【文献】
ETRI,Generalized energy transmission field for LBT and back-off based co-channel coexistence mechanism[online], 3GPP TSG-RAN WG1#78b R1-143964,2014年10月 6日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_78b/Docs/R1-143964.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0026】
以下に示される複数の実施形態は、LTE及びSAE(System Architecture Evolution)を収容するEvolved Packet System(EPS)を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、EPSに限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステム、例えば3GPP UMTS、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD (High Rate Packet Data))、global system for mobile communications(GSM(登録商標))/ General packet radio service(GPRS)システム、及びWiMAXシステム等に適用されてもよい。
【0027】
<第1の実施形態>
始めに、本実施形態を含む複数の実施形態が対象とする非ライセンス周波数(Unlicensed frequency band, Unlicensed spectrum)を利用するUnlicensed LTEのいくつかの例について説明する。ここで、Unlicensed LTEはLTE-UまたはU-LTEとも呼ばれ、以降ではLTE-Uと記載して説明する。また、非ライセンス周波数とは、例えばレーダーシステム及び無線LAN(WLAN。WiFiとも呼ばれる)にも使用される周波数で、特定のオペレータ(つまり、サービス事業者)のみに割り当てられたライセンス周波数以外の周波数を指す。非ライセンス周波数としては、例えば5 GHz帯が想定されるが、これには限定されない。更に、以下に説明される複数の実施形態は、複数のオペレータに共通に割り当てられた共用周波数(Shared frequency band, Shared spectrum)においても適用可能であることは言うまでもない。以降では、ライセンス周波数以外のこれらの周波数を総称して非ライセンス周波数と呼ぶ。
【0028】
図1A及び
図1Bは、本実施形態を含む複数の実施形態が対象とするLTE-Uの無線通信システムと他のシステムの構成例を示す図である。
図1Aの例では、無線通信システムは、LTEの無線基地局(eNB)11と無線端末(UE)3を含む。eNB11とUE3は、ライセンス周波数(F1)で通常のLTEによる通信を行うよう構成され、非ライセンス周波数(F2)にてLTE-Uによる通信を行うよう構成されている。
図1Bの例では、
図1Aの例に加え、LTE eNB11がリモート基地局12(RRH又はRRE)を管理し、当該リモート基地局12によって非ライセンス周波数(F2)にてLTE-Uによる通信を行う。
【0029】
図1Aと1Bの構成は、同じシステムに共存していてもよい。さらに、
図1A及び
図1Bは、想定する無線通信システムの一部分のみを示しており、実際にはeNB11、RRH/RRE12、及びUE3の周辺に複数のeNB及びRRH/RRE並びに複数のUEが存在し、複数のライセンス周波数のセルがこれら複数のeNB及びRRH/RREにより管理される。さらに、eNB11、RRH/RRE12、及びUE3の周辺に複数の無線LANアクセスポイント(WLAN AP)と複数の無線LAN端末(WLAN Terminal)が存在してもよい。以降の説明では、LTE-Uの機能を有するeNBを総称して無線基地局1又はLTE-U eNB1と呼ぶ。つまり、無線基地局1又はLTE-U eNB1は、
図1Aの構成ではeNB11に相当し、
図1Bの構成ではeNB11及びRRH/RRE12に相当する。説明の便宜上、
図1Bの構成のRRH/RRE12に対応するノードのみを指して無線基地局1又はLTE-U eNB1と呼ぶこともある。
【0030】
上述および以降の説明では、LTE-UがLAA(LA-LTEとも呼ばれる)で実現されることを想定する。既に述べたように、LAAでは、無線基地局(LTE-U eNB)1と無線端末(UE)3は、ライセンス周波数のセルと非ライセンス周波数のセルをキャリアグリゲーション(CA)し、ライセンス周波数のセルをプライマリセル(PCell)として使用すると共に、非ライセンス周波数のセルをセカンダリセル(SCell)として使用する。既に述べたように、LTE-Uは、非ライセンス周波数において実行される代わりに、複数のオペレータ(サービス事業者)に割り当てられた共用周波数(Shared frequency band、Shared spectrum)において実行されてもよい。この場合、LTE-Uは、上述のLAA又はこれと同様の方式で実現されてもよい。あるいは、LTE-U eNB1とUE3は、複数(例えば、F3とF4の2つ)の共用周波数を使用してCAを行い、片方の共用周波数(F3)をPCellとして通常のLTEを実行し、もう一方の共用周波数(F4)をSCellとしてLTE-Uを実行するようにしてもよい。既に述べたように、共用周波数におけるLTE-Uは特にLicensed Shared Access (LSA)とも呼ばれる。さらにまた、LTE-U eNB1とUE3は、複数のオペレータに割り当てられた共用周波数(例えばF3)と、いずれのオペレータにも割り当てられていない狭義の非ライセンス周波数(例えばF2、例えば5GHz帯)を使用してCAを行い、共用周波数(F3)をPCellとして通常のLTEを実行し、狭義の非ライセンス周波数(F2)をSCellとしてLTE-Uを実行するようにしてもよい。
【0031】
図2は、異なるLTEオペレータによって提供される複数のセルが同じPCIを使用する状況の一例を示している。
図2の例では、LTE-U eNB1は、オペレータAによって管理され、ライセンス周波数F1においてCell #1を運用し、非ライセンス周波数F2においてCell #2を運用している。Cell #2は、PCI #5を持つ。一方、LTE-U eNB2は、オペレータAとは異なる他のオペレータBによって管理され、非ライセンス周波数F2においてCell #3を運用している。
図2の例では、Cell #2及びCell #3は互いに隣接しており且つ同じPCI #5を持つため、LTE-U eNB1及びUE3においてPCI collisionが発生するおそれがある。なお、同じPCI #5を持つCell #2及びCell #3は、互いに隣接していないが、各々がCell #1に隣接するよう配置されてもよく、この場合にはLTE-U eNB1においてPCI confusionが発生するおそれがある。
【0032】
本実施形態に係るUE3は、
図2に示すように複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)が同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された状況においてこれら複数のセルを区別するために以下のように動作する。すなわち、UE3は、互いに同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)を、サービングセル(e.g., Cell #1)のフレームタイミングとこれら複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)の各々のフレームタイミングとの関係に基づいて区別するよう構成されている。言い換えると、同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用する第1のセル(e.g., Cell #2)及び第2のセル(e.g., Cell #3)が存在する場合、UE3は、第1のセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミングとサービングセル(e.g., Cell #1)のフレームタイミングとの関係に基づいて、第1のセル(e.g., Cell #2)を第2のセル(e.g., Cell #3)と区別するよう構成されている。なお、本実施形態及び他の実施形態におけるフレームタイミングとの用語は、無線端末(e.g., UE3)において無線フレーム又はサブフレームの先頭(フレーム境界)を受信したタイミング、又は無線基地局(e.g., eNB1)から無線フレーム又はサブフレームの先頭(フレーム境界)を送信するタイミングを意味してもよい。或いは、フレームタイミングとの用語は、無線端末において同期信号(e.g., PSS、SSS)を受信したタイミング、又は無線基地局が同期信号(e.g., PSS、SSS)を送信するタイミングを意味してもよい。
【0033】
