特許第6583742号(P6583742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583742
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20190919BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20190919BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   G06F1/16 312G
   G06K7/10 436
   H05K5/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-141267(P2017-141267)
(22)【出願日】2017年7月20日
(65)【公開番号】特開2019-21212(P2019-21212A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2019年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】千葉 康則
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 聡史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 慎也
(72)【発明者】
【氏名】望月 義晃
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−027923(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0088547(US,A1)
【文献】 特開2017−107506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16− 1/18
G06K 7/10
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、
前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様での前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、
前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、
前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、
前記第2の面側であって前記グリップ部と前記端末本体の他端部との間に設けられたえぐれ部と、
を備え、
前記グリップ部は、前記把握態様のときに前記示指により支えられる位置が前記えぐれ部に向かう斜面領域となるように形成されているとともに、前記斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、
前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面に自然に巻き付くような把握態様で、前記ユーザの手により把握可能なグリップ部を備え、
前記グリップ部のうち前記第2の面は、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記母指以外の指が自然な状態で曲がるように、前記第2の面側に向けて凸となる湾曲形状に形成され、
前記湾曲形状に形成された前記グリップ部の前記第2の面には、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記ユーザが把握した手の前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、
前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、
前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、
前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様とされるときに前記示指と前記中指とを頭頂部の両脇に添わせる形状の盛上り部が設けられ、
前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、
前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載された携帯端末において、
前記グリップ部のうち前記第1の面には、前記把握態様のときに前記母指で操作可能な複数のキーが配列された入力操作部が設けられている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載された携帯端末において、
前記グリップ部の延長上に位置する前記端末本体の前記第1の面には、情報を表示する表示部が設けられている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載された携帯端末において、
前記グリップ部の延長上に位置する前記端末本体の前記第2の面には、情報を光学的に読み取る読取部が設けられている、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載された携帯端末において、
前記グリップ部のうち、前記第2の面側には、電池蓋が取り付けられている、
ことを特徴とする携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手に持って使用する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手に持って使用する携帯端末においては、特許文献1に記載されているように、機器ケースの下面が湾曲形状に形成されていると共に、この機器ケースの下面に指掛突起部を設け、機器ケースの上面にユーザの保持手の母指を配置させ、機器ケースの下面に他の指を配置させて示指を指掛突起部に引っ掛けた状態で、機器ケースを片手で握るように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−112891号公報
【0004】
