(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記安定化レール、前記グラウンドレール、前記シャントレギュレータ集成体、前記電力検出部品及び前記制限トランジスタが、2本のリードを備えた装置パッケージ内に共に一体化されている、請求項1の本質安全電圧クランプ装置。
前記安定化レール、前記グラウンドレール、前記シャントレギュレータ集成体、前記電力検出部品及び前記制限トランジスタが、2本より多いリードを備えた装置パッケージ内に共に一体化されている、請求項1に記載の本質安全電圧クランプ装置。
前記電力検出部品が前記電流検出抵抗であり、前記電流検出抵抗は、前記電流検出抵抗で検出される前記電流が前記閾値を超えると、前記制限トランジスタによって前記調整トランジスタを飽和モードへと移行させるように構成されている、請求項1に記載の本質安全電圧クランプ装置。
前記2つ以上の電圧クランプ装置のそれぞれが、2本の主外部電気リード及び1本以上の副外部電気リードを備えた装置パッケージ内に一体化されている、請求項6に記載のプロセス制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0012]本開示は、本質安全電圧クランプ装置を対象とし、具体的には、熱制限部品及び/または電力制限部品により、内蔵式の装置パッケージ内にある電圧調整を行う装置部品に対する熱的損傷を防ぐことを対象とする。特に、本開示に係る電圧クランプ装置は、シャント電圧レギュレータの機能的要件に適合し、それと共に、物理的に小型、かつ本質安全のパッケージングを可能とする。各実施形態では、熱制限部品を利用することにより、装置のクランプ電圧を自動的に低下させて、1つ以上の調整部品における電力消費を減少させる。その結果、これらの制限部品により、安全限界最大クランプ電圧を維持しつつ、過熱に関わる損傷から装置の電圧調整部品が保護され得る。
【0013】
[0013]次に、
図1を参照すると、本開示の一実施形態に係り構成された例示的なシステム100は、プロセス制御装置106及び電源108を含む。主たる電圧クランプ装置102a及び冗長な電圧クランプ装置102bは、ある実施態様では、装置部品110に印加される電圧をそれぞれの安全クランプ電圧に制限し得る。2つの電圧クランプ装置102a及び102bを搭載することにより、システム100は、電圧クランプ装置102a及び102bの一方が故障しても電圧クランプが継続されることを要求する本質安全(intrinsically safe:IS)規格に従うことができる。例示的な電圧クランプ装置については、
図2A及び2Bを参照してさらに詳しく述べる。
【0014】
[0014]
図1ではプロセス制御装置106内にあるものとして示されているが、主たる電圧クランプ装置102a及び冗長な電圧クランプ装置102bは、プロセス制御装置の内部にあっても外部にあってもよい。電圧クランプ装置102a及び102bは、プロセス制御装置106に着脱式で接続可能なモジュール式装置であってもよく、電気リードの任意の組み合わせを通じてプロセス制御装置に電気的に接続され得る独立型装置であってもよい。一般に、電圧クランプ装置102a及び102bは、任意の適切な内部または外部の電気的接続、端子などにより、プロセス制御装置106に接続されてもよく、その一部になっていてもよい。
【0015】
[0015]プロセス制御装置106は、スイッチ、送信機、熱電対、ソレノイド弁などを含み得るが、特に、装置部品110を含み得る。この装置部品110は、装置部品110に電圧が印加されているときにエネルギーを蓄える任意の種類の回路部品または部品集成体であってよい。例えば、装置部品110は、1つ以上のコンデンサまたはインダクタを含み得る。
図1には1つの装置部品110のみを示しているが、プロセス制御装置は、エネルギーを蓄えることができる任意の数の部品を備え得ることは明らかである。
【0016】
[0016]プロセス制御装置106は、製造プラント、オイルまたはガスの抽出用建造物、精製所、暖房・換気・空調(heating, ventilation, and air conditioning:HVAC)システムなどの一部であってよい。これらにおいてプロセス制御装置102aは、有害な環境(有害なガス、化学物質、蒸気、粉塵、繊維などを含む環境など)に曝される。このようにして、プロセス制御装置106を本質安全のプロセス制御装置106とすることができる。すなわち、プロセス制御装置106は、電圧クランプ装置102a及び102bと組み合わせて本質安全を実現することができる。
【0017】
