特許第6582489号(P6582489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582489
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】角形二次電池及びそれを用いた組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0587 20100101AFI20190919BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20190919BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20190919BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190919BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20190919BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20190919BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H01M10/0587
   H01M2/26 A
   H01M2/30 D
   H01M2/10 S
   H01M2/02 A
   H01M2/04 A
   H01M10/04 W
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-68195(P2015-68195)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-189247(P2016-189247A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】北岡 和洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】室屋 陽平
【審査官】 宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−004777(JP,A)
【文献】 特開2013−105586(JP,A)
【文献】 特開平10−261440(JP,A)
【文献】 特開2011−171079(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/126538(WO,A1)
【文献】 特開2013−187077(JP,A)
【文献】 特開2008−300083(JP,A)
【文献】 特開2010−092833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05−10/0587
H01M 10/04
H01M 2/02− 2/08
H01M 2/10
H01M 2/20− 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板とをセパレータを介して巻回した扁平状の巻回電極体と、
開口部を有し、前記巻回電極体を収納する角形外装体と、
前記開口部を封口する封口板と、
前記正極板に電気的に接続され前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記正極板と前記正極端子を電気的に接続する正極集電体と、
前記負極板に電気的に接続され前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記負極板と前記負極端子を電気的に接続する負極集電体と、
を備えた角形二次電池であって、
前記巻回電極体は、前記巻回電極体の巻回軸が延びる方向における一方の端部に、正極タブ部及び負極タブ部を有し、
少なくとも2つの前記巻回電極体が、それぞれの前記巻回軸が前記封口板に対して垂直な方向に配置され、前記正極タブ部及び前記負極タブ部が前記封口板側に位置するように、前記角形外装体内に収納され、
前記巻回電極体ごとに前記正極板がそれぞれ独立しており、
前記巻回電極体ごとに前記負極板がそれぞれ独立しており、
前記正極タブ部は前記正極集電体に接続され、
前記負極端子は前記封口板に設けられた貫通孔を貫通し、
前記負極集電体は前記負極端子と溶接接続され、
前記負極タブ部は前記負極集電体に接続された角形二次電池。
【請求項2】
前記角形外装体内に収納される前記巻回電極体が2つである請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
2つの前記巻回電極体のうちの一方の前記巻回電極体に設けられた複数の前記負極タブ部が束ねられた状態で前記負極集電体に接続され、
2つの前記巻回電極体のうちの他方の前記巻回電極体に設けられた複数の前記負極タブ部が束ねられた状態で前記負極集電体に接続された請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記角形外装体は、底部と、一対の大面積側壁と、一対の小面積側壁と、を有し、
前記小面積側壁の面積は前記大面積側壁の面積よりも小さく、
前記底部の面積は前記小面積側壁の面積よりも小さい請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項5】
前記正極板は、正極芯体と、前記正極芯体上に形成された正極活物質層を有し、
前記正極芯体は前記正極活物質層が形成されていない正極芯体露出部を有し、
前記負極板は、負極芯体と、前記負極芯体上に形成された負極活物質層を有し、
前記負極芯体は前記負極活物質層が形成されていない負極芯体露出部を有し、
前記正極タブ部は前記正極芯体露出部であり、
前記負極タブ部は前記負極芯体露出部である請求項1〜4のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項6】
前記巻回軸が延びる方向に沿って見たとき、
前記正極タブ部は、前記巻回電極体の直線部に配置される直線部と、前記巻回電極体の曲線部に配置される曲線部を有し、
前記負極タブ部は、前記巻回電極体の直線部に配置される直線部と、前記巻回電極体の曲線部に配置される曲線部を有する請求項1〜のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項7】