すなわち、この種の携帯端末は、機器ケースの上面に設けられた操作部上に母指を配置させ、機器ケースの下面に他の指を配置させて機器ケースを片手で握った状態で、機器ケースの下面に設けられた指掛突起部に示指をピストルの引金に掛けるのと同じように引っ掛けることにより、母指で上面の操作部を操作すると共に、下面の指掛突起部に設けられたスイッチキーを示指でキー操作するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような携帯端末では、ユーザが母指を機器ケースの上面に被せるように且つ機器ケースを脇から片手で掴むように機器ケースを保持するときに、機器ケースの縦方向と直交する幅方向の長さが、保持手の小指側から示指側に向けて徐々に長くなる形状であるため、ユーザが機器ケースを握りにくく、機器ケースを良好に握ることができないという不都合がある。
【0006】
また、このような携帯端末では、指掛突起部に示指を引っ掛けた際に、示指によってスイッチキーが不用意に動作しないように軽く示指を指掛突起部に引っ掛ける必要があるため、機器ケースを片手で確実に握ることが難しいという不都合がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、ユーザが片手で握り易く、かつ良好にスイッチ操作することができる携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る第1の態様の携帯端末は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様での前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係る第2の態様の携帯端末は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、前記第2の面側であって前記グリップ部と前記端末本体の他端部との間に設けられたえぐれ部と、を備え、前記グリップ部は、前記把握態様のときに前記示指により支えられる位置が前記えぐれ部に向かう斜面領域となるように形成されているとともに、前記斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係る第3の態様の携帯端末は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面に自然に巻き付くような把握態様で、前記ユーザの手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面は、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記母指以外の指が自然な状態で曲がるように、前記第2の面側に向けて凸となる湾曲形状に形成され、前記湾曲形状に形成された前記グリップ部の前記第2の面には、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記ユーザが把握した手の前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、ことを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る第4の態様の携帯端末は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様とされるときに前記示指と前記中指とを頭頂部の両脇に添わせる形状の盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられ、前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ユーザが片手で握り易く、かつ良好にスイッチ操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明を携帯端末に適用した一実施形態を示した正面図である。
図2図1に示された携帯端末の裏面図である。
図3図2に示された携帯端末を左側から見た側面図である。
図4図1に示された携帯端末を裏面側から見た斜視図である。
図5図4に示された携帯端末のA−A矢視における断面を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図5を参照して、この発明を適用した携帯端末の一実施形態について説明する。
この携帯端末は、図1図5に示すように、端末本体である機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、縦方向(図1では上下方向)に長い縦長のほぼ長方形状に形成されている。
【0015】
この機器ケース1は、図1図5に示すように、上辺側のほぼ半分が幅広部1aに形成され、下辺側のほぼ半分が幅狭部1bに形成され、全体がほぼ羽子板形状に形成されている。すなわち、上辺側の幅広部1aは、その縦方向と直交する横方向(図1では左右方向)の長さ(幅)が、下辺側の幅狭部1bの横方向(図1では左右方向)の長さ(幅)よりも長く(広く)形成されている。
【0016】
また、この機器ケース1は、図1図5に示すように、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部にモジュール(図示せず)が組み込まれるように構成されている。上部ケース2は、図1および図3に示すように、機器ケース1と同様、上辺側の幅広部と下辺側の幅狭部とを有するほぼ羽子板形状に形成され、その外周の側面部が下部ケース3に取り付けられるように構成されている。
【0017】
この場合、上部ケース2の上面である表面における上辺側の幅広部には、図1および図5に示すように、そのほぼ全域に亘って表示部4が設けられている。また、上部ケース2の表面における下辺側の幅狭部には、そのほぼ全域に亘ってキー操作部5が設けられている。表示部4は、液晶表示パネルやEL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示パネルなどの平面型の表示パネルであり、ほぼ長方形状に形成されている。
【0018】
この表示部4は、図1および図5に示すように、上部ケース2の表面に設けられた表示窓部4aに対応した状態で上部ケース2内に配置され、表示された情報が表示窓部4aを通して上部ケース2の上方から見えるように構成されている。キー操作部5は、テンキー、カーソルキー、ファンクションキーなどの携帯端末に必要な各種のキーを備えている。この場合、キー操作部5は、その上辺の中間部に上面トリガーキー5aが配置されている。
