(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御手段は、前記予定された移動に伴う地方時の変更に係る前記所定の期間において、前記電子機器から前記地方時情報を取得する通信の頻度を前記所定の期間外よりも上昇させることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
前記第1制御手段は、前記所定の期間外における前記電子機器との定期的な通信の頻度を1日に1回とすることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子時計。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の地方時設定システム1の全体構成を説明する図である。
【0010】
この地方時設定システム1は、電子時計40と、外部の電子機器及びコンピュータとしてのスマートフォン10とを含む。この電子時計40は、ユーザに携帯されるものであり、ここでは、ベルトによりユーザの腕に装着が可能な腕時計である。
電子時計40とスマートフォン10との間では、ブルートゥース(登録商標:Bluetooth)により互いに無線通信を行うことが出来る。また、スマートフォン10は、携帯電話通信の基地局や無線LAN(IEEE802.11)のアクセスポイントを介して外部に接続可能となっており、基地局との接続状態が保たれている間は、当該基地局の所在に応じた位置における地方時の日時情報が取得されて計数、表示される。
【0011】
図2は、電子時計40の機能構成を示すブロック図である。
電子時計40は、CPU41(Central Processing Unit)(第1制御手段、地方時取得手段)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)(記憶手段)と、計時手段としての計時回路44と、操作受付部45と、複数の指針50、ステッピングモータ51及び駆動回路52と、Bluetoothモジュール53(第1通信手段)及びそのアンテナAN4と、UART54(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)と、照明部60及びそのドライバ61と、ブザー部62及びそのドライバ63と、振動発生部64及びそのドライバ65と、バス69などを備えている。
【0012】
CPU41は、種々の演算処理を行い、電子時計40の全体動作を統括制御する。CPU41は、ROM42から電子時計40の動作に係る各種プログラムを読み出して実行する。
【0013】
ROM42には、電子時計40の動作に係る各種制御プログラム及び初期設定データが格納されている。この制御プログラムには、スマートフォン10など外部電子機器との通信を行うための通信プログラム421が含まれている。
【0014】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、また、一時データを記憶する。RAM43の記憶する一時データには、外部の電子機器から取得された電子時計40のユーザの移動予定情報431が含まれる。RAM43には、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリが含まれていても良い。
【0015】
計時回路44は、図示略の発振回路で生成された所定の周波数信号に基づいて日時の計数を行うカウンタである。計時回路44は、ハードウェア構成としてのカウンタに限られず、CPU41の制御によりソフトウェア的に計数された現在時刻が記憶される構成であっても良い。
【0016】
本実施形態の電子時計40では、計時回路44の計数する日時は、世界の何れかの地域における日時である地方時であり、CPU41の制御により外部から取得された日時に応じて修正される。即ち、現在計数されている地方時とは異なるタイムゾーンや夏時間実施の地方時での日時が取得された場合には、計時回路44は、当該取得された地方時での日時で計数を行う。この場合、CPU41は、RAM43にUTC日時(協定世界時)からの時差情報を保持させ、計時回路44の計数する日時からUTC日時を算出可能とされる。或いは、計時回路44は、所定の基準による日時、例えば、UTC日時や当該UTC日時に変換可能な数値を計数し、CPU41は、外部電子機器から取得された現在位置情報に基づいてUTC日時を地方時に変換取得可能であっても良い。
【0017】
操作受付部45は、外部からの入力を受け付ける機構として、例えば、りゅうず(回転スイッチ)を有し、ユーザによる引き出し、押し込み、或いは回転といった入力操作に応じた電気信号を発生させて入力信号としてCPU41に出力する。操作受付部45は、りゅうずに加えて又は代えてその他の操作機構、例えば、押しボタンスイッチや、表示画面に重ねて設けられたタッチセンサなどを有していても良い。
【0018】
指針50は、電子時計40の文字盤上で回転可能に複数設けられており、文字盤上の標識を指し示すことで、時刻、日付や曜日などを指し示す。指針50には、針状のものに加えて、円盤状のものが含まれていて良く、例えば、円盤の周縁部に設けられた「1」〜「31」の標識のうち何れか一つが文字盤上に設けられた小窓から選択的に露出されるように円盤と文字盤とが相対配置されることで、日付が示されても良い。また、文字盤やベゼルなどに都市名やUTC日時からの時差情報を示す標識が設けられている場合には、当該標識を指針のうち何れか一本が指し示すことで、何れの地域の地方時が表示されているかを示すことが出来る。
【0019】
ステッピングモータ51は、ロータの回転動作に応じて輪列機構を介して指針50を回転動作させる。ステッピングモータ51及び輪列機構は、正転方向及び逆転方向に回転可能であり、複数の指針50各々独立に回転可能であっても良いし、その一部又は全てを連動して回転させる構成であっても良い。
