(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したバッテリーモジュール(電池モジュール)においては、複数の電池セルの電極端子が配列される位置の上部に、例えばハーネス等を取り回すスペースを形成する場合がある。その場合、電極端子にバスバーを締結するに際して、電極端子とバスバーとの間に、スペーサとして機能する導電部材を介在させることが考えられる。この場合、電極端子と当該導電部材との締結、及び、導電部材とバスバーとの締結といったように、電極端子とバスバーとの間に複数の締結箇所が生じ得る。このとき、複数の締結箇所の締結状態をなるべく簡単な構成により検出することが望まれる。
【0005】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、複数の締結箇所の締結状態を簡単な構成により検出可能な電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る電池モジュールは、電極端子が突設された電池セルと、電極端子に電気的に接続されるバスバーと、一端部及び他端部と、一端部と他端部との間の中間部と、を含み、一端部において電極端子に締結されると共に他端部においてバスバーに締結されることにより、電極端子とバスバーとの間の導電経路を形成する導電部材と、一端部又は他端部に締結され、電極端子と一端部との締結状態、及び、他端部とバスバーとの締結状態を検出するための検出端子と、を備える。
【0007】
この電池モジュールは、電極端子とバスバーとの両方に締結されることにより、電極端子とバスバーとの間の導電経路を形成する導電部材を備えている。電極端子は、導電部材の一端部に締結され、バスバーは導電部材の他端部に締結される。したがって、電極端子上には、導電部材の中間部の高さに相当するスペースが形成される。一方、電極端子とバスバーとの間に導電部材を介在させることにより、電極端子と導電部材の一端部との締結、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結といったように、複数(ここでは2つ)の締結箇所が生じる。これに対して、この電池モジュールにおいては、それぞれの締結箇所の締結状態を検出するための検出端子を導電部材の一端部又は他端部に締結する。これにより、簡単な構成により複数の締結箇所の締結状態を検出することが可能となる。
【0008】
本発明に係る電池モジュールにおいては、他端部は、円柱状に形成されており、中間部は、他端部よりも大きな柱状に形成されており、一端部、他端部、及び、中間部は、互いに一体に形成されており、他端部は、他端部と中間部との間の段差部にバスバーを配置した状態においてナットが螺合されることによりバスバーに締結され、検出端子は、段差部とバスバーとの間に介在されていてもよい。ここでは、一体的に構成された導電部材の一端部が電極端子に締結され、他端部がナットの螺合によりバスバーに締結される。この場合、導電部材の他端部と中間部との段差部とバスバーとの間に検出端子を介在させれば、単一の検出端子によって、導電部材の一端部と電極端子との間の締結状態、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、検出端子がバスバーよりも電極端子側に配置される。このため、検出端子の配線の取り回しが容易であり、組付け性が損なわれ難い。
【0009】
本発明に係る電池モジュールにおいては、他端部は、円柱状に形成されており、中間部は、他端部よりも大きな柱状に形成されており、一端部、他端部、及び、中間部は、互いに一体に形成されており、他端部は、他端部と中間部との間の段差部にバスバーを配置した状態においてナットが螺合されることによりバスバーに締結され、検出端子は、バスバーとナットとの間に介在されていてもよい。ここでは、一体的に構成された導電部材の一端部が電極端子に締結され、他端部がナットの螺合によりバスバーに締結される。この場合、バスバーとナットとの間に検出端子を介在させれば、単一の検出端子によって、導電部材の一端部と電極端子との間の締結状態、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、検出端子がバスバーよりも電極端子から離れて配置される。このため、検出端子が、電極端子とバスバーとの間の導電経路に影響を及ぼし難い。
【0010】
本発明に係る電池モジュールにおいては、電極端子には、第1のネジ孔が形成されており、一端部は、第1のネジ孔に螺合されることにより電極端子に締結されてもよい。或いは、本発明に係る電池モジュールにおいては、導電部材の一端部側の一端面には、第2のネジ孔が形成されており、一端部は、第2のネジ孔に電極端子が螺合されることにより電極端子に締結されてもよい。これらのように、導電部材の一端部を雄ネジとしてもよいし雌ネジとしてもよい。
