(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583694
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】電子機器およびロック管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20130101AFI20190919BHJP
H04M 1/667 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
G06F3/0488 130
H04M1/667
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-14154(P2017-14154)
(22)【出願日】2017年1月30日
(65)【公開番号】特開2018-124628(P2018-124628A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2018年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】荒川 弘樹
【審査官】
菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/137455(WO,A1)
【文献】
特開2013−127662(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/043422(WO,A1)
【文献】
特開2008−113230(JP,A)
【文献】
特開2015−161981(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0249295(US,A1)
【文献】
中国特許第103809906(CN,B)
【文献】
韓国公開特許第10−2016−0128606(KR,A)
【文献】
特開2005−063360(JP,A)
【文献】
特開平05−324560(JP,A)
【文献】
特表2009−514077(JP,A)
【文献】
特開2016−86390(JP,A)
【文献】
特開2015−7940(JP,A)
【文献】
特開2007−87078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489
H04M 1/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のマークを有するマークパターンを含むロック解除画面を表示する表示装置と、
前記マークパターンの一部または全部の前記マークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1回のロック解除操作として検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作を登録ロック解除操作パターンとして検出可能なタッチパネルと、
(a)ユーザー操作を禁止するロック状態において、前記ロック解除画面を前記表示装置に表示させ、(b)前記タッチパネルにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、前記ロック状態を解除するロック管理部と、
を備え、
前記登録ロック解除操作パターンは、ユーザーにより設定および編集可能であり、
前記ロック解除画面は、入力すべき前記ロック解除操作の順番を示す操作番号カウンター値を含み、
前記ロック管理部は、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させ、特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致しないと判定した後も、前記ロック状態を解除せず、かつ前記ロック解除画面の表示を終了せずに、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させていくこと、
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ロック管理部は、前記所定回数の前記ユーザー操作が検出された後に、(c)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致した場合、前記ロック状態を解除すること、
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記ユーザー操作は、フリック操作、スワイプ操作、およびドラッグ操作のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
1または複数のマークを有するマークパターンを含むロック解除画面を表示する表示装置と、前記マークパターンの一部または全部の前記マークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1回のロック解除操作パターンとして検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作を登録ロック解除操作パターンとして検出可能なタッチパネルとを備える電子機器に内蔵されるコンピューターを、
(a)ユーザー操作を禁止するロック状態において、前記ロック解除画面を前記表示装置に表示させ、(b)前記タッチパネルにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、前記ロック状態を解除するロック管理部
として動作させ、
前記登録ロック解除操作パターンは、ユーザーにより設定および編集可能であり、
前記ロック解除画面は、入力すべき前記ロック解除操作の順番を示す操作番号カウンター値を含み、
前記ロック管理部は、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させ、特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致しないと判定した後も、前記ロック状態を解除せず、かつ前記ロック解除画面の表示を終了せずに、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させていくこと、
