(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る無人飛翔体の外観模式図の一例を示す図である。
無人飛翔体100は、モータ102aとモータ102bとモータ102cとモータ102dとロータ104aとロータ104bとロータ104cとロータ104dとを備える。
モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dは、対応するロータ104a、ロータ104b、ロータ104c、およびロータ104dを、それぞれ回転させることにより、無人飛翔体100に揚力および推進力を与える。
また、モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dの各々に供給する駆動電流を制御することにより、無人飛翔体100の飛行高度、方位、進行方向を制御することができる。
【0011】
無人飛翔体100は、カメラなどの撮像部108を備える。撮像部108は、無人飛翔体100の周辺の風景を撮像する。実施形態に係る無人飛翔体100は、撮像部108の撮像方向と、無人飛翔体100の機首方位HDGとが一致している。この場合、撮像部108は、無人飛翔体100の前方の風景を撮像する。
無人飛翔体100は、フック部106aとフック部106bとフック部106cとフック部106dとを備える。
フック部106aとフック部106bとフック部106cとフック部106dは、無人飛翔体100に異常が発生し、何らかの対象物に向かって飛行した場合に、その何らかの対象物に引っかかるようにするためのものである。無人飛翔体100のフック部106a、フック部106b、フック部106c、およびフック部106dのうち、少なくとも一つが何らかの対象物に引っかかることによって、無人飛翔体100が地面に衝突することを低減できる。このため、無人飛翔体100に異常が発生したことによって発生するおそれがある災害を低減できる。さらに、無人飛翔体100に異常が発生し、下降した場合に、人に当たってしまうことを防止できる。
【0012】
以下、モータ102a、モータ102b、モータ102c、およびモータ102dのうち、任意のモータをモータ102と記載する。また、ロータ104a、ロータ104b、ロータ104c、およびロータ104dのうち、任意のロータをロータ104と記載する。フック部106a、フック部106b、フック部106c、およびフック部106dのうち、任意のフックをフック部106と記載する。
【0013】
図2は、実施形態に係る無人飛翔体が飛行する経路の一例を示す図である。
実施形態に係る無人飛翔体100は、電力設備の上空などの近傍を飛行する。ここで、電力設備について説明する。電力設備の一例は、配電線用電柱UPを備える。配電線用電柱UPは、配電線WRを支持する。配電線WRには、架空地線OGWと、高圧線HPLと、低圧線LPLと、高圧引下線HLLとが含まれる。低圧線LPLは、動力線PLと、電灯線LLとを含む場合がある。
架空地線OGWは、架空された、送電、配電などのための電線路を、主に雷から保護する設備である。例えば架空送電線路であれば、その送電鉄塔上部を結ぶように、接地した導体であるメタルワイヤ(金属線)を電線路方向に連続するようにして設けたものが架空地線OGWである。
【0014】
高圧線HPLは、配電用変電所から高圧で電力を供給する電線である。高圧線HPLが供給する高圧の電力は、例えば、6600Vの電力である。
高圧引下線HLLは、高圧線HPLとトランスTRとを接続する電線である。高圧線HPLが供給する電力は、高圧引下線HLLを介してトランスTRに出力される。
トランスTRは、供給された高圧の電力を低圧へ降圧する。トランスTRによって降圧された電力は、例えば、100Vまたは200Vである。トランスTRによって降圧された電圧は、低圧線LPLに供給される。低圧線LPLは、トランスTRによって降圧された電力を、需要家へ供給する。
【0015】
トランスTRは、配電線用電柱UPに、金属性の固定具を介して、取り付けられる。配電線WRへ供給される電力は、トランスTRを介して降圧される。トランスTRを介して降圧された電力は、引込線LWを介して需要家へ供給される。
以下、必要に応じて、XYZ直交座標系を用いて説明する。ここで、Z軸は地表面に対して鉛直の方向であり、X軸は配電線WRの配電方向に平行な方向であり、Y軸は配電線WRの配電方向に直交する方向である。具体的には、X軸は配電線用電柱UPが支持する高圧線HPLおよび低圧電灯線LPLと平行な方向である。また、X軸とY軸とがなすX−Y平面は、地表面と平行である。
【0016】
図2に示される例では、無人飛翔体100は、架空地線OGWの上方や、配電線WRの近傍を方向DR(X方向)へ飛行する。無人飛翔体100は、飛行しているときに、異常を検出すると、撮像部108へ撮像命令を出力し、撮像部108が撮像した画像に含まれる電力設備と無人飛翔体100との間の相対位置を推定し、推定した相対位置に基づいて、電力設備の方向へ、飛行経路を決定する。無人飛翔体100は、決定した飛行経路にしたがって、ロータを制御することによって飛行する。
