(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583798
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 17/00 20160101AFI20190919BHJP
A23L 27/50 20160101ALI20190919BHJP
【FI】
A23L17/00 Z
A23L27/50 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-197424(P2017-197424)
(22)【出願日】2017年10月11日
(65)【公開番号】特開2019-68779(P2019-68779A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2019年4月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308008683
【氏名又は名称】有限会社 林屋川魚店
(74)【代理人】
【識別番号】100162857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】小林 博
(72)【発明者】
【氏名】青木 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 翔
【審査官】
太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−199523(JP,A)
【文献】
特開2003−102422(JP,A)
【文献】
特開平07−227245(JP,A)
【文献】
石川工試研究報告,2001年,Vol. 50,p. 30-35
【文献】
日本醸造協会誌,2012年 7月,Vol. 107, No. 7,p. 477-484
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記稚鮎を解体して内臓部分を除去して本体部分とし、
該本体部分を、鮎を原材料とする魚醤粕に浸漬し、
前記稚鮎の表面に焦げ目ができる程度の表面焼きを、180℃〜200℃の温度で、15分間〜25分間行い、
前記稚鮎の頭や骨まで食べられるように内部焼きを、100℃〜110℃の温度で、2時間〜4時間行う
ことを特徴とする稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法。
【請求項2】
前記稚鮎として、養殖された稚鮎を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法。
【請求項3】
前記稚鮎の内臓部分は、前記魚醤粕の製造に用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法。
【請求項4】
前記魚醤粕の原材料である鮎として、規格外鮎を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法。
【請求項5】
前記稚鮎の本体部分は、前記魚醤粕に5分間〜20分間浸漬する
ことを特徴とする請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのまま食べたり、ご飯のおかずにしたり、酒の肴などにしたりすることができる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、大豆などの穀類を発酵させて、それを搾って製造する穀醤や、ハタハタ、イワシ及びエビなどの魚介類を発酵させて、それを搾って製造する魚醤が知られている。なお、醤油とは、一般的には比較的安価で製造できる穀醤のことを意味している。一方、魚醤は、魚介類を発酵させて製造しているのではあるが生臭さがほとんどなく、穀醤に比べてうま味成分であるグルタミン酸、アスパラギン酸や、甘味を有するアラニン、グリシン、スレオニン、セリンなどのアミノ酸を多く含有するという特徴がある。
【0003】
近年、原材料の地理的表示を明確化する地域ブランド化が重要視されている。そして、本願出願人は清流で名高く、天然鮎の生産が多い那珂川の畔で川魚店を営んでいる。なお、天然鮎は十分な漁獲量を確保できないことから、那珂川流域の清流を利用する養殖鮎の生産がさかんに行われている。
【0004】
本願出願人は、栃木県立馬頭高校の水産科と共同で那珂川流域での養殖や捕獲が可能な「養殖鮎」及び「養殖ペヘレイ」、那珂川を遡上してきた「天然鮭」について魚醤を製造し、アミノ酸含有量を日本ハム株式会社 中央研究所 分析技術チームに分析依頼をした(アミノ酸分析機を使用して分析。)。その結果、「養殖鮎」を用いた魚醤は、「天然鮭」や「養殖ペヘレイ」に比べてうま味成分や甘味成分であるグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、グリシンなどのアミノ酸を多く含有することが分かった。
