特許第6583634号(P6583634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583634
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】防犯装置およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/08 20060101AFI20190919BHJP
   E05C 17/46 20060101ALI20190919BHJP
   E05C 3/04 20060101ALI20190919BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   G08B13/08 Z
   G08B13/08 A
   E05C17/46
   E05C3/04 A
   E06B7/28 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-171661(P2016-171661)
(22)【出願日】2016年9月2日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3195191号
【原出願日】2014年10月21日
(65)【公開番号】特開2016-207230(P2016-207230A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】504193653
【氏名又は名称】株式会社ジーコム
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内河 敬明
【審査官】 永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−013981(JP,A)
【文献】 特開2007−310576(JP,A)
【文献】 特開2008−287380(JP,A)
【文献】 特開2001−152723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 91/00−97/08
E05B 1/00−65/44
E05B 65/46
E05B 65/462−85/28
E05C 1/00−21/02
E05F 1/00−13/04
E05F 17/00
E06B 7/00− 7/36
G08B 13/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸本体と、戸本体の周りに配置されて戸本体よりも厚い厚みを有する枠体とを有する一対の引き戸を備える引違い戸に、取り付けられる防犯装置において、
一方側の引き戸の戸本体に固定される装置本体と、
他方側の引き戸の枠体に固定され、装置本体に検出される被検出体と、を備え、
装置本体は、戸本体に固定されるベース体と、ベース体に接続され、他方側の引き戸を係止する係止位置と当該係止を解除する解除位置とに切り替え可能な係止体とを備え、
ベース体は、被検出体の位置を検出する検出部を備え、
係止体は、係止位置と解除位置とに切り替え可能なように、ベース体に回動可能に接続され且つ上下方向に延びる軸部を備え、
係止体は、他方側の引き戸の枠体と面接触すべく、平板状に形成されることを特徴とする防犯装置。
【請求項2】
戸本体と、戸本体の周りに配置されて戸本体よりも厚い厚みを有する枠体とを有する一対の引き戸を備える引違い戸に、取り付けられる防犯装置において、
一方側の引き戸の戸本体に固定される装置本体と、
他方側の引き戸の枠体に固定され、装置本体に検出される被検出体と、を備え、
装置本体は、戸本体に固定されるベース体と、ベース体に接続され、他方側の引き戸を係止する係止位置と当該係止を解除する解除位置とに切り替え可能な係止体とを備え、
ベース体は、被検出体の位置を検出する検出部を備え、
係止体は、他方側の引き戸の枠体と面接触すべく、平板状に形成されることを特徴とする防犯装置。
【請求項3】
ベース体は、解除位置に位置する係止体に覆われる被覆部を備え、
検出部は、被覆部に配置され、
係止体は、解除位置に位置する際に被覆部を収容する凹状の収容部を備える請求項1又は2に記載の防犯装置。
【請求項4】
収容部は、被検出体を収容可能に形成され、
収容部の深さ寸法は、被検出体の幅寸法と同じである請求項に記載の防犯装置。
【請求項5】
検出部を制御する制御部を備え、
ベース体は、係止体の位置を検出する係止体検出部を備え、
係止体検出部は、被覆部に、解除位置に位置する係止体と接触し且つ係止位置に位置する係止体と離間する接部を備え、
制御部は、接部が係止体と離間する際に、検出部で被検出体を検出させると共に、接部が係止体と接触する際に、検出部で被検出体を検出させることを停止する請求項3又は4に記載の防犯装置。
