(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、図中、同一、又は相当部分については、同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
(実施形態1)
図1から
図3を参照して、本発明の実施形態1に係る感光体ドラム1について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る感光体ドラム1の一端部を示す断面図である。
図1は、感光体ドラム1の軸心に沿った断面図である。
図1において、導電性支持体2の軸心に沿った方向を軸方向Xとする。また、軸方向Xと直交する方向を径方向Yとする。
【0013】
図1に示すように、感光体ドラム1は、導電性支持体2と、感光層21と、第1非導電層22aと、第2非導電層22bと、金属板3と、フランジ4と、軸部5とを備える。感光体ドラム1は、例えば、コピー機、プリンター、ファクシミリ、又は複合機のような画像形成装置に組み込まれて用いられる。なお、複合機は、例えば、コピー機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する。
【0014】
導電性支持体2は、円筒状に形成される。導電性支持体2は、導電性を有する。導電性支持体2は、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮のような金属から形成される。
【0015】
第1非導電層22aは、導電性支持体2の外周面に形成される。第2非導電層22bは、導電性支持体2の内周面に形成される。第1非導電層22a、及び第2非導電層22bは、導電性支持体2にアルマイト処理のような被膜処理を施して形成される。アルマイト処理によって、第1非導電層22a、及び第2非導電層22bを形成した場合、第1非導電層22a、及び第2非導電層22bとして、酸化アルミニウム膜が形成される。なお、酸化アルミニウム膜は、絶縁性を有しており、第1非導電層22a、及び第2非導電層22bは、絶縁層として形成される。
【0016】
感光層21は、第1非導電層22a上に形成される。第1非導電層22aにより、感光層21の耐圧性が向上する。感光層21は、第1非導電層22aに塗布処理を複数回行って形成される。感光層21は、電荷発生層と電荷輸送層とを含む。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、バインダー樹脂、及び正孔輸送剤を含有する。
【0017】
軸部5は、導電性支持体2の軸心と同心に配される。軸部5は、導電性を有する。軸部5は、導電性支持体2と同様に、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮のような金属から形成される。
【0018】
フランジ4は、導電性支持体2の軸方向Xの一端部に装着される。フランジ4は、導電性支持体2の軸心と同心に形成された孔を有する。フランジ4の孔には、軸部5が挿通される。この結果、フランジ4は、軸部5に軸支される。フランジ4は、フランジ部41と、本体部42とを更に有する。
【0019】
フランジ部41は、導電性支持体2の内周面よりも径方向Yの外側に突出して形成される。フランジ部41は、導電性支持体2の一端側の端面に当接する。この結果、導電性支持体2の軸方向Xにおけるフランジ4の位置が規定される。フランジ部41は、例えば、円板状に形成される。
【0020】
本体部42は、フランジ部41の中央部から導電性支持体2の軸方向Xの内側にのびる。本体部42は、例えば、円柱状に形成される。本体部42は、主面43と、複数のピン44と、ボス部45とを有する。
【0021】
主面43は、導電性支持体2の軸方向Xの内側を向く面である。本体部42は、主面43側で金属板3を保持する。ピン44は、主面43から突出して形成される。
【0022】
ボス部45は、導電性支持体2の軸方向Xの内側、及び外側に突出して形成される。ボス部45は、軸部5の軸受として形成される。
【0023】
金属板3は、導電性を有する。金属板3は、導電性支持体2と同様に、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮のような金属から形成される。
