(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、利用施設内の認証装置でユーザー認証を行なうための認証システムであって、
個人を特定するための生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部、
前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部、及び、
入場ユーザーのうちの類似ユーザーの生体データと残りの非類似ユーザーの生体データを前記ユーザー情報からそれぞれ取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部を備えたサーバーと、
類似ユーザーの生体データと非類似ユーザーの生体データを、通信ネットワークを介して前記サーバーから受信する装置通信部、
利用施設に位置するユーザー自身の生体データを取得することができる認証データ入力部、及び、
前記装置通信部が受信した生体データと前記認証データ入力部が取得した生体データを比較することにより、ユーザー認証を行なうユーザー認証部であって、利用施設に位置するユーザーが類似ユーザーである場合には、非類似ユーザーである場合に比べて高い認証精度でユーザー認証を行なうユーザー認証部を備えた認証装置と、
を備えたことを特徴とする認証システムである。
このような認証システムによれば、ユーザー情報に設定された全てのユーザーではなく、そのユーザー情報に設定された全てのユーザーの中から絞り込んだ一部の入場ユーザー(選出された利用施設に位置するユーザー)についてサーチを行なえばよいので、類似ユーザーを早く選出することができ、ひいてはユーザー認証を早く完了させることが可能となる。
また、自分と瓜二つの他人(双子や三つ子など)が利用施設に存在する場合、自分の生体データが他人の生体データに似ていることで、簡易なユーザー認証では正しくユーザー認証が行われない虞がある。一方で、自分と瓜二つの他人を認証可能なほど厳密なユーザー認証を常に実施した場合には、個人の生体データの少しの変化も許容できず、本人を排除してしまう虞がある。そこで、このような認証システムによれば、選出された類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合に比べて高い認証精度でユーザー認証を行なうことによって、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0008】
また、利用施設内の認証装置でユーザー認証を行なうための認証システムであって、
個人を特定するための複数種類の生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部、
前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から第1の生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部、及び、
入場ユーザーのうち、類似ユーザーについては第1の生体データ及び第2の生体データを前記ユーザー情報から取得し、残りの非類似ユーザーについては第1の生体データを前記ユーザー情報から取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部を備えたサーバーと、
類似ユーザーの第1の生体データ及び第2の生体データと非類似ユーザーの第1の生体データを、通信ネットワークを介して前記サーバーから受信する装置通信部、
利用施設に位置するユーザー自身の第1の生体データ及び第2の生体データを取得することができる認証データ入力部、及び、
利用施設に位置するユーザーが類似ユーザーである場合には、前記装置通信部が受信した第1の生体データ及び第2の生体データと前記認証データ入力部が取得した第1の生体データ及び第2の生体データをそれぞれ比較することによってユーザー認証を行ない、非類似ユーザーである場合には、前記装置通信部が受信した第1の生体データと前記認証データ入力部が取得した第1の生体データを比較することによってユーザー認証を行なうユーザー認証部を備えた認証装置と、
を備えたことを特徴とする認証システムである。
このような認証システムによれば、ユーザー情報に設定された全てのユーザーではなく、そのユーザー情報に設定された全てのユーザーの中から絞り込んだ一部の入場ユーザー(選出された利用施設に位置するユーザー)についてサーチを行なえばよいので、類似ユーザーを早く選出することができ、ひいてはユーザー認証を早く完了させることが可能となる。また、選出された類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合と異なり、第1の生体データ及び第2の生体データを用いてユーザー認証を行なうことによって、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0009】
また、利用施設内の認証装置でユーザー認証を行なうための認証システムであって、
個人を特定するための生体データ及び非生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部、
前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部、及び、
入場ユーザーのうち、類似ユーザーについては生体データ及び非生体データを前記ユーザー情報から取得し、残りの非類似ユーザーについては生体データを前記ユーザー情報から取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部を備えたサーバーと、
類似ユーザーの生体データ及び非生体データと非類似ユーザーの生体データを、通信ネットワークを介して前記サーバーから受信する装置通信部、
利用施設に位置するユーザー自身の生体データ及び非生体データを取得することができる認証データ入力部、及び、
利用施設に位置するユーザーが類似ユーザーである場合には、前記装置通信部が受信した生体データ及び非生体データと前記認証データ入力部が取得した生体データ及び非生体データをそれぞれ比較することによってユーザー認証を行ない、非類似ユーザーである場合には、前記装置通信部が受信した生体データと前記認証データ入力部が取得した生体データを比較することによってユーザー認証を行なうユーザー認証部を備えた認証装置と、
を備えたことを特徴とする認証システムである。
このような認証システムによれば、ユーザー情報に設定された全てのユーザーではなく、そのユーザー情報に設定された全てのユーザーの中から絞り込んだ一部の入場ユーザー(選出された利用施設に位置するユーザー)についてサーチを行なえばよいので、類似ユーザーを早く選出することができ、ひいてはユーザー認証を早く完了させることが可能となる。また、選出された類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合と異なり、生体データ及び非生体データを用いてユーザー認証を行なうことによって、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0010】
また、かかる認証システムであって、
前記ユーザー選出部は、一の入場ユーザーに関連付けられた生体データと他の入場ユーザーに関連付けられた生体データとの比較により類似度を導出し、その類似度が予め設定された閾値を超えたことによって双方の入場ユーザーを類似ユーザーとして選出することとしても良い。
このような認証システムによれば、各入場ユーザーの生体データを比較することによって導出された類似度が閾値を超えたか否かに基づいて、入場ユーザーの中から類似ユーザーを効率良く選出することが可能となる。
【0011】
また、かかる認証システムであって、
前記ユーザー情報には、生体データが類似している他のユーザーを特定するための類似情報が各ユーザーに関連付けて予め設定されており、
前記ユーザー選出部は、その選出された入場ユーザーに関連付けられた生体データをそれぞれ比較することなく、前記ユーザー情報に予め設定された各ユーザーの類似情報を参照することにより、入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出することとしても良い。
このような認証システムによれば、各入場ユーザーの類似情報を参照することによって、入場ユーザーの中から類似ユーザーを効率良く選出することが可能となる。
【0012】
また、かかる認証システムであって、
前記ユーザー認証部は、利用施設に位置する一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが利用施設内の認証装置を利用している場合には、非類似ユーザーである場合に比べて高い認証精度ではなく、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうこととしても良い。
このような認証システムによれば、いずれか一方の類似ユーザーが認証装置を既に利用しているのであれば、双方の類似ユーザーが同時に認証装置でユーザー認証を行なうことがない。そのため、いずれか一方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことが可能となる。従って、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0013】
また、かかる認証システムであって、
前記ユーザー認証部は、利用施設に位置する一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが利用施設内の認証装置を利用している場合には、第1の生体データ及び第2の生体データの比較によってユーザー認証を行なわずに、非類似ユーザーである場合と同様にして第1の生体データのみの比較によってユーザー認証を行なうこととしても良い。
このような認証システムによれば、いずれか一方の類似ユーザーが認証装置を既に利用しているのであれば、双方の類似ユーザーが同時に認証装置でユーザー認証を行なうことがない。そのため、いずれか一方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、非類似ユーザーである場合と同じ認証方法でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことが可能となる。従って、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0014】
また、かかる認証システムであって、
前記ユーザー認証部は、利用施設に位置する一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが利用施設内の認証装置を利用している場合には、生体データ及び非生体データの比較によってユーザー認証を行なわずに、非類似ユーザーである場合と同様にして生体データのみの比較によってユーザー認証を行なうこととしても良い。
このような認証システムによれば、いずれか一方の類似ユーザーが認証装置を既に利用しているのであれば、双方の類似ユーザーが同時に認証装置でユーザー認証を行なうことがない。そのため、いずれか一方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、非類似ユーザーである場合と同じ認証方法でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことが可能となる。従って、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0015】
次に、個人を特定するための生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部と、
