特許第6583961号(P6583961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583961
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6587 20110101AFI20190919BHJP
   H01R 24/64 20110101ALI20190919BHJP
【FI】
   H01R13/6587
   H01R24/64
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-246889(P2015-246889)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-112016(P2017-112016A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】境澤 直志
(72)【発明者】
【氏名】長沼 健一
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−515317(JP,A)
【文献】 特開2012−54173(JP,A)
【文献】 特表平11−507760(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104505648(CN,A)
【文献】 中国実用新案第2491977(CN,Y)
【文献】 米国特許第6280209(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581−13/659
H01R 24/60 −24/64
H01R 13/6473−13/6477
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部導体シェルと、コネクタの嵌合方向に沿って対向するように配置された2つの端子群と、前記2つの端子群を保持して前記外部導体シェルに収容された絶縁体とを含むコネクタであって、
前記2つの端子群は、それぞれ2つの端子からなる端子ペアを少なくとも1組以上含み、
前記2つの端子群の各々に含まれる前記端子ペアの各端子は、
前記コネクタの先端側の端部に相手側コネクタの端子と接触して接続するための接触部と、
前記コネクタの後端側の端部に基板に実装するための端子実装部と
を含み、
前記外部導体シェルは、前記基板に実装するためのシェル実装部と、後端側にシェル実装部を兼ねるグランド端子を含み、
前記グランド端子は、前記2つの端子群のうち一方の端子群に含まれる一群の端子実装部と他方の端子群に含まれる一群の端子実装部との間の基板に実装されること
を特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記グランド端子は、前記絶縁体から露出した2つの端子群の間を通って前記基板に実装されること
を特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記グランド端子は、前記基板に設けられた孔に挿入して実装できるように、前記基板に対して垂直に延出した形状であること
を特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記グランド端子は、前記基板に表面実装できるように折り曲げられた形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記外部導体シェルは、前記一群の端子実装部間に実装された前記グランド端子側とは反対側に、前記シェル実装部を2つ含み、
前記一群の端子実装部は、それぞれ前記グランド端子と前記シェル実装部との間に設けられたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号の高速伝送に適したコネクタに関する。具体的には、コネクタが備える複数の端子において、インピーダンス整合を維持することが可能なように、配置及び構成された複数の端子の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号等を伝送する際に使用するコネクタには、一般的に、複数の導電端子を保持する絶縁体と、当該絶縁体を収容する外部導体シェルを備えるものがある。例えば、特許4439540号公報(特許文献1)に記載のコネクタは、2つ1組の対となる信号用端子に加えて、グランド端子を設けて、そのグランド端子を2つ1組の対となる信号用端子の間、または、一方の信号用端子の対と他方の信号用端子の対との間に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4439540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、計測機器、音響・映像(AV)機器等の電子機器に搭載されたデータ処理装置の能力が向上し、電子機器において膨大なデータを処理できるようになり、それに伴って、大量のデータが電気信号としてコネクタを介して高速に送受信されるようになった。このような高周波の電気信号を適切に伝送するために、例えば、特許4439540号(特許文献1)に記載されたコネクタでは、グランド端子によって信号用端子間で生じるインピーダンス整合等の乱れを低減し、望ましい高周波特性を得ることができる。
【0005】
