対応情報として受信し入力受付する方法が考えられる。
【0031】
なお、対応情報は上記修正等の対応を要する場合に限らず、対応を要しないとの内容の情報を受け付ける構成であってもよい。当該内容の情報を対応情報として受け付けることにより、法律文書データが当該内容のまま法的効力を有するバージョンとして運用されることが情報として管理することができる。
【0032】
またさらに、対応情報の内容としては、利用者と相手方との関係性について規定することが望ましい。具体的に言えば、取引上相手方が有利なのか、対等な関係なのか、利用者自身が有利なのか、といった関係性を含めた内容の入力を受付けることが望ましい。当該構成を採用することにより、修正部における修正内容を、利用者の個別具体的な状況に即した内容とすることが可能となる。
【0033】
「修正部」0205は、対応情報入力受付部にて対応情報を受け付けると、レビュー結果記録部にて記録された法律文書のレビュー結果又は当該法律文書データをレコメンド文章保持部にて保持するレコメンド文章を用いて所定単位ごとに修正するように構成されている。ここでいう「レコメンド保持部にて保持するレコメンド文章を用いて」とは、具体的には、法律文書データのうち、対応情報により修正等の対応を要するとされた箇所についてレコメンド文章の表現内容を反映させる処理を意味している。より具体的には、修正を要する文章について、レコメンド文章と差し替え処理を行ったうえで修正版の法律文書データとして出力することが考えられる。不足を指摘するレビュー結果に対応する内容の対応情報の入力を受け付けた場合には、当該不足内容を追記する処理を行うことが考えられる。
【0034】
ここで、修正部における修正処理の具体例について、さきに触れた請負契約の場合を例にあげてより詳しく説明する。ここではまず請負契約における第三者への再委託、すなわち「下請け」に関する規定を例に上げる。当初の請負契約書に「乙は、甲の事前の書面による承諾を得た場合に限り、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」という文章が規定されており、請負人である利用者に対してレビュー結果として、当該文章が「不利」という内容が出力されていた場合を想定する。この場合、利用者から対応情報の入力を受け付けた場合、当該文章を利用者に有利な内容に修正することとなる。このとき例えば、レコメンド文章保持部において、当該文章と紐付けられているレコメンド文章が3種類保持されていたとする。具体的には、レコメンド文章1として「請負人は、発注者の事前の書面(電子メールを含む)による承諾を得た場合に限り、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」、レコメンド文章2として「請負人は、発注者の承諾を得た場合に限り、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」、レコメンド文章3として「請負人は、発注者に対する事前又は事後に通知することにより、本件業務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。」という文章がそれぞれ保持されている。
【0035】
ここでレコメンド情報保持部においては、レコメンド文章1を「注文者有利」、レコメンド文章2を「対等な立場」、レコメンド文章3を「請負人有利」と位置づけているものとする。これはつまり、下請けを許容してもらうに際し、レコメンド文章1では承諾をもらう方法として書面に加えて電子メールという簡易な方法を許容してもらう内容の修正、レコメンド文章2ではさらに広く、承諾をもらう手段を問わなくなっただけでなく、事前事後をも問わないという内容の修正、そしてレコメンド文章3では、承諾を得る必要すらなく、通知さえすれば下請けが許容されるという内容の修正を意味している。
【0036】
以上のような各種情報の保持状況を踏まえ、修正部においてはまず、請負人である利用者にとって最も有利な内容であると位置づけられるレコメンド文章3を用いた修正処理を行うことが考えられる。より具体的には、対応情報において修正を要するとされた文章にレコメンド文章3を差し替える処理を行う。
【0037】
ちなみに、ここであげたレコメンド文章のように、レビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツを修正候補コンテンツと位置づけて一又は複数出力し、当該出力先の入力者管理の端末からの選択を受け付け、当該選択に応じた修正処理を行うことが考えられる。レビュー結果の個々の内容に応じて利用者の選択を受け付ける構成を採用すれば。利用者の需要を満たす修正が可能となる。
【0038】
なお、対応情報に利用者と相手方との関係性が予め含まれていた場合には、当該関係性を踏まえた修正処理を行うように構成してもよい。例えば、関係性として「注文者有利」という内容が含まれていた場合には、修正部にて修正を行う際には、当該対応情報に含まれた関係性に関する内容を参照し、レコメンド文章3ではなく、レコメンド文章1を用いた修正処理を行う。当該構成を採用すれば、修正候補コンテンツを都度出力し選択を受け付ける構成を採用しなくても同様の効果を利用者に提供することができ、利用者の負荷を軽減したうえでその立場に応じた柔軟な修正処理を行うことが可能になる。
【0039】
ここで、修正部における修正処理の結果については、当該修正処理を行ったことが法律文書データ上確認できる形式にて記録されることが望ましい。具体的な形式は適宜決められて良いが、修正部分の文字のフォントや色、大きさを変更して記録する方法など一の法律文書データ上で修正箇所が視認可能なように出力される方法であることが望ましい。当該構成を採用することによって、修正後の法律文書データを相手方にそのまま提示し、修正の事実確認を容易にさせることが可能になる。
【0040】
ちなみに、修正結果を出力するに際しては、レコメンド文章を差し替えたそのままの文章形式にて出力する方法であってもよいが、レコメンド文章ともとの法律文書データとの間の文章表現のゆらぎを是正したうえで出力することが望ましい。先程の請負契約の例を再度用いると、いずれのレコメンド文章においても当事者の表記は「請負人」「発注者」であったのに対し、もとの法律文書データの当事者の表記は「乙」「甲」である。修正部における修正を行うにあたっては、予め「甲」「乙」などの定型的な表現について、レコメンド文章の所定表現に対応する旨を定義付けて類否関係判定ルールとして保持しておき、かかる類否判定ルールを用いた修正を行いその結果を出力することが望ましい。所定表現に対応する辞書を用いた修正処理を行うことにより、利用者自身による修正作業の手間や修正漏れのリスクを低減することが可能になる。
