(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給制御部は、前記機能動作部の動作電流が前記所定の基準値以上となる場合に前記電力供給部から前記蓄電部及び前記機能動作部に電力供給を行わせることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
前記供給制御部は、前記複数の機能動作部の動作電流の合計値が前記所定の基準値以上の場合に前記複数の蓄電部、及び当該複数の蓄電部に各々対応する前記複数の機能動作部に対して電力を供給する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の電子機器の第1実施形態である電子機器1の回路構成を示す概略図である。
本実施形態の電子機器1は、電源部20と、DC/DC変換器10(電力供給部)と、第11スイッチSW11と、第21スイッチSW21と、第1キャパシタC1と、第12スイッチSW12と、第22スイッチSW22と、第2キャパシタC2と、第13スイッチSW13と、第23スイッチSW23と、第3キャパシタC3と、第14スイッチSW14と、第24スイッチSW24と、第4キャパシタC4と、第1動作部41と、第2動作部42と、第3動作部43と、マイコン44(供給制御部、監視部)などを備える。
【0010】
電源部20は、電子機器1の動作に係る電力を供給する。電源部20としては、二次電池、乾電池、若しくはソーラパネルなどの発電部、又はこれらの組み合わせである。或いは、電源部20の代わりに外部電源から電源ケーブルを介して取得された電力が入力される構成であっても良い。この場合、入力電圧は、商用電源から得られた100Vなどの交流電圧を平滑直流化したものであっても良い。
【0011】
DC/DC変換器10は、入力された直流電圧(電力)を内部の第1動作部41、第2動作部42及び第3動作部43(以降、まとめて動作部41〜43などとも記す;機能動作部)並びにマイコン44の動作電圧に変換して出力する。このDC/DC変換器10は、通常用いられている周知のものであり、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御やPFM制御(Pulse Frequency Modulation)を用いたスイッチングレギュレータである。
【0012】
動作部41〜43は、各々特定の機能動作を行う。機能動作としては、例えば、温度、方位(地磁気)や気圧などの物理量を計測するセンサ、外部の電子通信機器との通信を行う通信部、モータ動作に係る駆動部、LEDライトなど各種報知動作や表示動作などに用いられる動作部や、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。これらの構成は、各々周期的に動作期間が規定されている。
ここでは、動作部41がCPUを含む制御部(動作設定部)であり、各種演算処理を行う。この制御部にRAMが含まれる場合には、CPUは、電力供給が遮断される期間に当該RAM及びキャッシュに記憶される内容を不揮発性メモリへ退避させる所定の動作を行う。この場合の不揮発性メモリとしては、特に限定するものではないが、動作電圧が低いものが好ましく、例えば、FeRAMやMRAMなどが挙げられる。また、制御部は、マイコン44の動作に係る設定を行う。
【0013】
マイコン44は、動作部41〜43及びマイコン44自身への電力供給に係るスイッチ制御、即ち、DC/DC変換器10の電力供給動作及びキャパシタC1〜C4の充放電動作の制御動作を行う。マイコン44は、このとき同時にDC/DC変換器10の動作を制御しても良い。マイコン44は、発振回路441と、負荷動作設定情報442と、CPU444とを備える。
【0014】
発振回路441は、所定周波数のクロック信号を生成して出力する。
負荷動作設定情報442は、動作部41(制御部)により書き込まれる予め設定された動作部41〜43及びマイコン44の動作タイミング及び動作時の消費電流に係る情報であり、ここでは、RAM又は不揮発性メモリに記憶される。
CPU444は、マイコン44の動作を制御する。
【0015】
第1キャパシタC1は、一端が第11スイッチSW11及び第21スイッチSW21の間に接続され、他端が接地されて、DC/DC変換器10から供給された電力を一時的に蓄電し、必要に応じて第1動作部41の動作時に当該第1動作部41へ供給する。第11スイッチSW11は、DC/DC変換器10から第1キャパシタC1への電力供給の可否を切り替える。また、第21スイッチSW21は、第1キャパシタC1から第1動作部41への電力供給の可否を切り替える。
【0016】
第2キャパシタC2は、一端が第12スイッチSW12及び第22スイッチSW22の間に接続され、他端が接地されて、DC/DC変換器10から供給された電力を一時的に蓄電し、必要に応じて第2動作部42の動作時に当該第2動作部42へ供給する。第12スイッチSW12は、DC/DC変換器10から第2キャパシタC2への電力供給の可否を切り替える。また、第22スイッチSW22は、第2キャパシタC2から第2動作部42への電力供給の可否を切り替える。
【0017】
第3キャパシタC3は、一端が第13スイッチSW13及び第23スイッチSW23の間に接続され、他端が接地されて、DC/DC変換器10から供給された電力を一時的に蓄電し、必要に応じて第3動作部43の動作時に当該第3動作部43へ供給する。第13スイッチSW13は、DC/DC変換器10から第3キャパシタC3への電力供給の可否を切り替える。また、第23スイッチSW23は、第3キャパシタC3から第3動作部43への電力供給の可否を切り替える。
【0018】
第4キャパシタC4は、一端が第14スイッチSW14及び第24スイッチSW24の間に接続され、他端が接地されて、DC/DC変換器10から供給された電力を一時的に蓄電し、必要に応じてマイコン44の動作時に当該マイコン44へ供給する。第14スイッチSW14は、DC/DC変換器10から第4キャパシタC4への電力供給の可否を切り替える。また、第24スイッチSW24は、第4キャパシタC4からマイコン44への電力供給の可否を切り替える。なお、第14スイッチSW14の選択状態は、制御信号が入力されないデフォルト状態ではオンに設定されることで、万一マイコン44がバッテリ切れによりダウンした場合でも、DC/DC変換器10が動作した期間にマイコン44が動作可能となる。
