特許第6582657号(P6582657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6582657
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】操舵制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20190919BHJP
   B62D 113/00 20060101ALN20190919BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20190919BHJP
【FI】
   B62D6/00
   B62D113:00
   B62D137:00
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-142424(P2015-142424)
(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公開番号】特開2017-24467(P2017-24467A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】塩津 雄人
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−123857(JP,A)
【文献】 特開平10−194150(JP,A)
【文献】 特開2014−189168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04, 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングの回転角度である操舵角とは独立に転舵輪の転舵角を操作することが可能な転舵側アクチュエータと、前記転舵側アクチュエータとは別に前記ステアリングにトルクを付与する操舵側アクチュエータとを操作対象とする操舵制御装置において、
ユーザが前記ステアリングを操作するのに応じて前記転舵側アクチュエータを操作することによって前記転舵角を前記操舵角に所定の舵角比を乗算した値である換算操舵角に制御する手動操舵処理を実行する手動操舵処理部と、
前記転舵角を前記換算操舵角に追従させることなく前記転舵側アクチュエータを操作する自動操舵処理を実行する自動操舵処理部と、
前記自動操舵処理が実行されているときにユーザによる操舵の意思を検知する意思検知処理部と、
前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知することを条件に、前記操舵側アクチュエータを操作して、前記換算操舵角と前記転舵角との差を所定値以下に制御する自動合わせ操舵処理を実行する自動合わせ操舵処理部と、を備え、
前記自動合わせ操舵処理部は、
前記換算操舵角と前記転舵角との差に基づき、操舵角速度の目標値である目標角速度を可変設定する目標角速度設定処理部と、
前記操舵角速度が前記目標角速度となるように前記操舵側アクチュエータを操作する操舵角操作処理部と、を備える操舵制御装置。
【請求項2】
前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度以下であることを条件に、前記自動合わせ操舵処理を実行する請求項記載の操舵制御装置。
【請求項3】
前記自動合わせ操舵処理部は、前記自動合わせ操舵処理の実行中にユーザが前記ステアリングを操作する場合、前記自動合わせ操舵処理を停止する請求項1または2記載の操舵制御装置。
【請求項4】
前記手動操舵処理が実行されている場合、前記操舵側アクチュエータを操作して前記ステアリングに付与される反力を前記転舵角に応じた反力に制御する反力付与処理を実行する反力付与処理部と、
前記自動合わせ操舵処理の完了後、前記ステアリングに付与する反力を徐々に変化させて前記反力付与処理部が前記転舵角に応じて付与する反力に収束させる反力収束処理部と、を備える請求項1〜のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
【請求項5】
前記反力収束処理部による処理が実行されることによる前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が規定値よりも小さいことを条件に、前記手動操舵処理部による処理に移行する請求項記載の操舵制御装置。
【請求項6】
前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、操舵角速度が規定速度以下であることを条件に、前記自動合わせ操舵処理を実行し、
前記手動操舵処理が実行されている場合、前記操舵側アクチュエータを操作して前記ステアリングに付与される反力を前記転舵角に応じた反力に制御する反力付与処理を実行する反力付与処理部と、
前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を上回って前記換算操舵角が前記転舵角側に変化することを条件に、前記ステアリングに付与する反力を前記反力付与処理部が前記転舵角に応じて付与する反力に徐々に変化させる反力徐変処理部と、を備える請求項1〜のいずれか1項に操舵制御装置。
【請求項7】
前記手動操舵処理部は、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記所定値以下となることを条件に、前記手動操舵処理を実行する請求項記載の操舵制御装置。
【請求項8】
前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を上回った後、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記所定値よりも大きい規定値以下であって前記所定値を上回る状態が継続した場合、前記操舵側アクチュエータおよび前記転舵側アクチュエータのいずれかを操作して前記換算操舵角と前記転舵角との差を前記所定値以下に制御する微調整処理部を備える請求項記載の操舵制御装置。
【請求項9】
前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記規定値を上回る状態が所定期間継続される場合、前記自動合わせ操舵処理を実行する請求項記載の操舵制御装置。
【請求項10】
前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記規定値を上回る状態が所定期間継続される場合、前記転舵側アクチュエータを操作して前記換算操舵角と前記転舵角との差を前記所定値以下に制御するアシスト処理部を備える請求項記載の操舵制御装置。
【請求項11】
前記転舵側アクチュエータは、前記ステアリングからの動力が遮断された状態で前記転舵輪の転舵角を操作することが可能であり、