【0019】
下部ケース3は、図2図4に示すように、上部ケース2と同様、上辺側の幅広部と下辺側の幅狭部とを有するほぼ羽子板形状に形成され、その外周の側面部が上部ケース2に取り付けられるように構成されている。この下部ケース3の上辺部側に位置する幅広部の下面である裏面には、光学読取部6が設けられている。
【0020】
この光学読取部6は、図2図5に示すように、レーザ読取部と撮像部(いずれも図示せず)とを備え、これらが下部ケース3の幅広部における上辺部側に位置する裏面に箱型形状に突出して設けられた読取突起部6a内に格納されている。この場合、読取突起部6aには、レーザ読取部に対応する第1窓部6bと、撮像部に対応する第2窓部6cと、が設けられている。
【0021】
これにより、光学読取部6は、図2図5に示すように、レーザ読取部がレーザ光線を読取突起部6aの第1窓部6bから機器ケース1の外部に出射させ、そのレーザ光線の反射光を受光することにより、物品のバーコードなどを読み取るように構成されている。また、この光学読取部6は、撮像部が第2窓部6cを通してレーザ読取部で読み取る物品の画像を撮影するように構成されている。
【0022】
また、機器ケース1の縦方向(長手方向)におけるほぼ中間部、つまり幅広部1aと幅狭部1bとの境界部側に位置する幅広部1aの両側部には、図1図5に示すように、側面トリガーキー8がそれぞれ設けられている。これら側面トリガーキー8およびキー操作部5の上面トリガーキー5aは、光学読取部6による読取動作を実行させるためのものである。
【0023】
さらに、この機器ケース1の下辺部側に位置する幅狭部1bには、図2図5に示すように、電池蓋10で覆われる電池収納部11がキー操作部5に対応して設けられている。この電池収納部11は、充電池12を収納するものであり、機器ケース1の幅狭部1bに設けられたキー操作部5に対応した状態で、機器ケース1の幅狭部1bの内部に設けられて裏面側に開放されている。
【0024】
この場合、電池収納部11と光学読取部6との間に位置する下部ケース3の裏面には、図2および図4に示すように、電池収納部11を開閉可能に覆う電池蓋10を下部ケース3に着脱可能に取り付けるための一対の取付レバー13が設けられている。すなわち、一対の取付レバー13は、機器ケース1の両側部に設けられた側面トリガーキー8の近傍に設けられている。これら一対の取付レバー13は、これらを回転操作させて、電池蓋10の上辺部の縁部を下部ケース3の裏面に係脱可能に係止させるように構成されている。
【0025】
これにより、電池蓋10は、図2図4および図5に示すように、電池収納部11を開閉可能に覆った状態で、上辺部の縁部が一対の取付レバー13によって係止されることにより、下部ケース3の裏面に取り付けられるように構成されている。また、この電池蓋10は、その下辺部側の端部に支点突起部10aが設けられ、この支点突起部10aを支点として回転することにより、電池収納部11を開閉するように構成されている。
【0026】
ところで、機器ケース1の下辺部側に位置する幅狭部1bには、図1図4に示すように、機器ケース1の第1の面である表面と、その反対側に位置する第2の面である裏面とに跨ってユーザの一方の手により把握可能なグリップ部14が設けられている。このグリップ部14は、ユーザの一方の手の母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザの一方の手により把握可能に構成されている。
【0027】
すなわち、このグリップ部14は、図1図4に示すように、機器ケース1の幅狭部1bである上部ケース2の幅狭部と、下部ケース3の幅狭部と、下部ケース3の電池蓋10と、で構成されている。この場合、グリップ部14における上部ケース2の幅狭部と下部ケース3の幅狭部との各側面部は、ユーザがグリップ部14を上述した把握態様で把握する手を自然に湾曲させる円弧状の湾曲面に形成されている。また、下部ケース3の電池蓋10は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されている。
【0028】
これにより、グリップ部14は、図1図4に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、機器ケース1の表面にユーザが母指F1を被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様のときに、ユーザの他の指F2〜F5が機器ケース1の裏面に自然に曲がって巻き付くような形状に形成されている。
【0029】
このため、グリップ部14は、図1図4に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、機器ケース1の表面にユーザが母指F1を被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手で機器ケース1を保持した際に、ユーザの把握手がフィットすることにより、ユーザの手の大きさに係わらず、ユーザが片手で握り易い形状に形成されている。
【0030】
また、このグリップ部14のうち、裏面に位置する電池蓋10には、図2図5に示すように、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手で機器ケース1を保持した際に、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に盛り上がる盛上り部15が設けられている。
【0031】
この場合、機器ケース1の裏面には、図2図5に示すように、えぐれ部16がグリップ部14とこのグリップ部14の延長上に位置する機器ケース1の他端部側との間に窪んで設けられている。すなわち、このえぐれ部16は、電池蓋10の盛上り部15と光学読取部6の読取突起部6aとの間に窪んだ状態で設けられている。
【0032】
これにより、えぐれ部16は、図2図5に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手でグリップ部14を保持した際に、ユーザが把握する手の示指F2がグリップ部14側に位置するえぐれ部16の斜面に配置されるように構成されている。
【0033】