【0019】
第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、第3キャパシタC3及び第4キャパシタC4(以降一部又は全部をまとめてキャパシタC1〜C4などとも記す;蓄電部)の電気容量は、動作部41〜43及びマイコン44の1周期当たりの電力消費(消費電流)に応じて各々適切に定められ、互いに異なる値であっても良い。ここでは、これらのキャパシタC1〜C4には、通常のコンデンサが用いられるが、必要な容量や電子機器1内に配置可能なサイズなどに応じて電解コンデンサや電気二重層コンデンサなど各種のものが用いられても良い。
【0020】
次に、本実施形態の電子機器1における動作部41〜43の動作について説明する。
図2は、本実施形態の電子機器1の動作部41〜43の動作タイミングと、これらに応じたDC/DC変換器10の動作タイミング、及び第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14、第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24のオンオフを切り替えるタイミングとを例示する図である。
【0021】
本実施形態の電子機器1では、動作部41〜43は、タイミングT1〜T2の期間を1周期として、当該周期ごとに(周期的に)間欠的な動作を行う。ここでは、第3動作部43は、周期内で3回所定時間ずつ間欠動作を行う。第2動作部42は、周期内で2回第3動作部43の動作時間(動作期間)より長い動作時間ずつ動作する。第1動作部41は、各周期の先頭で1回ずつ第2動作部42の動作時間(動作期間)より長い動作時間動作する。ここでは、各動作部41〜43の動作期間中における消費電力、即ち、消費電流値の大きさは、同一であるものとする。従って、動作部41〜43及びマイコン44の合計消費電流値は、各周期の先頭で最も高くなり、それ以降では小さくなる。ここでは、この各周期先頭の区間でのみ合計消費電流値が超える基準値Icが設定されている。
【0022】
第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24(出力遮断スイッチング素子)のうち、第21スイッチSW21〜第23スイッチSW23は、これら各動作部41〜43の動作期間に同期してオンされて、キャパシタC1〜C3から電力が供給される。マイコン44は、上述のように連続して動作するので、第24スイッチSW24は、オン状態で維持されて、キャパシタC4から継続的に電力が供給される。
【0023】
一方、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14(電流遮断スイッチング素子、第1逆流遮断部)は、各周期の先頭における動作部41〜43が同時に動作する期間、即ち、動作部41〜43及びマイコン44の合計電流値が基準値Ic以上となる期間にのみ同期してオンされ、その他の期間ではオフされる。また、DC/DC変換器10は、この第11スイッチSW11〜第13スイッチSW13が全てオンされる期間に合わせて動作して電力を供給し、オフされる期間では電力供給が中止される。これにより、その他の期間でDC/DC変換器10から電力を出力させないとともに(このとき、同時にDC/DC変換器10の動作(PWM動作やPFM動作など)を行わせないこととしても良い)、キャパシタC1〜C4に蓄えられた電力(電荷)がその不均一により他のキャパシタに流れたり、DC/DC変換器10に逆流したりするのを防止する。
【0024】
図3は、DC/DC変換器10の動作効率特性の例を示す図である。
DC/DC変換器10は、通常、内部消費電流や漏れ電流が生じるために、当該内部消費電流に比して出力電流が大きいほど動作効率が単調増加する。具体的な出力電流と動作効率の値は、DC/DC変換器10に用いられる部品によって異なるが、動作部41〜43の消費電力(消費電流)が大きい期間で十分な動作効率が得られるように設計した上で、これらの動作部41〜43が同時に動作する期間で選択的にDC/DC変換器10を動作させることで、当該DC/DC変換器10の動作効率を高く保つことが出来る。
【0025】
本実施形態の電子機器1では、予め動作部41〜動作部43の動作タイミング情報及び動作時の消費電流に係る情報を負荷動作設定情報442としてマイコン44に保持している。マイコン44は、当該負荷動作設定情報442を参照して各動作部41〜43の動作タイミングでキャパシタC1〜C3から電力を供給させるとともに、動作部41〜43及びマイコン44自身の合計消費電流が所定の基準以上となる場合にDC/DC変換器10を動作させて各キャパシタC1〜C4を充電しながら直接動作部41〜43及びマイコン44に電力を供給する。ここでは、例えば、1周期を12の区間に分割して区間ごとに各スイッチのオンオフを制御する。
【0026】
なお、動作部41〜43の動作タイミングは、必ずしも毎周期同一の期間に固定される場合に限られなくても良い。例えば、動作部42のセンサの計測値に応じて動作部43の動作頻度などが変更される場合、動作部41(制御部)がその動作時に動作部42からのデータを取得して演算処理を行い、動作部43の動作期間に係る負荷動作設定情報442の書き換えを行うことが出来る。この場合に、動作部43の動作期間が適切に動作部42や次の動作部41の動作期間と重なるように同期して設定することで、負荷を集中させることが出来る。
【0027】
図4は、負荷動作設定情報442の例を示す図である。
動作部41〜43及びマイコン44について、それぞれ1周期分の見込み消費電流値が区間ごとに示されている。消費電流値が「0」の区間が非動作の区間であり、非ゼロの値「A」、「B」の区間が動作する区間である。なお、マイコン44の消費電流値が動作内容によって変化し得る場合、そのまま平均的な値を用いても良いし、動作状況に応じて随時調整しても良い。これらの情報は、予め図示略のキーボードなど操作部を介したユーザの入力操作などに基づいて動作部41(制御部)により設定され、マイコン44に送られて書き込まれている。
【0028】
図5は、本実施形態の電子機器における動作部41〜43の動作タイミングと、これらに応じたDC/DC変換器10の動作タイミングとの他の例を示す図である。
