(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記盛り上がり量算出部は、ラインホワイトボードを参照したユーザ数をYとし、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数をZとし、前記チーム内の全ユーザ数をXとした場合、(1)式によって前記盛り上がり量を求める、請求項1から3のいずれか一つに記載の更新通知装置。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X (1)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る更新通知装置、更新通知方法及びプログラムについて、
図1から
図10を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る更新通知装置1の概略構成を示す図である。更新通知装置1は、更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードとの関連性、前記オンラインホワイトボードのオブジェクトの更新量、及び、前記オンラインホワイトボードの盛り上がり量を考慮して、前記ユーザに前記オンラインホワイトボードの更新通知を行うシステムである。
【0020】
なお、オンラインホワイトボードの盛り上がり量とは、更新通知対象のユーザが所属するチーム内において、全ユーザ数のうち、そのオンラインホワイトボードに対して参照または書き込みを行ったユーザ数の割合を意味する。チームとは、共同作業を行う複数のユーザによって構成される組織である。
【0021】
また、ユーザとは、クライアントによって、オンラインホワイトボードにアクセス可能な利用者である。
【0022】
更新通知装置1は、更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードとの関連性を関連度として算出するとともに、前記オンラインホワイトボードのオブジェクトの更新量及び前記オンラインホワイトボードでの盛り上がり量を算出する。そして、更新通知装置1は、算出した関連度、更新量及び盛り上がり量を用いて、前記ユーザへの更新通知を行うかどうかを判定し、前記ユーザへの更新通知が必要と判断された場合に該ユーザへの更新通知を行う。
【0023】
具体的には、更新通知装置1は、関連度算出部11と、更新量算出部12と、盛り上がり量算出部13と、更新通知部14とを備える。
【0024】
関連度算出部11は、更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードとの関連性を関連度として数値化する。関連度算出部11は、例えば、更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードの作成者、参照履歴、書き込み履歴等のデータと、更新通知対象のユーザのIDとを照合し、それらの照合結果に基づいて関連度を算出する。
【0025】
更新量算出部12は、更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードの更新量を数値
化する。また、更新量算出部12は、例えば、前記オンラインホワイトボード内で更新通知判定の対象であるオブジェクトの更新量(テキストデータの場合には文字数)を算出し、その算出値が閾値を超えているかどうかを判定し、その判定結果を更新判定値として出力する。
【0026】
盛り上がり量算出部13は、更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードに対し、更新通知対象のユーザが所属するチーム内においてどの程度、アクセスされて盛り上がっているかを判定する。盛り上がり量算出部13は、更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードにアクセス可能なユーザ数(チーム内の全ユーザ数)と直近の一定期間内に該オンラインホワイトボードに対して参照または書き込みを行ったユーザ数とを用いて、前記オンラインホワイトボードに対する盛り上がり度合いを数値化する。
【0027】
更新通知部14は、関連度算出部11によって求めた関連度と、更新量算出部12によって求めた更新量と、盛り上がり量算出部13によって求めた盛り上がり量とに基づいて、更新通知対象のユーザに更新通知を行うかどうかを判定する。更新通知判定部14は、前記関連度、前記更新量及び前記盛り上がり量に基づいて得られる値が所定値以上であれば更新通知を行う一方、前記値が所定値よりも小さければ更新通知を行わない。
【0028】
このような構成により、オンラインホワイトボードが更新された際に、該オンラインホワイトボードと関連性の高い更新通知対象のユーザに対し、該オンラインホワイトボードの更新量及び前記ユーザが所属するチーム内における前記オンラインホワイトボードの盛り上り量を考慮して、更新通知を行うことができる。したがって、複数のチームに所属する更新通知対象のユーザに対して、適切な通知頻度及びタイミングで、適度な情報量の更新通知を行うことができる。
【0029】
次に、更新通知装置1のより具体的な構成を、
図2を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る更新通知装置1を含む共同作業装置100の詳細構成を示すブロック図である。
【0030】
共同作業装置100は、複数のユーザが端末装置などによって構成されるクライアント5を用いて、オンラインホワイトボードの作成、参照及び書き込みなどを行うことが可能な装置である。共同作業装置100は、コンピュータ装置等によって構成される。
【0031】
共同作業装置100は、オンラインホワイトボード制御部21と、情報格納部22と、更新通知装置1と、情報通信部23とを備える。
【0032】
オンラインホワイトボード制御部21は、ユーザによるクライアント5の操作に応じて、オンラインホワイトボードの作成、参照及び書き込みを行う。オンラインホワイトボード制御部21は、オンラインホワイトボードへのテキストデータ、図形、画像及び文書ファイルなどの書き込みを行う。なお、以下では、オンラインホワイトボードにテキストデータを書き込む場合について説明する。
【0033】
オンラインホワイトボード制御部21は、クライアント5によってオンラインホワイトボードの作成、参照及び更新が行われた際には、そのオンラインホワイトボードの属性情報、履歴、テキスト情報、及び、クライアント5を操作しているユーザの情報等を、出力する。
【0034】
情報格納部22は、オンラインホワイトボードに関する各種情報を格納及び管理する。情報格納部22では、更新通知装置1が通知判定に用いる各種情報が格納及び管理されている。通知判定に用いる各種情報とは、オンラインホワイトボードの属性情報、参照及び
更新履歴、オンラインホワイトボードのテキスト情報、ユーザ及びチームに関する属性情報、更新通知装置1で数値化された値などである。すなわち、情報格納部22には、オンラインホワイトボード制御部21及び更新通知装置1から出力された情報が格納及び管理されている。
【0035】
情報通信部23は、共同作業装置100からクライアント5への情報送信、及び、クライアント5から共同作業装置100への情報送信を行う。
【0036】