図3は、UE3によって行われる処理の一例(処理300)を示すフローチャートである。ブロック301では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)においてCell #2のPCI及びフレームタイミングを検出する。ブロック302では、Cell #2のフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係に基づいて、Cell #2をCell #2と同一のPCIを持つCell #3から区別する。
【0034】
フレームタイミングの関係は、一例において、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)の無線フレームとサービングセル(e.g., Cell #1)のそれとの間のフレームタイミング差(frame timing difference)であってもよい。すなわち、同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)は、サービングセルとの間で互いに異なるフレームタイミング差を持つことによって区別される。フレームタイミング差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの無線フレームの先頭位置(つまり、無線フレーム境界(frame boundary))とサービングセルのそれとの差として定義されてもよい。より具体的には、フレームタイミング差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの無線フレームの先頭位置(つまり、無線フレーム境界(frame boundary))とサービングセルのそれとの時間差(e.g., Nナノ秒、Mマイクロ秒)として定義されてもよい。これに代えて、フレームタイミング差は、同じ観測時刻にUE3において受信される非ライセンス周波数のセルのサブフレーム番号とサービングセルのそれとの差として定義されてもよい。或いは、フレームタイミングの差は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルの同期信号(e.g., PSS, SSS)が送信されるサブフレームと、サービングセルのそれとの時間差として定義されてもよい。
【0035】
なお、サービングセルと非ライセンス周波数のセルでframe structure(つまり、duplex mode (FDD or TDD))が異なる場合、その違いを考慮してもよい。つまり、第1の同期信号(PSS)及び第2の同期信号(SSS)の両方が、1番目のサブフレーム(subframe #1)と6番目のサブフレーム(subframe #6)で送信される点はframe structureによらず同じだが、実際にPSS及びSSSが送信される無線リソースがframe structure間で若干異なる。例えば、frame structure type 1 (FDD)の場合、第1の同期信号(PSS)は、slot #0及びslot #10それぞれの最後のOFDMシンボルで送信されるが、frame structure type 2 (TDD)の場合、第1の同期信号(PSS)は、subframe #1及びsubframe #6それぞれの3番目のOFDMシンボルで送信される。これに対して、frame structure type 1 (FDD)の場合、第2の同期信号(SSS)は、slot #0及びslot #10で送信されるが、frame structure type 2 (TDD)の場合、第2の同期信号(SSS)は、slot #1及びslot #11で送信される。従って、タイミング情報(例えば上述のフレームタイミングの差)をサブフレーム(1ミリ秒)より細かい精度(例えば、マイクロ秒)で導出する場合には、当該frame structure間の違いを考慮してもよい。
【0036】
他の例において、フレームタイミングの関係は、非ライセンス周波数のセルとサービングセルとのSystem Frame Number(SFN)の差であってもよい。SFNは、無線フレームにシーケンシャルに付与された0 から1023の間の番号である。SFNは、その上位8 bitを、Master Information Block(MIB)を含むPhysical Broadcast Channel(PBCH)をデコードすることによりUE3にて得ることができる。さらに、下位4 bitを10 ミリ秒毎に繰り返し送信されるMIB(つまりPBCH)を受信して、当該繰り返しタイミングを認識することによりUE3にて得ることができる。この場合、同一のPCI(e.g., PCI #5)及び同一の周波数(e.g., F2)を使用するよう設定された複数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)は、互いに異なるSFNを持つことによって区別される。
【0037】
以上の説明から理解されるように、本実施形態に係るUE3は、複数のセルが同じセル識別子(e.g., PCI)を使用する状況であっても、複数のセルの各々のフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係に基づいてこれら複数のセルを区別することができる。
【0038】
<第2の実施形態>
本実施形態では、UEおよびeNBによって行われる処理の他の例が説明される。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、第1の実施形態に関して説明された
図1A、
図1B、及び
図2と同様である。
【0039】
図4は、UE3によって行われる処理の一例(処理400)を示すフローチャートである。ブロック401では、UE3は、そのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの間に所定の関係を持つセル(E.G., Cell #2)の検出を非ライセンス周波数(F2)において試行する。
【0040】
一例において、フレームタイミングに関する所定の関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)の無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれと実質的に揃っている(aligned)ことであってもよい。2つのセルの無線フレームの先頭位置が“実質的に揃っている”ことは、これら2つのセルの無線フレームが実質的に同期していると言い換えることもできる。2つのセルの無線フレームの先頭位置が“実質的に揃っている”ことは、UE3において受信されるこれら2つセルの無線フレームの先頭位置の時間差が所定の閾値(e.g., 数十マイクロ〜数百マイクロ秒)以内であることにより判定されてもよい。これに代えて、“実質的に揃っている”ことは、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)にUE3において受信される2つのセルのサブフレーム番号が同一であることにより判定されてもよい。
【0041】
図5は、サービングセルと他のセルの間のフレームタイミングの関係の一例を示している。
図5の例では、UE3において受信されたCell #2の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれと実質的に揃っている。一方、Cell #3の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれと揃っていない。したがって、上述の例では、UE3は、
図5に示されたCell #2を所定の処理の対象とする。一方、UE3は、もし非ライセンス周波数のセル(e.g.,
図5に示されたCell #3)のフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のそれと揃っていなければ、当該セル(Cell #3)を所定の処理の対象(候補)として考慮しない。
【0042】
なお、UE3は、LAAでセカンダリセルとして使用可能な非ライセンス周波数のセルのフレームタイミングはサービングセルのそれと揃っているということを前提として、非ライセンス周波数で所定の処理の対象(候補)とするセルの検出を試みるようにしてもよい。これは、UE3が、非ライセンス周波数の検出のトリガとなる制御情報(e.g., measurement configuration for Unlicensed frequency/band)をLTE-U eNB1から受信した場合、当該制御情報で指定された非ライセンス周波数ではLAAでセカンダリセルとして使用可能なセルのフレームタイミングはサービングセルのそれと揃っていることを想定してセル検出を試みる、ということもできる。ここで、サービングセルは、PCellでもよいし、PCellと類似のセル(例えばDual ConnectivityのPSCell)でもよいし、所定のセルグループのサービングセルでもよいし、さらに当該無線端末の全てのサービングセルでもよい。
【0043】
他の例において、フレームタイミングに関する所定の関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数及びサービングセルの無線フレームの先頭位置が実質的に揃っている(無線フレームが同期している)ことに加えて、これら2つのセルのSystem Frame Number(SFN)が同一であることであってもよい。SFNは、既に述べたように、無線フレームにシーケンシャルに付与された0 から1023の間の番号である。