各動作部41〜43の動作時の消費電流が異なる場合、全ての負荷を集中させるとDC/DC変換器10による電力の安定供給能力を超える場合、或いは、動作部41〜43の動作制限(例えば、同時に動作させると互いに悪影響を与えるものなど)がある場合などでは、基準値Ic以上となる期間は、全ての動作部41〜43及びマイコン44が動作するタイミングに限られる訳ではない。
【0029】
図6は、本実施形態の電子機器1において実行される電力供給制御処理のマイコン44のCPU444による制御手順を示すフローチャートである。
この電力供給制御処理は、動作部41〜43が定期的に動作する間常駐して継続的に実行される。
【0030】
電力供給制御処理が開始されると、CPU444は、初期値として区間番号Nに「0」を設定し、また、動作部41〜43及びマイコン44のキャパシタC1〜C4からの供給電流積算値It(k)(k=1〜4)をそれぞれ「0」に設定する(ステップS101)。
【0031】
CPU444は、負荷動作設定情報442を参照し、区間番号Nの区間における第1動作部41〜第3動作部43及びマイコン44の動作電流値I(k、N)(k=1〜4)を取得する(ステップS102)。CPU444は、取得された各動作部の動作電流値を加算してこれらの合計値である合計消費電流値Σ
kI(k、N)を算出する(ステップS103)。
【0032】
CPU444は、合計消費電流値Σ
kI(k、N)が基準電流値以上であるか否かを判別(監視)する(ステップS104)。基準電流値以上であると判別された場合(基準電圧値以上の合計消費電流値Σ
kI(k、N)を検出した場合)には(ステップS104で“YES”)、CPU444は、区間番号Nの区間の第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオンに設定する(ステップS105)。また、CPU444は、動作部41〜43及びマイコン44のキャパシタC1〜C4からの供給電流積算値Itを「0」に初期化する(ステップS106)。それから、CPU444の処理は、ステップS110に移行する。
【0033】
合計消費電流値Σ
kI(k、N)が基準電流値以上ではない(未満である)と判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU444は、動作部41〜43及びマイコン44のキャパシタC1〜C4からの供給電流積算値It(k)にそれぞれ動作電流値I(k、N)を加算する(ステップS107)。
【0034】
CPU444は、供給電流積算値It(k)(供給電力量)の少なくとも1つが、対応する各キャパシタC1〜C4の動作制限値(上限電力量)以上であるか否かを判別する(ステップS108)。少なくとも1つが動作制限値以上であると判別された場合には(ステップS108で“YES”)、CPU444の処理は、ステップS105に移行する。何れも動作制限値以上ではない(未満である)と判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU444は、区間番号Nの区間の第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオフに設定する(ステップS109)。それから、CPU444の処理は、ステップS110に移行する。
【0035】
ステップS106又はステップS109の処理からステップS110の処理に移行すると、CPU444は、動作電流値I(k、N)がゼロでない動作部41〜43及びマイコン44にそれぞれ対応する第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24をオンに設定し、オンに設定されなかった残りのスイッチをオフに設定する(ステップS110)。動作設定に係る第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24の動作は、各タイミングで割込み実行される。CPU444は、区間番号Nの先頭タイミングまで待機し、先頭タイミングで第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14及び第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24を設定に応じて同期して動作させる(ステップS111)。
【0036】
CPU444は、区間番号Nに「1」を加算する(ステップS112)。このとき、区間番号Nが「12」になる場合には、区間番号Nの値を「0」に戻す。それから、CPU444の処理は、ステップS102に戻る。
【0037】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、DC/DC変換器10と、所定の機能に係る動作を行う動作部41〜43及びマイコン44と、動作部41〜43及びマイコン44の動作電流が所定の基準値Ic未満となる期間にDC/DC変換器10からの電力供給を中止させる供給制御部としてのマイコン44と、を備える。
これにより、動作部41〜43及びマイコン44の動作電流が小さく、DC/DC変換器10を動作させても動作効率が低くなると想定される期間にはDC/DC変換器10からの電力供給を行わなくさせるので、DC/DC変換器10の動作効率の低下を防ぐことが出来る。
【0038】
また、DC/DC変換器10が供給する電力の一部を蓄えるキャパシタC1〜C4を備え、マイコン44は、DC/DC変換器10からの電力供給を中止させている期間には、動作部41〜43及びマイコン44の動作をキャパシタC1〜C4が蓄えた電力により行わせる。
従って、キャパシタC1〜C4の充電によりDC/DC変換器10の出力電流をより集中させる一方、当該キャパシタC1〜C4からの放電により、DC/DC変換器10からの電力供給がなくとも動作を安定して実行させることが可能となり、動作部41〜43及びマイコン44の動作能力(スペック)を損なったり、別個にバッテリなどを用意したりする必要が無い。
【0039】
また、マイコン44は、動作部41〜43及びマイコン44の動作電流が所定の基準値Ic以上となる場合にDC/DC変換器10からキャパシタC1〜C4及び動作部41〜43及びマイコン44に電力供給を行わせる。従って、DC/DC変換器10の動作効率をより上昇させて効率良くDC/DC変換器10、動作部41〜43及びマイコン44の動作を行わせることが出来る。
【0040】