前記正極板の幅方向における一方の端部には、略同じ幅を有する前記正極タブ部が、略等間隔となるように形成されている請求項1〜のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項8】
前記正極タブ部の幅は、前記巻回電極体の幅の1/4以上且つ1/2以下である請求項1〜のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項9】
前記正極タブ部はずれた状態で積層されることにより、各前記正極タブ部の端部により形成される正極段状部が形成され、
前記正極段状部に正極集電体が接続された請求項1〜のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項10】
前記負極板の幅方向における一方の端部には、略同じ幅を有する前記負極タブ部が、略等間隔となるように形成されている請求項1〜のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項11】
前記負極タブ部の幅は、前記巻回電極体の幅の1/4以上且つ1/2以下である請求項1〜10のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項12】
前記負極タブ部はずれた状態で積層されることにより、各前記負極タブ部の端部により形成される負極段状部が形成され、
前記負極段状部に負極集電体が接続された請求項1〜11のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項13】
前記巻回軸が延びる方向に沿って見たとき、
前記巻回電極体において前記正極タブ部が設けられた位置は、前記巻回電極体の厚み方向に対して垂直であり前記巻回軸を通る面に対して、一方側と他方側で非対称であり、
前記巻回電極体において前記負極タブ部が設けられた位置は、前記巻回電極体の厚み方向に対して垂直であり前記巻回軸を通る面に対して、一方側と他方側で非対称である、
請求項1〜12のいずれかに記載の二次電池。
【請求項14】
前記正極タブ部が、前記正極集電体と集電体受け部品とで挟み込まれた請求項1〜13のいずれかに記載の二次電池。
【請求項15】
前記集電体受け部品の端部には折り曲げ部が形成された請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
前記負極集電体は、ベース部と、前記ベース部の端部から折り曲げられた接続部とを有し、
前記ベース部に前記負極端子が溶接接続され、
前記接続部に前記負極タブ部が接続された請求項1〜15のいずれかに記載の二次電池。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の角形二次電池を複数備えた組電池であって、
一対のエンドプレートと、
前記一対のエンドプレートを連結するバインドバーと、を有し、
複数の前記角形二次電池は、前記一対のエンドプレートの間に、それぞれの大面積側壁が平行になる向きで積層され、
一方の側面に、各前記角形二次電池の前記正極端子及び前記負極端子が配置され、
他方の側面に、各前記角形二次電池の各前記角形外装体の底部が配置されている組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は角形二次電池及びそれを用いた組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の駆動用電源において、アルカリ二次電池や非水電解質二次電池等の二次電池が使用されている。これらの用途では、高容量ないし高出力特性が要求されるので、多数の角形二次電池が直列ないし並列に接続された組電池として使用される。
【0003】
これらの角形二次電池では、開口部を有する有底筒状の角形外装体と、その開口部を封口する封口板により電池ケースが形成される。電池ケース内には、正極板、負極板及びセパレータからなる電極体が電解液と共に収納される。封口板には正極端子及び負極端子が固定される。正極端子は正極集電体を介して正極板に電気的に接続され、負極端子は負極集電体を介して負極板に電気的に接続される。
【0004】
正極板は、金属製の正極芯体と、正極芯体表面に形成された正極活物質層を含む。正極芯体の一部には正極活物質層が形成されない正極芯体露出部が形成される。そして、この正極芯体露出部に正極集電体が接続される。また、負極板は金属製の負極芯体と、負極芯体表面に形成された負極活物質層を含む。負極芯体の一部には負極活物質層が形成されない負極芯体露出部が形成される。そして、この負極芯体露出部に負極集電体が接続される。
【0005】
例えば特許文献1においては、一方の端部に巻回された正極芯体露出部を有し、他方の端部に巻回された負極芯体露出部を有する巻回電極体を用いた角形二次電池が提案されている。また、特許文献2においては、一方の端部に正極芯体露出部及び負極芯体露出部が設けられた巻回電極体を用いた角形二次電池が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−032640号公報
【特許文献2】特開2008−226625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車載用二次電池、特にEVやPHEV等に用いられる二次電池に関しては、より体積エネルギー密度が高く電池容量の大きな二次電池の開発が求められる。上記特許文献1に開示されている角形二次電池の場合、電池ケース内には、巻回された正極芯体露出部及び巻回された負極芯体露出部が配置される左右のスペース、及び封口板と巻回電極体の間の上部のスペースが必要であり、二次電池の体積エネルギー密度を増加させることが困難である原因となっている。
【0008】
これに対し、上記特許文献2に開示されている角形二次電池のように、一方の端部に正極芯体露出部及び負極芯体露出部が設けられた巻回電極体を用いること、体積エネルギー密度の高い角形二次電池が得られ易くなる。
【0009】
しかしながら、上記特許文献2に開示されている角形二次電池では、特許文献1に開示されている角形二次電池よりも、集電部の構造が複雑になり易い。
【0010】
本発明は、高い体積エネルギー密度を有する高容量の角形二次電池及びそれを用いた組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの形態に係る角形二次電池は、
正極板と負極板とをセパレータを介して巻回した扁平状の巻回電極体と、
開口部を有し、前記巻回電極体を収納する角形外装体と、
前記開口部を封口する封口板と、