利用施設に入ったユーザーが所持するユーザー端末が通信ネットワークとの間で情報通信可能に接続されることにより、前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部と、
入場ユーザーのうちの類似ユーザーの生体データと残りの非類似ユーザーの生体データを前記ユーザー情報からそれぞれ取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部と、
を備えたことを特徴とするサーバーである。
このようなサーバーによれば、自分と他人の生体データが似ていても適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0016】
また、個人を特定するための複数種類の生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部と、
利用施設に入ったユーザーが所持するユーザー端末が通信ネットワークとの間で情報通信可能に接続されることにより、前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から第1の生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部と、
入場ユーザーのうち、類似ユーザーについては第1の生体データ及び第2の生体データを前記ユーザー情報から取得し、残りの非類似ユーザーについては第1の生体データを前記ユーザー情報から取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部と、
を備えたことを特徴とするサーバーである。
このようなサーバーによれば、自分と他人の生体データが似ていても適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0017】
また、個人を特定するための生体データ及び非生体データが各ユーザーに関連付けて設定されたユーザー情報を記憶する記憶部と、
利用施設に入ったユーザーが所持するユーザー端末が通信ネットワークとの間で情報通信可能に接続されることにより、前記ユーザー情報に設定されたユーザーの中から前記利用施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出し、かつ、その選出された入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出するユーザー選出部と、
入場ユーザーのうち、類似ユーザーについては生体データ及び非生体データを前記ユーザー情報から取得し、残りの非類似ユーザーについては生体データを前記ユーザー情報から取得して、ユーザー認証が行われる前記利用施設内の認証装置に通信ネットワークを介して送信する通信部と、
を備えたことを特徴とするサーバーである。
このようなサーバーによれば、自分と他人の生体データが似ていても適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0018】
===第1実施形態===
以下の実施形態では、アミューズメント施設に設置されたゲーム装置においてユーザー認証が行われる認証システムを例に挙げて具体的に説明する。なお、本発明は、アミューズメント施設に限られるものではなく、様々な利用施設内の各種の認証装置でユーザー認証を行なう認証システムに広く適用できる。
【0019】
<<認証システム1の構成>>
図1は、第1実施形態に係る認証システム1の一例を示すネットワーク構成図である。
本実施形態に係る認証システム1において、アミューズメント施設3に入場したユーザーは、その施設内のゲーム装置20でユーザー認証を行なった後に、そのゲーム装置20を利用してゲームサービスの提供を受けることができる。
【0020】
本実施形態に係る認証システム1では、サーバー10と、1又は複数のアミューズメント施設3に設置された1又は複数のゲーム装置20と、そのアミューズメント施設3に入場した1又は複数のユーザーが所持するユーザー端末50とが、ネットワークを介して情報通信可能に接続される。
【0021】
サーバー10は、ゲーム装置20でユーザーにより行われるユーザー認証やゲームの管理や制御等を行うと共に、ユーザー端末50でユーザーにより行われる各種アプリの管理や制御等を行う。このサーバー10は通信ネットワーク2を介してアミューズメント施設3の通信ネットワーク4と接続される。
【0022】
通信ネットワーク2は、アミューズメント施設3の外部ネットワークを形成するものであって、インターネットや移動無線通信網等を含む。通信ネットワーク4は、アミューズメント施設3の内部ネットワークを形成するものであって、有線LAN(Local Area Network)、WiFi(登録商標)等による無線LAN等を含む。
【0023】
アクセスポイント5は、無線LANの中継装置としてデータの送受信を行うものであって、無線LANと有線LANを相互変換する機能や、複数のユーザー端末50が同時にネットワーク接続できるようにするためのルータ機能等を有する。
【0024】
アクセスポイント5の電波受信エリアは、アミューズメント施設3に対応付けられた施設エリア6に設定されている。そのため、アクセスポイント5は施設エリア6に入ったユーザー端末50と無線接続を行う。
【0025】
これにより、ユーザー端末50の情報をどのアミューズメント施設3のアクセスポイント5から取得したかにより、そのユーザー端末50がどのアミューズメント施設3に位置するかをサーバー10が管理することができる。
【0026】
ゲーム装置20は、ユーザーにゲームプレイさせる装置であって、アミューズメント施設内の通信ネットワーク4及びアミューズメント施設外の通信ネットワーク2を介してサーバー10と情報通信可能に接続される。
【0027】
ユーザー端末50は、ユーザーが操作するスマートフォン等の端末装置であって、アクセスポイント5を経由することで、アミューズメント施設内の通信ネットワーク4及びアミューズメント施設外の通信ネットワーク2を介してサーバー10と情報通信可能に接続される。
【0028】
<<サーバー10の構成>>
図2は、本実施形態に係るサーバー10の機能上の構成を示すブロック図である。
サーバー10は、システム管理者等が各種サービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置(例えば、ワークステーションやパーソナルコンピューター等)である。
【0029】
本実施形態におけるサーバー10は、
図2に示すように、サーバー制御部11と、サーバー記憶部12と、サーバー入力部13と、サーバー表示部14と、サーバー通信部15を有している。
【0030】
サーバー制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うと共に、サーバー10全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施形態におけるサーバー制御部11は、管理部111と、ユーザー選出部112を備えている。
【0031】
管理部111は、各種情報を管理する機能を有している。本実施形態における管理部111は、アミューズメント施設3に入場したユーザー等を定期的又は所定のタイミングで管理する。また、本実施形態における管理部111は、アミューズメント施設3におけるゲーム装置20の利用状況(例えば、空き状況等)を定期的又は所定のタイミングで管理する。
【0032】
ユーザー選出部112は、予めに設定された全部のユーザーの中から一部のユーザーを選出(特定)する処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるユーザー選出部112は、アミューズメント施設3に入場したユーザーが所持するユーザー端末50がネットワークとの間で情報通信可能に接続されることにより、ユーザー情報に予め設定された複数ユーザーの中からその施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出する。そして、ユーザー選出部112は、その選出された入場ユーザーに関連付けられた生体データをそれぞれ比較することにより、入場ユーザーの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出する。
【0033】
サーバー記憶部12は、システムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、サーバー制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態におけるサーバー記憶部12は、ユーザーに関する情報であるユーザー情報と、アミューズメント施設に関する情報である施設情報を少なくとも記憶している。
【0034】
図3は、ユーザー情報のデータ構造例(その1)を示す図である。このユーザー情報は、ユーザーID、ユーザー名、ホームショップ、認証データ、履歴情報、端末ID、メールアドレス等の項目を有している。ユーザーIDは、会員ユーザーを識別するための識別情報である。ユーザー名は、会員ユーザーの表示名を示す情報である。ホームショップは、ユーザーの拠点となる施設を示す情報である。認証データは、ユーザー認証に使用される個人を識別するための情報である。ここでは、人体から得られた生体データ(例えば、顔データ、指紋データ、指先の静脈パターンデータ、虹彩データ、声データ等)が設定されている。履歴情報は、ユーザーのプレイ履歴に関する情報である。ユーザー端末IDは、ユーザーが所持するユーザー端末50を識別するための識別情報であって、MACアドレス等のように端末固有の識別情報(端末ID)である。メールアドレスは、ユーザーに電子メールを送信するときのアドレス情報である。
【0035】
図4は、履歴情報のデータ構造例を示す図である。この履歴情報は、履歴ID、施設ID、装置ID、ゲーム開始日時、ゲーム終了日時、スコア、ゲームデータ等の項目を有している。履歴IDは、プレイ履歴を識別する識別情報である。施設IDは、過去にゲームプレイが行なわれた施設を識別する情報である。装置IDは、過去にゲームプレイで利用されたゲーム装置20を識別する情報である。ゲーム開始日時は、ゲームプレイが開始された日時を示す情報である。ゲーム終了日時は、ゲームプレイが終了した日時を示す情報である。スコアは、プレイヤーのゲームスコアを示す情報である。ゲームデータは、過去にプレイしたゲームの進行状態を保存したデータである。
【0036】
図5は、施設情報のデータ構造例を示す図である。この施設情報は、施設ID、施設名、アクセスポイントID、入場ユーザーリスト、類似ユーザーリスト、装置情報等の項目を有している。施設IDは、全国に存在するアミューズメント施設3を識別する識別情報である。施設名は、アミューズメント施設3の表示名を示す情報である。アクセスポイントIDは、アミューズメント施設3に設置されたアクセスポイント5を識別する識別情報であって、BSSID(Basic Service Set Identifier)等のように端末固有の識別情報(端末ID)である。入場ユーザーリストは、アミューズメント施設3に入ったユーザー(以下、「入場ユーザー」とも呼ぶ)のリストであり、そのユーザーの所持するユーザー端末50の端末IDやユーザーIDが含まれている。なお、このリストは定期的又は所定のタイミングで更新される。装置情報は、アミューズメント施設3に設置されたゲーム装置20に関する情報である。類似ユーザーリストは、他人と似ている生体データを持つ入場ユーザー(以下、「類似ユーザー」とも呼ぶ)のリストであり、その入場ユーザーのユーザーIDが含まれている。なお、このリストは定期的又は所定のタイミングで更新される。
【0037】