また、特に、電力の供給先として複数の動作部41〜43及びマイコン44を複数備え、キャパシタC1〜C4は、複数の動作部41〜43及びマイコン44に対して各々設けられ、マイコン44は、複数の動作部41〜43及びマイコン44の動作電流の合計値である合計消費電流値Σ
kI(k、N)が所定の基準値Ic未満の場合にDC/DC変換器10からの電力供給を中止させ、キャパシタC1〜C4の各々が蓄電した電力により動作部41〜43及びマイコン44をそれぞれ動作させる。
このように、複数の動作部に対して電力を供給する場合には、これら動作部41〜43及びマイコン44の合計消費電流値Σ
kI(k、N)に応じてDC/DC変換器10を動作させることで、同様に動作効率の上昇を図ることが出来る。
【0041】
即ち、マイコン44は、複数の動作部41〜43、マイコン44の動作電流の合計値である合計消費電流値Σ
kI(k、N)が所定の基準値Ic以上の場合に、複数のキャパシタC1〜C4、及び当該複数のキャパシタC1〜C4に各々対応する複数の動作部41〜43、マイコン44に対して電力を供給するので、DC/DC変換器10の動作効率を高く維持しつつ、動作部41〜43及びマイコン44に適切に電力供給を行うことが出来る。
【0042】
また、複数のキャパシタC1〜C4と当該複数のキャパシタC1〜C4に各々対応する前記動作部41〜43、マイコン44との間のそれぞれには、キャパシタから動作部(マイコン)への電力供給を遮断する第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24が設けられ、複数の動作部41〜43は、間欠的に動作を行い、マイコン44は、動作部41〜43が動作を行わない期間に対応する第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24をオフさせる。これにより、動作部41〜43の非動作時にキャパシタC1〜C4からの電流リークを防ぐことが出来るので、DC/DC変換器10からの電力供給が中止されている期間中、動作部41〜43の動作に応じた電力をより無駄なく当該動作部41〜43に供給することが出来る。
【0043】
また、DC/DC変換器10とキャパシタC1〜C4の各々との間には、複数のキャパシタC1〜C4の間での電流を遮断する第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14を備える。これにより、DC/DC変換器10の非動作時にキャパシタC1〜C4から各々個別に動作部41〜43、マイコン44に供給される電流量の違いによる当該キャパシタC1〜C4間での電流の発生を防ぎ、不要な電流の発生による損失の増加などを抑えることが出来る。
【0044】
また、マイコン44は、DC/DC変換器10からの電力供給が行われている期間に上述の第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオンさせ、当該電力供給が中止させている期間に第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオフさせることで、DC/DC変換器10の非動作時にキャパシタC1〜C4からDC/DC変換器10への逆流(回り込み)を防止し、また、キャパシタC1〜C4から各々個別に動作部41〜43、マイコン44に供給される電流量の違いによる電流の発生を防ぎ、充電の無駄や、不要な電流の発生による損失の増加などを抑えることが出来る。
【0045】
また、マイコン44は、キャパシタC1〜C4から動作部41〜43、マイコン44への供給電力量を監視する監視部として動作し、マイコン44は、DC/DC変換器10からの電力供給が中止されている期間における供給電力量がキャパシタC1〜C4に係る所定の動作制限値以上となったことが検出された場合に、DC/DC変換器10からの電力供給を行わせる。
これにより、たとえ、DC/DC変換器10からの通常の電力供給の間隔が開いたり、動作部41〜43、マイコン44の動作電流が想定外に増加したりしてキャパシタC1〜C4から供給可能な電力が不足し、及び/又は電圧が必要電圧よりも低下する状況になった場合には、例外としてDC/DC変換器10から電力供給を行わせることが可能になり、動作部41〜43、マイコン44をより安定的に動作させることが出来る。
【0046】
また、キャパシタC1〜C4は、コンデンサであり、容易且つロスなく電力を蓄えることが出来る。
【0047】
また、DC/DC変換器10を用いることで、出力電流が適切に大きい値であれば、動作効率を非常に高くすることが可能であり、電力供給上のロスを低減させることが出来る。
【0048】
また、DC/DC変換器10と、所定の機能に係る動作を行う動作部41〜43及びマイコン44と、を備える本実施形態の電子機器1の電力供給制御方法は、動作部41〜43及びマイコン44の動作電流が所定の基準値Ic未満となる期間にDC/DC変換器10からの電力供給を中止させる供給遮断ステップを含む。
従って、動作部41〜43及びマイコン44の動作電流の合計値が小さく、DC/DC変換器10を動作させても動作効率が低くなる期間には、DC/DC変換器10からの電力供給を行わなくさせるので、DC/DC変換器10の動作効率の低下を防ぐことが出来る。
【0049】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の電子機器について説明する。
図7は、第2実施形態の電子機器1aの回路構成を示す概略図である。
【0050】
第2実施形態の電子機器1aは、マイコン44の代わりにマイコン44aを備え、このマイコン44aは、電力供給設定情報443を有している。その他の構成は、第1実施形態の電子機器1と同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態の電子機器1aでは、マイコン44aのレジスタなどに電力供給設定情報443が記憶され、予め第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14がオンオフ動作されるタイミングが規定されている。また、負荷動作設定情報442は、マイコン44aのレジスタなどに第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24の切替タイミングを規定するものとして記憶保持されている。マイコン44aは、これらの情報に基づいてハードウェア的に各スイッチの切り替えを行うので、切替動作について、CPU444は動作を行わない。従って、他の処理が必要としなければ、CPU444へのクロック信号の供給、即ちCPU444の動作は、通常、停止されても良い。
