特許第6582344号(P6582344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 独立行政法人土木研究所の特許一覧 ▶ 応用地質株式会社の特許一覧 ▶ 有限会社地圏探査技術研究所の特許一覧

<>
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000002
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000003
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000004
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000005
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000006
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000007
  • 特許6582344-地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582344
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/00 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   G01V1/00 C
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-125754(P2015-125754)
(22)【出願日】2015年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-9457(P2017-9457A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年3月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年5月11日早稲田大学において開催された公益社団法人物理探査学会主催の第132回学術講演会で発表
(73)【特許権者】
【識別番号】301031392
【氏名又は名称】国立研究開発法人土木研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000121844
【氏名又は名称】応用地質株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503254238
【氏名又は名称】有限会社地圏探査技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(72)【発明者】
【氏名】稲崎 富士
(72)【発明者】
【氏名】林 宏一
(72)【発明者】
【氏名】青池 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】今村 杉夫
【審査官】 素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/100153(WO,A1)
【文献】 米国特許第05614670(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0149998(US,A1)
【文献】 特開2005−114485(JP,A)
【文献】 特開平11−132838(JP,A)
【文献】 特開平11−109041(JP,A)
【文献】 特開平02−077675(JP,A)
【文献】 実開平05−081777(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 − 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面を起振して生じる地盤振動を非接触で検出して地盤構造を探査するための地盤構造探査方法であって、地盤振動を発生させる起振手段と、少なくとも非接触で振動を検出する複数のセンサからなるセンサ群と、少なくとも吸音材からなり地面近傍まで延設された雑音低減手段と、を用い、前記起振手段により地盤振動を発生させる起振工程と、前記雑音低減手段によって囲まれた空間内に配置された前記センサ群によって、前記起振工程により発生させた地盤振動を非接触で検出する振動検出工程と、を備えることを特徴とする地盤構造探査方法。
【請求項2】
前記振動検出工程は、前記複数のセンサの最小離間距離を測定対象とする振動の最小の波長の1/3より小さく、前記複数のセンサの最大離間距離を測定対象とする振動の最大の波長の1/3より大きく設定したセンサ群を用いて振動を検出することを特徴とする請求項1に記載の地盤構造探査方法。
【請求項3】
前記振動検出工程は、前記複数のセンサを整列配置したセンサアレイからなるセンサ群を用いて振動を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の地盤構造探査方法。
【請求項4】
前記振動検出工程は、前記センサアレイを2列以上配置したセンサ群を用いて振動を検出することを特徴とする請求項3に記載の地盤構造探査方法。
【請求項5】
前記雑音低減手段は、前記センサ群を一括して取り囲むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地盤構造探査方法。