図6は、装置情報のデータ構造例を示す図である。この装置情報は、装置ID、装置名、利用状況等の項目を有している。装置IDは、アミューズメント施設3に設置されるゲーム装置20を識別する識別情報である。装置名は、ゲーム装置20の表示名を示す情報である。利用状況は、ゲーム装置20がどのユーザーに利用されている状態であるか(どのユーザーがゲームプレイ中であるか)、又は、ゲーム装置20が利用されていない空き状態であるか否か等を示す情報である。
【0038】
サーバー入力部13は、システム管理者等が各種データを入力するためのものであり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。なお、サーバー10においては、サーバー入力部13を必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0039】
サーバー表示部14は、サーバー制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。なお、サーバー10においては、サーバー表示部14を必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0040】
サーバー通信部15は、アミューズメント施設3に設置されたゲーム装置20及びユーザー端末50との間で通信を行うためのものであり、ゲーム装置20及びユーザー端末50から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、サーバー制御部11の指令に応じて各種データや信号をゲーム装置20及びユーザー端末50へ送信する送信部として機能とを有している。
【0041】
<<ゲーム装置20の構成>>
図7は、本実施形態に係るゲーム装置20の機能上の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るゲーム装置20は、アミューズメント施設3内に設置され、ユーザーの操作に応答してゲームを実行する装置である。このゲーム装置20は、ゲームプレイの開始前に、人体から得た生体データを利用してユーザー認証を行なう。
【0042】
本実施形態におけるゲーム装置20は、
図7に示すように、装置制御部21と、装置記憶部22と、装置操作部23と、装置表示部24と、装置通信部25と、音声出力部26と、生体データ入力部27と、プレイ料金決済部28を有している。
【0043】
装置制御部21は、ゲーム装置20全体の制御を行うためのものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
本実施形態における装置制御部21は、ユーザー認証部211と、ゲーム進行部212と、画面表示処理部213等を有している。ユーザー認証部211は、ユーザー認証処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるユーザー認証部211は、人体から得られる生体データを用いてユーザー認証を行なう。ゲーム進行部212は、ゲーム進行処理を実行する機能を有している。画面表示処理部213は、操作画面やゲーム画面等の画面表示処理を実行する機能を有している。
【0045】
装置記憶部22は、ゲーム装置20において必要となる各種プログラムや各種情報が記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、装置制御部21による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)を有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0046】
本実施形態における装置記憶部22は、装置情報(ゲーム装置20の装置ID、利用状況等)や、ユーザー情報(ユーザーID、ユーザー端末50の端末ID、生体データ、ゲームデータ等)を記憶する。なお、入場ユーザーのユーザー情報(生体データ等)や類似ユーザーリスト等については、ユーザー認証を行なう前に、サーバー10から受け取って予めストックすることができる。
【0047】
装置操作部23は、ユーザー等が各種操作を行うためのものであり、例えば、操作パネルに設けられた操作ボタン等によって実現される。本実施形態では、ユーザーがゲームの種類を選択する場合やプレイヤーキャラクターを動作させる場合等に装置操作部23を使用する。なお、この装置操作部23は認証データ入力部として機能することもある。
【0048】
装置表示部24は、装置制御部21からの指令に基づきゲームの進行に合わせてゲーム画面を表示したりユーザー認証の進行に合わせて操作画面を表示したりするためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0049】
装置通信部25は、サーバー10との間で通信を行うためのものであり、サーバー10から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、装置制御部21の指令に応じて各種データや信号をサーバー10へ送信する送信部として機能とを有している。
【0050】
音声出力部26は、装置制御部21から出力された音楽、音声、効果音等の音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力するものである。例えば、スピーカー等によって実現される。
【0051】
生体データ入力部27は、認証データ入力部の一例であって、ユーザー認証を行なうためにユーザーによって入力された生体データを取得するものである。本実施形態では、認証データの一例として人体から得られる生体データ(例えば、顔データ、指紋データ、指先の静脈パターンデータ等)がユーザーによって入力される。本実施形態における生体データ入力部27は、ユーザーの顔データを読み取るセンサーを有している。なお、ユーザーによる入力には、ユーザーの意識的な入力だけでなく、無意識的な入力も含まれる。すなわち、顔認証を行なう際に、ユーザーがセンサーの読み取り範囲に意識的に顔を近づけることによってデータ入力してもよいし、ゲーム装置に着座したユーザーの顔の位置が読み取りセンサーの読み取り範囲に含まれるように設定することによって、ユーザーが着座するだけで(センサーを意識しない状態で)データ入力を行なってもよい。
【0052】
プレイ料金決済部28は、プレイ料金の決済処理を実行する。プレイ料金決済部28は、ユーザーがコインの投入やICカードの電子マネー機能によって1プレイ分の料金を支払うことによって決済が完了すると、装置制御部21に対してゲーム処理の実行開始を要求する。
【0053】
<<ユーザー端末50の構成>>
図8は、本実施形態に係るユーザー端末50の機能上の構成を示すブロック図である。
【0054】
本実施形態に係るユーザー端末50は、ユーザーが所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末等)である。
【0055】
本実施形態におけるユーザー端末50は、
図8に示すように、端末制御部51と、端末記憶部52と、端末操作部53と、端末表示部54と、端末通信部55を有している。
【0056】
端末制御部51は、ユーザー端末50全体の制御を行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施形態における端末制御部51は、ユーザー認証に関連する各種アプリを実行する機能と、操作画面、アプリ画面、ブラウザ画面等の画面表示処理を実行する機能等を有している。
【0057】
端末記憶部52は、ユーザー端末50において必要となる各種アプリや各種情報が記憶された読み取り専用の記憶領域であるROMと、端末制御部51による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAMを有している。本実施形態における端末記憶部52は、ユーザーのメールアドレスやユーザー端末50の端末ID等を記憶している。
【0058】
端末操作部53は、ユーザー端末50を操作するユーザーからの操作を受け付けるためのものである。本実施形態における端末操作部53は、タッチパネルを備えており、ユーザーからのタップ、スワイプ、フリック操作などのタッチパネルに特有な操作を受け付けることができる。
【0059】
端末表示部54は、端末制御部51からの指令に基づき各種アプリの進行に合わせて操作画面を表示したりブラウザ機能によってHTML(Hyper Text Markup Language)等の言語で記述されたWebページを表示したりするためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ等によって実現される。
【0060】
端末通信部55は、サーバー10との間で通信を行うためのものであり、サーバー10から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、端末制御部51の指令に応じて各種データや信号をサーバー10へ送信する送信部として機能とを有している。
【0061】
なお、ユーザー端末50は、端末操作部53や端末表示部54等を省略し、アミューズメント施設3への入場や、その施設内のゲーム装置20でのユーザー認証をするために必要な機能のみを有したもの(例えば、アミューズメント施設にて貸与される施設専用端末)も含む。
【0062】
<<認証システム1の動作について>>
本実施形態にかかる認証システム1の動作例について説明する。この認証システム1では、先ず、ユーザー端末50を所持したユーザーがアミューズメント施設3に入ると、そのユーザー端末50がアクセスポイント5を経由してネットワークに接続されることで、すべての会員ユーザーの中から施設内に位置する入場ユーザーとしてサーバー10に選出される。
【0063】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザー同士の生体データをそれぞれ比較することにより、すべての入場ユーザーの中から生体データが他人と似ている入場ユーザーが類似ユーザーとしてサーバー10に選出される。これにより、本実施形態における認証システム1では、アミューズメント施設3に類似ユーザーが存在しているか否かを把握することができる。
【0064】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザーがその施設内の各ゲーム装置20において実際にユーザー認証を行なう前に先立って、サーバー10が各ゲーム装置20に対してその入場ユーザーのうちの類似ユーザーの生体データを送信すると共に、その類似ユーザー以外の残りの入場ユーザー(以下では、「非類似ユーザー」とも呼ぶ)の生体データも送信する。
【0065】
このようにして、すべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団(サーチの対象となるユーザー数)を減らすことができる。すなわち、すべての会員ユーザーの中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。
【0066】
また、アミューズメント施設内のゲーム装置20に入場ユーザー(つまり、類似ユーザー、及び、非類似ユーザー)の生体データを予め取得させることで、実際にユーザー認証を行なうときにはサーバー10にアクセスしてその生体データを取得する必要がなくなる。そのため、ユーザー認証を早く完了させることができるようになる。その結果、施設内のゲーム装置20で実際にゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0067】