【0011】
本発明に係る電池モジュールにおいては、導電部材の一端部側の一端面には、第2のネジ孔が形成されており、導電部材の他端部側の他端面には、第3のネジ孔が形成されており、一端部、他端部、及び、中間部は、互いに一体に形成されており、一端部は、第2のネジ孔に電極端子が螺合されることにより電極端子に締結され、他端部は、他端面上にバスバーを配置した状態において第3のネジ孔にボルトが螺合されることによりバスバーに締結され、検出端子は、バスバーと他端面との間に介在されていてもよい。このように、導電部材の一端部及び他端部を雌ネジとした場合であっても、導電部材の他端部側の端面とバスバーとの間に検出端子を介在させれば、単一の検出端子によって、導電部材の一端部と電極端子との間の締結状態、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、検出端子がバスバーよりも電極端子側に配置される。このため、検出端子の配線の取り回しが容易であり、組付け性が損なわれ難い。
【0012】
本発明に係る電池モジュールにおいては、導電部材の一端部側の一端面には、第2のネジ孔が形成されており、導電部材の他端部側の他端面には、第3のネジ孔が形成されており、一端部、他端部、及び、中間部は、互いに一体に形成されており、一端部は、第2のネジ孔に電極端子が螺合されることにより電極端子に締結され、他端部は、他端面上にバスバーを配置した状態において第3のネジ孔にボルトが螺合されることによりバスバーに締結され、検出端子は、バスバーとボルトの頭部との間に介在されていてもよい。この場合にも、単一の検出端子によって、導電部材の一端部と電極端子との間の締結状態、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、検出端子がバスバーよりも電極端子から離れて配置される。このため、検出端子が、電極端子とバスバーとの間の導電経路に影響を及ぼし難い。
【0013】
本発明に係る電池モジュールにおいては、導電部材は、中間部を構成する筒状部材と、一端部及び他端部を構成し筒状部材に挿通された棒状部材と、を有してもよい。この場合、棒状部材によって、電極端子とバスバーとの間の締結を実現しつつ、筒状部材によって、電極端子とバスバーとの間の導電経路を形成可能である。つまり、棒状部材を締結の強度が確保可能な材料により構成する一方で、筒状部材を導電性の高い材料により構成することが可能となる。
【0014】
本発明に係る電池モジュールにおいては、棒状部材は、棒状部材の延在方向に沿って筒状部材に対して移動可能なように筒状部材に挿通されており、他端部は、他端部と中間部との間の段差部にバスバーを配置した状態においてナットが螺合されることによりバスバーに締結され、検出端子は、一端部と中間部との間の段差部と、電極端子との間に介在されていてもよい。この場合、検出端子を導電部材の一端部と中間部との間の段差部に介在させれば、単一の検出端子によって、導電部材の一端部と電極端子との間の締結状態、及び、導電部材の他端部とバスバーとの締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、検出端子がより電極端子に近い位置に配置されるので、組付け性がより損なわれ難い。
【0015】
本発明に係る電池モジュールにおいては、検出端子は、電圧検出端子であってもよい。この場合、例えば、締結状態の検出に加えて、電圧等の電池セルの特性に関する情報を取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の締結箇所の締結状態を簡単な構成により検出可能な電池モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る電池モジュールの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0019】
図1は、本実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。
図2は、
図1に示された電池モジュールの断面図である。特に、
図2の(a)は、
図1のIIa−IIa線に沿った断面図である。また、
図2の(b)は、
図1のIIb−IIb線に沿った部分断面図である。
図1,2に示されるように、電池モジュール1は、所定の方向に沿って積層された複数(ここでは7つ)の電池セル10と、電池セル10のそれぞれを個別に保持する複数(ここでは7つ)のセルホルダ20と、電池セル10の積層方向に沿って電池セル10を拘束する拘束部材30と、電池セル10に接続された複数のバスバー41,42,43と、を備える。
