(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の室外機のように、熱交換器と熱交換器を支持する構造体(特許文献1ではケーシングの底板)とが絶縁部材により電気的に絶縁されている場合、熱交換器と構造体との間にキャパシタが形成され、圧縮機と熱交換器と構造体との間の導電経路に並列共振回路(熱交換器と構造体との間に形成されたキャパシタを含む並列共振回路)が構成されることになる。このように、圧縮機と熱交換器と構造体との間の導電経路に並列共振回路が構成されると、その導電経路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)が高くなり、その結果、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタに流れにくくなる。そのため、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することが困難となる。
【0005】
本開示の目的は、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することが可能な熱交換ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、熱交換ユニットに関し、この熱交換ユニットは、熱交換器(40)と、前記熱交換器(40)を支持する構造体(20)と、前記熱交換器(40)と前記構造体(20)とを電気的に絶縁する絶縁部材(50)と、前記熱交換器(40)および前記構造体(20)と電気的に接続される圧縮機(30)と、前記熱交換器(40)に取り付けられ、前記圧縮機(30)と該熱交換器(40)とを電気的に接続する第1導電経路(E1)および該圧縮機(30)と前記構造体(20)とを電気的に接続する第2導電経路(E2)とは別に、該熱交換器(40)と該構造体(20)とを電気的に接続する接続部材(60)とを備えている。
【0007】
上記第1の態様では、熱交換器(40)と構造体(20)とを接続部材(60)で電気的に接続することにより、第1導電経路(E1)および第2導電経路(E2)とは別に熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に接続することができる。これにより、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路(キャパシタ(C)を含む並列共振回路)の周波数特性を変更することができるので、この並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができ、その結果、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することができる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記圧縮機(30)と前記熱交換器(40)とに接続される冷媒配管(P1)を備え、前記熱交換器(40)は、第1方向に沿うように延設され、前記冷媒配管(P1)は、前記第1方向における前記熱交換器(40)の一端部に接続されており、前記接続部材(60)は、前記熱交換器(40)において該熱交換器(40)と前記冷媒配管(P1)との接続部分よりも前記第1方向における該熱交換器(40)の他端部に近い位置に取り付けられているものである。
【0009】
上記第2の態様では、接続部材(60)が第1方向における熱交換器(40)の一端部(冷媒配管(P1)が接続される側の端部)に取り付けられる場合よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第1の態様において、前記圧縮機(30)と前記熱交換器(40)とに接続される冷媒配管(P1)を備え、前記熱交換器(40)は、水平方向に延びる伝熱管(41)を有し、該伝熱管(41)の延伸方向における該熱交換器(40)の一端部に前記冷媒配管(P1)が接続され、該延伸方向における該熱交換器(40)の他端部において該伝熱管(41)内を流れる冷媒を折り返すように構成され、前記接続部材(60)は、前記延伸方向において前記熱交換器(40)の前記一端部と前記他端部との中央(X)から該他端部までの部分に取り付けられているものである。
【0011】
上記第3の態様では、接続部材(60)が伝熱管(41)の延伸方向において熱交換器(40)の一端部から熱交換器(40)の一端部と熱交換器(40)の他端部との中央(X)までの部分に取り付けられる場合よりも、よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第1の態様において、前記圧縮機(30)と前記熱交換器(40)とに接続される冷媒配管(P1)を備え、前記熱交換器(40)は、それぞれが板状に形成された複数の熱交換部(400)を有し、前記冷媒配管(P1)は、前記複数の熱交換部(400)のいずれか1つに接続され、前記接続部材(60)は、前記複数の熱交換部(400)のうち前記冷媒配管(P1)が接続された熱交換部(400)ではない他の熱交換部(400)に取り付けられているものである。
【0013】
上記第4の態様では、冷媒配管(P1)が接続される熱交換部(400)に接続部材(60)が取り付けられる場合よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1〜第4の態様のいずれか1つにおいて、前記絶縁部材(50)は、前記構造体(20)に載置され、前記熱交換器(40)は、前記絶縁部材(50)に載置され、前記接続部材(60)は、前記熱交換器(40)の上部に取り付けられているものである。
【0015】