【0024】
金属板3は、板状部31と、接触部32と、爪部33とを有する。板状部31は、板状に形成される。板状部31は、径方向Yに沿って配される。板状部31は、第1主面35aと、第2主面35bと、複数の第1穴36と、第2穴37とを有する。なお、板状部31の厚さは、例えば、金属板3に用いられる金属材料の低減と、金属板3の剛性を確保するとの観点から、0.1mm以上1.1mm以下であることが望ましい。
【0025】
第1主面35aは、導電性支持体2の軸方向Xの外側を向く面である。第1主面35aは、本体部42の主面43に対向する。第2主面35bは、金属板3において第1主面35aと対向し、導電性支持体2の軸方向Xの内側を向く面である。第1穴36には、本体部42のピン44が挿通される。この結果、本体部42の径方向Yにおける金属板3の位置が規定される。
【0026】
第2穴37は、板状部31の中心に形成される。具体的には、第2穴37は、導電性支持体2の軸心と同心に形成される。第2穴37には、軸部5が挿通される。第2穴37は、金属板3の剛性を過度に低下させない範囲で、より大きく形成されることが望ましい。第2穴37は、金属板3に用いられる金属材料を低減させる。
【0027】
爪部33は、板状部31の外縁部から本体部42の外側にのびる。爪部33は、金属板3がフランジ4とともに導電性支持体2に装着される際に、少なくとも第2非導電層22bを削る。したがって、爪部33は、第2非導電層22bに食い込んで、導電性支持体2と接触する。この結果、導電性支持体2と金属板3とが電気的に導通される。また、導電性支持体2とフランジ4とが金属板3を介して固定される。なお、爪部33は、導電性支持体2を更に削る態様であってもよい。
【0028】
爪部33の先端部は、導電性支持体2の軸方向Xの外側に向かって傾斜している。爪部33の傾斜は、金属板3をフランジ4とともに導電性支持体2に装着する際に、少なくとも第2非導電層22bの端面に爪部33が当接することによって生じる抵抗を低減する。したがって、感光体ドラム1の組み立てが容易になる。なお、爪部33は、金属板3がフランジ4とともに導電性支持体2に装着される際に、第2非導電層22b、又は導電性支持体2との接触によって、傾斜される態様であってもよい。
【0029】
図2は、
図1の感光体ドラム1を示す分解斜視図である。なお、
図2では、感光体ドラム1の一部を切り欠いて示している。具体的には、
図2では、導電性支持体2の一部と、感光層21の一部と、第1非導電層22aの一部と、第2非導電層22bの一部とを切り欠いて示している。
【0030】
図2に示すように、接触部32は、実施形態1の金属板3において一対形成される。一対の接触部32は、金属板3の中心を挟んで対向する。爪部33は、実施形態1の金属板3において3対形成される。各一対の爪部33は、金属板3の中心を挟んで対向する。
【0031】
接触部32は、板状部31の外縁部から帯状にのびる。接触部32は、導電性支持体2の軸心に向かってのびる。接触部32は、撓み易く、軸部5の挿通を妨げない。接触部32の先端部は、軸部5に接触する。したがって、金属板3と軸部5とが電気的に導通される。
【0032】
実施形態1では、一対の接触部32が、軸部5に接触する。この結果、接触部32が1つの場合に比べて、金属板3と軸部5とがより確実に電気的に導通される。なお、接触部32の先端部は、軸方向Xに沿ってのびる態様が望ましい。接触部32の先端部が軸方向Xに沿ってのびることにより、先端部と軸部5とが接触する面積が増加する。この結果、金属板3と軸部5とがより一層確実に電気的に導通される。
【0033】
爪部33は、基端部と先端部とを有する。基端部は、帯状に形成される。帯状の基端部は、爪部33の剛性を高める。先端部は、本体部42の主面43の外側に突出している。先端部は、三角状に形成される。三角状の先端部は、爪部33による第2非導電層22bの削り量を増加させる。
【0034】
3対の爪部33のうち一対の爪部33は、第1溝部34を有する。以下、第1溝部34を有する爪部33を爪部33aとする。第1溝部34は、爪部33aの先端部から基端部に向かって形成される。第1溝部34は、直線状に形成される。第1溝部34は、板状部31の第2主面35b側に形成される。