前記正極板に電気的に接続され前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記正極板と前記正極端子を電気的に接続する正極集電体と、
前記負極板に電気的に接続され前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記負極板と前記負極端子を電気的に接続する負極集電体と、
を備えた角形二次電池であって、
前記巻回電極体は、前記巻回電極体の巻回軸が延びる方向における一方の端部に、正極タブ部及び負極タブ部を有し、
少なくとも2つの前記巻回電極体が、それぞれの前記巻回軸が前記封口板に対して垂直な方向に配置され、前記正極タブ部及び前記負極タブ部が前記封口板側に位置するように、前記角形外装体内に収納されている。
【0012】
このような構成によると、巻回軸が延びる方向における一方端部側に正極タブ部及び負極タブ部が形成された扁平状の巻回電極体を用い、正極タブ部及び負極タブ部を封口板側に配置することにより、電池ケース内において発電に関与しないスペースを削減することができる。したがって、より体積エネルギー密度の高く電池容量の大きな角形二次電池が得られる。
【0013】
更に、角形外装体に収納される扁平状の巻回電極体を、複数個とすることにより、正極タブ部と正極集電体との接続部及び負極タブ部と負極集電体の接続部をより簡単な構成とすることが可能となる。
【0014】
なお、正極集電体と正極端子を一つの部品とすることも可能である。負極集電体と負極端子を一つの部品とすることも可能である。また、正極集電体と正極端子とが、他の導電部材を介して電気的に接続されていてもよい。負極集電体と正極端子とが、他の導電部材を介して電気的に接続されていてもよい。
【0015】
前記角形外装体は、底部と、一対の大面積側壁と、一対の小面積側壁と、を有し、
前記小面積側壁の面積は前記大面積側壁の面積よりも小さく、
前記底部の面積は前記小面積側壁の面積よりも小さいことが好ましい。
【0016】
このような構成によると、角形外装体と封口板により形成される電池ケースの6つの外面のうち、底部と封口板の面が他の4つの面よりも面積が小さくなる。よって、巻回電極体と封口板の間に形成され、正極タブ部、負極タブ部、正極電体及び負極集電体等が配置されるスペースを小さくすることが可能となる。したがって、より体積エネルギー密度の高い角形二次電池となる。
【0017】
前記正極板は、正極芯体と、前記正極芯体上に形成された正極活物質層を有し、
前記正極芯体は前記正極活物質層が形成されていない正極芯体露出部を有し、
前記負極板は、負極芯体と、前記負極芯体上に形成された負極活物質層を有し、
前記負極芯体は前記負極活物質層が形成されていない負極芯体露出部を有し、
前記正極タブ部は前記正極芯体露出部であり、
前記負極タブ部は前記負極芯体露出部であることが好ましい。
【0018】
正極タブ部は正極芯体から構成されることが好ましい。また、負タブ部は負芯体から構成されることが好ましい。なお、正極タブ部及び負極タブ部はそれぞれ、正極芯体ないし負極芯体に接続された芯体と別の部品とすることもできる。例えば、タブ部としてアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、あるいはニッケル合金等などからなる金属板を用いることが可能である。
【0019】
前記正極タブ部は直線部と曲線部を有し、
前記負極タブ部は直線部と曲線部を有することが好ましい。
【0020】
前記正極板の幅方向における一方の端部には、略同じ幅を有する前記正極タブ部が、略等間隔となるように形成されていることが好ましい。
【0021】
なお、正極タブ部の幅とは、正極板を展開した状態において、正極板の長手方向に沿った正極タブ部の幅を意味する。また、正極タブ部間の間隔とは、正極板を展開した状態において、正極板の長手方向に沿った正極タブ部間の距離を意味する。略同じ幅とは、各正極タブ部の幅がプラスマイナス10%の範囲内にあればよい。各正極タブ部の幅がプラスマイナス5%の範囲内にあることが好ましい。また、略等間隔とは、各正極タブ部間の間隔がプラスマイナス10%の範囲内にあればよい。各正極タブ部間の間隔が各正極タブ部の幅がプラスマイナス5%の範囲内にあることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、正極板内での充放電反応がより均一となる。また、容易に正極板を作製することができる。
【0023】
前記正極タブ部の幅は、前記巻回電極体の幅の1/4以上且つ1/2以下であることが好ましい。
【0024】
ここで、巻回電極体の幅とは、巻回軸に対して垂直であり、且つ巻回電極体の厚み方向に対して垂直な方向の幅である。
【0025】
前記正極タブ部はずれた状態で積層されることにより、各前記正極タブ部の端部により形成される正極段状部が形成され、
前記正極段状部に正極集電体が接続されていることが好ましい。
【0026】
前記負極板の幅方向における一方の端部には、略同じ幅を有する前記負極タブ部が、略等間隔となるように形成されていることが好ましい。
【0027】
なお、負極タブ部の幅とは、負極板を展開した状態において、負極板の長手方向に沿った負極タブ部の幅を意味する。また、負極タブ部間の間隔とは、負極板を展開した状態において、負極板の長手方向に沿った負極タブ部間の距離を意味する。略同じ幅とは、各負極タブ部の幅がプラスマイナス10%の範囲内にあればよい。各負極タブ部の幅がプラスマイナス5%の範囲内にあることが好ましい。また、略等間隔とは、各負極タブ部間の間隔がプラスマイナス10%の範囲内にあればよい。各負極タブ部間の間隔が各負極タブ部の幅がプラスマイナス5%の範囲内にあることが好ましい。
【0028】
このような構成によると、負極板内での充放電反応がより均一となる。また、容易に負極板を作製することができる。
【0029】
前記負極タブ部の幅は、前記巻回電極体の幅の1/4以上且つ1/2以下であることが
好ましい。
【0030】
前記負極タブ部はずれた状態で積層されることにより、各前記負極タブ部の端部により形成される負極段状部が形成され、
前記負極段状部に負極集電体が接続されていることが好ましい。
【0031】
本発明の一つの形態に係る組電池は、
複数の前記角形二次電池と、
一対のエンドプレートと、
前記一対のエンドプレートを連結するバインドバーと、を有し、
前記複数の角形二次電池は、前記一対のエンドプレートの間に、それぞれの大面積側壁が平行になる向きで積層され、
一方の側面に、各前記角形二次電池の前記正極端子及び前記負極端子が配置され、