【0005】
【表1】
【0006】
なお、従来より、防腐剤を兼ねた化学調味料や、化学着色料などの化学添加物を一切使用しないで、魚醤を使用して魚介類に浸漬する発明が開示されている。例えば、さんまや生鮭などの魚介類を、みりんなどを加えた魚醤に浸漬して密封する加工食品についての発明が特許文献1に、魚介類を魚醤に浸漬した後、透水性を有するシートを介して多孔質の火山灰内に埋没させて脱水及び脱臭する加工食品についての発明が特許文献2において開示されている。そして、魚介類を魚醤に浸漬することによって、魚醤に含まれているアミノ酸や塩分が魚介類に浸み込んで美味になることが一般的にも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−42667号公報
【特許文献2】特開2013−240280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、魚醤は穀醤に比べてうま味成分や甘味成分であるアミノ酸を多く含有するものの生産量が極めて少ないことや、高価であることなどの問題点がある。加えて、上述した特許文献1や特許文献2に記載されている魚醤に浸漬された魚介類は、賞味期間や保存できる期間が限られているという問題点や、加熱処理工程が必要であり、そのままの状態では食することができないという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記した問題点の除去を目的としており、化学添加物を使用することがなく安全であり、安価で製造できるとともに、保存期間が長く、そのままの状態で手軽に稚鮎を丸ごと頭から骨まで食することができる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、防腐剤を兼ねた化学調味料や化学着色料を使用することなく、高級川魚である鮎を原材料とする魚醤を製造するに際して、従来は副産物として廃棄処分をされていた魚醤粕(魚醤の搾り粕)に稚鮎を浸漬した後、加熱処理をして丸ごと頭から骨まで食することができる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法に関するものである。
【0011】
そして、魚醤粕には、塩分や十分に搾り切れなかった魚醤のうま味成分や甘味成分であるアミノ酸を含有しているとともに、鮎の内臓等に含まれている蛋白質を分解する消化酵素(以下において、単に消化酵素と呼ぶ。)や、麹菌などの微生物によって製造される消化酵素が活性な状態で存在している。その魚醤粕に稚鮎を浸漬しているので、塩分やうま味成分が稚鮎に含侵されて美味になっている。その後の加熱処理工程(後述する表面焼き、内部焼き)によって、長期間の保存が可能であり、見た目も美しい稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法の提供を特徴としている。
【0012】
請求項1に記載した発明は、
稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記稚鮎を解体して内臓部分を除去して本体部分とし、
該本体部分を、鮎を原材料とする魚醤粕に浸漬し、
前記稚鮎の表面に焦げ目ができる程度の表面焼きを、
180℃〜200℃の温度で、15分間〜25分間行い、
前記稚鮎の頭や骨まで食べられるように内部焼きを、
100℃〜110℃の温度で、2時間〜4時間行う
ことを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載した発明を用いると、化学添加物を使用することがなく安全であり、安価で製造できるとともに、保存期間が長く、そのままの状態で手軽に稚鮎を丸ごと頭から骨まで食することができる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法を提供することができる。
また、稚鮎の表面に美味しそうな焦げ目ができるとともに、稚鮎の頭から骨まで食べられるように加工することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記稚鮎として、養殖された稚鮎を用いる
ことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載した発明を用いると、請求項1に記載した発明に加えて、生産量の多く安価な養殖稚鮎を原材料に用いることができる。
【0016】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記稚鮎の内臓部分は、前記魚醤粕の製造に用いられる
ことを特徴とする。
【0017】
稚鮎の内臓部分には、魚醤を製造する際の発酵に必須な消化酵素や微生物などが含まれていることや、廃棄物低減の点からも好ましい。
【0018】
