(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蛍光ホイールの前記光源セグメントは、前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光の各々を、夫々出射する第一光源セグメント、第二光源セグメント、第三光源セグメント及び第四光源セグメントが形成され、
前記制御部は、前記第二光源セグメントから出射された前記第二波長帯域光を前記第二透過領域に入射させる第一投影モードと、前記第二光源セグメントから出射された前記第二波長帯域光を前記第一透過領域に入射させる第二投影モードと、を備える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
前記蛍光ホイールの前記光源セグメントは、前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光の各々を、夫々出射する第一光源セグメント、第二光源セグメント、第三光源セグメント及び第四光源セグメントが形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光は、夫々緑色波長帯域光、黄色波長帯域光、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
前記第一光源セグメント、前記第二光源セグメント及び前記第三光源セグメントは、前記光源からの出射光を励起光として受けて、蛍光発光する蛍光体層を有する蛍光発光領域であり、
前記第四光源セグメントは、前記光源からの出射光を透過して前記第四波長帯域光として出射する拡散透過領域である、
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光源装置。
前記第二投影モードにおいて、前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光及び前記第三波長帯域光の何れか複数のうち、前記第一透過領域に入射させる入射光の各々は、該入射光の波長帯域が切り替わる混色期間において、出射が維持されることを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れかに記載の光源装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、本発明を実施するための形態について述べる。
図1は、本実施形態に係る投影装置とされる投影装置10の外観斜視図である。尚、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0013】
投影装置10は、
図1に示すように、略直方体形状であって、投影装置筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有すると共に、この正面パネル12には複数の吸気孔18や排気孔17を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0014】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知する過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0015】
さらに、筐体の背景には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。尚、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、
図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0016】
つぎに、投影装置10の投影装置制御手段について、
図2の機能回路ブロック図を用いて述べる。投影装置制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成され、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0017】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶された上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0018】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。そして、この投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光学像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。尚、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0019】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0020】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0021】
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0022】
尚、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声報音させる。
【0023】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御している。光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の励起光照射装置の動作を個別に制御する。また、光源制御回路41は、制御部38の指示により、投影モードに応じて、蛍光ホイール及びカラーホイールの同期のタイミングを制御する。
【0024】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0025】
図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えている。また、投影装置10は、制御回路基板241の側方、つまり、投影装置10の筐体の略中央部分に光源装置60を備えている。さらに、投影装置10は、光源装置60と左側パネル15との間に、光源側光学系170や投影側光学系220が配置されている。
【0026】
光源装置60は、青色波長帯域光の光源であって、励起光源ともされる励起光照射装置70と、赤色波長帯域光及び黄色波長帯域光及び緑色波長帯域光の光源とされる蛍光光源装置90と、を備える。蛍光光源装置90は、励起光照射装置70と、蛍光ホイール装置100と、カラーホイール装置200により構成される。そして、光源装置60には、各色波長帯域光を導光し、出射する導光光学系140が配置されている。導光光学系140は、各色光源装置から出射される各色波長帯域光をライトトンネル175の入射口に集光する。