他方の側面に、各前記角形二次電池の各前記角形外装体の底面が配置されている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、高い体積エネルギー密度を有する高容量の角形二次電池及びそれを用いた組電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態に係る角形二次電池の斜視図である。
図2図1のII−II線に沿った断面図である。
図3図1のIII−III線に沿った断面図である。
図4図1のIV−IV線に沿った断面図である。
図5図1のV−V線に沿った断面図である。
図6】実施形態に係る正極板の平面図である。
図7】実施形態に係る負極板の平面図である。
図8】実施形態に係る巻回電極体を巻回軸が延びる方向に沿って見た図である。
図9】集電体の斜視図である。
図10】タブ部と集電体の接続工程を示す図である。
図11】タブ部と集電体の接続部を示す図である。
図12】参考例に係る角形二次電池に用いる巻回電極体の図である。
図13】実施形態に係る角形二次電池に用いる巻回電極体の図である。
図14】変形例の集電体の斜視図である。
図15】変形例の集電体の斜視図である。
図16】変形例の集電体の斜視図である。
図17】変形例の集電体の斜視図である。
図18】変形例の角形二次電池におけるタブ部と集電体の接続工程を示す図である。
図19】変形例の角形二次電池におけるタブ部と集電体の接続工程を示す図である。
図20】変形例に係る正極板及び負極板の平面図である。
図21】変形例に係る巻回電極体を示す図である。
図22】変形例に係る角形二次電池の電流遮断機構の断面図である。
図23】電流遮断機構に用いる集電体の斜視図である。
図24】実施の形態に係る組電池の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施形態に係る角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0035】
図1〜5に示すように、角形二次電池20は、開口部を有する角形外装体1と、当該開口部を封口する封口板2を備える。角形外装体1及び封口板2により電池ケースが構成される。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることができる。角形外装体1は、底部1a、一対の大面積側壁1b及び一対の小面積側壁1cを有する。角形外装体1は、底部と対向する位置に開口部を有する角形の有筒状の外装体である。角形外装体1内には、正極板と負極板とがセパレータ(いずれも図示省略)を介して巻回された扁平状の巻回電極体3が電解質と共に収容される。正極板は、金属製の正極芯体上に正極活物質を含む正極活物質層が形成されている。正極板の幅方向の端部には、正極芯体が露出する正極芯体露出部4bが形成されている。なお、正極芯体としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を用いることが好ましい。負極板は、金属製の負極芯体上に負極活物質を含む負極活物質層が形成されている。負極板の幅方向の端部には、負極芯体が露出する負極芯体露出部5bが形成されている。なお、負極芯体としては銅箔又は銅合金箔を用いることが好ましい。角形二次電池20では、正極芯体露出部4bが正極タブ部4cを構成し、負極芯体露出部5bが負極タブ部5cを構成している。
【0036】
図2〜4に示すように、角形外装体1には、2つの扁平状の巻回電極体3が、その巻回軸が延びる方向が、封口板2に対して垂直になるように配置されている。そして、各巻回電極体3の正極芯体露出部4b及び負極芯体露出部5bが封口板2側に位置している。また、各巻回電極体3の正極芯体露出部4b同士が同じ側(図2において上側)に位置し、各巻回電極体3の負極芯体露出部同士5bが同じ側(図2において下側)に位置している。
【0037】
巻回電極体3において巻回軸が延びる方向の一方端側には、積層された正極芯体露出部4b及び積層された負極芯体露出部5bが設けられている。積層された正極芯体露出部4bに正極集電体6が溶接されて溶接部30が形成されている。そして、この正極集電体6に正極端子7が電気的に接続されている。積層された負極芯体露出部5bに負極集電体8が溶接されて溶接部30が形成されている。そして、この負極集電体8に負極端子9が電気的に接続されている。
【0038】
正極端子7及び正極集電体6はそれぞれ絶縁部材10、ガスケット11を介して封口板2に固定される。負極端子9及び負極集電体8はそれぞれ絶縁部材12、ガスケット13を介して封口板2に固定される。ガスケット11、13は、封口板2と各端子7、9の間にそれぞれ配置されている。絶縁部材10、12は、封口板2と各集電体6、8の間にそれぞれ配置されている。なお、ガスケット及び絶縁部材はそれぞれ、絶縁性の樹脂部材からなることが好ましい。巻回電極体3は箱状に折り曲げられた絶縁シート14に覆われた状態で角形外装体1内に収容される。絶縁シート14は、巻回電極体3を覆い巻回電極体3と角形外装体1の間に配置されている。封口板2は角形外装体1の開口縁部にレーザ溶接等により溶接接続される。封口板2は電解液注液孔15を有し、この電解液注液孔15は注液後、封止栓16により封止される。封口板2には電池内部の圧力が高くなった場合にガスを排出するためのガス排出弁17が形成されている。
【0039】
角形二次電池20の大きさは、例えば、幅(封口板2に対して垂直な方向の長さ。図1において左右方向の長さ。)が18cm、厚さ(図1において前後方向の長さ)が3cm、高さ(封口板2に対して平行で且つ角形二次電池20の厚み方向に対して垂直な方向の長さ。図1において上下方向の長さ。)が9cmとすることができる。
なお、本発明は、角形二次電池の高さに対する幅の割合が、2以上のときに特に効果的である。本発明は、角形二次電池の高さが10cm以下であり、角形二次電池の幅が17cm以上の場合特に有効である。また、本発明は、電池容量が30Ah以上の場合特に有
効である。なお、電池容量の値は、設計容量即ち電池の製造業者が規定する公称容量の値とすることができる。
【0040】
次の角形二次電池20の製造方法について説明する。
【0041】
[正極板の作製]
正極活物質としてのコバルト酸リチウム、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電材としての炭素材料、及びN−メチルピロリドン(NMP)を含む正極スラリーを作製する。この正極スラリーを、正極芯体である厚さ15μmの矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、正極スラリー中のN−メチルピロリドンを取り除き、正極芯体上に正極活物質層を形成する。その後、正極活物質層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた正極板を、幅方向の一方の端部に所定幅の正極芯体露出部が、所定の間隔で形成されるように裁断する。