上記第5の態様では、接続部材(60)を熱交換器(40)の下部に取り付ける場合よりも、絶縁部材(50)に載置された熱交換器(40)に対する接続部材(60)の取り付けを容易にすることができる。これにより、熱交換ユニット(10)の組み立てを容易にすることができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第5の態様において、ファン(11)を備え、前記構造体(20)は、前記圧縮機(30)と前記熱交換器(40)とを収納する第1ケーシング(21)と、該第1ケーシング(21)の上部に設けられて前記ファン(11)を収納する第2ケーシング(22)とを有し、前記接続部材(60)は、前記熱交換器(40)と前記第2ケーシング(22)との間に配置されているものである。
【0017】
本開示の第7の態様は、上記第5または第6の態様において、前記接続部材(60)は、前記構造体(20)に固定されているものである。
【0018】
上記第7の態様では、熱交換器(40)の上部に取り付けられた接続部材(60)を構造体(20)に固定することにより、熱交換器(40)の揺れを抑制することができる。これにより、熱交換器(40)の揺れによる損傷を低減することができる。
【0019】
本開示の第8の態様は、上記第7の態様において、前記熱交換器(40)は、前記構造体(20)を構成する金属とは異種の金属により構成され、前記接続部材(60)は、前記熱交換器(40)を構成する金属と同種の金属により構成されて該熱交換器(40)と接触する第1接続部(61)と、前記構造体(20)を構成する金属と同種の金属により構成されて該構造体(20)に固定される第2接続部(62)と、前記第1接続部(61)と前記第2接続部(62)とを電気的に絶縁する層であり、該第1接続部(61)の一部と該第2接続部(62)の一部とを接触させるための欠落部(63a)が設けられた絶縁層(63)と、前記第1接続部(61)と前記第2接続部(62)との接触部分を被覆する被覆部材(64)とを有しているものである。
【0020】
上記第8の態様では、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分を被覆部材(64)で被覆することにより、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分に水が浸入することを防止することができる。これにより、電食の発生を防止することができる。
【0021】
本開示の第9の態様は、上記第5〜第8の態様のいずれか1つにおいて、前記絶縁部材(50)は、弾性を有しているものである。
【0022】
上記第9の態様では、弾性を有する絶縁部材(50)に熱交換器(40)を載置することにより、熱交換器(40)の揺れを抑制することができる。これにより、熱交換器(40)の揺れによる損傷を低減することができる。
【0023】
本開示の第10の態様は、上記第1〜第9の態様のいずれか1つにおいて、前記熱交換器(40)は、アルミニウムにより構成され、前記構造体(20)は、鉄により構成されているものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0026】
(実施形態)
図1は、実施形態の熱交換ユニット(10)の構成を例示している。この例では、熱交換ユニット(10)は、ガス側連絡配管(101)および液側連絡配管(102)により複数の利用側ユニット(90)と並列に接続されて冷媒回路(100)を構成している。利用側ユニット(90)には、利用側熱交換器(91)が設けられている。利用側熱交換器(91)は、空気と冷媒を熱交換させる。例えば、熱交換ユニット(10)は、屋外に設けられる室外ユニットであり、利用側ユニット(90)は、室内空間の冷房と暖房を行う室内ユニットである。
【0027】
熱交換ユニット(10)は、ガス側連絡配管(101)が接続されるガス閉鎖弁(V1)と、液側連絡配管(102)が接続される液閉鎖弁(V2)と、圧縮機(30)と、熱交換器(40)と、ファン(11)と、膨張弁(12)と、四方切換弁(13)と、アキュムレータ(14)と、オイルセパレータ(15)とを備えている。また、熱交換ユニット(10)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)とを接続する第1冷媒配管(P1)と、圧縮機(30)とガス閉鎖弁(V1)とを接続する第2冷媒配管(P2)と、熱交換器(40)と液閉鎖弁(V2)とを接続する第3冷媒配管(P3)とを備えている。なお、第1〜第3冷媒配管(P1〜P3)は、導電性を有する金属(具体的には銅)によって構成されている。
【0028】
この例では、第1冷媒配管(P1)には、オイルセパレータ(15)と四方切換弁(13)とが設けられている。具体的には、第1冷媒配管(P1)は、圧縮機(30)の吐出ポートとオイルセパレータ(15)の入口とを接続する第1配管部(P11)と、オイルセパレータ(15)の出口と四方切換弁(13)の第1ポートとを接続する第2配管部(P12)と、四方切換弁(13)の第2ポートと熱交換器(40)とを接続する第3配管部(P13)とを有している。第2冷媒配管(P2)には、アキュムレータ(14)と四方切換弁(13)が設けられている。具体的には、第2冷媒配管(P2)は、圧縮機(30)の吸入ポートとアキュムレータ(14)の出口とを接続する第4配管部(P21)と、アキュムレータ(14)の入口と四方切換弁(13)の第4ポートとを接続する第5配管部(P22)と、四方切換弁(13)の第3ポートとガス閉鎖弁(V1)とを接続する第6配管部(P23)とを有している。第3冷媒配管(P3)には、膨張弁(12)が設けられている。
【0029】
圧縮機(30)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。オイルセパレータ(15)は、圧縮機(30)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離する。四方切換弁(13)は、第1ポートと第2ポートとを連通するとともに第3ポートと第4ポートとを連通する第1状態(
