特許第6582376号(P6582376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582376
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20190919BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190919BHJP
   B41J 2/447 20060101ALI20190919BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20190919BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   G03G21/16 104
   G03G21/00 530
   B41J2/447 101Z
   B41J2/45
   G03G15/04
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-181144(P2014-181144)
(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公開番号】特開2016-57340(P2016-57340A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(74)【代理人】
【識別番号】100082739
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(72)【発明者】
【氏名】國分 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 朗
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−177864(JP,A)
【文献】 特開2009−031594(JP,A)
【文献】 特開2002−240344(JP,A)
【文献】 特開2013−120235(JP,A)
【文献】 特開2009−255382(JP,A)
【文献】 特開2012−187723(JP,A)
【文献】 特開2013−020054(JP,A)
【文献】 特開2012−189814(JP,A)
【文献】 実開平05−090483(JP,U)
【文献】 特開2003−255805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/00
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の軸方向に沿って配列された複数の発光素子により前記感光体に光を照射して潜像を形成し、空気流を導入する導入口を有する露光手段と、
前記露光手段の導入口と対応する位置に設けられた送風口から前記露光手段に導入される空気流を形成する送風手段と、
を備え、
前記導入口は、前記露光手段の長手方向に沿った背面側に前記露光手段の筐体の前記感光体と反対側に位置する面から一方の側面にわたり開口され、且つ前記露光手段に通電するためのハーネスの挿通口を兼ねている画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置本体に着脱自在に設けられ、感光体の軸方向に沿って配列された複数の発光素子により前記感光体に光を照射して潜像を形成し、空気流を導入する導入口を有する露光手段と、
前記露光手段を前記画像形成装置本体に装着した際に、前記露光手段の導入口と対応する位置に設けられた送風口から前記露光手段に導入される空気流を形成する送風手段と、
を備え、
前記導入口は、前記露光手段の長手方向に沿った背面側に前記露光手段の筐体の前記感光体と反対側に位置する面から一方の側面にわたり開口され、且つ前記露光手段に通電するためのハーネスの挿通口を兼ねている画像形成装置。
【請求項3】
前記送風手段の送風口は、前記露光手段の長手方向に沿った前後にそれぞれ配置される仕切り壁を有し、且つ前記露光手段の長手方向に沿った背面側に位置する仕切り壁が前面側に位置する仕切り壁より高く設定されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記露光手段は、前記画像形成装置本体に設けられた案内部に沿って移動することにより当該画像形成装置本体に着脱自在に設けられていると共に、前記案内部により案内される筐体を備え、
前記導入口は、前記露光手段の筐体に開口され、
前記送風口は、前記露光手段の筐体に開口された導入口に対応した前記画像形成装置本体の前記案内部に開口されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記送風手段の送風口から前記露光手段に送られる空気流の一部は、前記露光手段の前記感光体の回転方向に沿った上流側及び下流側に導かれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、露光装置等から放出される熱により画像形成部の温度が上昇するのを抑制するため、画像形成装置の内部を冷却するように構成したものがある。かかる画像形成装置の内部冷却に関する技術としては、例えば、特許文献1〜3等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
特許文献1は、光ビームを偏向走査して像担持体に導くことにより像担持体の表面に潜像を形成する光書込ユニットと、前記像担持体を少なくとも備えた感光体ユニット及び像担持体の表面上の潜像を現像剤によって現像する現像ユニットとが横並び状に配置されることにより構成されており、前記光書込ユニットの上方に設けられる作像ユニットと、作像ユニット及び光書込ユニットを冷却するための空気流を供給するファンとを備えるように構成したものである。
【0004】