【0042】
図6に示すように、このようにして得られた正極板4は、正極芯体上に正極活物質層4aが形成されている。そして、幅方向の一方の端部に所定幅の正極芯体露出部4bが所定間隔をおいて形成されている。なお、この正極芯体露出部4bが正極タブ部4cを構成している。
【0043】
ここで、各正極タブ部4cの幅W1はいずれも40mmとしている。また、各正極タブ部4c間の間隔W2はいずれも120mmとしている。なお、正極タブ部4cの幅W1とは、正極板の長手方向における幅である。
【0044】
[負極板の作製]
負極活物質としての黒鉛、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び水を含む負極スラリーを作製する。この負極スラリーを、負極芯体である厚さ8μmの矩形状の銅箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、負極スラリー中の水を取り除き、負芯体上に負極活物質層を形成する。その後、負極活物質層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた負極板を、幅方向の一方の端部に所定幅の負極芯体露出部が、所定の間隔で形成されるように裁断する。
【0045】
図7に示すように、このようにして得られた負極板5は、負極芯体上に負極活物質層5aが形成されている。そして、幅方向の一方の端部に所定幅の負極芯体露出部5bが所定間隔をおいて形成されている。なお、この負極芯体露出部5bが負極タブ部5cを構成している。なお、負極板5においては、幅方向の他方の端部にも負極芯体露出部5bが形成されている。
【0046】
ここで、各負極タブ部5cの幅W3はいずれも40mmとしている。また、各負極タブ部5c間の間隔W4はいずれも120mmとしている。なお、負極タブ部の幅W3とは、負極板5の長手方向における幅である。
【0047】
なお、正極タブ部4cの幅W1、正極タブ部4c間の間隔W2、巻回電極体3の直線部の長さL、巻回電極体3の曲線部の半径Rの関係は、W1+W2>2Lとすることが好ましい。また、W1+2πR<Lとし、正極板の巻き始めの位置を0°としたとき、負極板の巻き始めの位置が180〜270°とすることが好ましい。
【0048】
また、負極タブ部5cの幅W2、負極タブ部5c間の間隔W4、巻回電極体3の直線部の長さL、巻回電極体3の曲線部の半径Rの関係は、W3+W4>2Lとすることが好ましい。
【0049】
[巻回電極体]
上述の方法で得られた正極板4と負極板5を、正極タブ部4cと負極タブ部5cが重ならないようにずらして、ポリエチレン製の多孔質セパレータを間に介在させて積層、巻回し、プレスすることにより扁平状の巻回電極体3とする。
【0050】
図8は巻回電極体3において正極タブ4c及び負極タブ5cが形成される側の面を示す図である。図8に示すように、巻回電極体3において、巻回軸が延びる方向の一方の端部側に、正極タブ部4cと負極タブ部5cが配置される。そして、幅方向(巻回電極体3の巻回軸が延びる方向に対して垂直で、且つ巻回電極体3の厚み方向に対して垂直な方向)の一方側に正極タブ4cが積層され、他方側に負極タブ部5cが積層された状態となる。
【0051】
正極タブ部4c及び負極タブ部5cはそれぞれ巻回電極体3の直線部(平端部)に配置される直線部31と、巻回電極体3の曲線部(湾曲部)に配置される曲線部32を有する。また、各正極タブ部4cは巻き始めから巻き終りにかけて少しずつずれるようにして配置され、積層されている。また、各負極タブ部5cも巻き始めから巻き終りにかけて少しずつずれるようにして配置され、積層されている。そのため、積層された正極タブ部4cには、各正極タブ部4cの端部により形成される段状部33が形成されている。また、積層された負極タブ部5cには、各負極タブ部5cの端部により形成される段状部33が形成されている。
【0052】
このようにして作製された巻回電極体3を2つ用意し、それぞれの正極タブ部4cと負極タブ部5cが同じ側に配置されるようにして、絶縁テープにより2つの巻回電極体3を一纏まりに固定する。なお、巻回電極体3は少なくとも2つ用いればよく、その数は特に限定されない。また、複数個の巻回電極体3は必ずしも固定する必要はないが、一纏まりに固定されることが好ましい。固定方法は特に限定されず、絶縁テープにより固定しても良いし、袋状ないし箱状に成形された絶縁シート内に配置することにより一纏まりにしてもよい。
【0053】
[封口板、集電体及び端子の組み立て]
図1及び図2に示すように、封口板2の長手方向における一方端側において、封口板2の電池外部側にガスケット11が、封口板2の電池内部側に絶縁部材10が配置される。正極端子7はフランジ部7a及び挿入部7bを有する。正極端子7はガスケット11上に配置され、正極集電体6は絶縁部材10の下面上に配置される。ガスケット11、封口板2、絶縁部材10及び正極集電体6にはそれぞれ貫通穴が形成されており、これらの貫通穴に電池外部側から正極端子7を挿入し、正極端子7の先端を加締めることにより、正極端子7、ガスケット11、封口板2、絶縁部材10及び正極集電体6が一体的に固定される。なお、正極端子7において加締められた部分と正極集電体6をレーザ溶接等により溶接することが好ましい。
【0054】
封口板2の長手方向における他方端側において、封口板2の電池外部側にガスケット13が、封口板2の電池内部側に絶縁部材12が配置される。負極端子9はフランジ部9a及び挿入部9bを有する。そして、負極端子9はガスケット13上に配置され、負極集電体8は絶縁部材12の下面上に配置されている。ガスケット13、封口板2、絶縁部材12及び負極集電体8にはそれぞれ貫通穴が形成されており、これらの貫通穴に電池外部側から負極端子9を挿入し、負極端子9の先端を加締めることにより、負極端子9、ガスケット13、封口板2、絶縁部材12及び負極集電体8が一体的に固定される。なお、負極端子9において加締められた部分と負極集電体8をレーザ溶接等により溶接することが好ましい。
【0055】