次いで、アミューズメント施設内のゲーム装置20では、入場ユーザーがゲームプレイを開始する前に、ユーザー認証が行われる。本実施形態においては、入場ユーザーのうちの類似ユーザーについてユーザー認証が行われる場合には、その残りの非類似ユーザーについてユーザー認証が行われる場合に比べて認証精度を高くしている。これにより、本実施形態における認証システム1では、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、店舗内に類似ユーザーが存在している場合でも適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0068】
<アミューズメント施設3に入場したユーザーの選出>
図9は、アミューズメント施設3に入場したユーザーの選出に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【0069】
ユーザー端末50を所持したユーザーがアミューズメント施設3に対応付けられた施設エリア6に移動すると、その入場ユーザーのユーザー端末50はWiFiを用いて施設内のアクセスポイント5から識別データであるアクセスポイントID(端末ID)等を受信する。そして、その入場ユーザーのユーザー端末50は、アクセスポイント5からアクセスポイントID等を受信すると、施設用アプリが起動されアクセスポイント5を経由して通信ネットワーク4(無線LANネットワーク)に接続する(ステップS101)。
【0070】
次いで、ユーザー端末50は、その受信したアクセスポイント5のアクセスポイントID及び自分自身のユーザー端末の識別データである端末ID等を、施設内のアクセスポイント5を中継し通信ネットワーク4(無線LANネットワーク、有線LANネットワーク)及び通信ネットワーク2を介してサーバー10に送信する(ステップS102)。
【0071】
次いで、サーバー10は、そのユーザー端末50から通信ネットワークを介して受信した情報を用いて、サーバー記憶部12が記憶する施設情報に設定された全国のアミューズメント施設の中から、そのユーザー端末50が位置するアミューズメント施設3を特定する(ステップS103)。
【0072】
具体的には、サーバー10のユーザー選出部112は、
図5に示す施設情報を参照することにより、そのユーザー端末50から受信したアクセスポイントID(端末ID)が関連付けられたアミューズメント施設を特定する。
【0073】
次いで、サーバー10は、そのユーザー端末50から通信ネットワークを介して受信した情報を用いて、サーバー記憶部12が記憶するユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中から、その特定されたアミューズメント施設に位置するユーザーを入場ユーザーとして選出する(ステップS104)。
【0074】
具体的には、サーバー10のユーザー選出部112は、
図3に示すユーザー情報を参照することにより、すべての会員ユーザーの中から、そのユーザー端末50から受信した端末IDが関連付けられたユーザーを選出する。
【0075】
次いで、サーバー10は、このようにしてすべての会員ユーザーの中から入場ユーザーが選出されると、サーバー記憶部12が記憶する施設情報に設定されたその特定されたアミューズメント施設の入場ユーザーリストについて更新を行なう(ステップS105)。
【0076】
具体的には、サーバー10の管理部111は、
図5に示す施設情報から上述したステップS103の処理によって特定されたアミューズメント施設の入場ユーザーリストを取得して、上述したステップS104の処理によって選出されたユーザーをその施設の入場ユーザーとして新たにリストアップする。
【0077】
以上のように、本実施形態における認証システム1では、不特定多数のユーザーがアミューズメント施設に出入りするため、WiFiによる無線通信を用いて各アミューズメント施設にそれぞれ対応するアクセスポイントの電波受信エリアに存在する1又は複数のユーザー端末50を定期的又は所定のタイミングでスキャンすることによって、アミューズメント施設ごとに、サーバー記憶部12が記憶するユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中から、現時点においてその施設内に存在するユーザーを選出してリストアップすることができるようになっている。
【0078】
<施設内に存在する類似ユーザーの選出>
図10は、施設内のゲーム装置20に存在する類似するユーザーの選出に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【0079】
サーバー10は、上述したステップS105の処理によってその特定されたアミューズメント施設の入場ユーザーリストが更新されると、その入場ユーザーリストに含まれる入場ユーザーの生体データを取得する(ステップS201)。
【0080】
具体的には、サーバー10のユーザー選出部112は、
図5に示す施設情報から上述したステップS103の処理によって特定されたアミューズメント施設3に関連付けられた入場ユーザーリストを取得する。そして、サーバー10のユーザー選出部112は、その取得した入場ユーザーリストに含まれる入場ユーザーを特定する。その後、サーバー10のユーザー選出部112は、その特定された入場ユーザーに関連付けられた生体データを
図3に示すユーザー情報から取得する。
【0081】
次いで、サーバー10は、その入場ユーザーリストに含まれる入場ユーザーの生体データを取得すると、その取得した入場ユーザーの生体データを用いて、その入場ユーザーリストの中から他人と似ている生体データを持つ入場ユーザーを類似ユーザーとして選出する(ステップS202)。
【0082】
具体的には、サーバー10のユーザー選出部112は、その入場ユーザーリストのうち、一の入場ユーザーに関連付けられた生体データと、他の入場ユーザーに関連付けられた生体データとを比較することによって類似度を導出し、その類似度が予め設定された閾値を超えたことによって双方の入場ユーザーを類似ユーザーとして選出する。
【0083】
例えば、顔認証によってユーザー認証が行われる場合、所定のアルゴリズムを用いることにより、一の入場ユーザーの顔データから顔の特徴点を検出すると共に、他の入場ユーザーの顔データからも顔の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各入場ユーザーの顔に対する特徴量を数値化する。そして、各入場ユーザーの顔に対する特徴量の比較により類似度を算出し、その類似度が閾値(例えば、80%)を超えた場合には、双方の入場ユーザーを類似ユーザーとして選出する。
【0084】
次いで、サーバー10は、このようにして入場ユーザーリストの中から類似ユーザーが選出されると、その特定されたアミューズメント施設3の類似ユーザーリストについて更新を行なう(ステップS203)。
【0085】
具体的には、サーバー10の管理部111は、
図5に示す施設情報から上述したステップS103の処理によって特定されたアミューズメント施設3に関連付けられた類似ユーザーリストを取得する。そして、サーバー10の管理部111は、その取得した類似ユーザーリストの更新を行なって、上述したステップS202の処理によって選出された入場ユーザーを類似ユーザーとして新たにリストアップする。
【0086】
以上のように、本実施形態における認証システム1では、定期的又は所定のタイミングで各入場ユーザーの生体データに基づき類似判定を行なうことによって、アミューズメント施設ごとに、サーバー記憶部12が記憶する施設情報に設定されたすべての入場ユーザーの中から、現時点においてその施設内に位置する類似ユーザーを選出してリストアップすることができるようになっている。
【0087】
<ユーザー認証>
図11は、ユーザー認証に関する処理を説明するためのフローチャートである。
サーバー10のサーバー通信部15は、
図5に示す施設情報に設定された類似ユーザーリストが更新されると、
図3に示すユーザー情報から、その類似ユーザーリストに含まれる類似ユーザーの生体データやゲームデータ等を取得すると共に、入場ユーザーリストに含まれる残りの非類似ユーザーの生体データやゲームデータ等を取得する。そして、サーバー10のサーバー通信部15は、その類似ユーザー及び非類似ユーザーが位置する施設内の各ゲーム装置20にその取得した各データをその類似ユーザーリストと共に送信する(ステップS301)。
【0088】
次いで、その施設内のゲーム装置20の装置通信部25は、サーバー10から送信された各データと類似ユーザーリスト等を受信すると、その受信したデータ等を装置記憶部22に記憶することをゲーム装置20の装置制御部21に対し要求する。ゲーム装置20の装置制御部21は、その装置通信部25からの要求を受け付けると、サーバー10から送信された類似ユーザー及び非類似ユーザーの各データ等を装置記憶部22に記憶させる(ステップS302)。
【0089】
これにより、現時点における類似ユーザーの生体データやゲームデータ、現時点における非類似ユーザーの生体データやゲームデータ、及び、類似ユーザーリスト等が、アミューズメント施設内のゲーム装置20においてストックされることになる。
【0090】
次いで、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、いずれかの入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)がコインの投入やICカードの電子マネー機能によって1プレイ分の料金を支払うことによって決済が完了したか否かを判定する(ステップS303)。
【0091】
この判定の結果、1プレイ分の料金が支払われず決済が完了していないと判定された場合には(ステップS303:NO)、決済が完了するまで待機する。その一方で、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了したと判定された場合には(ステップS303:YES)、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、ゲーム装置20のゲーム進行部212にゲーム処理の実行開始を要求する。ゲーム装置20のゲーム進行部212は、プレイ料金決済部28からの要求を受け付けると、ゲーム装置20のユーザー認証部211に対してユーザー認証処理の実行を要求する。
【0092】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了すると、ゲーム装置20のゲーム進行部212からの要求を受け付け、ゲーム開始前にそのプレイ料金を支払った入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)についてユーザー認証を行なう(ステップS304)。
【0093】
具体的には、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力されたユーザーIDをゲーム装置20の装置操作部23が取得することによって、そのユーザーIDを受け取る。また、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力された生体データをゲーム装置20の生体データ入力部27が取得することによって、その生体データを受け取る。そして、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、生体データ入力部27が取得した入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データと、上述したステップS302の処理によって装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データとを比較することにより、生体認証を行なう。
【0094】
このように、ユーザー認証時にサーバー10にアクセスしてその類似ユーザーの生体データを取得する必要がないので、ユーザー認証を早く完了させることができ、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0095】