【0035】
金属板3には、金属板3が導電性支持体2に装着される際に、爪部33と第2非導電層22bとが接触することによって撓みが生じる。この結果、爪部33aは、金属板3に生じる撓みによって、第1溝部34に沿って折り曲げられる。爪部33aは、第1溝部34に沿って折り曲げられることにより剛性が高められる。したがって、実施形態1の感光体ドラム1では、爪部33aが導電性支持体2の軸方向Xの外側に変形し難く、第2非導電層22bの削り量を増加でき、導電性支持体2と金属板3との電気的導通を確保できる。
【0036】
第1溝部34の溝幅は、例えば、1.0mm以上2.0mm以下である。爪部33aは、第1溝部34の溝幅が1.0mm未満の場合に、第1溝部34に沿って折れ曲がらないおそれがある。逆に、爪部33aは、第1溝部34の溝幅が2.0mmより大きい場合に、剛性が過度に低下するおそれがある。
【0037】
第1溝部34の溝深さは、例えば、0.02mm以上2.0mm以下である。爪部33aは、第1溝部34の溝深さが0.02mm未満の場合に、第1溝部34に沿って折れ曲がらないおそれがある。逆に、爪部33aは、第1溝部34の溝深さが2.0mmより大きい場合、第2非導電層22bと接触した際に、破損するおそれがある。
【0038】
板状部31は、一対の爪部33aの基端部の間に形成された第2溝部39を更に有している。第2溝部39は、爪部33aの第1溝部34と一体に形成される。第2溝部39は、直線状に形成される。したがって、爪部33a、及び板状部31は、金属板3に撓みが生じた際に、第1溝部34、及び第2溝部39に沿って容易に折り曲げられる。この結果、実施形態1の感光体ドラム1では、爪部33aの剛性がより確実に高められる。
【0039】
第2溝部39の溝幅は、例えば、1.0mm以上2.0mm以下である。板状部31は、第2溝部39の溝幅が1.0mm未満の場合に、第2溝部39に沿って折れ曲がらないおそれがある。逆に、板状部31は、第2溝部39の溝幅が2.0mmより大きい場合に、剛性が過度に低下するおそれがある。
【0040】
第2溝部39の溝深さは、例えば、0.02mm以上2.0mm以下である。板状部31は、第2溝部39の溝深さが0.02mm未満の場合に、第2溝部39に沿って折れ曲がらないおそれがある。逆に、板状部31は、第2溝部39の溝深さが2.0mmより大きい場合、爪部33が第2非導電層22bと接触した際に、破損するおそれがある。
【0041】
図3は、
図1の金属板3を示す一部拡大図である。
図3に示すように、金属板3は、導電性支持体2に装着されるよりも前に、予め折り曲げられて形成される態様であってもよい。爪部33aは、第1溝部34に沿って折り曲げられ、第1溝部34の一方側331が他方側332に対して傾斜する。実施形態1の板状部31は、第2溝部39に沿って折り曲げられ、第2溝部39の一方側311が他方側312に対して傾斜する。板状部31の一方側311が他方側332に対して傾斜する角度は、爪部33aの一方側331が他方側332に対して傾斜する角度αと同程度である。
【0042】
角度αは、例えば、2°以上45°以下である。角度αが2°未満の場合に、爪部33aは、剛性が十分に高められないおそれがある。逆に、角度αが45°より大きい場合に、フランジ4の本体部42は、金属板3を保持できないおそれがある。
【0043】
以下、
図2を参照して、導電性支持体2に、金属板3とともにフランジ4を装着する方法について説明する。
【0044】
まず、フランジ4の本体部42に、金属板3を保持させる。次に、金属板3とともに本体部42を、導電性支持体2の一端部の内部に圧入する。導電性支持体2の一端側の端面とフランジ4のフランジ部41とが接触すると、フランジ4が導電性支持体2の一端部に装着される。
【0045】
板状部31、及び爪部33aは、金属板3の圧入時に、第1溝部34、及び第2溝部39に沿って折り曲げられる。また、爪部33は、金属板3の圧入時に、導電性支持体2の内周面に沿って移動しながら第2非導電層22bを削る。したがって、爪部33は、第2非導電層22bに食い込んで導電性支持体2と接触する。この結果、導電性支持体2と金属板3とは電気的に導通される。なお、少なくとも第2非導電層22bには、爪部33によって軸方向Xに沿った線状の傷部が生じる。
