【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度補正、総務省「大規模災害時に被災地の通信能力を緊急増強する技術の研究開発(災害時避難所等における局所的同報配信技術の研究開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
鶴正人ほか,DTN 技術の現状と展望 Delay Tolerant Networking Technology - The Latest Trends and Prospects,電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン,日本,電子情報通信学会,2011年,No16 [春号],57〜68ページ,URL,http://www.ieice.org/~cs-edit/magazine/hp/prizewinner/prize_2012.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ネットワーク制御情報は、ネットワーク識別子、無線LANのSSID、ZigbeeのPAN識別子、ルータやスイッチのポート番号、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
前記データアクセス制御情報は、データ読み込み権限、データ書き込み権限、データの転送権限、データの受信権限、データの送信権限、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の端末装置。
前記制御情報配布サーバは、作成された前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報から加工された所定情報を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の通信システム。
ム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下で説明する各実施形態に共通する特徴は、ストア・アンド・フォワード方式にてデータを複製・転送する端末が、データと共にネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を同時に管理することで、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれに参加する端末を決定する点にある。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の特徴は、転送データ自体には制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)を付加せずに、各端末の内部において、データのそれぞれを制御情報で管理することにより、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークを制御する点にある。
(ネットワーク構成)
図1は、第1の実施形態のネットワーク構成例を示す図である。本ネットワークには6台の端末(端末A〜F)が含まれるものとする。なお、
図1において、端末Cおよび端末Dに関してはそれぞれの内部構成が示されているが、すべての端末A〜Fの内部構成は同一である。従って、端末C、D以外の端末も、端末Cおよび端末Dと同様に、データの受信処理、データの送信処理、データの蓄積処理を実行する。
【0020】
まず、前提条件として、本実施形態において、ネットワーク制御は、無線LAN(Local Area Network)のSSID(Service Set Identifier)により区別されるものとする。また、データアクセス制御に関して、説明をより明りょうなものとするために、「利用可能」な場合にはすべてのアクセスが可能であり、「利用不可」の場合には一部のアクセスのみ可能であるものとする。上記において、すべてのアクセスとは、データ読み込み、データ書き込み、データの転送、データの受信、およびデータの送信である。一部のアクセスとは、上記すべてのアクセスのうちの、データの転送、データの受信、およびデータの送信である。すなわち、利用不可の場合、データの読み込みおよびデータ書き込みは不可である。
【0021】
上記前提条件下において、各端末は、具体的には、たとえば、以下のように設定されるものとする。
【0022】
端末Aは、ネットワーク制御に関して、SSID1のネットワークのみに接続可能である。データアクセス制御に関して、端末Aは、SSID1のネットワークのデータを利用することができる。
【0023】
端末Bは、ネットワーク制御に関して、SSID2のネットワークのみに接続可能である。データアクセス制御に関して、端末Bは、SSID2のネットワークのデータを利用することができる。
【0024】
端末Cは、ネットワーク制御に関して、SSID1、SSID2、およびSSID3のネットワークに接続可能である。データアクセス制御に関して、端末Cは、SSID1およびSSID3の各ネットワークのデータを利用することはできるが、SSID2のネットワークのデータを利用することはできない。
【0025】
端末Dは、ネットワーク制御に関して、SSID1、SSID2、およびSSID3のネットワークに接続可能である。データアクセス制御に関して、端末Dは、SSID3のネットワークのデータを利用することができるが、SSID1およびSSID2の各ネットワークのデータを利用することはできない。
【0026】
端末Eは、ネットワーク制御に関して、SSID1のネットワークに接続可能である。データアクセス制御に関して、端末Eは、SSID1のネットワークのデータを利用することができる。
【0027】
端末Fは、ネットワーク制御に関して、SSID2のネットワークに接続可能である。アクセス制御に関して、端末Fは、SSID2のネットワークのデータを利用することができる。
【0028】
以上の結果を纏めると、端末A〜Fによって構成されるデータ転送ネットワークとデータ利用ネットワークは
図2のようになる。
図2は、第1の実施形態における各ネットワーク(各SSID)の、データ転送ネットワークを構成する端末の一覧、およびデータ利用ネットワークを構成する端末の一覧を示す図である。
【0029】
図3は、
図2におけるネットワーク1(SSID1)を構成する端末群内でのデータの流れの一例を説明する図である。端末Aは、端末Fには接続できないが、端末Cや端末Dには接続することができる。また、端末Cは、端末Aから受信したデータを利用することができるが、端末Dは、端末Aから受信したデータを利用することはできない。端末Eは、端末Cや端末D、あるいは端末Aからデータを受信することができ、そのうち、端末Aおよび端末Cのデータを利用できる。すなわち、
図3において、SSID1についてのデータ転送ネットワークは、端末A、端末C、端末D、端末Eで構成され、データ利用ネットワークは、端末A、端末C、端末Eで構成される。従って、端末Dは、ネットワーク1において、データ転送はできるが、データを利用することはできない。
【0030】
図4は、
図2における端末Cについてのデータの流れの一例を説明する図である。端末Cは、SSID1およびSSID2の両方のデータ転送ネットワークに参加することができる。しかしながら、端末Cは、SSID2のネットワークのデータを利用することはできない。すなわち、端末Cは、SSID1のデータ利用ネットワークには参加できるが、SSID2のデータ利用ネットワークには参加できない。
(端末の構成)
以上のように、各端末でデータに対してネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を組み合わせて管理することにより、データ転送ネットワークとデータ利用ネットワークが同一でない通信が実現される。以降に、各端末でデータに対してネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を組み合わせて管理するための構成について説明する。
【0031】
なお、第1の実施形態の冒頭部分で説明したように、第1の実施形態では、データ自体にはネットワーク制御とデータアクセス制御の情報を付加しない仕組みが採用される。このため、
図1に示されるように、ネットワーク制御情報とアクセス制御情報から構成される制御情報は、端末内部においてのみ保存・管理される。
【0032】
図5は、第1の実施形態に係る端末1000の構成例を示すブロック図である。なお、端末1000は、