【請求項6】
係止体は、係止位置と解除位置とに切り替え可能なように、ベース体に回動可能に接続される円柱状の軸部と、軸部から突出する突出部とを備え、
ベース体は、軸部に沿って配置される平面状の平面部を備え、
突出部は、係止体が係止位置で保持されるべく、係止体が係止位置に位置する際に平面部と接するように配置されると共に、先端側が平面部と面接触すべく平面状となるように形成される請求項1〜の何れか1項に記載の防犯装置。
【請求項7】
防犯装置の使用方法であって、
防犯装置は、請求項1〜6の何れか1項に記載の防犯装置であり、
装置本体を、一方側の引き戸の戸本体に固定することと、
被検出体を、他方側の引き戸の枠体に固定することと、を含む防犯装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の引き戸を備える引違い戸に取り付けられる防犯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の引き戸を備える引違い戸に取り付けられる防犯装置として、引き戸の外側に配置される枠部に固定される磁石と、引き戸に固定され、磁石を検知する磁石検知部とを備える防犯装置が、知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係る防犯装置によれば、引き戸が所定以上開放されたことを検出することができる一方、引き戸が所定以上開放されることを防止できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−305967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、引き戸が所定以上開放されたことを検出できると共に、引き戸が所定以上開放されることを防止できる防犯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る防犯装置は、戸本体と、戸本体の周りに配置されて戸本体よりも厚い厚みを有する枠体とを有する一対の引き戸を備える引違い戸に、取り付けられる防犯装置において、一方側の引き戸の戸本体に固定される装置本体と、他方側の引き戸の枠体に固定され、装置本体に検出される被検出体と、を備え、装置本体は、戸本体に固定されるベース体と、ベース体に接続され、他方側の引き戸を係止する係止位置と当該係止を解除する解除位置とに切り替え可能な係止体とを備え、ベース体は、被検出体の位置を検出する検出部を備え、係止体は、他方側の引き戸の枠体と面接触すべく、平板状に形成されることを特徴とする。
【0006】
また、防犯装置においては、ベース体は、解除位置に位置する係止体に覆われる被覆部を備え、検出部は、被覆部に配置され、係止体は、解除位置に位置する際に被覆部を収容する凹状の収容部を備える、という構成でもよい。
【0007】
また、防犯装置においては、収容部は、被検出体を収容可能に形成され、収容部の深さ寸法は、被検出体の幅寸法と同じである、という構成でもよい。
【0008】
また、防犯装置は、検出部を制御する制御部を備え、ベース体は、係止体の位置を検出する係止体検出部を備え、係止体検出部は、被覆部に、解除位置に位置する係止体と接触し且つ係止位置に位置する係止体と離間する接部を備え、制御部は、接部が係止体と離間する際に、検出部で被検出体を検出させると共に、接部が係止体と接触する際に、検出部で被検出体を検出させることを停止する、という構成でもよい。
【0009】
また、防犯装置においては、係止体は、係止位置と解除位置とに切り替え可能なように、ベース体に回動可能に接続される円柱状の軸部と、軸部から突出する突出部とを備え、ベース体は、軸部に沿って配置される平面状の平面部を備え、突出部は、係止体が係止位置で保持されるべく、係止体が係止位置に位置する際に平面部と接するように配置されると共に、先端側が平面部と面接触すべく平面状となるように形成される、という構成でもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上の如く、本発明に係る防犯装置によれば、引き戸が所定以上開放されたことを検出できると共に、引き戸が所定以上開放されることを防止できる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、引違い戸の全体正面図である。
図2図2は、同引違い戸の要部斜視図である
図3図3は、本発明の一実施形態に係る防犯装置の全体正面図であって、図1のIII領域拡大図である。
図4図4は、同実施形態に係る装置本体の全体斜視図であって、係止体が解除位置に位置している図である。