[0017]例示的な電源108は、プロセス制御装置に電力を供給し得、プロセス制御装置106並びに電圧クランプ装置102a及び102bの双方に対して動作可能に接続され得る。この構成においてプロセス制御装置106並びに電圧クランプ装置102a及び102bは、(例えば、プロセス制御装置106の2つの端子と電圧クランプ装置102a及び102bの2本のリードによって)並列に接続されている。電源108は、様々な部品に電力を供給し、場合によっては、他の回路または部品に動作電圧を提供し得る。例えば、電源108は正負の出力電圧を提供し得るが、これらの電圧は、電圧クランプ装置102a及び102b並びに装置部品110の各レールに対して順に印加される。これらの正負電圧は、それぞれ
図1において+V及び−Vと示されているものの、電圧クランプ装置102a及び102b並びに装置部品110の一方のレールに正電圧を印加し、他方のレールを接地してもよいことが理解されている。
【0018】
[0018]例えば、電源108は主電源に接続され得る。あるいは、電源108はバッテリ電源に接続され得る。また、電源108は、場合によっては、電源信号(例えば、24V)を特定電圧(例えば、±3.3V、±10V)に変換し得る。この場合、電圧クランプ装置102a及び102b並びに装置部品110の各レールにこれらの特定電圧を印加することができる。
【0019】
[0019]ある実施態様では、電圧クランプ装置102a及び102bは、(i)調整部品112a及び112b(それぞれ、トランジスタ、増幅器、基準電圧といった、シャント電圧調整用集成体の一部である部品など);(ii)電力検出部品114a及び114b(それぞれ、サーミスタ、他の温度センサ、電流センサなど);並びに(iii)1つ以上の制限部品116a及び116b(それぞれ、ダイオード、トランジスタなど)を含み、電力検出部品114a及び114bの作動に基づき、調整部品112a及び112bにおける電力消費を選択的に減少させるように構成されている。さらに、本明細書では「電力検出」を行うものとして説明されたが、これらの部品114a及び114bは、その代わりに、
図2A及び2Bに関して以下で説明される別のパラメータ値(調整部品112a及び112bの温度に関する、またはそれに関連付けられるパラメータ値など)に従って制限部品116a及び116bを制御し得る。
【0020】
[0020]調整部品112a及び112bには、電圧クランプ装置102a及び102b内のそれぞれのシャント電圧レギュレータ集成体における任意の部品が含まれ得る。調整部品112aは、例えば、電圧クランプ装置102aの安定化レールとグラウンドレールの間に配置されたトランジスタ、増幅器及び/または基準電圧装置を含み得る。ある場合には、調整部品112aの故障(例えば、過熱による)により、電圧クランプ装置102aは、(例えば、装置部品110に印加される)電圧を安全クランプ電圧にクランプする機能を失う場合がある。
【0021】
[0021]過熱による調整部品112a及び112bの故障を防ぐため、調整部品112a及び112bは、(
図2Aに示すように)電力検出部品114a及び114bに接続され得る。調整部品112aと電力検出部品114a及び調整部品112bと電力検出部品114bをそれぞれ接続することにより、部品間の熱結合が生じ得る。例えば、この熱結合は、調整部品112aから電力検出部品114a及び調整部品112bから電力検出部品114bにそれぞれ熱が伝導されるのを促進するための熱パッドまたは熱伝導グリースを含み得る。
【0022】
[0022]調整部品112aから電力検出部品114a及び調整部品112bから電力検出部品114bにそれぞれ熱を伝導させることにより、電力検出部品114aまたは114bが(例えば、一定の閾温度にて)作動し得る。電力検出部品114a及び114bが作動すると、制限部品116a及び116bをそれぞれ作動させ得る。制限部品116a及び116bは、電圧クランプ装置102a及び102bのシャント電圧調整用集成体に電気的に接続された任意の適切な回路部品(例えば、ダイオード、トランジスタ及び抵抗)を含み得、それにより、制限部品116a及び116bは、調整部品112a及び112bにおける電力消費を減少させる。調整部品112a及び112bで消費される電力を減少させることにより、制限部品116a及び116bは、調整部品112a及び112bの温度を減少させて過熱を防ぎ得る。
【0023】