図1や
図2における端末A〜Fに相当する。
【0033】
端末1000は、通信部1010と、ネットワーク制御部1020と、受信処理部1030と、送信処理部1040と、制御情報格納部1050と、蓄積処理部1060と、転送処理部1070と、データ格納部1080と、データ処理部1090と、を備える。
【0034】
通信部1010は、無線または有線通信網を介して、他端末との間でデータの送受信を行う。通信部1010は、ネットワーク制御部1020からの指示に基づいてネットワーク設定を行う。ネットワーク設定の例としては、たとえば、無線LANのSSIDの指定を挙げることができる。通信部1010は、データのネットワーク制御情報がネットワーク設定に合致する場合(たとえば、SSIDが一致する場合)にのみ他端末と通信する。ネットワーク設定は、通信の可/不可や通信部1010のON/OFFを含む。
【0035】
他端末からデータを受信した際、通信部1010は、受信したデータに、ネットワーク制御部1020により設定されたネットワーク設定のうちのどの設定で受信したデータであるかを示すネットワーク制御情報(たとえば、SSID)を付与して受信処理部1030へ送信する。
【0036】
一方、他端末へデータを送信する際、通信部1010は、送信処理部1040から、制御情報が付与された送信対象データを受信する。制御情報に含まれるネットワーク制御情報がネットワーク設定に合致する場合(たとえば、SSIDが一致する場合)、通信部1010は、送信対象データを他端末へ送信する。
【0037】
ネットワーク制御部1020は、通信部1010に対して、ネットワーク設定を行う。たとえば、ネットワーク制御部1020は、通信部1010に対して、制御情報格納部1050に格納された静的情報(すなわち、ネットワーク制御情報)を設定する。代表的には、たとえば、制御情報格納部1050に3つのSSID(SSID1、SSID2、SSID3)が格納されている場合、これら3つのSSIDが設定される。もちろん、設定されるSSIDの数は上記に限定されない。制御情報格納部1050に1つのSSIDしか設定されていない場合、通信部1010に設定されるSSIDの数は1つである。また、制御情報格納部1050に複数のSSIDが設定されている場合、全てを設定するのではなく所定の選択基準に基づいて選択した1つ以上のSSIDを設定することもできる。
【0038】
また、ネットワーク制御部1020は、端末1000の状態(位置情報、電源残量、記憶残量・容量、通信状態(通信帯域、パケットロス、遅延、電波強度))の変化を動的情報として把握し、把握された動的情報と上述の静的情報とを組み合わせて、通信部1010にネットワーク設定を行うこともできる。たとえば、静的情報をSSIDとし、動的情報を電源残量とした場合、電源残量が一定値以上の場合にはネットワーク制御部1020により、通信部1010に指定のSSIDを設定するが、電源残量が一定値以下の場合には、通信部1010に通信不可とする指示等が考えられる。
【0039】
受信処理部1030は、通信部1010で受信されたデータの受信処理を行う。受信処理には、他端末から送付されたデータを受信する場合の処理と、他端末と遭遇することによって制御信号が送付される場合の処理とがある。ここで、制御信号は、他端末と遭遇したことを示す信号であり、端末1000に対して、蓄積されたデータの転送を促す信号でもある。制御信号は、たとえば、他端末が発するビーコン情報や他端末が所持しているデータリスト等である。受信内容に拘わらず、データの受信処理において、通常のプロトコルの受信処理が実行される。たとえば、DTNの場合には、DTNのヘッダ処理が行われ、TCPの場合にはTCPヘッダ処理(シーケンス番号のカウント処理など)が行われる。プロトコルの受信処理が実行された後、データ受信の場合、受信処理部1030は、蓄積処理部1060に対して、ネットワーク制御情報が付与されたデータを渡す。一方、他端末と遭遇したことを示す制御信号の場合、受信処理部1030は、転送処理部1070に対して、ネットワーク制御情報が付与された制御信号を渡す。
【0040】
送信処理部1040は、転送処理部1070から送信された“送信可能データ”(後述)の送信処理を実行する。たとえば、送信可能データのすべてを送信する処理や、所定の優先順位に応じて順番にあるいは一部のデータのみを送信する処理が実行される。データを送信する場合、送信処理部1040は、通信部1010に対して、転送処理部1070から受信したままの状態(すなわち、ネットワーク制御情報が付与された状態)でデータを送信する。
【0041】
制御情報格納部1050は、1つ以上の制御情報を格納する。各制御情報は、ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報から構成される。ネットワーク制御情報の例としては、たとえば、SSIDを挙げることができる。データアクセス制御情報の例としては、たとえば、データ読み込み可否情報、データ書き込み可否情報、データ転送可否情報、データ受信可否情報、データ送信可否情報のそれぞれ、あるいはこれらの可否情報の組合せを挙げることができる。具体例としては、SSID1は、全てのアクセス(データ読み込み、データ書き込み、データ転送、データ受信、データ送信)が可能であり、SSID2は、一部のアクセス(データ転送、データ受信、データ送信)が可能であり、SSID3は、一部のアクセス(データ送信のみ)が可能であるなどを記録しておく。
【0042】
蓄積処理部1060は、受信処理部1030から、ネットワーク制御情報が付与されたデータを受信する。蓄積処理部1060は、ネットワーク制御情報に基づいて、制御情報格納部1050からデータアクセス制御情報を入手する。たとえば、制御情報格納部1050に、第1の制御情報(ネットワーク制御情報=SSID1、データアクセス制御情報=利用可能)と、第2の制御情報(ネットワーク制御情報=SSID2、データアクセス制御情報=利用不可)が格納されている場合を想定する。受信処理部1030から送られたネットワーク制御情報が“SSID1”であった場合、蓄積処理部1060は、SSID1をキーに制御情報格納部1050を検索し、データアクセス制御情報(“利用可能”)を取得する。また、受信処理部1030から送られたネットワーク制御情報が“SSID2”であった場合、蓄積処理部1060は、SSID2をキーに制御情報格納部1050を検索し、データアクセス制御情報(“利用不可”)を取得する。データアクセス制御情報が“利用可能”である場合、蓄積処理部1060は、データと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを組にしてデータ格納部1080に蓄積する。一方、データアクセス制御情報が“利用不可”である場合、蓄積処理部1060は、このデータを廃棄する。
【0043】
転送処理部1070は、受信処理部1030から他端末と遭遇したことを示す制御信号を受信した際、その他端末に対して、データ格納部1080に格納されたデータ(別の他端末から受信した転送データ、または端末1000を起点とする送信データ)を送信するかどうかを決定する。転送処理部1070は、制御信号に付与されたネットワーク制御情報をキーにデータ格納部1080を検索し、データ格納部1080の中で同じネットワーク制御情報を持つデータ群(データが1つの場合もある)を抽出する。さらに、転送処理部1070は、抽出されたデータ群の各データアクセス制御情報を参照し、データ群の中でデータの転送あるいは送信が可能な1つ以上のデータを“送信可能データ”として抽出する。転送処理部1070は、送信可能データ毎にそれぞれのネットワーク制御情報を付与して、送信処理部1040へ送信する。
【0044】
データ格納部1080において、各データは、制御情報(ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報)と対応付けられて記憶されている。従って、データ格納部1080において、データを記録あるいは削除する場合、制御情報は、そのデータに連動して記録あるいは削除される。
【0045】
データ処理部1090は、中継処理(端末1000を介して他端末にデータ転送をする処理)ではなく、端末1000自身でデータを利用する処理を実行する。たとえば、データ処理部1090は、データ格納部1080からデータを読み込んだり、データ格納部1080に対してデータを書込んだりする。
【0046】