前記操舵側アクチュエータは、前記ステアリングと前記転舵輪との間の動力伝達が遮断された状態で前記ステアリングに反力を付与することが可能である請求項1〜1のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングの回転角度である操舵角とは独立に転舵輪の転舵角を操作することが可能な転舵側アクチュエータと、前記転舵側アクチュエータとは別に前記ステアリングにトルクを付与する操舵側アクチュエータとを操作対象とする操舵制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1には、ユーザがシフトレバーをバック位置にして駐車支援スイッチを押すことにより、ステアリングと転舵輪との動力伝達経路を遮断し、自動操舵により車両の駐車を行う操舵制御装置が記載されている。この装置では、自動操舵による駐車の終了後、操舵角に所定の舵角比を乗算した換算操舵角が転舵輪の転舵角となるように、ステアリングを操作するようユーザを案内する。そして、ユーザによるステアリングの操作によって換算操舵角が転舵角となることにより、ステアリングと転舵輪とを機械的に連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−189168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、自動操舵の終了に伴って換算操舵角を転舵角に手動で制御する必要があるため、ユーザに負担を強いるという問題がある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに負担を強いることを抑制しつつ自動操舵処理から手動操舵処理に円滑に移行することができるようにした操舵制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.ステアリングの回転角度である操舵角とは独立に転舵輪の転舵角を操作することが可能な転舵側アクチュエータと、前記転舵側アクチュエータとは別に前記ステアリングにトルクを付与する操舵側アクチュエータとを操作対象とする操舵制御装置において、ユーザが前記ステアリングを操作するのに応じて前記転舵側アクチュエータを操作することによって前記転舵角を前記操舵角に所定の舵角比を乗算した値である換算操舵角に制御する手動操舵処理を実行する手動操舵処理部と、前記換算操舵角を前記転舵角に追従させることなく前記転舵側アクチュエータを操作する自動操舵処理を実行する自動操舵処理部と、前記自動操舵処理が実行されているときにユーザによる操舵の意思を検知する意思検知処理部と、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知することを条件に、前記操舵側アクチュエータを操作して、前記換算操舵角と前記転舵角との差を所定値以下に制御する自動合わせ操舵処理を実行する自動合わせ操舵処理部と、を備える。
【0006】
上記構成では、自動操舵処理が実行されているとき意思検知処理部によって操舵の意思が検知されることを条件に、自動合わせ操舵処理部による操舵側アクチュエータの操作によって操舵角が変更されることにより、換算操舵角と転舵角との差が所定値以下に制御される。ここで、手動操舵処理時には、転舵角は換算操舵角に制御されるため、自動合わせ操舵処理によれば、操舵角を、手動操舵処理時における転舵角と整合したものに自動で変化させることができる。したがって、上記構成では、ユーザに負担を強いることを抑制しつつ自動操舵処理から手動操舵処理に円滑に移行することができる。
【0007】
2.上記1記載の操舵制御装置において、前記自動合わせ操舵処理部は、前記換算操舵角と前記転舵角との差に基づき、操舵角速度の目標値である目標角速度を可変設定する目標角速度設定処理部と、前記操舵角速度が前記目標角速度となるように前記操舵側アクチュエータを操作する操舵角操作処理部と、を備える。
【0008】
上記構成では、換算操舵角と転舵角との差に基づき、目標角速度を可変設定することにより、目標角速度によって換算操舵角と転舵角との差をユーザに体感させることができることから、上記差を考慮することなく目標角速度を設定する場合と比べて、ステアリングの変位がユーザに与える違和感を緩和することができる。
【0009】
3.上記1または2記載の操舵制御装置において、前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度以下であることを条件に、前記自動合わせ操舵処理を実行する。
【0010】
意思検知処理部が操舵の意思を検知した場合であって、ユーザがステアリングを自発的に操作する場合に自動合わせ操舵処理を実行すると、ユーザがステアリングの操作に違和感を感じることが懸念される。そこで、上記構成では、ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度以下であることを条件に、自動合わせ操舵処理を実行する。したがって、ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度を超える場合には、ユーザが自発的に操舵角を合わせる意思があるとして、その意思を尊重することができる。
【0011】
4.上記1〜3のいずれか1つに記載の操舵制御装置において、自動合わせ操舵処理部は、前記自動合わせ操舵処理の実行中にユーザが前記ステアリングを操作する場合、前記自動合わせ操舵処理を停止する。
【0012】
自動合わせ操舵処理が実行されているときに、ユーザがステアリングを操作する場合、ユーザは自発的に操舵角を操作する意思があると考えられる。そしてこうした場合にまで自動合わせ操舵処理を継続すると、ユーザがステアリングの操作に違和感を感じることが懸念される。そこで、上記構成では、自動合わせ操舵処理の実行中にユーザがステアリングを操作する場合、自動合わせ操舵処理を停止することにより、ユーザが自発的に操舵角を操作する意思がある場合に、その意思を尊重することができる。
【0013】
5.上記1〜4のいずれか1つに記載の操舵制御装置において、前記手動操舵処理が実行されている場合、前記操舵側アクチュエータを操作して前記ステアリングに付与される反力を前記転舵角に応じた反力に制御する反力付与処理を実行する反力付与処理部と、前記自動合わせ操舵処理の完了後、前記ステアリングに付与する反力を徐々に変化させて前記反力付与処理部が前記転舵角に応じて付与する反力に収束させる反力収束処理部と、を備える。
【0014】
上記構成では、手動操舵処理が実行されているとき、反力付与処理によって、ステアリングに転舵角に応じた反力が付与されるため、ユーザは、ステアリングの操作性を良好と感じることができる。また、自動合わせ操舵処理が完了すると、ステアリングに付与される反力を反力付与処理部が転舵角に応じて付与する値に徐々に収束させる。このため、ユーザが感じる反力が急変することがないため、ユーザが違和感を感じることを抑制することができる。すなわち、反力収束処理部による処理は、手動操舵処理とは独立な処理であるため、手動操舵処理とは独立にゲイン調整することができるため、反力収束処理部の処理を実行することなく、手動操舵処理に移行する場合と比較して、反力の変化によってユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0015】
6.上記5記載の操舵制御装置において、前記反力収束処理部による処理が実行されることによる前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が規定値よりも小さいことを条件に、前記手動操舵処理部による処理に移行する。
【0016】
反力収束処理部による処理によってステアリングに付与される反力が増加されることによって、換算操舵角と転舵角との差が大きくなる場合、操舵角が適切な角度となるようにユーザがステアリングを操作する意思がないことが懸念される。そこで、上記構成では、反力収束処理部による処理によっても換算操舵角と転舵角との差の絶対値が規定値よりも小さいことを条件に、手動操舵処理部による処理に移行する。これにより、手動操舵処理部による処理に移行した際にユーザがステアリングを適切に操作すると考えられる状況において、手動操舵処理部による処理に移行することができる。
【0017】