【0027】
励起光照射装置70は、投影装置10の筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される。そして、励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71から成る光源群、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群、反射ミラー群で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を集光する集光レンズ78、及び、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
【0028】
光源群は、複数の青色レーザダイオード71がマトリクス状に配置されて成る。また、各青色レーザダイオード71の光軸上には、各青色レーザダイオード71からの各出射光の指向性を高めるように各々平行光に変換する複数のコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配置されてミラー基盤と一体化されて位置調整を行って生成され、青色レーザダイオード71から出射される光線束を一方向に縮小して集光レンズ78に出射する。
【0029】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって青色レーザダイオード71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0030】
蛍光光源装置90を構成する蛍光ホイール装置100は、励起光照射装置70から出射される励起光の光路上であって、正面パネル12の近傍に配置される。蛍光ホイール装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するモータ110と、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に出射される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。なお、モータ110の正面パネル12側には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール装置100等が冷却される。
【0031】
そして、導光光学系140は、赤色、黄色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、導光光学系140には、集光レンズ78と集光レンズ群111との間の位置に、青色波長帯域光を透過し、赤色波長帯域光及び黄色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射してその光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0032】
また、蛍光ホイール101を透過又は拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。第一反射ミラー143における左側パネル15側には、集光レンズ146が配置され、さらにこの集光レンズ146の左側パネル15側には、第二反射ミラー145が配置されている。第二反射ミラー145の背面パネル13側には、集光レンズ147が配置されている。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射され、集光レンズ146を介して入射される青色波長帯域光の光軸を背面パネル13側に90度変換する。
【0033】
また、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側には、集光レンズ149が配置されている。さらに、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側には、第二ダイクロイックミラー148が配置されている。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び黄色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して背面パネル13側に90度光軸を変換し、青色波長帯域光を透過させる。
【0034】
第一ダイクロイックミラー141により反射された赤色波長帯域光及び黄色波長帯域光及び緑色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に入射する。そして、集光レンズ149を透過した赤色波長帯域光及び黄色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、光源側光学系170の集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。一方、集光レンズ147を透過した青色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148を透過して、集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。
【0035】
光源側光学系170は、集光レンズ173、ライトトンネル175、集光レンズ178、光軸変換ミラー181、集光レンズ183、照射ミラー185、コンデンサレンズ195により構成されている。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を投影側光学系220に向けて出射するので、投影側光学系220の一部ともされている。
【0036】
ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。よって、各色波長帯域光は、集光レンズ173により集光され、ライトトンネル175に向かって出射される。
【0037】
カラーホイール装置200は、カラーホイール201と、そのカラーホイール201を回転駆動するモータ210とを備える。カラーホイール装置200は、そのカラーホイール201が集光レンズ173から出射された光線束の光軸と直交するように、集光レンズ173とライトトンネル175との間に配置される。カラーホイール201に入射した光の光線束は、カラーホイール201に設けられた何れかのセグメントを透過することにより、適宜の波長帯域の成分が遮断されて、ライトトンネル175に向かって出射される。その後、ライトトンネル175に入射された光線束は、ライトトンネル175により均一な強度分布の光線束とされる。
【0038】