データ格納部1080からデータを読み込む際、データ処理部1090は、最初に、データに対応して格納されているデータアクセス制御情報を参照する。データ処理部1090は、データアクセス制御情報が“データ読み込み可”であるデータを読み出すことができる。逆に、データ処理部1090は、データアクセス制御情報が“データ読み込み不可”であるデータの読み出しは行わない。
【0047】
データ格納部1080へデータを書き込む際、データ処理部1090は、書き込むデータをどのデータ転送ネットワークに送付するかに基づいてネットワーク制御情報を決定し、自端末でそのデータをどのように取り扱うかに基づいてデータアクセス制御情報を決定する。この場合、データ処理部1090は、データ格納部1080にデータを書き込む前に、制御情報格納部1050を参照し、データに付与しようとする制御情報と参照した制御情報とが矛盾しないか否かを判定する。たとえば、データ処理部1090は、自端末がデータ利用端末に分類されていないネットワークに対して、データを書き込もうとしているか否かを判定する。矛盾しない場合、データ処理部1090は、データの書き込みを実行する。具体的には、データ処理部1090は、書き込もうとするデータを制御情報(ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報)と対応付けてデータ格納部1080に記憶する。
(端末の動作)
端末1000で実行される処理は、他端末との通信処理である第1処理と、ネットワーク制御のために定期的に実行される第2処理と、端末1000の内部でデータを利用するための第3処理とに大別される。
【0048】
図6は、
図5に示す端末1000における第1処理の手順を説明するためのフローチャートである。第1処理は、他端末へのデータ送信や他端末からの受信が発生する際に実行される。
【0049】
他端末からデータを受信した際、通信部1010は、受信したデータとその受信したデータのネットワーク制御情報とを組にして受信処理部1030へ送信する。受信処理部1030は、受信内容が、他端末から送付されたデータの受信であるか、他端末との遭遇に伴う制御信号の受信であるかを判定する(ステップS1)。
【0050】
受信内容が他端末から送付されたデータの受信である場合(ステップS1において“データ”の場合)、受信処理部1030は、蓄積処理部1060に対して、受信したデータとネットワーク制御情報を渡す。蓄積処理部1060は、受信したネットワーク制御情報に基づいて、制御情報格納部1050からデータアクセス制御情報を入手する。
【0051】
蓄積処理部1060は、入手したデータアクセス制御情報が利用可能であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0052】
データアクセス制御情報が利用可能である場合(ステップS2において“利用可能”)、蓄積処理部1060は、蓄積処理(ステップS3)を実行し、本フローの処理を終了させる。ここで、蓄積処理とは、たとえば、データと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを組にしてデータ格納部1080に蓄積する処理である。
【0053】
一方、データアクセス制御情報が利用不可である場合(ステップS2において“利用不可”)、蓄積処理部1060は、このデータを廃棄し(ステップS4)、本フローの処理を終了させる。
【0054】
一方、受信内容が他端末との遭遇に伴う制御信号の受信である場合(ステップS1において“他端末との遭遇”の場合)、受信処理部1030は、転送処理部1070に対して、制御信号とネットワーク制御情報を渡す。
【0055】
転送処理部1070は、制御信号とともに受信処理部1030から受け取ったネットワーク制御情報をキーにデータ格納部1080を検索し、データ格納部1080の中で同じネットワーク制御情報を持つデータ群を抽出する(ステップS5)。さらに、転送処理部1070は、データ群の各データアクセス制御情報を参照し、データ群の中でデータの転送が可能、あるいはデータの送信が可能なデータを“送信可能データ”として抽出する。転送処理部1070は、送信可能データの有無を判定する(ステップS6)。
【0056】
送信可能データが有る場合(ステップS6において“有”の場合)、転送処理部1070は、送信処理(ステップS7)を実行し、本フローの処理を終了させる。ここで、送信処理とは、抽出された送信可能データと制御情報(ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報)とを組にして送信処理部1040へ送信する処理である。
【0057】
一方、送信可能データが無い場合(ステップS6において“無”の場合)、転送処理部1070は、送信処理は実行せず(すなわち、ステップS7の処理をスキップし)、本フローの処理を終了させる。
【0058】
図7は、
図5に示す端末1000における第2処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0059】
ネットワーク制御部1020は、制御情報格納部1050を参照し、制御情報格納部1050に記録されている制御情報(ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報)が変更されたか否かを判定する(ステップS10)。
【0060】
制御情報が変更されている場合(ステップS10において“あり”の場合)、ネットワーク制御部1020は、ネットワーク制御に関する動的情報を確認する(ステップS11)。動的情報とは、たとえば、端末の状態(位置情報、電源残量、記憶残量・容量、通信状態(通信帯域、パケットロス、遅延、電波強度))の変化を指す。なお、ネットワーク制御に動的な情報を反映させず、静的な制御情報のみを利用する場合、ステップS11は不要である。
【0061】
制御情報が変更されていない場合(ステップS10において“なし”)、ネットワーク制御部1020は、ネットワーク制御に関する動的情報の変化の有無を判定する(ステップS13)。
【0062】
動的情報に変化が無い場合(ステップS13において“なし”)、ネットワーク制御部1020は、本フローの処理を終了させる。
【0063】
ステップS11の処理が終了した後、および動的情報に変化が有る場合(ステップS13において“あり”)、ネットワーク制御部1020は、ネットワーク制御に関する静的情報と動的情報を基に、通信部1010に対してネットワーク設定を行う(ステップS12)。ここで、ネットワーク設定とは、新規のSSIDの設定、これまで有効としていたSSIDの無効、端末1000が他端末から受け入れる受信口の増加(たとえば、SSIDの追加)、SSIDの変更(SSID名変更)、SSIDの減少(有効なSSIDの削除)等である。
【0064】
図8は、
図5に示す端末1000における第3処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0065】
データ処理部1090は、対象の処理が、データの読込み処理であるか、データの書き込み処理であるかを判定する(ステップS20)。
【0066】
データの読み込みである場合(ステップS20において“読込み”である場合)、データ処理部1090は、データ格納部1080からデータを読み込む前にデータ格納部1080においてデータとともに記録されているデータアクセス制御情報を参照し、データアクセス制御情報がデータ読み込み可であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0067】
データ読み込み可である場合(ステップS21において“読込み可”である場合)、データ処理部1090は、データ格納部1080から対象のデータを読み込み(ステップS22)、本フローの処理を終了させる。
【0068】
一方、データ読み込み不可である場合(ステップS21において“読込み不可”である場合)、データ処理部1090は、データの読み込みを行わず(すなわち、ステップS22の処理をスキップし)、本フローの処理を終了させる。
【0069】
一方、データの書き込みである場合(ステップS20において“書込み”の場合)、データ処理部1090は、データ格納部1080にデータを書き込む前に、制御情報格納部1050を参照し、データに付与しようとする制御情報と参照した制御情報とが矛盾しないか否かを判定する(ステップS23)。たとえば、データ処理部1090は、自端末がデータ利用端末に分類されていないネットワークに対して、データを書き込もうとしているか否かを判定する。