図5図5は、同実施形態に係る装置本体の全体斜視図であって、係止体が係止位置に位置している図である。
図6図6は、同実施形態に係る装置本体の要部上面図であって、係止体が解除位置している図である。
図7図7は、同実施形態に係る装置本体の要部上面図であって、係止体が係止位置に位置している図である。
図8図8は、同実施形態に係る防犯装置の全体正面図(一部断面図)であって、係止体が係止位置に位置し、引き戸が開いている状態を示す図である。
図9図9は、図8における防犯装置の上面図(一部断面図)である。
図10図10は、同実施形態に係る防犯装置の全体上面図であって、係止体が解除位置に位置し、引き戸が閉じている状態を示す図である。
図11図11、同実施形態に係る防犯装置の全体上面図であって、係止体が解除位置に位置し、引き戸が開いている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る防犯装置における一実施形態について、図1図11を参酌して説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致していない。
【0013】
まず、本実施形態に係る防犯装置の各構成を説明するのに先立って、防犯装置が取り付けられる引違い戸について、図1及び図2を参酌して説明する。
【0014】
図1及び図2に示すように、引違い戸100は、一対の引き戸110,120を備えている。一対の引き戸110,120においては、室内から見て外側に配置される引き戸110は、外側引き戸110と呼ばれ、室内から見て内側に配置される引き戸120は、内側引き戸120と呼ばれる。
【0015】
各引き戸110,120は、板状の戸本体111,121と、戸本体111,121の周りに配置される枠体112,122とを備えている。そして、枠体112,122の厚みは、戸本体111,121の厚いより厚い。例えば、戸本体111,121は、ガラス等で形成されており、枠体112,122は、アルミ等の金属で形成されている。
【0016】
各枠体112,122は、横方向に沿って延びる上枠112a,122a及び下枠112b,122bと、上下方向に沿って延びる中央枠112c,122c及び端枠112d,122dとを備えている。一対の中央枠112c,122c同士は、引違い戸100が閉じている際は、重なるように配置されている。
【0017】
本実施形態に係る防犯装置1は、図3に示すように、外側引き戸110の戸本体111に固定される装置本体2と、内側引き戸120の枠体122に固定され、装置本体2に検出される被検出体10とを備えている。なお、装置本体2及び被検出体10は、それぞれ接着剤や接着シート等を介して、それぞれ引き戸110,120に固定されている。
【0018】
被検出体10は、筐体10aと、筐体10aの内部に配置される磁石10bとを備えている。そして、被検出体10は、内側引き戸110の中央枠122cの側面に固定されている。また、被検出体10は、厚み方向(図1及び図3の紙面に対して垂直方向)において、外側引き戸110の戸本体111と重なるように、配置されている。
【0019】
装置本体2は、図3図5に示すように、外側引き戸110の戸本体111に固定されるベース体3と、ベース体3に接続され、内側引き戸120を係止可能な係止体4とを備えている。そして、係止体4は、内側引き戸120を係止する係止位置(図5参照)と、当該係止を解除する解除位置(図3及び図4参照)とに切り替え可能である。
【0020】
ベース体3は、被検出体10の位置を検出する検出部31と、係止体4の位置を検出する係止体検出部32とを備えている。また、ベース部3は、各構成を制御する制御部33と、情報が入力される入力部34と、情報を外部に出力する出力部35と、電源を供給するための電池200を収容する電源部36とを備えている。
【0021】
ベース部3は、解除位置に位置する係止体4に覆われる被覆部37と、被覆部37に連結され、係止体4から露出している露出部38とを備えている。本実施形態においては、検出部31及び係止体検出部32は、被覆部37に配置され、制御部33、入力部34、出力部35、及び電源部36は、露出部38に配置されている。
【0022】
検出部31は、被検出体10との離間距離が所定距離より大きいか小さいかを検出する。そして、例えば、引き戸110,120が所定以上開放した場合には、検出部31は、被検出体10との離間距離が所定距離より大きいと検出するため、制御部33に向けて異常信号を送信する。本実施形態においては、所定距離は、25〜30mmとしている。
【0023】
制御部33は、検出部31からの異常信号を受信することにより、引違い戸100が異常であることを出力部35で出力させる。具体的には、出力部35は、視覚的に異常を出力する表示灯35aと、聴覚的に異常を出力するブザー35bとを備えている。