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記魚醤粕の原材料である鮎として、規格外鮎を用いる
ことを特徴としている。
【0019】
商品としての販売に不適格な規格外鮎を用いることができるので、魚醤や魚醤粕を安価に製造することができる。
【0020】
請求項5に記載した発明は、請求項1に記載の稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造方法において、
前記稚鮎の本体部分は、前記魚醤粕に5分間〜20分間浸漬する
ことを特徴としている。
【0021】
請求項5に記載した発明を用いると、稚鮎の本体部分に塩分や魚醤粕に含まれている魚醤のうま味成分が含侵されるとともに、活性な消化酵素の作用によって、稚鮎表面の蛋白質の一部が分解されるので魚臭さが少なく、食べやすくなることが確認されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しは、安価で製造することができるとともに、保存期間が長く、そのままの状態で手軽に丸ごと頭から骨まで食べることができる。また、本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しは、鮎を原材料とする魚醤粕に稚鮎を浸漬しており、同じ種類の魚(鮎)を用いて製造しているので違和感もない。
【0025】
加えて、本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しは、化学着色料、化学調味料、化学保存料などの化学添加物を一切使用しておらず安全性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造工程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しについて詳細に説明する(
図1)。本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しの製造工程は、主に魚醤及び魚醤粕の製造工程と、稚鮎の魚醤粕浸漬・加熱処理工程(表面焼き、内部焼き)の二つの製造工程を有するものである。
1.魚醤及び魚醤粕の製造工程
最初に、本発明に関わる魚醤及び魚醤粕の製造工程を
図1を用いて説明する。この稚鮎の魚醤漬け焼き干しは、生産量の多い養殖鮎を原材料にしているが、高価な天然鮎を用いることができることは言うまでもない。そこで、以下において、養殖鮎、天然鮎、又は、後述する規格外鮎を特に区別しないで単に鮎と呼ぶ場合がある。また、稚鮎とは、養殖鮎又は天然鮎を問わず、一匹あたりの質量が7g〜12g程度の若鮎のことをいう。
【0028】
鮎を丸ごと(内臓部分も含む。)、例えば、ひき肉を製造するための一般的な器具を用いて2〜5mm程度の大きさにミンチ化をする。鮎をミンチ化することによって、表面積が増加するので、消化酵素による発酵が起こりやすくなる。このミンチ化する鮎としては、養殖池から取り出す際にキズがついたり、大きすぎたり、小さすぎたりして形が悪く、商品としての販売に不適格な鮎(以下において、単に規格外鮎と呼ぶ。)を用いることができる。ミンチ化する鮎として規格外鮎を用いることによって、魚醤や魚醤粕を安価に製造することができる。
【0029】
このミンチ化した鮎100質量部に、食塩を10〜15質量部、ブドウ糖を8〜12質量部、種菌を1〜4質量部加えて混錬する(
図1)。すなわち、防腐剤を兼ねた化学調味料や、化学着色料などの化学添加物を一切使用していない。
【0030】
種菌とは、消化酵素や微生物などが含まれている液体状のものであり、後述する濾過、加熱・殺菌をする前の魚醤のことをいう。この種菌の添加によって、食塩やブドウ糖の溶解を容易にできるとともに発酵期間を短縮することができる。なお、種菌に替えて、後述する魚醤粕や、種菌と魚醤粕の混合物を添加することもできる。
【0031】
通常の室温(20〜35℃)では、食塩が多すぎると発酵しにくいという問題点や、食塩が少なすぎると腐敗しやすいという問題点があるのでこの範囲の食塩量が好ましい。また、通常の室温(20〜35℃)及び上述した食塩の添加量の範囲では、酵母菌などの耐塩性の微生物(以下、単に微生物と呼ぶ。)の栄養素であるブドウ糖の添加量としてこの範囲が好ましい。
【0032】
次に、稚鮎を解体して、本体と内臓とを分離し、不要となった内臓部分を上記ミンチ化した鮎とともに混錬するのが原材料の節約及び廃棄物低減の点からも好ましい(
図1)。また、鮎(稚鮎も含む。)の内臓部分には、発酵に必須な消化酵素や微生物などが含まれているので稚鮎の内臓部分をミンチ化した鮎に加えるのが好ましい。なお、稚鮎の内臓部分の添加は必須ではないことや、生産時期によっても多少の変動はあるものの、ミンチ化した鮎100質量部に対して、稚鮎の内臓部分は2〜3質量部とするのが好ましい。
【0033】