【0052】
切替タイミングの定め方は、上記第1実施形態の電子機器1と同一であり、詳しい説明を省略する。これらの設定は、予め第1動作部41で行われて、マイコン44aに送られることで、マイコン44aが第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14及び第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24の切替動作を行う。
【0053】
以上のように、第2実施形態の電子機器1aは、マイコン44aのCPU444を用いずに第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14及び第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24の切替動作を行うので、マイコン44aの不要な電力消費を抑えつつ、より簡便な処理で、高速に各スイッチの処理を適切に行って、動作部41〜43、マイコン44の合計の電流値が大きい期間以外では、DC/DC変換器10からの電力供給を中止させることで、動作効率を高く維持することが出来る。
【0054】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電子機器について説明する。
図8は、第3実施形態の電子機器1bの回路構成を示す概略図である。
この電子機器1bは、第1実施形態の電子機器1と比較して、マイコン44がマイコン44bに置き換えられ、また、動作部41〜43及びマイコン44bへの供給電流を計測する電流計測部A1〜A4(電力計測部)を備える点を除いて同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
電流計測部A1〜A4で計測された実測電流値Io(k)(k=1〜4)は、マイコン44bに送られる。
マイコン44bは、電流値比較部443bを備える。電流値比較部443bは、取得された実測電流値Io(k)を所定のサンプリングレートでデジタル数値化し、得られた値を加算して基準値Icと比較する。このサンプリングレートに係るサンプリング周期は、上述の区間の長さより十分短く設定され得る。
【0056】
図9は、本実施形態の電子機器1で実行される電力供給制御処理のCPU444による制御手順を示すフローチャートである。この電力供給制御処理は、第1実施形態の電力供給制御処理と比較して、ステップS102bの処理が追加され、また、ステップS103、S104、S107の処理がそれぞれステップS103b、S104b、S107bの処理に置き換えられた点を除いて同一であり、同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
CPU444は、ステップS102の処理に続いて、電流計測部Ak(k=1〜4)による実測電流値Io(k)を取得する(ステップS102b)。CPU444は、電流値比較部443bにより合計実測電流値Σ
kIo(k)を算出させ(ステップS103b)、また、この合計実測電流値Σ
kIo(k)が基準値Ic以上であるか否かを判別させる(ステップS104b)。
【0058】
基準値Ic以上であると判別された場合には(ステップS104bで“YES”)、CPU444の処理は、ステップS105に移行する。基準値Ic以上ではない(未満である)と判別された場合には(ステップS104bで“NO”)、CPU444は、各実測電流値Io(k)をIt(k)に加算する(ステップS107b)。それから、CPU444の処理は、ステップS108に移行する。
【0059】
以上のように、第3実施形態の電子機器1bは、動作部41〜43、マイコン44へ供給される電力(消費電流、電圧が所定値であれば、電力に対応)を計測する電流計測部A1〜A4を備え、マイコン44は、電流計測部Ak(k=1〜4)により計測される実測電流値Io(k)に基づいてDC/DC変換器10からの電力供給の可否を切り替える。従って、動作部41〜43やマイコン44の動作電流が不均一などで予測しづらい場合や、予測は可能であっても条件に該当する状況が細かく分布するなどで、予め設定する処理が煩雑になる場合など、実測値を直接比較回路などに入力させることでむしろ容易かつ適切にDC/DC変換器10の電力供給可否を切り替えることが出来る。
【0060】
なお、本実施形態のCPU444による各処理を電流値比較部443bの論理回路でハードウェア的に行わせることにより、第2実施形態の処理と同様に、CPU444を介さずに第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14及び第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24のオンオフ切り替えを行わせることが出来る。
【0061】
また、電流計測部A1〜A4に加えてキャパシタC1〜C4の電圧値を計測する電圧計測部を設け、ステップS107b、S108の処理の代わりに、この電圧値を所定の下限値と比較することにより、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14のオンオフの設定を行うこととしても良い。また、電流計測値と電圧計測値から電力を計算して消費電力量を算出しても良い。
【0062】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の電子機器について説明する。
図10は、第4実施形態の電子機器1cの回路構成を示す概略図である。
【0063】
本実施形態の電子機器1cは、第2実施形態の電子機器1aと比較して、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、第3ダイオードD3と、第4ダイオードD4と、中間スイッチSWT(第2逆流遮断部)と、中間キャパシタCT(中間蓄電部)とが追加された点を除き同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