7.上記1〜6のいずれか1つに操舵制御装置において、前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、操舵角速度が規定速度以下であることを条件に、前記自動合わせ操舵処理を実行し、前記手動操舵処理が実行されている場合、前記操舵側アクチュエータを操作して前記ステアリングに付与される反力を前記転舵角に応じた反力に制御する反力付与処理を実行する反力付与処理部と、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を上回って前記換算操舵角が前記転舵角側に変化することを条件に、前記ステアリングに付与する反力を前記反力付与処理部が前記転舵角に応じて付与する反力に徐々に変化させる反力徐変処理部と、を備える。
【0018】
意思検知処理部が操舵の意思を検知した場合であって、ユーザがステアリングを自発的に操作する場合に自動合わせ操舵処理を実行すると、ユーザがステアリング操作に違和感を感じることが懸念される。そこで、上記構成では、自動操舵処理を実行する条件に、ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度以下である旨の条件を含めることにより、ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度を超える場合には、ユーザが自発的に操舵角を合わせる意思があるとして、その意思を尊重することができる。
【0019】
そして、上記構成では、ステアリングの操作による操舵角速度が規定速度を上回ることを条件に、ステアリングに付与する反力を、反力付与処理部が転舵角に応じて付与する反力に徐々に変化させる。これにより、ユーザがステアリングを自発的に操作する場合に、ステアリングに付与する反力を、反力付与処理部が転舵角に応じて付与する反力に徐々に変化させることとなる。このため、ユーザが感じる反力が急変することがないため、ユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0020】
ただし、操舵速度が大きい場合であっても、換算操舵角と転舵角との差の絶対値が大きくなるように操舵角が変化する場合には、ステアリングの操作が適切なものであるか疑義が生じる。そこで、上記構成では、反力を徐々に変化させる処理を実行する条件に、換算操舵角が転舵角側に変化する旨の条件を加えることにより、ステアリングの操作が適切であるときに反力徐変処理部により反力を徐々に変化させて手動操舵処理への移行準備を整える。
【0021】
8.上記7記載の操舵制御装置において、前記手動操舵処理部は、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記所定値以下となることを条件に、前記手動操舵処理を実行する。
【0022】
上記差の絶対値が大きいときに手動操舵処理が実行されると、手動操舵処理によって転舵角が換算操舵角に制御されるために、車両が意図しない挙動を示すことが懸念される。この点、上記構成では、換算操舵角と転舵角との差の絶対値が所定値以下となることを条件に手動操舵処理を実行するため、手動操舵処理の実行開始とともに転舵角が意図せず大きく変化する事態が生じることを抑制することができる。
【0023】
9.上記8記載の操舵制御装置において、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を上回った後、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記所定値よりも大きい規定値以下であって前記所定値を上回る状態が継続した場合、前記操舵側アクチュエータおよび前記転舵側アクチュエータのいずれかを操作して前記換算操舵角と前記転舵角との差を前記所定値以下に制御する微調整処理部を備える。
【0024】
操舵角速度が規定速度を一旦は上回った後、換算操舵角と転舵角との差の絶対値が規定値以下ではあるものの所定値を上回る状態が継続する場合には、換算操舵角と転舵角とが一致する正しい操舵角をユーザが把握できていない可能性がある。そこで上記構成では、この場合に、微調整処理部によって、操舵角アクチュエータおよび転舵側アクチュエータのいずれかを操作することにより、換算操舵角と転舵角との差を所定値以下に制御することができる。
【0025】
しかもこの微調整処理は、手動操舵処理とは独立な処理であるため、手動操舵処理とは独立にゲイン調整することができる。このため、微調整処理を実行することなく手動操舵処理に移行する場合と比較して、換算操舵角と転舵角との差が所定値以下に移行する際にユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0026】
10.上記9記載の操舵制御装置において、前記自動合わせ操舵処理部は、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記規定値を上回る状態が所定期間継続される場合、前記自動合わせ操舵処理を実行する。
【0027】
操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、換算操舵角と転舵角との差の絶対値が規定値を上回る状態が所定期間継続する場合には、換算操舵角と転舵角とが一致する正しい操舵角をユーザが把握できていない可能性がある。そこで上記構成では、この場合に、自動合わせ操舵処理を実行することにより、換算操舵角と転舵角との差の絶対値を所定値以下に制御して、手動操舵処理に移行させることができる。
【0028】
11.上記9記載の操舵制御装置において、前記意思検知処理部が前記操舵の意思を検知して且つ、前記操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、前記換算操舵角と前記転舵角との差の絶対値が前記規定値を上回る状態が所定期間継続される場合、前記転舵側アクチュエータを操作して前記換算操舵角と前記転舵角との差を前記所定値以下に制御するアシスト処理部を備える。
【0029】
操舵角速度が規定速度を一旦は上回ったものの、換算操舵角と転舵角との差の絶対値が規定値を上回る状態が所定期間継続する場合には、換算操舵角と転舵角とが一致する正しい操舵角をユーザが把握できていない可能性がある。そこで上記構成では、この場合に、アシスト処理部によって転舵側アクチュエータを操作することにより、換算操舵角と転舵角との差を所定値以下に制御することができ、ひいては手動操舵処理に移行させることができる。
【0030】
しかもこのアシスト処理部による処理は、手動操舵処理とは独立な処理であるため、手動操舵処理とは独立にゲイン調整することができる。このため、アシスト処理部の処理を実行することなく、手動操舵処理に移行する場合と比較して、換算操舵角と転舵角との差を所定値以下に移行させる処理によってユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0031】
12.上記1〜11のいずれか1つに記載の操舵制御装置において、前記転舵側アクチュエータは、前記ステアリングからの動力が遮断された状態で前記転舵輪の転舵角を操作することが可能であり、前記操舵側アクチュエータは、前記ステアリングと前記転舵輪との間の動力伝達が遮断された状態で前記ステアリングに反力を付与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の実施形態にかかる操舵制御装置を備えるシステム構成図。
図2】同実施形態における自動操舵処理から手動操舵処理への切替処理の手順を示す流れ図。
図3】同実施形態にかかる手動操舵処理の詳細を示す流れ図。
図4】同実施形態にかかる手動操舵移行処理の詳細を示す流れ図。
図5】同実施形態にかかる手動合わせ操舵処理の手順を示す流れ図。
図6】同実施形態にかかる自動合わせ操舵処理の手順を示す流れ図。
図7】同実施形態にかかる確認処理の詳細を示す流れ図。
図8】(a)〜(d)は、手動合わせ操舵処理を例示するタイムチャート。
図9】(a)〜(e)は、自動合わせ操舵処理を例示するタイムチャート。