ライトトンネル175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー181が配置されている。ライトトンネル175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー181により、左側パネル15側に光軸を変換される。
【0039】
光軸変換ミラー181で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、DMDとされる表示素子51は、背面パネル13側にヒートシンク190が設けられ、このヒートシンク190により表示素子51は冷却される。
【0040】
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。ここで、投影側光学系220は、コンデンサレンズ195、可動レンズ群235、固定レンズ群225により構成されている。可動レンズ群235は、レンズモータにより移動可能に形成される。そして、可動レンズ群235及び固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。よって、可動レンズ群235を備える固定鏡筒は、可変焦点型レンズとされ、ズーム調節やフォーカス調節が可能に形成される。
【0041】
このように投影装置10を構成することで、蛍光ホイール101及びカラーホイール201を回転させるとともに励起光照射装置70から任意のタイミングで光を出射すると、赤色、黄色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介して集光レンズ173及びライトトンネル175に順次入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射される。そのため、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、励起光照射装置70は青色波長帯域光の光源として使用しているが、青色波長帯域光の光源として別途他の光源を備えるようにしてもよい。
【0043】
図4は、蛍光ホイール101の平面模式図である。蛍光ホイール101は、円板状に形成され、その中央に取付孔部112を有する。この取付孔部112がモータ110の軸部と軸着して固定される。モータ110の回転とともに、蛍光ホイール101は軸周りに回転することができる。
【0044】
蛍光ホイール101は、励起光照射装置70とされる光源からの出射光を受けて異なる波長帯域光を出射する複数の光源セグメントを有する。すなわち、蛍光ホイール101は、蛍光発光領域310と透過領域(第四光源セグメント)320を、環状に連続して有している。
【0045】
蛍光ホイール101の基材は銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材の励起光照射装置70側の表面は銀蒸着等によってミラー加工されている。このミラー加工された表面には、各色蛍光体層からなる蛍光発光領域310が形成されている。蛍光発光領域310は、緑色蛍光体層(第一光源セグメント)311、黄色蛍光体層(第二光源セグメント)312、赤色蛍光体層(第三光源セグメント)313を有している。各蛍光体層311,312,313は、夫々境界B2,B3を隔てて周方向に形成される。緑色蛍光体層311、黄色蛍光体層312及び赤色蛍光体層313は、青色波長帯域光を励起光として受けて、夫々の領域から緑色波長帯域光(第一波長帯域光)、黄色波長帯域光(第二波長帯域光)及び赤色波長帯域光(第三波長帯域光)の蛍光光を出射する。
【0046】
蛍光ホイール101の蛍光体層は、励起光照射装置70からの励起光としての青色波長帯域光が蛍光ホイール101の蛍光体層に照射されると、蛍光体層の蛍光体は、その蛍光体から全方位に励起された蛍光光を出射する。蛍光光による光線束は、背面パネル13側へ出射され、集光レンズ群111に入射する。一方、蛍光ホイール101における入射光を透過又は拡散透過する領域に入射された励起光照射装置70からの青色波長帯域光は、蛍光ホイール101を透過又は拡散透過され、蛍光ホイール101の背面側(換言すれば、正面パネル12側)に配置された集光レンズ115に入射する。
【0047】
透過領域320は、赤色蛍光体層313と緑色蛍光体層311との間に、境界B1,B4を隔てて、蛍光発光領域310と周方向に並設するよう連続して形成される。透過領域320には、基材の切抜き透光部分に透光性を有する透明基材が嵌入される。この透明基材は、ガラスや樹脂等の透明な材質で形成されている。また、透明基材は、青色波長帯域光が照射される側の表面に拡散層を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、その透明基材の表面をサンドブラスト等で微細凹凸を形成したものが設けられる。このように、青色波長帯域光を透過領域320に受けた蛍光ホイール101は、その青色波長帯域光(第四波長帯域光)を透過又は拡散透過した後に裏面側から出射する。
【0048】
図5は、カラーホイール201をカラーホイール201の正面から見た模式図である。カラーホイール201は、円板状に形成され、その中央に取付孔部113を有する。この取付孔部113がモータ210の軸部と軸着して固定される。モータ210の回転とともに、カラーホイール201は、軸周りに回転することができる。
【0049】
カラーホイール201は、
図3に示す集光レンズ173によって集光された各色波長帯域光が照射される位置に、白色光(可視光)を透過可能に形成される白透過領域(第二透過領域)410と青緑透過領域(第一透過領域)420を環状に連続して有している。白透過領域410と青緑透過領域420は、境界B5,B6を隔てて周方向に並設するよう形成される。白透過領域410は、少なくとも赤色波長帯域光、黄色波長帯域光、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光を透過する領域である。青緑透過領域420は、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光を透過してその他の波長帯域の光を遮断する領域である。なお、青緑透過領域420は、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光を透過するとともに可視光波長帯域外の光を透過するように構成してもよい。
【0050】
図6(a)は、各色蛍光体層から発せられる各色波長帯域光の光特性を示す図である。本図では、縦軸に光の強度を、横軸に波長を示している。各光特性が分布している波長帯域は、光の色によって異なる。青色波長帯域光の光特性Bは、約440nmから約480nmの波長帯域に分布する。緑色波長帯域光の光特性Gは、約520nmから約600nmに分布する。赤色波長帯域光の光特性Rは、約600nmから約660nmの波長帯域に分布する。また、黄色波長帯域光の光特性Yは、約515nmから約680nmの波長帯域に分布する。したがって、黄色波長帯域光の光特性Yは、緑色波長帯域光及び赤色波長帯域光の光特性G,Rの波長帯域を含んでいる。