その後、無人飛翔体100は、再度、撮像部108へ撮像命令を出力し、撮像部108が撮像した画像に含まれる架空地線OGWや、送電線WRと無人飛翔体100との間の相対位置を推定し、推定した相対位置に基づいて、架空地線OGWや、送電線WRの方向へ、飛行経路を決定する。無人飛翔体100は、決定した飛行経路にしたがって、ロータを制御することによって飛行する。
無人飛翔体100が、架空地線OGWや、送電線WRの方向へ飛行することによって、無人飛翔体100に取り付けられたフック部106が架空地線OGWや、送電線WRに引っかかると想定されるため、無人飛翔体100が地面へ衝突してしまうのを防止できる。
【0017】
(無人飛翔体)
図3は、実施形態に係る無人飛翔体を示す機能ブロック図である。実施形態に係る無人飛翔体100は、モータ102と通信部103とロータ104と測位部105とフック部106と撮像部108とセンサ110と電源部112と制御部114とを備える。
この一例では、モータ102と通信部103とロータ104と測位部105とフック部106と撮像部108とセンサ110と電源部112は、専用のハードウェアによって実現される。
制御部114は、異常検出部116と推定部118と演算部120と飛行制御部122とラッチ部制御部123として機能する。制御部114は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)およびメモリにより構成され、異常検出部116、推定部118、演算部120、飛行制御部122、ラッチ部制御部123などの機能を実現するためのプログラムをCPUが実行することによりその機能を実現させる。
【0018】
通信部103は、無人飛翔体100を制御する制御装置(コントローラ)(図示なし)との間で通信を行う。例えば、通信部103は、LTE(Long Term Evolution)等の通信方式の携帯電話ネットワークの基地局と通信を行い、該携帯電話ネットワークのバックボーンネットワーク回線を介して、制御装置と通信を行う。
測位部105は、GPS(Global Positioning System)、準天頂衛星(quasi−zenith satellites: QZS)などの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s): GNSS)を備え、水平方向の位置を測位する。測位部105は、高度計を備え、高度計によって、垂直方向の位置を測位する。測位部105は、無人飛翔体100の測位を行い、測位結果を、制御部114へ出力する。測位結果には、水平方向の位置(緯度と経度)、および垂直方向の位置(高度)のいずれか一方または両方が含まれる。
センサ110は、風向き、風速などの環境状況を計測し、環境状況の計測結果を制御部114へ出力する。
電源部112は、無人飛翔体100の電源であるバッテリーと、該バッテリーの充電残量を監視する電源監視部とを備える。電源部112は、バッテリーの充電残量を示す情報を制御部114へ出力する。
【0019】
異常検出部116は、無人飛翔体100の異常を検出する。具体的には、異常検出部116は、電源部112が出力したバッテリーの充電残量を示す情報を取得し、取得したバッテリーの充電残量がバッテリー充電残量閾値未満である場合に異常を検出したと判定する。
また、異常検出部116は、モータ102のいずれかが停止した場合に異常であると判定する。
また、異常検出部116は、制御装置との間で通信ができなくなった場合に異常であると判定する。異常検出部116は、無人飛翔体100の異常を検出すると、推定部118および演算部120へ、異常が検出されたことを示す情報を含む異常検出情報を出力する。
【0020】
推定部118は、異常検出部116が出力した異常検出情報を取得すると、撮像部108へ撮像命令を出力し、撮像部108が撮像することによって得られた画像の画像情報を取得する。推定部118は、取得した画像情報を処理することによって、対象物を特定し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置を推定する。
撮像部108は、撮像命令に応じて周辺の風景を一または複数撮像し、撮像することによって得られる一または複数の画像の画像情報を制御部114へ出力する。推定部118は、撮像部108が出力した一または複数の画像情報を取得する。
【0021】
推定部118は、取得した一または複数の画像情報を処理することによって、電力設備、通信線などの対象物を特定する。前述したように、電力設備には、架空地線OGW、高圧線HPL、および低圧線LPLの少なくとも一つが含まれている。推定部118は、取得した一または複数の画像情報を処理することによって、架空地線OGW、高圧線HPL、および低圧線LPLのうち少なくとも一つを特定し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置を推定する。推定部118は、必要に応じて、測位部105から高度情報を取得し、取得した高度情報に基づいて、架空地線OGW、高圧線HPL、および低圧線LPLのうち少なくとも一つを特定するようにしてもよい。