【0020】
駆動回路52は、CPU41からの制御信号に応じてステッピングモータ51に駆動信号を出力してステッピングモータ51のロータを所望の向きに回転動作させる。
【0021】
Bluetoothモジュール53は、アンテナAN4を介してスマートフォン10などの外部電子機器との間でブルートゥースによる通信を行うための制御モジュールである。CPU41から送られた送信データは、UART54でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール53からアンテナAN4を介して外部電子機器に送信される。また、アンテナAN4及びBluetoothモジュール53により受信された受信データは、UART54でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。
【0022】
照明部60は、CPU41からの制御信号によりドライバ61から出力された駆動電圧に応じて電子時計40の文字盤を照明する。照明部60としては、例えば、LED(発光ダイオード)が用いられる。
【0023】
ブザー部62は、CPU41からの制御信号によりドライバ63から出力された駆動信号に応じてブザー音(ビープ音)を発生させる。ブザー音の発生機構としては、例えば、圧電素子と金属板を組み合わせたものが用いられ、圧電素子に変動電圧(交流電圧又はパルス電圧)を印加することで金属板を振動させてブザー音を発生させる。
【0024】
振動発生部64は、CPU41からの制御信号によりドライバ65から出力された駆動信号に応じて振動を発生させる。振動発生部64としては、例えば、錘が取り付けられた回転モータが用いられる。
【0025】
図3は、スマートフォン10の機能構成を示すブロック図である。
スマートフォン10は、CPU11(第2制御手段、通信制御手段、移動予定情報設定手段、地方時設定手段)と、ROM12と、RAM13と、記憶部14と、内蔵時計15と、表示部16及びそのドライバ17と、操作受付部18と、スピーカ19と、マイク20と、コーデック21と、RF送受信回路22と、携帯電話通信用のRF電波を送受信するためのアンテナAN11と、通信回路23と、Bluetoothモジュール24(第2通信手段、通信手段)と、UART25と、ブルートゥース通信用の電波を送受信するためのアンテナAN12と、衛星電波受信処理部26と、UART27と、測位衛星からのL1帯電波を受信するためのアンテナAN13と、報知部28及びそのドライバ29と、バス30などを備えている。
【0026】
CPU11は、各種演算処理を行い、スマートフォン10の全体動作の統括制御を行う。また、CPU11は、スマートフォン10と電子時計40とがブルートゥースにより通信接続されている場合に、移動予定抽出プログラム141で取得された移動予定情報145の一部又は全部を電子時計40に送信する。また、CPU11は、RF送受信回路22が接続される携帯電話通信の基地局の情報や、衛星電波受信処理部26による測位結果に基づいてスマートフォン10の現在位置(都市)を特定し、現在位置が属するタイムゾーンや夏時間実施ルールを設定する。CPU11、RF送受信回路22及び衛星電波受信処理部26により現在位置取得手段が構成される。
【0027】
ROM12は、CPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。なお、ROM12の少なくとも一部は、書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、作業用の一時データを記憶する揮発性メモリである。
【0028】
記憶部14は、データの読み取り及び上書き更新が可能な不揮発性のメモリ、例えば、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)を備える。この記憶部14に記憶されているデータには、移動予定抽出プログラム141、スケジュール管理アプリ142(アプリケーションプログラム)、スケジュールデータ143、地方時情報144及び移動予定情報145が含まれる。
【0029】
CPU11は、スケジュール管理アプリ142を読み出して実行し、ユーザの入力操作に基づいてスケジュール設定を行い、また、当該設定されたスケジュール設定に従って所定の報知動作などを行う。設定されたスケジュールは、スケジュールデータ143として記憶される。また、CPU11は、移動予定抽出プログラム141を実行することで、異なるタイムゾーンや夏時間設定地域などへ移動する予定をスケジュールデータ143から抽出する。抽出されたデータは、ここでは、移動予定情報145として別途記憶される。或いは、抽出されたデータは、スケジュールデータ143内で所定のフラグや必要な注記情報などが付されても良い。また、移動予定抽出プログラム141は、電子時計40との通信接続時に、記憶された移動予定情報145を地方時情報と共に電子時計40に送信させる。
【0030】
内蔵時計15は、現在日時を計数して保持するカウンタである。この現在日時は、CPU11の動作によりソフトウェア的に計数されてRAMなどに記憶されても良い。内蔵時計15は、RTC(Real Time Clock)を有し、スマートフォン10の電源がオフされた後に再起動された場合には、このRTCから日時データが取得されて計数が再開される。スマートフォン10では、この内蔵時計15の現在時刻が読み出され、必要に応じて現在位置に応じたタイムゾーンや夏時間の実施ルールが適用されて地方時の算出が行われて、表示部16に表示されたり種々の処理に利用されたり、また、当該現在時刻と各種機能に係る設定時刻とが比較されて種々の動作が行われたりする。この内蔵時計15の現在日時データは、RF送受信回路22による携帯電話通信の基地局との通信時に、随時当該基地局から取得される日時データにより修正される。