また、本実施形態におけるユーザー認証部211は、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーリストを参照して、装置操作部23が取得したユーザーIDからプレイ料金を支払った入場ユーザーが類似ユーザーであるか否かを判定し、その入場ユーザーが類似ユーザーである場合には、非類似ユーザーである場合に比べて高い認証精度でユーザー認証を行なう。
【0096】
例えば、類似ユーザーのユーザー認証が顔認証によって行われる場合に、所定のアルゴリズムを用いることにより、生体データ入力部27が取得した類似ユーザーの顔データから顔の特徴点を検出すると共に、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーの顔データからも顔の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各々の顔に対する特徴量を数値化する。そして、各々の顔に対する特徴量の比較により一致度を算出し、その一致度が第1の閾値(例えば、90%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0097】
その一方、非類似ユーザーのユーザー認証が顔認証によって行われる場合には、所定のアルゴリズムを用いることにより、生体データ入力部27が取得した非類似ユーザーの顔データから顔の特徴点を検出すると共に、装置記憶部22に予めストックされている非類似ユーザーの顔データからも顔の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各々の顔に対する特徴量を数値化する。そして、各々の顔に対する特徴量の比較により一致度を算出し、その一致度が第1の閾値よりも低い第2の閾値(例えば、80%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0098】
なお、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である場合には、非類似ユーザーである場合に比べて高い認証精度ではなく、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうことも可能である。具体的には、サーバー10のユーザー認証部211は、
図6に示す装置情報の利用状況を参照することにより、その施設内のいずれかのゲーム装置20にてゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在するか否かを判定する。そして、サーバー10のユーザー認証部211は、その類似ユーザーリストの中に施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在すると判定した場合には、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、非類似ユーザーである場合に比べて高い認証精度ではなく、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なう。これは、いずれか一方の類似ユーザーがゲーム装置20にてゲームプレイ中であれば、双方の類似ユーザーが同時にユーザー認証を行なうことがないので、他方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際には、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことができるからである。したがって、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0099】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、認証に成功したか否かを判定し(ステップS305)、認証に失敗した場合には(ステップS305:NO)、この処理を終了してゲーム処理へ移行する。その一方で、認証に成功した場合には(ステップS305:YES)、次のステップS306へ処理を進める。
【0100】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、ユーザー認証に成功した場合に、正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータをこれから開始するゲームに反映させることを、ゲーム装置20のゲーム進行部212に対し要求する(ステップS306)。
【0101】
そして、ゲーム装置20のゲーム進行部212は、そのユーザー認証部211からの要求を受け付けると、装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得してゲームに反映させる。この場合においても、ユーザー認証終了後にサーバー10にアクセスしてその正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得する必要がないので、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間を短縮することが可能となる。
【0102】
以上のとおり、本実施形態に係る認証システム1によれば、
図3に示すユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団を減らすことができる。そのため、すべての会員ユーザーを母集合としその中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。また、そのアミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合に比べて高い認証精度でユーザー認証を行なうことで、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0103】
===第2実施形態===
第2実施形態に係る認証システム1は、前述した第1実施形態に係る認証システム1とは異なり、アミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、第1の生体データ(例えば、顔データ)及び第2の生体データ(例えば、指紋データ)を用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、第1の生体データ(例えば、顔データ)を用いて単一の認証方法によりユーザー認証を行なうようにした。
【0104】
<<認証システム1の構成>>
第2実施形態に係る認証システム1は、前述した第1実施形態に係る認証システム1と同様のネットワーク構成を備えている。しかし、第2実施形態に係る認証システム1では、サーバー10のサーバー記憶部12が記憶するユーザー情報の構成が、第1実施形態に係る認証システム1のものと異なる。従って、第1実施形態とは異なるユーザー情報の構成について説明する。
【0105】
図12は、ユーザー情報のデータ構造例(その2)を示す図である。このユーザー情報は、ユーザーID、ユーザー名、ホームショップ、第1認証データ、第2認証データ、履歴情報、端末ID、メールアドレス等の項目を有している。ユーザーIDは、会員ユーザーを識別するための識別情報である。ユーザー名は、会員ユーザーの表示名を示す情報である。ホームショップは、ユーザーの拠点となる施設を示す情報である。第1認証データは、ユーザー認証に使用される個人を識別するための生体情報である。ここでは、人体から得られた第1生体データ(例えば、顔データ)が設定されている。第2認証データは、第1認証データとは異なるデータであって、ユーザー認証に使用される個人を識別するための生体情報である。ここでは、人体から得られた第2生体データ(例えば、指紋データ)が設定されている。履歴情報は、ユーザーのプレイ履歴に関する情報である。ユーザー端末IDは、ユーザーが所持するユーザー端末50を識別するための識別情報であって、MACアドレス等のように端末固有の識別情報(端末ID)である。メールアドレスは、ユーザーに電子メールを送信するときのアドレス情報である。
【0106】
<<認証システム1の動作について>>
第2実施形態に係る認証システム1の動作例について説明する。この認証システム1では、先ず、ユーザー端末50を所持したユーザーがアミューズメント施設3に入ると、そのユーザー端末50がアクセスポイント5を経由してネットワークに接続されることで、すべての会員ユーザーの中から施設内に位置する入場ユーザーとしてサーバー10に選出される。
【0107】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザー同士の第1生体データをそれぞれ比較することにより、すべての入場ユーザーの中から第1生体データが他人と似ている入場ユーザーが類似ユーザーとしてサーバー10に選出される。これにより、本実施形態における認証システム1では、アミューズメント施設3に類似ユーザーが存在しているか否かを把握することができる。
【0108】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザーがその施設内の各ゲーム装置20において実際にユーザー認証を行なう前に先立って、サーバー10が各ゲーム装置20に対してその入場ユーザーのうちの類似ユーザーの第1生体データ及び第2生体データを送信すると共に、その類似ユーザー以外の残りの入場ユーザー(以下では、「非類似ユーザー」とも呼ぶ)の第1生体データ及び第2生体データも送信する。
【0109】
このようにして、すべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている第1生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団(サーチの対象となるユーザー数)を減らすことができる。すなわち、すべての会員ユーザーの中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。
【0110】
また、アミューズメント施設内のゲーム装置20に入場ユーザー(つまり、類似ユーザー、及び、非類似ユーザー)の第1生体データ及び第2生体データを予め取得させることで、実際にユーザー認証を行なうときにはサーバー10にアクセスしてその第1生体データ及び第2生体データを取得する必要がなくなる。そのため、ユーザー認証を早く完了させることができるようになる。その結果、施設内のゲーム装置20で実際にゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0111】
次いで、アミューズメント施設内のゲーム装置20では、入場ユーザーがゲームプレイを開始する前に、ユーザー認証が行われる。本実施形態においては、入場ユーザーのうちの類似ユーザーについてユーザー認証が行われる場合には、第1生体データ及び第2生体データを用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、第1の生体データを用いて単一の認証方法によりユーザー認証を行なうようにしている。これにより、本実施形態における認証システム1では、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、店舗内に類似ユーザーが存在している場合でも適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0112】
この第2実施形態に係る認証システム1では、ユーザー認証に関する処理が第1実施形態に係る認証システム1のものと異なる。よって以下では、第1実施形態とは異なるユーザー認証に関する処理について説明する。