更新通知装置1は、オンラインホワイトボードが更新された際に、更新通知対象のユーザに対して更新通知を行う。更新通知装置1は、関連度算出部11と、更新量算出部12と、盛り上がり量算出部13と、更新通知部14とを備える。
【0037】
関連度算出部11は、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボートと更新通知対象のユーザとの関連性を示す属性から関連度を算出する。関連性を示す属性としては、例えば、オンラインホワイトボードの作成者、参照履歴及び書き込み履歴等が用いられる。これらの属性は、関連度算出部11が情報格納部22から取得する。
【0038】
関連度算出部11は、更新通知対象のユーザが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの作成者かどうか、該オンラインホワイトボードを参照したことがあるかどうか、該オンラインホワイトボードに書き込みしたことがあるかどうかを判定し、これらの判定結果から、
図3に示すテーブルを用いて関連度を求める。
【0039】
具体的には、関連度算出部11は、更新通知対象のユーザが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの作成者であれば、作成者判定値を1とし、作成者でなければ、作成者判定値を0とする。また、関連度算出部11は、前記ユーザが、前記オンラインホワイトボードを過去に参照したことがあれば、参照判定値を1とし、参照したことがなければ、参照判定値を0とする。さらに、関連度算出部11は、前記ユーザが、前記オンラインホワイトボードに対して書き込みをしたことがあれば、書き込み判定値を1とし、書き込みをしたことがなければ、書き込み判定値を0とする。
【0040】
関連度算出部11は、上述の判定結果から、
図3に示すテーブルを用いて、関連度を求める。求められた関連度は、関連度算出部11から出力され、情報格納部22に一時的に格納される。
【0041】
なお、関連度算出部11は、情報格納部22に格納されているオンラインホワイトボードの属性情報(特に作成者に関する情報)、オンラインホワイトボードの参照履歴及び書き込み履歴を用いて、上述の判定を行う。
【0042】
更新量算出部12は、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの更新量を算出して、数値化する。更新量算出部12は、更新通知対象であるユーザが最後に前記オンラインホワイトボードを参照した時点、または、最後に更新通知された時点での前記オンラインホワイトボードのテキストオブジェクトと、現在の前記オンラインホワイトボードのテキストオブジェクトとを比較し、テキストデータの差分を算出する。更新量算出部12は、例えば、テキストデータの差分を文字数として算出(カウント)し、その算出結果を更新量とする。
【0043】
なお、更新量算出部12は、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードのテキストオブジェクトにおいて、文字が削除された場合には、削除した文字も更新量に含めて算出する。例えば、100文字のテキストデータを有するテキストオブジェクトが存在し、そのテキストデータに対して、30文字削除した後、50文字追加し、その後、10
文字削除する更新が行われた場合には、最終的な文字数は110文字だが、更新量としては、30+50+10=90文字になる。
【0044】
更新量算出部12は、上述のように求めた更新量が閾値以上であれば、更新判定値を1とする一方、前記更新量が閾値よりも小さければ、更新判定値を0とする。求められた更新判定値は、更新量算出部12から出力され、情報格納部22に一時的に格納される。
【0045】
なお、前記閾値は、後述の更新通知部14によって求められる。前記閾値は、チーム毎に独自の値を適用するため、更新通知対象のユーザ及び更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードが属するチーム内のすべてのオンラインホワイトボードについて、直近の単位時間当たりの更新量の平均値に、係数αを乗じた値とする。
【0046】
前記直近の単位時間とは、直近の通知判定時から所定の更新通知判定サイクルの2倍の期間を遡った期間とする。更新通知装置1が日時で更新通知を行う場合には、前々回の判定実施時から現在までの期間とする。前記更新通知判定サイクルは、後述の更新通知判定部14が更新通知の判定を行うサイクルであり、予め設定されている。
【0047】
係数αは、共同作業装置100で決められた値であり、変更可能な値である。単純な平均値を閾値として用いると、状況によっては、更新通知が行われない可能性がある。これに対し、上述のように平均値に係数αを乗じることによって、適切な頻度で更新通知が行われるように調整する。
【0048】
前記閾値は、例えば、次のように算出される。チーム内にオンラインホワイトボードが3つ存在し、それぞれの直近の単位時間当たりの平均更新量がそれぞれ100、300、500で、係数αが0.5であった場合、平均300に係数αを乗じて得られる150が、このチームの閾値となる。
【0049】
上述のようにチーム毎に閾値を求める理由は次のとおりである。
【0050】
閾値を設けずに、少量の更新でも通知を行う設定とした場合、更新通知の頻度が極端に増加することが想定される。特に、少量の更新が複数名によって高頻度で行われる共同作用業装置1の場合には、その傾向が顕著になる。これに対し、上述のような閾値を設けることにより、更新通知の頻度を適切な頻度にすることができる。
【0051】
また、更新が一部の誤字または脱字の微修正だった場合、ユーザの確認が不要な更新が何度も該ユーザに通知されるため、更新の通知頻度が増加することが想定される。これに対し、上述のような閾値を設けることにより、ユーザの確認が必要な更新について更新通知が行われるため、更新通知の頻度を適切な頻度にすることができる。
【0052】
さらに、閾値を装置全体で一つに設定した場合、チームの活動状況によっては、更新の通知が頻繁に行われる可能性がある。そのため、チーム毎に、該チームの活動状況に合わせた閾値を設定することにより、更新通知を適度に行うことができる。
【0053】
盛り上がり量算出部13は、直近の単位時間内において、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードに対して参照、書き込みを行ったユーザ数に基づいて、前記オンラインホワイトボードがどの程度、チーム内で話題になっているかという盛り上がりの度合いを数値化する。
【0054】
盛り上がり量算出部13は、直近の単位時間内において、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードを参照したユーザ数Y及び該オンラインホワイトボードに書き込
みしたユーザ数Zをそれぞれ求める。盛り上がり量算出部13は、前記オンラインホワイトボードにアクセス可能なユーザ数、すなわち、該オンラインホワイトボードを利用しているチーム全体のユーザ数Xと、上述のユーザ数Y,Zとを用いて、下式により、盛り上がり量を算出する。なお、盛り上がり量算出部13は、ユーザ数X,Y,Zを、情報格納部22から取得する。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X
【0055】