【0020】
電池セル10は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。電池セル10は、直方体状を呈する中空のケース12と、ケース12内に収容された電極組立体13と、を備えている。ケース12は、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。ケース12は、互いに対向する頂面12a及び底面12bと、互いに対向する側面12c,12dと、互いに対向する側面12e,12fと、を有する。側面12c,12dは、電池セル10の積層方向(所定の方向)に交差する面である。側面12e,12fは、電池セル10の積層方向に沿った面である。
【0021】
ケース12の内部には、例えば有機溶媒系又は非水系の電解液が注入されている。ケース12の頂面12aには、正極端子15と負極端子16とが互いに離間して配置されている。正極端子15は、絶縁リング(不図示)を介してケース12の頂面12aに固定されている。負極端子16は、絶縁リング(不図示)を介してケース12の頂面12aに固定されている。つまり、電池セル10は、ケース12の頂面12aに突設された電極端子(正極端子15及び負極端子16)を有する。
【0022】
電極組立体13は、例えば、正極13pと、負極13nと、正極13pと負極13nとの間に配置された袋状のセパレータ(不図示)と、によって構成されている。電極組立体13においては、例えば、正極13pがセパレータ内に収容されており、その状態で正極13pと負極13nとがセパレータを介して交互の積層されている。正極13pは、タブ13t及び集電部材Aを介して正極端子15に接続されている。負極13nは、タブ13t及び集電部材Aを介して負極端子16に接続されている。なお、電極組立体13における正極13p及び負極13nの積層方向は、電池セル10の積層方向と一致している。
【0023】
セルホルダ20は、互いに対向する一対の側壁部20c,20dと底壁部20bと、を含む。側壁部20c,20dは、長方形板状を呈している。底壁部20bは、長方形板状を呈しており、側壁部20c,20dの長手方向の端部において側壁部20cと側壁部20dとを互いに接続している。側壁部20c,20dは、それぞれ、電池セル10を保持したときにケース12の側面12c,12d上に配置される。同様に、底壁部20bは、ケース12の底面12b上に配置される。セルホルダ20には、後述する拘束部材30のボルト32が挿通される複数(ここでは4つ)の貫通孔21が設けられている。
【0024】
拘束部材30は、電池セル10の積層方向に沿って電池セル10を拘束する。より具体的には、拘束部材30は、一対のエンドプレート31と、複数のボルト32と、複数のナット33と、を含む。エンドプレート31は、電池セル10の積層方向における積層体(電池セル10の積層体)の一端部及び他端部のそれぞれに配置されている。
【0025】
ボルト32は、電池セル10を保持したセルホルダ20の貫通孔21、及び、エンドプレート31に設けられた貫通孔に挿通される。ナット33は、エンドプレート31同士を互いに締め付けるようにボルト32の端部に螺合される。これにより、エンドプレート31を介して、電池セル10に拘束荷重が付加される。なお、エンドプレート31のそれぞれには、L字板状の固定部材34が設けられている。電池モジュール1は、この固定部材34を介して、例えば電池パックの筐体等に固定される。
【0026】
図3は、
図2の(a)に示された電池モジュールの一部拡大断面図である。
図1〜3に示されるように、バスバー41は、互いに隣り合う電池セル10の正極端子15と負極端子16とを電気的に接続している。これにより、電池セル10は、互いに直列に接続される。つまり、電池モジュール1においては、電池セル10の積層方向に沿って正極端子15と負極端子16とが交互に配列されるように、電池セル10が積層されている。
【0027】
バスバー42は、電池モジュール1の一端部1aに位置する電池セル10の正極端子15(総プラス)に電気的に接続される。正極端子15は、例えば、バスバー42及びハーネス(不図示)等を介して、複数の電池モジュール1を並列に接続するための端子台の正極バスバー(不図示)に電気的に接続される。
【0028】
バスバー43は、電池モジュール1の他端1bに位置する電池セル10の負極端子16(総マイナス)に電気的に接続される。負極端子16は、例えばバスバー43やハーネス(不図示)等を介して、電流センサやFETリレー、ヒューズといった電子部品に電気的に接続されると共に、複数の電池モジュール1を並列に接続するための端子台の負極バスバー(不図示)に電気的に接続される。