【0051】
図6(b)は、青緑透過領域420における光の透過特性を示す図である。本図では、縦軸に透過率、横軸に波長を示している。透過率が高い領域は、その波長帯域の光を通し易いことを示す。本実施形態の青緑透過領域420は、約400nmから約600nmの波長帯域の大部分を透過させる透過特性F1を有する。したがって、青緑透過領域420は、
図6(a)の光特性B,Gを持つ青色波長帯域光や緑色波長帯域光の大部分の光を透過する。一方、緑色波長帯域光の光特性Gの長波長側に位置する赤色波長帯域光等の他の波長帯域の光は、青緑透過領域420により遮断される。
【0052】
つぎに、本実施形態における、蛍光ホイール101及びカラーホイール201の制御について説明する。光源装置60と、その一部である蛍光ホイール101及びカラーホイール201は、制御部38によって制御される。
【0053】
図7は、本実施形態の第一投影モードのタイミングチャート図である。第一投影モードは、投影装置10が四色の光源光により形成した投影画像をスクリーンに投影するモードである。光源装置60は、フレーム単位周期500毎に一つの画像を形成し、複数の投影画像を時分割で連続して投影する。また、光源装置60は、フレーム単位周期500を第一出力期間T50a、第二出力期間T50b、第三出力期間T50c、第四出力期間T50dの順に時分割にして、各出力期間に割当てられた色の光を出射する。
【0054】
第一投影モードで、緑色蛍光体層311、黄色蛍光体層312、赤色蛍光体層313及び透過領域320は、夫々第一出力期間T50a、第二出力期間T50b、第三出力期間T50c及び第四出力期間T50dの各期間に、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が蛍光ホイール101に照射される。また、第一出力期間T50aと第四出力期間T50dに青緑透過領域420に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御され、第二出力期間T50bと第三出力期間T50cに白透過領域410に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御される。
【0055】
すなわち、
図4に示した蛍光ホイール101上の、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が照射される位置が、第一切替タイミングT1、第二切替タイミングT2、第三切替タイミングT3及び第四切替タイミングT4において、夫々第一境界B1、第二境界B2、第三境界B3及び第四境界B4となるように、蛍光ホイール101は制御される。また、
図5に示したカラーホイール201上の、蛍光ホイール101からの光が照射される位置が、第二切替タイミングT2及び第四切替タイミングT4において、夫々第五境界B5及び第六境界B6となるように、カラーホイール201は制御される。以下、各出力期間について説明する。
【0056】
図7に示すように、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光は、蛍光ホイール600(101)、カラーホイール700(201)の順に通過し、各合成色800の出射光として、投影画像の形成に用いられる。第一切替タイミングT1から開始する第一出力期間T50aで、蛍光ホイール600は、緑色蛍光体層311に青色波長帯域光が照射されて、緑色波長帯域光60aを出射する。青緑透過領域70aでは緑色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された緑色波長帯域光60aを透過する。よって、光源装置60は、第一出力期間T50aに、合成色800として緑色波長帯域光80aを出射する。
【0057】
第二切替タイミングT2から開始する第二出力期間T50bで、蛍光ホイール600は、黄色蛍光体層312に青色波長帯域光が照射されて、黄色波長帯域光60bを出射する。白透過領域70bでは黄色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された黄色波長帯域光60bを透過する。よって、光源装置60は、第二出力期間T50bに、合成色800として黄色波長帯域光80bを出射する。
【0058】
第三切替タイミングT3から開始する第三出力期間T50cで、蛍光ホイール600は、赤色蛍光体層313に青色波長帯域光が照射されて、赤色波長帯域光60cを出射する。白透過領域70bでは赤色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された赤色波長帯域光60cを透過する。よって、光源装置60は、第三出力期間T50cに、合成色800として赤色波長帯域光80cを出射する。
【0059】
第四切替タイミングT4から開始する第四出力期間T50dで、蛍光ホイール600の透過領域320を青色波長帯域光が透過するため、蛍光ホイール600は青色波長帯域光60dを出射する。青緑透過領域71aでは青色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された青色波長帯域光60dを透過する。よって、光源装置60は、第四出力期間T50dに、合成色800として青色波長帯域光80dを出射する。
【0060】
第四出力期間T50dが経過すると、次のフレーム単位周期510の第一出力期間T51aが開始する。第一出力期間T51aでは、前述の第一出力期間T50aと同様に、光源装置60が、蛍光ホイール600及びカラーホイール700の対応する領域が配置されるように制御して、緑色波長帯域光81aを合成色800として緑色波長帯域光81aを出射する。以降、同様に繰り返される。
【0061】
図8は、本実施形態の第二投影モードのタイミングチャート図である。第二投影モードは、投影装置10が三色の光源色により形成した投影画像をスクリーンに形成するモードである。
【0062】
第二投影モードでは、蛍光ホイール101は、各出力期間T50a,T50b,T50c,T50dにおいて、第一投影モードと同様の波長帯域光を出射するように制御される。また、第一出力期間T50aと第二出力期間T50bに青緑透過領域420に蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御され、第三出力期間T50cと第四出力期間T50dに白透過領域410に蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御される。
【0063】
すなわち、