[0023]電力検出部品114a及び114bによって作動させることの他に、調整部品112a及び112bの温度が十分低下したことを電力検出部品114a及び114bが検出したときに制限部品116a及び116bを非作動にしてもよい。すなわち、(例えば、閾値未満に)調整部品112a及び112bの温度が低下した後、対応する電力検出部品114a及び114b並びに制限部品116a及び116bを非作動にしてもよい。
【0024】
[0024]他の実施形態では、電力検出部品114a及び114bは、調整部品112a及び112bと熱的に結合されていないが、その代わりに、調整部品112a及び112bで消費される電力に応じて調整部品112a及び112bの温度を調整する。一実施形態では、例えば、電力検出部品114a及び114bは、調整部品112a及び112b内のトランジスタのトランジスタ接合電圧を検出し得る。電力検出部品114a及び114bがトランジスタ接合電圧の減少を検出すると、電力検出部品114a及び114bは、調整部品112a及び112bによって消費される電力を制限部品116a及び116bによって減少させることができる。
【0025】
[0025]別の実施形態では、電力検出部品114a及び114bは、それぞれ調整部品112a及び112bにかかる電圧と流れる電流を検出するように構成されており、それによって調整部品112a及び112bで消費されている電力を算出する。その電力が閾値を超えると、電力検出部品114a及び114bは、それぞれ制限部品116a及び116bに(例えば、クランプ電圧を低下させることによって)電圧を制限させ、かつ/または電流を制限させ得るが、それによって調整部品112a及び112bで消費される電力を減少させ、それに応じて、その電力消費に関わる温度上昇を抑制する。
【0026】
[0026]いずれにしても、調整部品112a及び112bの熱を制限することにより、電圧クランプ装置102a及び102bの各部品を小型かつ内蔵式の装置パッケージ内に容易に一体化させることができる。このような小型の装置パッケージにより、電圧クランプ装置102a及び102bによって利用される物理的空間についての懸念がある用途において電圧クランプ装置102a及び102bを使用することが可能となり得る。さらに、電圧クランプ装置102a及び102bは、本質安全規格における個別機器の要件に適合し得る。この要件により、通常であればより複雑な機器に要求される場合に比べると、電圧クランプ装置102a及び102bを実装する際に余分なものを少なくすることができる。
【0027】
[0027]
図2Aは、本質安全電圧クランプ装置(電圧クランプ装置102a及び102bの一方など)として一体化され得る例示的な回路200を示す図である。以下では、一定の部品を参照してこの例示的な回路200を説明しているが、任意の適切な値及び種類の部品を利用して回路200の電圧クランプ及び熱制限機能を提供し得ることは明らかである。
【0028】
[0028]例示的な回路200は、安定化レール202とグラウンドレール204の間に印加される電圧を安全クランプ電圧にクランプするように構成されたシャントレギュレータ集成体201を含む。シャントレギュレータ集成体は、1つ以上の抵抗206、増幅器208、増幅器208の非反転端子に接続された基準電圧210、及び増幅器208の電圧出力端子に接続されたトランジスタ212などの1つ以上の調整部品を含み得る。例示的な回路200では、増幅器208は、基準電圧210とシャントされた安定化レール202からのフィードバック電圧との差に応じてトランジスタ212を駆動する。従って、例示的な回路200内で消費される電力の大部分はトランジスタ212で消費され、場合によっては、このトランジスタ212の温度が上昇し得る。
【0029】
[0029]このようにトランジスタ212(またはシャントレギュレータ集成体201の1つ以上の他の調整部品内)の温度が上昇すると、(囲み216によって示すように)トランジスタ212と熱的に結合されている熱作動部品214が作動し得る。この熱作動部品214の作動は、熱作動部品214における様々な変化に対応し得る。例えば、熱作動部品214は、トランジスタ212の温度が上昇すると抵抗が低下するNTCサーミスタであってよい。ただし、熱作動部品214は任意の適切な温度センサ(PTCサーミスタ、集積回路など)を含み得ることが理解されている。あるいは、回路200は、増幅器を利用して、トランジスタ212の実際の温度と目標の最高温度または閾値とを比較してもよい。
【0030】