しかしながら、このようなグランド端子は、信号端子とは別に2つ1組の対となる信号用端子の間、または、一方の信号用端子の対と他方の信号用端子の対との間に、1つ以上配置する必要があるため、コネクタを構成する部品数が増し、コネクタの内部構造を複雑にするという問題があった。また、コネクタの内部構造が複雑になることによって、インピーダンス整合をとることが困難となり得る。
【0006】
以上のような課題を解決するために、コネクタの嵌合方向に沿って対向するように配置された2つの端子群と、該端子群を保持する絶縁体と、該絶縁体を収容する外部導体シェルとを備える基板側コネクタにおいて、基板に外部導体シェルを実装するためのシェル実装部を、2つの端子群の間を通し、一方の端子群に含まれる複数の端子の一群の端子実装部と他方の端子群に含まれる複数の端子の一群の端子実装部との間に実装することで、当該外部導体シェルのシェル実装部がグランド端子として機能することが可能なコネクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施形態に係るコネクタは、
外部導体シェルと、コネクタの嵌合方向に沿って対向するように配置された2つの端子群と、前記2つの端子群を保持して前記外部導体シェルに収容された絶縁体とを含むコネクタであって、
前記2つの端子群は、それぞれ2つの端子からなる端子ペアを少なくとも1組以上含み、
前記2つの端子群の各々に含まれる前記端子ペアの各端子は、
前記コネクタの先端側の端部に相手側コネクタの端子と接触して接続するための接触部と、
前記コネクタの後端側の端部に基板に実装するための端子実装部と
を含み、
前記外部導体シェルは、前記基板に実装するためのシェル実装部と、後端側にシェル実装部を兼ねるグランド端子を含み、
前記グランド端子は、前記2つの端子群のうち一方の端子群に含まれる一群の端子実装部と他方の端子群に含まれる一群の端子実装部との間の基板に実装されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、前記グランド端子は、前記絶縁体から露出した2つの端子群の間を通って前記基板に実装されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、前記グランド端子は、前記基板に設けられた孔に挿入して実装できるように、前記基板に対して垂直に延出した形状であることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、前記グランド端子は、前記基板に表面実装できるように折り曲げられた形状であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るコネクタの好ましい実施形態として、前記外部導体シェルは、前記一群の端子実装部間に実装された前記グランド端子側とは反対側に、前記シェル実装部を2つ含み、
前記一群の端子実装部は、それぞれ前記グランド端子と前記シェル実装部との間に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコネクタは、外部導体シェルの後端側のシェル実装部を兼ねるグランド端子を、コネクタの嵌合方向に沿って対向するように配置された2つの端子群の間を通って、一方の端子群に含まれる複数の端子の一群の端子実装部と他方の端子群に含まれる複数の端子の一群の端子実装部との間の基板に実装することによって、外部導体シェルの後端側に設けられたグランド端子が2つの端子群に含まれる複数の端子に対して接地電極の役割を果たすので、電気信号の高速伝送に必要な高周波特性を維持しつつ、コネクタに含まれる端子(特に、導体端子の間に配置されるグランド端子)の数を減らすことができる。また、端子の数(すなわち、部品数)を減へらすことで、コネクタの内部構造は簡略化され、インピーダンス整合を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】基板側コネクタとケーブル側コネクタの外観を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコネクタの外観を示す図である。
図3図2に示すコネクタの外部導体シェルと絶縁体を除いて、端子のみの状態を示す図である。
図4】本発明の別の実施形態に係るコネクタの外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、それぞれの実施形態は、独立して説明されているが、互いの構成要素を組み合わせてコネクタを構成することを排除するものではない。
【0015】
図1は、基板側のコネクタ及びケーブル側のコネクタの外観を示す図である。コネクタの嵌合方向は、図中のX1―X2方向(X軸方向)である。基板側のコネクタ100の先端側はX2方向側であり、ケーブル側のコネクタ200の先端側はX1方向側である。基板300に対して垂直な面はX―Z平面であり、基板300に対して水平な面(平行な面)はX―Y平面である。図中のZ軸方向に沿って上方及び下方を、それぞれのコネクタの上下とする。以上の事項は、その他の図においても同様である。
【0016】
基板側のコネクタ100は、ケーブル側のコネクタ200との接続側(X2方向側)に嵌合凸部104を形成する複数の端子を保持する絶縁体112(図2参照)と、絶縁体112を内部に含む外部導体シェル106とから構成される。嵌合凹部102は、外部導体シェル106の嵌合側(X2側)に設けられた嵌合凸部104と、外部導体シェル106の内壁との間の空間である。外部導体シェル106は、当該外部導体シェル106を基板300に実装して固定するためのシェル実装部108a及び108bを含む。シェル実装部108a及び108bは、基板300に設けられた孔に挿入され、半田付けされるディップ端子であるが、基板の表面に実装可能な端子でも良い。シェル実装部108aは、シェル実装部108bよりもコネクタ100の先端側(X2側)の側面に設けられる。