図10】第2の実施形態にかかる手動合わせ操舵処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<第1の実施形態>
以下、操舵制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すステアリングホイール(ステアリング10)にはステアリングシャフト12が機械的に連結されている。そして、ステアリングシャフト12には、同ステアリングシャフト12を介してステアリング10にトルクを付与する操舵側アクチュエータ20が接続されている。操舵側アクチュエータ20は、モータ22を備えており、モータ22によってステアリング10に付与するトルクを生成する。なお、操舵側アクチュエータ20は、モータ22の回転軸の回転角度を検出する回転角センサ24を備えており、回転角センサ24の検出値に基づき、モータ22の回転軸の回転角度である操舵側回転角θsが算出される。なお、実際には、回転角センサ24は、モータ22の回転軸の回転角度を独立変数とする正弦関数値および余弦関数値を出力するものであってもよい。この場合、これらに基づき、操舵側回転角θsが算出されることとなる。この算出処理は、制御装置50が実行してもよいが、図1では、説明を簡素化するために、操舵側アクチュエータ20が操舵側回転角θsを出力すると記載した。
【0034】
一方、車両の転舵輪16には、転舵側アクチュエータ30が接続されている。転舵側アクチュエータ30は、モータ32を備えており、モータ32の生成するトルクによって転舵輪16を転舵させる。なお、転舵側アクチュエータ30は、モータ32の回転軸の回転角度を検出する回転角センサ34を備えており、回転角センサ34の検出値に基づき、モータ32の回転角度である転舵側回転角θtが算出される。なお、実際には、回転角センサ34は、モータ32の回転軸の回転角度を独立変数とする正弦関数値および余弦関数値を出力するものであってもよい。この場合、これらに基づき、転舵側回転角が算出されることとなる。この算出処理は、制御装置50が実行してもよいが、図1では、説明を簡素化するために、転舵側アクチュエータ30が転舵側回転角θtを出力すると記載した。
【0035】
上記ステアリングシャフト12には、ステアリングシャフト12に加わるトルクを検出するトルクセンサ40が設けられている。また、車両には、車両の走行速度(車速V)を検出する車速センサ42が設けられている。また、ステアリング10には、ステアリング10に他の部材が接触したことを感知する接触感知センサ44が設けられている。また、ユーザが自動操舵を希望する場合に操作される自動操舵スイッチ46が設けられている。
【0036】
制御装置50は、回転角センサ24,34やトルクセンサ40、接触感知センサ44、車速センサ42の検出値に加えて、自動操舵スイッチ46の操作状態や、車両の走行経路情報や環境情報を取得し、それらに基づき、操舵側アクチュエータ20や転舵側アクチュエータ30を操作する。特に、制御装置50は、ユーザがステアリング10を操作するのに応じて転舵輪16を転舵させる手動操舵処理と、ユーザがステアリング10を操作していないときに自動で転舵輪16を転舵させる自動転舵処理とを適宜切り替えて実行する。ここで、制御装置50は、自動操舵スイッチ46が操作されている場合において、所定の条件が成立する場合、自動操舵処理を実行する。自動操舵処理においては、転舵輪16の転舵の有無にかかわらず、ステアリング10は停止状態とされる。また、制御装置50は、自動操舵処理を実行している場合において、ユーザの操舵の意思を検知することを条件に、手動操舵処理に移行する。以下、手動操舵への移行処理について詳述する。
【0037】
図2に、自動操舵処理から手動操舵処理への切り替え処理の手順を示す。この処理は、制御装置50によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御装置50は、まず、転舵側回転角θtに基づき、転舵輪16の転舵角Taを算出し(S12)、操舵側回転角θsに基づき、ステアリング10の回転角である操舵角Saを算出する(S14)。次に、制御装置50は、手動操舵移行条件が成立したか否かを判断する(S16)。ここで、手動操舵移行条件は、以下の(ア)、(イ)および(ウ)の論理積が真となる条件である。
【0038】
(ア)ユーザがステアリング10に触れている旨の条件。この条件の成立の有無の判断処理は、接触感知センサ44の出力値に基づき実行される。
(イ)ユーザによるステアリング10の操作が、転舵輪16の転舵角Taと整合している旨の条件。具体的には、手動操舵処理において用いられる舵角比Grを操舵角Saに乗算した換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が増加する方向にステアリング10が操作されていない場合に、整合していると判断する。ここで、舵角比Grは、操舵角Saの変化量に対する転舵角Taの変化量の比である。
【0039】
(ウ)すでに手動操舵処理の実行中ではない旨の条件。
そして、制御装置50は、手動操舵移行条件が成立していると判断する場合(S16:YES)、手動操舵移行処理を実行する(S18)。次に、制御装置50は、手動操舵移行処理の実行に伴って手動操舵への移行処理が完了するか否かを判断する(S20)。そして、制御装置50は、移行処理が完了したと判断する場合(S20:YES)、手動操舵処理を実行する(S22)。
【0040】
図3に、手動操舵処理の手順を示す。
この一連の処理において、制御装置50は、まず、操舵側アクチュエータ20によってステアリング10に加えるトルクである反力Ctを算出する(S30)。反力Ctは、ユーザがステアリング10を回転させるために加えたトルクとは逆方向のトルクである。詳しくは、制御装置50は、転舵角Taと車速Vとに基づき、反力Ctを算出する。ここで、反力Ctは、転舵角Taが同一であっても、車速Vが高いほど大きい値に算出される。また、車速Vが同一であっても、転舵角Taの絶対値が大きいほど大きい値に算出される。
【0041】
そして、制御装置50は、操舵側アクチュエータ20を操作することによって、算出した反力Ctをステアリング10に付与する処理を実行する(S32)。具体的には、モータ22のトルクを制御する。
【0042】
また、制御装置50は、転舵側アクチュエータ30を操作することによって、転舵角Taを、換算操舵角Sa・Grに制御する(S34)。この処理は、たとえば、転舵角Taをフィードバック制御量とし、これを換算操舵角Sa・Grにフィードバック制御するための操作量をモータ32のトルクとし、同トルクを操作することによって実現することができる。なお、制御装置50は、舵角比Grを、車速Vに応じて可変設定する。詳しくは、制御装置50は、車速Vが高いほど舵角比Grを小さい値に設定する。
【0043】
なお、ステップS34の処理が完了することによって、図2のステップS22の処理が完了する。
図4に、図2のステップS18の手動操舵移行処理の手順を示す。
【0044】
この一連の処理において、制御装置50は、まず、操舵角Saの時系列データに基づき操舵角速度Msを算出する(S40)。次に、制御装置50は、手動合わせ操舵実施フラグMfがオン状態であるか否かを判断する(S42)。ここで、手動合わせ操舵実施フラグMfは、手動合わせ操舵処理が実行される場合にオン状態となり、実行されない場合にオフ状態となる。手動合わせ操舵処理は、自動操舵処理から手動操舵処理へと移行させるに際して、換算操舵角Sa・Grが転舵角Taに一致するように操舵角Saを変化させる処理をユーザによるステアリング10の操作にゆだねる際に実行される。
【0045】