【0044】
さらに他の例において、フレームタイミングに関する所定の関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミング(例えば、無線フレームの先頭位置または無線フレーム境界)がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれに対して所定の第1のオフセット以内に納まること、又は第1のオフセットに納まらないこと、であってもよい。この場合、例えばUE3は、非ライセンス周波数でセルの検出を試み、検出されたセルが所定の関係を満たすか否か(つまり、第1のオフセット以内に納まるか否か、又は第1のオフセット以内に納まらないか否か)を判定し、当該所定の関係を満たす場合に(のみ)、検出されたセルを所定の処理の対象とするようにしてもよい。
【0045】
ここで、所定の第1のオフセットの値は、2つセルの無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)の時間差(e.g., X msec)によって定義されてもよいし、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信される2つのセルのサブフレーム番号の差(e.g., Y subframes)によって定義されてもよい。所定のオフセットの値は、正の値であってもよいし、負の値であってもよい。なお、所定のオフセットの値がゼロであることは、2つのセルの無線フレームの先頭位置(または無線フレーム境界)が実質的に揃っていることを意味する。
【0046】
図6は、サービングセルと他のセルの間のフレームタイミングの関係の一例を示している。
図6の例では、UE3において受信されたCell #2の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれから約1サブフレーム時間だけオフセットしている。言い換えると、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信されるサブフレーム番号の差が+1であると言うこともできる。所定の第1のオフセットが1サブフレーム(又はサブフレーム番号の差=1)に設定されている場合、UE3は、所定の処理の対象として
図6に示されたCell #2を選択してもよい。
【0047】
さらに別の他の例において、フレームタイミングに関する所定の関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセルのフレームタイミング(例えば、無線フレームの先頭位置または無線フレーム境界)がサービングセルのそれに対して所定の第2のオフセットだけずれていることであってもよい。この場合、例えばUE3は、非ライセンス周波数でセルの検出を試みる際、検出対象とするセルのフレームタイミングは、サービングセルのそれに対して第2のオフセットがあることを想定し、対応する検出タイミングにて非ライセンス周波数においてセルの検出を試みるようにしてもよい。なお、第2のオフセットの値は、第1のオフセットの値と同様に定義されてもよい。
【0048】
図7は、サービングセルと他のセルの間のフレームタイミングの関係の一例を示している。
図7の例では、UE3において受信されることが可能なCell#2およびCell#3のフレームタイミングを示している。ここで、UE3において受信されることが可能なセルとは、UE3の位置であれば当該セルの受信品質(e.g., RSRP)がセル検出には十分であると想定されるセルをいう。Cell #2の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれから約4サブフレーム時間だけずれている。言い換えると、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信されるサブフレーム番号の差が+6であると言うこともできる。一方、Cell #3の無線フレームの先頭位置は、サービングセル(Cell #1)のそれから約7サブフレーム時間だけずれている。言い換えると、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信されるサブフレーム番号の差が+3であると言うこともできる。所定の第2のオフセットが4サブフレーム(又はサブフレーム番号の差=6)に設定されている場合、UE3は、所定の処理の対象として
図7に示されたCell #2を選択してもよい。なお、
図7の例で、所定の処理がセルの検出(つまり、セルサーチ処理)である場合には、第2のオフセットがあることを前提として、Cell #2の検出を試みるが、Cell #3は当該第2のオフセットでは検出できないためにセルの検出の対象とされない。
【0049】
またさらに他の例において、フレームタイミングに関する所定の関係は、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)の無線フレーム番号(つまり、SFN)がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれに対して所定の第1のオフセット以内に納まること、又は第1のオフセットに納まらないこと、或いは、所定の第2のオフセット(e.g., Z radio frames)だけずれていること、であってもよい。
【0050】
図4に戻り説明を続ける。ブロック402では、UE3は、ブロック401において検出されたセルに対して所定の処理を行う。所定の処理は、以下に列挙する処理のうち少なくとも1つを含んでもよい。
・セルサーチ処理(cell search)
・セル選択処理(cell selection)
・セル再選択処理(cell reselection)
・セルへの近接の検出(proximity estimation)
・セルへの近接の報告(proximity indication)
・端末測定(RRM measurement)
・端末測定結果の報告(RRM measurement report)
・無線品質測定(CQI measurement)
・無線品質測定結果の報告(CQI report)
・通信路状態測定(CSI measurement)
・通信路状態測定結果の報告(CSI report)
・Sensing (CCA, energy detection)
【0051】
あるセルをセルサーチ処理の対象とすることは、当該セルのPSS及びSSSの系列をcell search機能における検索の候補として選択することを意味する。セルサーチ処理は、以下の少なくとも1つを目的に当該セルが存在しているか否かを検索(探索)することであってもよい:
(a)サービングセル(e.g. SCell)として使用すること、
(b)他のオペレータのセルが存在するか否かを確認すること、
(c)他のオペレータのセルからの干渉測定(inter-operator measurement, inter-operator cell interference measurement, inter-network measurement, or inter-network interference measurement)を行うこと、及び
(d)sensing(e.g. CCA, energy detection)を行うこと。
【0052】
セルへの近接の検出は、例えば上述の(a)〜(d)の少なくとも1つを目的に、対象セルが周辺(近く)に存在するか否かを、UE3が自律的に確認(推定)することであってもよい。セルへの近接(proximity)の検出は、セルへの近接の推定(proximity estimation)、セルの利用可能性(cell availability)の検出、又は単にセルの検出(cell discovery)と呼ぶこともできる。UE3による非ライセンス周波数における非帰属セル(non-serving cell)への近接(proximity)の検出は、例えば、当該非帰属セルにおいて無線基地局(LTE-U eNB)1から送信されるセル特定信号を検出することを含む。セル特定信号は、既知シンボル又は既知系列を包含する。セル特定信号は、例えば、同期信号(Synchronization Signal。LTEでは、PSS及びSSS)又は参照信号(Reference Signal: RS)でもよいし、当該セルにおいて報知される基本情報(Master Information Block: MIB)又はシステム情報(System Information Block: SIB。例えばSIB1若しくはSIB2、又はLTE-U用に規定されたSIBx)でもよい。この場合、UE3は、例えば当該セル特定信号(e.g., RS)の受信品質(e.g., RSRP, RSRQ, RSSI, SINR, 又はCQI)が所定の閾値以上か否か(または閾値より大きいか否か)に基づいて当該非帰属セルへの近接を検出してもよい。これに代えて、UE3は、当該非帰属セルにおいて報知される基本情報(MIB)又はシステム情報(SIB)を正しく受信したか否かに基づいて、当該非帰属セルへの近接を検出してもよい。なお、参照信号は、例えばセル固有参照信号(Cell Specific RS: CRS)、通信路状態情報(Channel State Information: CSI)の測定報告用の参照信号(CSI RS)、及びセル検出用の参照信号(Discovery RS: DRS)のうち少なくともいずれかを含んでもよい。DRSは、例えばPSS、SSS、CRS、及びCSI RSのうち2つ以上の組み合わせであってもよいし、セル検出のために新たに規定された参照信号であってもよい。