この場合、盛上り部15は、図2図5に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1を機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザが一方の手でグリップ部14を保持した際に、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に位置する山形状の頭頂部15aを有している。この頭頂部15aは、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に位置して、示指F2と中指F3との屈曲形状に沿って湾曲状に連続するように形成されている。
【0034】
すなわち、この頭頂部15aは、図2図5に示すように、機器ケース1の長手方向と直交する横方向に示指F2と中指F3との屈曲形状に沿って湾曲状に連続すると共に、その連続する横方向における中間部が機器ケース1の裏面側に向けて最も大きく突出し、横方向の中間部から横方向の両側に向かうに従って次第に突出長さが小さくなるように形成されている。また、この盛上り部15は、頭頂部15aを境にして、一方側の裾野である第1の指掛領域17と、他方側の裾野である第2の指掛領域18と、を備えている。
【0035】
第1の指掛領域17は、図2図5に示すように、ユーザが上述した把握態様でグリップ部14を把握した際に、示指F2が押し当てられる斜面であり、電池蓋10の上辺部側から頭頂部15aに向けて急な傾斜面に形成されている。第2の指掛領域18は、ユーザが上述した把握態様でグリップ部14を把握した際に、中指F3〜小指F5が押し当てられる斜面であり、頭頂部15aから電池蓋10の下辺側に向けて緩やかに傾斜する傾斜面に形成されている。
【0036】
すなわち、第1の指掛領域17は、図2図5に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様のときに、ユーザが把握する手の示指F2の腹が、電池蓋10の縦方向(長手方向)における下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて押し当てられて配置されるような傾斜面に形成されている。
【0037】
この第1の指掛領域17は、図2図5に示すように、グリップ部14側に位置するえぐれ部16の傾斜面であり、電池蓋10の上辺側に位置する上辺側から頭頂部15aに向けて急な角度で立ち上る傾斜面に形成されている。また、この第1の指掛領域17は、機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する横方向に連続する頭頂部15aに沿って示指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されている。
【0038】
このため、この盛上り部15は、図2図5に示すように、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部14を握った際に、ユーザの示指F2が第1の指掛領域17の湾曲に沿って屈曲した形状で、その示指F2の腹が第1の指掛領域17に押し当てられ、この状態で第1の指掛領域17を機器ケース1の縦方向における下辺部側、つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せるように構成されている。
【0039】
一方、第2の指掛領域18は、図2図5に示すように、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部14を把握するときに、ユーザが把握する手の他の指F3〜F5の各腹がグリップ部14の電池蓋10を機器ケース1に向けて押し当てて、ユーザの中指F3〜小指F5が並んだ状態で自然に曲がるような湾曲面に形成されている。
【0040】
すなわち、この第2の指掛領域18は、図2図4に示すように、頭頂部15aから電池蓋10の下辺側に向けて緩やかに傾斜する湾曲面に形成されている。これにより、この第2の指掛領域18は、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部14を把握するときに、示指F2以外の指F3〜F5が並んで自然な状態で曲がるように、電池蓋10の裏面側に向けて凸となる緩やかな湾曲形状に形成されている。
【0041】
また、この第2の指掛領域18には、図2図5に示すように、ユーザが把握する手の小指F5の位置を規制する指規制凸部18aが電池蓋10の下辺部から機器ケース1の裏面における下辺部に亘って設けられている。すなわち、この指規制凸部18aは、電池蓋10の下辺部から機器ケース1の下辺部に亘って緩やかに立ち上る傾斜面に形成されている。
【0042】
これにより、指規制凸部18aは、図1図5に示すように、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザがグリップ部14を把握した状態で、母指F1が機器ケース1のキー操作部5をキー操作しているときに、ユーザが把握する手の小指F5の腹が配置されることにより、その小指F5がグリップ部14から離脱しないように、小指F5の位置を規制するように構成されている。
【0043】
さらに、この機器ケース1は、図1図5に示すように、グリップ部14が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状で形成されている。これにより、この機器ケース1は、ユーザがグリップ部14を握る際に、ユーザが右手でも、また左手でも、同じように握れるように構成されている。
【0044】
ところで、電池蓋10の上辺部に設けられた盛上り部15の第1の指掛領域17は、図5に示すように、下部ケース3に設けられた蓋保持部23の裏面に配置されて保持されるように構成されている。すなわち、この蓋保持部23は、第1の指掛領域17とほぼ同じ形状に盛り上がって形成されている。この蓋保持部23の内部には、下面トリガーキー20が第1の指掛領域17に対応して設けられている。
【0045】
この下面トリガーキー20は、図5に示すように、キー操作部5の上面トリガーキー5aおよび側面トリガーキー8と同様、光学読取部6による読取動作を実行させるためのものである。この下面トリガーキー20は、スイッチ本体20aと操作釦20bとスイッチ保持部20cとを備えている。
【0046】