図4に示した蛍光ホイール101上の、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が照射される位置は、各切替タイミングT1,T2,T3,T4において、第一投影モードと同様に制御される。また、
図5に示したカラーホイール201上の、蛍光ホイール101からの光が照射される位置が、第一切替タイミングT1及び第三切替タイミングT3において、夫々第六境界B6及び第五境界B5となるように、カラーホイール201は制御される。つまり、蛍光ホイール101とカラーホイール201は、その原点位置を相対的にずらして制御される。以下、各出力期間について説明する。
【0064】
図8に示すように、第一切替タイミングT1から開始する第一出力期間T50aで、蛍光ホイール600は、緑色蛍光体層311に青色波長帯域光が照射されて、緑色波長帯域光60aを出射する。青緑透過領域70aでは緑色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された緑色波長帯域光60aを透過する。よって、光源装置60は、第一出力期間T50aに、合成色800として緑色波長帯域光80aを出射する。
【0065】
第二切替タイミングT2から開始する第二出力期間T50bで、蛍光ホイール600は、黄色蛍光体層312に青色波長帯域光が照射されて、黄色波長帯域光60bを出射する。青緑透過領域70aでは、
図6(b)で示したように、緑色波長帯域光を透過し、赤色波長帯域光を遮断する。そのため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された黄色波長帯域光60bに含まれる波長成分の内、赤色波長帯域光の波長成分を遮断する。よって、光源装置60は、第二出力期間T50bに、合成色800として緑色波長帯域光80iを出射する。
【0066】
第三切替タイミングT3から開始する第三出力期間T50cで、蛍光ホイール600は、赤色蛍光体層313に青色波長帯域光が照射されて、赤色波長帯域光60cを出射する。白透過領域70bでは赤色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された赤色波長帯域光60cを透過する。よって、光源装置60は、第三出力期間T50cに、合成色800として赤色波長帯域光80cを出射する。
【0067】
第四切替タイミングT4から開始する第四出力期間T50dで、蛍光ホイール600の透過領域320を青色波長帯域光が透過するため、蛍光ホイール600は青色波長帯域光60dを出射する。白透過領域70bでは青色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された青色波長帯域光60dを透過する。よって、光源装置60は、第四出力期間T50dに合成色800として青色波長帯域光80dを出射する。
【0068】
第四出力期間T50dが経過すると、次のフレーム単位周期510の第一出力期間T51aが開始する。第一出力期間T51aでは、前述の第一出力期間T50aと同様に、光源装置60が、蛍光ホイール600及びカラーホイール700の対応する領域が配置されるように制御して、合成色800として緑色波長帯域光81aを出射する。以降、同様に繰り返される。
【0069】
このように、本実施形態では、第一投影モードにおいて、光源装置60は、緑色、黄色、赤色及び青色の光を時分割で出射して投影画像を形成することができる。また、第二投影モードでは、第二出力期間T50bにおいても第一出力期間T50aと同様の緑色波長帯域光80iを出射する。したがって、第二投影モードにおいて、光源装置60は、緑色、赤色及び青色の光を時分割で出射することができる。
【0070】
(実施形態2)
つぎに、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態では、
図5に示すカラーホイール201に設けた青緑透過領域420の代わりに、赤青透過領域(第一透過領域)を同様の位置に配置する。赤青透過領域では、
図6に示す青緑透過領域420と光透過特性が異なる。また、第二投影モードにおいて、光源装置60は、赤色波長帯域光を二つの出力期間に出力する。
【0071】
図9は、カラーホイール201に設けた、赤青透過領域における光透過特性を示す図である。本図では、縦軸に透過率を、横軸に波長を示している。赤青透過領域の透過特性F2は、青色波長帯域光を透過する青色透過帯域F2aと、赤色波長帯域光を透過する赤色透過帯域F2bとを有する。青色透過帯域F2aは、約480nmより短波長側の光の大部分を透過させる。赤色透過帯域F2bは、約600nmより長波長側の光の大部分を透過させる。つまり、透過特性F2を持つ赤青透過領域では、約480nmから約600nmの波長帯域の光の大部分が遮断される。したがって、カラーホイール201の赤青透過領域は、
図6(a)に示した光特性B,Rを夫々有する青色波長帯域光や赤色波長帯域光を透過させる。一方、青色波長帯域光と赤色波長帯域光の間の波長帯域に分布する緑色波長帯域光は、赤緑透過領域により遮断される。
【0072】
図10は、本実施形態の第一投影モードのタイミングチャート図である。第一投影モードは、実施形態1と同様、投影装置10が四色の光源光により形成した投影画像をスクリーンに形成するモードである。
【0073】
実施形態1と同様、第一投影モードで、夫々緑色蛍光体層311、黄色蛍光体層312、赤色蛍光体層313及び透過領域320は、夫々第一出力期間T50e、第二出力期間T50f、第三出力期間T50g及び第四出力期間T50hの各期間に、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が照射される。また、第一出力期間T50eと第二出力期間T50fに白透過領域410に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようカラーホイール201が制御され、第三出力期間T50cと第四出力期間T50dに赤青透過領域に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御される。
【0074】
すなわち、
図4に示した蛍光ホイール101上の、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が照射される位置は、各切替タイミングT1,T2,T3,T4において、実施形態1と同様に制御される。また、
図5に示したカラーホイール201上の、蛍光ホイール101からの光が照射される位置が、第一切替タイミングT1及び第三切替タイミングT3において、夫々第六境界B6及び第五境界B5となるように、カラーホイール201は制御される。以下、各出力期間について説明する。
【0075】