図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通するとともに第2ポートと第4ポートとを連通する第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。ファン(11)は、熱交換器(40)に空気を搬送する。熱交換器(40)は、ファン(11)により搬送された空気と冷媒とを熱交換させる。膨張弁(12)は、冷媒を減圧するための機構であり、開度が調節可能となっている。
【0030】
四方切換弁(13)を第1状態(
図1の実線で示す状態)に設定して圧縮機(30)とファン(11)とを駆動させると、熱交換器(40)が凝縮器となり、利用側熱交換器(91)が蒸発器となる。これにより、熱交換器(40)において冷媒の熱が空気に放出され、利用側熱交換器(91)において空気の熱が冷媒に吸収される。一方、四方切換弁(13)を第2状態(
図1の破線で示す状態)に設定して圧縮機(30)とファン(11)とを駆動させると、利用側熱交換器(91)が凝縮器となり、熱交換器(40)が蒸発器となる。これにより、利用側熱交換器(91)において冷媒の熱が空気に放出され、熱交換器(40)において空気の熱が冷媒に吸収される。
【0031】
〔熱交換ユニットの構造〕
図2は、本実施形態の熱交換ユニット(10)の外観を例示し、
図3〜
図5は、本実施形態の熱交換ユニット(10)の内部構造を例示している。なお、以下の説明における「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、設置状態における熱交換ユニット(10)を正面から見たときの方向を示している。
【0032】
熱交換ユニット(10)は、構造体(20)と、圧縮機(30)と、熱交換器(40)と、1つまたは複数(この例では3つ)の絶縁部材(50)と、1つまたは複数(この例では1つ)の接続部材(60)と、電装品箱(70)とを備えている。
【0033】
〈構造体〉
構造体(20)は、第1ケーシング(21)と、第2ケーシング(22)と、前面パネル(23)と、電装品パネル(24)とを有している。この例では、構造体(20)は、導電性を有する金属(具体的には鉄)によって構成されている。また、構造体(20)は、アース線(図示を省略)によりアースに接続されている。
【0034】
《第1ケーシング》
第1ケーシング(21)は、ベース部材(201)と、4本の支柱部材(205)とを有している。ベース部材(201)は、矩形状に形成されている。ベース部材(201)は、底板(202)と、2つの基礎脚(203)と、2つのサイドステー(204)とを有している。底板(202)には、左右方向に連続する凹凸が形成されている。2つの基礎脚(203)は、それぞれが左右方向に延びる板状に形成され、底板(202)の前縁部および後縁部にそれぞれ固定されている。2つのサイドステー(204)は、それぞれが前後方向に延びる板状に形成され、底板(202)の左右の側縁部にそれぞれ固定されている。4つの支柱部材(205)は、それぞれが上下方向に延びる板状に形成され、ベース部材(201)の4隅にそれぞれ設けられている。そして、第1ケーシング(21)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)と膨張弁(12)と四方切換弁(13)とアキュムレータ(14)とオイルセパレータ(15)とを収納する。
【0035】
《第2ケーシング》
第2ケーシング(22)は、直方体型の箱状に形成され、第1ケーシング(21)の上部に設けられる。そして、第2ケーシング(22)は、ファン(11)を収納する。ファン(11)は、空気を上向きに吹き出すように構成されている。ファン(11)を回転させると、構造体(20)の外部から熱交換器(40)を通じて第1ケーシング(21)内に空気が吸い込まれ、第1ケーシング(21)内に吸い込まれた空気がファン(11)を通じて第2ケーシング(22)から上向きに吹き出される。
【0036】
《前面パネル》
前面パネル(23)は、第1ケーシング(21)の下端部から第2ケーシング(22)の上端部までのほぼ全体を覆う縦長の2枚のプレート材(前板)によって構成されている。そして、前面パネル(23)は、第1ケーシング(21)の前面および第2ケーシング(22)の前面に跨って装着されている。
【0037】
《電装品パネル》
電装品パネル(24)は、上下方向に延びる板状に形成され、前面パネル(23)の方向に設けられている。電装品パネル(24)には、電装品箱(70)が設けられている。
【0038】
《閉鎖弁支持台》
また、構造体(20)には、閉鎖弁支持台(25)が設けられている。閉鎖弁支持台(25)は、構造体(20)の底板(202)に固定されている。閉鎖弁支持台(25)には、ガス閉鎖弁(V1)と液閉鎖弁(V2)とが固定されて支持されている。この例では、閉鎖弁支持台(25)は、構造体(20)を構成する金属と同種の金属(具体的には鉄)によって構成されている。
【0039】
〈圧縮機〉
圧縮機(30)は、圧縮機ケーシング(31)と、圧縮機構(32)と、モータ(33)とを有している。圧縮機ケーシング(31)は、両端が閉塞された筒状に形成され、圧縮機構(32)とモータ(33)とを収納している。圧縮機構(32)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。モータ(33)は、圧縮機構(32)を駆動させる。なお、圧縮機ケーシング(31)は、導電性を有する金属(例えば銅)によって構成されている。
【0040】
〈熱交換器〉
図6と
図7に示すように、熱交換器(40)は、第1方向に延設している。この例では、熱交換器(40)は、左前方から左後方へと延設され、左後方から右後方へと延設され、右後方から右前方へと延設される上面視においてU字状に形成されている。すなわち、第1方向は、左前方からU字状に右前方へと熱交換器(40)が延びる方向となっている。第1冷媒配管(P1)(この例では第3配管部(P13))は、第1方向における熱交換器(40)の一端部(具体的には左前の端部)に接続されている。
【0041】
具体的には、この例では、熱交換器(40)は、複数の伝熱管(41)と、複数のフィン(42)と、複数のヘッダ集合管(43)(この例では第1ヘッダ集合管(43a)と第2ヘッダ集合管(43b)と第3ヘッダ集合管(43c))と、連絡管(44)と、分流器(45)とを有している。