【0017】
また、外部導体シェル106は、ケーブル側のコネクタ200のロック突部206と係合するロック孔110を備える。ロック孔110は、ケーブル側のコネクタ200のロック突部206と係合できる位置に設けられる。図1では、ロック孔110は、コネクタ100の外部導体シェル106の上下(Z軸方向での上下)の側壁に設けられる。ロック孔110は、ロック突部206と係合できる構造であれば、必ずしも外部導体シェルを貫通した孔でなくてもよい。別の実施形態として、基板側のコネクタの外部導体シェルにロック突部を設け、ケーブル側のコネクタの外部導体シェルにロック孔を設けてもよい。
【0018】
ケーブル側のコネクタ200は、基板側のコネクタ100との接続側(X1方向側)に嵌合部202を先端側に有し、複数の端子を保持する絶縁体を内部に収めた外部導体シェル204と、外部導体シェル204の孔から突出したロック突部206と連動するロック操作用ボタン208と、外部導体シェル204とケーブル400との接続部分を覆うカバー部材とから構成される。
【0019】
嵌合部202は、基板側のコネクタ100との接続時に、嵌合凹部102に挿入される。外部導体シェル204は、ロック突部206を内側から突出させるための孔を側壁に有する。ロック突部206は、基板側のコネクタ100のロック孔110と係合できる位置に設けられる。図1では、ロック突部206は、コネクタ200の外部導体シェル204の上下(Z軸方向での上下)の側壁に設けられる。ロック突部206は、ロック孔110と係合できる構造であればどのような構造でもよい。
【0020】
ロック突部206は、外部導体シェル204の内部で、ロック操作用ボタン208と連結され、ロック操作用ボタン208を押し込むことに連動して、ロック突部206が押し込まれる。基板側のコネクタ100との接続時に、ロック操作用ボタン208を押し込むことで、ロック突部206がロック孔110から外れて、ケーブル側のコネクタ200は、基板側のコネクタ100から抜くことができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態に係る基板側のコネクタの外観を示す図である。図2(a)は、コネクタ100を後方(X1側)斜めからみた斜視図であり、図2(b)は、コネクタ100を側面側(Y側)からみた側面図であり、図2(c)は、コネクタ100を後方(X1側)からみた背面図である。外部導体シェル106に収容された絶縁体112は、コネクタ100の嵌合方向に沿って対向するように配置された2つの端子群を保持して、嵌合方向の前方(X2側)に嵌合凸部102(図1参照)を形成する。図2に示す実施形態では、1つの端子群は、4つの端子を含む2組の端子ペアから構成される。
【0022】
絶縁体112は、嵌合方向に沿って向かい合わせで配置された2つの端子群と一体成型することができ、複数の端子の少なくとも一部分を覆うことができる。複数の端子は、外部導体シェル106の後方(X1側)の絶縁体112から露出し、露出した各端子に設けられた端子実装部122によって基板300の表面上に半田付けされて固定される。端子実装部122は、端子群に含まれる各端子に設けられ、端子群毎に一群の端子実装部122を構成する。それぞれの端子実装部122は、基板300に表面実装されるが、基板に設けられた孔に差し込んで実装されるようにディップ端子として構成してもよい。
【0023】
グランド端子109は、外部導体シェルと一体に形成されており、絶縁体112の後壁(X1側の壁)に沿うように外部導体シェルの後端側に設けられ、シェル実装部も兼ねており、絶縁体112から露出した2つの端子群の間を通って基板300に実装される。具体的には、グランド端子109は、外部導体シェル106内に収容された絶縁体112に保持された2つの端子群のうち一方の端子群120a(図3参照)に含まれる一群の端子実装部122aと、他方の端子群120b(図3参照)に含まれる一群の端子実装部122bとの間の基板300の孔に差込まれて半田付け等で固定され基板300に実装される。また、図2(b)に示されるように、グランド端子109は、外部導体シェル106内に収容された絶縁体112の後壁(X1側の壁)と端子実装部122の先端(X1側の端部)との間の基板300の孔に差込まれて半田付け等で固定され基板300に実装される。
【0024】
グランド端子109は、基板300に設けられた孔に挿入して実装できるように、基板300に向かって垂直(Z軸方向下方)に延びている。また、別の実施形態として、グランド端子109を、基板300の表面上に実装できるように、折り曲げた形状とすること(図4参照)もできる。
【0025】
外部導体シェル106は、一群の端子実装部122間に実装されたグランド端子109側とは反対側(コネクタ100の側部側)に絶縁体112を覆った2つのシェル実装部108bを、コネクタ100の後端側に設けられ、2つの一群の端子実装部122a及び122bは、それぞれグランド端子109と、コネクタ100の後端側(X1側)の側面に設けられたシェル実装部108bとの間に配置されている。
【0026】