図10に示すように、第一切替タイミングT1から開始する第一出力期間T50eで、蛍光ホイール600は、緑色蛍光体層311に青色波長帯域光が照射されて、緑色波長帯域光60eを出射する。白透過領域70eでは緑色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された緑色波長帯域光60eを透過する。よって、光源装置60は、第一出力期間T50eに、合成色800として緑色波長帯域光80eを出射する。
【0076】
第二切替タイミングT2から開始する第二出力期間T50fで、蛍光ホイール600は、黄色蛍光体層312に青色波長帯域光が照射されて、黄色波長帯域光60fを出射する。白透過領域70eでは黄色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された黄色波長帯域光60fを出射する。よって、光源装置60は、第二出力期間T50fに、合成色800として黄色波長帯域光80fを出射する。
【0077】
第三切替タイミングT3から開始する第三出力期間T50gで、蛍光ホイール600は、赤色蛍光体層313に青色波長帯域光が照射されて、赤色波長帯域光60gを出射する。赤青透過領域では、
図9で示したように、赤色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された赤色波長帯域光60gを透過する。よって、光源装置60は、第三出力期間T50gに、合成色800として赤色波長帯域光80gを出射する。
【0078】
第四切替タイミングT4から開始する第四出力期間T50hで、蛍光ホイール600の透過領域320を青色波長帯域光が透過するため、蛍光ホイール600は青色波長帯域光60hを出射する。赤青透過領域70fでは青色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された青色波長帯域光60hを透過する。よって、光源装置60は、第四出力期間T50hに、合成色800として青色波長帯域光80dを出射する。
【0079】
第四出力期間T50hが経過すると、次のフレーム単位周期510の第一出力期間T51eが開始する。第一出力期間T51eでは、前述の第一出力期間T50eと同様に、光源装置60が、蛍光ホイール600及びカラーホイール700の対応する領域が配置されるように制御して、合成色800として緑色波長帯域光81eを出射する。以降、同様に繰り返される。
【0080】
図11は、本実施形態の第二投影モードのタイミングチャート図である。第二投影モードは、実施形態1と同様、投影装置10が三色の光源光により形成した投影画像をスクリーンに形成するモードである。
【0081】
第二投影モードでは、蛍光ホイール101は、各出力期間T50e,T50f,T50g,T50hにおいて、本実施形態の第一投影モードと同様に制御される。また、第一出力期間T50eと第四出力期間T50hに白透過領域410に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようカラーホイール201が制御され、第二出力期間T50fと第三出力期間T50gに赤青透過領域に対し蛍光ホイール101からの光が照射されるようにカラーホイール201が制御される。
【0082】
すなわち、
図4に示した蛍光ホイール101上の、青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光が照射される位置は、各切替タイミングT1,T2,T3,T4において、実施形態1と同様に制御される。また、
図5に示したカラーホイール201上の、蛍光ホイール101からの光が照射される位置が、第二切替タイミングT2及び第四切替タイミングT4において、夫々第五境界B5及び第六境界B6となるように、カラーホイール201は制御される。以下、各出力期間について説明する。
【0083】
図11に示すように、第一切替タイミングT1から開始する第一出力期間T50eで、蛍光ホイール600は、緑色蛍光体層311に青色波長帯域光が照射されて、緑色波長帯域光60eを出射する。白透過領域70eでは緑色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された緑色波長帯域光60eを透過する。よって、光源装置60は、第一出力期間T50eに、合成色800として緑色波長帯域光80eを出射する。
【0084】
第二切替タイミングT2から開始する第二出力期間T50fで、蛍光ホイール600は、黄色蛍光体層312に青色波長帯域光が照射されて、黄色波長帯域光60fを出射する。赤青透過領域70fでは、
図9で示したように、赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を遮断する。そのため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された黄色波長帯域光60fに含まれる波長成分の内、緑色波長帯域光の波長成分を遮断する。よって、光源装置60は、第二出力期間T50fに、合成色800として赤色波長帯域光80jを出射する。
【0085】
第三切替タイミングT3から開始する第三出力期間T50gで、蛍光ホイール600は、赤色蛍光体層313に青色波長帯域光が照射されて、赤色波長帯域光60gを出射する。赤青透過領域70fでは、赤色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された赤色波長帯域光60gを透過する。よって、光源装置60は、第三出力期間T50gに、合成色800として赤色波長帯域光80gを出射する。
【0086】
第四切替タイミングT4から開始する第四出力期間T50hで、蛍光ホイール600の透過領域320を青色波長帯域光が透過するため、蛍光ホイール600は青色波長帯域光60hを出射する。白透過領域71eでは青色波長帯域光を透過するため、カラーホイール700は、蛍光ホイール600から出射された青色波長帯域光60hを透過する。よって、光源装置60は、第四出力期間T50hに、合成色800として青色波長帯域光80hを出射する。
【0087】
第四出力期間T50hが経過すると、次のフレーム単位周期510の第一出力期間T51eが開始する。第一出力期間T51eでは、前述の第一出力期間T50eと同様に、光源装置60が、蛍光ホイール600及びカラーホイール700の対応する領域が配置されるように制御して、合成色800として緑色波長帯域光81eを出射する。以降、同様に繰り返される。
【0088】
このように、本実施形態では、第一投影モードにおいて、光源装置60は、緑色、黄色、赤色及び青色の光を時分割で出射することができる。また、第二投影モードでは、第二出力期間T50fにおいても第三出力期間T50gと同様の赤色波長帯域光80jを出射することができる。よって、第二投影モードにおいて、光源装置60は、緑色、赤色及び青色の光を時分割で出射することができる。
【0089】