【0070】
矛盾しない場合(ステップS23において“矛盾なし”の場合)、データ処理部1090は、データの書き込みを実行し(ステップS24)、本フローの処理を終了させる。なお、ステップS24における処理は、具体的には、データ格納部1080に、データと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを組にして記録する処理である。
【0071】
一方、矛盾する場合(ステップS23において“矛盾あり”の場合)、データ処理部1090は、データの書き込みを行わず(すなわち、ステップS24の処理をスキップし)、本フローの処理を終了させる。
(効果)
以上説明した第1の実施形態において、ストア・アンド・フォワード方式にてデータを複製・転送する端末は、データと共にネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を同時に管理することで、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれに参加する端末を決定している。具体的には、上記端末は、ネットワーク制御情報によってデータ転送ネットワークの参加端末を管理し、データアクセス制御情報によってデータ利用ネットワークの参加端末を管理する。このように、ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報とを組み合わせることで、データ転送ネットワークとデータ利用ネットワークとが同一でないネットワークを構築することができる。
【0072】
たとえば、端末毎にデータ転送ネットワークには参加するがデータ利用ネットワークには参加しない場合、両方のネットワークに参加する場合、又は両方のネットワークに参加しない場合など、参加の選択肢が広がる。特に、これまでの技術では不可能であった「データ転送ネットワークには参加するが、データ利用ネットワークには参加しない」が選択可能となる。この選択により、各データ利用ネットワークの閉鎖性を維持しつつ、複数のデータ利用ネットワーク間で共通のデータ転送ネットワークを構築することが可能となる。
【0073】
データにネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報を加えると、端末がデータを受信しても、データアクセス制御情報により、端末がそのデータに対して行える操作が制限される。データ読み込みが不可となっていれば、端末はデータを受信してもデータを読むことができない。これはデータ転送ネットワークを構成する端末にはなるが、データ利用ネットワークにはなっていないことを意味する。また、ネットワーク制御により、接続する際にデータが転送可能かどうかも判断する。この情報によりデータ転送ネットワークを構成する端末群を任意に制御することができる。このように、ネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を加えることで、データ転送ネットワークとデータ利用ネットワークを必ずしも同一にする必要がなくなる。
【0074】
各端末でネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を組み合わせて管理できるようになると、データ転送ネットワークとデータ利用ネットワークを
図9のように設計することができる。
図9において、物理的な端末群として、6台の端末A1、A2、A3、B1、B2、B3が存在する。このとき、データ転送ネットワークを最大6端末すべてで構成することができる。
【0075】
図14(背景技術)と
図9(第1の実施形態)とを比較すると、車あるいは携帯電話のデータ利用ネットワークの構成数は同じであるが、データ転送ネットワークの数に関しては、
図9は、
図14の二倍(3:6)となる。このため、データが届く確率が高くなる、あるいは、データが届くまでの時間が短くなる。
【0076】
一方で、車のデータ利用ネットワークは、端末A1、A2、A3で構成され、携帯電話のデータ利用ネットワークは、端末B1、B2、B3で構成される。従って、それぞれのデータ利用ネットワークの閉鎖性は維持され、たとえば、車のネットワークのデータが携帯電話のネットワークに拡散することは回避される。
【0077】
さらに、本実施形態により、データ利用ネットワークは物理的な制約を受けなくなるため、新たに定義したアプリケーション用のデータ利用ネットワークを6端末の中から自由に抽出して構成することができる(
図9の例では、A2、A3、B1、B2の4端末で構成)。
【0078】
以上を纏めると、第1の実施形態によれば、異なるデータ利用ネットワークを跨ぐデータ拡散の防止と、データ転送ネットワークを構成する端末数の増加とを両立させることが可能となる。
【0079】
データ転送ネットワークに参加する端末数が増加することにより、データが目的の受信端末に到達するまでにかかる時間が長くなったり、最悪の場合、目的の受信端末にデータが到達しなかったりするリスクを回避することが可能となる。
(変形例)
第1の実施形態では、通信プロトコルとしてDTNを用いる例が記載されているが、これに限定されない。したがって、端末が移動するか固定であるか、通信形態として有線であるか無線であるか、使用しているプロトコルがDTNであるか独自プロトコルであるかは問わない。
【0080】
また、本実施形態では、同一のデータ転送ネットワークかどうかを識別するネットワーク制御として、無線LANのSSID(BSSIDやESSID)で区別する例が示されている。しかし、ネットワークを区別できる情報であればSSIDに限定されず、他の情報を利用することもできる。たとえば、Zigbee(登録商標)の場合、PAN(Personal Area Networking Profile)識別子が利用される。また、有線の場合には、スイッチのポート番号で区別することも可能である。ここで、ネットワーク制御によって、各端末はここで記載されたネットワークIDにしか接続しない。
【0081】
また、本実施形態では、同一のデータ転送ネットワークかどうかを識別するネットワーク制御として、事前に端末が保持している静的な制御情報(SSID)を参照する例を示した。しかしながら、この制御情報は、端末の条件によって動的に変更することも可能である。たとえば、特定の場所でしかネットワークに接続させないこともできる(条件は端末の位置)。具体的には、A地点、B地点、C地点、D地点と複数の場所が存在するときに、ネットワーク制御情報に、A地点とC地点はネットワーク1に属し、C地点とD地点はネットワーク2に属すると記載しておく。その場合、データ転送ネットワークは、端末毎に決定されるのではなく、場所毎に決定される。この場合、各端末は、ここで記載された場所でしかネットワークに接続することはできない。その他にも、端末の電源残量が一定以上でしかネットワークに接続しない方法(条件は端末の電源残量)や、記憶容量が一定以上でしかネットワークに接続しない方法(条件は端末の記憶容量、あるいは記憶残量)、通信帯域幅やパケットロス率、ネットワーク遅延、電波強度等の通信状態によってネットワークの接続を決定する方法も考えられる。
【0082】
また、ネットワーク制御の例として、これらの条件を組み合わせて、各端末はネットワークIDと場所情報と記憶残量を参照して、自端末が接続を許可された場所に存在する指定されたネットワークIDの端末が存在し、自端末の記憶容量が一定以上であれば接続を許可するといった条件も考えられる。
【0083】
また、本実施形態では、同一のデータ利用ネットワークかどうかを識別するデータアクセス制御として、事前に端末が保持している静的な制御情報を参照する例を示した。しかしながら、この制御情報は、端末の条件によって動的に変更することも可能である。たとえば、特定の場所でしかデータ読み込みやデータ書き込みを許可しないとすることもできる(条件は端末の位置)。この制約により、特定の場所に行かなければ情報を読み書きできないため、端末を特定の場所に誘導することが可能となる。また、特定の場所ではデータ転送のみを許可し、別の場所ではデータ読み込みや書き込みを許可するといった制御が可能となる。その他にもデータアクセス制御のアクションに、端末の電源残量を条件に加えたり、記憶容量や記憶残量を条件に加えたり、通信帯域幅やパケットロス率、ネットワーク遅延、電波強度等の通信状態を条件に加えたりする方法も考えられる。
【0084】