特許文献2は、画像形成装置本体に着脱自在に設けられる像形成ユニットであって、少なくとも感光体に光を照射して潜像を書き込む露光装置と、この露光装置により形成された感光体上の潜像をトナーにより現像する現像装置とを有し、少なくとも前記露光装置と前記現像装置との間に空気流が形成されるように構成したものである。
【0005】
特許文献3は、本体と、潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、前記潜像担持体を有する像形成部と、前記像形成部を支持し、前記本体に対して着脱可能な像形成カートリッジと、前記潜像担持体を露光するラインヘッドを有する露光ユニットと、前記本体に設けられ、前記像形成カートリッジを案内するカートリッジ用ガイド部材と、前記カートリッジ用ガイド部材に前記像形成部及び前記露光ユニットを冷却する空気を流す冷却流路を備えるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−072030号公報
【特許文献2】特開2007−140349号公報
【特許文献3】特開2008−286969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、露光手段と現像手段との間に空気流が形成されるよう構成した場合に比較して、露光手段を効率的に冷却することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、感光体の軸方向に沿って配列された複数の発光素子により前記感光体に光を照射して潜像を形成し、空気流を導入する導入口を有する露光手段と、
前記露光手段の導入口と対応する位置に設けられた送風口から前記露光手段に導入される空気流を形成する送風手段と、
を備え、
前記導入口は、前記露光手段の長手方向に沿った背面側に前記露光手段の筐体の前記感光体と反対側に位置する面から一方の側面にわたり開口され、且つ前記露光手段に通電するためのハーネスの挿通口を兼ねている画像形成装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、画像形成装置本体に着脱自在に設けられ、感光体の軸方向に沿って配列された複数の発光素子により前記感光体に光を照射して潜像を形成し、空気流を導入する導入口を有する露光手段と、
前記露光手段を前記画像形成装置本体に装着した際に、前記露光手段の導入口と対応する位置に設けられた送風口から前記露光手段に導入される空気流を形成する送風手段と、
を備え、
前記導入口は、前記露光手段の長手方向に沿った背面側に前記露光手段の筐体の前記感光体と反対側に位置する面から一方の側面にわたり開口され、且つ前記露光手段に通電するためのハーネスの挿通口を兼ねている画像形成装置である。
請求項3に記載された発明は、前記送風手段の送風口は、前記露光手段の長手方向に沿った前後にそれぞれ配置される仕切り壁を有し、且つ前記露光手段の長手方向に沿った背面側に位置する仕切り壁が前面側に位置する仕切り壁より高く設定されている請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4に記載された発明は、前記露光手段は、前記画像形成装置本体に設けられた案内部に沿って移動することにより当該画像形成装置本体に着脱自在に設けられていると共に、前記案内部により案内される筐体を備え、
前記導入口は、前記露光手段の筐体に開口され、
前記送風口は、前記露光手段の筐体に開口された導入口に対応した前記画像形成装置本体の前記案内部に開口されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項5に記載された発明は、前記送風手段の送風口から前記露光手段に送られる空気流の一部は、前記露光手段の前記感光体の回転方向に沿った上流側及び下流側に導かれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、露光手段と現像手段との間に空気流が形成されるよう構成した場合に比較して、露光手段を効率的に冷却することができる。
【0014】
請求項2に記載された発明によれば、露光手段と現像手段との間に空気流が形成されるよう構成した場合に比較して、露光手段を効率的に冷却することができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記送風手段の送風口は、前記露光手段の長手方向に沿った前後にそれぞれ配置される仕切り壁を有し、且つ前記露光手段の長手方向に沿った背面側に位置する仕切り壁が前面側に位置する仕切り壁より高く設定されていない場合に比較して、送風手段から送り込まれる空気流を露光手段の導入口により一層効果的に導入することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明によれば、露光手段を画像形成装置本体に着脱自在に構成した場合であっても、露光手段の内部に冷却用の空気流を確実に導入することができる。
【0017】
請求項5に記載された発明によれば、露光手段の周囲を効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す構成図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
図3】露光装置を示す断面構成図である。
図4】露光装置の要部を示す平面構成図である。
図5】露光装置を示す斜視構成図である。
図6】画像形成装置を示す構成図である。
図7】暗藍部材を示す斜視構成図である。
図8】画像形成装置を示す概略構成図である。
図9】分岐ダクトを示す斜視構成図である。
図10】画像形成装置の空気の流れを示す構成図である。
図11】画像形成装置の内部の空気の流れを示す斜視構成図である。
図12】画像形成装置の内部の空気の流れを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を実施するための実施の形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