【請求項6】
前記振動検出工程によって検出された地盤振動を解析処理する解析手段をさらに用い、前記検出された地盤振動の高周波表面波を抽出してその高次モードを含む表面波分散曲線を求め該高次モード表面波分散曲線をインバージョン解析して1次元S波速度層構造を求める解析処理工程を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤構造探査方法。
【請求項7】
前記解析処理工程は、前記1次元S波速度層構造を求める解析を連続して実施し空間的に補間して2次元S波速度層構造あるいは3次元S波速度層構造を求めることを特徴とする請求項に記載の地盤構造探査方法。
【請求項8】
地面を起振して生じる地盤振動を非接触で検出して地盤構造を探査するための地盤構造探査装置であって、地盤振動を発生させる起振手段と、該起振手段により生じる前記地盤振動を非接触で検出する複数のセンサからなるセンサ群と、地面近傍まで延設された雑音低減手段と、を備え、前記センサ群は前記雑音低減手段によって囲まれた空間内に配置されることを特徴とする地盤構造探査装置。
【請求項9】
前記雑音低減手段は、吸音材からなり前記センサ群の周囲を囲む壁部及び天井部を備え、底部に開口部を有することを特徴とする請求項8に記載の地盤構造探査装置。
【請求項10】
前記雑音低減手段は、防音材からなり前記吸音材の外部を覆う防音部を有することを特徴とする請求項に記載の地盤構造探査装置。
【請求項11】
前記センサ群は、前記複数のセンサを縦方向及び横方向に2次元配列されることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項12】
前記センサ群は、前記複数のセンサを縦方向及び横方向に配列するとともに、地面から異なる高さに配置して3次元配列されることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項13】
前記センサ群と前記雑音低減手段との間には第1防振部材が配設されることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項14】
前記複数のセンサは、集音手段を有することを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項15】
前記起振手段は、地面近傍まで延設された雑音減衰手段によって囲まれた空間内に配置されることを特徴とする請求項8ないし14のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項16】
少なくとも前記雑音低減手段を支持する支持部材及び該支持部材を移動可能とする移動手段を有する搬送手段をさらに備えることを特徴とする請求項8ないし15のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項17】
少なくとも前記雑音低減手段と前記搬送手段との間に第2防振部材が配設されることを特徴とする請求項16に記載の地盤構造探査装置。
【請求項18】
前記支持部材と前記移動手段との間に第3防振部材が配設されることを特徴とする請求項16または17に記載の地盤構造探査装置。
【請求項19】
前記雑音低減手段は、該雑音低減手段と地面との距離を調整するための位置調整手段が配設されることを特徴とする請求項8ないし18のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【請求項20】
前記センサ群は、該センサ群と地面との距離を調整するためのセンサ位置調整手段が配設されることを特徴とする請求項8ないし19のいずれかに記載の地盤構造探査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面を起振して生じる地盤振動を非接触で検出して地盤構造を探査するための地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地盤構造探査では、地盤の振動応答や電磁応答をアレイ状に配列した複数のセンサを用いて測定していた。特に地面を起振して生じる地盤振動を検出する場合は、センサを地面に据え付けて振動を検出する接触による検出法が主で、センサを地面に接触させずに振動を検出する非接触による検出法は極めてまれであった。
【0003】
接触による検出法は、センサを直接地面に設置するので、地面を起振して生じる地盤振動を確実に検出することができる(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、接触による検出法によって地盤構造探査を行う場合には、設定した探査測線上の地面に複数のセンサの据え付けと撤去を繰り返し行う必要があるため、作業効率と費用の面で課題があった。
【0004】