【0042】
複数の伝熱管(41)は、上下方向において互いに平行に配置されて水平方向に延びている。また、複数の伝熱管(41)は、第1方向(この例ではU字状の方向)に沿うように延びている。なお、この例では、熱交換器(40)は、平面視において伝熱管(41)が2列に配列された複数列型の熱交換器(40)である。複数のフィン(42)は、第1方向に所定のピッチで配列されて複数の伝熱管(41)に取り付けられている。第1ヘッダ集合管(43a)と第3ヘッダ集合管(43c)は、それぞれが円筒状に形成され、伝熱管(41)の延伸方向の一端側に配置され、複数の伝熱管(41)の一端部が接続されている。第2ヘッダ集合管(43b)は、断面矩形の筒状に形成され、伝熱管(41)の延伸方向の他端側に配置され、複数の伝熱管(41)の他端部が接続されている。この例では、冷房運転時には、第1ヘッダ集合管(43a)側から第2ヘッダ集合管(43b)側へ向けて伝熱管(41)を流れる冷媒が第2ヘッダ集合管(43b)において折り返される。第2ヘッダ集合管(43b)において折り返された冷媒は、折り返される前と別の伝熱管(41)に流入し、第2ヘッダ集合管(43b)側から第3ヘッダ集合管(43c)側へ向けて流れる。
【0043】
連絡管(44)は、伝熱管(41)の延伸方向の一端側に配置された第1ヘッダ集合管(43a)に接続されている。そして、連絡管(44)には、第1冷媒配管(P1)(この例では第3配管部(P13))が接続される。すなわち、熱交換器(40)は、伝熱管(41)の延伸方向における一端部(熱交換器(40)の一端部)に第1冷媒配管(P1)が接続され、伝熱管(41)の延伸方向における他端部(熱交換器(40)の他端部)において伝熱管(41)内を流れる冷媒を折り返すように構成されている。分流器(45)は、伝熱管(41)の延伸方向の一端側に配置された第3ヘッダ集合管(43c)に接続されている。そして、分流器(45)には、第3冷媒配管(P3)が接続される。
【0044】
また、この例では、熱交換器(40)は、複数の熱交換部(400)(この例では第1熱交換部(401)と第2熱交換部(402)と第3熱交換部(403))を有している。複数の熱交換部(400)は、それぞれが板状に形成され、第1方向(この例ではU字状の方向)に沿うように並んでいる。具体的には、第1方向の一端側から他端側へ向けて、第1熱交換部(401)と第2熱交換部(402)と第3熱交換部(403)とが順に配置されている。そして、第1冷媒配管(P1)は、複数の熱交換部(400)のいずれか1つ(この例では第1方向の一端側に位置する第1熱交換部(401))に接続されている。
【0045】
なお、この例では、熱交換器(40)は、構造体(20)を構成する金属とは異なる金属(具体的にはアルミニウム)によって構成されている。詳しくは、熱交換器(40)を構成する複数の伝熱管(41)と複数のフィン(42)と複数のヘッダ集合管(43)と連絡管(44)は、アルミニウムによって構成されている。
【0046】
〈絶縁部材〉
絶縁部材(50)は、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に絶縁している。この例では、絶縁部材(50)は、構造体(20)の底板(202)に載置され、熱交換器(40)は、絶縁部材(50)に載置されている。具体的には、
図5に示すように、熱交換器(40)の3つの熱交換部(400)と構造体(20)の底板(202)との間に3つの絶縁部材(50)がそれぞれ配置されている。
【0047】
なお、この例では、絶縁部材(50)は、絶縁性と弾性を有している。例えば、絶縁部材(50)は、絶縁ゴムによって構成されている。
【0048】
〈接続部材〉
接続部材(60)は、熱交換器(40)に取り付けられている。この例では、接続部材(60)は、熱交換器(40)において熱交換器(40)と第1冷媒配管(P1)との接続部分よりも第1方向における熱交換器(40)の他端部に近い位置に取り付けられている。すなわち、接続部材(60)は、熱交換器(40)のうち熱交換器(40)と第1冷媒配管(P1)との接続部分から第1方向における熱交換器(40)の他端部までの部分(ただし熱交換器(40)と第1冷媒配管(P1)との接続部分を除く部分)に取り付けられている。
【0049】
具体的には、接続部材(60)は、熱交換器(40)のうち伝熱管(41)の延伸方向における中央(X)(
図7参照)から伝熱管(41)の延伸方向における他端部(この例では右前の端部)までの部分に取り付けられている。すなわち、接続部材(60)は、伝熱管(41)の延伸方向において熱交換器(40)の一端部と熱交換器(40)の他端部との中央(X)から熱交換器(40)の他端部までの部分に取り付けられている。なお、伝熱管(41)の中央(X)は、伝熱管(41)の一端から他端までの長さの中央の位置である。また、別の言い方をすれば、接続部材(60)は、複数の熱交換部(400)のうち第1冷媒配管(P1)が接続された熱交換部(400)(この例では第1熱交換部(401))ではない他の熱交換部(400)に取り付けられている。
【0050】
また、接続部材(60)は、熱交換器(40)の上部に取り付けられている。この例では、接続部材(60)は、熱交換器(40)の上端部に取り付けられ、熱交換器(40)と第2ケーシング(22)との間に配置されている。
【0051】
図4と
図5と
図8に示すように、この例では、接続部材(60)は、第1方向における熱交換器(40)の他端部の上端部に取り付けられている。別の言い方をすれば、接続部材(60)は、複数の熱交換部(400)のうち第1方向において第1冷媒配管(P1)が接続された第1熱交換部(401)から最も遠い第3熱交換部(403)の上端部に取り付けられている。
【0052】
また、
図8に示すように、この例では、接続部材(60)は、構造体(20)に固定されている。具体的には、接続部材(60)は、構造体(20)の支柱部材(205)に固定(この例ではネジ止めにより固定)されている。
【0053】