中間スイッチSWTは、DC/DC変換器10から中間キャパシタCTへの電力供給の可否を切り替える。マイコン44からの切替信号に応じて中間スイッチSWTがオフされている場合には、DC/DC変換器10から中間キャパシタCT以降への電力供給が遮断され、中間スイッチSWTがオンされている場合に、DC/DC変換器10から中間キャパシタCT以降への電力供給が可能となる。
【0065】
中間キャパシタCTは、DC/DC変換器10から出力された電力を一時的に蓄電し、状況に応じてキャパシタC1〜C4に対して電力を供給する。この中間キャパシタCTの電気容量は、少なくともキャパシタC1〜C3の電気容量より大きく設定される。
【0066】
第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3及び第4ダイオードD4(以降まとめて、ダイオードD1〜D4などとも記す。本実施形態の電子機器1cにおいて、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14とともに第1逆流遮断部を構成する)は、それぞれ、中間キャパシタCTの出力が動作部41〜43及びマイコン44に対して分岐されてから第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14までの間に設けられ、キャパシタC1〜C4の各々から他のキャパシタ、中間キャパシタCT及びDC/DC変換器10への逆流を防止する。
【0067】
次に、本実施形態の電力供給動作について説明する。
図11は、本実施形態の動作部41〜43の動作タイミングと、これらに応じたDC/DC変換器10の動作タイミング、並びに第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14、第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24、及び中間スイッチSWTのオンオフを切り替えるタイミングとを例示する図である。
【0068】
中間スイッチSWTは、DC/DC変換器10の動作タイミングと同期してオンされる。このとき、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14及び第21スイッチSW21〜第24スイッチSW24も同時にオンされるので、DC/DC変換器10から中間キャパシタCT及びキャパシタC1〜C4の充電と、動作部41〜43及びマイコン44への給電とが同時に行われる。
【0069】
また、DC/DC変換器10が非動作の場合に、中間スイッチSWTがオフされることで、中間キャパシタCTからDC/DC変換器10への逆流が防がれる。
【0070】
一方、この電子機器1cでは、DC/DC変換器10からの電力供給がない期間において、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14がオンされて、中間キャパシタCTからキャパシタC1〜C4の何れかに電力が供給される場合がある。ここでは、第13スイッチSW13がオンされて、中間キャパシタCTから第3キャパシタC3に電力が供給される。このとき、第3キャパシタC3の電圧よりも中間キャパシタCTの電圧が低い場合に、第3ダイオードD3が機能して逆流を防いでいる。同様に、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14のうち複数が同時にオンされる場合にも、当該同時にオンされたスイッチに対応するキャパシタC1〜C4の間で電流が流れないようにダイオードD1〜D4が機能する。
【0071】
本実施形態の電子機器1cでは、予め第1動作部41において、DC/DC変換器10の動作タイミングと同期して中間スイッチSWTがオンされる期間を設定するとともに、見積もられた電流量、即ち、キャパシタC1〜C4の蓄電状況に応じて第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14の動作(開閉)設定がなされる。これら各スイッチの動作設定情報がマイコン44aに送られて電力供給設定情報443として記憶され、ハードウェア動作として発振回路441から出力されるクロック信号に同期して各スイッチの切替動作を行う。
【0072】
図12は、本実施形態の電子機器1cにおいて実行される動作設定処理の第1動作部41による制御手順を示すフローチャートである。
この動作設定処理は、第1動作部41が間欠動作されるごとに起動されて実行される。
【0073】
第1動作部41(CPU)は、次の周期における動作部41〜43及びマイコン44の動作期間を設定する(ステップS401)。このとき、第1動作部41は、必要に応じて他の動作部42、43などのセンサなどによる計測データを取得して設定に用いることが出来る。
【0074】
第1動作部41は、キャパシタC1〜C4の蓄電量を見積もる(ステップS402)。第1動作部41は、これらの蓄電量に応じて、中間スイッチSWT及び第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14の動作タイミングを設定する(ステップS403)。動作期間の設定と、スイッチの動作タイミングに係る設定とをマイコン44aの負荷動作設定情報442及び電力供給設定情報443にそれぞれ書き込む(ステップS404)。そして、第1動作部41は、動作設定処理を終了する。
【0075】
なお、本実施形態の電子機器1cにおいて、CPU444が上述のタイミングでソフトウェア的に各スイッチの切替制御を行っても良い。また、第3実施形態の電子機器1bと同様に、計測された実測電流値Io(k)に応じて中間スイッチSWTを含む全てのスイッチをオンさせるとともに、キャパシタC1〜C4の出力電流が基準値以上の場合に、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオンして、中間キャパシタCTからキャパシタC1〜C4の一部又は全部に電力を供給しても良い。
【0076】
以上のように、第4実施形態の電子機器1cは、間欠動作する動作部41〜43の動作タイミングを調整して当該動作部41〜43の動作タイミングを揃えることで、動作電流の合計値である合計消費電流値Σ
kI(k、N)を所定の基準値Ic以上とさせる制御部(第1動作部41)を備える。