[0030]作動すると、熱作動部品214は、調整部品(トランジスタ212など)で消費される電力を1つ以上の制限部品(トランジスタ218など)によって減少させる。熱作動部品214としてNTCサーミスタが実装されている1つの例示的な事例では、サーミスタ214は、安定化レールとグラウンドレールの間に設けられた温度依存性の分圧器の一部として機能し、トランジスタ218のベース電圧を変化させ、トランジスタ218を「ターンオン」させるのに十分な抵抗に減少し得る(すなわち、トランジスタ218のベース電圧は上昇し得る)。すなわち、トランジスタ218のベース・エミッタ間の電圧差が増加するため、熱作動部品214の電圧降下は減少し得る。
【0031】
[0031]このような増加により、トランジスタ212は、増幅器208によって左右される場合に比べて「より強く」ターンオンし得る(例えば、トランジスタの電流が増加する)。その結果、安定化レール202とグラウンドレール204の間のクランプ電圧が低下して、トランジスタ212で消費される電力とトランジスタ212の温度を共に減少させることができる。
【0032】
[0032]例示的な回路200は、電流、電圧などの値または定格を調整するための様々な他の部品(例えば、抵抗及びダイオード)をさらに含み得る。ある場合には、回路200は、4〜20mA本質安全回路が使用される用途向けに構成され得る。従って、回路200の最大電流定格が130mAである場合でも、例示的な回路200に通常流れる電流は25mA未満となり得る。正常動作中、回路200は、25mAまでをシャントするように動作することができ得る。しかしながら、回路200は、(例えば、制限部品によって)シャント電圧を低下させて、電流130mAまでの異常状態にある調整部品を保護し得る。あるいは、回路200の定格を195mAまでとして、IS規格に要求される過大評価の安全率に適合させてもよい。
【0033】
[0033]
図2Aにはバイポーラ接合型トランジスタ(bipolar junction transistor:BJT)として示されているが、トランジスタ212及び218はBJTである必要はなく、容易に理解されるであろうが、その代わりに回路200は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal−oxide−semiconductor field effect transistor:MOSFET)技術を用いて設計されてもよい。
【0034】
[0034]1つの事例では、25mAをシャントする6Vのシャントレギュレータは、150mWを消費することになる。このようにして、例示的な回路200は、熱制限モードへと移行する(例えば、熱作動部品214が作動する)ことなく、上記の電力量を消費することができ得る。トランジスタ212のダイの最高温度が150℃であり、かつ85℃の環境で装置が動作している場合、ダイから周囲への熱抵抗が233℃/Wであれば、30℃の動作余裕を提供するのに十分となる。さらに、回路200の定格を195mAとする場合、回路200は、上記のような異常動作状態においてダイ温度を150℃未満に保つためには、(例えば、トランジスタ216などの制限部品によって)安全クランプ電圧を1.43V未満に減少させるだけでよい。
【0035】
[0035]
図2Bは、電流検出を使用して調整部品の熱的負荷を制御する別の実施形態を示している。
図2Bにおいて例示的な回路220は、
図2Aの回路とほぼ同じように機能する。すなわち、回路220の正常動作中、増幅器208は同様に、基準電圧と安定化レール202からのフィードバック電圧との差に応じて調整トランジスタ222を駆動する。回路220内で消費される電力の大部分は、トランジスタ222で消費される。トランジスタ222によってシャントされている電流が十分小さい場合(例えば、25mA未満)、トランジスタ224はカットオフになる。トランジスタ224により抵抗226を通じてシャントされている電流が十分流れて、トランジスタ224をターンオンする程度に抵抗226にかかる電圧が降下した場合、トランジスタ224はトランジスタ222をターンオンして、回路220のクランプ電圧を低下させる。このようなトランジスタ224による電流駆動の電圧制限動作は、トランジスタ224がターンオンしているときのレベルをシャント中の電流が下回るまで、(増幅器208とトランジスタ222の組み合わせによって提供される)通常のシャント電圧制御に優先する。例えば、回路220は、設計されたクランプ電圧6Vにおいて20mAをシャントすることができる。しかしながら、回路220に供給される電流を200mAとした場合、安定化レール202の電圧は1.4Vを下回ることになる。電流駆動でクランプ電圧を低下させることにより、トランジスタ222で消費される電力を制限する効果がある。
【0036】