このように、前記オンラインホワイトボードを参照したユーザ数Yに0.5を乗算することにより、前記ユーザ数Yと前記オンラインホワイトボードに書き込みしたユーザ数Zとの間で重み付けをすることができる。これは、前記オンラインホワイトボードに書き込んでいる場合には、該オンラインホワイトボードを参照している場合に比べて、該オンラインホワイトボード内で議論が盛り上っていると考えられるためである。
【0056】
例えば、10名のユーザが所属するチームにおいて、あるオンラインホワイトボードを直近の単位時間内に参照したユーザが2名、書き込みしたユーザが3名の場合、盛り上がり量は、(2×0.5+3)/10=0.4である。
【0057】
上述のように求められた盛り上がり量は、盛り上がり量算出部13から出力され、情報格納部22に一時的に格納される。
【0058】
更新通知部14は、更新通知判定サイクル経過時または更新通知判定を行う特定の日時に、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13によってそれぞれ求められた値に基づいて、更新通知対象のユーザに更新通知を行うかどうかを判定する。更新通知部14は、更新通知の判定結果に基づいて、前記ユーザに対して更新通知を行う。
【0059】
なお、前記更新通知判定サイクルは、更新通知部14が、更新通知の判定を行うサイクルであり、予め設定されている。更新通知部14は、前記更新通知判定サイクルを経過したかどうかをタイマ等によってカウントしている。前記更新通知判定サイクル及び前記特定の日時は、変更可能である。
【0060】
具体的には、更新通知部14は、更新通知判定サイクル経過時または特定の日時に、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13に対して更新通知判定に用いる数値の計算処理を指示する。
【0061】
また、更新通知部14は、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13によってそれぞれ求められ且つ情報格納部22に格納されている値を合計することにより、合計値を算出する。更新通知部14は、この合計値が所定値(例えば2.0)以上の場合には、更新通知対象のユーザに対して更新通知が必要と判断して、該ユーザに対して更新通知を行う。更新通知部14は、前記合計値が所定値未満の場合には、前記ユーザに対して更新通知が不要と判断して、更新通知を行わない。
【0062】
なお、前記所定値は、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上り量算出部13によってそれぞれ求められた値の最大値を2つ満たす値に設定するのが好ましい。本実施形態では、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上り量算出部13によってそれぞれ求められた値の最大値は、それぞれ1.0であるため、前記所定値は例えば2.0に設定するのが好ましい。前記所定値を上述のように設定することにより、関連度、更新量及び盛り上がり度合いの3つの条件のうち2つを満たせば通知することになる。
【0063】
更新通知部14は、ユーザによるクライアント5の操作によって新しいオンラインホワ
イトボードが作成された際に、該オンラインホワイトボードを更新通知判定の対象に追加する。なお、更新通知判定の対象のオンラインホワイトボードに関する情報(例えば一覧データなど)は、情報格納部22に格納されている。
【0064】
更新通知部14は、上述の更新量の判定に用いられる閾値を算出する。該閾値は、既述のとおり、更新通知対象のユーザ及び更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードが属するチーム内のすべてのオンラインホワイトボードについて、直近の単位時間当たりの更新量の平均値に、係数αを乗じた値とする。
【0065】
また、更新通知部14は、更新通知の判定及び更新通知を行った後、リセット処理を行う。このリセット処理は、更新通知判定サイクルのカウントをリセットするとともに、更新通知を行ったオンラインホワイトボードに関して更新量算出部12でカウントした文字数をリセットする。
【0066】
クライアント5は、ユーザが共同作業装置100にアクセスして様々な処理を行うとともに、該共同作業装置100から受信した情報を表示する装置である。すなわち、ユーザは、クライアント5を操作することにより、共同作業装置100にアクセスすることができるとともに、該共同作業装置100から送信されてクライアント5に表示される情報を確認することができる。なお、共同作業装置100は、複数のクライアント5によるアクセスが可能であり、該複数のクライアント5を別々のユーザが用いてアクセスすることも可能である。
【0067】
具体的には、クライアント5は、情報入力部31と、情報表示部32と、情報通信部33とを有する。情報入力部31は、ユーザが共同作業装置100に対して行う処理の入力を受け付ける。情報表示部32は、共同作業装置100から受信した情報を表示する。情報表示部32は、例えば液晶画面などの表示装置によって構成される。情報通信部33は、情報入力部31に入力された処理を共同作業装置100に対して送信するとともに、該共同作業装置100から出力された情報を受信する。
【0068】
次に、本発明の実施形態に係る更新通知装置1の動作について
図4を用いて説明する。
図4は、更新通知装置1の動作を示すフロー図である。以下の説明において、
図1から
図3を適宜、参酌する。また、本実施形態では、更新通知装置1を動作させることによって、更新通知方法が実施される。よって、本実施形態における更新通知方法の説明は、以下の更新通知装置1の動作説明に代える。
【0069】
<更新通知判定>
図4に示すフローがスタートすると(スタート)、まず、更新通知装置1では、更新通知判定サイクルの経過後または更新通知判定を行う特定の日時になると、更新通知部14が、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13に対して更新通知判定のための計算処理を指示する。
【0070】
なお、更新通知部14は、更新通知判定の対象である全てのオンラインホワイトボードにおいて、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13の計算処理はこのタイミングで行うように、計算処理の指示を行う。これにより、各オンラインホワイトボードにおいて、更新通知判定のタイミングを合わせることができる。したがって、更新通知部14で閾値等の計算処理を各オンラインホワイトボードに合わせて複数回、行うことを防止できる。
【0071】
続くステップS2において、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13は、それぞれ、計算処理を行う。関連度算出部11は、更新通知判定の対象であ
るオンラインホワイトボードと更新通知対象のユーザとの関連度を求める。更新量算出部12は、前記オンラインホワイトボードの更新量を算出し、該更新量に基づいて更新判定値を求める。盛り上がり量算出部13は、前記オンラインホワイトボードの盛り上がり度合いを盛り上がり量として算出する。各計算処理の詳しい内容は、後述する。
【0072】
なお、ステップS2では、更新通知部14も、更新量に対する閾値を計算する。
【0073】