【0021】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置T2まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置T2に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
【0022】
画像形成装置1の本体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の二点鎖線は、本体1aの内部において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
【0023】
作像装置10は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、筐体1aの内部空間において水平方向に対して傾斜した状態、図示の実施形態ではイエロー(Y)の作像装置10Yが鉛直方向に沿った相対的に最も上方に位置し、ブラック(K)の作像装置10Kが相対的に最も下方に位置するよう1列に並べた状態で配置されている。
【0024】
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
【0025】
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
【0026】
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される帯電ロール等の接触型の帯電装置で構成される。なお、帯電装置12は、帯電ロールの周面を清掃するロール状の清掃部材121を備えている。
【0027】
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
【0028】
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLEDにより感光体ドラム11に光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなるものである。
【0029】
このLEDプリントヘッド13は、図3に示されるように、LED回路基板131と、LED回路基板131と対向するように配置されるレンズアレイ132と、LED回路基板131とレンズアレイ132とを保持する保持体としてのホルダ133と、ホルダ133の外周に配置された筐体の一例としてのハウジング134とを備えている。LED回路基板131は、図4に示されるように、長尺の平板状に形成されており、LED回路基板131の上面には、複数(具体的には20個)のLEDアレイ135がLED回路基板131の長手方向に沿って千鳥状に配置されている。各LEDアレイ135には、LEDからなる複数(具体的には256個)の発光素子が長手方向に沿って直線状に配列されている。
【0030】
また、LED回路基板131には、複数のLEDアレイ135を画像情報に応じて発光させるための駆動回路136と、画像データを記憶する記憶素子137と、複数のLEDアレイ135に通電する電源回路138とが、LEDアレイ135の一端部に設けられている。さらに、LED回路基板131には、制御部から画像データや制御信号が送られるワイヤーハーネス139が接続されている。
【0031】
露光装置13のハウジング134は、板金等の剛性を有する材料からなり、左右の両側壁134a,134bと底壁134cとを備えた感光体ドラム11側に位置する上端面が開口された断面矩形の枠体状に形成されている。このハウジング134には、LED回路基板131とレンズアレイ132とを保持したホルダ133の長手方向に沿った両端部がネジ止め等の手段によって固定した状態で取り付けられている。また、ハウジング134には、図5に示されるように、その長手方向に沿った中間部よりも背面側に画像形成装置1の本体1aに設けられる送風口から当該ハウジング134の内部に導入する導入口134dが、一方の側壁134bから底壁134cにわたり矩形状に開口されている。この導入口134dは、LED回路基板131に接続されるワイヤーハーネス139を挿入するための挿入口を兼ねている。
【0032】
さらに、露光装置13のハウジング134の底壁134cには、当該露光装置13を案内するガイドピン134eが下向きに突出した状態で設けられているとともに、露光装置13を画像形成装置1の本体1aに位置決め固定するための位置決め部材134fが側面略L字形状に折り曲げた状態で一体的に形成されている。
【0033】
なお、図5中、符号130は露光装置13を画像形成装置本体1aの予め定められた位置に位置決め固定するためのソケット部材を示している。このソケット部材は、画像形成装置本体1a側に装着されている。
【0034】
このように、露光装置13として可動部を持たないLEDプリントヘッド13を用いることで、レーザ光を回転するポリゴンミラーで感光体への軸方向の走査を繰り返すレーザ方式と比較して露光装置13を小型化することができる。これにより、露光装置13を画像形成装置本体1aに対して着脱自在なユニットとして構成することができる。なお、露光装置13は、露光装置単独でユニット化しても良いが、他の現像装置14や帯電装置12等と共にユニット化しても良い。
【0035】
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を撹拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送するスクリューオーガー等の撹拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や撹搬送拌部材142,143は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、図1中、符号145Y,145M,145C,145Kは、現像装置14(Y,M,C,K)に供給する対応する色のトナーを少なくとも含む現像剤を収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0036】