[0036]他の実施形態では、抵抗226にかかる電圧を増幅して、クランプ電圧を低下させるときの電流をより正確に制御してもよい。さらに他の実施形態では、乗算回路を実装して、電力を制限するのに必要な分だけ電圧を低下させることもできる。しかしながら、これらの改良は、意図した熱制限機能を達成するのに必ず必要となるわけではない。
【0037】
[0037]
図3A〜3Cは、本質安全電圧クランプ装置が一体化され得る装置パッケージの例示的な構成を示している。例えば、電圧クランプ装置102a及び/もしくは102bまたは回路200もしくは220は、
図3A〜3Cに示す方法と同様の方法で一体化され得る。
【0038】
[0038]
図3Aは、本質安全電圧クランプ装置が一体化され得る一例の装置パッケージ300のブロック図である。装置パッケージ300は、
図2Aまたは2Bに示された一連の部品(例えば、回路200)などの、電圧クランプ機能及び熱制限機能を提供するように構成された一式の部品302を含む。電源(電源108など)は、2本のリード310及び312を通じて部品302に電圧を供給し得るが、この2本のリード310及び312は、この例示的な装置パッケージ300では、装置パッケージ300から唯一外に出ている2本のリードであり得る。装置パッケージ300は、場合によっては、本質安全規格に従った方法で製造され、または組み立てられ得る。装置パッケージ300は、例えば、防塵であってよく、かつ/または、特定用途向けの離間距離及び機械的要件に適合してもよい。加えて、装置パッケージ300を構成するのに用いられる材料には、電気的特性に基づいて選択された材料が含まれ得る。具体的には、装置パッケージ300の材料は、一定の静電条件を満たすことにより、静電荷の蓄積を防止し得る。
【0039】
[0039]装置パッケージ300などの2本のリードを備えた装置パッケージには、より大きな装置の一部である電圧クランプ回路と比べて、別の本質安全要件を適用してもよい。さらに、本質安全規格に従うために、装置パッケージ300は、2本のリード310及び312を介して冗長な電圧クランプ装置と並列に接続されてもよい。冗長な電圧クランプ装置は、装置パッケージ300と同様の部品を含み得るが、一般に、任意の適切な部品集成体、リード及び接続を含み得る。
【0040】
[0040]
図3Bは、本質安全電圧クランプ装置が一体化され得る別の例示的な装置パッケージ320のブロック図である。装置パッケージ300と同様に、装置パッケージ320は、電圧クランプ機能及び熱制限機能を提供するように構成された一式の部品322を含む。ただし、この場合、電源は、3本以上のリード324及び326(3本のリード、4本のリード、5本のリードなど)を通じて部品322に電圧を供給し得る。
【0041】
[0041]装置パッケージ320の3本以上のリード324及び326は、共に短絡され、さもなければ組み合わされ、または接続され得るが、それにより、2本のリード328及び330のみを装置パッケージ320の部品322に接続させる。
図3Bには、リード324及び326が装置パッケージ320の内部で接続されている様子を示しているが、これらの3本以上のリード324及び326は、装置パッケージ320の外部または内部で組み合わされ、または接続され得ることが理解されている。
【0042】
[0042]装置パッケージ(装置パッケージ320など)は、2本よりも多くの電気リードを含むことにより、本質安全規格の特定の項に従い得る。このようにして、リード324及び326は、装置パッケージ320の電圧クランプ機能を妨げることなく内部または外部で選択的に共に短絡され、それによって規格への適合を維持し得る。さらに、装置パッケージ320を他の電圧クランプ装置と冗長的に組み合わせて、本質安全を維持してもよい。
【0043】
[0043]
図3Cは、本質安全電圧クランプ装置が一体化され得るさらに別の例示的な装置パッケージ360のブロック図である。この装置パッケージ360も、電圧クランプ機能及び熱制限機能を提供するように構成された一式の部品362を含む。しかしながら、2本のリード364及び366に加えて、装置パッケージ360は、1本以上の余剰リード368を含む。この1本以上の余剰リード368には、集積回路(integrated circuit:IC)の未使用ピン、電力トランジスタパッケージの未使用リードなどが含まれ得る。
【0044】
[0044]装置パッケージ360は余剰リード368を含むが、これらの余剰リード368は、(