【0113】
<ユーザー認証>
図11は、ユーザー認証に関する処理を説明するためのフローチャートである。
サーバー10のサーバー通信部15は、
図5に示す施設情報に設定された類似ユーザーリストが更新されると、
図3に示すユーザー情報から、その類似ユーザーリストに含まれる類似ユーザーの第1生体データ及び第2生体データやゲームデータ等を取得すると共に、入場ユーザーリストに含まれる残りの非類似ユーザーの第1生体データやゲームデータ等を取得する。そして、サーバー10のサーバー通信部15は、その類似ユーザー及び非類似ユーザーが位置する施設内の各ゲーム装置20にその取得した各データをその類似ユーザーリストと共に送信する(ステップS301)。
【0114】
次いで、その施設内のゲーム装置20の装置通信部25は、サーバー10から送信された各データと類似ユーザーリスト等を受信すると、その受信したデータ等を装置記憶部22に記憶することをゲーム装置20の装置制御部21に対し要求する。ゲーム装置20の装置制御部21は、その装置通信部25からの要求を受け付けると、サーバー10から送信された類似ユーザー及び非類似ユーザーの各データ等を装置記憶部22に記憶させる(ステップS302)。
【0115】
これにより、現時点における類似ユーザーの生体データやゲームデータ、現時点における非類似ユーザーの生体データやゲームデータ、及び、類似ユーザーリスト等が、アミューズメント施設内のゲーム装置20においてストックされることになる。
【0116】
次いで、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、いずれかの入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)がコインの投入やICカードの電子マネー機能によって1プレイ分の料金を支払うことによって決済が完了したか否かを判定する(ステップS303)。
【0117】
この判定の結果、1プレイ分の料金が支払われず決済が完了していないと判定された場合には(ステップS303:NO)、決済が完了するまで待機する。その一方で、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了したと判定された場合には(ステップS303:YES)、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、ゲーム装置20のゲーム進行部212にゲーム処理の実行開始を要求する。ゲーム装置20のゲーム進行部212は、プレイ料金決済部28からの要求を受け付けると、ゲーム装置20のユーザー認証部211に対してユーザー認証処理の実行を要求する。
【0118】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了すると、ゲーム装置20のゲーム進行部212からの要求を受け付け、ゲーム開始前にそのプレイ料金を支払った入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)についてユーザー認証を行なう(ステップS304)。
【0119】
具体的には、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力されたユーザーIDをゲーム装置20の装置操作部23が取得することによって、そのユーザーIDを受け取る。また、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力された生体データをゲーム装置20の生体データ入力部27が取得することによって、その生体データを受け取る。そして、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、生体データ入力部27が取得した入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データと、上述したステップS302の処理によって装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データとを比較することにより、生体認証を行なう。
【0120】
このように、ユーザー認証時にサーバー10にアクセスしてその類似ユーザーの生体データを取得する必要がないので、ユーザー認証を早く完了させることができ、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0121】
また、本実施形態におけるユーザー認証部211は、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーリストを参照して、装置操作部23が取得したユーザーIDからプレイ料金を支払った入場ユーザーが類似ユーザーであるか否かを判定し、その入場ユーザーが類似ユーザーである場合には、第1生体データ及び第2生体データを用いて2つの認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーである場合には、第1生体データを用いて1つの認証方法によりユーザー認証を行なう。
【0122】
具体的には、類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合に、先ず顔データ(第1生体データ)を用いて顔認証を行なった後、次に指紋データ(第2生体データ)を用いて指紋認証を行なう。非類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合には、顔データ(第1生体データ)を用いて顔認証のみを行なう。
【0123】
例えば、顔認証の場合では、所定のアルゴリズムを用いることにより、生体データ入力部27が取得した類似ユーザーの顔データから顔の特徴点を検出すると共に、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーの顔データからも顔の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各々の顔に対する特徴量を数値化する。そして、各々の顔に対する特徴量の比較により一致度を算出し、その一致度が閾値(例えば、80%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0124】
また、指紋認証の場合では、所定のアルゴリズムを用いることにより、生体データ入力部27が取得した類似ユーザーの指紋データから指紋の特徴点を検出すると共に、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーの指紋データからも指紋の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各々の指紋に対する特徴量を数値化する。そして、各々の指紋に対する特徴量の比較により一致度を算出し、その一致度が閾値(例えば、80%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0125】
なお、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である場合には、第1生体データ及び第2生体データの比較によってユーザー認証を行なわずに、非類似ユーザーである場合と同様にして第1生体データのみの比較によってユーザー認証を行なうことも可能である。具体的には、サーバー10のユーザー認証部211は、
図6に示す装置情報の利用状況を参照することにより、その施設内のいずれかのゲーム装置20にてゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在するか否かを判定する。そして、サーバー10のユーザー認証部211は、その類似ユーザーリストの中に施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在すると判定した場合には、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、第1生体データ及び第2生体データを用いてユーザー認証を行なわず、非類似ユーザーである場合と同じく第1生体データのみを用いてユーザー認証を行なう。これは、いずれか一方の類似ユーザーがゲーム装置20にてゲームプレイ中であれば、双方の類似ユーザーが同時にユーザー認証を行なうことがないので、他方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際には、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことができるからである。したがって、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0126】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、認証に成功したか否かを判定し(ステップS305)、認証に失敗した場合には(ステップS305:NO)、この処理を終了してゲーム処理へ移行する。その一方で、認証に成功した場合には(ステップS305:YES)、次のステップS306へ処理を進める。
【0127】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、ユーザー認証に成功した場合に、正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータをこれから開始するゲームに反映させることを、ゲーム装置20のゲーム進行部212に対し要求する(ステップS306)。
【0128】
そして、ゲーム装置20のゲーム進行部212は、そのユーザー認証部211からの要求を受け付けると、装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得してゲームに反映させる。この場合においても、ユーザー認証終了後にサーバー10にアクセスしてその正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得する必要がないので、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間を短縮することが可能となる。
【0129】
以上のとおり、本実施形態に係る認証システム1によれば、
図3に示すユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団を減らすことができる。そのため、すべての会員ユーザーを母集合としその中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。また、そのアミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合とは異なり、第1の生体データ及び第2の生体データを用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行なうことで、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0130】
===第3実施形態===
第3実施形態に係る認証システム1は、前述した第1実施形態に係る認証システム1とは異なり、アミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、生体データ及び非生体データ(例えば、パスワード)を用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、生体データを用いて単一の認証方法によりユーザー認証を行なうようにした。
【0131】
<<認証システム1の構成>>