【0031】
表示部16は、各種表示を行う表示画面を備える。表示画面としては、例えば、液晶画面(LCD)が用いられる。CPU11から送られた制御信号により動作するドライバ17(液晶ドライバ)は、当該制御信号に応じてLCDを駆動して表示画面に各種機能に係る表示を行わせる。この表示部16は、他の表示方式の表示画面、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)を備えても良く、ドライバ17は、表示画面の表示方式に応じて適宜選択される。
【0032】
操作受付部18は、タッチパネルを有し、表示部16の表示画面に重ねて設けられたタッチパネルに対するユーザのタッチ操作位置と操作内容とを検出して当該操作に応じた電気信号を発生させ、入力信号としてCPU11に出力する。操作受付部18は、更に、一又は複数の操作キーやスイッチを有し、ユーザが当該操作キーやスイッチに対して行った操作に基づく入力信号をCPU11に出力する構成であっても良い。
【0033】
スピーカ19は、コーデック21からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク20は、音波を検知して電気信号に変換し、コーデック21に出力する。コーデック21は、符号化圧縮されたデジタル音声信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ19へ送るとともに、マイク20から取得された音声信号をエンコードしてCPU11や通信回路23へ出力する。なお、通話用のスピーカとその他電話着信を知らせる報知音などを外部に出力するためのスピーカとを別個に備えることとしても良い。
【0034】
RF送受信回路22は、アンテナAN11を介して携帯電話通信の基地局との間で行われる電話通信やデータ通信に係る信号の送受信処理を行う。通信回路23は、RF送受信回路22により送受信される送受信データに係る各種処理を行い、CPU11やコーデック21との間でデータの受け渡しを行う。また、RF送受信回路22は、無線LANのアクセスポイントに接続して、無線LANを介してインターネット上の各所とデータの送受信(データ通信)が可能となっている。
【0035】
Bluetoothモジュール24は、アンテナAN12を介して電子時計40などの外部機器との間でブルートゥース通信を行うための制御モジュールである。CPU11から送られた送信データは、UART25でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール24から外部機器に送信される。また、外部機器からBluetoothモジュール24を用いて受信された受信データは、UART25でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU11へ出力される。
【0036】
衛星電波受信処理部26は、アンテナAN13を介してGPS(Global Positioning System)などの測位システムに係る測位衛星からの電波を受信し、各種演算処理を行うことで現在位置を算出する測位動作を行う。衛星電波受信処理部26は、所定の時間間隔で、及び/又はユーザの要求操作に応じて測位動作を行って、UART27を介して測位結果を予め設定されたフォーマットでCPU11に出力する。
【0037】
報知部28は、ユーザに報知動作を行うための構成を一又は複数有する。報知部28としては、例えば、回転モータを備える振動発生部、圧電素子などを用いたビープ音発生部、及びステータス表示用のランプや照明に用いられる発光ダイオード(LED)を備えた照明部/発光部などが挙げられる。CPU11から報知部28の各構成に対応するドライバ29に制御信号が送られると、ドライバ29は、各報知部28を動作させるのに必要な電圧信号に変換して報知部28へ出力する。
【0038】
バス30は、CPU11とスマートフォン10内部の各構成との間で信号の送受信が可能に接続するデータ経路である。
【0039】
次に、本実施形態の地方時設定システム1でやり取りされる移動予定情報について説明する。
図4は、スマートフォン10で保持されるスケジュールデータ143及びこのスケジュールデータ143から抽出される移動予定情報145について説明する図である。
【0040】
図4(a)に示すように、スケジュールデータ143が記憶部14に記憶されている場合、CPU11は、移動予定抽出プログラム141を実行することで、キーワード「移動」、「出張」、「旅行」などをキーワードとしてユーザの移動情報を検出、抽出する。検出されたデータに移動元及び移動先の情報が何れも含まれている場合には、これらがそのまま取得される。移動元の情報が無い場合には、当該移動の一回前の移動における移動先又は一回前の移動からの経過時間などに応じてホーム位置が移動元とされる。或いは、移動先が明示されていない場合、移動先でのスケジュール内で当該移動先と対応付けられた訪問先などが記載されている場合には、当該訪問先に基づいて移動先が推定されても良い。例えば、空港名と当該空港に係る都市名や、当該都市において過去に訪問した場所の名称などが予め記憶部14に対応付けられて記憶されていても良い。
【0041】
移動元と移動先が検出されると、それぞれ地方時情報144に基づいて各々が属するタイムゾーン及び夏時間実施エリアが判定される。そして、移動元と移動先におけるタイムゾーン又は夏時間実施エリアが異なる場合には、検出された移動情報に基づく移動予定情報145が設定される。
【0042】