一方、非接触による検出法は、センサを地面に接触させないので、センサの取付けと撤去を要することなく地面の起振と地盤振動の測定を連続して行うことが可能となり、短時間で作業を行うことができる。しかしながら、非接触による検出法は、地面を起振して生じる地盤振動によって発生する空気の振動(以下、「漏えい表面波」と記す。)をマイクロフォン等の音圧センサで検出するものであり、漏えい表面波の信号強度が微弱なため、ノイズの影響を受けやすいという問題があり、これまではほとんど採用されてこなかった。たとえば、地面の起振に由来しない周囲の雑音(以下、「背景雑音」と記す。)が大きい場合には、背景雑音に漏えい表面波が埋もれてしまい、漏えい表面波を検出できなくなったり、測定中に近くを車両が通過すると、漏えい表面波に車両の騒音等が重畳して正確な測定が困難になったりするなどの問題があった。このような問題を解決するため、非接触による検出法においては各センサを独立した防音エンクロージャで覆い、背景雑音の影響を受けないようにしていた(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような対策をとってもなお、漏えい表面波を分離検出し、それを用いて地盤構造を探査することは技術的に極めて困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/100153号(Fig.8参照)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Inazaki, T, and Lei, X., (2003): High-frequency seismic measurements using a piezoelectric type accelerometer array, Proceedings of the 16th Annual Symposium on the Application of Geophysics to Engineering and Environmental Problems (SAGEEP2003), CD-ROM, 1253-1262 (doi:10.4133/1.2923130).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の非接触による検出法においては、漏えい表面波を解析して地盤構造を精度よく探査するために、多数のセンサを配列し、多数のセンサからの信号を同時に処理する必要がある。ここで、配列されるセンサ同士の最小間隔は地盤構造の解析分解能に影響するため、解析分解能に応じてセンサ同士の間隔を小さくする必要があり、センサ同士の間隔を小さくするためには防音エンクロージャも小さくしなければならない。しかし、防音エンクロージャの大きさが地盤を探査するために設定された漏えい表面波の最小半波長に近づくと、漏えい表面波が防音エンクロージャ内で共鳴を起こすという問題が判明した。この共鳴は、特に波長の短い信号で発生しやすい傾向にあり、共鳴が発生してしまうと各防音エンクロージャ内の背景雑音が周期的に変動し、均一で低レベルの背景雑音下に複数のセンサを設置することができなくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、地面を起振して生じる地盤振動を多数のセンサによって非接触で同時に検出する際に、多数のセンサを均一で低い雑音レベルに抑えた環境に設置して、地盤構造探査を精度良く行うことができるとともに、広範囲の地盤構造探査を効率的に実施することができる地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の地盤構造探査方法は、
地面を起振して生じる地盤振動を非接触で検出して地盤構造を探査するための地盤構造探査方法であって、地盤振動を発生させる起振手段と、少なくとも非接触で振動を検出する複数のセンサからなるセンサ群と、少なくとも吸音材からなり地面近傍まで延設された雑音低減手段と、を用い、前記起振手段により地盤振動を発生させる起振工程と、前記雑音低減手段によって囲まれた空間内に配置された前記センサ群によって、前記起振工程により発生させた地盤振動を非接触で検出する振動検出工程と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、センサ群の周囲を囲む雑音低減手段の大きさを最小探査波長から大きく離すことができるので、共鳴を生じることなく、均一で低レベルの背景雑音下にセンサ群を設置でき、精度の良い地盤構造探査を行うことができる。
【0010】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記振動検出工程は、前記複数のセンサの最小離間距離を測定対象とする振動の最小の波長の1/3より小さく、前記複数のセンサの最大離間距離を測定対象とする振動の最大の波長の1/3より大きく設定したセンサ群を用いて振動を検出することを特徴としている。
この特徴によれば、複数のセンサの離間距離は雑音低減手段内で自由に設定できるので、測定対象振動の最小波長から最大波長まで確実に検出できるように複数のセンサを配列できる。
【0011】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記振動検出工程は、前記複数のセンサを整列配置したセンサアレイからなるセンサ群を用いて振動を検出することを特徴としている。
この特徴によれば、複数のセンサは雑音低減手段内で任意の測線に沿って自由に整列配置して地盤探査することができる。
【0012】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記振動検出工程は、前記センサアレイを2列以上配置したセンサ群を用いて振動を検出することを特徴としている。
この特徴によれば、雑音低減手段内で2列以上からなるセンサアレイを任意の測線に沿って配置することによって地盤探査の精度を向上させることができる。
【0013】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記雑音低減手段は、前記センサ群を一括して取り囲むことを特徴としている。