【0053】
セルへの近接の報告は、上述のセルへの近接の検出の結果をライセンス周波数のサービングセル(e.g., PCell)でLTE-U eNB1へ報告することを含む。当該報告は、Radio Resource Control (RRC) messageとしてUE3からLTE-U eNB1に送信されてもよい。当該報告は、検出された非ライセンス周波数のセルを特定するために、セル識別子(e.g., PCI)に加えてタイミング情報を含んでもよい。当該タイミング情報は、無線端末における下りリンクの信号の受信に関するもので、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係を示す。当該タイミング情報は、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセルのそれとの差(e.g., 時間差、又はサブフレーム番号の差)を示してもよい。
【0054】
図4に関する説明において、フレームタイミングに関する所定の関係の一例として、UE3において受信された非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミング(つまり、無線フレームの先頭位置または無線フレーム境界)がサービングセル(e.g., Cell #1)のそれに対して所定のオフセットだけずれていること、又は所定のオフセット以内に納まることを示した。この例で使用される所定のオフセットの設定値は、サービングセル(Cell #1)のLTE-U eNB1からUE3に通知されてもよい。LTE-U eNB1は、例えば、所定のオフセットの設定値をUE3に送信される端末測定に関する設定情報(MeasConfig)に含めてもよい。これに代えて、LTE-U eNB1は、所定のオフセットの設定値をUE3に送信される非帰属セル(non-serving cell)への近接の検出に関する設定情報(proximity configuration for unlicensed frequency)に含めてもよい。
【0055】
図8は、端末測定に関する無線基地局(LTE-U eNB)1と無線端末(UE)3の動作(処理800)を示すシーケンス図であり、所定のオフセットの設定値が端末測定に関する設定情報(MeasConfig)に含まれる例を示している。
図8では、
図2と同様に、LTE-U eNB1が、ライセンス周波数(F1)におけるセル(Cell #1)と非ライセンス周波数(F2)におけるセル(Cell #2)を管理する場合を想定する。
【0056】
図8において、まずUE3は、Cell #1においてLTE-U eNB1と無線接続を確立し(RRC Connection Establishment、801)、更に図示しないコアネットワーク(EPC)との間でベアラ(e.g. EPS bearer, E-RAB)の確立を行う。この後、例えばユーザデータの送受信が可能な状態になる(不図示)。LTE-U eNB1は、UE3に非ライセンス周波数(例えばF2)における端末測定(UE measurement)の指示を、Cell #1で所定の制御シグナリングによって行う(Measurement Configuration and Instruction for Unlicensed Frequency (e.g. Cell #2 on F2)、802)。言い換えると、Cell #1で送信される所定の制御シグナリングは、非ライセンス周波数(例えばF2)における端末測定(UE measurement)の指示を示す。
【0057】
当該制御シグナリング又は端末測定の指示(802)は、端末測定の対象とするべき非ライセンス周波数のセルを特定するために、セル識別子(e.g., PCI)及び所定のオフセットの設定値を示す。所定のオフセットの設定値は、サービングセル(e.g., Cell #1)のフレームタイミングに対する非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミングのオフセットの大きさを表す。既に述べたように、所定のオフセットの設定値は、2つセルの無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)の時間差(e.g., X msec)によって定義されてもよいし、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信される2つのセルのサブフレーム番号の差(e.g., Y subframes)によって定義されてもよい。
【0058】
図8に戻り説明を続ける。UE3は、当該制御シグナリング(802)に応答して、つまり当該端末測定の指示に従い、Cell #2において端末測定を行い(Measurement、804)、当該端末測定の結果をCell #1においてLTE-U eNBに報告する(Measurement Reporting for Unlicensed Frequency (e.g. Cell #2 on F2)、805)。UE3は、例えば、端末測定(804)において、LTE-U eNB1からCell #2にて送信されるPSS及びSSSに基づいて、Cell #2のPCI及びフレームタイミングを特定し、Cell #2にて送信されるCRSの受信強度又は受信品質を測定してもよい。
【0059】
なお、Cell #1で所定の制御シグナリング(802)は、端末測定の対象としてライセンス周波数のセル(Cell #1)をさらに指定してもよい。端末測定(804)は、Cell#2に加え、Cell #1の端末測定を含んでもよい。LTE-U eNBへのCell #1での端末測定結果の報告(805)は、Cell #2の測定結果に加え、Cell #1の測定結果を含んでもよい。
【0060】
図9は、UE3によって行われる処理の他の例(処理900)を示すフローチャートである。ブロック901では、
図4の処理400とは対照的に、UE3は、そのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの間に所定の関係を持たないセル(E.G., Cell #3)の検出を非ライセンス周波数(F2)において試行する。フレームタイミングの所定の関係の例は、
図4に関して既に説明したように、2つのセルの無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)が実質的に揃っていること、又は2つのセルの無線フレームの先頭位置の間に所定のオフセットが存在することであってもよい。ブロック902では、UE3は、ブロック901において検出されたセルに対して所定の処理を行う。所定の処理は、
図4に関して説明された複数の処理のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0061】
以上の説明から理解されるように、本実施形態に係るUE3は、ライセンス周波数を使用するサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングと非ライセンス周波数を使用する対象セル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミングとの所定の関係に基づいて、非ライセンス周波数において当該対象セルに関する所定の処理を行うことができる。したがって、本実施形態に係るUE3は、サービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの間に当該所定の関係を持つか否かによって、非ライセンス周波数の複数のセルを区別することに寄与できる。いくつかの実装において、所定の関係は、対象セル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミングがサービングセルのフレームタイミング(Cell #1)と揃っていることを含んでもよい。いくつかの実装において、所定の関係は、対象セル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングに対して所定の第1のオフセットに納まること、又は第1のオフセットに納まらないことを含んでもよい。いくつかの実装において、所定の関係は、対象セル(e.g., Cell #2又はCell #3)のフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングに対して所定の第2のオフセットだけずれていることを含んでもよい。
【0062】
以上で説明した第2の実施形態は、以下のように実現することもできる。
【0063】