一次転写装置15は、一次転写位置T1において感光体ドラム11の周面に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
【0037】
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、容器状の本体160の内部に配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162などで構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
【0038】
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置T1を通過しながら矢印Bで示す方向に循環移動する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して循環移動自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜25と、ベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置26とで主に構成されている。
【0039】
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール25は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
【0040】
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置T2において回転する二次転写ロールとして構成されている。また、二次転写ロール30又は中間転写装置20の支持ロール23には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
【0041】
定着装置40は、図1に示されるように、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段(熱源)によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41に所要の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。
【0042】
給紙装置50は、図1に示されるように、複数の作像装置10(Y,M,C,K)の下方の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、画像形成装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
【0043】
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置T2まで搬送する単数(又は複数)の用紙搬送ロール対53や図示しない搬送ガイド材で構成される給紙搬送路54が設けられている。給紙搬送路54において二次転写位置T2の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対53は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。
【0044】
定着装置40の下流側(上方)には、定着装置40によりトナー像が定着された記録用紙5を、本体1aの上部に配置された用紙排出部54に排出するための用紙排出ロール55を備えた用紙排出搬送路56が設けられている。
【0045】
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
【0046】
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。
【0047】
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
【0048】
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
【0049】
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
【0050】
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置T1まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
【0051】
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
【0052】
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置T2まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路54に送り出す。給紙搬送路54では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対53が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置T2に送り出して供給する。
【0053】
二次転写位置T2においては、二次転写ロール30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルト清掃装置26が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
【0054】