この特徴によれば、雑音低減手段内での共鳴を防ぎ、センサ群全体を低い背景雑音下に配置できる。
【0014】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記振動検出工程によって検出された地盤振動を解析処理する解析手段をさらに用い、前記検出された地盤振動の高周波表面波を抽出してその高次モードを含む表面波分散曲線を求め、該高次モード表面波分散曲線をインバージョン解析して1次元S波速度層構造を求める解析処理工程を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、地盤の1次元S波速度層構造を非破壊で求めることができる。
【0015】
本発明の地盤構造探査方法は、
前記解析処理工程は、前記1次元S波速度層構造を求める解析を連続して実施し、空間的に補間して2次元S波速度層構造あるいは3次元S波速度層構造を求めることを特徴としている。
この特徴によれば、地盤の2次元、3次元S波速度層構造を非破壊で求めることができる。
【0016】
前記課題を解決するために、本発明の地盤構造探査装置は、
地面を起振して生じる地盤振動を非接触で検出して地盤構造を探査するための地盤構造探査装置であって、地盤振動を発生させる起振手段と、該起振手段により生じる前記地盤振動を非接触で検出する複数のセンサからなるセンサ群と、地面近傍まで延設された雑音低減手段と、を備え、前記センサ群は前記雑音低減手段によって囲まれた空間内に配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、センサ群の周囲を囲む雑音低減手段の大きさは最小探査波長から大きく離すことができるので、共鳴を生じることなく、均一で低レベルの背景雑音下にセンサ群を設置でき、精度の良い地盤構造探査を行うことができる。
【0017】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記雑音低減手段は、吸音材からなり前記センサ群の周囲を囲む壁部及び天井部を備え、底部に開口部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、吸音材によって雑音低減手段内の反響を低減でき、均一で低レベルの背景雑音下でセンサ群は地盤からの振動を確実に検出することができる。
【0018】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記雑音低減手段は、防音材からなり前記吸音材の外部を覆う防音部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、吸音材の外部を覆う防音材により起振手段からセンサ群への直達音を遮断でき、均一で低レベルの背景雑音下にセンサ群を設置することができる。
【0019】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記センサ群は、複数のセンサを縦方向及び横方向に2次元配列されることを特徴としている。
この特徴によれば、雑音低減手段はその中にセンサ群を2次元配列できるので、精度の高い地盤構造を探査することができる。
【0020】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記センサ群は、前記複数のセンサを縦方向及び横方向に配列するとともに、地面から異なる高さに配置して3次元配列されることを特徴としている。
この特徴によれば、雑音低減手段はその中にセンサ群を3次元配列できるので、精度の高い地盤構造を探査することができる。
【0021】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記センサ群と前記雑音低減手段との間には第1防振部材が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、起振手段からセンサへの直達音だけでなく、雑音低減手段を介して伝達する振動も減衰させて、探査精度を向上させることができる。
【0022】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記複数のセンサは、集音手段を有することを特徴としている。
この特徴によれば、複数のセンサは微弱な振動を確実に検出できる。
【0023】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記起振手段は、地面近接まで延設された雑音減衰手段によって囲まれた空間内に配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、起振手段からセンサ群への直達音を減衰させて、探査精度を向上させることができる。
【0024】
本発明の地盤構造探査装置は、
少なくとも前記雑音低減手段を支持する支持部材及び該支持部材を移動可能とする移動手段を有する搬送手段をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、少なくとも雑音低減手段によって囲まれた空間内に配置されるセンサ群を容易に移動し、広範囲の地盤構造を効率的に探査することできる。
【0025】
本発明の地盤構造探査装置は、
少なくとも前記雑音低減手段と前記搬送手段との間に第2防振部材が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送手段からセンサ群へ伝達する振動を減衰させて、探査精度を向上させることができる。