【0041】
<具体的な構成>
ここで図3を示す。同図は本実施形態の法律文書データ修正システムの機能的な各構成をまとめて一のハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。各装置はいずれも、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0301と、「記憶装置(記憶媒体)」0302と、「メインメモリ」0303と、「入力インターフェース」0304、「出力インターフェース」0305、「ネットワークインターフェース」0306と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「タッチパネル」0307や「ディスプレイ」0308などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。また、ネットワークインターフェースを介して「利用者端末」0309などの外部装置と情報の送受信を行う。このネットワークインターフェースの具体的な態様は有線、無線を問わず、また、通信方法も直接、間接を問わない。よって特定の外部装置ないし同装置の利用者と紐づけられた第三者の管理するサーバとの間で情報の送受信を行ういわゆるクラウドコンピューティングの形式を採用することも可能である。
【0042】
記憶装置には以下で説明するような各種プログラムが格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0399などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う(以上の構成の基本的な構成は、以下で説明する他の装置のいずれについても同様である。)。
【0043】
(レコメンド文章保持部の具体的な構成)
レコメンド文章保持部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、特にコンピュータの記憶領域にレコメンド文章を構成するテキストデータを格納することにより構成されている。具体的には、CPUが記憶装置から「レコメンド文章保持プログラム」0310をメインメモリに読み出して実行し、テキストデータを所定単位ごとに定められたアドレスに格納する。レコメンド文章データは、内部あるいは外部の端末から書込まれあるいは作成され、変更されうる。
【0044】
(レビュー結果記録部の具体的な構成)
レビュー結果記録部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「レビュー結果記録プログラム」0320をメインメモリに読み出して実行し、法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を受信して、メインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0045】
(レビュー結果出力部の具体的な構成)
レビュー結果出力部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「レビュー結果出力プログラム」0330をメインメモリに読み出して実行し、レビュー結果記録プログラムの実行により得られたレビュー結果を読み出し、当該レビュー結果を所定の出力先に対し出力する。
【0046】
(対応情報入力受付部の具体的な構成)
対応情報入力受付部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、利用者端末からの出力に応じてCPUが記憶装置から「対応情報入力受付プログラム」0340をメインメモリに読み出して実行し、レビュー結果出力プログラムの実行により出力されたレビュー結果に対する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受付け、当該受け付けた情報をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0047】
(修正部の具体的な構成)
修正部は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「修正プログラム」0350をメインメモリに読み出して実行し、対応情報入力受付プログラムにて入力を受け付けた対応情報に応じて、レビュー結果記録プログラムの実行により記録された法律文書のレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する処理を行い、当該処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
【0048】
なお修正プログラムの実行に際しては、「修正候補コンテンツ入力受付サブステップ」をメインメモリに読み出して実行し、レビュー結果記録ステップにて記録されたレビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツである修正候補コンテンツを一又は複数出力して利用者端末からの選択を受け付けるようにするとともに、「コンテンツ利用修正サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、選択を受け付けた修正候補コンテンツを用いて法律文書データを修正する構成を採用してもよい。
【0049】
<処理の流れ>