推定部118は、三本以上の送電線が画像に含まれる場合には、その三本以上の送電線のうち、両端を除いた送電線のいずれかを特定するのが好ましい。推定部118は、取得した画像情報を処理した結果、架空地線OGW、高圧線HPL、および低圧線LPLを特定できない場合には、通信線を特定する。
推定部118は、取得した画像情報を処理することによって、架空地線OGW、高圧線HPL、低圧線LPL、および通信線のうち少なくとも一つを特定し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置を推定する。推定部118は、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置の推定結果を示す情報を、演算部120へ出力する。
【0022】
演算部120は、推定部118が出力した特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置の推定結果を示す情報を取得し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、特定した対象物の方向へ向かう飛行経路を演算する。具体的には、演算部120は、異常検出部116が出力した異常検出情報を取得すると、センサ110へ計測命令を出力する。センサ110は、計測命令に応じて、風向き、風速などの環境状況の計測を行い、環境状況の計測結果を制御部114へ出力する。演算部120は、センサ110が出力した環境状況の計測結果を取得する。
【0023】
演算部120は、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置の推定結果を示す情報と環境状況の計測結果とに基づいて、無人飛翔体100が、特定した対象物の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、特定した対象物の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。
飛行制御部122は、モータ102に供給する駆動電流を制御することにより、無人飛翔体100の飛行を制御する。飛行制御部122は、演算部120が出力した飛行経路を示す情報を取得すると、取得した飛行経路を示す情報に基づいて、無人飛翔体100の飛行を制御する。
ラッチ部制御部123は、フック部106に含まれる後述するラッチ部106−3の制御を行う。
【0024】
図4は、実施形態に係る無人飛翔体が飛行する経路の一例を示す図である。
特定した対象物が架空地線OGWである場合には、飛行制御部122が無人飛翔体100の飛行制御を行うことによって、無人飛翔体100は、架空地線OGWの方向へ飛行する。その結果、
図4の(1)に示すように、無人飛翔体100のフック部106が、架空地線OGWに引っかかると想定される。
特定した対象物が高圧線HPLである場合には、飛行制御部122が無人飛翔体100の飛行制御を行うことによって、無人飛翔体100は、高圧線HPLの方向へ飛行する。その結果、
図4の(2)に示すように、無人飛翔体100のフック部106が、高圧線HPLに引っかかると想定される。
【0025】
特定した対象物が低圧線LPLである場合には、飛行制御部122が無人飛翔体100の飛行制御を行うことによって、無人飛翔体100は、低圧線LPLの方向へ飛行する。その結果、
図4の(3)に示すように、無人飛翔体100のフック部106が、低圧線LPLに引っかかると想定される。
特定した対象物が通信線CCである場合には、飛行制御部122が無人飛翔体100の飛行制御を行うことによって、無人飛翔体100は、通信線CCの方向へ飛行する。その結果、
図4の(4)に示すように、無人飛翔体100のフック部106が、通信線CCに引っかかると想定される。
【0026】
無人飛翔体100のフック部106について説明する。
図5は、実施形態に係る無人飛翔体のフック部の一例を示す図である。
図5に示されるように、無人飛翔体100のフック部106は、フック本体106−1とバー106−2とラッチ部106−3とを含む。
フック本体106−1は、何らかの対象物に引っかかる部分である。バー106−2は、フック本体106−1を無人飛翔体100に取り付ける部分である。ラッチ部106−3は、フック本体106−1が何らかの対象物に引っかかった場合に、突き出ることによって、引っかかった状態を維持する。ラッチ部106−3は、フック本体106−1に収納可能であり、フック本体106−1が何らかの対象物に引っかかることによって、フック本体106−1に荷重が掛ると、突き出るように構成される。突き出たラッチ部106−3は、無人飛翔体100を制御する制御装置からラッチ部格納信号を送信し、送信したラッチ部格納信号が無人飛翔体100に受信されることによって、ラッチ部制御部123が、ラッチ部106−3を、フック本体106−1に収納する。
【0027】
無人飛翔体100は、ラッチ部106−3をフック本体106−1に収納した状態で飛行する(
図5(1))。無人飛翔体100は、異常を検出した場合、ラッチ部106−3をフック本体106−1に収納した状態で、特定した対象物の方向へ飛行する。
フック本体106−1が、特定した対象物に引っかかると、ラッチ部制御部123は、ラッチ部106−3を、フック本体106−1から自動的に突き出す(