ここでは、「移動」の記載が5つ含まれており、そのうち、8月1日の移動元と8月2日の移動先がセットとされる。また、7月28日の移動は、フランクフルトとパリとの間で時差や夏時間実施ルールが同一であることにより除外される。また、7月27日の移動元空港である「成田」及び8月2日の移動先空港である「羽田」は、何れも「東京」と対応付けられ、また、7月30日の移動先駅である「セントパンクラス(St. Pancras)」及び8月1日の移動元空港である「ヒースロー」は、「ロンドン」と対応付けられて、記憶部14にそれぞれ記憶されていれば良い。
【0043】
この結果、
図4(b)に示すように、7月27日、7月30日、8月1日の3回の移動が抽出されて移動予定情報145として記憶設定される。ここでは、抽出された移動のタイミングは、UTC日時に変換され、移動開始予定時刻(出発予定日時)の1時間前(第1所定時間前)から移動終了予定時刻(到着予定日時)の1時間後(第2所定時間後)までの時刻が移動想定時刻(地方時の変更に係る所定の期間)として保持されている。また、これらのうち、フランクフルト、パリ、及びロンドンは、何れも夏時間の実施中であり、UTC時刻からの時差には、タイムゾーンの標準時での時差に対してそれぞれ+1時間されている。東京では、夏時間が実施されていないので、タイムゾーンの標準時での時差である+9時間が設定される。
なお、ここでは、スケジュールデータ143中の時刻が全て現地の地方時であるとして解釈したが、スケジュール管理アプリ142におけるユーザ設定に応じてUTC時刻であると判別可能であっても良い。
【0044】
図5は、スマートフォン10において実行される移動予定抽出処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。この移動予定抽出処理は、一日一回所定の時刻、スケジュール管理アプリ142の動作によりスケジュールデータ143が更新されたタイミング、及びユーザによる操作受付部18への入力操作により起動命令が受け付けられたタイミングなどに移動予定抽出プログラム141が起動されることで実行される。
【0045】
移動予定抽出処理が起動されると、CPU11は、スケジュールデータ143にアクセスする(ステップS101)。CPU11は、記憶部14に予め設定されている移動キーワードに基づいて移動情報の検索を開始する(ステップS102)。CPU11は、検索が終了したか否かを判別し(ステップS103)、終了していないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU11は、キーワードが検出されたか否かを判別する(ステップS104)。
【0046】
キーワードが検出されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS103に戻る。キーワードが検出されたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU11は、当該キーワードに係る移動日時、移動元及び移動先の情報を抽出する(ステップS105)。
【0047】
CPU11は、地方時情報144を参照して移動元と移動先のタイムゾーン及び夏時間実施ルールを取得する(ステップS106)。CPU11は、移動元と移動先の地方時が異なるか否かを判別する(ステップS107)。異なると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、抽出された移動日時をUTC日時に変換し、移動開始時刻の1時間前と移動終了時刻の1時間後を算出する(ステップS108)。CPU11は、これら移動想定時刻の情報と移動予定日、移動元及び移動先の情報(都市及びタイムゾーン、夏時間情報)を抽出データとして移動予定情報145に記憶設定する(ステップS109)。それから、CPU11の処理は、ステップS103に戻る。
【0048】
ステップS103の処理で、スケジュールデータ143内におけるキーワードの検索が終了したと判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU11は、移動予定抽出処理を終了する。
【0049】
図6は、電子時計40及びスマートフォン10における接続処理についてそれぞれ説明する図である。
【0050】
図6(a)は、電子時計40においてCPU41により実行される接続処理の制御手順を示すフローチャートである。
この電子時計40における接続処理は、ユーザの入力操作に応じて随時呼び出されて起動される。また、この接続処理は、後述の接続制御処理に呼び出されるタイミングで定期的に起動される。
【0051】
接続処理が開始されると、電子時計40のCPU41は、Bluetoothモジュール53の動作を開始させ、スマートフォン10からのブロードキャストを受信して当該スマートフォン10に対して接続要求を送信させることで、スマートフォン10との通信接続動作を行わせる(ステップS421)。CPU41は、スマートフォン10から日時情報(地方時情報)、即ち、現在位置における地方時を取得し、当該日時情報に応じて計時回路44が計数する日時(地方時)を修正する(ステップS422)。CPU41は、スマートフォン10から移動予定情報を受信(取得)し、移動予定情報431を更新設定する(ステップS423)。
【0052】
CPU41は、Bluetoothモジュール53によりスマートフォン10との通信接続を解除する要求をスマートフォン10に送信させ、通信接続が解除されると、Bluetoothモジュール53の動作を終了させる(ステップS424)。そして、CPU41は、接続処理を終了する。
【0053】
図6(b)は、スマートフォン10においてCPU11が実行する接続処理の制御手順を示すフローチャートである。
この接続処理は、スマートフォン10でBluetoothモジュール24が定期的にブロードキャストメッセージを送信している状態において、電子時計40のBluetoothモジュール53からの通信接続要求がBluetoothモジュール24により受信されてCPU11に取得されることで開始される。