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール30から剥離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、用紙排出路56を介して用紙排出ロール55により、例えば画像形成装置1の上部に設けられた排出収容部54に排出される。
【0055】
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて形成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
【0056】
<画像形成装置の特徴部分の構成>
図2及び図6はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す構成図である。図6は画像形成装置の全体概要を特徴部分と共に示し、図2は画像形成装置における要部を拡大して示している。
【0057】
この実施の形態に係る画像形成装置1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色の各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11、帯電装置12及びクリーニング装置16を一体的に有する感光体ユニット61と、現像装置14から構成される現像ユニット62と、露光装置13から構成される露光ユニット63とを備えている。感光体ユニット61、現像ユニット62及び露光ユニット63は、それぞれ画像形成装置1の筐体1aに対して個別に着脱自在となっている。なお、この実施の形態では、露光装置13が当該露光装置13単独で露光ユニット63として構成した場合について説明したが、露光装置13は、他の感光体ドラム11や現像装置14等と一体的にユニット化しても良い。
【0058】
画像形成装置1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)の下方に存在するように配置され、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ユニット61、現像ユニット62及び露光ユニット63を感光体ドラム11の軸方向に沿って移動自在に案内する案内部材70を備えている。案内部材70は、画像形成装置本体1aの内部において、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)と給紙装置50との間を仕切る仕切り板90の上方に配置されている。案内部材70は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)にそれぞれ対応したガイド部71(Y,M,C,K)を有している。これらのガイド部71(Y,M,C,K)は、イエロー(Y)の作像装置10Yに対応したガイド部71Yが鉛直方向に沿った最も上方に、ブラック(K)の作像装置10Kのガイド部71Kが最も下方に位置するよう配置されている。
【0059】
各ガイド部71(Y,M,C,K)は、基本的に同様に構成されており、図2に示されるように、感光体ユニット61を案内する感光体用ガイド部72と、感光体用ガイド部72よりも鉛直方向に沿った上方に配置され、現像ユニット62を案内する現像用ガイド部73と、感光体用案内部72と現像用案内部73との間に配置され、露光ユニット63を案内する露光用ガイド部74とをそれぞれ有している。
【0060】
感光体用ガイド部72は、感光体ユニット61の帯電装置12の下方に配置された平板部721と、平板部721の中間に設けられた凹部722と、平板部721の両端から上方へ向けて突出するように設けられた左右の側壁部723,724と、両側壁部723,724の上端に互いに対向するよう内側に向けて設けられた左右の凸状部725,726とから構成されている。
【0061】
感光体ユニット61は、帯電装置12の筐体122の下端面に下方に向けて延存するように設けられた複数本(図示例では、3本)の支持脚611,612,613を備えている。これらの支持脚611,612,613のうち、外側に位置する支持脚611,613は、その下端部が感光体用ガイド部72の平板部721及び左右の凸状部725,726により支持されると共に、その中間部に位置する支持脚612は、その下端部が感光体用ガイド部72の凹部722により感光体ドラム11の軸方向に沿って案内されるよう配置されている。
【0062】
現像用ガイド部73は、現像ユニット62の現像装置14の下方に配置された平板部731と、平板部731の一端部(図示例では、左端部)に設けられた凹部732とから構成されている。現像ユニット62は、現像装置14の筐体140の下端面に下方に向けて延存するように設けられた複数本(図示例では、8本)の支持脚621〜628と、当該支持脚621〜628よりも下方に突出した状態で設けられた凸条部629とを備えている。これらの支持脚621〜628は、その下端部が現像用ガイド部73の平板部731により支持されると共に、凸条部629が現像用ガイド部73の凹部732に挿入された状態で案内されるよう構成されている。
【0063】
露光用ガイド部74は、図2に示されるように、感光体ドラム11側の位置する上端面が開口した断面凹形状に形成されている。この露光用ガイド部74は、図7に示されるように、感光体ドラム11の軸方向に沿った画像形成装置筐体1aの前面(使用者が操作時に向き合う側面)側の端部から中間部にわたり設けられた第1のガイド部74aと、画像形成装置筐体1aの中間部から背面(使用者が操作時に向き合う側面と反対の側面)側の端部にわたり設けられた第2のガイド部74bとを備えている。第1のガイド部74aは、露光ユニット63を感光体ドラム11の軸方向に沿って移動自在に案内するとともに、露光ユニット63を所望の位置に位置決め固定するためのものである。また、第2のガイド部74bは、露光装置13のワイヤーハーネス139を収容するとともに、露光装置13及び帯電装置12と現像装置14とで囲まれた閉空間に空気流を送るための送風口747を形成するためのものである。