【0024】
係止体検出部32は、被覆部37に、係止体4と接触可能な接部32aを備えている。接部32aは、解除位置に位置する係止体4と接触する一方、係止位置に位置する係止体4とは離間する。これにより、係止検出部32は、接部32aが係止体4に接触している際には、係止体4が解除位置に位置していると検出し、接部32aが係止体4と離間している際には、係止体4が係止位置に位置していると検出する。
【0025】
そして、制御部33は、接部32aが係止体4と離間する際に、検出部31で被検出体10を検出させると共に、接部32aが係止体4と接触する際に、検出部31で被検出体10を検出させることを停止する。即ち、制御部33は、係止体4が係止位置に位置する際に、引違い戸100の異常を検出(監視)する状態とし、係止体4が解除位置に位置する際に、引違い戸100の異常の検出(監視)を停止する状態にする。
【0026】
また、制御部33は、入力部34に情報が入力される(本実施形態においては、ボタンが押される)ことでも、引違い戸100の異常を検出(監視)する状態と、当該異常の検出(監視)を停止する状態にする。なお、装置本体2は、入力部34を備えていない構成でもよい。
【0027】
係止体4は、平板状に形成されている。そして、係止体4は、内側引き戸120の枠体122(具体的には、中央枠122cの側面)と面接触する係止部41,41と、解除位置に位置する際に、被覆部37を収容する凹状の収容部42とを備えている。
【0028】
係止体は4、ベース体3に回動可能に接続される円柱状の軸部43と、軸部43から突出する突出部44,44とを備えている。そして、係止体4は、回動することにより、係止位置と解除位置とに切り替えられる。なお、ベース体3は、露出部38の側面に、係止体4の軸部43に沿って且つ軸部43と対面するように配置される平面状の平面部38aを備えている。
【0029】
係止部41は、一対備えられ、一対の係止部41,41は、収容部42を挟むようにして、配置されている。また、突出部44は、平面状に形成される平面部44aを、先端側に備えている。
【0030】
収容部42は、被検出体10を収容可能に形成されている。そして、収容部42の深さ寸法W1は、被検出体10の幅寸法W2、具体的には、内側引き戸120の枠体122から突出する(図3においては、紙面の左右方向の)被検出体10の幅寸法W2と同じである。なお、被検出体10の幅方向W2は、被検出体10の厚み方向(図3においては、紙面に対して垂直の方向)と同じでもよい。
【0031】
本実施形態に係る防犯装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る係止体4を係止位置で保持する方法について、図6及び図7を参酌して、説明する。
【0032】
図6に示すように、係止体4が解除位置に位置する場合には、接部32aは、係止体4に押圧されることにより、被覆部37の内部に位置する。そして、係止体4がベース体3に対して回動されることにより、図7に示すように、係止体4が係止位置に位置する。
【0033】
係止体4が解除位置に位置する際に、軸部43から突出する突出部44は、ベース部3の露出部38に配置される平面部38aと接触する。具体的には、突出部44の先端側の平面部44aとベース部3の平面部38aとは、面接触している。これにより、係止体4は、係止位置で保持される。なお、接部32aは、係止体4が解除位置に位置する際に、被覆部37から突出している。
【0034】
次に、本実施形態に係る係止体4が引き戸120を係止する方法について、図8図11を参酌して、説明する。
【0035】
図8及び図9に示すように、係止体4は、係止位置に位置している際には、外側引き戸110から突出している。そして、係止体4は、内側引き戸120の中央枠122cの側面を係止する。このとき、係止体4の係止部41は、中央枠122cの側面と面接触すると共に、係止体4の収容部42は、被検出体10と面接触している。これにより、係止体4が内側引き戸120を係止する力の強度を、大きくすることができる。
【0036】
また、図10に示すように、係止体4は、解除位置に位置している際には、外側引き戸110から突出することなく、外側引き戸110に収容されている。これにより、図11に示すように、内側引き戸120がスライドした際には、係止体4は、内側引き戸120を係止することはない。したがって、引違い戸100の引き戸110,120を自由に開閉できる。
【0037】