【0054】
接続処理が開始されると、CPU11は、電子時計40からの接続要求に応じて当該要求を送信してきた電子時計40との通信接続を確立する(ステップS121)。CPU11は、通信接続が確立された後、電子時計40に対して内蔵時計15が計数する現在の日時を送信する(ステップS122)。なお、CPU11は、スマートフォン10の携帯電話機能に係る基地局との情報のやりとりにより内蔵時計15の日時を修正した後に当該修正済みの日時を電子時計40に送信しても良い。
【0055】
CPU11は、次いで、記憶部14を参照して移動予定情報145を電子時計40に送信する(ステップS123)。ここで、送信する移動予定情報の数は、電子時計40のRAM43に記憶可能な移動予定の数に応じて上限が定められていても良い。この場合、CPU11は、現在日時以降で直近の上限回数の移動予定情報を電子時計40に送信する。また、CPU11は、更に、所定時間先まで、例えば、1週間先までの移動予定情報のみを送信することとしても良い。
【0056】
CPU11は、電子時計40からの通信を待ち受け、通信接続解除の要求が受信されると、電子時計40との通信接続を解除する(ステップS124)。そして、CPU11は、接続処理を終了する。
【0057】
図7は、電子時計40で実行される接続制御処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この接続制御処理は、電子時計40の動作時に常駐して繰返し実行される。
【0058】
接続制御処理が起動されると、CPU41は、計時回路44の現在日時が毎正時であるか否かを判別する(ステップS441)。毎正時ではないと判別された場合には(ステップS441で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS444に移行する。
【0059】
毎正時のタイミングであると判別された場合には(ステップS441で“YES”)、CPU41は、RAM43に移動予定情報431が記憶されているか否かを判別する(ステップS442)。移動予定がないと判別された場合には(ステップS442で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS444に移行する。移動予定があると判別された場合には(ステップS442で“YES”)、CPU41は、現在の日時が何れかの移動予定に係る日付における移動想定時刻であるか否かを判別する(ステップS443)。
【0060】
移動予定日における移動想定時刻、即ち、移動予定情報において、設定された想定開始時刻(移動開始時刻の1時間前)から想定終了時刻(移動終了時刻の1時間後)までの間ではないと判別された場合には(ステップS443で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS444に移行する。
【0061】
移動予定日における移動想定時刻であると判別された場合には(ステップS443で“YES”)、CPU41は、上述の接続処理を呼び出して実行する(ステップS445)。即ち、CPU41は、移動想定時刻である場合には、通常1日に1回設定されている接続時刻に加えて毎時の通信接続を行うことで通信接続の頻度を上昇させる。接続処理が終了すると、CPU41の処理動作は、接続制御処理に戻り、当該接続制御処理での処理は、ステップS441に戻る。
【0062】
ステップS441〜S443の何れかの処理からステップS444の処理に移行すると、CPU41は、計時回路44の計数する日時が毎日所定の接続時刻であるか否かを判別する(ステップS444)。接続タイミングではないと判別された場合には(ステップS444で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS441に戻る。接続タイミングであると判別された場合には(ステップS444で“YES”)、CPU41は、接続処理を呼び出して実行する(ステップS445)。
なお、ステップS444又はステップS445の処理の後、ステップS441の処理が実行されるまでに所定の待機時間を設けることが出来る。
【0063】
以上のように、本実施形態の電子時計40は、現在日時を計数する計時回路44と、外部の電子機器(スマートフォン10)との通信を行うBluetoothモジュール53と、CPU41と、RAM43とを備える。CPU41は、第1制御手段として、電子機器との通信を行うタイミングを制御し、地方時取得手段として、電子機器との通信時にBluetoothモジュール53を介して現在位置が属する地域での日時である地方時に係る地方時情報を取得し、計時回路44の計数する現在日時に基づいて現在位置における地方時を取得する。RAM43には、地方時が異なる地域間での移動の予定に係る移動予定情報431が記憶される。第1制御手段としてのCPU41は、予定された移動に伴う地方時の変更に係る移動想定時刻において、Bluetoothモジュール53により電子機器から地方時情報を取得する通信を行わせる。
これにより、移動により地方時が変わる場合には、当該変わるタイミングに合わせて通常とは別個に電子時計40とスマートフォン10との間で通信接続が行われてスマートフォン10から現在位置に応じた地方時が取得されるので、より容易且つより適切に現在位置に応じた地方時の計数、表示に切り替えることが出来る。また、通常時における通信接続の間隔は変化しないので、不必要に消費電力を増大させない。
【0064】
また、第1制御手段としてのCPU41は、予定された移動に伴う地方時の変更に係る移動想定時刻において、電子機器から地方時情報を取得する通信の頻度を当該移動想定時刻の期間外よりも上昇させる。