端子実装部122a及び122bを露出する絶縁体112は、コネクタ100の嵌合方向に対して直交する方向(Y方向)に沿って外側に膨らんでいる。つまり、絶縁体112は、端子実装部122a及び122bをそれぞれ含む2つの端子群120a及び120bを覆うように、端子群と一体成型され、端子実装部122a及び122bは、コネクタ100の外側(Y軸方向に沿って外側)に膨らんだ絶縁体112の後壁(X1側の壁部分)から露出している。外部導体シェル106はその膨らんだ形状に合わせて形成されるため、図2(c)に示されるように、外部導体シェル106の後端側(X1側)に設けられたシェル実装部108bは、先端側(X2側)に設けられたシェル実装部108aよりも、嵌合方向に直交する方向(Y方向)で、コネクタ100の外側に設けられる。
【0027】
図2に示されるように、外部導体シェル106の後端側に設けられたグランド端子109は、2つの端子群120a及び120b(図3参照)に含まれる複数の端子に対して接地電極の役割を果たすので、信号を伝送する複数の端子のそれぞれの間にグランド端子を設けなくても、電気信号の高速伝送に必要な高周波特性を維持することができる。それにより、コネクタに含まれる端子の数を減らすことができ、端子の数(すなわち、部品数)を減へらすことで、コネクタの内部構造は簡略化され、インピーダンス整合を容易に調整可能な内部構造にすることができる。
【0028】
図3は、図2に示す本発明の一実施形態に係るコネクタの外部導体シェルと絶縁体を除いて、端子のみの状態を示す。図3(a)は、端子群120を後方(X1側)斜めからみた斜視図であり、図3(b)は、コネクタ100を前方(X1側)からみた正面図である。端子群120は、2つの端子からなる端子ペアを4組含んでいる。また、端子群120は、4組のうち半分の2組の端子ペアを含む端子群120aと残りの2組の端子ペアを含む端子群120bを、嵌合方向に沿って向かい合わせで配置されている。
【0029】
図3に示す実施形態では、端子群120は4組の端子ペア、8本の端子を含んでいるが、少なくとも1組以上の端子ペアを含んでいればよく、偶数組の端子ペアを含んでいる場合には、偶数組のうちの半分の端子ペアを含む端子群120aと、残りの半分の端子ペアを含む端子群120bを、コネクタの嵌合方向(X1―X2方向)に沿って対向するように配置することができる。2つの端子群120a及び120bは、後端側(X1側)の部分に端子実装部122a及び122bと、先端側(X2側)の部分に接触部124a及べ124bを含む。
【0030】
端子実装部122は、それぞれ端子の後端側の部分を垂直方向(Z軸方向)下方に折り曲げて、当該折り曲げ箇所よりもさらに後端側の箇所を後方(X1側)に、基板に対して水平(平行)になるように折り曲げて形成される。つまり、端子実装部122は、1段の階段状に折り曲げられた形状を有し、基板300に表面実装することができる。また、端子実装部122は、基板の孔に差し込んで、半田付けで固定可能なディップ端子とすることができる。
【0031】
接触部124は、それぞれ端子の先端側の部分に形成され、端子のその他の部分に比べて幅広に形成される。接触部124は、相手側のコネクタ(例えば、図1に示すケーブル側のコネクタ200)の端子と接触しやすくするために、先端部をコネクタの内側に折り曲げられた形状を有する。それぞれ端子の接触部124は、垂直方向(Z軸方向)に隣り合わせで配置される。
【0032】
図4は、本発明の別の実施形態に係るコネクタの外観を示す図である。図4(a)は、コネクタ100’を後方(X1側)斜めからみた斜視図であり、図4(b)は、コネクタ100’を側面側(Y側)からみた側面図である。外部導体シェルの後端側のシェル実装部を兼ねるグランド端子111以外の構成は、図2に示す実施形態に係るコネクタ100の構成と同じである。
【0033】
グランド端子111の先端部分は、コネクタ100’の後方方向(X1方向)に90度に折り曲げられて、基板300に対して水平(平行)になるように構成される。これにより、グランド端子111は、基板300の表面上に半田付け等で固定されて実装される。図4(b)に示すように、グランド端子111の先端は、端子実装部122の先端と、コネクタ100’の嵌合方向に対して直交する方向(Y軸方向)の直線上に揃った位置に配置される。
【0034】
図4に示されるように、外部導体シェル106の後端側に設けられたグランド端子111も、図2に示す実施形態に係るコネクタ100と同様に、2つの端子群120a及び120bに含まれる複数の端子に対して接地電極の役割を果たすので、信号を伝送する複数の端子のそれぞれの間にグランド端子を設けなくても、電気信号の高速伝送に必要な高周波特性を維持することができる。それにより、コネクタに含まれる端子の数を減らすことができ、端子の数(すなわち、部品数)を減へらすことで、コネクタの内部構造は簡略化され、インピーダンス整合を容易に調整可能な内部構造にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るコネクタは、高周波信号を扱う計測機器等の電子機器によって、高い周波数の電気信号を伝送するために、機器間をケーブルで接続する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
100、100’ コネクタ
102 嵌合凹部
104 嵌合凸部
106 外部導体シェル
108a、108b シェル実装部
109 グランド端子(シェル実装部)
110 ロック孔
111 グランド端子(シェル実装部)
120、120a、120b 端子群
122、122a、122b 端子実装部
124 接触部
200 コネクタ
202 嵌合部
204 外部導体シェル
206 ロック突部
208 ロック操作用ボタン
210 カバー部材
300 基板
400 ケーブル
図1
図2
図3
図4