制御装置50は、手動合わせ操舵実施フラグMfがオフ状態であると判断する場合(S42:NO)、操舵角速度Msの絶対値が規定速度Mthよりも大きいか否かを判断する(S44)。この処理は、ユーザが自発的にステアリング10を操作することによって操舵角Saを転舵角Taと整合させる意思があるか否かを判断するためのものである。すなわち、規定速度Mthよりも大きい場合、ユーザがステアリング10を自発的に操作していると考えられる。しかも、この処理が実行されるのは、図2のステップS16において手動操舵移行条件が成立する場合であるため、上記(イ)の条件を満たしている。このため、規定速度Mthよりも大きい場合、ユーザが自発的にステアリング10を操作することによって操舵角Saを転舵角Taと整合させる意思があると考えられる。
【0046】
そして、制御装置50は、規定速度Mthよりも大きいと判断する場合(S44:YES)、上記意思があるとして、手動合わせ操舵実施フラグMfをオン状態とし、自動合わせ操舵実施フラグAfをオフ状態とする(S46)。ここで、自動合わせ操舵実施フラグAfは、自動合わせ操舵処理が実行される場合にオン状態とされ、実行されない場合にオフ状態とされる。自動合わせ操舵処理は、自動操舵処理から手動操舵処理へと移行させるに際して、換算操舵角Sa・Grが転舵角Taに一致するように操舵角Saを変化させる処理を自動で行うものである。
【0047】
一方、制御装置50は、操舵角速度Msの絶対値が規定速度Mth以下であると判断する場合(S44:NO)、自動合わせ操舵実施フラグAfがオン状態であるか否かを判断する(S48)。そして、制御装置50は、自動合わせ操舵実施フラグAfがオフ状態であると判断する場合(S48:NO)、図2のステップS16において手動操舵移行条件が成立したと判断してからの経過時間を計時する計時処理を実行する(S50)。そして、制御装置50は、ステップS16において手動操舵移行条件が成立したと判断してから規定時間T1が経過したか否かを判断する(S52)。この処理は、ユーザが自発的にステアリング10を操作して、換算操舵角Sa・Grを転舵角Taに一致させる意思がないことを判断するためのものである。ここで、規定時間T1は、上記意思がないことを確認するうえで適切な時間に適合されている。
【0048】
そして制御装置50は、規定時間T1が経過したと判断する場合(S52:YES)、上記意思がないとして、手動合わせ操舵実施フラグMfをオフ状態とし、自動合わせ操舵実施フラグAfをオン状態とする(S54)。
【0049】
なお、ステップS46,S54の処理が完了する場合や、ステップS42,S48において肯定判断される場合、ステップS52において否定判断される場合には、図2のステップS18の処理が完了する。
【0050】
図5に、手動合わせ操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置50によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御装置50は、まず、手動合わせ操舵実施フラグMfがオン状態であるか否かを判断する(S60)。そして、制御装置50は、手動合わせ操舵実施フラグMfがオン状態である場合(S60:YES)、手動操舵処理が実行されていると仮定した場合にステアリング10に付与すべき反力Ctを算出する(S62)。次に、反力Ctと、換算操舵角Sa・Grおよび転舵角Taの差とに基づき、移行時反力トルクAtを算出する(S64)。ここで、制御装置50は、移行時反力トルクAtを、換算操舵角Sa・Grおよび転舵角Taの差の絶対値が小さくなるにつれて反力Ctに収束する値とする。
【0051】
次に、制御装置50は、操舵側アクチュエータ20を操作することによって、ステアリング10に移行時反力トルクAtを付与する(S66)。次に、制御装置50は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下であるか否かを判断する(S68)。この処理は、ユーザがステアリング10の操作によって、操舵角Saを転舵角Taに応じた値にほぼ操作し終えた状態であるか否かを判断するものである。
【0052】
制御装置50は、規定値Te以下であると判断する場合(S68:YES)、保持開始フラグHfをオン状態とする(S70)。保持開始フラグHfは、手動合わせ操舵処理時に換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下となる場合にオン状態となり、規定値Teよりも大きい場合にオフ状態となるものである。
【0053】
次に、制御装置50は、保持開始フラグHfがオン状態とされてからの経過時間を計時する計時処理を実行する(S72)。そして、制御装置50は、保持開始フラグHfがオン状態とされてから規定時間T2が経過したか否かを判断する(S74)。この処理は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下となったのが、ユーザがステアリング10の操作を適切に実行した結果であるか否かを判断するためのものである。すなわち、仮に、ユーザがステアリング10を正しく操作する意図がない場合には、一旦は規定値Te以下となったとしても、時間が経過するにつれて規定値Teを超える状態に移行する可能性がある。
【0054】
制御装置50は、規定時間T2が経過したと判断する場合(S74:YES)、転舵側アクチュエータ30を操作することによって、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値を規定値Teよりも小さい所定値以下に制御する微調整処理を実行する(S76)。ここで、本実施形態では、所定値をゼロとしている。そして、制御装置50は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値を所定値以下に制御すると、移行処理が完了したとする(S78)。これにより、制御装置50は、図2のステップS20において肯定判断することとなる。
【0055】
一方、制御装置50は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teよりも大きいと判断する場合(S68:NO)、保持開始フラグHfをオフ状態とし、保持開始フラグHfがオフ状態となっている継続時間を計時する計時処理を開始する(S80)。そして、制御装置50は、手動合わせ操舵実施フラグMfがオン状態となっているときにおいて、保持開始フラグHfがオフ状態である継続時間が規定時間T3となったか否かを判断する(S82)。この処理は、自動合わせ操舵処理に移行するか否かを判断するためのものである。
【0056】
そして、制御装置50は、規定時間T3となる場合(S82:YES)、自動合わせ操舵実施フラグAfをオン状態として且つ、手動合わせ操舵実施フラグMfをオフ状態とする(S84)。すなわち、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teよりも大きい状態が継続する場合には、ユーザが転舵角Taと操舵角Saとを整合させるうえで必要なステアリング10の操作を把握していないと考えられるため、この場合には、自動合わせ操舵処理に移行する。そして、制御装置50は、自動合わせ操舵処理を実行する旨をアナウンスする(S86)。これは、自動合わせ操舵処理によってステアリング10が回転し始めるのに先立ち、ユーザにその旨を通知することで、ユーザに唐突な印象を与えることを抑制することを狙ったものである。
【0057】
なお、制御装置50は、ステップS78,S86の処理を完了する場合や、ステップS60,S74,S82において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、本実施形態にかかる自動合わせ操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置50によって、たとえば所定の条件が成立する都度繰り返し実行される。
