特許第6583610号(P6583610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583610
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】車両の充電システムの故障診断装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190919BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20190919BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20190919BHJP
【FI】
   H02J7/00 Y
   H02J7/00 P
   B60L53/00
   B60L3/00 S
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-86856(P2015-86856)
(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公開番号】特開2016-7121(P2016-7121A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2018年3月23日
(31)【優先権主張番号】特願2014-109093(P2014-109093)
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 悠
(72)【発明者】
【氏名】相羽 規芳
(72)【発明者】
【氏名】野中 隆志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 憲司
(72)【発明者】
【氏名】山中 康弘
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−104141(JP,A)
【文献】 特開2011−239556(JP,A)
【文献】 特開2010−183672(JP,A)
【文献】 特開平06−343202(JP,A)
【文献】 特開2008−074195(JP,A)
【文献】 特開2014−050116(JP,A)
【文献】 米国特許第05659240(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H01M10/42−10/48
B60L1/00−3/12
B60L7/00−13/00
B60L15/00−15/42
B60L50/00−58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された充電器に外部電源が接続されて車載電池を充電する車両の充電システムの故障診断装置であって、
前記充電器が出力する充電開始信号を送信するための充電開始信号用回路と、
前記充電開始信号用回路を介して前記充電器と接続され、前記充電開始信号が入力される制御部と、を備え、
前記充電器は、前記車両のイグニッションスイッチオンに伴って起動した際、前記充電開始信号を一時的に出力するよう構成され、
前記制御部は、前記充電開始信号用回路が故障であることを判定する故障判定部を有し、
前記故障判定部は、前記車両のイグニッションスイッチオンに伴って前記制御部が起動した際、前記充電開始信号が入力されない場合に、前記充電開始信号用回路が故障であることを判定することを特徴とする車両の充電システムの故障診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記故障判定部による前記充電開始信号用回路の故障判定を規制する故障判定規制部を有し、
前記故障判定規制部は、前記充電開始信号用回路の電源電圧が所定値以下の場合に、前記故障判定部による前記充電開始信号用回路の故障判定を規制することを特徴とする請求項1に記載の車両の充電システムの故障診断装置。
【請求項3】
前記充電開始信号用回路の電源電圧は、前記制御部のバックアップ電源から供給されることを特徴とする請求項2に記載の車両の充電システムの故障診断装置。
【請求項4】
前記故障判定部は、前記制御部に前記充電開始信号が入力しない場合には、前記充電開始信号用回路に断線、天絡または地絡のいずれかが発生した前記充電開始信号用回路の故障であると判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両の充電システムの故障診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載電池を充電する車両の充電システムの故障診断技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やプラグインハイブリッド車のように、充電ガンを接続し外部電源と車載充電器とを接続して、車両に搭載されている電池(バッテリ)を充電する車両では、車両電源オフ(イグニッションスイッチオフ)時においても充電可能とするために、充電ガンの車両への接続を検知して、車載充電器から充電開始信号を車両のコントロールユニットに出力し、当該コントロールユニットを起動させる起動回路が搭載されている。
【0003】
そして、このように外部電源から充電する車両において、各種故障診断装置が提案されている。例えば特許文献1では、外部電源接続時と非接続時において、車両機器の各種故障診断の頻度を変更することで、車載電池の電力消費を抑えつつ故障診断の頻度を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4586888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように充電開始する際にコントロールユニットを起動可能な車両には、車載充電器から充電開始信号を車両のコントロールユニットに出力するために、車載充電器とコントロールユニットとを接続する充電開始信号用回路が設けられている。