図5(2))。つまり、フック本体106−1が、特定した対象物に引っかかるまで、ラッチ部106−3はフック本体106−1に収納され、フック本体106−1が、特定した対象物に引っかかると、ラッチ部106−3はフック本体106−1から自動的に突き出る。
フック本体106−1が、特定した対象物に引っかかるまで、ラッチ部106−3をフック本体106−1に収納することによって、特定した対象物に、フック本体106−1を引っかかりやすくできる。また、フック本体106−1が特定した対象物に引っかかると、ラッチ部106−3がフック本体106−1から自動的に突き出すことによって、開口部を狭くできるため、無人飛翔体100を特定した対象物から落ちづらくすることができる。
【0028】
対象物に引っかかった無人飛翔体100の回収は、以下のように行われる。無人飛翔体100を回収する者は、無人飛翔体100が引っかかった旨の通報によって、無人飛翔体100が引っかかっている現場を知ることができる。
無人飛翔体100を回収する者は、無人飛翔体100が引っかかった現場へ行き、制御装置を操作することによって、ラッチ部格納信号を送信する。
無人飛翔体100は、制御装置が送信したラッチ部格納信号を受信することによって、ラッチ部制御部123が、ラッチ部106−3を、フック本体106−1に格納する(
図5(3))。ラッチ部106−3が、フック本体106−1に格納されることによって、フック本体106−1の開口部が広くなるため、無人飛翔体100が、対象物から落ちるため、回収できる。
【0029】
<無人飛翔体の動作>
図6は、実施形態に係る無人飛翔体の動作を示すフローチャートである。無人飛翔体100は、電力設備の上空などの近傍を飛行している。
(ステップS102)無人飛翔体100の異常検出部116は、自無人飛翔体100の異常を検出する。異常検出部116は、バッテリーの充電残量がバッテリー充電残量閾値未満であること、モータ102のいずれかが停止したこと、制御装置との間で通信ができなくなったことなどの異常を検出定する。異常検出部116は、異常検出情報を、推定部118、および演算部120へ出力する。
(ステップS104)無人飛翔体100の推定部118は、異常検出部116が出力した異常検出情報を取得すると、撮像部108が稼働するか否かを判定する。具体的には、推定部118は、撮像部108へ撮像命令を出力し、撮像部108が撮像した場合には撮像部108が稼働すると判定し、撮像しない場合には撮像部108が稼働しないと判定する。撮像部108が稼働しない場合にはステップS106へ移行し、撮像部108が稼働する場合にはステップS108へ移行する。
【0030】
(ステップS106)推定部118は、撮像部108が稼働しないと判定した場合、待機する。その結果、無人飛翔体100は、そのまま飛行を継続する。この場合、何らかの対象物の方向へ飛行することが好ましい。このように構成することによって、フック部106を、何らかの対象物へ引っかけることができるため、無人飛翔体100が地面に落下することを低減できる。
(ステップS108)推定部118は、撮像部108が稼働すると判定した場合、撮像部108が撮像した画像に含まれる電力設備に基づいて、無人飛翔体100に対する電力設備の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、電力設備の相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、異常検出部116が出力した異常検出情報を取得すると、センサ110から環境状況の計測結果を取得する。
(ステップS110)演算部120は、相対位置の推定結果と環境状況の計測結果とに基づいて、電力設備の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、電力設備の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
【0031】
(ステップS112)無人飛翔体100が電力設備の方向へ向かって飛行している状況で、推定部118は、撮像部108へ、撮像命令を出力し、撮像部108が出力した画像情報を取得する。推定部118は、撮像部108が撮像した画像に架空地線が検出されるか否かを判定する。架空地線が検出される場合にはステップS114へ移行し、架空地線が検出されない場合にはステップS116へ移行する。
(ステップS114)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に架空地線が検出されると判定した場合、その画像に含まれる架空地線に基づいて、無人飛翔体100に対する架空地線の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、架空地線の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、架空地線の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
【0032】