以上より、本実施形態に係る防犯装置1は、戸本体111,121と、戸本体111,121の周りに配置されて戸本体111,121よりも厚い厚みを有する枠体112,122とを有する一対の引き戸110,120を備える引違い戸100に、取り付けられる防犯装置1において、一方側の引き戸110の戸本体111に固定される装置本体2と、他方側の引き戸120の枠体122に固定され、装置本体2に検出される被検出体10とを備え、装置本体2は、戸本体111に固定されるベース体3と、ベース体3に接続され、他方側の引き戸120を係止する係止位置と当該係止を解除する解除位置とに切り替え可能な係止体4と、を備え、ベース体3は、被検出体10の位置を検出する検出部31を備え、係止体4は、他方側の引き戸120の枠体122と面接触すべく、平板状に形成される。
【0038】
斯かる構成によれば、ベース体3は、一方側の引き戸110の戸本体111に固定される。また、ベース体3に接続される係止体4は、他方側の引き戸120を係止する係止位置と、当該係止を解除する解除位置とに切り替えられる。これにより、係止体4が解除位置に位置する際には、引き戸110,120を自由に開閉できる一方、係止体4が係止位置に位置する際には、引き戸110,120が所定以上開放されることを防止することができる。
【0039】
そして、係止体4は、平板状に形成されるため、係止位置に位置する際に、他方側の引き戸120の枠体122と面接触する。これにより、係止体4が引き戸120を係止する力の強度を、大きくすることができるため、引き戸110,120が所定以上開放されることを確実に防止することができる。
【0040】
また、ベース体3は、被検出体10の位置を検出する検出部31を備えている。そして、引き戸110,120が所定以上開放したり、引き戸110,120が外されたりすることで、被検出体10の位置が所定範囲から外れる場合(異常の場合)に、検出部31は、当該被検出体10の位置を検出する。これにより、検出部31は、当該異常を検出することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る防犯装置1においては、ベース体3は、解除位置に位置する係止体4に覆われる被覆部37を備え、検出部31は、被覆部37に配置され、係止体4は、解除位置に位置する際に被覆部37を収容する凹状の収容部42を備える。
【0042】
斯かる構成によれば、検出部31は、解除位置に位置する係止体4に覆われる被覆部37に、配置されている。そして、係止体4の凹状の収容部42は、係止体4が解除位置に位置する際に、被覆部37を収容している。
【0043】
また、本実施形態に係る防犯装置1においては、収容部42は、被検出体10を収容可能に形成され、収容部42の深さ寸法W1は、被検出体10の幅寸法W2と同じである。
【0044】
斯かる構成によれば、係止体4が他方側の引き戸120を係止する際に、収容部42は、被検出体10を収容する。そして、収容部42の深さ寸法W1が、他方の引き戸120の枠体122から突出する被検出体10の幅寸法W2と同じであるため、係止体4が引き戸120と面接触すると共に、被検出体10が収容部42と面接触する。これにより、係止体4が引き戸120を係止する力の強度を、さらに大きくすることができるため、引き戸110,120が所定以上開放されることをさらに確実に防止することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る防犯装置1は、検出部31を制御する制御部33を備え、ベース体3は、係止体4の位置を検出する係止体検出部32を備え、係止体検出部32は、被覆部37に、解除位置に位置する係止体4と接触し且つ係止位置に位置する係止体4と離間する接部32aを備え、制御部33は、接部32aが係止体4と離間する際に、検出部31で被検出体10を検出させると共に、接部32aが係止体4と接触する際に、検出部31で被検出体10を検出させることを停止する。
【0046】
斯かる構成によれば、係止体検出部32の接部32aは、被覆部37に配置され、解除位置に位置する係止体4と接触する一方、係止位置に位置する係止体4と離間する。そして、制御部33は、接部32aが係止体4と離間する際に、検出部31で被検出体10を検出させる一方、接部32aが係止体4と接触する際に、検出部31で被検出体10を検出させることを停止する。これにより、係止体4を係止位置と解除位置とに切り替えることより、自動的に、被検出体10を検出する状態と検出しない状態とに切り替えることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る防犯装置1においては、係止体4は、係止位置と解除位置とに切り替え可能なように、ベース体3に回動可能に接続される円柱状の軸部43と、軸部43から突出する突出部44,44とを備え、ベース体3は、軸部43に沿って配置される平面状の平面部38aを備え、突出部44は、係止体4が係止位置で保持されるべく、係止体4が係止位置に位置する際に平面部38aと接するように配置されると共に、先端側が平面部38aと面接触すべく平面状となるように形成される。