第3実施形態に係る認証システム1は、前述した第1実施形態に係る認証システム1と同様のネットワーク構成を備えている。しかし、第3実施形態に係る認証システム1では、サーバー10のサーバー記憶部12が記憶するユーザー情報の構成が、第1実施形態に係る認証システム1のものと異なる。従って、第1実施形態とは異なるユーザー情報の構成について説明する。
【0132】
図13は、ユーザー情報のデータ構造例(その3)を示す図である。このユーザー情報は、ユーザーID、ユーザー名、ホームショップ、第1認証データ、第2認証データ、履歴情報、端末ID、メールアドレス等の項目を有している。ユーザーIDは、会員ユーザーを識別するための識別情報である。ユーザー名は、会員ユーザーの表示名を示す情報である。ホームショップは、ユーザーの拠点となる施設を示す情報である。第1認証データは、ユーザー認証に使用される個人を識別するための生体情報である。ここでは、人体から得られた生体データ(例えば、顔データ)が設定されている。第2認証データは、ユーザー認証に使用される個人を識別するための情報である。ここでは、生体データではない非生体データとしてのパスワードが設定されている。履歴情報は、ユーザーのプレイ履歴に関する情報である。ユーザー端末IDは、ユーザーが所持するユーザー端末50を識別するための識別情報であって、MACアドレス等のように端末固有の識別情報(端末ID)である。メールアドレスは、ユーザーに電子メールを送信するときのアドレス情報である。
【0133】
<<認証システム1の動作について>>
第3実施形態に係る認証システム1の動作例について説明する。この認証システム1では、先ず、ユーザー端末50を所持したユーザーがアミューズメント施設3に入ると、そのユーザー端末50がアクセスポイント5を経由してネットワークに接続されることで、すべての会員ユーザーの中から施設内に位置する入場ユーザーとしてサーバー10に選出される。
【0134】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザー同士の生体データをそれぞれ比較することにより、すべての入場ユーザーの中から生体データが他人と似ている入場ユーザーが類似ユーザーとしてサーバー10に選出される。これにより、本実施形態における認証システム1では、アミューズメント施設3に類似ユーザーが存在しているか否かを把握することができる。
【0135】
次いで、そのアミューズメント施設内に位置する入場ユーザーがその施設内の各ゲーム装置20において実際にユーザー認証を行なう前に先立って、サーバー10が各ゲーム装置20に対してその入場ユーザーのうちの類似ユーザーの生体データ及び非生体データを送信すると共に、その類似ユーザー以外の残りの入場ユーザー(以下では、「非類似ユーザー」とも呼ぶ)の生体データも送信する。
【0136】
このようにして、すべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団(サーチの対象となるユーザー数)を減らすことができる。すなわち、すべての会員ユーザーの中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。
【0137】
また、アミューズメント施設内のゲーム装置20に入場ユーザー(つまり、類似ユーザー、及び、非類似ユーザー)の生体データや非生体データを予め取得させることで、実際にユーザー認証を行なうときにはサーバー10にアクセスしてその生体データや非生体データを取得する必要がなくなる。そのため、ユーザー認証を早く完了させることができるようになる。その結果、施設内のゲーム装置20で実際にゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0138】
次いで、アミューズメント施設内のゲーム装置20では、入場ユーザーがゲームプレイを開始する前に、ユーザー認証が行われる。本実施形態においては、入場ユーザーのうちの類似ユーザーについてユーザー認証が行われる場合には、生体データ及び非生体データを用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、生体データを用いて単一の認証方法によりユーザー認証を行なうようにしている。これにより、本実施形態における認証システム1では、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、店舗内に類似ユーザーが存在している場合でも適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0139】
この第3実施形態に係る認証システム1では、ユーザー認証に関する処理が第1実施形態に係る認証システム1のものと異なる。よって以下では、第1実施形態とは異なるユーザー認証に関する処理について説明する。
【0140】
<ユーザー認証>
図11は、ユーザー認証に関する処理を説明するためのフローチャートである。
サーバー10のサーバー通信部15は、
図5に示す施設情報に設定された類似ユーザーリストが更新されると、
図3に示すユーザー情報から、その類似ユーザーリストに含まれる類似ユーザーの生体データ及び非生体データやゲームデータ等を取得すると共に、入場ユーザーリストに含まれる残りの非類似ユーザーの生体データやゲームデータ等を取得する。そして、サーバー10のサーバー通信部15は、その類似ユーザー及び非類似ユーザーが位置する施設内の各ゲーム装置20にその取得した各データをその類似ユーザーリストと共に送信する(ステップS301)。
【0141】
次いで、その施設内のゲーム装置20の装置通信部25は、サーバー10から送信された各データと類似ユーザーリスト等を受信すると、その受信したデータ等を装置記憶部22に記憶することをゲーム装置20の装置制御部21に対し要求する。ゲーム装置20の装置制御部21は、その装置通信部25からの要求を受け付けると、サーバー10から送信された類似ユーザー及び非類似ユーザーの各データ等を装置記憶部22に記憶させる(ステップS302)。
【0142】
これにより、現時点における類似ユーザーの生体データ及び非生体データやゲームデータ、現時点における非類似ユーザーの生体データやゲームデータ、及び、類似ユーザーリスト等が、アミューズメント施設内のゲーム装置20においてストックされることになる。
【0143】
次いで、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、いずれかの入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)がコインの投入やICカードの電子マネー機能によって1プレイ分の料金を支払うことによって決済が完了したか否かを判定する(ステップS303)。
【0144】
この判定の結果、1プレイ分の料金が支払われず決済が完了していないと判定された場合には(ステップS303:NO)、決済が完了するまで待機する。その一方で、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了したと判定された場合には(ステップS303:YES)、ゲーム装置20のプレイ料金決済部28は、ゲーム装置20のゲーム進行部212にゲーム処理の実行開始を要求する。ゲーム装置20のゲーム進行部212は、プレイ料金決済部28からの要求を受け付けると、ゲーム装置20のユーザー認証部211に対してユーザー認証処理の実行を要求する。
【0145】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、1プレイ分の料金が支払われて決済が完了すると、ゲーム装置20のゲーム進行部212からの要求を受け付け、ゲーム開始前にそのプレイ料金を支払った入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)についてユーザー認証を行なう(ステップS304)。
【0146】
具体的には、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力されたユーザーIDをゲーム装置20の装置操作部23が取得することによって、そのユーザーIDを受け取る。また、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の入力された生体データをゲーム装置20の生体データ入力部27が取得することによって、その生体データを受け取る。そして、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、生体データ入力部27が取得した入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データと、上述したステップS302の処理によって装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)の生体データとを比較することにより、生体認証を行なう。そして、類似ユーザーの場合においては、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、類似ユーザーの入力された非生体データをゲーム装置20の装置操作部23(認証データ入力部)が取得することによって、その非生体データを受け取る。
【0147】
このように、ユーザー認証時にサーバー10にアクセスしてその類似ユーザーの生体データや非生体データを取得する必要がないので、ユーザー認証を早く完了させることができ、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間をより短縮することができる。
【0148】
また、本実施形態におけるユーザー認証部211は、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーリストを参照して、装置操作部23が取得したユーザーIDからプレイ料金を支払った入場ユーザーが類似ユーザーであるか否かを判定し、その入場ユーザーが類似ユーザーである場合には、生体データ及び非生体データを用いて2つの認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーである場合には、生体データを用いて1つの認証方法によりユーザー認証を行なう。
【0149】
具体的には、類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合に、先ず顔データ(生体データ)を用いて顔認証を行なった後、次にパスワード(非生体データ)を用いて非生体認証を行なう。非類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合には、顔データ(生体データ)を用いて顔認証のみを行なう。
【0150】
例えば、顔認証の場合では、所定のアルゴリズムを用いることにより、生体データ入力部27が取得した類似ユーザーの顔データから顔の特徴点を検出すると共に、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーの顔データからも顔の特徴点を検出して、それぞれ検出された特徴点の位置や特徴点間の距離等に基づき各々の顔に対する特徴量を数値化する。そして、各々の顔に対する特徴量の比較により一致度を算出し、その一致度が閾値(例えば、80%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0151】
また、パスワードを用いた非生体認証の場合では、装置操作部23(認証データ入力部)が取得した類似ユーザーのパスワードと、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーのパスワードとを比較し、両者が一致することによって本人確認が正しく行われたものとして処理する。
【0152】