図3Dの「X」に示すように)その他の回路部品と電気的に接続されているとは限らない。このようにして、装置パッケージ360では、装置パッケージ360の電圧クランプ機能を余剰リード368が妨げ得ないことが保証され、場合によっては、装置パッケージ360が一定の本質安全規格に従うことが保証され得る。例えば、一定の本質安全規格では、集積回路においてその各リードを任意の組み合わせで電気的に短絡しても安全を維持することが求められ得る。
【0045】
[0045]
図3A〜3Cは、一定数の個別部品、リード及び接続種類を示しているが、任意の数及び組み合わせの部品、リード及び接続種類を装置パッケージが含み得ることは明らかである。例えば、装置パッケージは、安定化レール及びグラウンドレールにそれぞれ接続された2本、3本、5本などのリードを含んでもよく、(例えば、電源に接続された)2本の主要電気リードに加えて、0本、1本、2本などの電気リードを含んでもよい。
[発明の項目]
[項目1]
本質安全電圧クランプ装置であって、
安定化レールと、
グラウンドレールと、
前記安定化レールと前記グラウンドレールの双方に接続され、1つ以上の調整部品を含むシャントレギュレータ集成体であって、前記安定化レールと前記グラウンドレールの間に印加される電圧を安全クランプ電圧の値にクランプするように構成されたシャントレギュレータ集成体と、
電力検出部品であって、
(1)少なくとも1つの前記調整部品の温度が閾値を超えると、前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された熱作動部品、または
(2)電流検出抵抗であって、前記電流検出抵抗に流れる電流が閾値を超えると、前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された電流検出抵抗、を含む電力検出部品と、
を備える本質安全電圧クランプ装置。
[項目2]
前記安定化レール、前記グラウンドレール、前記シャントレギュレータ集成体、前記電力検出部品及び前記制限部品が、2本のリードを備えた装置パッケージ内に共に一体化されている、項目1の本質安全電圧クランプ装置。
[項目3]
前記装置パッケージが、前記2本のリードを介し、少なくとも1つの冗長な装置パッケージであって、前記冗長な装置パッケージに印加される前記電圧を冗長な安全クランプ電圧の値にクランプするように構成された少なくとも1つの冗長な装置パッケージに接続されている、項目1または2の本質安全電圧クランプ装置。
[項目4]
前記安定化レール、前記グラウンドレール、前記シャントレギュレータ集成体、前記電力検出部品及び前記制限部品が、2本より多いリードを備えた装置パッケージ内に共に一体化されている、項目1〜3のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目5]
前記装置パッケージの2本のリードが前記安定化レールと前記グラウンドレールにそれぞれ電気的に接続されており、余剰なリードは、前記リード間を任意の組み合わせで短絡しても前記本質安全電圧クランプ装置の電圧クランプ機能を妨げないように構成されている、項目1〜4のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目6]
前記装置パッケージが電力トランジスタパッケージである、項目1〜5のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目7]
前記電力検出部品が前記熱作動部品であり、前記熱作動部品が物理的近接によって前記1つ以上の調整部品と熱的に結合されている、項目1〜6のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目8]
前記電力検出部品が前記熱作動部品であり、前記熱作動部品が熱接着剤によって前記1つ以上の調整部品と熱的に結合されている、項目1〜7のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目9]
前記1つ以上の調整部品が第1トランジスタを含み、前記1つ以上の制限部品が第2トランジスタを含む、項目1〜8のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目10]
前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される前記電力を減少させることは、前記第2トランジスタを作動させて、前記安定化レールと前記グラウンドレールの間に印加される前記電圧を、前記安全クランプ電圧の値よりも絶対値が小さい第2電圧にクランプすることを含む、項目1〜9のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目11]