【0058】
図6に示す一連の処理において、制御装置50は、まず、自動合わせ操舵実施フラグAfがオン状態であるか否かを判断する(S90)。そして、制御装置50は、自動合わせ操舵実施フラグAfがオン状態であると判断する場合(S90:YES)、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差に基づき、操舵角速度Msの目標値である目標角速度Asを算出する(S92)。詳しくは、制御装置50は、上記差の絶対値が所定差以下となる場合、目標角速度Asを徐々に低下させ、差がゼロとなることで目標角速度Asをゼロとする。
【0059】
次に、制御装置50は、目標角速度Asと操舵角速度Msとの差の絶対値が閾値Td以上であるか否かを判断する(S94)。この処理は、ユーザがステアリング10を自発的に操作しているか否かを判断するためのものである。閾値Tdは、ユーザがステアリング10を自発的に操作しない場合に、操舵角速度Msを目標角速度Asに制御する際に生じる制御誤差の想定上限値以上に設定されている。そして、制御装置50は、閾値Td以上であると判断する場合(S94:YES)、自動合わせ操舵実施フラグAfをオフ状態とし、手動合わせ操舵実施フラグMfをオン状態とする(S96)。
【0060】
一方、制御装置50は、閾値Td未満と判断する場合(S94:NO)、操舵側アクチュエータ20の操作によって操舵角速度Msを目標角速度Asに制御する処理である自動合わせ操舵処理を実行する(S98)。そして、制御装置50は、自動合わせ操舵処理が完了したか否かを判断する(S100)。この処理は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差が上記所定値以下となったか否かを判断する処理となる。ここで、上述したように、本実施形態では、所定値をゼロとしている。そして、制御装置50は、上記差が所定値以下となることにより自動合わせ操舵処理が完了したと判断する場合(S100:YES)、手動操舵処理に移行した場合にユーザが適切に操舵を実行することができるか否かを確認する処理である確認処理を実行する(S102)。
【0061】
図7に、確認処理の手順を示す。
この一連の処理において、制御装置50は、まず、転舵角Taおよび車速Vに基づき、手動操舵処理を実行していると仮定した場合の反力Ctを算出する(S110)。そして、制御装置50は、操舵側アクチュエータ20を操作することによって、ステアリング10に付与する反力をステップS110において算出した反力Ctに徐々に移行させる処理を実行する(S112)。次に、制御装置50は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下であるか否かを判断する(S114)。この処理は、ステップS112の処理に起因して、操舵角Saが変動する可能性があることに鑑みて設けられたものである。
【0062】
そして、制御装置50は、規定値Te以下であると判断する場合(S114:YES)、確認処理において規定値Te以下となっている状態の継続時間を計時する計時処理を実行する(S116)。そして、制御装置50は、規定値Te以下となっている継続時間が規定時間T4となる場合(S118:YES)、転舵側アクチュエータ30を操作することによって、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差をゼロに制御する(S120)。この処理は、ステップS112の処理に起因して、操舵角Saが変動する可能性があることに鑑みて設けられたものである。そして、制御装置50は、ステアリング10に実際に付与している反力がステップS112において算出された最新の反力Ctに収束するか否かを判断する(S122)。この処理は、ステップS114の処理との協働で、手動操舵処理に移行した場合にユーザが適切に操舵を実行する意向がある旨を確認するためのものである。そして、制御装置50は、ステップS122,S118において否定判断する場合、ステップS110の処理に戻る。
【0063】
これに対し、制御装置50は、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teを超えると判断する場合(S114:NO)、自動合わせ操舵実施フラグAfおよび手動合わせ操舵実施フラグMfの双方をオフ状態とする(S124)。
【0064】
なお、ステップS122において肯定判断される場合や、ステップS124の処理が完了する場合、図6のステップS102の確認処理が完了する。
図6に戻り、制御装置50は、確認処理の結果、手動操舵処理に移行した場合にユーザが適切に操舵を実行する意向がある旨を確認済みであるか否かを判断する(S104)。ここでは、図7のステップS122において肯定判断した場合に確認済みであると判断し、ステップS124の処理が完了した場合には、確認済みでないと判断する。そして、制御装置50は、確認済みであると判断する場合(S104:YES)、手動操舵処理への移行処理が完了したとする(S106)。これにより、図2のステップS20の処理において肯定判断がなされる。
【0065】
なお、制御装置50は、ステップS96,S106の処理が完了する場合や、ステップS90,S100,S104において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0066】
図2に戻り、制御装置50は、手動操舵移行条件が成立しないと判断する場合(S16:NO)、手動合わせ操舵実施フラグMf、自動合わせ操舵実施フラグAf、および保持開始フラグHfをオフ状態に切り替え(S24)、自動操舵処理を実行する(S26)。このため、たとえ操舵の意思がないにもかかわらずステアリング10に意図せずしてユーザが触れることによって手動操舵移行条件が一旦は成立したとしても、ステアリング10に触れた状態が速やかに解消される場合、直ちにステップS16において否定判断されるようになる。このため、手動操舵処理への移行はなされない。
【0067】
ちなみに、手動合わせ操舵処理や自動合わせ操舵処理の実行中においては、制御装置50は、ステップS20において否定判断する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0068】
図8に、手動合わせ操舵処理の例を示す。詳しくは、図8(a)に、操舵角Saの推移を示し、図8(b)に、転舵角Taの推移を示し、図8(c)に、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の推移を示し、図8(d)に、ステアリング10に付与される反力の推移を示す。
【0069】
図8に示すように、時刻t1において手動操舵の意思を検知した後、ユーザがステアリング10を操作することにより、操舵角Saが、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値を減少させるように変化する場合、手動合わせ操舵処理が実行される。この場合、ステアリング10に付与される反力が、手動操舵処理時に転舵角Taに応じて設定される反力Ctへと徐々に変化する。そして、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下となる時刻t2から規定時間T2だけ経過した時刻t3以降、図5のステップS76の処理によって、転舵側アクチュエータ30が操作され、転舵角Taが、換算操舵角Sa・Grへと微調整される。この場合、反力Ctも、転舵角Taに応じて微調整される。そして、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値がゼロとなり、実際の反力が反力Ctに収束する時刻t4に、手動合わせ操舵処理が完了し、手動操舵処理に移行する。