次に、ステップS3において、更新通知部14は、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13でそれぞれ算出した値を用いて、更新通知判定を行った後、更新通知処理を行う。更新通知部14は、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13でそれぞれ算出した値の合計値を求め、該合計値が所定値以上であれば、更新通知を行う一方、前記合計値が所定値よりも小さければ、更新通知を行わない。更新通知判定及び更新通知処理の詳しい内容は、後述する。
【0074】
更新通知部14は、更新通知判定の対象である全てのオンラインホワイトボードの更新通知判定を終了した後、ステップS4でリセット処理を行う。このリセット処理では、更新通知部14が更新通知判定を行う際に用いる更新通知判定サイクルのカウント及び更新量算出部12が更新量を求める際に用いる文字数のカウントをリセットする。なお、文字数のカウントのリセットは、更新通知を行ったオンラインホワイトボードについてのみ行う。
【0075】
その後、このフローを終了する(End)。
【0076】
<関連度の算出>
次に、
図5を用いて、上述のステップS2で行われる計算処理のうち、関連度の算出に関するフローについて説明する。
【0077】
図4に示すステップS1で、更新通知部14から関連度算出部11に対して計算処理の指示が行われると、
図5に示すフローがスタートする。
【0078】
まず、ステップSA1では、関連度算出部11が、更新通知対象のユーザ及び更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの作成者のそれぞれの属性を情報格納部22から取得し、前記ユーザと前記作成者とが同じかどうかを判定する。
【0079】
ステップSA1において、前記ユーザと前記作成者とが同じであると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA2に進んで、関連度算出部11が作成者判定値を1に設定する。一方、ステップSA1において、前記ユーザと前記作成者とが異なると判定された場合(NOの場合)には、ステップSA3に進んで、関連度算出部11が作成者判定値を0に設定する。
【0080】
次に、ステップSA4では、関連度算出部11が、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの参照履歴を情報格納部22から取得し、更新通知対象のユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に一度でも参照したことがあるかどうかを判定する。
【0081】
ステップSA4において、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に一度でも参照したことがあると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA5に進んで、関連度算出部11が参照判定値を1に設定する。一方、ステップSA4において、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に参照したことがないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA6に進んで、関連度算出部11が参照判定値を0に設定する。
【0082】
続くステップSA7では、関連度算出部11が、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの書き込み履歴を情報格納部22から取得し、更新通知対象のユーザが前記オンラインホワイトボードに過去に一度でも書き込みをしたことがあるかどうかを判定する。
【0083】
ステップSA7において、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に一度でも参照したことがあると判定された場合(YESの場合)には、ステップSA8に進んで、関連度算出部11が書き込み判定値を1に設定する。一方、ステップSA7において、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に参照したことがないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA9に進んで、関連度算出部11が書き込み判定値を0に設定する。
【0084】
なお、ステップSA4の判定において、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードを過去に参照したことがないと判定された場合(NOの場合)には、該オンラインホワイトボードへの書き込みもないと考えられるため、上述のステップSA7の判定を省略して、ステップSA9に進んでもよい。
【0085】
次に、ステップSA10では、関連度算出部11が、上述の各ステップで設定された作成者、参照、書き込みの各判定値と、
図3に示すテーブルとを用いて、関連度を求める。なお、参照判定値が0で且つ書き込み判定値が1の状態は考えられないため、
図3に示すテーブルには記載していない。
【0086】
続いて、ステップSA11では、ステップSA10で関連度算出部11が求めた関連度を、情報格納部22に一時的に格納する。
【0087】
<更新量の算出>
次に、
図6を用いて、上述のステップS2で行われる計算処理のうち、更新量の算出に関するフローについて説明する。
【0088】
図4に示すステップS1で、更新通知部14から更新量算出部12に対して計算処理の指示が行われると、
図6に示すフローがスタートする。
【0089】
まず、ステップSB1では、更新量算出部12が、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードを更新通知対象のユーザが最後に参照した時点または最後に更新通知された時点における前記オンラインホワイトボード内のテキストオブジェクトの状態(テキスト状態)を、情報格納部22から取得する。なお、更新量算出部12が、前記オンラインホワイトボードが作成された時点の状態を取得する場合は、初期状態(オンラインホワイトボード上にオブジェクトが全くない状態)を取得する。
【0090】
次に、ステップSB2において、更新量算出部12が、ステップSB1で取得したテキストオブジェクトの状態と、現在の前記オンラインホワイトボードにおけるテキストオブジェクトの状態とを比較して、テキストデータの差分(更新量)を算出する。
【0091】
前記差分は、テキストデータの削除も含むため、文字の追加及び削除が行われた文字数をカウントする。
【0092】
続くステップSB3では、更新量算出部12が、ステップSB2で求めた更新量が閾値以上であるかどうかを判定する。このステップSB3において、更新量が閾値以上であると判定された場合(YESの場合)には、ステップSB4に進んで、更新量算出部12が
更新判定値を1に設定する。一方、ステップSB3において、更新量が閾値よりも小さいと判定された場合(NOの場合)には、ステップSB5に進んで、更新量算出部12が更新判定値を0に設定する。
【0093】
その後、ステップSB6で、更新量算出部12が求めた更新判定値を、情報格納部22に一時的に保存する。
【0094】
<盛り上がり量の算出>
次に、
図7を用いて、上述のステップS2で行われる計算処理のうち、盛り上がり量の算出に関するフローについて説明する。