【0046】
次に、金属板3、及びフランジ4に軸部5が挿通される。この結果、金属板3の接触部32と軸部5とが接触することによって、金属板3と軸部5とが電気的に導通される。
【0047】
実施形態1の感光体ドラム1によれば、金属板3の圧入時に、爪部33aが第1溝部34に沿って折り曲げられ、爪部33aの剛性が高められる。この結果、爪部33aによる第2非導電層22bの削り量が増加されて、導電性支持体2と金属板3との電気的導通を確保できる。
【0048】
(実施形態2)
図4を参照して、本発明の実施形態2に係る感光体ドラム1について説明する。
図4は、本発明の実施形態2に係る感光体ドラム1の金属板3を示す一部拡大図である。実施形態2の感光体ドラム1は、金属板3の爪部33が第1溝部34を有しない点、及び金属板3の板状部31が第2溝部39を有しない点で、実施形態1の感光体ドラム1と異なる。
【0049】
図4に示すように、実施形態2では、金属板3の中心を挟んで対向する爪部33は、第1稜線50に沿って折り曲げられる。以下、第1稜線50に沿って、導電性支持体2に装着されるよりも前に、予め折り曲げて形成された爪部33を爪部33bとする。第1稜線50は、爪部33bの先端部から基端部に向かってのびる。爪部33bは、第1稜線50の一方側331が他方側332に対して傾斜する。
【0050】
板状部31は、第2稜線51に沿って折り曲げられる。第2稜線51は、一対の爪部33bの基端部の間をのびる。第2稜線51は、爪部33bの第1稜線50と一体に形成される。板状部31は、第2稜線51の一方側311が他方側312に対して傾斜する。
【0051】
爪部33bは、第1稜線50に沿って折り曲げられることによって剛性が高められ、導電性支持体2の軸方向Xの外側に変形され難い。この結果、実施形態2の感光体ドラム1では、爪部33bによる第2非導電層22bの削り量が増加されて、導電性支持体2と金属板3との電気的導通を確保できる。
【0052】
実施形態2の感光体ドラム1によれば、金属板3に第1溝部34、又は第2溝部39を形成する工程を削減できるとともに、爪部33bによる第2非導電層22bの削り量を増加できる。
【0053】
以上、
図1から
図4を参照して、本発明の実施形態1、及び実施形態2に係る感光体ドラム1について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態1、及び実施形態2に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0054】
例えば、本発明の実施形態1では、第1溝部34、及び第2溝部39が、板状部31の第2主面35b側に形成されたが、本発明はこれに限定されない。第1溝部34、及び第2溝部39は、例えば、板状部31の第1主面35a側に形成される態様であってもよい。
【0055】
また、例えば、本発明の実施形態1、及び実施形態2では、感光体ドラム1は、有機感光体ドラムであったが、本発明は、無機感光体ドラムにも適用できる。すなわち、感光層21は、アモルファスシリコンを用いて形成される態様であってもよい。
【0056】
なお、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【実施例】
【0057】
以下、
図1から
図5を参照して、感光体ドラム1に対する導通評価実験の結果について説明する。
図5は、比較例、及び各実施例の導通評価実験の結果を示す表である。
【0058】
感光体ドラム1が、
図5に示される仕様に基づき試作され、導通評価実験が実施された。試作された比較例、及び実施例1から実施例5は、
図5の記載以外は実質的に同仕様であり、共通仕様は以下の通りである。なお、金属板3の各寸法は、金属板3が導電性支持体2の内部に配されるよりも前の寸法である。
図5において、爪部33a、33bの傾斜の有無は、金属板3が導電性支持体2の内部に配される時よりも前に金属板3を傾斜させたか否かを示す。また、傷部の深さは、爪部33a、33bによって形成された傷部の深さを示し、第2非導電層22bの内周面からの深さである。