【0029】
バスバー42,43は、導電部材50及び電圧検出端子60に電気的に接続されている。すなわち、電池モジュール1は、導電部材50及び電圧検出端子(検出端子)60を備える。この点について、より詳細に説明する。以下では、主に負極端子16及びバスバー43について説明するが、正極端子15及びバスバー42についても同様である。
【0030】
導電部材50は、一端部51及び他端部52と、一端部51と他端部52との間の中間部53と、を含む。中間部53は、一端部51と他端部52とを接続する。ここでは、一端部51、他端部52、及び、中間部53は、互いに一体に形成されている。一端部51及び他端部52は、円柱状に形成されている。一端部51及び他端部52の外周には、ネジ山が形成されている。すなわち、ここでは、導電部材50の両端(一端部51及び他端部52)が雄ねじとなっている。中間部53は、一端部51及び他端部52よりも大きな柱状(例えば六角柱状や円柱状)に形成されている。
【0031】
中間部53が角柱状である場合には、中間部53の互いに対向する側面同士の間隔が、一端部51及び他端部52の直径よりも大きい。中間部53が円柱状である場合には、中間部53の直径が一端部51及び他端部52の直径よりも大きい。このため、一端部51と中間部53との間には、段差部55が形成されている。また、他端部52と中間部53との間には、段差部56が形成されている。段差部55,56は、中間部53の両端面であり、導電部材50の延在方向に沿って導電部材50の寸法が変化する部分である。導電部材50は、一例として、銅製の両頭ボルトである。
【0032】
一端部51は、負極端子16に螺合されることにより負極端子16に締結されている。より具体的には、負極端子16は、ケース12の内部に位置する頭部16aと、頭部16aから延びてケース12の頂面12aから突出する軸部16bとからなる。軸部16bには、ネジ孔(第1のネジ孔)16hが設けられている。一端部51は、軸部16bのネジ孔16hに進入するようにネジ孔16hに螺合され、負極端子16に締結される。このとき、段差部55は、負極端子16の軸部16bの頂部に当接する。なお、段差部55は、軸部16bに予め螺合されているナットNの頂部には当接しない。ケース12と負極端子16との間、及び、ケース12とナットNとの間には、断面U字状の絶縁部材Bが介在されている。
【0033】
他端部52は、段差部56にバスバー43を配置した状態において、ナット57が螺合されることにより、バスバー43に締結される。これにより、導電部材50は、負極端子16とバスバー43との間の導電経路を形成する。なお、バスバー43には、例えば円柱状の貫通孔43hが設けられている。したがって、その貫通孔43hに導電部材50の他端部52を挿通させることによって、バスバー43を段差部56上に配置することができる。
【0034】
導電部材50は、負極端子16とバスバー43との間に、中間部53の高さに相当するスペースを形成する。導電部材50により形成されるスペースは、例えば、各電池セル10の正極端子15及び負極端子16からの配線を取り回すことに用いることができる。さらに、導電部材50の他端部52(段差部56)にカバーを係止することにより、導電部材50により形成されるスペース上に、上述した電子部品等を設置するための領域を確保することが可能となる。
【0035】
電圧検出端子60は、導電部材50の他端部52に締結される。より具体的には、電圧検出端子60は、段差部56とバスバー43との間に介在するように、段差部56に配置される。そして、電圧検出端子60は、ナット57の他端部52への螺合により、バスバー43と共に他端部52に締結される。電圧検出端子60は、例えば、電圧検出装置(例えば上記の電子部品)から延びる配線(不図示)の終端部に丸端子として構成される。したがって、ここでは、電圧検出端子60は、他端部52に挿通させることにより段差部56上に配置される。
【0036】
以上のように、電池モジュール1にあっては、電極端子とバスバーとの接続構造において、負極端子16と導電部材50の一端部51との締結、及び、導電部材50の他端部52とバスバー43との締結の2箇所の締結箇所が生じる。電圧検出端子60は、それらの2箇所の締結箇所の締結状態を検出する。すなわち、電圧検出端子60は、負極端子16と一端部51との締結状態、及び、他端部52とバスバー43との締結状態を検出する。
【0037】