以上のように、ネットワーク制御とデータアクセス制御は、アクションと条件によって表現される。ネットワーク制御のアクションとしては接続するかしないか、データアクセス制御のアクションとしては、データ読み込みが可能、データ書き込みが可能、データの転送が可能、データの受信が可能、データの送信が可能、あるいはこれらの命令の組合せの情報。ネットワーク制御やデータアクセス制御の条件として、位置情報、電源残量、記憶残量・容量、通信状態(通信帯域、パケットロス、遅延、電波強度)が考えられ、この組み合わせで動作を決定することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の特徴は、第1の実施形態とは異なり、転送データ自体に制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)を付加して、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークを制御する点にある。
(ネットワーク構成)
図10は、第2の実施形態におけるネットワークの構成例を示す図である。本ネットワークには6台の端末(端末A〜端末F)が含まれるものとする。なお、
図10において、端末Cおよび端末Dに関してはそれぞれの内部構成が示されているが、すべての端末A〜Fの内部構成は同一である。従って、端末C、D以外の端末は、端末Cおよび端末Dと同様に、データの受信処理、データの送信処理、データの蓄積処理を実行する。
【0085】
なお、第2の実施形態の冒頭部分で説明したように、第2の実施形態の特徴は、転送データ自体に、制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)を付加する点にある。従って、
図10(第2の実施形態)の
図1(第1の実施形態)に対する差異は、転送データの構造が異なる点、およびそれに関連して端末内部の構成要素が追加あるいは変更されている点にある。
(端末の構成)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る端末2000の構成例を示すブロック図である。
【0086】
端末2000は、通信部2010と、制御情報解析部2100と、受信処理部2030と、送信処理部2040と、制御情報格納部2050と、蓄積処理部2060と、転送処理部2070と、制御情報生成部2200と、データ格納部2080と、データ処理部2090と、を備える。
【0087】
通信部2010は、無線または有線通信網を介して、他端末との間でデータの送受信を行う。データ受信時、通信部2010は、他端末から受信したデータと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを制御情報解析部2100へ送信する。データ送信時、通信部2010は、送信処理部2040から送付されたデータと制御情報とを他端末へ送信する。
【0088】
制御情報解析部2100は、通信部2010から、データと制御情報とを受信し、制御情報の解析を行う。受信したデータのネットワーク制御情報が制御情報格納部2050に存在しなかった場合、制御情報解析部2100は、そのデータを廃棄する。一方、受信したデータのネットワーク制御情報が制御情報格納部2050に存在する場合、制御情報解析部2100は、そのデータと制御情報とを受信処理部2030へ送信する。
【0089】
受信処理部2030は、制御情報解析部2100で受信されたデータの受信処理を行う。受信処理部2030における受信処理自体は、第1の実施形態の受信処理部1030(
図5参照)と同様である。従って、ここでは、その詳細説明についは省略する。データ受信の場合、受信処理部2030は、蓄積処理部2060に対して、データとネットワーク制御情報を渡す。一方、他端末と遭遇したことを示す制御信号の場合、受信処理部2030は、転送処理部2070に対して、データとネットワーク制御情報を渡す。
【0090】
送信処理部2040は、制御情報生成部2200から送信された“送信可能データ”の送信処理を実行する。送信処理部2040における送信処理自体は、
図5に示す送信処理部1040の処理と同様であるため、ここでは、その処理の詳細説明についは省略する。データを送信する場合、送信処理部2040は、通信部2010に対して、データと制御情報とを送信する。
【0091】
制御情報格納部2050は、1つ以上の制御情報を格納する。各制御情報は、ネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報から構成される。ネットワーク制御情報の例としては、たとえば、ネットワーク識別子を挙げることができる。本実施形態において、ネットワーク識別子は、データに制御情報として付加されている。なお、ネットワーク識別子は、有線スイッチのポート番号や無線LANのSSIDのような物理的なネットワーク識別子に限らず、論理的な値を設定することも可能である。データアクセス制御情報の例としては、たとえば、データ読み込み可否情報、データ書き込み可否情報、データ転送可否情報、データ受信可否情報、データ送信可否情報のそれぞれ、あるいはこれらの可否情報の組合せを挙げることができる。具体例としては、ネットワーク識別子1は、すべてのアクセス(データ読み込み、データ書き込み、データ転送と、データ受信、データ送信)が可能であり、ネットワーク識別子2は、一部にアクセス(データ転送、データ受信、データ送信)が可能であり、ネットワーク識別子3は、一部のアクセス(データ送信のみ)が可能であるなどを記録しておく。
【0092】
蓄積処理部2060は、受信処理部2030からデータとネットワーク制御情報を受信する。蓄積処理部2060は、ネットワーク制御情報に基づいて、制御情報格納部2050からデータアクセス制御情報を入手する。たとえば、制御情報格納部2050に、第1の制御情報(ネットワーク制御情報=ネットワーク識別子1、データアクセス制御情報=利用可能)と、第2の制御情報(ネットワーク制御情報=ネットワーク識別子2、データアクセス制御情報=利用不可)が格納されている場合を想定する。受信処理部2030から送られたネットワーク制御情報が“ネットワーク識別子1”であった場合、蓄積処理部2060は、制御情報格納部2050に問い合わせを行い、データアクセス制御情報(“利用可能”)を取得する。また、受信処理部2030から送られたネットワーク制御情報が“ネットワーク識別子2”であった場合、蓄積処理部2060は、制御情報格納部2050に問い合わせを行い、データアクセス制御情報(“利用不可”)を取得する。蓄積処理部2060は、データと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを組にしてデータ格納部1080に蓄積する。データアクセス制御情報が“利用不可”である場合、蓄積処理部2060は、このデータを廃棄する。
【0093】
転送処理部2070は、受信処理部2030から他端末と遭遇したことを示す制御信号を受信した際、その他端末に対して、データ格納部2080に格納されたデータ(別の他端末から受信した転送データ、または端末2000を起点とする送信データ)を送信するかどうかを決定する。転送処理部2070は、制御信号とともに受信処理部2030から受け取ったネットワーク制御情報を基に、データ格納部2080を参照し、データ格納部2080の中で同じネットワーク制御情報を持つデータ群(データが1つの場合もある)を抽出する。さらに、転送処理部2070は、抽出されたデータ群の各データアクセス制御情報を参照し、データ群の中でデータの転送あるいは送信が可能な1つ以上のデータを“送信可能データ”として抽出する。転送処理部2070は、抽出した送信可能データを制御情報とともに、制御情報生成部2200へ送信する。
【0094】
制御情報生成部2200は、転送制御部2070から受け取った送信可能データを、端末から端末へ送付するためのデータ形式に変換する(たとえば各送信可能データに制御情報をヘッダ情報として付加する)。制御情報生成部2200は、変換した各送信可能データを、送信処理部2040へ送信する。
【0095】
データ格納部2080およびデータ処理部2090は、それぞれ、第1の実施形態のデータ格納部1080およびデータ処理部1090(いずれも
図5参照)と同一である。従って、それらの説明については省略する。
(端末の動作)
端末2000で実行される処理は、他端末との通信処理である第4処理と、端末2000の内部でデータを利用するための第5処理とに大別される。第5処理は、第1の実施形態の第3処理と同一であるため説明は省略する。
【0096】
図12は、