このように、間欠動作のタイミングを揃えられる場合には揃えることで、電子機器1cでは、効率良くDC/DC変換器10からの電力供給が可能となるタイミングを意図的に生じさせ、DC/DC変換器10からの電力供給をより効率良く行わせることを可能とすることが出来る。
【0077】
また、動作部41〜43(又はこれらのうち少なくとも2つ)は、周期的に動作を行い、制御部(第1動作部41)は、動作部41〜43のうち少なくとも2つの動作期間を同期させて、各周期で当該同期された動作期間における動作電流の合計値を所定の基準値Ic以上とさせる。これにより、毎周期定期的且つ確実にDC/DC変換器10からの電力供給が行われることになるので、より容易な処理で、効率の良いDC/DC変換器10の動作によりキャパシタC1〜C4の蓄電量を維持しつつ適切に動作部41〜43、マイコン44に安定した電力供給を行うことが出来る。
【0078】
また、DC/DC変換器10と第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14との間でDC/DC変換器10が供給する電力の一部を蓄える中間キャパシタCTを備え、第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14の各々に対して直列に、キャパシタC1〜C4からの逆流を防止するダイオードD1〜D4を備え、マイコン44は、DC/DC変換器10からの電力供給が行われている期間に第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14をオンさせ、電力供給が中止されている期間に、キャパシタC1〜C4の蓄電状況に応じて定められるキャパシタC1〜C4及び動作部41〜43、マイコン44への中間キャパシタCTからの電力供給の可否に応じて第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14を開閉させる。
従って、DC/DC変換器10からの電力供給が中止されている場合に、キャパシタC1〜C4の蓄電量が不足するような場合には、中間キャパシタCTから必要なキャパシタに対して選択的に電力供給を行わせることが出来る。また、複数のキャパシタC1〜C4に対して電力供給を行う場合でも、これらの間で電流が流れるのを防ぐことが出来る。また、キャパシタC1〜C4から中間キャパシタCTに逆流するのを防ぐことが出来る。これらにより、DC/DC変換器10からの電力供給を効率良い期間に保ち、且つ不要な電流の発生を抑えつつ、DC/DC変換器10の非動作期間でも、更に安定的に各キャパシタC1〜C4から動作部41〜43、マイコン44に対して電力供給を行うことが出来る。
【0079】
また、中間キャパシタCTからDC/DC変換器10への電流の逆流を防ぐ中間スイッチSWTを備えるので、DC/DC変換器10から電流を出力しない場合に、DC/DC変換器10の動作を中止させつつ中間キャパシタCTからの逆流を防ぐ。これにより、不要な電流の発生による無駄の低減やDC/DC変換器10の不具合の抑止を抑え、また、中間キャパシタCTの蓄電量の適切な維持を図ることが出来る。
【0080】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、マイコン44にも同様にDC/DC変換器10からの電力供給のオンオフ制御を適用したが、別個に乾電池やボタン型電池などを用いてマイコン44を動作させても良い。
【0081】
また、第4キャパシタC4の代わりに二次電池を用いてマイコン44をより安定的に動作可能としても良い。この場合、この二次電池の充電が可能に第14スイッチSW14をオンさせる必要がある。或いは、第4実施形態の電子機器1cにおいて、中間キャパシタCTに蓄電された電荷が専ら二次電池の充電に用いられても良い。また、二次電池の充電に必要な場合には、第14スイッチSW14と当該二次電池との間にPWMに係る構成などが更に設けられていても良い。
【0082】
また、上記実施の形態では、DC/DC変換器10からの電力供給時にキャパシタC1〜C4に蓄電させ、電力供給がなされない間にはこれらキャパシタC1〜C4から動作部41〜43及びマイコン44に電力供給を行わせたが、キャパシタC1〜C4を設けずに、直接適切な電圧で電力供給可能な(即ち、電力供給動作に内部消費電力などが生じない又は十分に小さい)乾電池やボタン型電池などの補助電源部(補助電力供給部)を備え、動作部41〜43及びマイコン44への電力供給元を切り替えることとしても良い。
【0083】
また、上記実施の形態では、動作部41〜43及びマイコン44の合計の動作電流値により判別を行ったが、実際の処理としては、単に動作した動作部の数であっても良い。また、基準値Icは、動作部41〜43及びマイコン44の1周期での電流消費量と第11スイッチSW11〜第14スイッチSW14のオン期間における電流供給量との比に応じて定められるので、各周期で最も電流消費量が多い(負荷が大きい)期間のみに限られるものではない。
【0084】
また、上記実施の形態では、動作部41〜43が同一周期又は一番長い周期のものに対して整数分の1の周期で動作する場合を例に挙げて説明したが、必ずしも全ての動作部がこのような関係の周期で動作する必要はない。例えば、LEDの点滅動作を行わせる動作部の点滅周期が制御部の動作周期の整数分の1に限られる必要はなく、更には、点滅パターンがランダムであるなどの間欠的なパターンであっても良い。
【0085】
また、上記実施の形態では、キャパシタC1〜C4の蓄電状況を判別して、合計消費電流値が基準電流値未満であってもDC/DC変換器10から電力を供給し得ることとしたが、周期的な動作が固定されていて、このような状況が想定されない場合には、蓄電状況の監視に係る処理(
図6のステップS107、S108など)を省略しても良い。
【0086】
また、マイコン44の動作設定は、第1動作部41により行われるものに限られない。マイコン44が特定の外部入力端子を備え、外部のコンピュータなどの電子機器で設定された負荷動作設定情報442や電力供給設定情報443を取得しても良い。
【0087】