なお、以上の実施形態において説明したフレーム単位周期内の各出力期間(第一出力期間、第二出力期間、第三出力期間、第四出力期間)は、夫々に対応した波長帯域の光を出射することが可能な期間である。したがって、青色レーザダイオード71(励起光照射装置70)は、制御部38により、各出力期間内の一部又は全部の任意の時間の間、各光源セグメントに順次青色波長帯域光が照射されるように制御される。
【0090】
なお、光源装置60は、同色の波長帯域の光が出射される複数の出力期間において、夫々個別に又は一つの出力期間とみなして出射時間を変えることができる。これにより、輝度を適切に制御することができる。同色の波長帯域の光が出射される複数の出力期間とは、第二投影モードにおいて、緑波長帯域光、黄色波長帯域光及び赤色波長帯域光が励起される出力期間の内、青緑透過領域又は赤青透過領域(第一透過領域)に蛍光ホイール101からの光を入射させる複数の出力期間である。
【0091】
例えば、実施形態1の第二投影モードのような場合(
図8参照)、第二出力期間T50bに出力される緑色波長帯域光80iは、第一出力期間T50aに出力される緑色波長帯域光80aと比較して、異なる蛍光光から得られた光を用いているために、同時間投影しても色合いや輝度が異なる場合がある。このような場合であっても、光源装置60は、合成色800である緑色波長帯域光80a,80iの出力時間を、二つの出力期間T50a,T50bにおいて夫々同じ時間だけ増加又は減少させるように制御することができる。こうすることで、投影装置10が投影する緑色波長帯域光の色合いや輝度が異なることによる色再現性の低下を低減させることができる。
【0092】
なお、夫々の出力期間T50a,T50bにおける光の色合いや輝度が略同等であれば、光源装置60は、両出力期間T50a,T50bを一つの出力期間とみなして緑色波長帯域光80a,80iの出射時間を制御することができる。また、実施形態2の第二投影モードにおいてもこれらと同様に、光源装置60は、合成色800である赤色波長帯域光80j,80gの出力時間を、夫々の出力期間T50f,T50gにおいて制御することができる。
【0093】
また、フレーム単位周期500内の各出力期間T50a,T50b,T50c,T50dの長さは、夫々の光源光の輝度や投影画像のホワイトバランスに応じて、本実施形態の実施が可能な範囲で夫々同一長さとしてもよいし異なる長さとしてもよい。
【0094】
また、各切替タイミングT1〜T6において青色レーザダイオード71を発光させた場合、青色波長帯域光は蛍光ホイール101上の境界B1,B2,B3,B4の何れかに照射される。このような場合、蛍光ホイール101から出射した光に混色が発生することがある。これを防止するため、この混色期間(各境界B1〜B4に青色波長帯域光が照射され得る期間)において、青色レーザダイオード71の発光を停止することが望ましい。しかしながら、本実施形態の第二投影モードでは、各境界B1〜B2においても、青色レーザダイオード71の発光を継続させて、輝度の低下を低減させることができる。すなわち、同色の波長帯域光が出射される二つの出力期間が連続して配置される。よって、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光及び赤色波長帯域光の内、青緑透過領域又は赤青透過領域(第一透過領域)に入射させる複数の入射光の出射を、混色期間において、維持することができる。例えば、
図8に示す第二切替タイミングT2、又は
図11に示す第三切替タイミングT3の夫々の前後に亘って、青色レーザダイオード71の発光を維持することができる。
【0095】
また、蛍光ホイール101は、黄色蛍光体層312の代わりに、シアン色波長帯域光を発光するシアン色蛍光体層を設けてもよい。シアン色波長帯域光は、青色波長帯域光及び緑色波長帯域光の波長帯域を含む。この場合、シアン色蛍光体層は、蛍光ホイール101上に、青色波長帯域光を出射する光源セグメントと緑色波長帯域光を出射する光源セグメントの間に配置される。また、カラーホイール201は、実施形態1では青緑透過領域の代わりに赤青透過領域を、実施形態2では赤青透過領域の代わりに緑赤透過領域を備える。
【0096】
さらに、蛍光ホイール101は、黄色蛍光体層312の代わりに、マゼンタ色波長帯域光を発光するマゼンタ色蛍光体層を設けてもよい。マゼンタ色波長帯域光は、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光の波長帯域を含む。この場合、マゼンタ色蛍光体層は、蛍光ホイール101上に、赤色波長帯域光を出射する光源セグメントと青色波長帯域光を出射する光源セグメントの間に配置される。また、カラーホイール201は、実施形態1では青緑透過領域の代わりに緑赤透過領域を、実施形態2では赤青透過領域の代わりに青緑透過領域を備える。
【0097】
以上説明したように、本発明の実施形態の光源装置60は、蛍光ホイール101とカラーホイール201が同期されるよう蛍光ホイール101とカラーホイール201を制御するとともに、複数の光源セグメントに光が順次照射されるよう光源を制御するようにした。したがって、形成される投影画像の輝度の低下を低減させることができる。
【0098】
また、光源セグメントが、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、青色波長帯域光と、シアン色波長帯域光又はマゼンタ色波長帯域光又は黄色波長帯域光を出射する光源装置60は、様々な光源光を利用して投影画像を形成することができる。したがって、色再現性に優れた光源装置60とすることができる。
【0099】
また、第一投影モード及び第二投影モードを備えた光源装置60は、蛍光ホイール600及びカラーホイール700内の構成に変更を加えることなく、蛍光ホイール600とカラーホイール700の回転の同期タイミング、すなわち互いの相対的な位置を変更することにより投影モードの変更が可能である。したがって、容易に投影モードの変更を行うことができる。また、何れの投影モードにおいても、カラーホイール700の全ての光源セグメントを利用することが可能であるため、投影モードを変更することによる輝度の低下を低減させることができる。
【0100】
また、カラーホイール201に白透過領域と青緑透過領域を備えた光源装置60は、緑色波長帯域光の出射期間を長く取ることができる。したがって、緑色蛍光体層の蛍光発光強度を高くしたい場合、適切な輝度を有した投影画像を形成することができる。
【0101】
また、カラーホイール201に白透過領域と赤青透過領域を備えた光源装置60は、赤色波長帯域光の出射期間を長く取ることができる。したがって、赤色蛍光体層の蛍光発光強度を高くしたい場合、適切な輝度を有した投影画像を形成することができる。
【0102】
また、蛍光ホイール101から、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光を出射させる光源装置60は、第一投影モードにおいて、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光を画像形成に用いることができ、第二投影モードにおいて、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光を画像形成に用いることができる。