を特徴とするロック管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびロック管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器において、ユーザー操作を禁止するロック機能の一種として、パターンロックがある。パターンロックでは、格子状に9つのポイントが表示装置に表示され、指先の接触位置の移動が表示装置上のタッチパネルで検出され、指先の接触位置の軌跡が、ポイントを経由する所定のロック解除パターンに一致する場合にはロック状態が解除され、そうでない場合にはロック状態が解除されない。
【0003】
ある情報処理端末では、ロック解除パターンを毎回変更することで、タッチパネル表面に残っている指紋からロック解除パターンが推測されにくくしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ある電子機器では、非接触な状態での指先の移動を検知することにより、非接触でロック解除パターンを検出できるようにすることで、タッチパネル表面に残っている指紋からロック解除パターンが推測されにくくしている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−16115号公報
【特許文献2】特開2014−222392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の技術では、タッチパネル表面に残っている指紋からロック解除パターンが推測されにくくはなるが、ロック解除パターンの入力が指先の1回の連続的な移動であり、視覚的に、ロック解除パターンを構成する指先のすべての軌跡を捉えやすい。そのため、第三者により覗き見られた場合、ロック解除パターンが推測されやすい。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、パターンロックの安全性が高い電子機器およびロック管理プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子機器は、1または複数のマークを有するマークパターンを含むロック解除画面を表示する表示装置と、前記マークパターンの一部または全部の前記マークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1回のロック解除操作として検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作を登録ロック解除操作パターンとして検出可能なタッチパネルと、(a)ユーザー操作を禁止するロック状態において、前記ロック解除画面を前記表示装置に表示させ、(b)前記タッチパネルにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、前記ロック状態を解除するロック管理部とを備える。
そして、前記登録ロック解除操作パターンは、ユーザーにより設定および編集可能とされ、前記ロック管理部は、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させ、特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致しないと判定した後も、前記ロック状態を解除せず、かつ前記ロック解除画面の表示を終了せずに、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させていく。
【0009】
本発明に係るロック管理プログラムは、1または複数のマークを有するマークパターンを含むロック解除画面を表示する表示装置と、前記マークパターンの一部または全部の前記マークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1回のロック解除操作として検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作を登録ロック解除操作パターンとして検出可能なタッチパネルとを備える電子機器に内蔵されるコンピューターを、(a)ユーザー操作を禁止するロック状態において、前記ロック解除画面を前記表示装置に表示させ、(b)前記タッチパネルにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、前記ロック状態を解除するロック管理部として動作させる。
そして、前記登録ロック解除操作パターンは、ユーザーにより設定および編集可能とされ、前記ロック管理部は、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させ、特定した複数回の前記ユーザー操作が前記登録ロック解除操作パターンに一致しないと判定した後も、前記ロック状態を解除せず、かつ前記ロック解除画面の表示を終了せずに、前記ユーザー操作が検出されるたびに、前記操作番号カウンター値を1だけ増加させていく。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パターンロックの安全性が高い電子機器およびロック管理プログラムが得られる。
【0011】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す電子機器1において表示されるロック解除画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すロック解除画面に含まれるマークパターンにおけるマークに対するユーザー操作の方向を説明する図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すロック解除画面に含まれるマークパターンに対するユーザー操作の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す電子機器1における設定データ22に含まれる登録ロック解除操作パターンの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す電子機器の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す電子機器1は、例えばスマートフォンなどのポータブルデバイスまたは複合機などの画像形成装置であって、表示装置11、入力装置12、記憶装置13、コントローラー14などを備える。