【0048】
斯かる構成によれば、係止体4は、ベース体3に接続される円柱状の軸部43で回動することにより、係止位置と解除位置とに切り替えられる。そして、軸部43から突出する突出部44は、係止体4が係止位置に位置する際に、軸部43に沿って配置されるベース部3の平面状の平面部38aと接するため、係止体4を係止位置で保持することができる。さらに、突出部44の先端側が平面状に形成されているため、突出部44の先端側が平面部38aと面接触する。これにより、係止体4を係止位置で確実に保持することができる。
【0049】
なお、防犯装置は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。防犯装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0050】
上記実施形態に係る防犯装置1においては、被検出体10は、磁石10bを備える、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、被検出体10は、電波や光を発信し、検出部31は、当該電波や光を検出する、という構成でもよい。
【0051】
また、上記実施形態に係る防犯装置1においては、検出部31は、被覆部37に配置されている、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、検出部31は、露出部38に配置されている、という構成でもよい。
【0052】
また、上記実施形態に係る防犯装置1においては、収容部42は、被検出体10を収容し、収容部42の深さ寸法W1は、被検出体10の幅寸法W2と同じである、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、収容部42の深さ寸法W1は、被検出体10の幅寸法W2と異なる、という構成でもよく、係止体4は、引き戸120を係止する際に、被検出体10を収容しない、という構成でもよい。
【0053】
また、上記実施形態に係る防犯装置1においては、ベース体3は、係止体検出部32の接部32aを備える、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、ベース体3は、係止体検出部32の接部32aを備えておらず、制御部33は、入力部34の入力のみに基づいて、引違い戸100の異常を検出(監視)する状態と当該異常の検出(監視)を停止する状態とを切り替える、という構成でもよい。
【0054】
また、上記実施形態に係る防犯装置1においては、係止体4は、ベース体3に対して回動することで、係止位置と解除位置とに切り替え可能である、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、係止体4は、ベース体3に対してスライドすることで、係止位置と解除位置とに切り替え可能である、という構成でもよく、また、係止体4は、ベース体3に対して着脱されることで、係止位置と解除位置とに切り替え可能である、という構成でもよい。
【0055】
また、上記実施形態に係る防犯装置1においては、係止体4は、軸部43から突出する突出部44を備える、という構成である。しかしながら、防犯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、防犯装置においては、係止体4は、突出部44を備えておらず、装置本体2は、係止体4を係止位置で保持する別の保持機構を備える、という構成でもよい。また、例えば、防犯装置においては、係止体4は、当該突出部44とは別の突出部を備え、該突出部は、解除位置で保持されるべく、解除位置に位置する際にベース部3の平面部38aと接するように、軸部43から突出される、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…防犯装置、2…装置本体、3…ベース体、4…係止体、10…被検出体、10a…筐体、10b…磁石、31…検出部、32…係止体検出部、32a…接部、33…制御部、34…入力部、35…出力部、35a…表示灯、35b…ブザー、36…電源部、37…被覆部、38…露出部、38a…平面部、41…係止部、42…収容部、43…軸部、44…突出部、44a…平面部、100…引違い戸、110…(外側)引き戸、111…戸本体、112…枠体、112a…上枠、112b…下枠、112c…中央枠、112d…端枠、120…(内側)引き戸、121…戸本体、122…枠体、122a…上枠、122b…下枠、122c…中央枠、122d…端枠、200…電池
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