〈接続部材の構成〉
また、
図8と
図9に示すように、接続部材(60)は、第1接続部(61)と、第2接続部(62)と、絶縁層(63)と、被覆部材(64)と、シール部材(65)とを有している。
【0054】
《第1接続部》
第1接続部(61)は、熱交換器(40)を構成する金属と同種の金属(この例ではアルミニウム)により構成されて熱交換器(40)と接触している。この例では、第1接続部(61)は、本体部(61a)と折り返し部(61b)とを有している。第1接続部(61)の本体部(61a)は、熱交換器(40)の上端部に上方から嵌合するように下向きに開口する断面U字状に形成されている。第1接続部(61)の折り返し部(61b)は、断面U字状の本体部(61a)の下端部から上向きに折り返されている。
【0055】
《第2接続部》
第2接続部(62)は、構造体(20)を構成する金属と同種の金属(この例では鉄)により構成されて構造体(20)に固定されている。この例では、第2接続部(62)は、本体部(62a)と延出部(62b)とを有している。第2接続部(62)の本体部(62a)は、後述するシール部材(65)を間に挟んで第1接続部(61)の本体部(61a)に上方から嵌合するように下向きに開口する断面U字状に形成されている。第2接続部(62)の延出部(62b)は、第2接続部(62)の本体部(62a)から延出して構造体(20)の支柱部材(205)に固定(この例ではネジ止めにより固定)される。
【0056】
《絶縁層》
絶縁層(63)は、第1接続部(61)と第2接続部(62)とを電気的に絶縁している。また、絶縁層(63)には、第1接続部(61)の一部と第2接続部(62)の一部とを接触させるための欠落部(63a)が設けられている。この例では、絶縁層(63)は、第2接続部(62)の本体部(62a)の表面に塗装された絶縁塗料によって構成されている。そして、第2接続部(62)の本体部(62a)の表面に塗装された絶縁塗料の一部が剥がし取られて欠落部(63a)が構成されている。
【0057】
《被覆部材》
被覆部材(64)は、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分(すなわち絶縁層(63)の欠落部(63a))を被覆している。この例では、被覆部材(64)は、防水性を有するテープによって構成されている。
【0058】
《シール部材》
シール部材(65)は、第1接続部(61)の本体部(61a)に上方から嵌合するように下向きに開口する断面U字状に形成され、第1接続部(61)の本体部(61a)と第2接続部(62)の本体部(62a)との間に設けられている。シール部材(65)は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のようなゴムの絶縁材によって構成されている。
【0059】
〈電装品箱〉
電装品箱(70)には、熱交換ユニット(10)の電力供給系統を構成する電気部品(例えば電力変換部(71)やノイズフィルタ(72)など)や、熱交換ユニット(10)の構成部品(例えば圧縮機(30)やファン(11)や膨張弁(12)や四方切換弁(13)など)を制御するための電子部品などが収納されている。
【0060】
〔電力供給系統〕
図10は、熱交換ユニット(10)の電力供給系統の構成を例示している。この電力供給系統は、電源(ES)と圧縮機(30)のモータ(33)とに接続されており、電力変換部(71)とノイズフィルタ(72)とを備えている。
【0061】
〈電力変換部〉
電力変換部(71)は、電源(ES)から供給された電力をスイッチング動作により所定の出力電力に変換して出力電力を圧縮機(30)のモータ(33)に供給するように構成されている。なお、電力変換部(71)のスイッチング動作は、例えば、パルス幅変調制御により制御される。この例では、電力変換部(71)は、コンバータ回路(71a)と、直流リンク部(71b)と、インバータ回路(71c)とを有している。
【0062】
コンバータ回路(71a)は、電源(ES)から供給された電力(この例では三相交流電力)を整流するように構成されている。例えば、コンバータ回路(71a)は、複数の整流ダイオードがブリッジ状に結線されたダイオードブリッジ回路によって構成されている。
【0063】
直流リンク部(71b)は、コンバータ回路(71a)の出力を平滑化してインバータ回路(71c)に出力するように構成されている。例えば、直流リンク部(71b)は、平滑コンデンサとリアクトルとを有している。
【0064】
インバータ回路(71c)は、複数のスイッチング素子を有し、直流リンク部(71b)からの電力(直流電力)を複数のスイッチング素子のスイッチング動作により所定の出力電力(この例では三相交流電力)に変換するように構成されている。具体的には、インバータ回路(71c)は、三相交流電力をモータ(33)に供給するために、ブリッジ結線された6つのスイッチング素子と、6つのスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続された6つの還流ダイオードとを有している。詳しく説明すると、インバータ回路(71c)は、2つのスイッチング素子を互いに直列に接続してなる3つのスイッチングレグを備え、3つのスイッチングレグの中点(すなわち上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子との接続点)がモータ(33)の三相の巻線(U相,V相,W相の巻線)にそれぞれ接続されている。なお、インバータ回路(71c)のスイッチング動作は、例えば、パルス幅変調制御により制御される。
【0065】
〈ノイズフィルタ〉
ノイズフィルタ(72)は、電源(ES)と電力変換部(71)とを接続する電源線(700)に設けられ、ノイズを低減させるように構成されている。具体的には、ノイズフィルタ(72)は、Yコンデンサ(72a)と、電源側コモンモードチョークコイル(72b)と、負荷側コモンモードチョークコイル(72c)とを有している。
【0066】