図11に示す端末2000における第4処理の手順を説明するためのフローチャートである。第4処理は、他端末へのデータ送信や受信が発生する際に実行される。
【0097】
他端末と通信した際、制御情報解析部2100は、通信部2010からデータと制御情報を受信する。制御情報解析部2100は、受信したデータのネットワーク制御情報が制御情報格納部2050に存在するか否かを確かめることにより、受信したデータがネッワーク制御対象であるか否かを判定する(ステップS30)。
【0098】
受信したデータがネットワーク制御対象でない場合(ステップS30において“対象外のネットワーク”の場合)、制御情報解析部2100は、このデータを廃棄し(ステップS31)、本フローの処理を終了させる。
【0099】
受信したデータがネットワーク制御対象である場合(ステップS30において“対象のネットワーク”の場合)、制御情報解析部2100は、受信したデータを受信処理部2030に渡す。
【0100】
受信処理部2030は、受信内容が、他端末から送付されたデータの受信であるか、他端末との遭遇に伴う制御信号の受信であるかを判定する(ステップS32)。
【0101】
受信内容が他端末から送付されたデータの受信である場合(ステップS32において“データ”の場合)、受信処理部2030は、蓄積処理部2060に対して、受信したデータとネットワーク制御情報を渡す。蓄積処理部2060は、受信したネットワーク制御情報に基づいて、制御情報格納部2050からデータアクセス制御情報を入手する。蓄積処理部2060は、入手したデータアクセス制御情報が利用可能であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0102】
データアクセス制御情報が利用可能である場合(ステップS33において“利用可能”)、蓄積処理部2060は、蓄積処理(ステップS34)を実行し、本フローの処理を終了させる。ここで、蓄積処理とは、たとえば、データと制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)とを組にしてデータ格納部2080に蓄積する処理である。
【0103】
一方、データアクセス制御情報が利用不可である場合(ステップS33において“利用不可”)、蓄積処理部2060は、このデータを廃棄し(ステップS35)、本フローの処理を終了させる。
【0104】
一方、受信内容が他端末との遭遇に伴う制御信号の受信である場合(ステップS32において“他端末との遭遇”の場合)、受信処理部2030は、転送処理部2070に対して、制御信号とネットワーク制御情報を渡す。
【0105】
転送処理部2070は、制御信号とともに受信処理部2030から受け取ったネットワーク制御情報に基づいてデータ格納部2080を参照し、データ格納部2080の中で同じネットワーク制御情報を持つデータ群を抽出する(ステップS36)。さらに、転送処理部2070は、データ群の各データアクセス制御情報を参照し、データ群の中でデータの転送が可能、あるいはデータの送信が可能なデータを“送信可能データ”として抽出する。転送処理部2070は、送信可能データの有無を判定する(ステップS37)。
【0106】
送信可能データが有る場合(ステップS37において“有”の場合)、転送処理部2070は、送信処理(ステップS38)を実行し、本フローの処理を終了させる。上記送信処理について説明する。転送処理部2070は、制御情報生成部2200に対して、送信可能データと制御情報の組を渡す。制御情報生成部2200は、送信可能データを、他端末へ送付するためのデータ形式に変換し、変換した送信可能データを送信処理部2040に送付する。送信処理部2040は、送信可能データを、通信部2010を介して他端末へ送信する。
【0107】
一方、送信可能データが無い場合(ステップS37において“無”の場合)、転送処理部2070は、送信処理は実行せず(すなわち、ステップS38の処理をスキップし)、本フローの処理を終了させる。
(効果)
以上説明した第2の実施形態の場合、第1の実施形態と異なり、端末から端末に送付されるデータに制御情報が含まれている。この情報にはネットワーク制御情報も含まれている。このためネットワークの受信口とネットワークの識別子を対応づける必要はない。ネットワークの受信口が一つであっても、制御情報にネットワーク制御情報(ネットワーク識別子)が記載されているため、複数のデータ転送ネットワークに属することが可能となる。
【0108】
さらに、第2の実施形態の場合であっても、端末内部における制御(データと共にネットワーク制御とデータアクセス制御の2つの情報を同時に管理し、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれに参加する端末を決定)は、第1の実施形態と共通である。従って、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
第2の実施形態において端末から端末に送付されるデータに含まれる制御情報のデータアクセス制御は動的な条件を付加することができる。動的な条件とは、たとえば、特定の場所でしかデータ読み込みやデータ書き込みを許可しないといった条件である。この制約により、特定の場所に行かなければ情報を読み書きできないため、端末を特定の場所に誘導することもできる。また、特定の場所ではデータ転送のみを許可し、別の場所ではデータ読み込みや書き込みを許可するといった制御でも良い。その他にもデータアクセス制御のアクションに、端末の電源残量を条件に加えたり、記憶容量や記憶残量を条件に加えたり、通信帯域幅やパケットロス率、ネットワーク遅延、電波強度等の通信状態を条件に加えたりする方法も考えられる。この場合、端末外部から受信したデータに付加されている制御情報の動的な条件と端末内部で記憶している静的な制御情報を組み合わせて、制御情報解析部2100で受信判定を行ったり、蓄積処理2060でデータ格納部2080へ記録する処理を行ったりすることも可能である。
[第3の実施形態]
図13は、本発明の第3の実施形態の制御情報配布サーバ3000の構成例を示すブロック図である。
【0109】
制御情報配布サーバ3000は、第1または第2の実施形態における制御情報を配布するためのサーバである。なお、第3の実施形態で使用される端末は、第1の実施形態の端末1000または第2の実施形態の端末2000と同一であるため、その説明は省略する。
【0110】
制御情報配布サーバ3000は、ユーザ情報格納部3010と、サービス情報格納部3020と、制御情報作成部3030と、制御情報DB3040と、制御情報配布部3050と、情報加工部3060と、表示部3070と、を備える。
【0111】
ユーザ情報格納部3010は、ユーザから利用するサービスの申請を受けて、その情報を記録しておく。記録情報はユーザ名とサービス名を対として1レコードとする。ここでユーザは複数のサービスを利用することもできる。またサービスとして、アプリケーションを利用する場合と、アプリケーションは利用しないがデータを転送する場合の二種類のレベルを用意する。アプリケーションは利用しないがデータを転送する場合はユーザに選択させず、情報配布サーバ3000の設定でアプリケーションを選択すると自動的に複数のサービスが選択される形式でも良い。ここでの例としては、ユーザが自動車ネットワークのサービスを選択すると、自動車ネットワークのデータが利用できるようになると同時に、携帯電話ネットワークのデータを利用できないが、データを運搬するようになる場合が考えられる。
【0112】
サービス情報格納部3020は、アプリケーションとネットワーク識別子とを対応づけるデータベースである。
【0113】
制御情報作成部3030は、ユーザ情報格納部3010のデータ(ユーザ名、サービス名、利用レベル)、およびサービス情報格納部3020のデータ(サービス名とネットワーク識別子)に基づいて、ユーザ毎の制御情報(ネットワーク制御情報およびデータアクセス制御情報)を作成する。制御情報作成部3030は、ネットワーク識別子をネットワーク制御情報とし、利用レベルをデータアクセス制御情報とした制御情報を、制御情報DB3040に記録する。
【0114】
制御情報DB3040は、ユーザ名とネットワーク制御情報とデータアクセス制御情報とが組となった情報である。ネットワーク制御情報としては、SSIDやポート番号、論理的な番号などのネットワーク識別子が記録される。データアクセス制御情報としては、データの利用レベル、たとえば、データ読み込み可否情報、データ書き込み可否情報、データ転送可否情報、データ受信可否情報、データ送信可否情報のそれぞれ、あるいはこれらの可否情報の組合せが記録される。