これにより、移動により地方時が変わる場合には、当該変わるタイミングの前後で通常よりも頻繁に電子時計40とスマートフォン10との間で通信接続が行われてスマートフォン10から現在位置に応じた地方時が取得されるので、より容易且つより確実に現在位置に応じた地方時の計数、表示に切り替えることが出来る。特に、地上に沿って移動する場合などには、タイムゾーン境界の通過に従ってより容易且つ速やかに切り替えが行われる。また、通常時における通信接続の間隔とは別個に設定されるので、不必要に消費電力を増大させない。
【0065】
また、第1制御手段としてのCPU41は、移動予定情報をスマートフォン10との通信時に当該スマートフォン10から取得する。従って、操作や表示内容の限られる電子時計40で設定しなくとも、容易に移動予定情報をスマートフォン10で設定して電子時計40に送信することで、当該移動予定に従った地方時の変更を適切に行うことが出来る。
【0066】
また、移動予定情報には、移動終了予定日時が含まれ、第1制御手段としてのCPU41は、移動終了予定日時を含む期間において通信の頻度を上昇させる。これにより、目的地への到着から大きく遅れることなく適切な地方時を得ることが出来る。
【0067】
また、移動予定情報には、移動開始予定日時が含まれ、第1制御手段としてのCPU41は、移動開始予定日時の1時間前から移動終了予定日時の1時間後までの間、通信の頻度を上昇させる。これにより、移動中の何れのタイミングでタイムゾーンや夏時間実施エリアの境界を跨いだとしても、大きく遅れることなく現在位置に応じた地方時をより適切に表示させることが出来る。
【0068】
また、地方時情報には、現在位置における地方時自体が含まれ、計時回路44は、当該地方時を取得して計数する。従って、電子時計40において毎回UTC日時などを換算して地方時を算出せずとも容易に現在位置における地方時を取得することが出来る。また、このような電子時計40において、大きな遅れなく適切に現在位置に応じた地方時をスマートフォン10から取得することで、電子時計40において煩雑な設定変更が行われずに適切な地方時を得ることが出来る。
【0069】
また、第1制御手段としてのCPU41は、異なる地方時の地域を跨ぐ移動予定に係る想定移動時刻以外の期間では、スマートフォン10との定期的な通信の頻度を1日に1回とすることで、無駄な電力消費を抑えつつ適切に日時の修正を行い、また、予定外の移動に伴う地方時の変更がないかの確認及び修正を行うことが出来る。
【0070】
また、本実施形態の地方時設定システム1は、外部機器としての電子時計40との通信を行うBluetoothモジュール24と、CPU11とを備え、また、RF送受信回路22及び衛星電波受信処理部26を備えることで現在位置に係る情報を取得するスマートフォン10と、電子時計40とからなる。CPU11は、電子時計40とのBluetoothモジュール24による通信時における通信内容を制御する第2制御手段として動作し、地方時が異なる地域間での移動の予定に係る移動予定情報を設定する移動予定情報設定手段として動作し、また、取得された現在位置の情報に応じて地方時の情報設定を行う地方時設定手段として動作する。
スマートフォン10における第2制御手段としてのCPU11は、電子時計40とのBluetoothモジュール24による通信時に、移動予定情報と設定された地方時の情報とを電子時計40に送信する。
このように、電子時計40が地方時やその変更に係る情報をスマートフォン10から取得し、当該情報に基づいて想定移動時刻における通信接続の頻度を通常時とは変化させながら現在位置に応じた地方時を得ることで、電子時計40では煩雑な処理や設定を必要とせず、電力消費も不必要に増大させずにより容易且つ適切に現在位置に応じた地方時を得ることが出来る。
【0071】
[変形例]
図8は、本実施形態のスマートフォンの変形例を示すブロック図である。
この変形例のスマートフォン10aは、記憶部14aの記憶内容が上述の実施形態のスマートフォン10における記憶部14の内容と異なる点を除いて同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
本変形例のスマートフォン10aでは、スケジュール管理アプリ142及び当該スケジュール管理アプリ142用のスケジュールデータ143から移動予定を抽出する移動予定抽出プログラム141の代わりに、電子時計40に送信する移動予定情報145を直接設定するための移動予定設定プログラム141a(プログラム)が記憶されている。
【0073】
次に、この移動予定設定プログラム141aを用いた移動予定設定動作について説明する。
本変形例のスマートフォン10aでは、ユーザが入力操作により明示的に移動予定の設定を行う。この移動予定には、移動元位置、移動先位置、移動開始(出発)日時及び移動終了(到着)日時が含まれる。また、移動手段(飛行機、鉄道や車など)に係る情報が含まれていても良い。
【0074】
図9は、スマートフォン10aで実行される移動予定設定処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。この移動予定設定処理は、ユーザにより移動予定が入力設定される場合に起動される。
【0075】
移動予定設定処理が起動されると、CPU11は、ユーザ操作を待ち受け、入力された移動予定データを取得する(ステップS101a)。CPU11は、地方時情報144を参照して移動元及び移動先のタイムゾーン及び夏時間実施ルールの情報(地方時設定情報)を取得する(ステップS106)。CPU11は、移動元と移動先の地方時設定情報が異なるか否かを判別する(ステップS107)。
【0076】