Yコンデンサ(72a)の一端は、電源線(700)に接続され、Yコンデンサ(72a)の他端は、アースに接続されている。この例では、Yコンデンサ(72a)は、3つの電源線とアースとの間にそれぞれ接続された3つのコンデンサによって構成されている。
【0067】
電源側コモンモードチョークコイル(72b)は、電源線(700)において電源(ES)とYコンデンサ(72a)の一端(すなわち電源線(700)とYコンデンサ(72a)との接続点)との間に設けられている。この例では、電源側コモンモードチョークコイル(72b)は、3つの電源線にそれぞれ設けられて電源(ES)とYコンデンサ(72a)を構成する3つのコンデンサの一端との間にそれぞれ配置された3つのリアクトルによって構成されている。
【0068】
負荷側コモンモードチョークコイル(72c)は、電源線(700)においてYコンデンサ(72a)の一端(すなわち電源線(700)とYコンデンサ(72a)との接続点)と電力変換部(71)との間に設けられている。この例では、負荷側コモンモードチョークコイル(72c)は、3つの電源線にそれぞれ設けられてYコンデンサ(72a)を構成する3つのコンデンサの一端と電力変換部(71)との間にそれぞれ配置された3つのリアクトルによって構成されている。
【0069】
〈圧縮機において形成されるキャパシタ〉
本実施形態の熱交換ユニット(10)では、圧縮機(30)においてキャパシタが形成されている。このキャパシタには、例えば、モータ(33)の巻線(図示を省略)とモータ(33)のステータコア(図示を省略)との間の浮遊容量や、モータ(33)と圧縮機ケーシング(31)との間の浮遊容量や、圧縮機ケーシング(31)と構造体(20)との間の浮遊容量などが含まれている。
【0070】
〔熱交換ユニットにおける電気的な接続〕
本実施形態の熱交換ユニット(10)では、圧縮機(30)は、熱交換器(40)および構造体(20)と電気的に接続されている。この例では、第1導電経路(E1)として、圧縮機(30)と熱交換器(40)とが第1冷媒配管(P1)により接続されている。このような構成により、圧縮機(30)は、第1冷媒配管(P1)により熱交換器(40)と電気的に接続されている。また、第2導電経路(E2)として、圧縮機(30)とガス閉鎖弁(V1)とが第2冷媒配管(P2)により接続され、ガス閉鎖弁(V1)が閉鎖弁支持台(25)により構造体(20)の底板(202)に固定されている。このような構成により、圧縮機(30)は、第2冷媒配管(P2)とガス閉鎖弁(V1)と閉鎖弁支持台(25)とにより構造体(20)と電気的に接続されている。
【0071】
また、接続部材(60)は、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に接続している。この例では、接続部材(60)は、熱交換器(40)に取り付けられて構造体(20)の支柱部材(205)に固定されている。このような構成により、熱交換器(40)は、接続部材(60)により構造体(20)と電気的に接続されている。
【0072】
〔熱交換ユニットにおける電気的な接続に対応する等価回路〕
図11は、熱交換ユニット(10)における電気的な接続に対応する等価回路を例示している。なお、
図11の例では、電源(ES)の代わりに測定装置(80)が接続されている。この測定装置(80)は、雑音端子電圧を測定するためのLISN(Line Impedance Stabilization Network)である。
【0073】
図11に示すように、圧縮機(30)と熱交換器(40)との間には、第1導電経路(E1)が形成され、圧縮機(30)と構造体(20)との間には、第2導電経路(E2)が形成されている。そして、熱交換器(40)と構造体(20)とが絶縁部材(50)により電気的に絶縁されることで、熱交換器(40)と構造体(20)との間にキャパシタ(C)が形成されている。このような電気的な接続により、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路(
図11における第1点Q1と第2点Q2との間の導電経路)には、熱交換器(40)と構造体(20)との間に形成されたキャパシタ(C)を含む並列共振回路が構成されている。このように、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に並列共振回路が構成されると、その導電経路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)が高くなり、その結果、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れにくくなる。そのため、接続部材(60)により熱交換器(40)と構造体(20)とが電気的に接続されていない場合は、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することが困難となる。
【0074】
なお、本実施形態の熱交換ユニット(10)では、熱交換器(40)と構造体(20)とを接続部材(60)で電気的に接続されており、熱交換器(40)と構造体(20)との間に第3導電経路(E3)が形成されている。これにより、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路(キャパシタ(C)を含む並列共振回路)の周波数特性を変更することができるので、この並列共振回路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができ、その結果、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することができる。
【0075】
〔熱交換ユニットの周波数特性〕
図12は、熱交換ユニット(10)における周波数特性を例示している。
図12の例において、破線は、接続部材(60)が設けられていない熱交換ユニット(比較例)の周波数特性を例示し、実線は、本実施形態の熱交換ユニット(10)の周波数特性を例示している。また、