すなわち、この下面トリガーキー20のスイッチ保持部20cは、図5に示すように、第1の指掛領域17に対応する蓋保持部23内に配置された状態で、蓋保持部23の内面に取り付けられている。スイッチ本体20aは、第1の指掛領域17の傾斜面と平行に傾斜した状態で、スイッチ保持部20cに保持され、この状態で機器ケース1の幅広部1a内に設けられた回路基板22と電気的に接続されるように構成されている。
【0047】
操作釦20bは、図5に示すように、被押圧部であり、第1の指掛領域17の傾斜面と平行に傾斜した状態でスイッチ本体20aに配置され、蓋保持部23に設けられた釦孔23aを通して、電池蓋10の第1の指掛領域17に設けられた釦挿入孔21内に配置されている。これにより、操作釦20bは、機器ケース1の外部から押圧操作された際に、スイッチ本体20aをオン動作させるように構成されている。この場合、操作釦20bは、機器ケース1の外部に突出しない状態で第1の指掛領域17の釦挿入孔21内に配置されている。
【0048】
このため、下面トリガーキー20は、図5に示すように、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を片手で握った際に、ユーザが把握する手の示指F2が屈曲した形状で示指F2の腹が第1の指掛領域17にその湾曲に沿って押し当てられ、この状態で盛上り部15を機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せても、操作釦20bが示指F2の腹で押し込まれることがなく、スイッチ本体20aがオン動作しないように構成されている。
【0049】
また、この下面トリガーキー20は、図5に示すように、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を片手で握り、ユーザが把握する手の示指F2が屈曲した形状で、その示指F2の腹が第1の指掛領域17にその湾曲に沿って押し当てられた状態で、示指F2の腹が盛上り部15を機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せられて、示指F2の腹が釦挿入孔21に強く押し込まれると、操作釦20bが示指F2の腹によって押し込まれてスイッチ本体20aがオン動作するように構成されている。
【0050】
次に、このような携帯端末の作用について説明する。
この携帯端末を使用する場合には、まず、機器ケース1の裏面に電池蓋10を取り付けて、機器ケース1の幅狭部1bに設けられた電池収納部11を覆う。このときには、電池蓋10の下辺部側の端部を電池収納部11の下辺側の内周部に装着させ、この装着された電池蓋10の端部の支点突起部10aを支点として、電池蓋10を回転させて電池蓋10の上辺部を下部ケース3の蓋保持部23上に配置させる。
【0051】
すると、電池蓋10の第1の指掛領域17に設けられた釦挿入孔21が蓋保持部23の釦孔23aに対応し、この釦孔23aを通して下面トリガーキー20の被押圧部である操作釦20bが電池蓋10の第1の指掛領域17に設けられた釦挿入孔21に挿入される。この場合、操作釦20bは、機器ケース1の外部に突出しない状態で第1の指掛領域17の釦挿入孔21内に配置される。
【0052】
また、このときには、電池蓋10の上辺部の縁部が、下部ケース3の裏面に設けられた一対の取付レバー13に対応する。このため、これら一対の取付レバー13を回転操作させることにより、一対の取付レバー13によって電池蓋10の上辺部の縁部が下部ケース3の裏面に押し付けられて係止される。これにより、電池蓋10が、下面トリガーキー20を超えた状態で、電池収納部11を覆って下部ケース3の裏面に取り付けられる。
【0053】
このような携帯端末を使用する場合には、電池蓋10が位置する箇所のグリップ部14をユーザが一方の手で握って機器ケース1を保持する。すなわち、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが一方の手でグリップ部14を把握する。
【0054】
このときには、母指F1が機器ケース1の表面のキー操作部5上に配置され、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に盛上り部15の頭頂部15aが配置され、この状態で示指F2の腹が機器ケース1の裏面側に位置する電池蓋10の盛上り部15における第1の指掛領域17に押し当てられ、他の指F3〜F5の各腹が盛上り部15の第2の指掛領域18上に配置される。
【0055】
この状態では、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが把握する手の示指F2の腹を電池蓋10の盛上り部15における第1の指掛領域17の傾斜面に押し当て、この状態で第1の指掛領域17を盛上り部15の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて、その把握手の示指F2を引き寄せる。
【0056】
この場合、示指F2の腹が電池蓋10の盛上り部15における第1の指掛領域17の傾斜面に押し当てられ、機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せられると、示指F2が第1の指掛領域17にその湾曲に沿って自然な状態で屈曲して押し当てられる。
【0057】
このときには、ユーザが把握する手の示指F2が第1の指掛領域17にその湾曲に沿って屈曲した形状で押し当てられても、示指F2の腹が第1の指掛領域17の釦挿入孔21に深く食い込むことがない。このため、操作釦20bが示指F2の腹によって押し込まれることがないので、スイッチ本体20aがオン動作することがない。
【0058】
また、このときには、ユーザがキー操作部5を母指F1で操作すべく、ユーザが母指F1をキー操作部5に被せ機器ケース1の脇側から延ばした他の指F2〜F5で機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、ユーザが把握する手の他の指F3〜F5の各腹が盛上り部15の第2の指掛領域18上に押し当てられる。この状態では、指F3〜F5が第2の指掛領域18の湾曲面に沿って自然に曲がった状態で並んで配置される。
【0059】