図4は、本実施形態の法律文書データ修正システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0401では、法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を記録する処理を行う(レビュー結果記録ステップ)。そしてステップS0402では、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果を利用者の管理する端末である利用者端末に出力する(レビュー結果出力ステップ)。次にステップS0403では、利用者端末から、レビュー結果出力ステップにて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報が出力されたかどうかを判断する。ここでの判断結果が出力されたという内容である場合には、ステップS0404として当該対応情報の入力を受け付ける(対応情報入力受付ステップ)。判断結果が出力されたことを内容としない場合には、同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS0405では、対応情報入力受付ステップにて受け付けた対応情報に応じて、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データをレコメンド文章を用いて所定単位ごとに修正する(修正ステップ)。
【0051】
なお、修正ステップにおいては、レビュー結果記録ステップにて記録されたレビュー結果の内容に応じた修正文言の候補となる文字コンテンツである修正候補コンテンツを一又は複数出力して利用者端末からの選択を受け付けるようにする(修正候補コンテンツ入力受付サブステップ)とともに、選択を受け付けた修正候補コンテンツを用いて法律文書データを修正する(コンテンツ利用修正サブステップ)構成も考えられる。
【0052】
<効果>
以上の構成を採用する法律文書データ修正システムを利用することにより、法律文書データに含まれた課題感を把握するだけでなく、その課題感克服のための具体的な対策まで講じることが容易になる。
【0053】
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の法律文書データ修正システムは、基本的には実施形態1の法律文書データ修正システムの技術的特徴と同様であるが、修正部において、一又は複数の質問コンテンツを出力する質問出力手段と、外部端末より質問出力手段にて出力された質問コンテンツに対する回答の入力を受け付ける回答受付手段と、受け付けた回答に応じて法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正する回答依存修正手段とを有する点を更なる技術的特徴として備えている。以下では、実施形態1とは異なる上記特徴について詳しく説明をする。
【0054】
<機能的構成>
図5は、本実施形態の法律文書データ修正方法を一のコンピュータ(装置)で実現した場合の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態の「法律文書データ修正システム」0500は、「レビュー結果記録部」0501と、「レコメンド文章保持部」0502と、「レビュー結果出力部」0503と、「対応情報入力受付部」0504と、「修正部」0505と、を有し、修正部はさらに「質問出力手段」0511と、「回答受付手段」0512と、「回答依存修正手段」0513と、を有する。基本的な構成は、実施形態1の図2を用いて説明した法律文書データ修正システムと共通するため、以下では相違点である「質問出力手段」と、「回答受付手段」と、「回答依存修正手段」の機能について説明する。
【0055】
「質問出力手段」0511は、一又は複数の質問コンテンツを出力するように構成されている。質問コンテンツは法律文書データの修正に直接必要となる質問である直接質問である場合もあれば、特定の修正処理を行うためにより直截な質問コンテンツを選択するための質問である間接質問である場合もある。
【0056】
個々の質問コンテンツはいずれも、特定の種別の法律文書データ、当該法律文書における立場及び特定の回答と関連付けられて保持されている。以下請負契約書と関連付けられている質問コンテンツの一例を示す。まず請負人の立場に立った請負契約と関連付けられる質問コンテンツのなかには例えば「再委託(下請け)を行う可能性は高いですか?」「相手方との日頃のやり取りはメールなどの電磁的ツールですか?」「下請けを依頼する作業の重要度を以下のレベルから選んでください」などの質問コンテンツが保持されているとする場合が考えられる。このように、質問コンテンツは正否を訪ねる内容のものであっても、多肢選択を促す内容のものであってもよく、ユーザからの自由記載を許容するような質問内容であってもよく特にその形式は限定されない。
【0057】
なお、質問コンテンツは一又は複数出力されるが、複数出力される場合にいちどに二以上の質問コンテンツを出力するのではなく、複数回に分けて一又は複数の質問コンテンツを出力するように構成されてもよい。質問コンテンツの出力を複数回に分けて行うことにより、一度に大量の質問コンテンツへの回答を余儀なくされた利用者が途中で回答に飽きてシステムの利用を中止(離脱)してしまう事態を避けることができる。
【0058】
「回答受付手段」0512は、外部端末より質問出力手段にて出力された質問コンテンツに対する回答の入力を受け付けるように構成されている。回答は質問コンテンツの質問形式に対応した回答形式で利用者の管理する端末から送信されたものを受け付ける。
【0059】
なお、質問出力と回答受付の具体的な構成については適宜設計事項ではあるが、例えばチャットボットのように、一の画面上で質問出力と回答受付とが交互に表示されるような構成を採用することが望ましい。当該構成を採用すれば、質問と回答とが不整合にならずに噛みあって表示されることになるので、利用者にとっても回答すべき質問が何だったか、その質問への回答が法律文章データ修正にどのように役立つのかの流れを確認することができるようになる。
【0060】
「回答依存修正手段」0513は、受け付けた回答に応じて法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データを所定単位ごとに修正するように構成されている。「回答に応じて」とは、回答の内容とあらかじめ関連付けられたテキストデータを用いて修正を行うことを意味している。より具体的にいえば、所定の回答とレコメンド文章保持部にて保持される個々のレコメンド文章とを予め関連付けて保持しておき、回答を受け付けた場合には当該回答と関連付けられたレコメンド文章を用いて修正を行うことが考えられる。
【0061】