また、上記実施の形態では、入力された電力から動作部41〜43及びマイコン44の動作電圧を生成して出力する電力供給部として、スイッチングレギュレータであるDC/DC変換器を用いることとしたが、本発明に係る電力供給部は、動作電圧の生成、出力に際し、ある程度の内部消費電力が生じるもの全般に対して適用可能であり、特に、消費電流を下げるためにむしろ内部消費電力が増大するものに好ましく適用される。従って、電力供給部には、例えば、リニアレギュレータであるLDOなどが用いられる場合も含まれる。また、供給電圧を上昇させる場合には、チャージポンプ回路を備えるスイッチングレギュレータなどが用いられても良い。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や動作内容など具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0089】
[付記]
<請求項1>
電力供給部と、
所定の機能に係る動作を行う機能動作部と、
前記機能動作部の動作電流が所定の基準値未満となる期間に前記電力供給部からの電力供給を中止させる供給制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記電力供給部が供給する電力の一部を蓄える蓄電部を備え、
前記供給制御部は、前記電力供給部からの電力供給を中止させている期間には、前記機能動作部の動作を前記蓄電部が蓄えた電力により行わせる
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
<請求項3>
前記供給制御部は、前記機能動作部の動作電流が前記所定の基準値以上となる場合に前記電力供給部から前記蓄電部及び前記機能動作部に電力供給を行わせることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
<請求項4>
前記機能動作部を複数備え、
前記蓄電部は、前記複数の機能動作部に対して各々設けられ、
前記供給制御部は、前記複数の機能動作部の動作電流の合計値が所定の基準値未満の場合に前記電力供給部からの電力供給を中止させ、前記蓄電部の各々が蓄電した電力により前記機能動作部をそれぞれ動作させることを特徴とする請求項2又は3記載の電子機器。
<請求項5>
前記供給制御部は、前記複数の機能動作部の動作電流の合計値が前記所定の基準値以上の場合に前記複数の蓄電部、及び当該複数の蓄電部に各々対応する前記複数の機能動作部に対して電力を供給する
ことを特徴とする請求項4記載の電子機器。
<請求項6>
前記複数の蓄電部と当該複数の蓄電部に各々対応する前記機能動作部との間のそれぞれには、前記蓄電部から前記機能動作部への電力供給を遮断する出力遮断スイッチング素子が設けられ、
前記複数の機能動作部のうち少なくとも一部は、間欠的に動作を行い、
前記供給制御部は、前記機能動作部が動作を行わない期間に前記出力遮断スイッチング素子をオフさせる
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子機器。
<請求項7>
前記少なくとも一部の機能動作部の動作タイミングを調整して前記複数の機能動作部の動作タイミングを揃えることで、前記動作電流の合計値を前記所定の基準値以上とさせる動作設定部を備えることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
<請求項8>
前記複数の機能動作部のうち少なくとも2つは、周期的に動作を行い、
前記動作設定部は、前記少なくとも2つの機能動作部のうち少なくとも2つの動作期間を同期させて、各周期で当該同期された動作期間における前記動作電流の合計値を前記所定の基準値以上とさせる
ことを特徴とする請求項7記載の電子機器。
<請求項9>
前記電力供給部と前記複数の蓄電部の各々の間には、前記複数の蓄電部の間での電流を遮断する第1逆流遮断部を備えることを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項10>
前記第1逆流遮断部は、電流遮断スイッチング素子を備え、
前記供給制御部は、前記電力供給部からの電力供給が行われている期間に前記電流遮断スイッチング素子をオンさせ、当該電力供給が中止させている期間に前記電流遮断スイッチング素子をオフさせることを特徴とする請求項9記載の電子機器。
<請求項11>
前記電力供給部と前記第1逆流遮断部との間で前記電力供給部が供給する電力の一部を蓄える中間蓄電部を備え、
前記第1逆流遮断部は、電流遮断スイッチング素子と、前記蓄電部からの逆流を防止するダイオードと、を備え、
前記供給制御部は、前記電力供給部からの電力供給が行われている期間に前記電流遮断スイッチング素子をオンさせ、当該電力供給が中止されている期間に、前記蓄電部の蓄電状況に応じて定められる前記中間蓄電部から前記蓄電部及び前記機能動作部への電力供給の可否に応じて前記電流遮断スイッチング素子を開閉させる
ことを特徴とする請求項9記載の電子機器。
<請求項12>
前記中間蓄電部から前記電力供給部への電流の逆流を防ぐ第2逆流遮断部を備えることを特徴とする請求項11記載の電子機器。
<請求項13>
前記蓄電部から前記機能動作部への供給電力量を監視する監視部を備え、
前記供給制御部は、前記監視部により、前記電力供給部からの電力供給が中止されている期間における前記供給電力量が当該蓄電部に係る所定の上限電力量以上となったことが検出された場合に、前記電力供給部からの電力供給を行わせる
ことを特徴とする請求項2〜12の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項14>
前記蓄電部は、コンデンサであることを特徴とする請求項2〜13の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項15>
前記電力供給部は、DC/DC変換器を有することを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項16>
前記機能動作部へ供給される電力を計測する電力計測部を備え、
前記供給制御部は、当該電力計測部により計測される電力に基づいて前記電力供給部からの電力供給の可否を切り替える
ことを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項17>
電力供給部と、所定の機能に係る動作を行う機能動作部と、を備える電子機器の電力供給制御方法であって、
前記機能動作部の動作電流が所定の基準値未満となる期間に前記電力供給部からの電力供給を中止させる供給遮断ステップ
を含むことを特徴とする電子機器の電力供給制御方法。