【0016】
表示装置11は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどといった内部装置である。入力装置12は、ユーザー操作を検出するタッチパネル12aを含む内部装置である。
【0017】
表示装置11は、ロック解除画面を表示する。
【0018】
図2は、
図1に示す電子機器1において表示されるロック解除画面の一例を示す図である。
図2に示すように、ロック解除画面は、1または複数のマーク(
図2では、2つのマーク41,42)を有するマークパターンを含む。
【0019】
各マーク41,42は、ユーザー操作の起点を示す。この実施の形態では、マーク41,42に対するユーザー操作は、フリック操作、スワイプ操作、およびドラッグ操作のうちのいずれかとされる。
【0020】
タッチパネル12aは、マークパターンの一部または全部のマークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1回のロック解除操作パターンとして検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作を登録ロック解除操作パターンとして検出可能となっている。
【0021】
記憶装置13は、フラッシュメモリー、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置である。記憶装置13には、ロック管理プログラム21、設定データ22などが記憶されている。設定データ22には、上述の登録ロック解除操作パターンが含まれている。
【0022】
コントローラー14は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピューターであり、ロック管理プログラム21をRAMにロードしCPUで実行することで、ロック管理部31として動作する。
【0023】
ロック管理部31は、所定条件が成立すると、当該電子機器1を、ユーザー操作を禁止するロック状態に移行させる。例えば、ロック状態では、ロック解除画面が継続的に表示されたり、表示画面をロック解除画面へ遷移させるための操作部のみが表示装置11に表示されたりする。
【0024】
ロック管理部31は、(a)ロック状態において、上述のロック解除画面を表示装置11に表示させ、(b)タッチパネル12aにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、ロック状態を解除する。ロック状態が解除されると、例えば、コントローラー14は、操作画面を表示装置11に表示させ、ユーザー操作が可能となる。
【0025】
ここでは、複数回のユーザー操作(ロック解除操作)である登録ロック解除操作パターンにおける各回のユーザー操作は、マークパターンを構成するマーク41,42の一部または全部のマークのそれぞれに対する所定方向へのユーザー操作(フリック、スワイプ、ドラッグなど)として指定される。
【0026】
なお、上述のユーザー操作をドラッグ操作とする場合には、ロック管理部31は、ユーザーの指先の接触位置(つまり、タッチパネル12aへの接触が検出される位置)の移動とともに、マーク41,42の表示位置を、基準位置からその接触位置に移動させ、指先の接触が終了すると基準位置へ戻す。
【0027】
つまり、登録ロック解除操作パターンでは、各回のユーザー操作における各マークについてのユーザー操作の有無、およびユーザー操作ありの場合のユーザー操作方向が指定されている。
【0028】
図3は、
図2に示すロック解除画面に含まれるマークパターンにおけるマーク41,42に対するユーザー操作の方向を説明する図である。ここでは、ユーザー操作方向は、所定数の方向(ここでは4方向)のいずれか1つの方向とされる。例えば
図3における実線の矢印で示すように、マーク41に対して、上向きの操作方向41aがユーザー操作方向として指定され、マーク42に対して、下向きの操作方向42aがユーザー操作方向として指定される。
【0029】
図4は、
図2に示すロック解除画面に含まれるマークパターンに対するユーザー操作の一例を示す図である。
【0030】
例えば、登録ロック解除操作パターンにおける1回のユーザー操作において、マーク41,42に対して上向きの操作方向41aおよび下向きの操作方向42aがユーザー操作方向としてそれぞれ指定されている場合、
図4に示すようにユーザーが、マーク41を起点した上方向へのスワイプ操作51およびマーク42を起点した下方向へのスワイプ操作52を1つのタイミングで行うと、登録ロック解除操作パターンにおける1回のユーザー操作と、実際のユーザー操作とが一致することになる。
【0031】
図5は、
図1に示す電子機器1における設定データ22に含まれる登録ロック解除操作パターンの一例を示す図である。
図5に示すように、登録ロック解除操作パターンには、連続するN回分(N>1)のユーザー操作が含まれており、各ユーザー操作について、各マークに対するユーザー操作の有無、およびユーザー操作ありの場合のユーザー操作方向が含まれている。
【0032】
例えば
図5に示す場合では、第1ユーザー操作について、マーク41に対して下向きのユーザー操作方向が指定され、マーク42に対してユーザー操作なしが指定されており、第2ユーザー操作について、マーク41に対して下向きのユーザー操作方向が指定され、マーク42に対して下向きのユーザー操作方向が指定されており、第Nユーザー操作について、マーク41に対してユーザー操作なしが指定され、マーク42に対して上向きのユーザー操作が指定されている。
【0033】
ロック管理部31は、設定データ22内の登録ロック解除操作パターンを読み出して、特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定する。
【0034】
さらに、この実施の形態では、ロック管理部31は、上述の所定回数(登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数N)のユーザー操作が検出された後に、(c)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致した場合、ロック状態を解除する。つまり、ロック管理部31は、第N回未満の回数で誤ったユーザー操作が行われたとしても、ユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致しない旨の判定結果をユーザーに報知しない。