【0064】
第1のガイド部74aの背面側端部に位置する底壁741は、露光装置13のハウジング134の下端面に設けられた位置決め部材134f(図5参照)が挿入される挿入孔742を有している。また、第1のガイド部74aの背面側端部に位置する底壁741には、挿入孔742よりも前面側の位置に感光体ドラム11の軸方向に沿って設けられた凹所743が形成されている。この凹所743は、露光装置13のハウジング134の下端面に設けられたガイドピン134え(図5参照)を挿入するためのものである。さらに、露光用ガイド部74の第1のガイド部74aには、図2に示されるように、露光装置13のハウジング134の両側壁134a,134bに接触して案内する案内部として機能する両側壁744,745が設けられている。
【0065】
一方、露光用ガイド部74の第2のガイド部74bには、図7に示されるように、その前面側に露光装置13のワイヤーハーネス139を収容する収容室746が、第1のガイド部74aよりも相対的に深く形成されている。また、露光用ガイド部74の第2のガイド部74bには、図7及び図8に示されるように、その背面側に送風口747が開口されているとともに、仕切り壁748a,748bによって仕切られた送風用通路749が形成されている。仕切り壁748a,748bのうち、背面側に位置する仕切り壁748bは、第2のガイド部74bの上端部まで達するよう前面側に位置する仕切り壁748aよりも高く設定されており、送風口747から送り込まれる空気流が露光装置13の導入口134dにより一層効果的に導入されるようになっている。
【0066】
また、露光用ガイド部74の第2のガイド部74bに設けられる送風口747は、図6に示されるように、イエロー及びマゼンタの露光用ガイド部74では、第2のガイド部74bの底壁に開口されており、シアン及びブラックの露光用ガイド部74では、第2のガイド部74bの底壁及び側壁にわたり開口されている。
【0067】
画像形成装置1は、露光装置13を画像形成装置1の筐体1aに装着した際に、露光装置13の導入口134dと対応する位置に設けられた送風口747から露光装置13の内部に導入される空気流を形成する空気流形成手段の一例としての送風装置80を備えている。
【0068】
この送風装置80は、図6に示されるように、大別して、吸気手段の一例としての吸気ファン81と、吸気ファン81から送られる空気の流れ(以下、「空気流」という。)の向きを上方へと変えることにより各作像装置10(Y,M,C,K)の下部へと導く偏向ダクト82と、導風ダクト82によって作像装置10(Y,M,C,K)の下部へと導かれた空気流をイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)に分岐する分岐部材の一例としての分岐ダクト83と、ブラックの作像装置10Kの上方に対応した位置から画像形成装置1の筐体1a内部の空気を吸引して外部に排出するための排気ダクト84と、排気ダクト84から吸い込まれた空気流を画像形成装置1の外部に排出するための排気手段の一例としての排気ファン85とを備えるよう構成されている。
なお、図6中、符号91は、中間転写装置20とトナーカートリッジ145Y,145M,145C,145Kとの間を仕切る仕切り板を示している。
【0069】
吸気ファン81は、図6及び図8に示されるように、画像形成装置1の筐体1aの背面側に配置されている。更に説明すると、吸気ファン81は、給紙装置50の背面側であってシアン色の作像装置10Cの下方に対応した位置に、ブラックの作像装置10K側からマゼンタの作像装置10M側へ向けて送風するよう配置されている。吸気ファン81の出口側には、当該吸気ファン81によって形成される空気流の向きを画像形成装置筐体1aの背面側から前面側且つ水平方向から鉛直方向に沿った上方へと変更する偏向ダクト82が設けられている。偏向ダクト82の排出口は、仕切り板90の上面側において、当該仕切り板90の表面に沿って画像形成装置1の背面側から前面側へ向けて送風可能に開口されている。
【0070】
仕切り板90の上面には、偏向ダクト82によって鉛直方向上方へと向きが変更された空気流を、仕切り板90の表面に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各作像装置10(Y,M,C,K)へと分岐して送る分岐ダクト83が設けられている。分岐ダクト83は、仕切り板90と案内部材70との間に存在するよう配置されている。
【0071】
図9は画像形成装置1の筐体1aから仕切り板を取り除いた状態で案内部材70及び分岐ダクト83を斜め下方から見た斜視図である。
【0072】
分岐ダクト83は、図9に示されるように、その底面が仕切り板90の上面に接触した状態で配置され、平面略台形状に形成された外周壁831〜834を備えている。また、分岐ダクト83は、偏向ダクト82側の端部に空気流を導入する開口部835,836が設けられている。分岐ダクト83の内部は、イエロー、マゼンタ及びシアンのカラー作像装置に吸気流を導くカラー用の流路837と、ブラックの作像装置10Kに吸気流を導くブラック用の流路838とに分岐壁839によって区画されている。分岐ダクト83は、イエロー及びマゼンタの案内部71Y,71Mの底壁に設けられた送風口747Y,747Mにそれぞれ接続されている。また、分岐ダクト83は、シアン及びブラックの案内部71C,71Kの側壁及び底壁にわたり設けられた送風口747Y,747Mにそれぞれ接続されている。
なお、図8中、符号139は各露光装置13にそれぞれ接続されるワイヤーケーブルを示している。
【0073】