【0095】
図4に示すステップS1で、更新通知部14から盛り上り量算出部13に対して計算処理の指示が行われると、
図7に示すフローがスタートする。
【0096】
まず、ステップSC1において、盛り上がり量算出部13が、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードの参照履歴及び書き込み履歴を、情報格納部22から取得する。
【0097】
続くステップSC2において、盛り上がり量算出部13が、前記オンラインホワイトボードにアクセス可能なユーザ数、すなわち、前記オンラインホワイトボードを利用するチームの全ユーザ数Xを、情報格納部22から取得する。
【0098】
ステップSC3では、盛り上がり量算出部13が、ステップSC1で取得した参照履歴及び書き込み履歴から、直近の単位時間内に前記オンラインホワイトボードを参照したユーザ数Y、及び直近の単位時間内に前記オンラインホワイトボードに書き込みをしたユーザ数Zを算出する。
【0099】
なお、前記オンラインホワイトボードに書き込みをしたユーザは、該オンラインホワイトボードを参照しているが、前記ユーザ数Yには、前記ユーザ数Zは含まない。すなわち、前記ユーザ数Yには、前記オンラインホワイトボードを単に参照したユーザのみが含まれる。
【0100】
続いて、ステップSC4で、盛り上がり量算出部13が、全ユーザ数X、ユーザ数Y,Zを用いて、以下の式から盛り上がり量を求める。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X
【0101】
その後、ステップSC5において、ステップSC4で算出された盛り上がり量を、情報格納部22に一時的に格納する。
【0102】
<更新通知判定及び更新通知処理>
次に、
図8を用いて、
図4に示すステップS3で行われる更新通知判定及び更新通知処理に関するフローについて説明する。
【0103】
図4に示すステップS2で、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13の計算処理が終了すると、
図8に示すフローがスタートする。
【0104】
まず、ステップSD1において、更新通知部14が、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上がり量算出部13によってそれぞれ算出された値を、情報格納部22から取得する。
【0105】
続いてステップSD2では、更新通知部14が、情報格納部22から取得した値を合計することにより、合計値を得る。その後、ステップSD3において、更新通知部14が、ステップSDで求めた合計値が予め設定された所定値以上であるかどうかを判定する。
【0106】
なお、前記所定値は、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上り量算出部13によってそれぞれ求められた値の最大値を2つ満たす値に設定するのが好ましい。本実施形態の場合には、関連度算出部11、更新量算出部12及び盛り上り量算出部13によってそれぞれ求められた値の最大値は、それぞれ1.0であるため、前記所定値は例えば2.0に設定するのが好ましい。前記所定値を上述のように設定することにより、関連度、更新量及び盛り上がり度合いの3つの条件のうち2つを満たせば、更新通知を行うことになる。
【0107】
ステップSD3において、合計値が所定値以上と判定された場合(YESの場合)には、ステップSD4に進んで、更新通知が必要と判断して、更新通知部14が更新通知処理を行う。具体的には、更新通知部14が、更新通知情報を生成して出力する。該更新通知情報は、情報通信部23によって、更新通知対象のユーザのクライアント5に対して送信される。
【0108】
更新通知情報が送信されたクライアント5では、該更新通知情報に基づいた情報が情報表示部32に表示される。これにより、ユーザは、更新通知情報に基づいた情報を確認することができる。
【0109】
なお、クライアント5の情報表示部32に表示される情報(更新された部分の情報)は、更新がなかった部分に比べて一目で判別できるように表示される(例えば、更新された部分が、浮いた状態で見える、枠によって囲まれているなど)。
【0110】
一方、ステップSD3において、合計値が所定値よりも小さいと判定された場合(NOの場合)には、ステップSD5に進んで、更新通知が不要と判断して、更新通知を行わない。
【0111】
ここで、ステップSA1からSA10が関連度算出ステップに、ステップSB1からSB2が更新量算出ステップに、ステップSC1からSC4が盛り上り量算出ステップに、ステップSD1からSD4が更新通知ステップに、それぞれ対応している。
【0112】
以上のように本実施の形態によれば、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードで更新が行われた際には、該オンラインホワイトボードと更新通知対象のユーザとの関連度、該オンラインホワイトボードの更新量、及び、該オンラインホワイトボードの盛り上がり量に基づいて、前記ユーザに更新通知を行うかどうかの判定を行う。具体的には、前記関連度、前記更新量に基づく判定値及び前記盛り上がり量の合計値が所定値以上の場合には、更新通知を行う。これにより、前記関連度、前記更新量及び前記盛り上がり量を考慮した更新通知が可能になる。
【0113】
したがって、更新通知対象のユーザに関連性が高く且つ前記ユーザが所属するグループで注目されているオンラインホワイトボードにおいて、ある程度の更新が行われた場合に、更新通知を行うことができる。よって、前記ユーザに対して、適切な更新の頻度で、適切な情報量を含んだ更新通知を行うことが可能になる。
【0114】
以上より、本実施形態の共同作業装置100のように、複数のユーザが同期または非同期で少量の更新を行う装置において、ユーザへの更新通知の頻度と該ユーザに通知される情報量とがバランスの取れた更新通知を行うことができる。
【0115】
<更新通知の判定例について>
次に、上述のような構成を有する更新通知装置1において、具体的な更新通知の判定例を、
図9及び
図10を用いて説明する。
【0116】
共同作業装置100を用いて共同作業を行うチームのメンバーは、A,B,C,D,Eの5名とする。以下の説明では、5名のメンバーうち、Aに対して更新通知を行う。また、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードは、作成者がAであり、チーム内の全員が前記オンラインホワイトボードの参照及び書き込みが可能とする。
【0117】
更新通知の判定の条件は、更新通知判定サイクルが6時間であり、更新量の閾値はいずれの判定タイミングでも100文字とする。また、盛り上がり量の判定は、判定時から遡って、更新通知判定サイクルの2倍の期間(以下の説明では、6時間×2=12時間)とする。
【0118】
以上の条件において、
図9及び
図10に示すように、チーム内の各メンバーから前記オンラインホワイトボードの参照及び書き込みがあった場合について、以下で更新通知の判定について説明する。
【0119】
なお、
図9では、オンラインホワイトボード3に最初から記載されている文字41は白抜きの丸印で示し、更新された文字42は黒の丸印、追加された文字43は白抜きの三角で示す。すなわち、
図9において、オンラインホワイトボード3に更新または追加された文字は、太枠内の文字である。