なお、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、他の類似ユーザーが施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である場合には、生体データ及び非生体データの比較によってユーザー認証を行なわずに、非類似ユーザーである場合と同様にして生体データのみの比較によってユーザー認証を行なうことも可能である。具体的には、サーバー10のユーザー認証部211は、
図6に示す装置情報の利用状況を参照することにより、その施設内のいずれかのゲーム装置20にてゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在するか否かを判定する。そして、サーバー10のユーザー認証部211は、その類似ユーザーリストの中に施設内のゲーム装置20でゲームプレイ中である他の類似ユーザーが存在すると判定した場合には、一の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際に、生体データ及び非生体データを用いてユーザー認証を行なわず、非類似ユーザーである場合と同じく生体データのみを用いてユーザー認証を行なう。これは、いずれか一方の類似ユーザーがゲーム装置20にてゲームプレイ中であれば、双方の類似ユーザーが同時にユーザー認証を行なうことがないので、他方の類似ユーザーのユーザー認証を行なう際には、非類似ユーザーである場合と同じ認証精度でユーザー認証を行なうことで、誤認の発生を抑えつつも素早く本人確認を行なうことができるからである。したがって、自分の生体データが他人の生体データと似ているからといって常に精度の高いユーザー認証を行なう必要がなくなる。
【0153】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、認証に成功したか否かを判定し(ステップS305)、認証に失敗した場合には(ステップS305:NO)、この処理を終了してゲーム処理へ移行する。その一方で、認証に成功した場合には(ステップS305:YES)、次のステップS306へ処理を進める。
【0154】
次いで、ゲーム装置20のユーザー認証部211は、ユーザー認証に成功した場合に、正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータをこれから開始するゲームに反映させることを、ゲーム装置20のゲーム進行部212に対し要求する(ステップS306)。
【0155】
そして、ゲーム装置20のゲーム進行部212は、そのユーザー認証部211からの要求を受け付けると、装置記憶部22に予めストックされている入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得してゲームに反映させる。この場合においても、ユーザー認証終了後にサーバー10にアクセスしてその正しく認証された入場ユーザー(つまり、類似ユーザー又は非類似ユーザー)のゲームデータを取得する必要がないので、ゲームプレイできるようなるまでの待機時間を短縮することが可能となる。
【0156】
以上のとおり、本実施形態に係る認証システム1によれば、
図3に示すユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中からアミューズメント施設内のゲーム装置20を利用する可能性の高い入場ユーザーを絞り込むことで、他人と似ている生体データを持つ類似ユーザーをサーチするときの母集団を減らすことができる。そのため、すべての会員ユーザーを母集合としその中からサーチするよりも早くその施設内に存在している類似ユーザーを特定することができる。また、そのアミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合とは異なり、生体データ及び非生体データを用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行なうことで、類似する他人を排除しつつ本人だけを正確に受け入れることができるようになるので、適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0157】
===その他===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0158】
<入場ユーザーの選出>
前述の実施形態では、サーバー10のユーザー選出部112が、WiFiによる無線通信の利用によって、すべての会員ユーザーの中から施設内に位置する入場ユーザーを選出する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、測位衛星等を用いたGPS(Global Positioning System)通信の利用や、BLEによる近距離無線通信の利用によって入場ユーザーを選出してもよい。また例えば、アミューズメント施設3の出入口付近に設置されたカードリーダにユーザーが所持するICカード等をかざすことで、入場ユーザーを選出してもよい。
【0159】
<類似ユーザーの選出>
前述の実施形態では、サーバー10のユーザー選出部112が、入場ユーザーリストが更新されると、その入場ユーザーリストのうち、一の入場ユーザーの生体データと他の入場ユーザーの生体データとを比較することによって類似度を導出し、その類似度が所定の閾値を超えたことで双方の入場ユーザーを類似ユーザーとして選出する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、
図3に示すユーザー情報に、生体データが類似している他のユーザーを特定するための類似情報(例えば、他人と類似する生体データを持つユーザーであることを示すフラグなど)を各ユーザーに関連付けて予め設定させておき、サーバー10のユーザー選出部112は、それら入場ユーザーの生体データを比較することなく、
図3に示すユーザー情報の類似情報を参照することにより、その入場ユーザーリストの中から生体データが互いに類似するユーザーを類似ユーザーとして選出してもよい。
なおこの場合には、サーバー10のユーザー選出部112は、定期的に又は所定のタイミングで、
図3に示すユーザー情報に設定されたすべての会員ユーザーの中からすべての類似ユーザーを事前に抽出しておく必要がある。
【0160】
<類似ユーザーのレベル設定>
前述の第1実施形態では、類似ユーザーごとにレベルを設定しておき、その類似ユーザーのレベルに応じて認証精度を変えてユーザー認証を行なうことも可能である。
具体的には、上述したステップS202の処理においてサーバー10のユーザー選出部112が類似ユーザーを選出する際に、例えば顔認証によってユーザー認証が行われる場合、算出された類似度が第1の閾値(例えば、80%)を超えた場合には、双方の入場ユーザーを「レベル1」の類似ユーザーとして選出し、算出した類似度が第2の閾値(例えば、90%)を超えた場合には、双方の入場ユーザーを「レベル2」の類似ユーザーとして選出する。
その後、上述したステップS304の処理においてゲーム装置20のユーザー認証部211が「レベル1」の類似ユーザーについてユーザー認証を行なう際に、例えば顔認証によってユーザー認証が行われる場合、算出された一致度が第3の閾値(例えば、90%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。その一方で、「レベル2」の類似ユーザーについてユーザー認証を行なう際には、算出された一致度が第4の閾値(例えば、95%)を超えたことによって、本人確認が正しく行われたものとして処理する。
このようにレベルを設定することにより、類似する他人を排除しつつ本人だけをより正確に受け入れることができるようになるので、更に適切にユーザー認証を行なうことが可能となる。
【0161】
<非生体データ>
前述の第3実施形態では、アミューズメント施設内のゲーム装置20にて類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、生体データ及びパスワード(非生体データ)を用いて複数の認証方法によりユーザー認証を行ない、非類似ユーザーについてユーザー認証を行なう場合には、生体データを用いて単一の認証方法によりユーザー認証を行なう場合について説明したが、このパスワードの代わりにアクションパターンデータを非生体データとして用いることも可能である。
例えば、所定回数だけウインクを行なう動作、所定回数だけ首を振る動作、所定回数だけ頷く動作、又はこれらの組み合せの動作などを、アクションパターンデータとして事前登録しておく。そして、類似ユーザーがアクションパターンデータを用いた非生体認証を行なう場合では、類似ユーザーが動作したジェスチャーからそのユーザーのアクションパターンを認証データ入力部が取得する。その認証データ入力部が取得した類似ユーザーのアクションパターンと、装置記憶部22に予めストックされている類似ユーザーのアクションパターンが比較され、両者が一致すれば本人確認が正しく行われたものとして処理される。
【0162】
<生体認証と非生体認証の順番>
前述の第3実施形態では、類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合に、先ず生体データ(例えば、顔データ)を用いて生体認証(例えば、顔認証)を行ない、その次に非生体データ(例えば、パスワード)を用いて非生体認証(例えば、パスワード認証)を行なう一方で、非類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合には、生体データ(例えば、顔データ)を用いて生体認証(例えば、顔認証)のみを行なう場合を例に挙げて説明したが、類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合には、その順番を入れ替えてもよい。
例えば、類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合に、先ず非生体データを用いて非生体認証(パスワード認証)を行なった後に、補助的に生体データを用いて生体認証(顔認証)を行なう。これに対して、非類似ユーザーのユーザー認証が行われる場合には、生体データを用いて生体認証(顔認証)のみを行なう。ただし、非類似ユーザーの生体認証がエラーとなって本人確認できなかったときには、非生体データを用いて非生体認証(パスワード認証)を行なうことも可能である。
【0163】
<画面表示>
前述の実施形態では、類似ユーザーリストが更新された結果、いままでは非類似ユーザーであったにもかかわらず、突然に類似ユーザーとして選出される場合がある。この場合には、新たな類似ユーザーとなったことで、これまでのユーザー認証に比べて認証精度が高くなったり、認証方法の種類が増えたりすることになる。そのため、新たな類似ユーザーにとってみれば、突然に厳しくユーザー認証が行われることになるので、故障等が発生したものと誤解させる虞がある。そこで、このように新たな類似ユーザーについてユーザー認証を行なう際に、いままでと異なり厳しくユーザー認証が行われること等をゲーム装置20の装置表示部24に画面表示(通知)することも可能である。
例えば、顔認証の場合には、ゲーム装置20でのユーザー認証時に、「この施設内に類似ユーザーが存在するので、厳しくユーザー認証を行ないます」や、「高い精度でユーザー認証を行ないますので、マスクや眼鏡を外してください」などのメッセージをゲーム装置20の画面上に表示する。これにより、故障等ではないことを新たな類似ユーザーに認識させることができる。
【0164】
<サーバー>
前述の実施形態では、サーバーの一例として1台のサーバー10を備えたゲームシステム1を例に挙げて説明したが、サーバーの一例として複数台のサーバー10を備えたゲームシステム1としても良い。例えば、サーバー10を、ゲームサーバーや管理サーバー等に分けて機能を分散させても良い。