前記電力検出部品が前記電流検出抵抗であり、前記電流検出抵抗は、前記電流検出抵抗で検出される前記電流が前記閾値を超えると、前記第2トランジスタによって前記第1トランジスタを飽和モードへと移行させるように構成されている、項目1〜10のいずれか1項の本質安全電圧クランプ装置。
[項目12]
プロセス制御装置であって、
第1端子及び第2端子を備えた装置部品であって、前記装置部品の前記第1端子と前記第2端子の間に電圧が印加されているときにエネルギーを蓄える装置部品と、
前記装置部品に電気的に接続された2つ以上の電圧クランプ装置であって、各電圧クランプ装置が他の前記電圧クランプ装置と並列に配置されていると共に、各電圧クランプ装置が前記装置部品に印加される前記電圧を安全クランプ電圧にクランプするように構成されており、各電圧クランプ装置が、
1つ以上の調整部品を含むシャントレギュレータ集成体、及び
温度または電流が閾値を超えると、少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された電力検出部品を備える電圧クランプ装置と、
を備えるプロセス制御装置。
[項目13]
前記1つ以上の調整部品が第1トランジスタを含み、前記1つ以上の制限部品が第2トランジスタを含む、項目12のプロセス制御装置。
[項目14]
前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される前記電力を減少させることは、前記第2トランジスタを作動させて、前記装置部品に印加される前記電圧を、前記安全クランプ電圧の値よりも絶対値が小さい第2電圧にクランプすることを含む、項目12または13のプロセス制御装置。
[項目15]
前記2つ以上の電圧クランプ装置のそれぞれが、2本の外部電気リードを備えた装置パッケージ内に一体化されている、項目12〜14のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目16]
前記2つ以上の電圧クランプ装置のそれぞれが、2本の主外部電気リード及び1本以上の副外部電気リードを備えた装置パッケージ内に一体化されている、項目12〜15のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目17]
前記装置パッケージの前記副外部電気リードは、前記装置パッケージ内部のいずれにも電気的に接続されていない、項目12〜16のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目18]
前記電力検出部品が熱作動部品であり、前記熱作動部品が温度センサ及び増幅器を含む、項目12〜17のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目19]
前記電力検出部品が熱作動部品であり、前記熱作動部品がサーミスタを含む、項目12〜18のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目20]
前記電力検出部品が電流検出抵抗であり、前記電流検出抵抗は、前記電流検出抵抗に流れる電流が閾値を超えると、前記1つ以上の調整部品で消費される電力を前記1つ以上の制限部品によって減少させるように構成されている、項目12〜19のいずれか1項のプロセス制御装置。
[項目21]
電圧クランプ装置であって、
安定化レールと、
グラウンドレールと、
1つ以上の調整部品を含むシャントレギュレータ集成体であって、安定化レールとグラウンドレールの間に印加される電圧を安全クランプ電圧の値にクランプするように構成されたシャントレギュレータ集成体と、
少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された電力検出部品と、
を備える電圧クランプ装置。
[項目22]
前記電力検出部品は、前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された熱作動部品である、項目21の電圧クランプ装置。
[項目23]
前記電力検出部品は、前記少なくとも1つの前記調整部品で消費される電力を1つ以上の制限部品によって減少させるように構成された電流検出抵抗である、項目21または22の電圧クランプ装置。
[項目24]
前記電圧クランプ装置は、本質安全装置用に定められた規格に適合する、項目21〜23のいずれか1項の電圧クランプ装置。
[項目25]
前記1つ以上の調整部品が第1トランジスタを含み、前記1つ以上の制限部品が第2トランジスタを含む、項目21〜24のいずれか1項の電圧クランプ装置。