特許第6583367号(P6583367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583367
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】密閉型圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   F04B39/00 106A
   F04B39/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-158913(P2017-158913)
(22)【出願日】2017年8月21日
(65)【公開番号】特開2019-35394(P2019-35394A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】杉山 徹
(72)【発明者】
【氏名】水口 朋子
(72)【発明者】
【氏名】中村 壮一
(72)【発明者】
【氏名】中谷 英太郎
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−169754(JP,A)
【文献】 特開2015−032784(JP,A)
【文献】 特開平06−185463(JP,A)
【文献】 実開昭59−037862(JP,U)
【文献】 特開2005−146901(JP,A)
【文献】 特開2010−013986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B39/00−39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機シェル(1)と、
上記圧縮機シェル(1)に設けられたターミナル(40)と、
上記ターミナル(40)の周囲を囲むように上記圧縮機シェル(1)に立設されたターミナルガード(10)と、
上記ターミナルガード(10)に取り付けられ、上記ターミナル(40)を覆うターミナルカバー(20)
を備え、
上記圧縮機シェル(1)と上記ターミナルガード(10)および上記ターミナルカバー(20)によってターミナル室(C1)が区画され、
上記ターミナル室(C1)に面する金属部分が、少なくとも上記ターミナル(40)のボディ部(41)を除いて上記ターミナル室(C1)側に露出しないように概ね絶縁体(50,60)で覆われており、
上記絶縁体(50,60)は、上記ターミナルガード(10)の内側面を覆う絶縁部を含むと共に、
上記絶縁体(50,60)は、上記圧縮機シェル(1)の上記ターミナル室(C1)に面する領域を覆う絶縁シート部(50)を含み、
上記ターミナルガード(10)の内壁面に設けられた取付部材(11,12)と上記ターミナルカバー(20)とによって上記絶縁シート部(50)の一部が挟まれて構成され、
上記ターミナルガード(10)の内側面を覆う上記絶縁部と上記絶縁シート部(50)との隙間は、上記ターミナル(40)のターミナルロッド(42)の径よりも小さいことを特徴とする密閉型圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の密閉型圧縮機において、
上記ターミナルガード(10)の内側面を覆う上記絶縁部は、上記ターミナルカバー(20)と一体に成形されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の密閉型圧縮機において、
上記絶縁体(50,60)は、上記ターミナル(40)のボディ部(41)を覆う第2の絶縁部(60)を含むことを特徴とする密閉型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機などに搭載される密閉型圧縮機に関し、圧縮機シェルから外側に突出するターミナルを保護するためのターミナル保護構造を備えた密閉型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、密閉型圧縮機としては、圧縮機シェルと、圧縮機シェルに設けられたターミナルと、ターミナルの周囲を囲むように圧縮機シェルの外側に立設されたターミナルガードと、ターミナルを覆うようにターミナルガードに取り付けられたターミナルカバーとを備えたものがある(例えば、特開2007−146728号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−146728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記密閉型圧縮機では、何らかの異常が発生してターミナルに大電流が流れると、ターミナルロッドを固定している絶縁ガラスが溶けてターミナルロッドが外れ、外れたターミナルロッドが圧縮機の内圧によって吹き飛ばされ、ターミナル室の内壁に衝突する恐れがある。