なおここでいうレコメンド文章と回答との関連付けの方法としては適宜の方法があってよい。それぞれにIDを付して相互に関連付けておいてもよいし、回答とレコメンド文章との関連を予めテーブルに記録しておき、当該テーブルに応じたレコメンド文章の選択を行ってもよい。
【0062】
なお、回答が複数のレコメンド文章と関連付けられているような場合があってもよく、そのような場合には複数のレコメンド文章を選択可能な形式にて抽出して修正に用いるようにしてもよい。この場合には、実施形態1で説明したように、さらに利用者の立場に応じた絞り込み処理を行ったり、利用者からの選択を受け付けたうえで修正処理を実行したりすることが考えられる。いずれにしても、利用者による個別具体的な回答を踏まえた修正処理を行う本構成を採用することにより、利用者の立場や状況に応じた柔軟な対応が可能になる。
【0063】
<具体的な構成>
本実施形態の法律文書データ修正システムを構成する各装置のハードウェア構成は、基本的には、図3を用いて説明した実施形態1の法律文書データ修正システムにおけるハードウェア構成と同様である。そこで以下については、これまで説明していない「質問出力手段」と、「回答受付手段」と、「回答依存修正手段」の具体的な処理について説明する。
【0064】
(質問出力手段の具体的な構成)
質問出力手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「修正プログラム」をメインメモリに読み出して実行するに際し「質問出力サブプログラム」をも読み出して実行し、一又は複数の質問コンテンツを出力する処理を行う。
【0065】
(回答受付手段の具体的な構成)
回答受付手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「修正プログラム」をメインメモリに読み出して実行するに際し「回答受付サブプログラム」をも読み出して実行し、外部端末より質問出力サブプログラムの実行結果に応じて出力された質問コンテンツに対する回答の入力を受け付けて、メインメモリの所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0066】
(回答依存修正手段の具体的な構成)
回答依存修正手段は、具体的にはコンピュータプログラムとコンピュータハードウェアにより構成され、CPUが記憶装置から「修正プログラム」をメインメモリに読み出して実行するに際し「回答依存修正サブプログラム」をも読み出して実行し、回答受付サブプログラムの実行により得られた回答に応じて法律文書データの所定単位ごとの修正処理を行う。
【0067】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態の法律文書データ修正システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0601では、法律文書データを構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を記録する処理を行う(レビュー結果記録ステップ)。そしてステップS0602では、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果を利用者の管理する端末である利用者端末に出力する(レビュー結果出力ステップ)。次にステップS0603では、利用者端末から、レビュー結果出力ステップにて出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報が出力されたかどうかを判断する。ここでの判断結果が出力されたという内容である場合には、ステップS0604として当該対応情報の入力を受け付ける(対応情報入力受付ステップ)。判断結果が出力されたことを内容としない場合には、同様の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS0604のあとは、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書データのレビュー結果又は当該法律文書データをレコメンド文章を用いて所定単位ごとに修正する(修正ステップ)が、ここで修正ステップにおいてはまず、ステップS0605として対応情報入力受付ステップにて受け付けた対応情報に応じて、一又は複数の質問コンテンツを出力する(質問出力サブステップ)。その後ステップS0606として外部端末より質問出力サブステップにて出力された質問コンテンツに対する回答の入力を受け付ける(回答受付サブステップ)。その後ステップS0607として質問出力と回答入力受付に関する同様の処理を繰り返すかどうかを判断し、ここでの判断結果が繰り返す必要がないという内容である場合に、ステップS0608として、対応情報に加え受け付けた回答に応じてレビュー結果又は法律文書データの所定単位ごとの文章の修正を行う(回答依存修正サブステップ)。
【0069】
<効果>
本実施形態の法律文書データの修正方法を採用することにより、実施形態1の法律文書データの修正方法を採用する場合に比べ、より利用者の需要を満たす修正処理を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0070】
0200・・・法律文書データ修正システム、0201・・・レビュー結果記録部、0202・・・レコメンド文章保持部、0203・・・レビュー結果出力部、0204・・・対応情報入力受付部、0205・・・修正部
【要約】      (修正有)
【課題】法律文書に含まれた課題感を把握するだけでなく、その課題感克服のための具体的な対策まで講じることが容易になる方法、システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】法律文書の修正方法であって、法律文書を構成すべき所定単位の文章ごとのレビュー結果を記録するレビュー結果記録ステップと、記録された法律文書のレビュー結果を出力するレビュー結果出力ステップと、出力されたレビュー結果に関する対応の要否に関する情報である対応情報の入力を受付ける対応情報入力受付ステップと、対応情報を受付けると、レビュー結果記録ステップにて記録された法律文書のレビュー結果又は当該法律文書を所定単位ごとに修正する修正ステップと、を有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6