これにより、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に、盛上り部15の頭頂部15aが配置された状態で、中指F3〜小指F5が盛上り部15の第2の指掛領域18を包み込むように自然に曲がった状態で第2の指掛領域18に並んで配置される。このため、指F3〜F5が第2の指掛領域18にその湾曲面に沿って安定した状態で良好に配置される。これによって、ユーザが片手で機器ケース1のグリップ部14を確実にかつ良好に把握することができる。
【0060】
このように、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を握った際には、グリップ部14が機器ケース1の幅狭部1bに設けられ、かつグリップ部14の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、ユーザが把握する手で機器ケース1のグリップ部14を確実にかつ良好に握ることができると共に、ユーザが把握する手をグリップ部14にフィットさせることができる。
【0061】
また、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を片手で握る際には、グリップ部14が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることにより、ユーザが右手でも、また左手でも、機器ケース1のグリップ部14を確実にかつ良好に握ることができる。この場合にも、グリップ部14の下面側が緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1のグリップ部14を片手で握った際に、ユーザの把握手がグリップ部14にフィットする。
【0062】
このようにユーザが機器ケース1のグリップ部14を握った際には、母指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、母指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0063】
このときには、電池蓋10の下辺部から機器ケース1の裏面における下辺部に亘って設けられた指規制凸部18aによって、ユーザが把握する手の小指F5がグリップ部14から脱落しないように、把握手の小指F5が位置規制される。このため、母指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5をキー操作する際に、把握手の小指F5がグリップ部14から脱落しないので、ユーザが良好にグリップ部14を把握することができる。
【0064】
また、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を握った際には、示指F2が盛上り部15の第1の指掛領域17の傾斜面、つまりグリップ部14側に位置するえぐれ部16の傾斜面に配置されるので、このえぐれ部16の傾斜面である第1の指掛領域17に設けられた釦挿入孔21に挿入された下面トリガーキー20の操作釦20bを示指F2で容易に操作することができる。
【0065】
すなわち、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を片手で握った際には、ユーザが把握する手の示指F2が屈曲した形状で、その示指F2の腹が第1の指掛領域17にその湾曲に沿って押し当てられて、第1の指掛領域17を機器ケース1の下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて引き寄せた状態で、示指F2の腹を釦挿入孔21に強く押し込むと、下面トリガーキー20の操作釦20bが示指F2の腹によって押し込まれて、下面トリガーキー20のスイッチ本体20aをオン動作させる。
【0066】
このように、下面トリガーキー20がオン動作すると、機器ケース1の幅広部1aの裏面に設けられた光学読取部6が駆動されて、レーザ読取部がレーザ光線を読取突起部6aの第1窓部6bから機器ケース1の外部に出射させ、そのレーザ光線の反射光を受光することにより、物品のバーコードなどを読み取る。また、このときには、光学読取部6の撮像部が第2窓部6cを通してレーザ読取部で読み取る物品の画像を撮影する。
【0067】
また、このようにユーザが機器ケース1のグリップ部14を片手で握って、下面トリガーキー20がオン動作する際にも、電池蓋10の下辺部から機器ケース1の裏面における下辺部に亘って設けられた指規制凸部18aによって、ユーザが把握する手の小指F5がグリップ部14から脱落しないように、把握手の小指F5を位置規制することができる。
【0068】
このため、ユーザがキー操作部5を母指F1でキー操作しながら下面トリガーキー20を示指F2で操作する際には、ユーザがグリップ部14を良好に把握した状態で、キー操作部5を良好にキー操作することができると共に、下面トリガーキー20を良好に操作することができる。
【0069】
このように、この携帯端末によれば、端末本体である機器ケース1の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で、一方の手により把握可能なグリップ部14を備えているので、機器ケース1のグリップ部14にユーザが把握する手を自然な形状の状態で配置させることができ、これによりユーザが把握する手をグリップ部14に良好にフィットさせて把握することができる。
【0070】
この場合、この携帯端末では、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で当該機器ケース1を把握するときに、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に頭頂部15aが位置するように、盛上り部15が設けられているので、ユーザがグリップ部14を把握する手の示指F2の腹を盛上り部15の示指F2側に位置する斜面領域である第1の指掛領域17に押し当てることができる。
【0071】
このため、この携帯端末では、ユーザが把握する手の示指F2の腹を盛上り部15の傾斜面である第1の指掛領域17に、盛上り部15における下辺部側つまりユーザが把握する手側に向けて、押し当てることができるので、示指F2を機器ケース1の下辺部側に位置するユーザの把握手側に向けて引き寄せることができ、これにより機器ケース1のグリップ部14をユーザが確実にかつ良好に握って、機器ケース1を把握することができる。
【0072】