この混錬物を、室温(20℃〜35℃)で3〜5か月間、例えば4か月間、蓋のある樽状の容器に入れた状態で放置し、原材料である鮎の内臓や魚体に含まれる消化酵素と、微生物による消化酵素によって十分に発酵させて発酵物を製造する。なお、放置時の温度を高めに設定(例えば、40℃〜55℃)することによって、発酵期間を短縮できることは言うまでもない。
【0034】
この発酵物を袋、例えば、木綿製やポリエステル製などの袋に入れて搾り、液体部分と固体部分(魚醤粕)とに分離する。液体部分の一部は上述した種菌として用い、残りの大部分は、例えば、紙製のフィルタを用いて濾過し、加熱・殺菌してその後の発酵を止めた状態で魚醤として販売する。一方、従来は廃棄されていた固体部分である魚醤粕を、本発明ではそのままの状態で使用することを特徴としている。
2.稚鮎の魚醤漬け・加熱処理工程
次に、稚鮎の魚醤漬け・加熱処理工程について説明する(
図1)。養殖産又は天然産の稚鮎を解体して、本体部分と内臓部分とに分離する。分離した内臓部分は、上述したように次回以降の魚醤及び魚醤粕の製造に用いられる。
【0035】
稚鮎の本体部分は、室温状態(20℃〜35℃)で上述した魚醤粕に5分〜20分程度浸漬する。ここで、この魚醤粕には、絞り切れなかった魚醤が残存している。また、この魚醤粕には、消化酵素などが生きた状態(活性な状態)で存在している。
【0036】
したがって、稚鮎の本体部分には、魚醤粕に含まれている魚醤のアミノ酸であるうま味成分(表1)や塩分が含侵されるとともに、活性な消化酵素によって、稚鮎表面の蛋白質の一部が分解されることになる。そして、稚鮎の本体を加熱・殺菌をした魚醤に浸漬するよりも、活性な消化酵素が存在している魚醤粕に浸漬した方が、魚臭さが少なく、食べやすくなることも確認されている。
【0037】
魚醤粕に浸漬した稚鮎の本体部分は、水洗し、表面の水分を拭取るなどによって水分の一部を除去した後に加熱処理工程を行った。
【0038】
加熱処理工程として、最初に比較的高温で稚鮎の表面に美味しそうな焦げ目ができる程度の表面焼きをする。表面焼きは、使用する加熱器具の種類(例えば、電熱ヒータ式又は赤外線式などの加熱方式、加熱器具内部のファンの種類や風向きなどによる対流性能、内部の湿度など。)にも依存するのではあるが、株式会社マルゼン製の電気式オーブン(SSC−10型)を用いた場合には、180℃〜200℃の比較的高温で、15分間〜25分間にわたって加熱すると、稚鮎の表面に美味しそうな焦げ目ができることがわかった。
【0039】
次に、比較的低温で前記稚鮎の頭や骨まで食べられるように内部焼きをした。内部焼きの条件は、上述した電気式オーブン(SSC−10型)を用いた場合には、100℃〜110℃、2時間〜4時間にわたって加熱して行った。なお、稚鮎を用いることによって、比較的短時間の内部焼きによって稚鮎の頭や骨まで食べられるように加工できる。
【0040】
本発明に係わる稚鮎の魚醤漬け焼き干しは、養殖産又は天然産の稚鮎を、鮎を原材料とする魚醤粕に浸漬し、加熱処理をして製造している。すなわち、原材料として同じ種類の川魚である鮎を用いているので味や風味に違和感がない。加えて、従来は魚醤の製造工程で廃棄されていた魚醤粕を、本発明ではそのままの状態で使用しているので、稚鮎の魚醤漬け焼き干しを安価に製造できる。
【0041】
なお、使用する稚鮎の大きさ(質量)や、消費者の嗜好等に応じて、上述した表面焼きや内部焼きの温度又は時間を適宜調整するのが好ましい。
【実施例】
【0042】
規格外鮎を約40kg(内臓を含む。)、2〜5mm程度の大きさにミンチ化した。このミンチ化した規格外鮎100質量部に対して、食塩を12質量部、ブドウ糖を10質量部、種菌を2質量部加えて混錬し、室温(20〜35℃)で4か月間放置して発酵させた。
【0043】
一匹当たりの質量が8g〜10gの養殖鮎の稚鮎を解体して、本体部分と内臓部分とに分離する。なお、分離された内臓部分は、ミンチ化した規格外鮎とともに混錬し、次回以降に使用される魚醤や魚醤粕の製造に使用される。
【0044】
この発酵物を木綿製の袋に入れて搾り、液体部分(魚醤)と固体部分(魚醤粕)とに分離した。この固体部分である魚醤粕に、内臓を取った養殖稚鮎の本体部分を25℃〜30℃の温度で約10分間浸漬した。
【0045】
魚醤粕に浸漬した稚鮎の本体部分を、水洗し、表面の水分を拭取った後に、株式会社マルゼン製の電気式オーブン(SSC−10型)を用いて190℃の比較的高温で、20分間加熱して表面に焦げ目ができる程度まで行って表面焼きをした。
【0046】
その後、上記した電気式オーブンを用いて100℃の比較的低温で、3時間にわたって内部焼きを行って頭や骨まで食べられる稚鮎の魚醤漬け焼き干しが完成する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、養殖産や天然産の稚鮎を用いる魚醤漬け焼き干しの製造方法として利用することができる。