また、画像形成装置1の本体1aの内部には、図6に示されるように、ブラックの作像装置10Kの上方において、各作像装置10(Y,M,C,K)へと送風された空気流を画像形成装置本体1aの外部へと排気するための排気ダクト84が用紙収容部54の裏面側に位置するように配置されている。排気ダクト84は、図8に示されるように、感光体ドラム11の軸方向に沿った中間部から背面側の端部にわたり設けられている。また、排気ダクト84は、ブラックの作像装置10Kに対応した位置の上方において、定着装置40側に向けて開口部841が位置するよう配置されている。また、排気ダクト84は、感光体ドラム11の軸方向に沿った前面側の端部から中間部側に向けて開口幅(開口面積)が徐々に広くなるよう形成されている。
【0074】
さらに、排気ダクト84の基端部842(背面側の端部)は、図8に示されるように、画像形成装置1の背面側上部に配置された排気ファン85にダクト86に介して接続されている。なお、排気ファン85には、必要に応じてトナーやオゾン、窒素酸化物等を除去するフィルターが装着される。
【0075】
なお、図8において、符号92,93は、画像形成装置1の内部において当該画像形成装置1の前面側と背面側に配置された前面フレーム及び背面フレームをそれぞれ示している。
【0076】
<画像形成装置の特徴部分の動作>
この実施の形態に係る画像形成装置1では、次のようにして画像形成装置1の露光装置13等への送風が行われる。
【0077】
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、図10に示されるように、吸気ファン81及び排気ファン85が駆動される。その際、画像形成装置では、画像形成装置1の筐体1aの内部の温度が図示しない温度センサにより検知される。
【0078】
画像形成装置1では、図1に示されるように、吸気ファン81が駆動されると、外部の空気が画像形成装置1の筐体1aの内部に吸気される。吸気ファン81によって画像形成装置1の筐体1aの内部へと吸気された空気流201は、偏向ダクト82を介して、各作像装置10(Y,M,C,K)の下方へと導かれる。各作像装置10(Y,M,C,K)の下方へと導かれた空気流202は、分岐ダクト83によって各作像装置10(Y,M,C,K)へと分岐されて、各作像装置10(Y,M,C,K)の露光装置13に対応した案内部材70の各ガイド部71(Y,M,C,K)へと送られる。
【0079】
案内部材70の各ガイド部71(Y,M,C,K)には、図8に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の露光装置13のハウジング134に設けられた導入口134dに対応した位置に送風口747(Y,M,C,K)が開口されている。そのため、各作像装置10(Y,M,C,K)に対応したガイド部71(Y,M,C,K)へと送られた空気流203は、図8に示されるように、その一部が送風口747(Y,M,C,K)から導入口134dを介して露光装置13のハウジング134の内部へと導かれる。露光装置13のハウジング134の内部へと導入された空気流204は、図11に示されるように、ハウジング134の長手方向に沿って画像形成装置1の前面側及び背面側へと移動する間に、露光装置13のLED回路基板131を冷却する。また、露光装置13のハウジング134とガイド部71(Y,M,C,K)との間に導入された空気流205は、図10に示されるように、感光体ドラム11の回転方向に沿った上流側及び下流側へと送られ、帯電装置12と現像装置14とで囲まれた閉空間を感光体ドラム11の軸方向に沿った背面側及び前面側へと移動する。
【0080】
その後、露光装置13の内部及びその外周部、更には帯電装置12と現像装置14で囲まれた閉空間を感光体ドラム11の軸方向に沿って前面側及び背面側に移動した空気流206は、図10及び図12に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)及び中間転写装置20と背面側及び前面側に設けられたフレーム92,93との間に形成された間隙94,95を介して上方へと移動する。
【0081】
この上方へと移動した空気流207は、ブラックの作像装置10Kの上方に配置された排気ダクト84の吸気口841から吸引され、図8に示されるように、ダクト86及び排気ファン85を介して画像形成装置1の筐体1aの外部に排出される。
【0082】
このように、上記実施の形態では、図10及び図11に示されるように、帯電装置12及び現像装置14で囲まれた閉空間に配置され、ハウジング134の内部にLED回路基板131を有する露光装置13を、当該露光装置13のハウジング134の側面から底面にわたり形成された導入口134dを介して、導入口134dと対応する位置に開口された送風口747から内部に送り込まれる空気流によって直接冷却することができ、露光装置13を効率良く冷却することが可能となる。
【0083】
また、送風口747から送り込まれた空気流は、案内部材70の各ガイド部71(Y,M,C,K)に沿って画像形成装置1の筐体1aの前面側及び背面側に沿って流れるため、露光装置13と隣接する帯電装置12及び現像装置14との間に形成される閉空間を冷却することが可能となる。そのため、露光装置13と隣接する帯電装置の帯電ロールの温度が上昇し、帯電ロール12の外径変動等に伴って感光体ドラム11の帯電不良が発生するのを防止乃至抑制することができる。また、現像装置14の露光装置13側に位置する層厚規制部材144近傍の温度が上昇し、現像装置14の内部においてトナーのブロッキング等が発生するのを防止乃至抑制することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…画像形成装置、1a…画像形成装置本体、10(Y,M,C,K)…作像装置、111…感光体ドラム、13…露光装置、134…ハウジング、134d…導入口、70…案内部材、71(Y,M,C,K)…ガイド部、747…送風口、80…送風装置、81…吸気ファン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12