【0120】
また、
図10は、更新通知判定サイクル(6時間)毎に、チーム内のメンバーが参照または書き込みを行った一例を示す表である。
【0121】
以下では、
図9及び
図10に基づいて、更新通知装置1が行う更新通知判定の例を更新通知判定サイクル(6時間)毎に説明する。
【0122】
(作成から6時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成しているが、Aは参照していないため、
図3から、0.5である。
【0123】
更新量算出部12によって算出される更新量は、チーム内の累計で50文字の書き込みなので、閾値の100文字以下である。よって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0124】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の1人が書き込みを行っているため、((0.5×0)+1))/5=0.2である。
【0125】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.5+0+0.2=0.7である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0126】
(作成から12時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成しているが、Aは参照していないため、図
3から、0.5である。
【0127】
更新量算出部12によって算出される更新量は、チーム内の累計で250文字の書き込みなので、閾値の100文字以上である。よって、更新量から求められる更新判定値は1である。
【0128】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の3人が書き込みを行っているため、((0.5×0)+3)/5=0.6である。
【0129】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.5+1+0.6=2.1である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以上のため、更新通知部14は、更新通知を行う。
【0130】
(作成から18時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照したため、
図3から、0.75である。
【0131】
更新通知を行った後、チーム内の累計では0文字の書き込みになる。よって、更新量算出部12によって算出される更新量は、閾値の100文字以下である。したがって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0132】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の2人が書き込んで、2人が参照を行っているため、((0.5×2)+2)/5=0.6である。
【0133】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.75+0+0.6=1.35である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0134】
(作成から24時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照したため、
図3から、0.75である。
【0135】
更新量算出部12によって算出される更新量は、Aがオンラインホワイトボード3を参照してから、チーム内の累計で50文字の書き込みなので、閾値の100文字以下である。したがって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0136】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中1人が書き込んで、3人が参照を行っているため、((0.5×3)+1)/5=0.5である。
【0137】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.75+0+0.5=1.25である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0138】
(作成から30時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の
対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照したため、
図3から、0.75である。
【0139】
更新量算出部12によって算出される更新量は、更新通知を行ってから、チーム内の累計で50文字の書き込みなので、閾値の100文字以下である。したがって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0140】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の1人が書き込んで、1人が参照を行っているため、((0.5×1)+1)/5=0.3である。
【0141】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.75+0+0.3=1.05である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0142】
(作成から36時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照したため、
図3から、0.75である。
【0143】
更新量算出部12によって算出される更新量は、更新通知を行ってから、チーム内の累計で50文字の書き込みなので、閾値の100文字以下である。したがって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0144】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で誰も書き込み及び参照を行っていないため、((0.5×0)+0)/5=0である。
【0145】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、0.75+0+0=0.75である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0146】
(作成から42時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3に書き込みを行ったため、
図3から、1である。
【0147】
更新量算出部12によって算出される更新量は、Aがオンラインホワイトボード3を参照してから、チーム内の累計で290文字の書き込みなので、閾値の100文字以上である。したがって、更新量から求められる更新判定値は1である。
【0148】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の3人が書き込んで、1人が参照を行っているため、((0.5×1)+3)/5=0.7である。