図9に示す正極集電体6及び負極集電体8を用いる。正極集電体6を例に説明する。正極集電体6は、正極端子7が接続されるベース部6aと、ベース部6aの端部から巻回電極体3の方向に延びる接続部6bを有する。ベース部6aには、貫通穴6cが形成されている。正極端子7がこの貫通穴6cに挿入され、正極端子7の先端部がベース部6a上に加締められることにより、正極端子7と正極集電体6が接続される。接続部6bは、ベース部6aにおいて電池の厚み方向(図9中では手前側端部及び奥側端部)の両端部に設けられている。接続部6bには突起34が形成されている。また、接続部6bにはスリット35が形成されている。負極集電体8についても正極集電体6と同様の形状とすることができる。なお、正極集電体6及び負極集電体8は板状の金属部材を折り曲げ加工して形成することが好ましい。
【0056】
[集電体と巻回電極体の接続]
図10は、タブ部と集電体の接続工程を示す図であり、図2及び図3に対応する断面図である。図10に示すように、一方面側と他方面側のそれぞれにおいて正極集電体6の接続部6bに形成された突起34に積層された正極タブ部4cを配置する。そして、一対の抵抗溶接電極40で、積層された正極タブ部4c及び正極集電体6を挟み込んだ状態で、抵抗溶接電流を流し、抵抗溶接を行う。これにより、積層された正極タブ部4cと正極集電体6が溶接接続される。負極側についても同様の方法で負極タブ部5cと負極集電体8を溶接接続する。
【0057】
図9に示した正極集電体6ないし負極集電体8を用いる場合、まず、図9の左側の手前及び奥側の突起34が形成された部分について図10に記載の方法で溶接接続を行う。その後、図9の右側の手前及び奥側の突起34が形成された部分について図10に記載の方法で溶接接続を行う。このとき、図9に示すように、接続部6bにはスリット35が形成されているため、2箇所目の抵抗溶接の際に、既に抵抗溶接されている1箇所目の溶接部を経由する無効電流(抵抗溶接に関与しない電流)が生じることを抑制できる。なお、抵抗溶接の順番は、図9における左側、右側のいずれが先であってもよいし、同時に行ってもよい。負極側についても同様の方法とすることができる。
【0058】
また、図11に示すように、正極集電体6は正極タブ部4cの段状部33に溶接接続することができる。これにより、巻回電極体3の最外周に位置する正極タブ部4cのみでなく、巻回電極体3の内周側に位置する正極タブ部4cを正極集電体6により強固に接続できる。また、巻回電極体3の最外周に位置する正極タブ部4cのみでなく、巻回電極体3の内周側に位置する正極タブ部4cが正極集電体6に近い位置で溶接される。したがって、より均質に集電をすることができる。負極側についても同様の方法とすることができる。
【0059】
次に、正極集電体6及び負極集電体8に接続された巻回電極体3を、箱状に折り曲げられた絶縁シート14内に配置した状態で、角形外装体1に挿入する。そして、封口板2と角形外装体1の接合部をレーザ溶接により溶接し、角形外装体1の開口部を封口する。その後、封口板2に設けられた電解液注液孔15から非水電解液を注液し、封止栓16により電解液注液孔15を封止し、角形二次電池20を作製する。
【0060】
角形二次電池20においては、巻回電極体3において、正極タブ部4c及び負極タブ部5cがそれぞれ封口板2側に配置される構成となっている。したがって、角形外装体1内において、発電に関与しない部材が配置されるスペースを削減でき、体積エネルギー密度が高い角形二次電池となる。更に、角形二次電池20では、角形外装体1及び封口板2により構成される電池ケースの6面のうち最も小さい面積の面に封口板2を配置している。即ち、封口板2及び角形外装体1の底部1aの面積が、角形外装体1の4つの側壁(一対の大面積側壁1b及び一対の小面積側壁1c))よりも小さくなっている。これにより、
発電に関与しない部材が配置されるスペースを最小とすることができ、より体積エネルギー密度の高い電池となる。
【0061】
更に、角形二次電池20では、角形外装体1に収納される電極体を複数の扁平状の巻回電極体3としている。
【0062】
大容量(例えば、電池容量が30Ah以上)の角形二次電池を作製するとき、角形外装体1に収納される電極体が一つの巻回電極体である場合、巻回電極体は図12に示すように巻回数が大きく厚みの大きな巻回電極体となる。このような巻回電極体では、各正極タブ部4c同士、及び各負極タブ部5c同士の位置合わせが難しく、また、各正極タブ部4c及び各負極タブ部5cの幅を大きくすることも困難である。また、正極タブ部4cと負極タブ部5cが接触し易くなる虞がある。また、正極タブ部4cと正極集電体6の接続、負極タブ部5cと負極集電体8の接続が困難となる。
【0063】
これに対し、角形外装体1に収納される電極体を複数の扁平状の巻回電極体3とすることにより、各正極タブ部4c同士、各負極タブ部5c同士の位置あわせが行い易くなる。また、各正極タブ部4c及び各負極タブ部5cの幅を大きくしても、正極タブ部4cと負極タブ部5cの接触を容易に防止できる(図13参照)。よって、角形二次電池20のように、角形外装体1に収納される電極体を複数個に分割することにより、正極タブ部4cと負極タブ部5cの接触を防止しながらも、正極タブ部4c及び負極タブ部5cの幅を大きくすることにより集電効率が向上し、更に、振動等により正極タブ部4cないし負極タブ部5cが損傷・破損することを防止できる。よって、集電効率に優れ且つ信頼性の高い角形二次電池が得られる。
【0064】
<変形例1>
図14に変形例1に係る集電体を示す。正極集電体6(負極集電体8)において、接続部6b(8b)に設けられた突起34は、横方向に延びる線状の突起とすることができる。このような構成であると、溶接の際に突起34に対する抵抗溶接電極40の位置ずれを許容することが可能となる。したがって、より生産性と溶接品質に優れた集電構造となる。
【0065】
<変形例2>
図15に変形例2に係る集電体を示す。正極集電体6(負極集電体8)において、溶接部が形成される部分が手前側及び奥側にそれぞれ一箇所となるようにすることもできる。また、突起34を点状(正方形、円形、半球状 等)とすることもできる。また、ベース部6a(8a)が、角形二次電池20の厚み方向の幅が大きい幅広部6a1(8a1)と、角形二次電池20の厚み方向の幅が幅広部6a1(8a1)よりも小さい幅狭部6a2(8a2)を有する。そして、正極端子7(負極端子9)は、幅広部6a1(8a1)に接続されている。また、接続部6b(8b)は幅狭部6a2(8a2)の端部に形成されている。このような構成であると、ベース部6a(8a)において、正極端子7(負極端子9)が接続される部分を広くすることができるため、ベース部6a(8a)に正極端子7(負極端子9)接続する際の作業性が向上する。また、ベース部6a(8a)において、一対の接続部6b(8b)が両端に形成された領域を小さくできるため、抵抗溶接の際、一対の抵抗溶接電極で正極集電体6(負極集電体8)を挟み込んだときに、ベース部6a(8a)が変形することを抑制できる。