1.無線端末(UE、e.g., UE3)は、(無線基地局(eNB、e.g., LTE-U eNB1)からフレームタイミングの同期に関する何の情報も貰わずに)ライセンス周波数(e.g., F1)のサービングセル(e.g., Cell #1)と同期していることを前提として、非ライセンス周波数(e.g., F2)における所定の処理(セルサーチ、端末測定、近接の検出など)を行う。なお、所定の処理を行うトリガは、eNBから当該所定の処理に関する制御情報を受信することでもよい。一方、eNBは、ライセンス周波数(e.g., F1)の第1のセル(UEのサービングセル、e.g., Cell #1)と同期して、非ライセンス周波数(e.g., F2)で第2のセル(e.g., Cell #2)を運用し、当該第2のセルに対して所定の処理を行うトリガとなる制御情報をUEに送信する。なお、当該制御情報は、UE個別メッセージ(RRC signaling. E.g., RadioResourceConfigDedicated)または報知情報(SIB)にて送信してもよい。
【0064】
2.無線端末(UE、e.g., UE3)は、無線基地局(eNB、e.g., LTE-U eNB1)から所定の許容オフセット(第1のオフセット。E.g., フレームタイミング又は同期信号(PSS, SSS)の検出タイミングのズレの許容値)を受信し、当該許容オフセットに納まる非ライセンス周波数(e.g., F2)のセル(e.g., Cell #2)のみに対して所定の処理を行う。なお、所定の処理を行うトリガは、当該許容オフセット値と一緒に、又は別々のメッセージで、eNBから当該所定の処理に関する制御情報を受信することでもよい。一方、eNBは、ライセンス周波数(e.g., F1)の第1のセル(e.g., Cell #1)と同期して、非ライセンス周波数(e.g., F2)で第2のセル(e.g., Cell #2)を運用し、当該第2のセルに対して所定の処理を行うトリガとなる制御情報、及び、対象とすべきセルか否かの判定基準となる許容オフセットをUEに送信する。なお、当該制御情報および当該許容オフセットは、UE個別メッセージ(RRC signaling。E.g., RadioResourceConfigDedicated)または報知情報(SIB)にて送信する。さらに、制御情報と、許容オフセットの値と制御情報は一緒に、又は別々のメッセージで、UEに送信してもよい。
【0065】
3.無線端末(UE、e.g., UE3)は、無線基地局(eNB、e.g., LTE-U eNB1)から所定のオフセットの値(第2のオフセット。E.g., フレームタイミング又は同期信号(PSS, SSS)の検出タイミングの差)を受信し、当該オフセットのある非ライセンス周波数(e.g., F2)のセル(e.g., Cell #2)(のみ)に対して所定の処理を行う。なお、所定の処理を行うトリガは、当該オフセットの値と一緒に、又は別々のメッセージで、eNBから当該処理の処理に関する制御情報を受信することでもよい。一方、eNBは、ライセンス周波数(e.g., F1)の第1のセル(e.g., Cell #1)と時間的に所定のオフセットをもって非ライセンス周波数(e.g., F2)で第2のセル(e.g., Cell #2)を運用し、当該オフセットの値と当該第2のセルに対して所定の処理を行うトリガとなる制御情報をUEに送信する。なお、当該オフセットの値および当該制御情報は、UE個別メッセージ(RRC signaling。E.g., RadioResourceConfigDedicated)または報知情報(SIB)にて送信する。さらに、オフセットの値と制御情報は一緒に、又は別々のメッセージで、UEに送信してもよい。
【0066】
<第3の実施形態>
本実施形態では、UE及びeNBによって行われる処理の他の例が説明される。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、第1の実施形態に関して説明された
図1A、
図1B、及び
図2と同様である。
【0067】
本実施形態に係るUE3は、互いに同一のセル識別子及び同一の周波数を使用するよう設定された複数の非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2及びCell #3)のうち少なくとも1つ(e.g., Cell #3)を検出した場合に、検出されたセルのフレームタイミングに関するタイミング情報及びセル識別子(e.g., PCI)をサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1に送信するよう構成されている。タイミング情報は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係を示す。当該タイミング情報は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のそれとの差(e.g., 時間差、又はサブフレーム番号の差)を示してもよい。
【0068】
いくつかの実装(implementations)において、LTE-U eNB1は、UE3から受信したタイミング情報及びセル識別子を、LTE-U eNB1又はこれを管理するオペレータAによってサービングセル(Cell #1)の近傍において運用されている非ライセンス周波数のセル(e.g., Cell #2)のフレームタイミング及びセル識別子と比較してもよい。そして、LTE-U eNB1は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のセル識別子(e.g., PCI)がLTE-U eNB1またはこれを管理するオペレータAによって非ライセンス周波数において提供されるセル(e.g., Cell #2)のそれと合致しているが、これら2つのセルのフレームタイミングが揃っていない場合に、検出されたセル(e.g., Cell #3)とLTE-U eNB1又はそのオペレータAのセル(e.g., Cell #2)の間でセル識別子の競合(conflict)が生じていることを検出してもよい。いくつかの実装(implementations)において、この処理は、LTE-U eNB1とは異なる他のコントロールノード(e.g., Self-Organizing Network (SON) controller、Software-Defined Network (SDN)コントローラ、Operations Support System (OSS)、又はElement Management System (EMS))によって行われてもよい。
【0069】
図10は、本実施形態に係るUE3によって行われる処理の一例(処理1000)を示すフローチャートである。ブロック1011では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)においてセルの検出を試行する。当該セル検出処理(1011)は、LTE-UE eNB1からUE3に設定された端末測定(RRM measurement)またはセルへの近接の検出(proximity detection)において行われてもよい。ブロック1011では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において検出されたセルを、セル識別子(e.g., PCI)だけでなく、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のそれとの関係に基づいて特定する。すなわち、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において同一のPCIを使用する複数のセルを検出した場合であっても、これら複数のセルをサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係に基づいて区別することができる。
【0070】
ブロック1012では、UE3は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のフレームタイミングに関するタイミング情報及びPCIをサービングセル(Cell #1)においてLTE-U eNB1に送信する。既に説明したように、タイミング情報は、検出されたセル(e.g., Cell #3)のフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係(e.g., フレームタイミング差)を示す。
【0071】
本実施形態に係るUE3は、PCIの競合の検出に有用な情報(つまり、フレームタイミングに関するタイミング情報)をネットワーク(e.g., eNB1又はその他のコントロールノード)に提供できる。したがって、本実施形態によれば、UE3は、ネットワークによるPCIの競合、つまりPCI collision又はPCI confusion、の検出を支援することができる。
【0072】
<第4の実施形態>
本実施形態では、UE及びeNBによって行われる処理の他の例が説明される。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、第1の実施形態に関して説明された
図1A、
図1B、及び
図2と同様である。
【0073】