【0149】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、1+1+0.7=2.7である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以上のため、更新通知部14は、更新通知を行う。
【0150】
(作成から48時間後)
関連度算出部11によって算出される関連度は、更新通知対象のAが、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボード3を作成し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3を参照し、且つ、Aは該オンラインホワイトボード3に書き込みを行ったため、
図3から、1である。
【0151】
更新量算出部12によって算出される更新量は、更新通知を行ってから、チーム内の累計で20文字の書き込みなので、閾値の100文字以上である。したがって、更新量から求められる更新判定値は0である。
【0152】
盛り上がり量算出部13によって算出される盛り上がり量は、直近12時間内で全メンバー5人中の4人が書き込んで、1人が参照を行っているため、((0.5×1)+4)/5=0.9である。
【0153】
したがって、更新通知部14によって求められる合計値は、1+0+0.9=1.9である。前記合計値は、更新通知を行う基準となる所定値(2.0)以下のため、更新通知部14は、更新通知を行わない。
【0154】
以上のように、本実施形態の更新通知装置1を用いてオンラインホワイトボードの更新通知を行うことにより、該オンラインホワイトボードに対する書き込みが集中した直後(12時間後及び42時間後)に更新通知を行うことができる。
【0155】
また、更新の都度、更新通知を行う方法では、
図10に示す期間内で、書き込みが計8回あるため、更新通知が8回行われる。また、6時間ごとに定期的に更新通知を行う方法では、
図10に示す期間内で、計5回の通知であり、更新の都度、更新通知を行う方法に比べて通知回数は少ない。しかしながら、更新量が少ない場合でも更新通知を行うことになるため、オンラインホワイトボードへの書き込みが集中した場合のタイムリーな更新通知が難しい。
【0156】
これに対し、本実施形態の更新通知の方法であれば、更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードとの関連度、該オンラインホワイトボードの更新量及び該オンラインホワイトボードのチーム内での盛り上り量を考慮して、適切な通知頻度で適度な情報量を含んだ更新通知を行うことができる。
【0157】
本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図4に示すステップS1〜S4を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における更新通知装置1と更新通知方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、関連度算出部11、更新量算出部12、盛り上がり量算出部13及び更新通知部14として機能し、処理を行う。
【0158】
また、本実施形態では、関連度算出部11、更新量算出部12、盛り上がり量算出部13及び更新通知部14は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって、又はこのデータファイルが格納された記録媒体をコンピュータと接続された読取装置に搭載することによって実現されている。
【0159】
ここで、本実施形態におけるプログラムを実行することによって、更新通知装置1を実現するコンピュータについて
図11を用いて説明する。
図11は、本発明の実施形態における更新通知装置1を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0160】
図11に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0161】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0162】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0163】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0164】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0165】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0166】
前記実施形態では、オンラインホワイトボードのテキストオブジェクトが更新された場合について説明した。しかしながら、テキストオブジェクト以外のオブジェクトが更新された場合に適用してもよい。
【0167】
テキストオブジェクト以外のオブジェクトとしては、図形、画像、文書ファイルなどが挙げられる。これらのオブジェクトを更新量の判定対象とする場合、追加されたオブジェクト毎に役割が異なるため、重要度が異なることが想定される。よって、追加されたオブジェクト毎に、例えばテキストオブジェクトを基準として重み計算を行う。
【0168】
例えば、テキストオブジェクト1つの重みを1とする。この場合、図形は複数の図形で1つの説明を行う可能性が高いため、図形10個の重みを1とする。また、画像は文書の画像化など一度に複数枚が追加されるケースが多く、他のオブジェクトとの組み合わせで利用されることが多いため、画像1個の重みを0.3とする。さらに、文書は追加による情報量が多いため、文書1個の重みを1.5とする。
【0169】
なお、テキストオブジェクトを基準とするのではなく、他のオブジェクトを基準としてもよい。また、異なる種類のオブジェクトが関連性のない独立した重みに設定されていてもよい。
【0170】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記18)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0171】
(付記1)
オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新を通知するための更新通知装置であって、
更新通知対象のユーザと、更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードとの関連度を求める関連度算出部と、
前記オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新量を求める更新量算出部と、
前記オンラインホワイトボードにおいて、前記ユーザが所属するチーム内の盛り上がり量を求める盛り上がり量算出部と、
前記関連度、前記更新量及び前記盛り上がり量に基づいて、前記ユーザへの更新通知を行うかどうかを判定し、その判定結果に基づいて前記ユーザに更新通知を行う更新通知部とを備える、更新通知装置。
【0172】
(付記2)
前記更新量算出部は、求めた前記更新量が閾値以上の場合に更新判定値を出力し、
前記更新通知部は、前記関連度、前記更新判定値及び前記盛り上がり量の合計値が所定値以上の場合に、前記ユーザに更新通知を行う、付記1に記載の更新通知装置。
【0173】
(付記3)