このような場合、圧縮機シェルとターミナルガードおよびターミナルカバーによって区画されるターミナル室の内壁に金属部分が露出していると、活線であるターミナルロッドが金属部分に接触してショートし、スパークが発生するという問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、ターミナルロッドが抜けても活線部が金属表面に接触しないようにしてスパークの発生を防止できる密閉型圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様に係る密閉型圧縮機は、
圧縮機シェルと、
上記圧縮機シェルに設けられたターミナルと、
上記ターミナルの周囲を囲むように上記圧縮機シェルに立設されたターミナルガードと、
上記ターミナルガードに取り付けられ、上記ターミナルを覆うターミナルカバーと
を備え、
上記圧縮機シェルと上記ターミナルガードおよび上記ターミナルカバーによってターミナル室が区画され、
上記ターミナル室に面する金属部分が、少なくとも上記ターミナルのボディ部を除いて上記ターミナル室側に露出しないように概ね絶縁体で覆われており、
上記絶縁体は、上記ターミナルガードの内側面を覆う絶縁部を含むと共に、
上記絶縁体は、上記圧縮機シェルの上記ターミナル室に面する領域を覆う絶縁シート部を含み、
上記ターミナルガードの内壁面に設けられた取付部材と上記ターミナルカバーとによって上記絶縁シート部の一部が挟まれて構成され、
上記ターミナルガードの内側面を覆う上記絶縁部と上記絶縁シート部との隙間は、上記ターミナルのターミナルロッドの径よりも小さいことを特徴とする。
【0007】
ここで、ターミナル室側に露出しないように概ね絶縁体で覆われているとは、ターミナルのボディ部を除いて、ターミナル室に面する金属部分が絶縁体で完全に覆われていてもよいし、ターミナルロッドが入らない隙間がある絶縁体でターミナル室に面する金属部分が覆われていてもよいということである。
【0008】
上記構成によれば、圧縮機シェルとターミナルガードおよびターミナルカバーによって区画されたターミナル室に面する金属部分が、少なくともターミナルのボディ部を除いてターミナル室側に露出しないように、ターミナルガードの内側面を覆う絶縁部を含む絶縁体で概ね覆われていることによって、ターミナルロッドが抜けても活線部が金属表面に接触しないようにしてスパークの発生を防止できる。
また、ターミナルガードの内側面を覆う絶縁部と、圧縮機シェルのターミナル室に面する領域を覆う絶縁シート部との隙間を、ターミナルのターミナルロッドの径よりも小さくすることによって、抜けたターミナルロッドが絶縁部と絶縁シート部との隙間に入り込まないので、その隙間の奥の金属表面にターミナルロッドが接触してスパークが発生することがない。
【0009】
また、一実施形態の密閉型圧縮機では、
上記ターミナルガードの内側面を覆う上記絶縁部は、上記ターミナルカバーと一体に成形されている。
【0010】
上記実施形態によれば、ターミナルガードの内側面を覆う絶縁部が、ターミナルカバーと一体に成形されているので、例えば、絶縁部とターミナルカバーとを絶縁性を有する樹脂で一体成形することにより、部品コストと組み立てコストを低減できる。
【0011】
【0012】
【0013】
また、一実施形態の密閉型圧縮機では、
上記絶縁体は、上記ターミナルのボディ部を覆う第2の絶縁部を含む。
【0014】
上記実施形態によれば、絶縁体の第2の絶縁部によりターミナルのボディ部を覆うので、抜けたターミナルロッドがターミナルのボディ部に接触するのを防いで、スパークの発生を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0015】