図12の縦軸に示されたゲインは、測定装置(80)において測定される電圧を電力変換部(71)において測定される電圧で除算して得られる値に対応している。
【0076】
図12の破線で示すように、接続部材(60)が設けられていない熱交換ユニット(比較例)では、特定の周波数帯域(
図12の例では8MHzを中心とする周波数帯域)に共振によるピークが現れている。これは、この特定の周波数帯域においてノイズが顕著に現れることを意味している。
【0077】
一方、
図12の実線で示すように、接続部材(60)が設けられている本実施形態の熱交換ユニット(10)では、特定の周波数帯域(
図12の例では8MHzを中心とする周波数帯域)に共振によるピークが現れていない。これは、この特定の周波数帯域においてノイズが低減されることを意味している。
【0078】
〔実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の熱交換ユニット(10)は、熱交換器(40)と、熱交換器(40)を支持する構造体(20)と、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に絶縁する絶縁部材(50)と、熱交換器(40)および構造体(20)と電気的に接続される圧縮機(30)と、熱交換器(40)に取り付けられ、圧縮機(30)と熱交換器(40)とを電気的に接続する第1導電経路(E1)および圧縮機(30)と構造体(20)とを電気的に接続する第2導電経路(E2)とは別に、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に接続する接続部材(60)とを備えている。
【0079】
本実施形態では、熱交換器(40)と構造体(20)とを接続部材(60)で電気的に接続することにより、熱交換器(40)と構造体(20)との間に第3導電経路(E3)を形成することができる。これにより、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路(キャパシタ(C)を含む並列共振回路)の周波数特性を変更することができるので、この並列共振回路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができ、その結果、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路におけるインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズを低減することができる。
【0080】
また、本実施形態の熱交換ユニット(10)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)とに接続された第1冷媒配管(P1)を備えている。熱交換器(40)は、第1方向に沿うように延設されている。第1冷媒配管(P1)は、第1方向における熱交換器(40)の一端部に接続されている。接続部材(60)は、熱交換器(40)において熱交換器(40)と第1冷媒配管(P1)との接続部分よりも第1方向における熱交換器(40)の他端部に近い位置に取り付けられている。
【0081】
本実施形態では、接続部材(60)が第1方向における熱交換器(40)の一端部(第1冷媒配管(P1)が接続される側の端部)に取り付けられる場合よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0082】
また、本実施形態の熱交換ユニット(10)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)とに接続された第1冷媒配管(P1)を備えている。熱交換器(40)は、水平方向に延びる伝熱管(41)を有し、伝熱管(41)の延伸方向における熱交換器(40)の一端部に第1冷媒配管(P1)が接続され、伝熱管(41)の延伸方向における熱交換器(40)の他端部において伝熱管(41)内を流れる冷媒を折り返すように構成されている。接続部材(60)は、伝熱管(41)の延伸方向において熱交換器(40)の一端部と熱交換器(40)の他端部との中央(X)から熱交換器(40)の他端部までの部分に取り付けられている。
【0083】
本実施形態では、接続部材(60)が伝熱管(41)の延伸方向において熱交換器(40)の一端部から熱交換器(40)の一端部と熱交換器(40)の他端部との中央(X)までの部分に取り付けられる場合よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0084】
また、本実施形態の熱交換ユニット(10)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)とに接続された第1冷媒配管(P1)を備えている。熱交換器(40)は、それぞれが板状に形成された複数の熱交換部(400)を有している。第1冷媒配管(P1)は、複数の熱交換部(400)のいずれか1つに接続されている。接続部材(60)は、複数の熱交換部(400)のうち第1冷媒配管(P1)が接続された熱交換部(400)ではない他の熱交換部(400)に取り付けられている。
【0085】
本実施形態では、第1冷媒配管(P1)が接続される熱交換部(400)に接続部材(60)が取り付けられる場合よりも、圧縮機(30)と熱交換器(40)と構造体(20)との間の導電経路に形成された並列共振回路のインピーダンス(特定の周波数帯域におけるインピーダンス)を低減することができる。これにより、特定の周波数帯域の電流がノイズフィルタ(72)に流れやすくなるので、特定の周波数帯域におけるノイズをさらに低減することができる。
【0086】
また、本実施形態において、絶縁部材(50)は、構造体(20)に載置されている。熱交換器(40)は、絶縁部材(50)に載置されている。接続部材(60)は、熱交換器(40)の上部に取り付けられている。
【0087】
本実施形態では、接続部材(60)を熱交換器(40)の下部に取り付ける場合よりも、絶縁部材(50)に載置された熱交換器(40)に対する接続部材(60)の取り付けを容易にすることができる。これにより、熱交換ユニット(10)の組み立てを容易にすることができる。