前記関連度算出部は、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードの作成者であるか否かによって決まる作成者判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードの参照の有無によって決まる参照判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードへの書き込みの有無によって決まる書き込み判定値とを用いて、前記関連度を求める、付記1または2に記載の更新通知装置。
【0174】
(付記4)
前記関連度算出部は、前記作成者判定値、前記参照判定値及び前記書き込み判定値を合計した値を、前記関連度とする、付記3に記載の更新通知装置。
【0175】
(付記5)
前記オンラインホワイトボードは、前記ユーザを含むチーム内の各ユーザによって参照及び書き込みが可能であり、
前記盛り上がり量算出部は、前記オンラインホワイトボードを参照したユーザ数と、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数と、前記チーム内の全ユーザ数とに基づいて、前記盛り上がり量を算出する、付記1から4のいずれか一つに記載の更新通知装置。
【0176】
(付記6)
前記盛り上がり量算出部は、ラインホワイトボードを参照したユーザ数をYとし、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数をZとし、前記チーム内の全ユーザ数をXとした場合、(1)式によって前記盛り上がり量を求める、付記5に記載の更新通知装置。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X (1)
【0177】
(付記7)
オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新を通知する更新通知方法であって、
更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードとの関連度を求める関連度算出ステップと、
前記オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新量を求める更新量算出ステップと、
前記オンラインホワイトボードにおいて、前記ユーザが所属するチーム内の盛り上がり量を求める盛り上がり量算出ステップと、
前記関連度、前記更新量及び前記盛り上がり量に基づいて、前記ユーザへの更新通知を行うかどうかを判定し、その判定結果に基づいて前記ユーザに更新通知を行う更新通知ステップとを含む、更新通知方法。
【0178】
(付記8)
前記更新量算出ステップは、求めた前記更新量が閾値以上の場合に更新判定値を出力し、
前記更新通知ステップは、前記関連度、前記更新判定値及び前記盛り上がり量の合計値が所定値以上の場合に、前記ユーザに更新通知を行う、付記7に記載の更新通知方法。
【0179】
(付記9)
前記関連度算出ステップは、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードの作成者であるか否かによって決まる作成者判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードの参照の有無によって決まる参照判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードへの書き込みの有無によって決まる書き込み判定値とを用いて、前記関連度を求める、付記7または8に記載の更新通知方法。
【0180】
(付記10)
前記関連度算出部は、前記作成者判定値、前記参照判定値及び前記書き込み判定値を合計した値を、前記関連度とする、付記9に記載の更新通知方法。
【0181】
(付記11)
前記オンラインホワイトボードは、前記ユーザを含むチーム内の各ユーザによって参照及び書き込みが可能であり、
前記盛り上がり量算出ステップは、前記オンラインホワイトボードを参照したユーザ数と、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数と、前記チーム内の全ユーザ数とに基づいて、前記盛り上がり量を算出する、付記7から10のいずれか一つに記載の更新通知方法。
【0182】
(付記12)
前記盛り上がり量算出ステップは、ラインホワイトボードを参照したユーザ数をYとし、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数をZとし、前記チーム内の全ユーザ数をXとした場合、(1)式によって前記盛り上がり量を求める、付記11に記載の更新通知方法。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X (1)
【0183】
(付記13)
オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新を通知する更新通知方法を実行するためのプログラムであって、
コンピュータに、
更新通知対象のユーザと更新通知判定の対象であるオンラインホワイトボードとの関連度を求める関連度算出ステップと、
前記オンラインホワイトボードにおけるオブジェクトの更新量を求める更新量算出ステップと、
前記オンラインホワイトボードにおいて、前記ユーザが所属するチーム内の盛り上がり量を求める盛り上がり量算出ステップと、
前記関連度、前記更新量及び前記盛り上がり量に基づいて、前記ユーザへの更新通知を行うかどうかを判定し、その判定結果に基づいて前記ユーザに更新通知を行う更新通知ステップとを実行させる、プログラム。
【0184】
(付記14)
前記更新量算出ステップは、求めた前記更新量が閾値以上の場合に更新判定値を出力し、
前記更新通知ステップは、前記関連度、前記更新判定値及び前記盛り上がり量の合計値が所定値以上の場合に、前記ユーザに更新通知を行う、付記13に記載のプログラム。
【0185】
(付記15)
前記関連度算出ステップは、前記ユーザが前記オンラインホワイトボードの作成者であるか否かによって決まる作成者判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードの参照の有無によって決まる参照判定値と、前記ユーザによる前記オンラインホワイトボードへの書き込みの有無によって決まる書き込み判定値とを用いて、前記関連度を求める、付記13または14に記載のプログラム。
【0186】
(付記16)
前記関連度算出ステップは、前記作成者判定値、前記参照判定値及び前記書き込み判定値を合計した値を、前記関連度とする、付記15に記載のプログラム。
【0187】
(付記17)
前記オンラインホワイトボードは、前記ユーザを含むチーム内の各ユーザによって参照及び書き込みが可能であり、
前記盛り上がり量算出ステップは、前記オンラインホワイトボードを参照したユーザ数と、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数と、前記チーム内の全ユーザ数とに基づいて、前記盛り上がり量を算出する、付記13から16のいずれか一つに記載のプログラム。
【0188】
(付記18)
前記盛り上がり量算出ステップは、ラインホワイトボードを参照したユーザ数をYとし、前記オンラインホワイトボードに書き込んだユーザ数をZとし、前記チーム内の全ユーザ数をXとした場合、(1)式によって前記盛り上がり量を求める、付記17に記載のプログラム。
盛り上がり量=(Y×0.5+Z)/X (1)