しかしながら、この充電開始信号用回路に断線、天絡、地絡が発生していると、充電開始信号が正確にコントロールユニットに入力せずに、充電が不能になる虞があるので、この充電開始信号用回路についての故障判定が要求されている。
【0006】
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、充電開始信号用回路の故障判定を可能とし信頼性を向上させる車両の充電システムの故障診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の車両の故障診断装置では、車両に搭載された充電器に外部電源が接続されて車載電池を充電する車両の充電システムの故障診断装置であって、前記充電器が出力する充電開始信号を送信するための充電開始信号用回路と、前記充電開始信号用回路を介して前記充電器と接続され、前記充電開始信号が入力される制御部と、を備え、前記充電器は、前記車両のイグニッションスイッチオンに伴って起動した際、前記充電開始信号を一時的に出力するよう構成され、前記制御部は、前記充電開始信号用回路が故障であることを判定する故障判定部を有し、前記故障判定部は、前記車両のイグニッションスイッチオンに伴って前記制御部が起動した際、前記充電開始信号が入力されない場合に、前記充電開始信号用回路が故障であることを判定することを特徴とする。
【0008】
また、好ましくは、前記制御部は、前記故障判定部による前記充電開始信号用回路の故障判定を規制する故障判定規制部を有し、前記故障判定規制部は、前記充電開始信号用回路の電源電圧が所定値以下の場合に、前記故障判定部による前記充電開始信号用回路の故障判定を規制するとよい。
また、好ましくは、前記充電開始信号用回路の電源電圧は、前記制御部のバックアップ電源から供給されるとよい。
【0009】
また、好ましくは、前記故障判定部は、前記制御部に前記充電開始信号が入力しない場合には、前記充電開始信号用回路に断線、天絡または地絡のいずれかが発生した前記充電開始信号用回路の故障であると判定するとよい。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、充電開始信号用回路を備えることで、充電器から制御部に充電開始を伝達することができる。そして、イグニッションスイッチオンに伴って制御部が起動した際に、制御部に充電開始信号が入力されない場合には、充電器から制御部に充電開始信号を出力する充電開始信号用回路が故障であると判定することができる。イグニッションスイッチオンする毎に充電開始信号用回路が故障判定されるので、故障判定の機会を増加させ、充電システムの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の充電システムの概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態における起動回路の構成を示す回路図である。
図3】第1の実施形態でのイグニッションスイッチオフ時における充電ガン接続の際の、充電開始信号、コントロールユニット、EV電源リレー、車載充電器のオンオフのタイミングを示すタイミングチャートである。
図4】第1の実施形態でのイグニッションスイッチオン時における充電開始信号、コントロールユニット、EV電源リレー、車載充電器のオンオフのタイミングを示すタイミングチャートである。
図5】第1の実施形態の故障検知機能における判定例を示すタイミングチャートである。
図6】第2の実施形態における起動回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図1〜5に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の充電システムの概略構成図である。
本発明は、電気自動車やプラグインハイブリッド車のように、外部電源と接続して、車両に搭載されている走行駆動用バッテリ(車載電池)を充電する車両の充電システムに適用される。
【0013】
本実施形態の車両は、車両の総合的な制御を行うコントロールユニット1(制御部(故障判定部、故障判定規制部を含む))と、車載充電器2(充電器)を備えている。
コントロールユニット1には、走行駆動用バッテリに対する充電(充電電流、充電電圧)を制御する充電制御機能が備えられる。
車載充電器2には、外部電源から電力を供給するための充電ガン3が接続可能になっている。
【0014】
充電ガン3を接続することで、外部電源から充電ガン3を介して車載充電器2に供給された電力は、車両に搭載された図示しない走行駆動用バッテリに供給されて、当該走行駆動用バッテリを充電する。
更に、車載充電器2には、充電ガン3を接続したことを検出するスイッチ4が内蔵されている。
【0015】
コントロールユニット1と車載充電器2とは、充電開始信号を送信するための充電開始信号用回路5が接続されている。車載充電器2は、車載充電器2に充電ガン3が接続されたときに、充電開始信号用回路5を介してコントロールユニット1に充電開始信号を出力する。
また、コントロールユニット1と車載充電器2とは、CAN(Controller Area Network)6によって接続され、車両電源オン(イグニッションスイッチオン)時において当該CAN6を介してコントロールユニット1と車載充電器2との間で各種制御信号の送受信が行われる。
【0016】
また、車両には、コントロールユニット1等の各種車載機器の電源としてバッテリ7が搭載されている。バッテリ7は、車両に搭載されたEV電源リレー8のリレースイッチ9を介してコントロールユニット1及び車載充電器2と接続されている。
EV電源リレー8のコイル10は、コントロールユニット1のM端子と接続され、コントロールユニット1から出力した電流によって励磁し、リレースイッチ9をオンにする。
【0017】