また、この携帯端末では、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でユーザがグリップ部14を把握したときに、ユーザが把握する手の示指F2によって操作可能な下面トリガーキー20が盛上り部15の斜面領域である第1の指掛領域17に対応した状態で、機器ケース1の内部に設けられていることにより、ユーザが把握する手の示指F2によって下面トリガーキー20を良好に操作することができる。
【0073】
すなわち、この携帯端末では、下面トリガーキー20が盛上り部15の斜面領域である第1の指掛領域17から被押圧部である操作釦20bを露出させるように設けられているので、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握したときに、ユーザが把握する手の示指F2を下面トリガーキー20に対応させて配置させることができ、この状態で下面トリガーキー20を操作することができるので、下面トリガーキー20の操作性を向上させることができる。
【0074】
また、この携帯端末によれば、機器ケース1の裏面に位置するグリップ部14とこれの延長上に位置する機器ケース1の他端部との間にえぐれ部16が設けられ、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様のときに、示指F2により支えられる位置がえぐれ部16に向かう斜面である第1の指掛領域17に形成されているので、ユーザが片手で握り易く、確実にかつ良好に機器ケース1を把握することができる。
【0075】
すなわち、この携帯端末では、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握するときに、グリップ部14側に位置するえぐれ部16の斜面である第1の指掛領域17に把握手の示指F2の腹をえぐれ部16の下辺部側、つまりユーザが把握する手側に向けて押し当てることができる。
【0076】
このため、この携帯端末では、ユーザが把握する手の示指F2をえぐれ部16の下辺部側の第1の指掛領域17に、ユーザが把握する手側に向けて押し当てることができるので、これによってもえぐれ部16の下辺部側をユーザの把握手側に向けて引き寄せることができ、これにより機器ケース1のグリップ部14をユーザが確実にかつ良好に握って、機器ケース1を把握することができる。
【0077】
この場合、この携帯端末では、グリップ部14側に位置するえぐれ部16の斜面である第1の指掛領域17に対応した状態で機器ケース1の内部に設けられ、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握したときに、ユーザが把握する手の示指F2によって操作可能な下面トリガーキー20を備えていることにより、ユーザが機器ケース1のグリップ部14を確実にかつ良好に把握した状態で、下面トリガーキー20を良好に操作することができる。
【0078】
また、この携帯端末によれば、機器ケース1の一端部に設けられたグリップ部14のうちの裏面は、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様で機器ケース1を把握するときに、母指F1以外の指F2〜F5が自然な状態で曲がるように、裏面側に向けて緩やかに突出する湾曲形状に形成されていることにより、ユーザが片手で握り易く、グリップ部14を確実にかつ良好に把握することができる。
【0079】
すなわち、この携帯端末では、機器ケース1の表面にユーザの母指F1が配置され、他の指F2〜F5が機器ケース1の脇側から延びて機器ケース1の裏面の湾曲形状に沿って自然に巻き付くので、ユーザの母指F1以外の指F2〜F5を自然な状態で曲げることができるので、ユーザが把握する手を機器ケース1のリップ部14にフィットさせて配置させることができ、これによりユーザが片手で握り易く、グリップ部14を確実にかつ良好に把握することができる。
【0080】
この場合、この携帯端末では、湾曲形状に形成されたグリップ部14の裏面に突出して設けられ、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握するときに、ユーザが把握する手の示指F2と中指F3との間に頭頂部15aが位置するように、盛上り部15が設けられているので、ユーザが把握する手を機器ケース1のグリップ部14にフィットさせて配置させた状態で、把握手の示指F2の腹を盛上り部15の傾斜面である第1の指掛領域17に押し当てることができる。
【0081】
このため、この携帯端末では、ユーザが把握する手の示指F2の腹を盛上り部15の傾斜面である第1の指掛領域17に、盛上り部15の下辺部側つまり把握手側に向けて押し当てた状態で、指掛領域17を機器ケース1の下辺部側に位置するユーザの把握手側に向けて引き寄せることができるので、機器ケース1のグリップ部14をユーザが確実にかつ良好に握って、機器ケース1を把握することができる。
【0082】
また、この携帯端末では、グリップ部14の裏面に、ユーザが母指F1を機器ケース1の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握したときに、示指F2と中指F3とを頭頂部15aの両脇に添わせる形状の盛上り部15が設けられていることにより、ユーザが把握する手を機器ケース1のグリップ部14にフィットさせて配置させた状態で、把握手の示指F2の腹を盛上り部15の傾斜面である第1の指掛領域17に押し当てることができる。
【0083】
また、この携帯端末では、グリップ部14の表面に設けられ、ユーザが母指F1をグリップ部14の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を把握したときに、ユーザが把握する手の母指F1で操作可能な複数のキーが配列された入力操作部であるキー操作部5を備えていることにより、ユーザがグリップ部14を握って機器ケース1を把握した状態で、把握手の母指F1によってキー操作部5を良好にキー操作することができ、これにより情報を良好に入力することができる。
【0084】
また、この携帯端末では、グリップ部14の延長上に位置する機器ケース1の表面に情報を表示する表示部4が設けられていることにより、ユーザが母指F1をグリップ部14の表面に被せ機器ケース1の脇側から延ばした少なくとも示指F2と中指F3とで機器ケース1の裏面を支えるような把握態様でグリップ部14を握った際に、母指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を良好に見ることができると共に、この表示部4に表示された情報を見ながら、母指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0085】