【0066】
<変形例3>
図16に変形例3に係る集電体を示す。このように、幅広部6a1(8a1)の両側に幅狭部6a2(8a2)を設けることができる。また、一方の幅狭部6a2(8a2)の両端にそれぞれ接続部6b(8b)を設け、他方の幅狭部6a2(8a2)の両端にそれ
ぞれ接続部6b(8b)を設けることができる。
【0067】
<変形例4>
図17に変形例4に係る集電体を示す。正極端子7(負極端子9)がベース部6a(8a)に予め溶接等により接続されていてもよい。このような集電体を用いる場合、正極端子7(負極端子9)を電池内部側から封口板2の貫通穴に挿入し、電池外部側に配置された外部導電部材上に正極端子7(負極端子9)をカシメ固定するようにする。
【0068】
<変形例5>
図18に変形例5に係る角形二次電池における正極集電体6と正極タブ部4cの接続工程を示す。図18に示すように、積層された正極タブ部4cにおいて、正極集電体6の接続部6bが配置される側とは反対側の外面に集電体受け部品41を配置することができる。集電体受け部品41は、正極タブ部4cに沿って配置される第1領域41aと、この第1領域41aにおいて巻回電極体3側の端部に形成された折り曲げ部41bを有する。折り曲げ部41bが形成されていると、抵抗溶接時にスパッタが生じたとしても、スパッタが巻回電極体3の発電部(正極板4と負極板5が積層された部分)側に飛散し、発電部が損傷することを防止できる。
【0069】
<変形例6>
図19に変形例6に係る角形二次電池における正極集電体6と正極タブ部4cの接続工程を示す。正極集電体6において一方側の接続部6bと他方側の接続部6bの間に、スペーサ42を配置することができる。これにより、一対の抵抗溶接電極40で、積層された正極タブ部4c及び正極集電体6の接続部6bを挟み込んだ際、正極集電体6が変形することを抑制できる。なお、スペーサ42は金属部材ないし樹脂部材とすることができる。スペーサ42は絶縁性の樹脂部材とすることが好ましい。また、スペーサ42は板状、ブロック状、柱状とすることができる。
【0070】
上述の実施形態及び変形例に記載の内容は、正極側及び負極側のいずれにも適用できる。
【0071】
上述の実施形態及び変形例では、正極タブ部と正極集電体の接続、負極タブ部と負極集電体の接続を抵抗溶接により行う例を示したが、他の方法により行うことも可能である。例えば、抵抗溶接の代わりに超音波溶接やレーザ等の高エネルギー線によ溶接等を用いることができる。
【0072】
<変形例7>
変形例に係る巻回電極体として以下の構成が考えられる。図20は正極板54(負極板55)の平面図である。正極板54(負極板55)は正極芯体(負極芯体)上の正極活物質層54a(55a)が形成されている。長手方向の両端には正極芯体露出部54b(負極芯体露出部55b)が形成されている。そして、正極芯体露出部54b(負極芯体露出部55b)にはそれぞれに正極タブ56(負極タブ57)が溶接等により接続されている。正極タブ56(負極タブ57)は、正極芯体(負極芯体)よりも厚みの厚い金属板であることが好ましい。
【0073】
このような正極板54及び負極板55をセパレータを介して巻回し、扁平状の巻回軸方向の一方の端部から正極タブ56及び負極タブ57がそれぞれ突出した扁平状の巻回電極体60とする(図21)。そして、このような扁平状の巻回電極体60を複数個用いて、角形二次電池を作製することができる。例えば、扁平状の巻回電極体60を図21の向きで、複数個積層して用いる。なお、このような場合、扁平状の巻回電極体60を4つ以上用いることが好ましい。このような扁平状の巻回電極体60を4つ以上用いることにより
、集電性の低下を抑制しながらも、体積エネルギー密度の高い角形二次電池とすることができる。
【0074】
なお、正極タブ56及び負極タブ57の幅X2及びX3はそれぞれ、扁平状の巻回電極体60の幅X1に対して1/4以上とすることが好ましい。これにより、内部抵抗を低減できるとともに、耐振動性の向上した角形二次電池とすることができる。また、耐振動性がより向上した角形二次電池とするためには、図20に示すように、正極タブ56(負極タブ57)が正極板54(負極板55)の幅方向において、一方の端部E1から中央線Cを越えて他方の端部E2側までは配置されていることが好ましい。これにより巻回電極体60が各正極タブ56及び各負極タブ57を介して封口板にしっかりと接続される。
【0075】
<電流遮断機構>
正極板と正極端子の間の導電経路、及び負極板と負極端子の間の導電経路のいずれかに、電池内圧の上昇に伴い作動し、正極板と正極端子の間の導電経路又は負極板と負極端子の間の導電経路を切断し電流を遮断する電流遮断機構を設けることができる。この場合、ガス排出弁の作動圧は、電流遮断機構の作動圧よりも大きい値とすることが好ましい。
【0076】
電流遮断機構としては、電池内圧の上昇に伴い変形する変形板と、変形板の変形に伴い破断する破断部を含む構成とすることが好ましい。そして、この破断部は正極集電体に形成することが好ましい。この場合、例えば、正極集電体を図15に記載の正極集電体6とすることができる。正極集電体6において、貫通穴6cの周囲に破断部として薄肉部やノッチ部を形成する。正極集電体6のベース部6aの上方に変形板を配置する。そして、貫通穴6cの周囲を変形板の下面にレーザ溶接等により溶接接続する。これにより、変形板が電池内圧の上昇に伴い上方へ変形したとき、ベース部6aに設けた薄肉部ないしノッチ部が破断し、導電経路が切断される。このような場合、正極タブ部4cと正極集電体6の接続は抵抗溶接により行うことが好ましい。これにより、正極タブ部4cと正極集電体6を超音波溶接する場合と比較し、振動等が破断部に悪影響を与えることを抑制できる。また、正極タブ部4cと正極集電体6をレーザ溶接する場合と比較し、スパッタ等が破断部に悪影響を与えることを抑制できる。また、幅広部6a1(8a1)が形成されていることにより、破断部が容易に形成できる。また、変形板とベース部6aの間に絶縁部材を配置し、この絶縁部材とベース部6aを固定する場合、幅広部6a1(8a1)において容易に固定することができる。その方法としては、例えば、幅広部6a1(8a1)に貫通穴や切欠き部を設け、絶縁部材に形成された突起を貫通穴や切欠き部に嵌合することが考えられる。また、ベース部において接続部6bが形成される部分が幅狭部6a2となっており、正極タブ部4cを接続部6bに接続する際、ベース部6aの変形が抑制されるため、破断部が損傷することを抑制できる。