【0115】
制御情報配布部3050は、制御情報配布サーバ3000がネットワークを介して端末Aや端末Bと通信できるようになった際に、制御情報DB3040から制御情報を読み出し、読み出した制御情報を、端末Aや端末Bに配布する。たとえば、端末Aがネットワーク経由で制御情報配布サーバ3000と通信する場合、制御情報配布部3050は、端末Aに対してユーザ名を問い合わせる。端末Aがユーザ名を返信すると、制御情報配布3050は、ユーザ名に基づいて制御情報DB3040を参照する。受信したユーザが制御情報DB3040に存在する場合、制御情報配布部3050は、制御情報DB3040からそのユーザ名についての制御情報を取得し、問い合わせを行った端末Aに送信する。
【0116】
情報加工部3060は、ネットワーク管理者やユーザに公開するために、制御情報DB3040の情報を加工する。例として、あるサービスが場所情報と紐付いている場合(特定の場所だけでデータが利用できる、あるいは特定の場所だけでデータ通信する)、地図情報とサービス情報を対応づける。
【0117】
表示部3070は、情報加工部3060で加工された情報を表示する。たとえば、特定の場所だけでデータが利用できる、あるいは特定の場所だけでデータ通信することができる場合、地図情報の上にサービスエリアを図示する。
【0118】
また、以上説明した実施形態の全部又は一部の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータシステムにより実行されてもよい。
【0119】
「コンピュータシステム」の例としては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。
【0120】
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、たとえば、非一時的な記憶装置である。非一時的な記憶装置の例としては、たとえば、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、不揮発性半導体メモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクを挙げることができる。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、一時的な記憶装置であってもよい。一時的な記憶装置の例としては、たとえば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線、あるいは、コンピュータシステム内部の揮発性メモリを挙げることができる。
【0121】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0122】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記1>
ストア・アンド・フォワード方式にてデータを複製・転送する端末装置であって、
データと共に、ネットワーク制御のためのネットワーク制御情報とデータアクセス制御のためのデータアクセス制御情報を同時に管理することで、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれへの参加を判断することを特徴とする端末装置。
<付記2>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶する制御情報格納手段と、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納するデータ格納手段と、
他端末から受信したデータにそのネットワーク制御情報を付加して出力する通信手段と、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記通信手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記データを蓄積するか否かを判定する蓄積手段と、
前記制御情報格納手段から、前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出する転送手段と、
前記転送手段によって抽出された前記データを他端末に向けて送信する送信手段と、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与するデータ処理手段と、
前記ネットワーク制御情報に基づいて前記通信手段の設定を変更するネットワーク制御手段と、
を備えることを特徴とする付記1記載の端末装置。
<付記3>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶する制御情報格納手段と、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納するデータ格納手段と、
他端末から、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報が付与された受信データを受信する通信手段と、
前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報と前記制御情報格納手段に格納された前記ネットワーク制御情報とを比較し、比較結果に応じて前記受信データを出力するか否かを判定する制御情報解析手段と、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記制御情報解析手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記受信データを蓄積するか否かを判定する蓄積手段と、
前記制御情報格納手段から、前記制御情報解析手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出する転送手段と、
前記転送手段によって抽出された前記データに、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を付加して送信データの形式を作成する制御情報生成手段と、
前記制御情報生成手段によって作成された前記送信データを他端末に向けて送信する送信手段と、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与するデータ処理手段と、
を備えることを特徴とする付記1記載の端末装置。
<付記4>
前記ネットワーク制御情報は、ネットワーク識別子、無線LANのSSID、ZigbeeのPAN識別子、ルータやスイッチのポート番号、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の端末装置。
<付記5>
前記データアクセス制御情報は、データ読み込み権限、データ書き込み権限、データの転送権限、データの受信権限、データの送信権限、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の端末装置。
<付記6>
付記1〜5のいずれか1項に記載の前記端末装置と、
ユーザ情報とサービス情報に基づいて前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を作成する制御情報作成手段と、作成された前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を格納する制御情報格納手段と、前記制御情報格納手段に格納された前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を読み出して前記端末装置へ配布する制御情報配布手段とを備える制御情報配布サーバと、
を備えることを特徴とする通信システム。
<付記7>
前記制御情報配布サーバは、作成された前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報から加工された所定情報を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする付記6記載の通信システム。
<付記8>
ストア・アンド・フォワード方式にてデータを複製・転送する端末装置を制御する制御方法であって、