さらに、この携帯端末によれば、グリップ部14の延長上に位置する機器ケース1の裏面に情報を光学的に読み取る光学読取部6が設けられていることにより、示指F2で下面トリガーキー20を押圧させてオン動作させた際に、光学読取部6を駆動させてレーザ読取部によって物品のバーコードなどを良好に読み取ることができると共に、光学読取部6の撮像部によってレーザ読取部で読み取る物品の画像を良好に撮影することができる。
【0086】
また、この携帯端末では、グリップ部14の裏面側に電池蓋10が取り付けられていることにより、盛上り部15の第1の指掛領域17および第2の指掛領域18、第1の指掛領域17であるえぐれ部16の傾斜面を電池蓋10に設けることができるので、盛上り部15およびえぐれ部16の傾斜面を電池蓋10と共に容易に製作することができると共に、機器ケース1の形状が簡単なり、機器ケース1を容易に製作することができる。
【0087】
なお、上述した実施形態では、機器ケース1の表面に表示部4とキー操作部5とを設けた場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えばキー操作部を透明なタッチパネルで形成して表示パネルを積層させた入力表示部であっても良い。
【0088】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0089】
(付記)
請求項1に記載の発明は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様での前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられている、ことを特徴とする携帯端末である。
【0090】
請求項2に記載の発明は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部と、前記第2の面側であって前記グリップ部と前記端末本体の他端部との間に設けられたえぐれ部と、を備え、前記グリップ部は、前記把握態様のときに前記示指により支えられる位置が前記えぐれ部に向かう斜面領域となるように形成されているとともに、前記斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられている、ことを特徴とする携帯端末である。
【0091】
請求項3に記載の発明は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面に自然に巻き付くような把握態様で、前記ユーザの手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面は、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記母指以外の指が自然な状態で曲がるように、前記第2の面側に向けて凸となる湾曲形状に形成され、前記湾曲形状に形成された前記グリップ部の前記第2の面には、ユーザが前記グリップ部を前記把握態様で把握した際に、前記ユーザが把握した手の前記示指と前記中指との間の位置に頭頂部が位置するように、盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられている、ことを特徴とする携帯端末である。
【0092】
請求項4に記載の発明は、端末本体の一端部として設けられ、ユーザが一方の手の母指を前記端末本体の第1の面に被せ前記端末本体の脇側から延ばした少なくとも示指と中指とで前記第1の面の裏面に位置する第2の面を支えるような把握態様で、前記一方の手により把握可能なグリップ部を備え、前記グリップ部のうち前記第2の面には、前記把握態様とされるときに前記示指と前記中指とを頭頂部の両脇に添わせる形状の盛上り部が設けられ、前記盛上り部における斜面領域であって前記把握態様での前記示指が位置する側の斜面領域に被押圧部が露出するようにスイッチ部が設けられている、ことを特徴とする携帯端末である。
【0093】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載された携帯端末において、前記スイッチ部の前記被押圧部は、前記端末本体の前記斜面領域の表面に対して同一面または凹んだ位置に露出するように配置されていることを特徴とする携帯端末である。
【0094】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された携帯端末において、前記グリップ部のうち前記第1の面には、前記把握態様のときに前記母指で操作可能な複数のキーが配列された入力操作部が設けられていることを特徴とする携帯端末である。
【0095】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載された携帯端末において、前記グリップ部の延長上に位置する前記端末本体の前記第1の面には、情報を表示する表示部が設けられていることを特徴とする携帯端末である。
【0096】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載された携帯端末において、前記グリップ部の延長上に位置する前記端末本体の前記第2の面には、情報を光学的に読み取る読取部が設けられていることを特徴とする携帯端末である。
【0097】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載された携帯端末において、前記グリップ部のうち、前記第2の面側には、電池蓋が取り付けられていることを特徴とする携帯端末である。
【符号の説明】
【0098】
1 機器ケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 表示部
5 キー操作部
6 光学読取部
10 電池蓋
11 電池収納部
14 グリップ部
15 盛上り部
15a 頭頂部
16 えぐれ部
17 第1の指掛領域
18 第2の指掛領域
20 下面トリガーキー
20a スイッチ本体
20b 操作釦
20c スイッチ保持部
21 釦挿入孔
23 蓋保持部
23a 釦孔
図1
図2
図3
図4
図5