コントロールユニット1のP端子には、イグニッションスイッチ(IG・SW)11が接続されており、イグニッションスイッチ11のオン時、即ち車両電源オン時には、P端子、M端子を介して電流が流れEV電源リレー8のコイル10が励磁して、リレースイッチ9がオンになる。リレースイッチ9がオンになることで、バッテリ7とコントロールユニット1及び車載充電器2とが接続され、バッテリ7からコントロールユニット1の電源端子であるL端子及び車載充電器2に電力が供給される。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施形態における起動回路20の構成を示す回路図である。
図2に示すように、コントロールユニット1には、例えばイグニッションオフ状態など、コントロールユニット1に電力が供給されない状態であっても、コントロールユニット1の記憶装置(RAM)に記憶されたデータ等を維持するために、バックアップ電源回路21(バックアップ電源)が備えられている。
【0019】
バックアップ電源回路21は、バッテリ7から常時電力が供給されている。
車両には、起動回路20が備えられている。起動回路20は、上述の車載充電器2内のスイッチ4、充電開始信号用回路5、EV電源リレー8、バックアップ電源回路21と、コントロールユニット1内のトランジスタ22とを有している。
バックアップ電源回路21からトランジスタ22のエミッタEに電力が供給可能に接続されており、トランジスタ22のベースBは充電開始信号用回路5に接続されるN端子に接続され、トランジスタ22のコレクタCはEV電源リレー8のコイル10に接続されるM端子に接続されている。
【0020】
また、トランジスタ22のコレクタCは、コントロールユニット1内の充電開始信号の入力を監視するモニタ回路23に接続されている。
したがって、充電ガン3を車載充電器2に接続することで、スイッチ4がオンになると、バックアップ電源回路21からトランジスタ22のエミッタE、ベースB、充電開始信号用回路5、車載充電器2のスイッチ4を介して電流が流れる。これに伴い、トランジスタ22のコレクタCに接続されたEV電源リレー8のコイル10に電流が流れて、EV電源リレー8が励磁する。したがって、EV電源リレー8のリレースイッチ9がオンになり、バッテリ7からコントロールユニット1及び車載充電器2に電力が供給されて夫々起動する。また、充電開始信号用回路5に流れる電流によりコントロールユニット1に充電開始信号が出力され、充電開始がされたことを検出できる。
【0021】
以上のような起動回路20により、イグニッションスイッチ11がオフであってコントロールユニット1及び車載充電器2が起動していなくとも、充電ガン3が接続されることで、コントロールユニット1及び車載充電器2を起動させ、充電ガン3を介して外部電源から走行駆動用バッテリの充電を行うことができる。
図3は、第1の実施形態でのイグニッションスイッチ11オフ時における充電ガン3接続の際の、充電開始信号、コントロールユニット1、EV電源リレー8、車載充電器2のオンオフ(起動、停止)を示すタイミングチャートである。
【0022】
図3に示すように、イグニッションスイッチ11オフ時において、充電ガン3を接続すると、充電開始信号がオンとなり、EV電源リレー8がオンとなる。そして、コントロールユニット1及び車載充電器2が起動する。
更に、本実施形態では、コントロールユニット1に、充電開始信号用回路5の断線や天絡により、充電ガン3が接続しても充電不能となっている故障を検知する故障検知機能(故障判定部)が備えられている。
【0023】
図4は、第1の実施形態でのイグニッションスイッチ11オン時における充電開始信号、コントロールユニット1、EV電源リレー8、車載充電器2のオンオフ(起動、停止)のタイミングを示すタイミングチャートである。図5は第1の実施形態の故障検知機能における判定例を示すタイミングチャートであり、A)が正常時、B)が異常時を示す。
故障検知機能は、イグニッションスイッチ11オン時に行われる。
【0024】
図4に示すように、イグニッションスイッチ11がオンになると、EV電源リレー8がオンとなり、コントロールユニット1及び車載充電器2が起動する。そして、車載充電器2は、起動後に充電開始信号を一時的に(例えば数秒程度)オンにする(出力する)機能を有している。
したがって、充電開始信号用回路5の断線や天絡のない正常時には、図5(A)に示すように、イグニッションスイッチ11オン後に、充電開始信号が一時的にオンとなってコントロールユニット1に入力する。
【0025】
一方で、充電開始信号用回路5が断線または天絡している場合は、充電開始信号用回路5とコントロールユニット1とを接続するN端子(図1図2に示す)に電流が流れないため、イグニッションスイッチ11オン後に、充電開始信号が一時的にオンとなっても、コントロールユニット1に充電開始信号は入力されない。
したがって、図5(B)に示すように、判定許可条件成立時(イグニッションスイッチ11オン後の所定時間(例えば3秒程度以内等)に充電開始信号がオンにならない(コントロールユニット1に入力しない)場合には、コントロールユニット1は充電開始信号用回路5が断線または天絡していると判断する。なお、ここで言う天絡とは、例えば、充電開始信号用回路5が車両側のバックアップ電源回路21に短絡した状態を言う。
【0026】
更に、本実施形態では、コントロールユニット1はバックアップ電源回路21の電圧(起動回路20の電源電圧)を監視しており、バックアップ電源回路21の電圧が所定値より低い場合には、上記充電開始信号用回路5の天絡/断線の判断を実行しないように規制する(故障判定規制部) 。この所定値は、起動回路20において充電ガン3の接続を検出するスイッチ4のオン時にEV電源リレー8が確実に励磁できるような電圧の下限値付近に設定すればよい。
【0027】
以上のように、本実施形態では、イグニッションスイッチ11をオンした際に車載充電器2から充電開始信号を一時的に出力させるようにしており、コントロールユニット1に充電開始信号が入力しない場合には、充電開始信号用回路5が故障であると判定することができる。このように、イグニッションスイッチ11をオンする毎に充電開始信号用回路5が故障判定されるので、故障判定の機会を増加させ、充電システムの信頼性を向上させることができる。