移動元と移動先の地方時設定情報が異なると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU11は、出発時刻の1時間前と到着時刻の1時間後(移動想定時刻)を算出し、電子時計40への送信対象の移動予定情報145として設定記憶させる(ステップS109a)。それから、CPU11の処理は、ステップS110に移行する。移動元と移動先の地方時設定情報が同一であると判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU11は、当該移動予定情報を電子時計40に送信しないものとして記憶保持する(ステップS109b)。それから、CPU11の処理は、ステップS110に移行する。
【0077】
なお、電子時計40に送信しない移動予定情報は、記憶部14に保持しないこととしても良い。この場合、CPU11は、ステップS107の判別処理の結果を表示部16に表示させることで、ユーザに入力が不要であったことを知得させることが出来る。
【0078】
ステップS110の処理に移行すると、CPU11は、移動予定設定プログラム141aがユーザにより終了操作されたか否かを判別する(ステップS110)。終了操作されていないと判別された場合には(ステップS110で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS101aに戻る。終了操作がなされたと判別された場合には(ステップS110で“YES”)、CPU11は、移動予定設定処理を終了する。
【0079】
この移動予定設定プログラム141aは、電子時計40との通信時に、上述の移動予定設定処理で設定した移動予定情報を地方時と共に電子時計40に送信させる。
【0080】
以上のように、本実施形態の移動予定情報設定に係るプログラム(移動予定設定プログラム141a)は、外部機器との通信を行うBluetoothモジュール24を備えたスマートフォン10aのコンピュータを、世界の各地域それぞれにおける日時である地方時が異なる地域間でコンピュータ(スマートフォン10)のユーザが移動する予定に係る移動予定情報を設定する移動予定情報設定手段、現在位置に係る情報を取得する現在位置取得手段、取得された現在位置の情報に応じて地方時の情報設定を行う地方時設定手段、電子時計40とのBluetoothモジュール24による通信時に、移動予定情報と設定された地方時の情報とを当該電子時計40に送信する通信制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
従って、入力や表示の容易なスマートフォン10で移動予定情報を設定し、地方時情報と共に電子時計40に送信させることで、電子時計40により取得された当該移動予定情報に基づいて想定移動時刻における通信接続の頻度を通常時より上昇させながら現在位置に応じた地方時を得る動作制御を当該電子時計40において行わせることで、電子時計40で煩雑な処理や設定を必要とせず、且つ電力消費を不必要に増大させずにより容易且つ適切に現在位置に応じた地方時を取得させることが出来る。
【0081】
また、他のスケジュール管理アプリ142に係るスケジュールデータ143からでは判別し難いスケジュール設定などで移動予定情報431が正しく取得されないケースの発生を抑えることが出来る。
【0082】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、移動先の地方時と地方時設定とを共に取得して、逆算されたUTC日時により想定移動時刻を算出することとしたが、地方時設定を取得せず、移動予定情報も全て地方時で設定することとしてUTC日時を用いないで通信タイミングを制御することとしても良い。
【0083】
また、上述のように、計時回路44ではUTC日時を計数し、CPU41が地方時に換算して地方時を取得する場合には、CPU11は、電子時計40との通信時に地方時ではなくUTC日時を送信し、地方時設定としては、最新のタイムゾーン及び夏時間実施情報を送信しても良いし、或いは、タイムゾーンや夏時間実施情報に係るテーブルを電子時計40が保持している場合には、現在位置が属するタイムゾーン及び夏時間実施地域を特定する情報が送信されても良い。
【0084】
また、上記実施の形態では、複数の指針を用いたアナログ電子時計を例に挙げて説明したが、デジタル表示を行う電子時計であっても良い。また、特にデジタル電子時計の場合には、移動予定をブルートゥース通信によりスマートフォン10から取得する場合に限られず、電子時計40自体で移動予定情報を設定可能としても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、ブルートゥースにより電子時計40とスマートフォン10との間で通信を行ったが、他の方式の通信手段、例えば、赤外線通信や無線LANなどが用いられても良い。
また、電子時計40と通信接続される電子機器は、スマートフォンの他、携帯電話やタブレット端末など、電子時計40とともにユーザに携帯されて利用される電子機器であれば特に限られない。
【0086】
また、上記実施の形態では、移動開始(出発)予定時刻の1時間前から移動終了(到着)予定時刻の1時間後までの間で通信接続の頻度を上昇させることとしたが、地方時設定の変更に伴って計時回路44の計数する地方時が速やかに変更されるように設定されるのであれば、他の期間であっても良い。また、この期間の設定は、移動手段などに応じて変更されても良い。例えば、飛行機による移動の場合には、飛行中に通過するタイムゾーンの地方時を考慮しないこととして到着予定時刻前後の所定時間内のみで通信接続の頻度を上昇させて良く、この場合は、出発予定時刻に係る情報は記憶されなくても良い。更に、このような場合には、一度移動先の地方時と地方時設定が取得されれば良いので、取得された段階で受信の繰返しを中止しても良く、その結果として一度の通信接続で取得が終了しても良い。また、鉄道による移動の場合には、予定より早く出発することが想定されないこととして、出発予定時刻以降でのみ(即ち、出発予定時刻の0時間前から)通信接続の頻度を上昇させても良い。また、自動車や長距離バスでの移動の場合には、渋滞などを考慮して到着予定時刻後に1時間より長い時間通信接続の頻度を上昇させたまま維持しても良い。或いは、出発予定時刻及び到着予定時刻の代わりに、国境駅や州境駅の停車(通過)予定時刻といった地方時設定の変化する予定時刻のみが設定されても良く、この場合には、当該停車予定時刻の前後のみで通信接続の頻度を上昇させることが出来る。