以上より明らかなように、この発明によれば、ターミナル室に面する金属部分が、少なくともターミナルのボディ部を除いてターミナル室側に露出しないように、ターミナルガードの内側面を覆う絶縁部を含む絶縁体で概ね覆われていることによって、ターミナルロッドが抜けても活線部が金属表面に接触しないようにしてスパークの発生を防止できる密閉型圧縮機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1はこの発明の第1実施形態の密閉型圧縮機のターミナル保護構造の斜視図である。
図2図2は上記ターミナル保護構造の斜視図である。
図3図3は上記ターミナル保護構造のターミナルカバーを外した状態を示す図である。
図4図4は上記ターミナル保護構造のターミナルカバーと絶縁シート部を外した状態を示す図である。
図5図5は上記ターミナル保護構造の正面図である。
図6図6図5のVI−VI線から見た断面図である。
図7図7図5のVII−VII線から見た断面図である。
図8図8は上記第1実施形態の変形例を示す断面図である。
図9図9はこの発明の第2実施形態の密閉型圧縮機のターミナル保護構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の密閉型圧縮機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0018】
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の密閉型圧縮機のターミナル保護構造2の斜視図を示している。
【0019】
この第1実施形態の密閉型圧縮機は、図1に示すように、圧縮機シェルの円筒形状の胴部1と、胴部1の外周面に設けられたターミナル保護構造2とを備えている。ターミナル保護構造2は、胴部1の外側に突出するターミナル40(図3に示す)を保護する。ここで、ターミナル40は、ハーメチックターミナル(気密端子)である。
【0020】
上記円筒形状の胴部1と上蓋部(図示せず)および底蓋部(図示せず)によって圧縮機シェル(圧力容器)が構成される。その圧縮機シェル内に冷媒を圧縮する圧縮機構部(図示せず)を配置すると共に、圧縮機シェル内かつ圧縮機構部の下方に圧縮機構部を駆動するモータ(図示せず)を配置している。
【0021】
図2は上記ターミナル保護構造2の斜視図を示している。
【0022】
上記ターミナル保護構造2は、図2に示すように、円筒形状の胴部1(図1に示す)に設けられたターミナル40(図3に示す)の周囲を囲むように胴部1に立設された金属製のターミナルガード10と、ターミナル40を覆うドーム形状のターミナルカバー20と、ターミナルガード10内の底部に配置された絶縁シート部50(図3に示す)とを有する。
【0023】
上記ターミナルカバー20は、絶縁性を有する樹脂からなる。このターミナルカバー20の開口側がターミナルガード10の内側に嵌め込まれた状態で取り付けられている。
【0024】
上記ターミナルカバー20の各コーナー部分に、内側に窪んだ凹部20aを設けている。このターミナルカバー20の凹部20aの夫々に、ターミナルカバー20をターミナルガード10に締結するネジ30を配置している。
【0025】
また、図3は上記ターミナル保護構造2のターミナルカバー20を外した状態を示している。
【0026】
図3に示すように、ターミナルガード10内の胴部1側に、中央部分に穴50aを有する絶縁シート部50を配置している。この絶縁シート部50の穴50aからターミナル40が露出している。図3において、41はターミナル40のボディ部、42はボディ部41を貫通するターミナルロッドである。このターミナルロッド42の先端に、配線接続用の端子板43が取り付けられている。また、ターミナルロッド42とボディ部41とは、絶縁ガラス部44により絶縁されている。
【0027】
また、絶縁シート部50は、ネジ30を通すため、4つのコーナー部分に切り欠き51が設けられている。
【0028】
また、図4は上記ターミナル保護構造2のターミナルカバー20と絶縁シート部50を外した状態を示している。図4において、図3と同一の構成部には同一参照番号を付している。
【0029】
図4に示すように、胴部1には、外側に向かって突出する楕円錐台形状の凸部1aが形成されている。この胴部1の凸部1aにターミナル40を設けている。
【0030】
また、ターミナルガード10の対向する左右の内壁面に、上下方向に延在する取付部材11,12を設けている。この取付部材11の上端と下端にネジ穴11aを設けている。また、取付部材12の上端と下端にネジ穴12aを設けている(図4では上端のネジ穴12aのみを示す)。