より具体的には、電圧検出端子60は、上述したように、段差部56とバスバー43との間に介在され、バスバー43と共に他端部52に締結されている。そして、他端部52は、中間部53を介して一端部51と一体に形成されている。したがって、電圧検出端子60は、導電部材50の他端部52とバスバー43との間の締結が緩んだ場合、及び、導電部材50の一端部51と負極端子16との間の締結が緩んだ場合のいずれの場合であっても、それぞれの締結箇所における接触抵抗の増加に起因して、負極端子16からバスバー43に至る導電経路上の電圧の上昇を検出できる。したがって、電池モジュール1においては、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50の両端の締結状態を検出可能である。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係る電池モジュール1は、負極端子16とバスバー43との両方に締結されることにより、負極端子16とバスバー43との間の導電経路を形成する導電部材50を備えている。負極端子16は、導電部材50の一端部51に締結され、バスバー43は導電部材50の他端部52に締結される。したがって、負極端子16上には、導電部材50の中間部53の高さに相当するスペースが形成される。つまり、導電部材50がスペーサとして機能させられる。
【0039】
一方、負極端子16とバスバー43との間に導電部材50を介在させることにより、負極端子16と導電部材50の一端部51との締結、及び、導電部材50の他端部52とバスバー43との締結といったように、複数の(ここでは2つ)締結箇所が生じる。これに対して、この電池モジュール1においては、それぞれの締結箇所の締結状態を検出するための電圧検出端子60を導電部材50の他端部52に締結する。これにより、簡単な構成により複数の締結箇所の締結状態を検出することが可能となる。
【0040】
特に、本実施形態に係る電池モジュール1においては、導電部材50の一端部51、他端部52、及び中間部53が、互いに一体に形成されている。また、一端部51は、負極端子16に螺合されることにより負極端子16に締結されている。さらに、他端部52は、他端部52と中間部53との間の段差部56にバスバー43を配置した状態においてナット57が螺合されることにより、バスバー43に締結されている。
【0041】
そして、電圧検出端子60は、段差部56とバスバー43との間に介在され、バスバー43と共に他端部52に締結されている。このため、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50の一端部51と負極端子16との間の締結状態、及び、導電部材50の他端部52とバスバー43との締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、電圧検出端子60がバスバー43よりも負極端子16側に配置される。このため、電圧検出端子60の配線の取り回しが容易であり、組付け性が損なわれ難い。
【0042】
さらに、本実施形態に係る電池モジュール1においては、締結状態を検出するための検出端子として、電圧検出端子60を用いている。このため、締結状態の検出に加えて、電圧等の電池セル10の特性に関する情報を取得することが可能である。
【0043】
以上の実施形態は、本発明に係る電池モジュールの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る電池モジュールは、上述した電池モジュール1に限定されない。本発明に係る電池モジュールは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述した電池モジュール1を任意に変更可能である。
【0044】
図4は、
図3に示された電圧検出端子の配置の変形例を示す一部拡大断面図である。
図4に示されるように、電圧検出端子60を、バスバー43とナット57との間に介在させてもよい。このように、バスバー43とナット57との間に電圧検出端子60を介在させても、上述した場合と同様の理由から、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50の一端部51と負極端子16との間の締結状態、及び、導電部材50の他端部52とバスバー43との締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、電圧検出端子60がバスバー43よりも負極端子16から離れて配置される。このため、電圧検出端子60が、負極端子16とバスバー43との間の導電経路に影響を及ぼし難い。
【0045】
また、電池モジュール1は、導電部材50に代えて、