【0070】
図9に、自動合わせ操舵処理の例を示す。詳しくは、図9(a)に、操舵角Saの推移を示し、図9(b)に、転舵角Taの推移を示し、図9(c)に、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の推移を示し、図9(d)に、ステアリング10に付与される反力の推移を示し、図9(e)に、目標角速度Asの推移を示す。
【0071】
図9に示すように、時刻t1において手動操舵の意思を検知した後、ユーザがステアリング10を操作しない状態が規定時間T1継続する時刻t2以降、操舵側アクチュエータ20が操作されることによって、操舵角Saが、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値を減少させるように制御される。特に、この際、操舵角Saは、その角速度が目標角速度Asとなるように制御される。図9では、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が小さくなる時刻t3以降、目標角速度Asの絶対値を漸減させる例を示した。そして、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差がゼロとなる時刻t4以降、図7のステップS112の処理によって、ステアリング10に反力が付与される。図9において、時刻t4の前後で反力の符号が変化しているのは、時刻t4より前においては、操舵側アクチュエータ20のトルクによってステアリング10を自動で変位制御しているのに対し、時刻t4より後では、時刻t4以前にステアリング10を回転させたのとは逆側のトルクを付与するためである。
【0072】
そして、反力の付与からの経過時間が規定時間T4となると、図7のステップS120の処理によって、転舵側アクチュエータ30が操作され、転舵角Taが、換算操舵角Sa・Grへと微調整される。
【0073】
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)手動操舵の意思を検知することを条件に、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差を所定値以下に制御する自動合わせ操舵処理を実行した。これにより、ユーザに負担を強いることを抑制しつつ自動操舵処理から手動操舵処理に円滑に移行することができる。
【0074】
(2)自動合わせ操舵処理において、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差に基づき、目標角速度Asを可変設定して、操舵角速度Msが目標角速度Asとなるように操舵側アクチュエータ20を操作した。これにより、目標角速度Asによって換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差をユーザに体感させることができることから、上記差を考慮することなく目標角速度Asを設定する場合と比べて、ステアリング10の変位がユーザに与える違和感を緩和することができる。
【0075】
(3)操舵の意思を検知して且つ、ステアリング10の操作による操舵角速度Msの絶対値が規定速度Mth以下であることを条件に、自動合わせ操舵処理を実行した。これにより、ステアリング10の操作による操舵角速度Msの絶対値が規定速度Mthを超える場合には、ユーザが自発的に操舵角を合わせる意思があるとして、その意思を尊重することができる。
【0076】
(4)自動合わせ操舵処理の実行中にユーザがステアリング10を操作する場合(図6のS94:YES)、自動合わせ操舵処理を停止した。これにより、ユーザが自発的に操舵角を操作する意思がある場合に、その意思を尊重することができる。
【0077】
(5)自動合わせ操舵処理の完了後、ステアリング10に付与する反力を徐々に変化させて手動操舵処理時に転舵角Taに応じて付与する反力に収束させた(S112)。これにより、ユーザが感じる反力が急変することがないため、ユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0078】
(6)ステップS112の処理が実行されることによる換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teよりも小さいことを条件に、手動操舵処理に移行した。これにより、手動操舵処理に移行した際にユーザがステアリング10を適切に操作すると考えられる状況において、手動操舵処理に移行することができる。
【0079】
(7)操舵の意思を検知して且つ、操舵角速度Msが規定速度Mthを上回って換算操舵角Sa・Grが転舵角Ta側に変化することを条件に、ステアリング10に付与する反力を手動操舵処理時に転舵角Taに応じて付与される反力Ctに徐々に変化させた(S66)。これにより、ユーザが感じる反力が急変することがないため、ユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0080】
(8)換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が所定値以下となることを条件に、手動操舵処理を実行した(S78,S120)。これにより、手動操舵処理の実行開始とともに転舵角Taが意図せず大きく変化する事態が生じることを抑制することができる。
【0081】
(9)操舵角速度Msが規定速度Mthを一旦は上回ったものの、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teを上回る状態が所定期間継続される場合、自動合わせ操舵処理を実行した(S84)。これにより、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとが一致する正しい操舵角Saをユーザが把握できていない場合であっても、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値を所定値以下に制御することができる。
【0082】
(10)手動合わせ操舵処理において、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Te以下であって所定値(ゼロ)を上回る状態が継続した場合、転舵側アクチュエータ30を操作して換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差を所定値以下に制御した(S76)。これにより、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとが一致する正しい操舵角Saをユーザが把握できていない場合であっても、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差を所定値以下に制御することができる。
【0083】
しかもこの微調整処理は、手動操舵処理とは独立な処理であるため、手動操舵処理とは独立にゲイン調整することができる。このため、微調整処理を実行することなく、手動操舵処理に移行する場合と比較して、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差が所定値以下に移行する際にユーザが違和感を感じることを抑制することができる。
【0084】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0085】