【0031】
図5は上記ターミナル保護構造2の正面図を示している。図5において、図3,図4と同一の構成部には同一参照番号を付している。
【0032】
図5に示すように、ターミナルカバー20は、各コーナー部分に設けられた凹部20aの夫々に、ネジ30を挿通する円穴21を形成している。
【0033】
また、図5において、Lは、図2,図3に示すターミナル40の各端子板43に一端が接続されたリード線である。このリード線Lは、ターミナルカバー20の下側に設けられた切り欠き20bを介して外部に引き出されている。
【0034】
また、図6図5のVI−VI線から見た断面図を示している。図6において、図3図5と同一の構成部には同一参照番号を付している。
【0035】
図6に示すように、胴部1とターミナルガード10およびターミナルカバー20によってターミナル室C1が区画されている。このターミナル室C1に面する金属部分を、少なくともターミナル40のボディ部41を除いてターミナル室C1側に露出しないように、ターミナルカバー20と絶縁シート部50により概ね覆っている。
【0036】
また、ターミナルガード10には、ターミナル40の周囲を囲むターミナルガード本体10aと、そのターミナルガード本体10aの下端から内側に向かって屈曲して胴部1に接する屈曲部10bを有している。このターミナルガード10の屈曲部10bを溶接により胴部1に固定している。
【0037】
また、ターミナルガード10内の取付部材11は、胴部1側に屈曲した屈曲部11bを有し、この屈曲部11bを溶接によりターミナルガード10の内壁面に固定している。同様に、ターミナルガード10内の取付部材12は、胴部1側に屈曲した屈曲部12bを有し、この屈曲部12bを溶接によりターミナルガード10の内壁面に固定している。
【0038】
また、図7図5のVII−VII線から見た断面図を示している。図7において、図3図5と同一の構成部には同一参照番号を付している。
【0039】
図7に示すように、ターミナルカバー20の4つの円穴21にネジ30を挿通して、ターミナルガード10の取付部材11のネジ穴11a,12aにネジ30を螺合させることによって、ターミナルカバー20をターミナルガード10に取り付けている。
【0040】
上記構成の密閉型圧縮機によれば、圧縮機シェルの胴部1とターミナルガード10およびターミナルカバー20によって区画されたターミナル室C1に面する金属部分が、少なくともターミナル40のボディ部41を除いてターミナル室C1側に露出しないように、絶縁性を有するターミナルカバー20と絶縁シート部50により概ね覆われていることによって、ターミナルロッド42が抜けても活線部が胴部1やターミナルガード10の金属表面に接触しないようにしてスパークの発生を防止することができる。ここで、活線部とは、高電圧が印加されているターミナルロッド42と端子板43である。
【0041】
上記ターミナルカバー20および絶縁シート部50で、ターミナルガード10の内側面を覆う絶縁部を含む絶縁体を構成している。
【0042】
また、上記ターミナルガード10の内側面を覆う絶縁部は、絶縁性を有する樹脂でターミナルカバー20と一体に成形されている。これにより、部品コストや組み立てコストを低減することができる。
【0043】
また、上記ターミナルカバー20(ターミナルガード10の内側面を覆う絶縁部を含む)と、胴部1のターミナル室C1に面する領域を覆う絶縁シート部50との隙間を、ターミナル40のターミナルロッド42の径よりも小さくしている。これによって、抜けたターミナルロッド42がターミナルカバー20と絶縁シート部50との隙間に入り込まないので、胴部1やターミナルガード10の金属表面にターミナルロッド42が接触してスパークが発生するということがない。
【0044】
上記第1実施形態では、ターミナル40のボディ部41が絶縁体で覆われていなかったが、ターミナルロッド42が抜けたときに密閉型圧縮機の内部から冷媒などが勢いよく吹き出すので、ターミナルロッド42がターミナル40のボディ部41に接触するという事態が発生する確率は極めて低い。
【0045】
なお、図8に示すように、絶縁シート部50の穴50aを覆う第2の絶縁部60を別に設けてもよい。また、ターミナルガード10内の底部全体(ターミナルロッド42と金属板43を除く)を覆う絶縁シート部を設けてもよい。
【0046】
〔第2実施形態〕