図5に示される導電部材50Aを備える電池モジュール1Aとすることができる。導電部材50Aは、一端部51及び他端部52と、一端部51と他端部52との間の中間部53と、を含む。中間部53は、一端部51と他端部52とを接続する。ここでも、一端部51、他端部52、及び、中間部53は、互いに一体に形成されている。一例として、ここでは、一端部51、他端部52、及び、中間部53は、互いに実質的に同一の外形を有する。したがって、ここでは、一端部51及び他端部52と中間部53との間には段差部が形成されていない。導電部材50Aは、全体として、例えば六角柱等の柱状に形成されている。
【0046】
一端部51は、負極端子16に螺合されることにより負極端子16に締結されている。より具体的には、導電部材50Aの一端部51側の端面(一端面)51sには、ネジ孔(第2のネジ孔)51hが形成されている。また、負極端子16の軸部16bの外周にはネジ山が形成されている。そして、一端部51は、ネジ孔51hに負極端子16の軸部16bが進入するように、ネジ孔51hに負極端子16が螺合されることにより、負極端子16に締結されている。
【0047】
一方、導電部材50Aの他端部52側の端面(他端面)52sには、ネジ孔(第3のネジ孔)52hが形成されている。したがって、ここでは、導電部材50Aの両端(一端部51及び他端部52)が雌ネジとなっている。そして、他端部52は、端面52s上にバスバー43を配置した状態において、ネジ孔52hにボルト57Aが螺合されることにより、バスバー43に締結されている。これにより、導電部材50Aは、負極端子16とバスバー43との間の導電経路を形成する。なお、ボルト57Aの軸部57bは、端面52s上に配置されたバスバー43の貫通孔43hに挿通されてネジ孔52hに進入する。これにより、ボルト57Aの頭部57aと端面52sとの間にバスバー43が挟持されるように、他端部52がバスバー43に締結される。
【0048】
電圧検出端子60は、バスバー43と端面52sとの間に介在され、他端部52に締結される。より具体的には、電圧検出端子60は、バスバー43と端面52sとの間に介在するように、端面52s上に配置される。そして、電圧検出端子60は、ボルト57Aの他端部52への螺合により、バスバー43と共に他端部52に締結される。
【0049】
以上の電池モジュール1Aのように、導電部材50Aの一端部51及び他端部52を雌ネジとした場合であっても、導電部材50Aの他端部52側の端面52sとバスバー43との間に電圧検出端子60を介在させれば、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50Aの一端部51と負極端子16との間の締結状態、及び、導電部材50Aの他端部52とバスバー43との締結状態の両方を検出することが可能である。特に、電圧検出端子60がバスバー43よりも負極端子16側に配置されるので、電圧検出端子60の配線の取り回しが容易であり、組付け性が損なわれ難い。
【0050】
ここで、電池モジュール1は、導電部材50に代えて、
図6に示される導電部材50Bを備える電池モジュール1Bとすることができる。導電部材50Bにおいては、一端部51が導電部材50Aと同様に雌ネジとされ、他端部52が導電部材50と同様に雄ネジとされている。より具体的には、導電部材50Bの一端部51側の端面51sには、ネジ孔51hが形成されている。そして、一端部51は、ネジ孔51hに負極端子16の軸部16bが進入するように、ネジ孔51hに負極端子16が螺合されることにより、負極端子16に締結されている。
【0051】
一方、導電部材50Bにおいては、他端部52は、中間部53よりも小さい円柱状に形成されている。他端部52の外周にはネジ山が形成されている。他端部52は、段差部56にバスバー43を配置した状態において、ナット57が螺合されることにより、バスバー43に締結される。これにより、導電部材50Bは、負極端子16とバスバー43との間の導電経路を形成する。電圧検出端子60は、導電部材50Bの他端部52に締結される。より具体的には、電圧検出端子60は、段差部56とバスバー43との間に介在するように、段差部56に配置される。そして、電圧検出端子60は、ナット57の他端部52への螺合により、バスバー43と共に他端部52に締結される。
【0052】
以上の電池モジュール1Bのように、導電部材50Bの一端部51を雌ネジとし、他端部52を雄ネジとした場合であっても、導電部材50Bの他端部52側の端面52sとバスバー43との間に電圧検出端子60を介在させれば、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50Bの一端部51と負極端子16との間の締結状態、及び、導電部材50Bの他端部52とバスバー43との締結状態の両方を検出することが可能である。特に、電圧検出端子60がバスバー43よりも負極端子16側に配置されるので、電圧検出端子60の配線の取り回しが容易であり、組付け性が損なわれ難い。