金属板3の最大外形:31mm
板状部の外形:26mm
板状部の厚さ:0.20mm
【0059】
導通評価実験では、導電性支持体2と金属板3とが導通しているか否かを判定した。詳しくは、テスターを用いて、導電性支持体2と金属板3との間の抵抗値を測定した。そして、測定値が得られた場合は、導電性支持体2と金属板3とが電気的に導通していると判定した。一方、測定値が測定不能(Over Load;O.L.)であった場合は、導電性支持体2と金属板3とが導通していないと判定した。
【0060】
比較例では、第2非導電層の厚さが6.0μm[マイクロメートル]であった。金属板は、爪部、及び板状部に、溝部、及び傾斜が形成されていない。金属板は、リン青銅から形成されている。比較例では、爪部によって形成された傷部の深さは、6.0μmであった。比較例では、導通評価実験の結果、テスターの測定値はO.Lであり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していないと判定された。
【0061】
なお、爪部は、第2非導電層を削る際に、導電性支持体を押圧する。したがって、導電性支持体は、導電性支持体の径方向の外側に向かって変形される。この結果、導通評価実験では、第2非導電層の厚さよりも傷部の深さが大きい場合であっても、テスターの測定値がO.Lを示す場合がある。
【0062】
実施例1では、第2非導電層の厚さが6.2μmであった。金属板は、爪部、及び板状部に、30°の角度の傾斜が形成され、溝部が形成されていない。金属板は、リン青銅から形成されている。実施例1では、爪部によって形成された傷部の深さは、8.0μmであった。実施例1では、導通評価実験の結果、テスターの測定値が0.3Ω[オーム]であり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していると判定された。
【0063】
実施例2では、第2非導電層の厚さが6.0μmであった。金属板は、爪部、及び板状部に、45°の角度の傾斜が形成され、溝部が形成されていない。金属板は、リン青銅から形成されている。実施例2では、爪部によって形成された傷部の深さは、10.0μmであった。実施例2では、導通評価実験の結果、テスターの測定値が0.3Ω[オーム]であり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していると判定された。
【0064】
実施例3では、第2非導電層の厚さが5.8μmであった。金属板は、爪部、及び板状部に、溝幅1mmの溝部が形成され、傾斜が形成されていない。金属板は、リン青銅から形成されている。実施例3では、爪部によって形成された傷部の深さは、7.5μmであった。実施例3では、導通評価実験の結果、テスターの測定値が0.1Ω[オーム]であり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していると判定された。
【0065】
実施例4では、第2非導電層の厚さが6.0μmであった。金属板は、爪部、及び板状部に、溝幅2mmの溝部が形成され、傾斜が形成されていない。金属板は、リン青銅から形成されている。実施例4では、爪部によって形成された傷部の深さは、8.0μmであった。実施例4では、導通評価実験の結果、テスターの測定値が0.1Ω[オーム]であり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していると判定された。
【0066】
実施例5では、第2非導電層の厚さが6.0μmであった。金属板は、爪部、及び板状部に、45°の角度の傾斜が形成され、溝部が形成されていない。金属板は、リン青銅よりも硬いSUS(ステンレス鋼)から形成されている。実施例5では、爪部によって形成された傷部の深さは、15.0μmであった。実施例5では、導通評価実験の結果、テスターの測定値が0.1Ω[オーム]であり、導電性支持体と金属板とが電気的に導通していると判定された。
【0067】
図5に示す導通評価実験の結果、爪部に溝部、又は傾斜が形成された金属板を使用することにより、導電性支持体と金属板とが電気的に導通されることが確認された。