【0077】
図22に電流遮断機構を備えた角形二次電池の断面図を示す。なお、この断面図は、図2の正極端子周辺の拡大図に対応する。絶縁部材10の下面に筒状部を有するカップ状の導電部材60が配置される。導電部材60は絶縁部材10側に貫通穴を有し、この貫通穴に正極端子7が挿入され正極端子7と接続されている。導電部材60は電池内部側に開口する。そしてこの開口を塞ぐように変形板61が配置されている。変形板61の周縁が導電部材60に溶接接続され、開口が変形板61により封止されている。変形板61の電池内部側の面には正極集電体6が接続されている。正極集電体6は貫通穴63を有し、この貫通穴63の縁部が変形板61と溶接接続されている。そして、この溶接接続された部分の周囲には薄肉部64が形成されている。また、薄肉部64には環状の溝部65が形成されている。電池内部の圧力が上昇すると、変形板61の中央部が封口板2側に浮き上がるように変形する。これに伴い、変形板61と正極集電体6の接続部が封口板2側に引っ張られ、環状の溝部65が破断する。これにより、正極板と正極端子7の導電経路が切断され、充電電流が遮断される。これにより過充電の更なる進行を防止できる。
【0078】
なお、変形板61と正極集電体6の間には樹脂製の絶縁板62が配置されている。絶縁板62は絶縁板10とラッチ固定されている(図示省略)。絶縁板62は固定用突起部67を有し、この突起部67が正極集電体6に形成された固定用貫通穴66に挿入され、先端部が拡径されている。これにより、絶縁板62と正極集電体6のベース部6aが接続固定されている。
【0079】
図23は、電流遮断機構に用いられる正極集電体6の斜視図である。なお、図22図23のZ−Z線に沿った断面図に対応する。正極集電体6はベース部6aと、ベース部6aから電極体に向かって延びる接続部6bを有する。ベース部6aは、角形二次電池の厚み方向(封口板の短辺方向)の幅が大きい幅広部6a1と、角形二次電池の厚み方向の幅が幅広部6a1よりも小さい幅狭部6a2を有する。そして、幅広部6a1において、ベース部6aは変形板61と接続されている。また、幅広部6a1において、ベース部6aは絶縁板62と固定されている。接続部6bは幅狭部6a2に設けられている。
【0080】
このような電流遮断機構であると、正極集電体6の接続部6bに正極タブ部4cを溶接接続する際に、ベース部6aに設けられた脆弱部(破断予定部)や変形板61とベース部6aの接続部に悪影響が及ぶことを抑制できる。例えば、接続部6bと正極タブ部4cの溶接時に発生するスパッタが脆弱部や接続部に飛散することを抑制できる。あるいは、接続部6bと正極タブ部4cを溶接する際の応力により、ベース部6aにおいて脆弱部や接続部の周辺が変形することが抑制される。なお、幅広部6a1の幅W1と幅狭部6a2の幅W2の関係はW1/W2≧3/2以上とすることが好ましい。
【0081】
なお、このような構成の電流遮断機構は、角形外装体に収納される電極体が一つの巻回電極体である場合も効果的である。また、このような構成の電流遮断機構は、角形外装体に収納される電極体が積層型電極体の場合でも効果的である。
【0082】
角形二次電池20を複数個用いた組電池としては、以下の構成とすることができる。
【0083】
図24に示すように、組電池50では、一対のエンドプレート51の間に複数個の角形二次電池20が、それぞれの大面積側壁が平行になる向きで積層される。一対のエンドプレート51はバインドバー52により連結されている。なお、エンドプレートとバスバーはボルトやリベット等と用いて、あるいは溶接等により接続される。各角形二次電池20の間には絶縁性のセパレータ53が配置されている、セパレータ53は樹脂製であることが好ましい。そして、組電池50において、一方の側面(図24では手前側の側面)に、各角形二次電池20の正極端子7及び負極端子9が配置されるようにする。隣接する角形二次電池20同士の端子間はバスバー54により接続されている。そして他方の側面(図24では奥側の側面)に、各角形二次電池20の底部が配置されるようにする。そして、組電池50の上面と下面に、各角形二次電池20の小面積側壁が配置されるようにする。このような構成とすることにより、高さが低く、且つ体積エネルギー密度の非常に高い組電池となる。そして、このような組電池50を、図24に記載の向きで車両に登載することにより、内の居住性が大幅に改善された車両となる。
【0084】
なお、組電池50の底面には、内部に冷却媒体が流れる冷却板55が配置されており、この冷却板により各角形二次電池20が冷却されるようにすることが好ましい。なお、冷却媒体は、気体であってもよいし、液体であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1・・・角形外装体 1a・・・底部 1b・・・大面積側壁 1c・・・小面積側壁
2・・・封口板
3・・・巻回電極体
4・・・正極板
4a・・・正極活物質層 4b・・・正極芯体露出部 4c・・・正極タブ部
5・・・負板
5a・・・負極活物質層 5b・・・負極芯体露出部 5c・・・負極タブ部
6・・・正極集電体
6a・・・ベース部 6b・・・接続部 6c・・・貫通穴
7・・・正極端子
7a・・・フランジ部 7b・・・挿入部
8・・・負極集電体
8a・・・ベース部 8b・・・接続部 8c・・・貫通穴
9・・・負極端子
9a・・・フランジ部 9b・・・挿入部
10、12・・・絶縁部材
11、13・・・ガスケット
14・・・絶縁シート
15・・・電解液注液孔
16・・・封止栓
17・・・ガス排出弁
20・・・角形二次電池
30・・・溶接部
31・・・直線部
32・・・曲線部
33・・・段状部
34・・・突起
35・・・スリット
40・・・抵抗溶接電極
41・・・集電体受け部品
42・・・スペーサ
50・・・組電池
51・・・エンドプレート
52・・・バインドバー
53・・・セパレータ
54・・・バスバー
55・・・冷却板
60・・・導電部材
61・・・変形板
62・・・絶縁板
63・・・貫通穴
64・・・薄肉部
65・・・溝部
66・・・固定用貫通穴
67・・・固定用突起
図1
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図3
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図5
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