図11は、本実施形態に係るUE3によって行われる処理の一例(処理1100)を示すフローチャートである。ブロック1101では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)においてセルの検出を試行する。当該セル検出処理(1101)は、LTE-UE eNB1からUE3に設定された端末測定(RRM measurement)またはセルへの近接の検出(proximity detection)において行われてもよい。ブロック1101では、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において検出されたセルを、セル識別子(e.g., PCI)だけでなく、検出されたセルのフレームタイミングとサービングセル(Cell #1)のそれとの関係に基づいて特定する。すなわち、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において同一のPCIを使用する複数のセルを検出した場合であっても、これら複数のセルをサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの関係に基づいて区別することができる。
【0074】
ブロック1102では、検出されたセル(e.g., Cell #2)を所定の処理の対象とするか否かを判定するために、当該検出されたセルのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のフレームタイミングに対して第1のオフセット以内に納まるか否かを判定する。いくつかの実装において、UE3は、当該検出されたセルのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のそれに対して第1のオフセット以内に納まる場合に、当該検出されたセルを所定の処理の対象としてもよい。これとは反対に、いくつかの実装において、UE3は、当該検出されたセルのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のそれに対して第1のオフセットに納まっていない場合に、当該検出されたセルを所定の処理の対象としてもよい。
【0075】
ここで、所定の処理は、第2の実施形態において説明したのと同様に、セルサーチ、セル選択、セル再選択、セルへの近接の検出、セルへの近接の報告、端末測定、端末測定結果の報告、無線品質測定、無線品質測定結果の報告、通信路状態測定、通信路状態測定結果の報告、及びセンシングのうち少なくとも1つを含んでもよい。第1のオフセットの値は、第2の実施形態において説明したのと同様に、2つセルの無線フレームの先頭位置(無線フレーム境界)の時間差(e.g., X msec)によって定義されてもよいし、ある観測期間内(e.g., 1サブフレーム期間=1ミリ秒)に受信される2つのセルのサブフレーム番号の差(e.g., Y subframes)によって定義されてもよい。第1のオフセット(許容オフセット)は、UE個別メッセージ(RRC signaling)または報知情報(SIB)を用いて、LTE-U eNB1からUE3に送信されてもよい。
【0076】
以上の説明から理解されるように、本実施形態に係るUE3は、非ライセンス周波数においてセルの検出を試行し、検出されたセル(e.g., Cell #2又はCell #3)とサービングセル(Cell #1)とのフレームタイミングの関係を積極的に判定し、検出されたセルのフレームタイミングがサービングセル(Cell #1)のそれと所定の関係を持つことに応答して当該検出されたセルを所定の処理の対象とすることができる。したがって、本実施形態に係るUE3は、サービングセル(Cell #1)のフレームタイミングとの間に当該所定の関係を持つか否かによって、非ライセンス周波数の複数のセルを区別することに寄与できる。
【0077】
<第5の実施形態>
上述の第1〜第4の実施形態では、ライセンス周波数と非ライセンス周波数でCAを行うLAA方式によるLTE-Uの例について説明した。本実施形態では、LTE-U eNB及びUEがDual Connectivity (DC)の機能を有するケースについて説明する。
図12は、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。無線基地局(eNB)4及び5並びに無線端末(UE)7は、Dual Connectivityの機能を有する。Dual Connectivityは、メイン基地局(マスター基地局、Master eNB: MeNB)4とサブ基地局(セカンダリ基地局、Secondary eNB: SeNB)5によって提供される(つまり、管理される)それぞれの無線リソース(つまり、セル又はキャリア)を同時に使用してUE7が通信を行う処理である。
図12の例では、MeNB4とSeNB5がX2インターフェースを介して接続され、MeNB4がライセンス周波数F1のCell #1を管理し、SeNB5がライセンス周波数F2のCell #2と非ライセンス周波数F3のCell #3を管理する。MeNB4及びSeNB5は、DCを行わないUEにとっては通常のLTE eNBとして動作し、それぞれCell #1及びCell #2において独立してUEと通信が可能である。
【0078】
DCをサポートするUE7は、MeNB4とSeNB5のそれぞれによって管理される周波数が異なる複数のセルを同時に帰属セル(serving cell)として使用するキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation: CA)を行うことができる。MeNB4が管理するserving cellの集合はMaster Cell Group (MCG)と呼ばれ、SeNB5が管理するserving cellの集合はSecondary Cell Group (SCG)と呼ばれる。MCGは、少なくともPrimary Cell (PCell)を含み、更に1つ以上のSecondary Cell (SCell)を含んでもよい。SCGは、少なくともPrimary SCell (pSCell又はPSCellと略記)を含み、更に1つ以上のSCellを含んでもよい。pSCellは、少なくとも上りリンクの物理制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel: PUCCH)が割り当てられており、SCGの中でPCellのような役割を持つセルである。
【0079】
以下では、Dual Connectivity(DC)に関して簡単に説明する。Dual Connectivityの詳細については、例えば、非特許文献5を参照されたい。MeNB4は、DCを実行するUE7に対するコアネットワーク(Evolved Packet Core: EPC)のモビリティ管理装置(Mobility Management Entity: MME)との接続(S1-MME)を保持する。その為、MeNB4はUE7のモビリティ管理ポイント(又はmobility anchor)と呼ぶことができる。従って、Control Plane (CP)の制御情報は、MCGにおいてMeNB4とUE7の間で送受信される。SeNB5のSCGに関連するCPの制御情報は、SeNB5とMeNB4の間(X2インターフェース)で送受信され、更にMCGにおいてMeNB4とUE7の間で送受信される。例えば、SCGのRadio Resource Configuration (e.g. RadioResoureConfigDedicated IE)は、SCG-Configurationと呼ばれるinter-node RRC messageでSeNB5からMeNB4へ送信され、RRC Connection Reconfiguration messageでMeNB4からUE7へ送信される。一方、UE7の端末能力情報(UE-EUTRA capabilities IE)、SCGのセキュリティ情報(e.g. S-K
eNB)、MCGのRadio Resource Configuration (e.g. RadioResourceConfigDedicated IE)などは、SCG-ConfigInfoと呼ばれるinter-node RRC messageでMeNB4からSeNB5へ送信される。
【0080】
DCでは、User Plane (UP)のベアラ設定の観点から3つの構成がサポートされている。1つ目はMCG bearerである。MCG bearerは、MeNB4のリソース(e.g. MCG)のみを使用する為に、無線プロトコルがMeNB4のみに配置されているベアラであり、DCを行わない通常のLTEと同様に、ゲートウェイ装置(Serving Gateway (S-GW)又はPacket Data Network Gateway (P-GW))とMeNB4の間で接続(S1-U)が保持される。2つ目はSCG bearerである。SCG bearerは、SeNB5のリソース(e.g. SCG)のみを使用する為に、無線プロトコルがSeNB5のみに配置されているベアラであり、ゲートウェイ装置(S-GW又はP-GW)とSeNB5の間で接続(S1-U)が保持される。3つ目はSplit bearerである。Split bearerは、MeNB4とSeNB5の両方のリソース(e.g. MCGとSCG)を使用する為に、無線プロトコルがMeNB4とSeNB5の両方に配置されているベアラである。Split bearerでは、ゲートウェイ装置(S-GW又はP-GW)とMeNB4の間で接続(S1-U)が保持され、例えばSCGで送信されるUP data(e.g. PDCP PDU)は、X2を介してMeNB4からSeNB5へ転送される。DCを実行中のSeNB5及びUE7においてLAAを行う場合、例えばSCGのPSCellと共に非ライセンス周波数のセルをSCellとして使用する。このとき、非ライセンス周波数のセルでは、SCG bearer又はSplit bearerに対応する無線ベアラ(Radio Bearer)が確立される。