(ステップS116)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に架空地線が検出されないと判定した場合、撮像部108が撮像した画像に高圧線が検出されるか否かを判定する。高圧線が検出される場合にはステップS118へ移行し、高圧線が検出されない場合にはステップS120へ移行する。
(ステップS118)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に高圧線が検出されると判定した場合、その画像に含まれる高圧線に基づいて、無人飛翔体100に対する高圧線の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、高圧線の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、高圧線の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
(ステップS120)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に高圧線が検出されないと判定した場合、撮像部108が撮像した画像に低圧線が検出されるか否かを判定する。低圧線が検出される場合にはステップS122へ移行し、低圧線が検出されない場合にはステップS124へ移行する。
【0033】
(ステップS122)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に低圧線が検出されると判定した場合、その画像に含まれる低圧線に基づいて、無人飛翔体100に対する低圧線の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、低圧線の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、低圧線の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
(ステップS124)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に低圧線が検出されないと判定した場合、撮像部108が撮像した画像に通信線が検出されるか否かを判定する。通信線が検出される場合にはステップS126へ移行し、通信線が検出されない場合にはステップS128へ移行する。
(ステップS126)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に通信線が検出されると判定した場合、その画像に含まれる通信線に基づいて、無人飛翔体100に対する通信線の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、通信線の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、通信線の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
【0034】
(ステップS128)推定部118は、撮像部108が撮像した画像に通信線が検出されないと判定した場合、撮像部108が撮像した画像から、樹木、建物の屋根、建造物などのフック部106を引っかけることが可能なその他の対象物を検出する。推定部118は、無人飛翔体100に対するその他の対象物の相対位置を推定する。推定部118は、演算部120へ、相対位置の推定結果を示す情報を出力する。演算部120は、相対位置の推定結果に基づいて、無人飛翔体100が、その他の対象物の方向へ向かう飛行経路を演算する。演算部120は、その他の対象物の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。飛行制御部122は、飛行経路を示す情報に基づいて、ロータ104を制御することによって、無人飛翔体100の飛行を制御する。
【0035】
前述した実施形態では、無人飛翔体100が備える撮像部108の撮像方向と、無人飛翔体100の機首方位HDGとが一致している場合について説明したが、この例に限られない。例えば、撮像部108を可動できるように構成し、撮像方向を変更するようにしてもよい。この場合、無人飛翔体100の機首方位HDGに対する撮像部108の撮像方向に基づいて、飛行経路が演算される。
前述した実施形態では、電力設備の一例として、配電線用電柱UPについて説明したが、この例に限られない。例えば、電力設備には、鉄塔、送電線、発電所、変電所などが含まれる。
【0036】
前述した実施形態では、無人飛翔体100を、架空地線OGW、高圧線HPL、低圧線LPL、通信線のいずれかに引っかける場合について説明したが、この例にかぎられない。例えば、無人飛翔体100を、腕金に引っかけるように飛行制御を行うようにしてもよい。また、例えば、無人飛翔体100を、携帯電話基地局、電信柱、TVアンテナなどのインフラ設備に引っかけるように飛行制御を行うようにしてもよい。