【0026】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記支持部材と前記移動手段との間に第3防振部材が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、地面から搬送手段を介してセンサ群へ伝達する振動を減衰させて、探査精度を向上させることができる。
【0027】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記雑音低減手段は、該雑音低減手段と地面との距離を調整するための位置調整手段が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、雑音低減手段は、搬送手段によって移動される際に地面に接触しないように位置を調整できるとともに、振動測定時には地面との距離を最適な位置に調整することができる。
【0028】
本発明の地盤構造探査装置は、
前記センサ群は、該センサ群と地面との距離を調整するためのセンサ位置調整手段が配設されることを特徴としている。
この特徴によれば、センサ群は、搬送手段によって移動される際に地面に接触しないように位置を調整できるとともに、振動測定時には地面との距離を最適な位置に調整することできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】地盤構造探査システムの全体構成を示す図である。
図2】地盤構造探査装置の側面図である。
図3図2の地盤構造探査装置のA−A矢視図である。
図4図3の地盤構造探査装置のC−C矢視図である。
図5図2の地盤構造探査装置のB−B矢視図である。
図6】(a)はアスファルト舗装道路の地面を起振して測定された波形、(b)は測定された波形の分散曲線、(c)はS波速度分から求められた地盤構造を示す図である。
図7】(a)はコンクリート舗装道路の地面を起振して測定された波形、(b)は測定された波形の分散曲線、(c)はS波速度分から求められた地盤構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る地盤構造探査方法及び地盤構造探査装置につき、図1から図7を参照して説明する。
【0031】
図1及び図2に示されるように、地盤構造探査システム1は、地盤構造探査装置10及び解析手段としての地盤振動解析処理部40から主に構成される。図2から図5に示されるように、地盤構造探査装置10は、センサユニット11、起振手段としての起振ユニット20及び搬送手段30から主に構成され、センサユニット11及び起振ユニット20は搬送手段30上に設置され自在に移動可能になっている。以下、地盤構造探査装置10の各構成要素について説明する。
【0032】
最初に、センサユニット11について説明する。図3及び図4に示されるように、センサユニット11は、センサ群13、センサ位置調整手段14、雑音低減手段としての防音箱15、防音箱位置調整手段16から主に構成される。
【0033】
センサ群13は、複数のセンサとしてのマイクロフォン12a、12a、…をセンサ保持具12bに長手方向に略等しい間隔で整列して取付けられたセンサアレイ12を探査測線横断方向に2列並べて構成される。本実施例においては、各列のセンサアレイ12はマイクロフォン12a、12a、…計24個から構成される。後述するように互いに隣接するマイクロフォン12a、12a、…の離間距離である最小離間距離Smin(図4参照)は、地盤の最小探査深さを探査するための地盤振動3a(図1参照)の波長の1/3より小さく設定され、長手方向に両端のマイクロフォン12a、12a、…の離間距離である最大離間距離Smax(図4参照)は、地盤の最大探査深さを探査するための地盤振動3c(図1参照)の波長の1/3より大きく設定されている。このように探査波長に基づいてマイクロフォン12a、12a、…の最小離間距離及び最大離間距離を設定してセンサ群を構成することにより、地盤の最小探査深さから最大探査深さまでを精度良く探査することができる。
【0034】
また、本実施例においては、マイクロフォン12a、12a、…は、その先端部から延設して配設される集音手段としての集音フード12c、12c、…(図3参照)を備える。マイクロフォン12a、12a、…はラッパ状に形成され下方に開口する集音フード12c、12c、…を備えることで、微弱な信号を検出できるようになる。さらに、集音フード12c、12c、…はマイクロフォン12a、12a、…の先端部から延設して配置されているので、万が一、地面5と接触してもマイクロフォンを損傷することを防ぐことができる。
【0035】
また、地面5を起振して生じる地盤振動3によって発生する漏えい表面波4は微弱なため、センサアレイ12、12と地面5との距離d1、d2をセンサ位置調整手段14、14によって調整して微弱な漏えい表面波を検出できるようにしている。
【0036】
図3及び図4に示されるように、センサ位置調整手段14、14は、駆動手段14a、14a及び該駆動手段14a、14aとセンサアレイ12、12を接続する接続部材14c、14c、14d、14d、14e、14eを主に備え、駆動手段14a、14aのハンドル14b、14bを回動操作することにより、センサアレイ12、12と地面5との距離d1、d2をセンサ感度が最適になるように調整できるようになっている。
【0037】