【0035】
さらに、この実施の形態では、ロック解除画面は、入力すべきロック解除操作の順番を示す操作番号カウンター値(つまり、
図5における第iユーザー操作のi(i=1,2,・・・,N))を含み、ロック管理部31は、ユーザー操作が検出されるたびに、操作番号カウンター値を1だけ増加させていき、特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致しないと判定した後も、ロック状態を解除せずに、ユーザー操作が検出されるたびに、操作番号カウンター値を1だけ増加させていく。これにより、登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数Nが推測されにくくなる。
【0036】
次に、上記電子機器の動作について説明する。
図6は、
図1に示す電子機器の動作を説明するフローチャートである。
【0037】
ロック状態において、ロック解除処理の初期状態として、ロック管理部31は、操作番号カウンターを1にセットし(ステップS1)、ロック解除画面を表示装置11に表示させる(ステップS2)。
【0038】
次に、ロック管理部31は、タッチパネル12aでユーザー操作が検出されたか否か(ステップS3)、およびタッチパネル12aでユーザー操作が検出されない時間(前回のユーザー操作からの経過時間、ただし1回目のユーザー操作が検出される前についてはロック解除画面の表示開始からの経過時間)が所定時間以上になったか否か(ステップS4)を監視する。
【0039】
そして、タッチパネル12aでユーザー操作が検出されない時間が所定時間以上になったと判定した場合、ロック管理部31は、現時点までに検出されたユーザー操作を破棄し(ステップS5)、ステップS1に戻り、操作番号カウンターを1にセットし、初期状態に戻す。
【0040】
また、所定時間が経過する前にタッチパネル12aでユーザー操作が検出されると、ロック管理部31は、操作番号カウンター値が登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数Nであるか否かを判定し(ステップS6)、操作番号カウンター値が登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数Nではない場合(操作番号カウンター値がユーザー操作回数Nを超えている場合も含む)、操作番号カウンター値を1だけ増加させ(ステップS7)、ステップS2に戻り、ロック解除画面の表示を終了せずに、次のユーザー操作および経過時間のための監視を行う(ステップS3,S4)。
【0041】
一方、操作番号カウンター値が登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数Nである場合、ロック管理部31は、検出された第1回のユーザー操作のパターンから第N回のユーザー操作のパターンまでの一連のユーザー操作のパターンと、登録ロック解除操作パターンとが一致するか否かを判定する(ステップS8)。
【0042】
そして、検出された第1回のユーザー操作のパターンから第N回のユーザー操作のパターンまでの一連のユーザー操作のパターンと、登録ロック解除操作パターンとが一致した場合、ロック管理部31は、ロック状態を解除し(ステップS9)、表示装置11に表示されている画面をロック解除画面から所定の操作画面(メニュー画面など)に遷移させる。
【0043】
検出された第1回のユーザー操作のパターンから第N回のユーザー操作のパターンまでの一連のユーザー操作のパターンと、登録ロック解除操作パターンとが一致しなかった場合、ロック管理部31は、操作番号カウンター値を1だけ増加させ(ステップS7)、ステップS2に戻り、ロック解除画面の表示を終了せずに、次のユーザー操作および経過時間のための監視を行う(ステップS3,S4)。これにより、ロック解除画面の表示および操作番号のインクリメントが継続され、登録ロック解除操作パターンのユーザー操作回数Nが推測されにくくなる。
【0044】
以上のように、上記実施の形態によれば、表示装置11は、1または複数のマークを有するマークパターンを含むロック解除画面を表示する。タッチパネル12aは、マークパターンの一部または全部のマークのそれぞれに対して1つのタイミングで実行されるユーザー操作を、1つのロック解除操作パターンとして検出し、予め設定されている所定回数分のロック解除操作パターンを登録ロック解除操作パターンとして検出可能となっている。そして、ロック管理部31は、(a)ユーザー操作を禁止するロック状態において、ロック解除画面を表示装置11に表示させ、(b)タッチパネル12aにより複数回検出されたユーザー操作を特定し、(c)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致するか否かを判定し、(d)特定した複数回のユーザー操作が登録ロック解除操作パターンに一致すると判定した場合、ロック状態を解除する。
【0045】
これにより、複数回のユーザー操作によってロック状態が解除されるため、第三者が覗き見たとしても推測しにくく、パターンロックの安全性が高い。
【0046】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0047】
例えば、上記実施の形態では、マークパターン内のマークの数は、2であるが、マークの数は、1でも3以上でもよい。
【0048】
また、上記実施の形態において、マークの形状や模様は、
図2などに示すものに限定されず、マークは、他の形状や模様を有していてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態において、設定データ22内の登録ロック解除操作パターンは、ユーザーにより設定および編集可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば、パターンロック機能を有する電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 電子機器
11 表示装置
12a タッチパネル
21 ロック管理プログラム
31 ロック管理部