前述した実施形態では、無人飛翔体100が、フック部106aとフック部106bとフック部106cとフック部106dとを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、フック部の数は、一個−三個としてもよいし、五個以上としてもよい。また、フック部106を取り付ける位置についても、無人飛翔体の上部などの側面以外の面としてもよい。
【0037】
前述した実施形態では、無人飛翔体100は、撮像部108が撮像した画像に含まれる架空地線OGWや、送電線WRの位置を推定し、推定した架空地線OGWや、送電線WRの位置の方向へ、飛行経路を決定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、無人飛翔体100は、撮像部108が撮像した画像に含まれる配電線の位置を推定し、推定した配電線の位置の方向へ、飛行経路を決定するようにしてもよい。
前述した実施形態では、無人飛翔体100と制御装置との間で、携帯電話ネットワークを介して通信を行う場合について説明したが、この例に限られない。例えば、無人飛翔体100と制御装置との間で、無線LAN、インターネットなどを介して通信を行うようにしてもよい。
前述した実施形態では、無人飛翔体100がセンサ110を備え、そのセンサ110が測定した環境状況の計測結果を利用する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、電力設備に備えられた基地局から、環境状況を示す情報を送信するようにしてもよい。そして、無人飛翔体100は、基地局が送信する環境状況を示す情報を受信し、受信した環境状況の計測結果に基づいて、飛行制御を行うようにしてもよい。
【0038】
前述した実施形態では、無人飛翔体100が、ラッチ部106−3をフック本体106−1に収納した状態で飛行する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、フック本体106−1から、ラッチ部106−3を、段階的に突き出すことが可能となるように構成するようにしてもよい。そして、無人飛翔体100は、ラッチ部106−3を、フック本体106−1から少し突き出た状態で、飛行するようにしてもよい。
前述した実施形態では、無人飛翔体100を回収する者は、無人飛翔体100が引っかかった旨の通報によって、無人飛翔体100が引っかかっている現場を知ることができる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、対象物に引っかかった無人飛翔体100から回収を要求する情報を含む回収要求を送信するようにしてもよい。この回収要求は、配電線用電柱UPに取り付けられた基地局によって受信され、無人飛翔体100を回収する者に通知される。
【0039】
前述した実施形態においては、無人飛翔体100が、架空地線、高圧線、低圧線、通信線の順に、フック部106を引っかける対象を検出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、無人飛翔体100が、架空地線、低圧線、通信線の順に、フック部106を引っかける対象を検出してもよいし、高圧線、低圧線、通信線の順に、フック部106を引っかける対象を検出してもよい。
前述した実施形態において、無人飛翔体100が架空地線の方向へ飛行制御を行った結果、フック部106が架空地線に引っかからなかった場合には、高圧線、低圧線、および通信線のいずれかを検出し、検出できたものの方向へ飛行制御を行うようにしてもよい。
また、無人飛翔体100が高圧線の方向へ飛行制御を行った結果、フック部106が高圧線に引っかからなかった場合には、低圧線または通信線を検出し、検出できたものの方向へ飛行制御を行うようにしてもよい。
また、無人飛翔体100が低圧線の方向へ飛行制御を行った結果、フック部106が低圧線に引っかからなかった場合には、通信線を検出し、通信線の方向へ飛行制御を行うようにしてもよい。
また、無人飛翔体100が通信線の方向へ飛行制御を行った結果、フック部106が通信線に引っかからなかった場合には、再度上昇し、架空地線、高圧線、低圧線、および通信線のうち、検出できたものの方向へ飛行制御を行うようにしてもよい。
【0040】
実施形態に係る無人飛翔体100によれば、異常が発生した無人飛翔体100が地面に落下してしまう前に、無人飛翔体100のフック部106を、対象物に引っかけることができる。つまり、地上に墜落する前に、無人飛翔体100を捕獲することができる。このため、無人飛翔体が地上に墜落することによって生じるおそれがある災害を回避することができる。また、無人飛翔体100が、人の上に落下してしまうことを防止できる。対象物に引っかかった無人飛翔体100は、制御装置からラッチ部格納信号を送信することによって、落とすことができる。
また、無人飛翔体100は、三本以上の送電線がある場合には、その三本以上の送電線のうち、両端を除いた送電線のいずれかの方向へ、飛行制御を行う。このように構成することによって、仮に、無人飛翔体100の飛行経路が両端を除いた送電線からずれた場合でも、両端の送電線のうちの一方の方向へ移動することになるだけであり、フック部106がいずれかの送電線に引っかかると想定される。
【0041】