データと共に、ネットワーク制御のためのネットワーク制御情報とデータアクセス制御のためのデータアクセス制御情報を同時に管理することで、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれへの参加を判断することを特徴とする制御方法。
<付記9>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶し、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納し、
他端末から受信したデータにそのネットワーク制御情報を付加して出力し、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記通信手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記データを蓄積するか否かを判定し、
前記制御情報格納手段から、前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出し、
前記転送手段によって抽出された前記データを他端末に向けて送信し、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与し、
前記ネットワーク制御情報に基づいて前記通信手段の設定を変更する、
ことを特徴とする付記8記載の制御方法。
<付記10>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶し、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納し、
他端末から、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報が付与された受信データを受信し、
前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報と前記制御情報格納手段に格納された前記ネットワーク制御情報とを比較し、比較結果に応じて前記受信データを出力するか否かを判定し、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記制御情報解析手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記受信データを蓄積するか否かを判定し、
前記制御情報格納手段から、前記制御情報解析手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出し、
前記転送手段によって抽出された前記データに、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を付加して送信データの形式を作成し、
前記制御情報生成手段によって作成された前記送信データを他端末に向けて送信し、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与する、
ことを特徴とする付記8記載の制御方法。
<付記11>
前記ネットワーク制御情報は、ネットワーク識別子、無線LANのSSID、ZigbeeのPAN識別子、ルータやスイッチのポート番号、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記8〜10のいずれか1項に記載の制御方法。
<付記12>
前記データアクセス制御情報は、データ読み込み権限、データ書き込み権限、データの転送権限、データの受信権限、データの送信権限、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記8〜11のいずれか1項に記載の制御方法。
<付記13>
ストア・アンド・フォワード方式にてデータを複製・転送する端末装置のコンピュータに、
データと共に、ネットワーク制御のためのネットワーク制御情報とデータアクセス制御のためのデータアクセス制御情報を同時に管理することで、データ転送ネットワークおよびデータ利用ネットワークのそれぞれへの参加を判断する処理を実行させるための制御プログラムを格納する記録媒体。
<付記14>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶する制御情報格納処理と、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納するデータ格納処理と、
他端末から受信したデータにそのネットワーク制御情報を付加して出力する通信処理と、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記通信手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記データを蓄積するか否かを判定する蓄積処理と、
前記制御情報格納手段から、前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出する転送処理と、
前記転送手段によって抽出された前記データを他端末に向けて送信する送信処理と、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与するデータ処理と、
前記ネットワーク制御情報に基づいて前記通信手段の設定を変更するネットワーク制御処理と
を実行するためのプログラムを含むことを特徴とする付記13記載の制御プログラムを格納する記録媒体。
<付記15>
前記ネットワーク制御情報と前記データアクセス制御情報とを1対のペアとして予め記憶する制御情報格納処理と、
データと、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報とを対応付けて格納するデータ格納処理と、
他端末から、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報が付与された受信データを受信する通信処理と、
前記通信手段から受信した前記ネットワーク制御情報と前記制御情報格納手段に格納された前記ネットワーク制御情報とを比較し、比較結果に応じて前記受信データを出力するか否かを判定する制御情報解析処理と、
前記制御情報格納手段に記録された前記ネットワーク制御情報と前記制御情報解析手段から出力された前記ネットワーク制御情報に基づいて前記受信データを蓄積するか否かを判定する蓄積処理と、
前記制御情報格納手段から、前記制御情報解析手段から受信した前記ネットワーク制御情報に対応する前記データアクセス制御情報を取得し、取得した前記データアクセス制御情報に基づいて、他端末が属するネットワークのデータを、前記データ格納手段から抽出する転送処理と、
前記転送手段によって抽出された前記データに、前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報を付加して送信データの形式を作成する制御情報生成処理と、
前記制御情報生成手段によって作成された前記送信データを他端末に向けて送信する送信処理と、
前記データ格納手段から読み取りデータを読み出す際、前記データアクセス制御情報に基づいて前記読み取りデータを読み出し、前記データ格納手段に書き込みデータを書き込む際、前記書き込みデータに、前記制御情報格納手段に格納されているいずれかの前記ネットワーク制御情報および前記データアクセス制御情報のペアを付与するデータ処理と、
を実行するためのプログラムを含むことを特徴とする付記13記載の制御プログラムを格納する記録媒体。
<付記16>
前記ネットワーク制御情報は、ネットワーク識別子、無線LANのSSID、ZigbeeのPAN識別子、ルータやスイッチのポート番号、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記13〜15のいずれか1項に記載の制御プログラムを格納する記録媒体。
<付記17>
前記データアクセス制御情報は、データ読み込み権限、データ書き込み権限、データの転送権限、データの受信権限、データの送信権限、端末の位置、電源残量、記憶残量、記憶容量、および通信状態のいずれか、またはこれらの情報の組合せから決定されることを特徴とする付記13〜16のいずれか1項に記載の制御プログラムを格納する記録媒体。
但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2014年7月23日に出願された日本出願特願2014−150041を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。