【0087】
また、上記実施の形態では、1時間に1度の通信接続が行われるものとして画一的に定められたが、通信接続の頻度が更に多段階に変化されても良い。例えば、到着予定時刻前後では更に短い間隔で通信接続が行われても良い。また、出発予定時刻と到着予定時刻と共に、地方時設定が変化する国境駅や州境駅などの停車(通過)予定時刻が設定された場合に、当該停車予定時刻前後で通信接続の間隔を更に短く設定しても良い。
【0088】
また、上記実施の形態では、ユーザ操作による手動接続を考慮せずに定期的な通信接続の頻度を1時間に1回に上昇させたが、途中で手動接続がなされた場合には、当該手動接続のタイミングから1時間ごとに通信接続を行うように変更しても良い。
【0089】
また、以上の説明では、本発明に係るスマートフォン10における移動予定抽出プログラム141やスマートフォン10aにおける移動予定設定プログラム141aのコンピュータ読み取り可能な媒体として不揮発性メモリなどからなる記憶部14を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)や、CD−ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、動作の内容や手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0091】
[付記]
<請求項1>
現在日時を計数する計時手段と、
外部の電子機器との通信を行う第1通信手段と、
前記電子機器との通信を行うタイミングを制御する第1制御手段と、
前記電子機器との通信時に前記第1通信手段を介して現在位置が属する地域での日時である地方時に係る地方時情報を取得し、前記計時手段の計数する現在日時に基づいて前記現在位置における地方時を取得する地方時取得手段と、
地方時が異なる地域間での移動の予定に係る移動予定情報を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記予定された移動に伴う地方時の変更に係る所定の期間において、前記第1通信手段により前記電子機器から前記地方時情報を取得する通信を行わせる
ことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記第1制御手段は、前記予定された移動に伴う地方時の変更に係る前記所定の期間において、前記電子機器から前記地方時情報を取得する通信の頻度を前記所定の期間外よりも上昇させることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記第1制御手段は、前記移動予定情報を前記電子機器との通信時に当該電子機器から取得することを特徴とする請求項1又は2記載の電子時計。
<請求項4>
前記移動予定情報には、到着予定日時が含まれ、
前記第1制御手段は、前記到着予定日時を含む前記所定の期間に前記電子機器から前記地方時情報を取得する通信の頻度を前記所定の期間外よりも上昇させる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項5>
前記移動予定情報には、出発予定日時が含まれ、
前記第1制御手段は、前記出発予定日時の第1所定時間前から前記到着予定日時の第2所定時間後までの間、前記通信の頻度を上昇させる
ことを特徴とする請求項4記載の電子時計。
<請求項6>
前記地方時情報には、現在位置における地方時が含まれ、
前記計時手段は、当該地方時を取得して計数することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項7>
前記第1制御手段は、前記所定の期間外における前記電子機器との定期的な通信の頻度を1日に1回とすることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項8>
外部機器との通信を行う第2通信手段と、
前記外部機器との前記第2通信手段による通信時における通信内容を制御する第2制御手段と、
地方時が異なる地域間での移動の予定に係る移動予定情報を設定する移動予定情報設定手段と、
現在位置に係る情報を取得する現在位置取得手段と、
取得された現在位置の情報に応じて地方時の情報設定を行う地方時設定手段と、
を備える電子機器と、
請求項1〜7の何れか一項に記載の電子時計と、
からなる地方時設定システムであって、
前記第2制御手段は、
前記電子時計との前記第2通信手段による通信時に、前記移動予定情報と前記地方時の情報とを前記電子時計に送信する
ことを特徴とする地方時設定システム。
<請求項9>
外部機器との通信を行う通信手段を備えたコンピュータを、
世界の各地域それぞれにおける日時である地方時が異なる地域間で前記コンピュータのユーザが移動する予定に係る移動予定情報を設定する移動予定情報設定手段、
現在位置に係る情報を取得する現在位置取得手段、
取得された現在位置の情報に応じて地方時の情報設定を行う地方時設定手段、
外部機器との前記通信手段による通信時に、前記移動予定情報と前記地方時の情報とを当該外部機器に送信する通信制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。