さらに、実施形態に係る無人飛翔体100によれば、取得した複数の画像情報を処理することによって対象物を特定し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置を推定する。このように構成することによって、全地球航法衛星システムなどによる測位によらず、相対位置を求めることができる。また、取得した複数の画像情報を処理することによって対象物を特定し、特定した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置を推定することにより、全地球航法衛星システムなどによって相対位置を求める場合と比較して測定誤差を減少させることができる。
【0042】
<変形例(その1)>
変形例に係る無人飛翔体100は、前述した実施形態に係る無人飛翔体100と、推定部118の処理と演算部120の処理とが異なる。
変形例に係る無人飛翔体100の推定部118は、前述した実施形態に係る無人飛翔体100の推定部118の処理に加え、以下の処理を行う。
変形例に係る無人飛翔体100の推定部118は、撮像部108が撮像した画像から、高圧線HPLまたは低圧線LPLを検出した場合に、検出した高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置を判定する。具体的には、推定部118は、特定した高圧線HPLまたは低圧線LPLが、地表面に対して平行に並んで配置されているか、地表面に対して垂直方向に並んで配置されているかを判定する。推定部118は、配置の判定結果を示す情報を、演算部120へ出力する。
【0043】
変形例に係る無人飛翔体100の演算部120は、前述した実施形態に係る無人飛翔体100の演算部120の処理に加え、以下の処理を行う。
変形例に係る無人飛翔体100の演算部120は、推定部118が出力した対象物と無人飛翔体100との間の相対位置の推定結果を示す情報と配置の判定結果を示す情報とを取得すると、取得した相対位置の推定結果を示す情報と配置の判定結果を示す情報と環境状況の計測結果とに基づいて、無人飛翔体100が、特定した対象物の方向へ向かう飛行経路を演算する。
【0044】
演算部120は、配置の判定結果が地表面に対して平行に並んで配置されていることを示す場合、平行に並んで配置されている高圧線HPLまたは低圧線LPLの上空へ向かいその後下降する飛行経路を演算することによって求める。
また、演算部120は、配置の判定結果が地表面に対して垂直に並んで配置されていることを示す場合、垂直に並んで配置されている高圧線HPLまたは低圧線LPLに対して、斜め上方向から斜め下方向に向かう飛行経路を演算することによって求める。演算部120は、特定した対象物の方向へ向かう飛行経路を示す情報を、飛行制御部122へ出力する。
【0045】
前述した変形例では、無人飛翔体100が、撮像部108が撮像した画像から、高圧線HPLまたは低圧線LPLを検出した場合に、検出した高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置を判定する場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、電力設備に備えられた基地局から、二次元または三次元で表された地図情報を送信するようにしてもよい。そして、無人飛翔体100は、基地局が送信する二次元または三次元で表された地図情報を受信することによって、高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置を判定するようにしてもよい。
また、例えば、電力設備に備えられた基地局から、高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置情報を送信するようにしてもよい。そして、無人飛翔体100は、基地局が送信する高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置情報を受信することによって、高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置を判定するようにしてもよい。
【0046】
変形例に係る無人飛翔体100によれば、高圧線HPLまたは低圧線LPLの配置に応じて、飛行経路を変えることができるため、異常が発生した無人飛翔体100を、高圧線HPLまたは低圧線LPLに引っかけやすくできる。
【0047】
<変形例(その2)>
変形例に係る無人飛翔体100は、前述した変形例に係る無人飛翔体100において、フック部106のバー106−2の部分の長さを可変としたものである。
図7は、変形例に係る無人飛翔体を示す機能ブロック図である。
変形例に係る無人飛翔体100は、前述した実施形態に係る無人飛翔体100の制御部114にフック部制御部124を備える。
推定部118は、配置の判定結果を示す情報を、フック部制御部124へ出力する。フック部制御部124は、推定部118が出力した配置の判定結果を示す情報を取得すると、取得した配置の判定結果が地表面に対して平行に配置されていることを示す場合には撮像部108へ撮像命令を出力し、撮像部108が出力した対象物の画像情報を取得する。フック部制御部124は、取得した画像情報を処理することによって、高圧線HPLに含まれる複数の高圧線HPLの間隔または低圧線LPLに含まれる複数の低圧線の間隔を推定する。