【0028】
更に、充電開始信号用回路5は、車載充電器2からコントロールユニット1に充電開始信号を出力するために、車載充電器2とコントロールユニット1とを接続する回路であるので、上記のように充電開始信号用回路5が故障であると判定した場合には、充電開始信号用回路5の断線または天絡があると詳細に判定することができる。
なお、本実施形態のような起動回路20では、バックアップ電源回路21の電圧が所定値以下の場合、充電開始信号用回路5や起動回路20のその他の構成が正常であってもコントロールユニット1に充電開始信号が出力されず、充電開始信号用回路5が故障であると誤判定される虞がある。例えば、バックアップ電源回路21には、車両出荷輸送時にバッテリ7の放電を抑制するために、着脱可能なヒューズ25が設けられている。このヒューズ25の接続が解除されている場合には、バックアップ電源回路21の電圧が0となり、充電開始信号用回路5が故障であると判定されてしまう。
【0029】
そこで、本実施形態では、バックアップ電源回路21の出力電圧低下時に充電開始信号用回路5の故障検知機能の実行を規制するので、このような起動回路20が故障であるとの誤判定を防止することができる。したがって、故障検知機能の信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図6に基づき説明する。
【0030】
図6は、第2の実施形態における起動回路20の構成を示す回路図である。図6において、図2に示す第1の実施形態の回路図と同じ機能を有する構成には同じ符号を付し、詳細な説明は図2における説明の対応する記載を参酌することとする。
図2に示す第1の実施形態の回路図では、上述したように、バックアップ電源回路21がトランジスタ22を介して充電開始信号用回路5に接続されるN端子に接続されると共に、EV電源リレー8のコイル10に接続されるM端子に接続されている。一方、図6に示す回路図はトランジスタ22を有さない。図6に示す回路図では、バックアップ電源回路21がスイッチ4を介して充電開始信号用回路5に接続されており、この点で図2に示す回路図と異なっている。具体的には、図6に示すように、バックアップ電源回路21の車両側とコントロールユニット1とを接続するK端子と、バックアップ電源回路21に設けられたヒューズ25との間の箇所において、スイッチ4を介して充電開始信号用回路5と接続されている。
【0031】
第2の実施形態においても、図4に示すように、イグニッションスイッチ11がオンになると、コントロールユニット1が起動する。そして、コントロールユニット1はEV電源リレー8のコイル10に電力を供給してオンにし、外部電源の接続有無にかかわらず車載充電器2を起動させる。車載充電器2は、起動した際に充電開始信号を一時的に(例えば数秒程度)オンにする。
【0032】
したがって、図6に示す充電開始信号用回路5に断線や地絡がない正常時には、図5(A)に示すように、イグニッションスイッチ11オン後に、充電開始信号が一時的にオンとなってコントロールユニット1に入力する。
一方で、図6に示す充電開始信号用回路5が断線または地絡している場合は、充電開始信号用回路5とコントロールユニット1とを接続するN端子(図1図6に示す)に電流が流れないため、イグニッションスイッチ11オン後に、充電開始信号が一時的にオンとなっても、コントロールユニット1に充電開始信号は入力されない。
【0033】
したがって、図5(B)に示すように、判定条件成立時(イグニッションスイッチ11オン後の所定時間(例えば3秒程度以内等)に充電開始信号がオンにならない(コントロールユニット1に入力しない)場合には、コントロールユニット1は充電開始信号用回路5が断線または地絡していると判断する。なお、ここで言う地絡とは、例えば、充電開始信号用回路5が車体等にアースした状態を言う。
【0034】
更に、第2の実施形態においても、コントロールユニット1はバックアップ電源回路21の電圧(起動回路20の電源電圧)を監視しており、バックアップ電源回路21の電圧が所定値より低い場合には、上記充電開始信号用回路5の地絡/断線の判断を実行しないように規制する。
以上のように、第2の実施形態では、充電開始信号用回路5が故障であると判定した場合には、充電開始信号用回路5の断線または地絡があると詳細に判定することができ、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0035】
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、発明の形態は上述の各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の各実施形態では、バックアップ電源回路21を利用して、イグニッションスイッチ11オフ時に充電ガン3を接続した際にEV電源リレー8を励磁させているが、他の車載電源を用いてもよい。
【0036】
また、上述の各実施形態では、充電制御をするコントロールユニット1が本発明の制御部に該当し、このコントロールユニット1に故障判定部、故障判定規制部が備えられているが、充電制御をするコントロールユニット1以外で車載充電器2と回路的に接続するユニットを、故障判定部、故障判定規制部を備える制御部として別に設けてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 コントロールユニット(制御部、故障判定部、故障判定規制部)
2 車載充電器(充電器)
3 充電ガン(外部電源)
5 充電開始信号用回路
11 イグニッションスイッチ
20 起動回路
21 バックアップ電源回路(バックアップ電源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6