また、センサ位置調整手段14、14を支持する支持板14gと防音箱15との間には第1防振部材としての第1防振ゴム14fが配設されている。該第1防振ゴム14fは、防音箱15を介してセンサ群13に伝達するノイズである外部振動を低減する役目を果たしている。
【0038】
図3及び図4に示されるように、防音箱15は、主に吸音材からなる吸音部15aと該吸音部15aの外部を覆う防音材からなる防音部15bから主に構成されており、センサ群13の四方及び上方を囲い、下方を開放している。また、防音箱15は、センサアレイ12、12全体を一括して囲むことができる大きさになっているので、漏えい表面波の最小半波長に近づくことがなく、漏えい表面波の最小半波長との共鳴を防止することができる。
【0039】
吸音部15aは、吸音材からなりセンサ群13の周囲を囲む吸音壁部15a1、15a3及び天井部15a2を備え、漏えい表面波4(図1参照)を取り込むため底部に開口部15cを有する。吸音部15aは、外部から防音箱15内へ侵入した音や、開口部15cより取り込んだ漏えい表面波4が防音箱15内で反響するのを防止している。
【0040】
吸音部15aの材料として、ウレタンフォーム、ガラスウール、ロックウール、吸音性を有する石膏ボート、ベニヤ板等から構成してもよいし、前記材料を2種以上重ね合わせて構成してもよい。また、吸音材の表面に凹凸を設け、吸音性を高めるようにしてもよい。
【0041】
さらに、図3及び図4に示されるように、吸音部15aの外部は、防音部15bによって覆われている。防音部15bは、吸音壁部15a1、15a3及び天井部15a2をそれぞれ覆う防音壁部15b1、15b3及び防音天井部15b2を有し、外部から防音箱15内へ侵入する音を遮断する。特に、図1に示されるように、防音部15bは、起振ユニット20からの直達音2(図1参照)の防音箱15内への侵入を遮断している。
【0042】
防音部15bを構成する材料は、鉄板、鉛板等の金属板、石膏ボート、樹脂板、制振材料等から構成してもよいし、前記材料を2種以上重ね合わせて構成してもよい。
【0043】
図2及び図3に示されるように、防音箱位置調整手段16、16、…は防音箱15と搬送手段30との間に配設され、防音箱15と地面5との距離C1、C2(図3参照)を調整する機能を有する。防音箱位置調整手段16、16、…は、エアシリンダ16a、16a、…を有し、該エアシリンダ16a、16a、…はエア供給手段17からエアホース17e、17e、…を介して供給されるエアによって駆動されることで、防音箱15を上下に移動し、防音箱15と地面5との距離C1、C2を調整できるようになっている。そして、防音箱15と地面5との距離C1、C2(図3参照)を設定した後は、エアシリンダ16a、16a、…に接続されるネジ棒16c、16c、…をロックナット16d、16d、…によって、防音箱15と地面5との距離C1、C2を固定できる。また、搬送手段30によって搬送中に、防音箱15の下端が地面5上の大きな凹凸部に接触しないように、防音箱位置調整手段16、16、…を使用して防音箱15と地面5との距離C1、C2を調整することができる。なお、センサ群13は、防音箱15の下端部より該防音箱15内側に配置されているので、万が一、防音箱15の下端が地面5と接触しても、センサ群13は損傷することはない。
【0044】
つぎに、起振手段としての起振ユニット20について説明する。図2及び図5に示されるように、起振ユニット20は、地盤を起振する起振装置21、該起振装置21を搬送手段30に取付けるための取付筐体22、防振部材としての防振ゴム23、起振装置21を覆う起振部防音部材24を主に備える。ここで、取付筐体22、防振ゴム23及び起振部防音部材24が、本発明の雑音減衰手段を構成する。
【0045】
起振装置21は、広範囲に亘って所定の力で地面5を繰り返して起振できるように、エア供給手段17で発生させた圧縮空気によってピストン21aを瞬時に作動させ、該ピストン21aによって地面5を打撃して起振する。圧力を制御した圧縮空気を利用してピストン21aを駆動するので、起振力を所定の範囲に保つことができ、起振力のばらつきによる測定データのばらつきを小さくすることができる。
【0046】
図5に示されるように、取付筐体22は、上部フランジ22a、22a、側面を全周覆う壁部22b、22b、底部フランジ22c、22cを有する。底部フランジ22c、22cは開口部22dを有し、該開口部22dに起振装置21が取付け板21bを介して取付けられる。取付筐体22の上部フランジ22a、22aは防振ゴム23、23を介して搬送手段30のフレーム31に取付けられる。防振ゴム23、23は、起振装置21が地面5を起振したときの起振力がフレーム31を介してセンサ群13に伝搬するのを減衰させる役目を果たしている。
【0047】
さらに、取付筐体22は開口部22eを有し、該開口部22eは起振部防音部材24によって覆われている。起振部防音部材24は取付筐体22及び取付け板21bとともに密閉された空間を構成し、起振装置21が地面5を起振したときの音が外部に漏れ、センサ群13に伝達するのを防止する。取付筐体22、取付け板21b及び起振部防音部材24は、遮音性の高い鉄板、鉛板等の金属板、石膏ボート、樹脂板等を使用して箱形に構成される。また、その内部に吸音性の高いウレタンフォーム、ガラスウール、ロックウール、吸音性を有する石膏ボート、ベニヤ板等を取付けて吸音性能を向上させてもよい。
【0048】
つぎに、搬送手段30について説明する。図2図3及び図5に示されるように、支持部材としてのフレーム31、該フレーム31の底面部の4隅に取付けられた移動手段としての車輪32、32、…及びフレーム31と車輪32、32、…との間に配設された第3防振部材としての第3防振ゴム33、33、…から主に構成される。