【0048】
フック部制御部124は、複数の高圧線の間隔の推定結果または複数の低圧線の間隔の推定結果に基づいて、フック部106のバー106−2の長さを調節する。具体的には、フック部制御部124は、対向する二個のフック部106の両端間の長さが、高圧線の間隔の推定結果または低圧線の間隔の推定結果未満になるように、対向する二個のフック部106のバー106−2の長さを調節する。このように構成することによって、対向する二個のフック部106の両方が、隣接する高圧線または低圧線に引っかかることを防止できるため、無人飛翔体100が、隣接する高圧線または低圧線の短絡の原因となることを防止できる。
図8は、変形例に係る無人飛翔体が飛行する経路の一例を示す図である。変形例に係る無人飛翔体100は、対向する二個のフック部106のバー106−2の長さを調節した状態で、特定した対象物の方向へ飛行する。その結果、無人飛翔体100の二個のフック部106の両方が、隣接する高圧線HPLまたは低圧線LPLに引っかかることを防止できる。
【0049】
前述した変形例では、対抗する二個のフック部106のバー106−2の長さを調節する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、フック部106のバー106−2を回転できるようにしてもよい。そして、対向する二個のフック部106の開口部の方向を異ならせることによって、対向する二つのフック部106の両方が、隣接する高圧線HPLまたは低圧線LPLに引っかかることを防止するようにしてもよい。
変形例に係る無人飛翔体100によれば、対向する二個のフック部106の両方が、隣接する高圧線HPLまたは低圧線LPLに引っかかることを防止できるため、無人飛翔体100が、高圧線または低圧線の短絡の原因となることを防止できる。
【0050】
<変形例(その3)>
変形例に係る無人飛翔体100は、前述した変形例に係る無人飛翔体100において、無人飛翔体100の位置情報をアクセスポイントAPなどの基地局が送信するビーコンなどの電波から取得するようにしたものである。
図9は、変形例に係る無人飛翔体を示す機能ブロック図である。
変形例に係る無人飛翔体100は、前述した実施形態に係る無人飛翔体100において、通信部107を備える。
通信部107は、複数の配電線用電柱UPの各々に設置されたアクセスポイントAPが送信するビーコンなどの電波を受信し、受信したビーコンの受信強度を計測する。ビーコンには、基地局の位置情報が含まれる。通信部107は、ビーコンに含まれる位置情報とビーコンの受信強度の計測結果を示す情報を推定部118へ出力する。例えば、通信部107は、IEEE802.11シリーズの通信方式で、複数のアクセスポイントAPの各々が送信する電波を受信する。
【0051】
推定部118は、通信部107が出力した位置情報とビーコンの受信強度の計測結果を複数取得する。推定部118は、複数取得した位置情報とビーコンの受信強度の計測結果とに基づいて、無人飛翔体100の位置を推定する。具体的には、推定部118は、異常検出部116が出力した異常検出情報を取得すると、通信部107から、位置情報とビーコンの受信強度の計測結果とを複数取得し、複数取得した位置情報とビーコンの受信強度の計測結果とに基づいて、三角測量の原理によって、無人飛翔体100の位置を推定する。推定部118は、無人飛翔体100の位置の推定結果を示す情報を、演算部120へ出力する。
変形例に係る無人飛翔体100によれば、撮像部108が撮像した画像を用いることなく、無人飛翔体100の位置を推定できるため、視界があまり良くない場合でも、無人飛翔体100の推定位置に基づいて、飛行制御を行うことができる。
前述した変形例において、基地局が送信する電波に含まれる位置情報とビーコンの受信強度の計測結果を示す情報とに基づいて推定した相対位置と、撮像部108が撮像することによって得られた画像情報から求めた相対位置との間の差異が閾値以上である場合には、無人飛翔体100の異常が発生したと判定してもよい。
【0052】
以上、実施形態およびその変形例を説明したが、これらの実施形態およびその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態およびその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態およびその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0053】
なお、上述した無人飛翔体は、コンピュータを含んで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。
【0054】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0055】
なお、上述の無人飛翔体は内部にコンピュータを有している。そして、上述した無人飛翔体の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。