図9はこの発明の第2実施形態の密閉型圧縮機のターミナル保護構造102の断面図を示している。この第2実施形態の密閉型圧縮機は、ターミナル保護構造102を除いて第1実施形態の密閉型圧縮機と同一の構成をしている。
【0047】
上記ターミナル保護構造2は、図9に示すように、円筒形状の胴部1に設けられたターミナル40の周囲を囲むように胴部1に立設された金属製のターミナルガード110と、ターミナル40を覆う金属製のターミナルカバー120と、ターミナルガード110内の底部に配置された絶縁シート部150と、ターミナルガード本体110aの内側面を覆う第1の絶縁部170と、ターミナル40のボディ部41を覆う第2の絶縁部160と、ターミナルカバー120の下面側を覆う第3の絶縁部180とを有する。
【0048】
また、ターミナルガード110は、ターミナル40の周囲を囲むターミナルガード本体110aと、そのターミナルガード本体110aの下端から内側に向かって屈曲して胴部1に接する屈曲部110bと、ターミナルガード本体110aの上端から外側に屈曲して延びるフランジ部110cとを有する。
【0049】
上記ターミナルガード110のフランジ部110cとターミナルカバー120で第3の絶縁部180を挟んだ状態で、ボルト130とナット131によりターミナルカバー120をターミナルガード110に取り付けている。
【0050】
上記絶縁シート部150と第1の絶縁部170と第2の絶縁部160および第3の絶縁部180で絶縁体を構成している。
【0051】
上記構成の密閉型圧縮機によれば、圧縮機シェルの胴部1とターミナルガード110およびターミナルカバー120によって区画されたターミナル室C2に面する金属部分が、絶縁シート部150と第1の絶縁部170と第2の絶縁部160および第3の絶縁部180により覆われてターミナル室C2側に露出しないようにしている。これによって、ターミナルロッド42が抜けても活線部が胴部1やターミナルガード110およびターミナルカバー120の金属表面に接触しないようにしてスパークの発生を防止することができる。
【0052】
また、上記第2の絶縁部160によりターミナル40のボディ部41を覆うので、抜けたターミナルロッド42がターミナル40のボディ部41に接触するのを防いで、スパークの発生を確実に防止することができる。
【0053】
上記第2実施形態の密閉型圧縮機は、第1実施形態の密閉型圧縮機と同様の効果を有する。
【0054】
〔第3実施形態〕
この発明の第3実施形態の密閉型圧縮機は、ターミナル保護構造の一部を除いて第2実施形態の密閉型圧縮機と同一の構成をしており、図9を援用する。
【0055】
上記第2実施形態の密閉型圧縮機では、絶縁シート部150と、ターミナル40のボディ部41を覆う第2の絶縁部160とをターミナルガード110内の底部に配置していたのに対して、この第3実施形態の密閉型圧縮機では、ターミナル40のボディ部41を覆う第2の絶縁部と一体化した絶縁シート部を、ターミナルガード10内の円筒形状の胴部1側に配置している。
【0056】
上記第3実施形態の密閉型圧縮機は、第2実施形態の密閉型圧縮機と同様の効果を有する。
【0057】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0058】
例えば、この発明を適用する密閉型圧縮機としては、スクロール圧縮機、ロータリ圧縮機、スイング圧縮機などがある。すなわち、この発明は様々なタイプの圧縮機に適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1…胴部
1a…凸部
2…ターミナル保護構造
10…ターミナルガード
10a…ターミナルガード本体
10b…屈曲部
20…ターミナルカバー
20a…凹部
21…円穴
30…ネジ
40…ターミナル
41…ボディ部
42…ターミナルロッド
43…端子板
44…絶縁ガラス部
50…絶縁シート部
50a…穴
51…切り欠き
11,12…取付部材
11a,12a…ネジ穴
11b,12b…屈曲部
102…ターミナル保護構造
110…ターミナルガード
110a…ターミナルガード本体
110b…屈曲部
110c…フランジ部
120…ターミナルカバー
130…ボルト
150…絶縁シート部
160…第2の絶縁部
170…第1の絶縁部
180…第3の絶縁部
C1,C2…ターミナル室
L…リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9