【0049】
フレーム31は平面視にて中央部に開口部を有する枠状に形成される。センサユニット11の防音箱15は防音箱位置調整手段16の第2防振部材としての第2防振ゴム16eを介して搬送手段30のフレーム31の上面に取付けられる。また、上述したように、起振ユニット20も防振ゴム23を介して搬送手段30に取付けられているので、センサユニット11及び起振ユニット20は、搬送手段30によって一体に搬送できる。地盤構造探査装置10は、搬送手段30によってある測定場所から次の測定場所へ容易に搬送することができるので、広範囲の測定を短時間で実行できる。
【0050】
搬送手段30のフレーム31と車輪32との間に配設された第3防振ゴム33は、地面5から車輪32を介してフレーム31に伝搬する振動を低減させる。また、フレーム31と防音箱位置調整手段16との間に配設された第2防振ゴム16eは、フレーム31から防音箱位置調整手段16へ伝達する振動を低減させる。さらに、防音箱15とセンサ位置調整手段14との間に配設された第1防振ゴム14fは、防音箱位置調整手段16及び防音箱15を介してセンサ位置調整手段14に伝達する振動を低減させる。このように、センサ位置調整手段14に取付けられるセンサ群13は多重に防振されることによって、外部振動の影響を受けることなく漏えい表面波を検出することができる。
【0051】
つぎに、地盤振動解析処理部40について説明する。図1に示されるように、地盤振動解析処理部40は、A/D変換部41、解析処理部42、表示部43から主に構成される。A/D変換部41は、センサユニット11のセンサ群13から検出されたアナログ信号を同時に取り込んでデジタル信号に変換する。本実施例においては、センサユニット11のセンサ群13からの48Chのアナログ信号をサンプリング周波数200kHz、24bitでデジタル信号に変換している。
【0052】
解析処理部42は、デジタル信号に変換された複数の信号(本実施例では48Ch分の信号)から高周波表面波分散曲線を演算し、該高周波表面波分散曲線からS波速度層構造を推定する部分であり、まず1/3波長を見かけ深度とした速度層構造を初期モデルとし、非線形最小二乗法インバージョンにより100次程度までの高次モードと各モードの最大振幅点群を計算し、特定位置における最適な1次元S波速度層構造を推定するものである。
【0053】
これまで、センサを地面に接触させ、地面を起振して生じる地盤振動を直接検出して、1次元S波速度層構造を推定することは従来行われていたが、微弱な漏えい表面波を非接触で検出して、高周波表面波分散曲線及び高周波表面波の高次モードの分散曲線をインバージョン解析してS波速度層構造を求めることは困難であった。
【0054】
その原因は、漏えい表面波の信号レベルが小さいため、背景雑音の影響で漏えい表面波を正確に検出することが困難であったこと、また、多数のセンサを独立した防音エンクロージャで覆うと各防音エンクロージャ内の背景雑音がばらつくことにあった。この背景雑音のレベルは小さく、背景雑音のばらつきのレベルはさらに小さいため、背景雑音のばらつきの原因を究明することが困難であったが、防音エンクロージャの大きさと漏えい表面波の最小半波長との大きさとを離すことで背景雑音のばらつきを低減できることが判明した。
【0055】
また、センサ数を増やせば漏えい表面波の検出精度を向上できるが、センサの数を増やすと、装置費用、解析費用が増大してしまう。さらに、必要最小限のセンサをどのように配列すれば、漏えい表面波を精度良く検出できるのかも明らかでなかった。地盤構造探査装置10においては、複数のセンサの最小離間距離Smin(図4参照)を測定対象となる振動の最小の波長の1/3より小さく、複数のセンサの最大離間距離Smax(図4参照)を測定対象となる振動の最大の波長の1/3より大きく設定することで、漏えい表面波の高次モードの分散曲線を生成できる十分な精度で解析処理できることが判明した。ここで、測定対象となる振動の最小の波長とは、地盤の最小深さを探査するために使用される漏えい表面波の最小波長に対応し、また、測定対象となる振動の最大の波長とは、地盤の最大深さを探査するために使用される漏えい表面波の最大波長に対応する。
【0056】
以上説明した地盤構造探査システム1を用いて、地盤構造解析を行う方法について説明する。以下の実施例において、センサ群13は、24個のマイクロフォン12a、12a、…からなるセンサアレイ12を2列配置したものを使用して測定を行っている。また、センサアレイ12は、複数のマイクロフォン12a、12a、…の最小離間距離Smin(図4参照)を測定対象となる振動の最小の波長の1/3より小さく、複数のマイクロフォン12a、12a、…の最大離間距離Smax(図4参照)を測定対象となる振動の最大の波長の1/3より大きく設定している。
【0057】
図2に示されるように、地盤構造探査装置10を測定位置に設置する。センサ位置調整手段14を操作してセンサ群13を地面5に接触しないように地面5近傍に配置し、さらに防音箱位置調整手段16を操作して防音箱15も地面5に接触しないように配置する。防音箱15はセンサ群13よりもさらに地面5に近くなるように配置するのが望ましい。
【0058】
つぎに、図1に示されるように、起振ユニット20によって地面5を起振し、地盤振動3を発生させる。地面5に接触する空気は地盤振動3によって振動して漏えい表面波4が発生し、該漏えい表面波4はセンサ群13によって検出される。