【0081】
図13は、異なるLTEオペレータによって提供される複数のセルが同じPCIを使用する状況の一例を示している。
図13の例では、Dual Connectivity をサポートするMeNB4及びSeNB5は、オペレータAによって管理される。非ライセンス周波数(F3)のCell #3は、PCI #5を持つ。一方、LTE-U eNB6は、オペレータAと異なる他のオペレータBによって管理され、非ライセンス周波数F3においてCell #4を運用している。
図13の例では、Cell #3及びCell #4は互いに隣接しており且つ同じPCI #5を持つため、PCI collisionが発生している。なお、同じPCI #5を持つCell #3及びCell #4は、互いに隣接していないが、各々がCell #2に隣接するよう配置されてもよく、この場合にはPCI confusionが発生する。
【0082】
第1〜第4の実施形態で説明された、非ライセンス周波数のセルをそのフレームタイミングとサービングセルのフレームタイミングとの所定の関係に基づいてUEにおいて区別する技術は、
図13に示されたDual Connectivityのケースにも適用できる。なお、上述のサービングセルは、MeNB4のセル(MCG。E.g., PCell)でもよいし、SeNB5のセル(SCG。E.g., PSCell)でもよい。ただし、MeNB4のMCGとSeNB5のSCGとの間でSFNが同期していてもよいし、同期していなくてもよい。SFNが同期していない場合で、かつ、第1及び第2の実施形態の説明で示したサービングセルがMeNB4のセル(e.g., PCell)である場合、UE7はMCGとSCGのSFNの差を考慮して所定の関係に対する判定をしてもよいし、MeNB4のセル(e.g., PCell)のSFNを基に所定の関係に対する判定をしてもよい。後者の場合、UE7はSFNの差もMeNB4に報告するようにしてもよい。
【0083】
また、UE7は、例えば第1及び第2のオフセットの値などを含む制御情報をSCGにおいてSeNB5から受信してもよいし、MCGにおいてMeNB4から受信してもよい。また、当該制御情報は、SeNB5が生成してもよいし、MeNB4が生成してもよい。前者の場合、SeNB5は生成した制御情報(例えばオフセットの設定値)を例えばSCG-ConfigurationにてMeNB4に転送し、MeNB4がUE7に送信してもよい。さらに、UE7は、非ライセンス周波数(F3)において検出されたセルのタイミング情報をSCGにおいてSeNB5に送信してもよいし、MCGにおいてMeNB4に送信してもよい。後者の場合、MeNB4は、当該タイミング情報を例えばSCG-ConfigInfoにてSeNB5に転送してもよい。
【0084】
最後に上述の実施形態に係る無線端末(UE3、UE7)及び無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)の構成例について説明する。上述の実施形態で説明された無線端末(UE3、UE7)の各々は、無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)と通信するためのトランシーバ、及び当該トランシーバに結合されたコントローラを含んでもよい。コントローラは、上述の実施形態で説明された無線端末(UE3、UE7)に関する処理(例えば、非ライセンス周波数のセルをそのフレームタイミングとサービングセルのフレームタイミングとの関係に基づいて区別する処理)を実行する。
【0085】
上述の実施形態で説明された無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)の各々は、無線端末(UE3、UE7)と通信するためのトランシーバ、及び当該トランシーバに結合されたコントローラを含んでもよい。コントローラは、上述の実施形態で説明された無線基地局(LTE-U eNB1、MeNB4、SeNB5)に関する処理(例えば、所定のオフセットの設定値のUE3又はUE7への送信、UE3又はUE7から受信したタイミング情報に基づくPCIの競合の検出)を実行する。
【0086】
図14は、第1〜第4の実施形態に係る無線端末(UE)3の構成例を示すブロック図である。第5の実施形態に係る無線端末7も
図14と同様の構成を有してもよい。
図14を参照すると、UE3は、無線トランシーバ3001、プロセッサ3002、及びメモリ3003を含む。無線トランシーバ3001は、LTE-U eNB1と通信するよう構成されている。
【0087】
プロセッサ3002は、メモリ3003からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態で説明された処理300、400、800、900、1000、又は1100に関するUE3の処理を行う。プロセッサ3002は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ3002は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0088】
メモリ3003は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、マスクRead Only Memory(MROM)、Programmable ROM(PROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。また、メモリ3003は、プロセッサ3002から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ3002は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ3003にアクセスしてもよい。
【0089】
メモリ3003は、上述の実施形態で説明された処理300、400、800、900、1000、又は1100に関するUE3の処理を実行するための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュールを格納するために使用されてもよい。プロセッサ3002は、当該1又は複数のソフトウェアモジュールをメモリ3003から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたUE3の処理を行うことができる。
【0090】
図15は、第1〜第4の実施形態に係る無線基地局(LTE-U eNB)1の構成例を示すブロック図である。第5の実施形態に係る無線基地局4及び5も
図15と同様の構成を有してもよい。
図15を参照すると、LTE-U eNB1は、無線トランシーバ1001、ネットワークインターフェース1002、プロセッサ1003、及びメモリ1004を含む。無線トランシーバ1001は、UE3と通信するよう構成されている。ネットワークインターフェース1002は、ネットワークノード(e.g., MME及びS-GW)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1002は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0091】
プロセッサ1003は、メモリ1004からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態で説明された処理300、400、700、800、又は900に関するLTE-U eNB1の処理を行う。プロセッサ1003は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1003は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0092】
メモリ1004は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1004は、プロセッサ1003から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1003は、ネットワークインターフェース1002又は図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1004にアクセスしてもよい。
【0093】
メモリ1004は、上述の実施形態で説明された処理300、400、800、900、1000、又は1100に関するLTE-U eNB1の処理を実行するための命令群およびデータを含む1又は複数のソフトウェアモジュールを格納するために使用されてもよい。プロセッサ1003は、当該1又は複数のソフトウェアモジュールをメモリ1004から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたLTE-U eNB1の処理を行うことができる。