【0103】
また、緑色蛍光体層311、黄色蛍光体層312、赤色蛍光体層313及び透過領域320が形成された蛍光ホイール101を備えた光源装置60は、緑色波長帯域光、黄色波長帯域光及び赤色波長帯域光を蛍光光により、青色波長帯域光を青色レーザダイオード71の発光光により出射させることができる。したがって、半導体発光素子を一つの種類で構成することができる。
【0104】
また、同色の波長帯域の光が複数の出力期間に出射され、各出力期間を夫々個別に又は一つの出力期間とみなす光源装置60は、第二投影モードで画像を形成した場合であっても輝度を適切に制御することができる。
【0105】
また、同色の波長帯域の光が複数の出力期間に出射され、混色期間においても、その出射が維持される光源装置60は、第二投影モードで画像を形成した場合であっても輝度の低下を低減させることができる。
【0106】
なお、上記実施形態においては、青色波長帯域光の光源として、複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71から成る光源群であり、励起光源ともされる励起光照射装置70を用いた。そして、蛍光ホイール101に透過領域320の領域を設けて青色波長帯域光を透過するとして説明したが、これに限らない。例えば、蛍光ホイール101から透過領域をなくして全周が蛍光発光領域310となるように形成し、青色波長帯域光を出射する光源として青色レーザダイオード等、別に設けても良い。
【0107】
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0108】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 光源と、
前記光源からの出射光を受けて異なる波長帯域光を出射する複数の光源セグメントを有する蛍光ホイールと、
所定の波長帯域の光を透過する第一透過領域と、第二透過領域と、を有して前記蛍光ホイールからの前記異なる波長帯域光が照射されるカラーホイールと、
前記蛍光ホイールと前記カラーホイールが同期されるよう前記蛍光ホイールと前記カラーホイールを制御するとともに、前記複数の光源セグメントに前記出射光が順次照射されるよう前記光源を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする光源装置。
[2] 前記第二透過領域は可視光を透過する領域であり、
前記蛍光ホイールの前記光源セグメントは、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光、青色波長帯域光と、シアン色波長帯域光又はマゼンタ色波長帯域光又は黄色波長帯域光を出射することを特徴とする上記[1]に記載の光源装置。
[3] 前記蛍光ホイールの前記光源セグメントは、第一波長帯域光、第二波長帯域光、第三波長帯域光及び第四波長帯域光の各々を、夫々出射する第一光源セグメント、第二光源セグメント、第三光源セグメント及び第四光源セグメントが形成され、
前記第二波長帯域光は、前記第一波長帯域光及び前記第三波長帯域光の波長帯域を含み、
前記制御部は、前記第二光源セグメントから出射された前記第二波長帯域光を前記第二透過領域に入射させる第一投影モードと、前記第二光源セグメントから出射された前記第二波長帯域光を前記第一透過領域に入射させる第二投影モードとを備える、
ことを特徴とする上記[1]又は上記[2]に記載の光源装置。
[4] 前記第一透過領域は、前記第一波長帯域光及び前記第四波長帯域光を透過するとともに前記第三波長帯域光の透過を遮断し、
前記第一投影モードは、前記第一波長帯域光及び前記第四波長帯域光を前記第一透過領域に入射させ、前記第二波長帯域光及び前記第三波長帯域光を前記第二透過領域に入射させ、
前記第二投影モードは、前記第一波長帯域光及び前記第二波長帯域光を前記第一透過領域に入射させ、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光を前記第二透過領域に入射させる、
ことを特徴とする上記[3]に記載の光源装置。
[5] 前記第一透過領域は、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光を透過するとともに前記第一波長帯域光の透過を遮断し、
前記第一投影モードは、前記第一波長帯域光及び前記第二波長帯域光を前記第二透過領域に入射させ、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光を前記第一透過領域に入射させ、
前記第二投影モードは、前記第一波長帯域光及び前記第四波長帯域光を前記第二透過領域に透過させ、前記第二波長帯域光及び前記第三波長帯域光を前記第一透過領域に透過させる、
ことを特徴とする上記[3]に記載の光源装置。
[6] 前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光、前記第三波長帯域光及び前記第四波長帯域光は、夫々緑色波長帯域光、黄色波長帯域光、赤色波長帯域光及び青色波長帯域光であることを特徴とする上記[3]乃至上記[5]の何れかに記載の光源装置。
[7] 前記第一光源セグメント、前記第二光源セグメント及び前記第三光源セグメントは、前記光源からの出射光を励起光として受けて、蛍光発光する蛍光体層を有する蛍光発光領域であり、
前記第四光源セグメントは、前記光源からの出射光を透過して前記第四波長帯域光として出射する拡散透過領域である、
ことを特徴とする上記[3]乃至上記[6]の何れかに記載の光源装置。
[8] 前記第二投影モードにおいて、前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光及び前記第三波長帯域光の何れか複数のうち、前記第一透過領域に入射させる入射光の各々は、夫々個別に又は一つの出力期間とみなして出射時間を制御されることを特徴とする上記[3]乃至上記[7]の何れかに記載の光源装置。
[9] 前記第二投影モードにおいて、前記第一波長帯域光、前記第二波長帯域光及び前記第三波長帯域光の何れか複数のうち、前記第一透過領域に入射させる入射光の各々は、該入射光の波長帯域が切り替わる混色期間において、出射が維持されることを特徴とする上記[3]乃至上記[8]の何れかに記載の光源装置。
[10] 上記[1]乃至上記[9]の何れかに記載の光源装置と、
画像光を生成する表示素子と、
前記表示素子から出射された画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置や前記表示素子を制御する投影装置制御手段と、
を備えることを特徴とする投影装置。