【0059】
漏えい表面波4は、センサ群13の48Chのマイクロフォン12a、12a、…によって同時に検出される。それぞれのマイクロフォン12a、12a、…によって検出された漏えい表面波は地盤振動解析処理部40の解析処理部42にて、高周波表面波分散曲線を演算し、該高周波表面波分散曲線から1次元S波速度層構造の推定を行う。
【0060】
図6は、アスファルト舗装道路を起振し測定された振動を解析した結果であり、明確な漏えい表面波を検出することができる(図6(a)参照)。図6(a)に示される検出された振動波形には、漏えい表面波4のほかに起振ユニット20からの直達音2も含んでいる。しかし、漏えい表面波4の速度は直達音2の速度より十分に速いので、この速度差を利用して漏えい表面波4と直達音2とを分離し、漏えい表面波4を選択して解析することができる。該検出波を解析処理して広い周波数帯域で分散曲線を求めることができ(図6(b)参照)、さらにインバージョン解析によりアスファルト舗装道路の1次元S波速度層構造を推定することができる(図6(c)参照)。
【0061】
図6(b)は、検出された漏えい表面波を地盤振動解析処理部40にて周波数ごとの位相速度を求め、48Ch分の位相速度分散曲線を求めたものである。48Ch分のマイクロフォンを適切に配列することにより、広い周波数帯域で分散曲線を求めることができる。
【0062】
コンクリート舗装道路の地盤構造を同じように解析した結果を図7に示す。コンクリート舗装道路においても、明確な漏えい表面波を検出することができ(図7(a)参照)、該検出波を解析処理して広い周波数帯域で分散曲線を求めることができ(図7(b)参照)、さらにインバージョン解析によりコンクリート舗装道路の1次元S波速度層構造を推定することができる(図7(c)参照)。
【0063】
さらに、路面上に設置する測線に沿って、移動しながら1次元S波速度層構造を複数地点で求め、該複数地点の1次元S波速度層構造の間を補間することにより、2次元S波速度層構造を求めることができる。さらに、前記測線と略平行な複数の測線に沿って複数の2次元S波速度層構造を求め、該複数の2次元S波速度層構造の間を補間することによって、3次元S波速度層構造も求めることができる。
【0064】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0065】
例えば、前記実施例では、センサユニット11と起振ユニット20とが搬送手段30に取付けられ一体に搬送できるようになっている。しかし、センサユニット11のみを搬送手段30に取付けることによって、測定時の起振ユニット20からの起振力がフレーム31を介して伝搬するのをさらに低減できる。センサユニット11と起振ユニット20とを分離して大きく離せば、漏えい表面波4と直達音2との分離が容易になる。
【0066】
また、起振ユニット20は、エア供給手段17で発生させた圧縮空気によってピストン21aを駆動して地面5を打撃するものであったが、これに限らず、人間がハンマで地面5を打撃してもよい。また、圧縮空気の代わりに電磁力を用いてもよい。さらに、起振ユニット20は地面5を起振するものであったが、地中を起振するものでもよい。
【0067】
さらに、周囲からセンサ群13へ振動が伝搬するのを防ぐために、第1防振ゴム14f(図3)、第2防振ゴム16e(図3)、第3防振ゴム33(図5)、防振ゴム23(図5)を使用したが、防振ゴムに限らず、コイルばねを使用してもよいし、防振ゴムとコイルばねを組合わせたものを使用してもよい。
【0068】
上記実施例において、センサはマイクロフォンを利用したが、必要な精度で振動を非接触で検出できるものであれば、レーザ等を利用したセンサを使用してもよい。
【0069】
また、上記実施例において、センサ群13を構成する各センサアレイ12、12と地面5との距離d1、d2は同じ距離となるように配置して2次元配列とした。これに限らず、センサアレイ12を構成する複数のマイクロフォン12a、12a、…と地面5との距離を異なるように配置したり、各センサアレイ12、12の地面5から距離を異なるように配置して、3次元配列としてもよい。
【0070】
上記実施例において、地盤振動解析処理部40は、起振工程、振動検出工程及び解析処理工程を一連の作業として測定現場で実施したが、これに限らず検出された振動データは通信手段を介して処理センターに送り、処理センターで処理してもよい。すなわち解析処理工程は、オンサイトであるかオフサイトであるか、オンラインであるかオフラインであるかを問わず行うことができる。
【符号の説明】
【0071】
1 地盤構造探査システム
3 地盤振動
5 地面
10 地盤構造探査装置
11 検出ユニット
12 センサアレイ
12a マイクロフォン(センサ)
12c 集音フード(集音手段)
13 センサ群
14 センサ位置調整手段
14d 第1防振ゴム(第1防振部材)
15 防音箱(雑音低減手段)
15a 吸音部(吸音材)
15b 防音部(防音材)
16 防音箱位置調整手段(位置調整手段)
16e 第2防振ゴム(第2防振部材)
20 起振ユニット(起振手段)
21 起振装置
22 取付筐体(雑音減衰手段)
23 防振ゴム(雑音減衰手段)
24 起振部防音部材(雑音減衰手段)
30 搬送手段
31 フレーム(支持部材)
32 車輪(移動手段)
33 第3防振ゴム(第3防振部材)
40 地盤振動解析処理部(解析手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7