【0053】
なお、電池モジュール1A,1Bにおいては、電圧検出端子60を、
図4に示される変形例のように、バスバー43とナット57(又はボルト57Aの頭部57a)との間に介在させてもよい。この場合には、電圧検出端子60がバスバー43よりも負極端子16から離れて配置される。このため、電圧検出端子60が、負極端子16とバスバー43との間の導電経路に影響を及ぼし難い。
【0054】
さらに、電池モジュール1においては、導電部材50の一端部51を雄ネジとしつつ、導電部材50の他端部52を導電部材50Aと同様に雌ネジとしてもよい。
【0055】
ここで、電池モジュール1は、導電部材50に代えて、
図7及び
図8に示される導電部材50Cを備える電池モジュール1Cとすることができる。導電部材50Cは、円柱状の棒状部材58と筒状部材59とを組み合わせて構成される。棒状部材58は、長尺状を呈しており、その長手方向の端部のそれぞれにおいて一端部51及び他端部52を構成する。すなわち、棒状部材58は、外周にネジ山が形成された一端部51及び他端部52と、一端部51と他端部52とを接続する接続部51cと、からなる。一例として、接続部51cにはネジ山が設けられていない。
【0056】
筒状部材59は、一例として、六角柱に円柱状の貫通孔53hを形成して得られる筒状を呈している。筒状部材59は、棒状部材58(一端部51、他端部52、及び接続部41c)よりも大きな柱状に形成された中間部53を構成する。すなわち、筒状部材59の互いに対向する側面同士の間隔が、棒状部材58の直径よりも大きい。導電部材50Aは、筒状部材59の貫通孔53hに棒状部材58を挿通することにより構成される。ここで、貫通孔53hの内径は、棒状部材58の外径よりも大きい。したがって、棒状部材58は、棒状部材58の延在方向に沿って筒状部材59に対して移動可能なように筒状部材59の貫通孔53hに挿通される。
【0057】
ここでも、導電部材50Cは、導電部材50と同様に、一端部51が負極端子16に締結されると共に他端部52がバスバー43に締結される。ただし、電圧検出端子60は、導電部材50Cにおける段差部55と負極端子16との間に介在される。より具体的には、電圧検出端子60は、負極端子16の軸部16bの頂部と段差部55との間に介在される。
【0058】
この場合には、電圧検出端子60は、導電部材50C(棒状部材58)の一端部51と負極端子16との締結が緩んだ場合には、段差部55と負極端子16との接触抵抗の増加に起因した電圧の上昇を検出できる。さらに、この場合には、例えばナット57の他端部52への螺合が緩むことにより、バスバー43と他端部52との間の締結に緩みが生じると、その緩みにより段差部55の負極端子16への押圧力が減少する。したがって、その場合にも、電圧検出端子60は、段差部55と負極端子16との接触抵抗の増加に起因した電圧の上昇を検出できる。
【0059】
つまり、電池モジュール1Cにおいても、単一の電圧検出端子60によって、導電部材50Cの一端部51と負極端子16との間の締結状態、及び、導電部材50Cの他端部52とバスバー43との締結状態の両方を検出することが可能である。特に、この場合には、電圧検出端子60がより負極端子16に近い位置に配置されるので、組付け性がより損なわれ難い。
【0060】
また、電池モジュール1Cにおいては、導電部材50Cの棒状部材58によって、負極端子16とバスバー43との間の締結を実現しつつ、導電部材50Cの筒状部材59によって、負極端子16とバスバー43との間の導電経路を形成可能である。つまり、棒状部材58を締結の強度が確保可能な材料(例えば鉄)により構成する一方で、筒状部材59を導電性の高い材料(例えば銅)により構成することが可能となる。
【0061】
なお、電池モジュール1Cにおいても、電圧検出端子60を介在させる位置を変更してもよい。すなわち、電池モジュール1Cにおいても、段差部56とバスバー43との間やバスバー43とナット57との間に電圧検出端子60を介在させてもよい。
【0062】
また、上述したように、以上の構成を正極端子15とバスバー42との間に同様に適用することができる。また、以上の構成を、電池モジュール1〜1Cの内側の位置する他の電池セル10の正極端子15及び負極端子16とバスバー41との間に同様に適用してもよい。さらに、電池モジュール1〜1Cにおいては、電圧検出端子60に代えて、圧力センサ等の締結状態を検出可能な他の検出端子を用いることができる。