図10に、本実施形態にかかる手動合わせ操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置50によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図10において、図4に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
【0086】
図10に示すように、本実施形態では、手動合わせ操舵処理中に、換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teを超える状態が規定時間T3継続される場合(S82:YES)、制御装置50は、転舵側アクチュエータ30を操作することによって、転舵角Taを換算操舵角Sa・Grに制御する(S130)。
【0087】
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と上記実施形態における事項との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、例示した対応関係に上記事項を限定する意図はない。なお、「課題を解決するための手段」の欄のアシスト処理部は、ステップS130に対応し、目標角速度設定処理部は、ステップS92の処理を実行する制御装置50が対応する。また、自動合わせ操舵処理部は、図6の処理を実行する制御装置50が対応する。
【0088】
・「手動操舵処理部(S22:図3)について」
所定の舵角比Grを、車速Vに応じて可変設定するものに限らない。たとえば、車速Vと操舵角Saとに応じて可変設定するものであってもよい。また、たとえば、所定の舵角比Grを固定値とするものであってもよい。
【0089】
・「意思検知処理部(S16)について」
接触感知センサ44の出力値に基づき、ユーザがステアリング10に触れたことを検知することを、ユーザによる操舵の意思を検知することとするものに限らない。たとえば、ステアリング10に電極を埋込み、ユーザがステアリング10に触れることを、電極の電圧変化によって検知するものであってもよい。またたとえば、ユーザを監視するカメラの出力値に基づき、ユーザがステアリング10に触れたことを検知するものであってもよい。
【0090】
ユーザによる操舵の意思を検知するものとしては、ユーザがステアリング10に触れることを検知するものにも限らない。たとえば、自動操舵スイッチ46がオフ操作されることをユーザによる操舵の意思として検知するものであってもよい。
【0091】
・「操舵角速度の算出手法(S40)について」
上記実施形態では、操舵角Saの微分演算(差分演算)に基づき、操舵角速度Msを算出したが、これに限らず、たとえば、トルクセンサ40によって検出されるトルクTrqに基づき算出してもよい。
【0092】
・「自動合わせ操舵処理中の操舵の検知手法(S94)について」
目標角速度Asと操舵角速度Msとの差の絶対値が閾値Td以上となることに基づき、ユーザがステアリング10を操作したと検知するものに限らない。たとえば、トルクTrqに基づき、ユーザがステアリング10を操作したと検知するものであってもよい。
【0093】
・「反力収束処理部(S112)について」
上記実施形態では、ステップS112の処理が実行されることに伴って操舵角Saが微小変化する場合、規定時間T4が経過すると、転舵側アクチュエータ30によって転舵角Taを操作し、操作された転舵角Taに対応する操舵角Saに基づく反力Ctに収束させたがこれに限らない。たとえば、ステップS120の処理において、転舵側アクチュエータ30によって転舵角Taを操作するのではなく、操舵側アクチュエータ20によって反力Ctを操作し、換算操舵角Sa・Grを転舵角Taに制御し、制御後に、制御後の転舵角Taに基づく反力Ctに実際の反力を収束させてもよい。
【0094】
・「微調整処理部(S76)について」
転舵側アクチュエータ30によって転舵角Taを操作するものに限らない。たとえば、操舵側アクチュエータ20によって操舵角Saを操作するものであってもよい。
【0095】
・「自動合わせ操舵処理から手動操舵への移行条件について」
ステップS112の処理が実行されることに伴って換算操舵角Sa・Grと転舵角Taとの差の絶対値が規定値Teを上回ることがないことを条件とするものに限らない。たとえば、図6のステップS100において自動合わせ処理が完了したと判断される場合に、手動操舵処理に移行してもよい。
【0096】
・「操舵角操作処理部(S98)について」
操舵角速度Msを目標角速度Asにフィードバック制御するものに限らない。たとえば、トルクセンサ40によって検出されるトルクTrqを用いて目標角速度Asとするうえで必要な操舵側アクチュエータ20の操作量(トルク)を算出する開ループ制御を実行してもよい。
【0097】
・「反力付与処理部(S30,S32)について」
車速Vと転舵角Taとに応じて反力Ctを算出するものに限らない。たとえば、車速Vと操舵角Saとに応じて反力Ctを算出するものであってもよい。また、たとえば、車速Vのみに応じて反力Ctを算出するものや、操舵角Saのみに基づき反力Ctを算出するもの、転舵角Taのみに応じて反力Ctを算出するものであってもよい。もっとも、反力Ctを算出するうえで用いるパラメータとしては、車速V、転舵角Taおよび操舵角Saに限らない。なお、手動操舵処理中においては、転舵角Taが換算操舵角Sa・Grに制御されるため、操舵角Saに応じて反力Ctを算出することは、転舵角Taに応じて反力Ctを算出することと等価と見なせる。
【0098】
・「反力徐変処理部(S62,S64)について」
たとえば図3のステップS30において反力Ctが操舵角Saに応じて算出される場合であっても、図5のステップS62においては、反力Ctを転舵角Taに応じて算出するものとする。これにより、転舵角Taに応じた反力Ctを算出することができる。
【0099】
・「自動操舵処理部(S26)について」
操舵角Saを静止状態とすることは必須ではない。たとえば、自動操舵処理中においては、ステアリング10をユーザが操舵以外の情報を入力するユーザインターフェースとして利用するものであってもよい。これは、「意思検知処理部について」の欄に記載したように、自動操舵スイッチ46がオフ操作されることをユーザによる操舵の意思として検知する場合などに実現することができる。
【0100】
・「操舵側アクチュエータ(20)について」
ステアリングに反力を付与する反力アクチュエータに限らない。たとえば、ステアリング10に連結した回転軸と、転舵輪16に動力伝達可能な回転軸との間に介在して、それらの回転量の比である舵角比を調整する可変舵角比アクチュエータであってもよい。
【0101】
・「そのほか」
回転角センサ24に代えて、ステアリングシャフト12の回転角度を検出するセンサを備え、同センサの出力値に基づき操舵角Saを算出してもよい。
【0102】
たとえば転舵側アクチュエータ30をラックアンドピニオン機構を備えて構成し、回転角センサ34に代えて、ラック軸の軸方向の変位量を検出するセンサを備え、同センサの出力値に基づき、転舵角Taを算出してもよい。
【符号の説明】
【0103】
10…ステアリング、12…ステアリングシャフト、16…転舵輪、20…操舵側アクチュエータ、22…モータ、24…回転角センサ、30…転舵側アクチュエータ、32…モータ、34…回転角センサ、40…トルクセンサ、42…車速センサ、44…接触感知センサ、46…自動操舵スイッチ、50…制御装置。
図1
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図3
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図10