【0088】
また、本実施形態の熱交換ユニット(10)は、ファン(11)を備えている。構造体(20)は、圧縮機(30)と熱交換器(40)とを収納する第1ケーシング(21)と、第1ケーシング(21)の上部に設けられてファン(11)を収納する第2ケーシング(22)とを有している。接続部材(60)は、熱交換器(40)と第2ケーシング(22)との間に配置されている。
【0089】
また、本実施形態において、接続部材(60)は、構造体(20)に固定されている。
【0090】
本実施形態では、熱交換器(40)の上部に取り付けられた接続部材(60)を構造体(20)に固定することにより、熱交換器(40)の揺れを抑制することができる。これにより、熱交換器(40)の揺れによる損傷を低減することができる。
【0091】
また、本実施形態において、熱交換器(40)は、構造体(20)を構成する金属とは異種の金属により構成されている。接続部材(60)は、熱交換器(40)を構成する金属と同種の金属により構成されて熱交換器(40)と接触する第1接続部(61)と、構造体(20)を構成する金属と同種の金属により構成されて構造体(20)に固定される第2接続部(62)と、第1接続部(61)と第2接続部(62)とを電気的に絶縁する層であり、第1接続部(61)の一部と第2接続部(62)の一部とを接触させるための欠落部(63a)が設けられた絶縁層(63)と、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分を被覆する被覆部材(64)とを有している。
【0092】
本実施形態では、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分を被覆部材(64)で被覆することにより、第1接続部(61)と第2接続部(62)との接触部分に水が浸入することを防止することができる。これにより、電食の発生を防止することができる。
【0093】
また、本実施形態において、絶縁部材(50)は、弾性を有している。
【0094】
本実施形態では、弾性を有する絶縁部材(50)に熱交換器(40)を載置することにより、熱交換器(40)の揺れを抑制することができる。これにより、熱交換器(40)の揺れによる損傷を低減することができる。
【0095】
(その他の実施形態)
以上の説明では、第2導電経路(E2)の一例として、圧縮機(30)が第2冷媒配管(P2)とガス閉鎖弁(V1)と閉鎖弁支持台(25)とにより構造体(20)と電気的に接続されている例に挙げた。第2導電経路(E2)として、例えば、第1冷媒配管(P1)や四方切換弁(13)やアキュムレータ(14)やオイルセパレータ(15)などにより圧縮機(30)と構造体(20)とを電気的に接続させてもよい。すなわち、圧縮機(30)と熱交換器(40)とに接続された第1冷媒配管(P1)を構造体(20)に固定することにより圧縮機(30)を第1冷媒配管(P1)を通じて構造体(20)と電気的に接続させてもよいし、アキュムレータ(14)やオイルセパレータ(15)を構造体(20)の底板(202)に電気的に接続することにより圧縮機(30)をアキュムレータ(14)やオイルセパレータ(15)を通じて構造体(20)と電気的に接続させてもよい。
【0096】
また、以上の説明では、熱交換器(40)の一例として、上面視U字形状の熱交換器(40)を例に挙げたが、熱交換器(40)の形状は、これに限られない。例えば、熱交換器(40)の形状は、上面視L字形状であってもよいし、四角形状であってもよいし、直線形状であってもよい。上面視L字形状の熱交換器(40)の場合に、L字形状の熱交換器(40)の一端部に第1冷媒配管(P1)が接続され、L字形状の熱交換器(40)の他端側に近い位置に接続部材(60)を取り付けてもよい。また、伝熱管(41)の延設方向に沿ってL字形状の熱交換器(40)の中央(X)よりも他端側に接続部材(60)を取り付けてもよい。さらには、L字形状の熱交換器(40)の第1冷媒配管(P1)が接続される一端側の第1熱交換部ではなく、伝熱管(41)が折り返される他端側の第2熱交換部に接続部材(60)を取り付けてもよい。なお、接続部材(60)を取り付ける位置は、上面視L字形状のみではなく、上面視四角形状であっても、直線形状であっても同様である。
【0097】
また、以上の説明では、熱交換ユニット(10)に四方切換弁(13)が設けられている場合を例に挙げたが、熱交換ユニット(10)に四方切換弁(13)が設けられていなくてもよい。この場合、圧縮機(30)の吐出ポート(または吸入ポート)と熱交換器(40)とが第1冷媒配管(P1)により接続され、圧縮機(30)の吸入ポート(または吐出ポート)とガス閉鎖弁(V1)とが第2冷媒配管(P2)により接続されることになる。すなわち、熱交換ユニット(10)は、冷房専用機(または暖房専用機)を構成するものであってもよい。
【0098】
また、以上の説明では、利用側熱交換器(91)が利用側ユニット(90)に設けられている場合を例に挙げたが、熱交換ユニット(10)に利用側熱交換器(91)が設けられていてもよい。この場合、ガス側連絡配管(101)と液側連絡配管(102)とガス閉鎖弁(V1)と液閉鎖弁(V2)とが省略されることになる。
【0099】
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
【解決手段】構造体(20)は、熱交換器(40)を支持する。絶縁部材(50)は、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に絶縁する。圧縮機(30)は、熱交換器(40)および構造体(20)と電気的に接続されている。接続部材(60)は、熱交換器(40)に取り付けられ、圧縮機(30)と熱交換器(40)とを電気的に接続する第1導電経路(E1)および圧縮機(30)と構造体(20)とを電気的に接続する第2導電経路(E2)とは別に、熱交換器(40)と構造体(20)とを電気的に接続している。