【0094】
図13及び
図14を用いて説明したように、上述の実施形態に係るUE3及び7並びにeNB1、4及び5が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行してもよい。これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0095】
<その他の実施形態>
上述の複数の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0096】
上述の実施形態では、説明の便宜のために、非ライセンス周波数のセルとして同一のPCIを使用する複数のセルのみが示されている図(
図2、
図12等)を用いて説明したが、これらの図は一例に過ぎない。すなわち、上述の実施形態では、PCIの競合が発生していない少なくとも1つのセルが非ライセンス周波数において運用されてもよく、UE3及び7は、これら少なくとも1つのセルに対して上述した処理300、400、700、800、又は900等を行ってもよい。さらに、上述の実施形態では、非ライセンス周波数において複数の周波数(キャリア又はチャネル)が使用可能であってもよく、UE3及び7は、それら複数の周波数全て、又はLTE-U eNBによって指定された周波数を対象として処理300、400、700、800、又は900等を行ってもよい。
【0097】
例えば、
図2に示されたCell #2(PCI #5)及びCell #3(PCI #5)に加えて、これらと異なるPCIを持つCell #4(PCI #6)が存在する場合に、UE3は、非ライセンス周波数(F2)において検出された、(i) Cell #2に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング、(ii) Cell #3に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング、並びに(iii) Cell #4に対応するPCI #6及びそのフレームタイミングを検出し、これらをLTE-U eNB1に報告してもよい。これに代えて、UE3は、(i) Cell #2に対応するPCI #5及びそのフレームタイミング及び(ii) Cell #3に対応するPCI #5及びそのフレームタイミングをLTE-U eNB1に報告せずに、(iii) Cell #4に対応するPCI #6及びそのフレームタイミングをLTE-U eNB1に報告してもよい。これらの例において、LTE-U eNB1は、UE3からの報告を受信し、PCIの競合が生じているおそれのあるCell #2よりも、PCIの競合が生じていないと推定されるCell #4を優先的にCAのセカンダリセル(SCel)として選択してもよい。
【0098】
上述の実施形態において説明されたPCIは、セル識別子(物理的な識別子)の一例である。例えば、非ライセンス周波数のセルでは、PCIとは異なる他のセル識別子の競合が発生するかもしれない。いくつかの実装において、非ライセンス周波数のセルの識別子は、Virtual Cell IDであってもよい。Virtual Cell IDは、例えば当該非ライセンス周波数のセルにて参照信号(Reference Signal)の送信などに使用されるスクランブリング・コード識別子(e.g. Scrambling Identity、又は Scrambling Code ID)であってもよい。また、いくつかの実装において、非ライセンス周波数のセルの識別子は、非ライセンス周波数のセルに対して新たにセル番号又はセルインデックスを付与して定義されたPCIとは異なる識別子であってもよい。これらの識別子は、PCIに代えて又は組合せて使用されてもよい。
【0099】
上述の実施形態では、LAAのケースについて説明した。すなわち、第1〜第4の実施形態では、無線基地局(LTE-U eNB)1及び無線端末(UE)3がライセンス周波数のセルをプライマリセル(PCell)として使用すると共に、非ライセンス周波数のセルをセカンダリセル(SCell)として使用するキャリアグリゲーション(CA)について主に説明した。第5の実施形態では、MeNB4及びSeNB5がライセンス周波数を使用し、SeNB5が更に非ライセンス周波数を使用するDual Connectivity (DC)について主に説明した。しかしながら、第1〜第4の実施形態では、無線基地局(LTE-U eNB)1は、ある共用周波数(例えばF3)をPCellとして使用し、狭義の非ライセンス周波数(例えばF2)又は他の共用周波数(例えばF4)をセカンダリセル(SCell)として使用するキャリアグリゲーション(CA)を行ってもよい。ここで、狭義の非ライセンス周波数は、いずれのオペレータにも割り当てられていない周波数(つまり、ライセンス周波数ではなく且つ共用周波数でもない周波数)を意味する。同様に、第5の実施形態では、Dual Connectivity (DC)のために、MeNB4が共用周波数を使用し、SeNB5が共用周波数又は狭義の非ライセンス周波数を使用してもよい。
【0100】
さらに、PCIの競合(conflict)は、複数のLTEオペレータが非ライセンス周波数(またはライセンス共用周波数)をLAA又はLSAのために使用する状況だけでなく様々な状況で発生し得る。PCIの競合(conflict)、つまりPCI collision又はPCI confusionは、非ライセンス周波数、ライセンス共用周波数、及びライセンス周波数のいずれを使用する場合にも発生する可能性があり、複数オペレータ間及び1つのオペレータ内のいずれでも発生する可能性がある。上述の実施形態で説明された、同一PCI及び同一周波数を使用する複数のセルをこれらのフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係に基づいてUEにおいて区別する技術は、PCIの競合が発生する様々なケースに適用することができる。
【0101】
さらにまた、既に述べたように、PCI confusionは、複数のセルが異なる周波数を使用するが、これらが同一のPCIを使用している場合にも発生する可能性がある。上述の実施形態で説明された、同一PCIを使用する複数のセルをこれらのフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係に基づいてUEにおいて区別する技術は、異なる周波数を使用する複数のセルの間のPCI confusionが発生するケースに適用することができる。
【0102】
また、上述の実施形態では、主にLTEシステムに関して説明を行った。しかしながら、既に述べたように、これらの実施形態は、LTEシステム以外の無線通信システム、例えば、3GPP UMTS、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD)、GSM/GPRSシステム、又はWiMAXシステム等に適用されてもよい。尚、非ライセンス周波数におけるLTEの通信を行う機能を有する無線基地局(eNB)及びRRH/RREを無線基地局(LTE-U eNB)と呼んだ。他のシステムでも同様に、複数の周波数(例えば、ライセンス周波数および非ライセンス周波数)において通信を行うことが可能なネットワーク装置の導入が可能であり、それらを総称して無線局と呼ぶことができる。つまり、当該無線局は、LTEでは上述のように無線基地局(eNB)及びRRH/RREに相当し、UMTSでは基地局(NodeB: NB)及び基地局制御局(RNC)に相当し、更にCDMA2000システムでは基地局(BTS)及び基地局制御局(BSC)に相当する。さらに、特にDual Connectivity (DC)の例では、メイン基地局(LTEではMeNB)及びサブ基地局(LTEではSeNB)を含む基地局システムを無線局と呼ぶことができる。メイン基地局及びサブ基地局の各々は、無線通信ノードと呼ぶことができる。
【0103】
LTE以外の無線通信システムでは、PCIとは異なる他のセル識別子が使用され(例えば、3GPP UMTSで使用されるPSC)、PCIの競合(conflict)と同様にこれらのセル識別子の競合も発生し得る。上述の実施形態で説明された、同一PCIを使用する複数のセルをこれらのフレームタイミングとサービングセルのそれとの関係に基づいてUEにおいて区別する技術は、PSC等の他のセル識別子の競合が発生する様々なケースに適用することができる。
【0104】
また、上述の実施形態において、サービングセル(例えば、
図2のCell #1)と、互いに同一のセル識別子及び同一の周波数を使用するよう設定された複数のセル(例えば、
図2のCell #2及びCell #3)は、互いに異なるRadio Access Technology (RAT)を使用してもよい。例えば、サービングセルはLTE(E-UTRAN)のセルであってもよく、サービングセルとは異なる複数のセルはUMTS(UTRAN)のセルであってもよい。
【0105】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0106】
この出願は、2014年11月6日に出願された日本出願特願2014−226392を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。