(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6583979
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】飲料注出コック、弁棒および飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20190919BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20190919BHJP
B67D 1/14 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
B67D1/04 C
B67D1/08 Z
B67D1/14 Z
【請求項の数】23
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-556066(P2018-556066)
(86)(22)【出願日】2016年12月13日
(86)【国際出願番号】JP2016087038
(87)【国際公開番号】WO2018109834
(87)【国際公開日】20180621
【審査請求日】2019年5月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000113997
【氏名又は名称】株式会社アクリテック
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智宏
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘文
(72)【発明者】
【氏名】白石 和哉
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−175413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00− 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料供給源から飲料が供給される飲料注出コックであって、
孔および前記孔の端部に配置された弁座を有する弁本体と、
前記孔の中にスライド可能に配置され、前記弁本体の前記弁座とともに第1弁を構成する弁体、および、第1シールを有する弁棒と、
前記孔の中にスライド可能に配置され、前記第1シールに対向する第2シールを有し、前記第2シールが前記弁棒の前記第1シールとともに第2弁を構成する可動部と、を備え、
前記弁棒は、前記弁体を貫通して延びた第1流路と、前記第1シールから前記第1流路まで延びた1又は複数の第2流路とを有し、
前記第2流路は、第1部分と、前記第1シールと前記第1部分との間に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の径が前記第1部分の径より小さい、
ことを特徴とする飲料注出コック。
【請求項2】
前記第2部分の長さは、0.5mm〜2.5mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1に記載の飲料注出コック。
【請求項3】
前記第2部分の径は、0.5mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料注出コック。
【請求項4】
前記第2部分の径は、0.6mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料注出コック。
【請求項5】
前記第2流路の個数は、1、2、3、4のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の飲料注出コック。
【請求項6】
前記第2流路の個数は2であり、前記第2部分の長さは0.5mm〜2.5mmの範囲内であり、前記第2部分の径は0.6mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1に記載の飲料注出コック。
【請求項7】
前記第2流路の長さは、5mm〜8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の飲料注出コック。
【請求項8】
前記第1部分の径は、1.5mm〜2.5mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の飲料注出コック。
【請求項9】
前記第2流路の軸方向は、前記第1流路の軸方向と交差する方向である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の飲料注出コック。
【請求項10】
前記第2流路の軸方向が前記第1流路の軸方向と交差する角度は、20°〜60°の範囲内である、
ことを特徴とする請求項9に記載の飲料注出コック。
【請求項11】
前記第2部分の軸方向は、前記第1部分の軸方向と等しい、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の飲料注出コック。
【請求項12】
飲料供給源から飲料が供給される飲料注出コックに組み込まれる弁棒であって、
前記弁棒は、弁体、および、シールを有し、
前記弁棒は、前記弁体を貫通して延びた第1流路と、前記シールから前記第1流路まで延びた1又は複数の第2流路とを有し、
前記第2流路は、第1部分と、前記シールと前記第1部分との間に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の径が前記第1部分の径より小さい、
ことを特徴とする弁棒。
【請求項13】
前記第2部分の長さは、0.5mm〜2.5mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12に記載の弁棒。
【請求項14】
前記第2部分の径は、0.5mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の弁棒。
【請求項15】
前記第2部分の径は、0.6mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の弁棒。
【請求項16】
前記第2流路の個数は、1、2、3、4のいずれかである、
ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の弁棒。
【請求項17】
前記第2流路の個数は2であり、前記第2部分の長さは0.5mm〜2.5mmの範囲内であり、前記第2部分の径は0.6mm〜0.8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12に記載の弁棒。
【請求項18】
前記第2流路の長さは、5mm〜8mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の弁棒。
【請求項19】
前記第1部分の径は、1.5mm〜2.5mmの範囲内である、
ことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の弁棒。
【請求項20】
前記第2流路の軸方向は、前記第1流路の軸方向と交差する方向である、
ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の弁棒。
【請求項21】
前記第2流路の軸方向が前記第1流路の軸方向と交差する角度は、20°〜60°の範囲内である、
ことを特徴とする請求項20に記載の弁棒。
【請求項22】
前記第2部分の軸方向は、前記第1部分の軸方向と等しい、
ことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の弁棒。
【請求項23】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の飲料注出コックを備えることを特徴とする飲料ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料注出コック、弁棒および飲料ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ビール等の発泡性の飲料の注出において、木目(きめ)が細かくクリーミーな泡を形成することが重要である。特許文献1には、弁棒に複数の泡出し孔を設けることによって流通孔内を流れるビールの流速を落とすことなく泡出し孔の径を小さくし、これによって木目が細かくクリーミーな泡を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−2590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明の思想は、基本的には泡出し孔の径を可能な限り小さくする一方で、それによって流通孔内を流れるビールの流速が低下することを抑えるために泡出し孔の個数を増やすことにあると理解される。
【0005】
本発明者は、泡出し孔の径を小さくすることによって泡密度が向上することを期待して実験を行ったが、泡出し孔の径を小さくしていっても、泡密度の向上は認められなかった。具体的には、本発明者は、泡出し孔の径を1.2mm、1.0mm、0.7mm、0.5mmというように小さくし、これによる泡密度の変化を評価したが、泡出し孔の径を小さくすることによる泡密度の向上について顕著な効果は認められなかった。しかも、評価を行った中で最も泡出し孔の径が小さい0.5mmである場合に得られた泡密度は、泡出し孔の径が1.2mmや1.0mmである場合に得られた泡密度よりも低かった。泡密度の評価は、容器によって採取された泡を顕微鏡を使って撮影し、これによって得られた画像から1mm角の領域を切り出し、その領域内の泡の個数を数えることによって行った。
【0006】
本発明は、木目が細かくクリーミーな泡を形成するために有利な飲料注出コック、弁棒および飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、飲料供給源
から飲料が供給される飲料注出コックに係り、前記飲料注出コックは、孔および前記孔の端部に配置された弁座を有する弁本体と、前記孔の中にスライド可能に配置され、前記弁本体の前記弁座とともに第1弁を構成する弁体、および、第1シールを有する弁棒と、前記孔の中にスライド可能に配置され、前記第1シールに対向する第2シールを有し、前記第2シールが前記弁棒の前記第1シールとともに第2弁を構成する可動部と、を備え、前記弁棒は、前記弁体を貫通して延びた第1流路と、前記第1シールから前記第1流路まで延びた1又は複数の第2流路とを有し、前記第2流路は、第1部分と、前記第1シールと前記第1部分との間に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の径が前記第1部分の径より小さい。
【0008】
本発明の第2の側面は、飲料供給源
から飲料が供給される飲料注出コックに組み込まれる弁棒に係り、前記弁棒は、弁体、および、シールを有し、前記弁棒は、前記弁体を貫通して延びた第1流路と、前記シールから前記第1流路まで延びた1又は複数の第2流路とを有し、前記第2流路は、第1部分と、前記シールと前記第1部分との間に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の径が前記第1部分の径より小さい。
【0009】
本発明の第3側面は、飲料ディスペンサに係り、前記飲料ディスペンサは、飲料供給源
から飲料が供給される飲料注出コックを備え、前記飲料注出コックは、孔および前記孔の端部に配置された弁座を有する弁本体と、前記孔の中にスライド可能に配置され、前記弁本体の前記弁座とともに第1弁を構成する弁体、および、第1シールを有する弁棒と、前記孔の中にスライド可能に配置され、前記第1シールに対向する第2シールを有し、前記第2シールが前記弁棒の前記第1シールとともに第2弁を構成する可動部と、を備え、前記弁棒は、前記弁体を貫通して延びた第1流路と、前記第1シールから前記第1流路まで延びた1又は複数の第2流路とを有し、前記第2流路は、第1部分と、前記第1シールと前記第1部分との間に配置された第2部分とを有し、前記第2部分の径が前記第1部分の径より小さい。飲料ディスペンサは、その他、飲料を冷却する冷却部を備えうる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、木目が細かくクリーミーな泡を形成するために有利な飲料注出コック、弁棒および飲料ディスペンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】飲料注出コックの構成(待機時の状態)を示す図。
【
図2】飲料注出コックの構成(注出時の状態)を示す図。
【
図3】飲料注出コックの構成(泡付け時の状態)を示す図。
【
図4】飲料注出コックに組み込まれる弁棒の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0013】
図8には、本発明の好適な実施形態の飲料注出装置100が示されている。飲料注出装置100は、飲料ディスペンサ101と、供給ヘッド102と、圧力レギュレータ104とを含む。圧力レギュレータ104は、炭酸ガスボンベ105のバルブに取り付けられる。圧力レギュレータ104は、炭酸ガスボンベ105から供給される炭酸ガスの圧力を減圧してホース107を介して供給ヘッド102に供給する。供給ヘッド102は、飲料供給源としての飲料移送容器(樽等)103のバルブに取り付けられる。供給ヘッド102は、飲料移送容器103内のビール等の飲料を炭酸ガスの圧力で押し出してホース108を介して飲料ディスペンサ101に供給する。飲料ディスペンサ101は、飲料注出コック1を有し、飲料移送容器103から供給ヘッド102およびホース108を介して供給されてくる飲料を冷却部によって冷却し、飲料注出コック1を通してビールジョッキ等の飲料提供容器106に注出する。
【0014】
図1〜
図3には、飲料注出コック1が示されている。
図1には待機時の状態、
図2には注出時の状態、
図3には泡付け時の状態が示されている。飲料注出コック1は、飲料ディスペンサ101の本体に取り付けられるハウジング50と、弁本体10と、弁棒20と、可動部30と、レバー40と、バネ60とを含む。
【0015】
弁本体10は、孔12、孔12の端部に配置された弁座14を有する。また、弁本体10は、飲料の泡を吐出する泡付け口80を有する。弁本体10は、ハウジング50と一体の部品として構成されてもよい。弁棒20は、弁本体10の孔12の中にスライド可能に配置される。弁棒20は、弁本体10の弁座14とともに第1弁V1を構成する弁体25、および、第1シール24を有する。第1弁V1は、ビール等の飲料の注出を制御するための弁である。可動部30は、弁本体10の孔12の中にスライド可能に配置されている。可動部30は、弁棒20の第1シール24に対向する第2シール32を有する。第2シール32は、弁棒20の第1シール24とともに第2弁V2を構成する。第2弁V2は、飲料の泡の供給(泡付け)を制御するための弁である。弁棒20は、弁体25を貫通して延びた第1流路21と、第1シール24から第1流路21まで延びた1又は複数の第2流路22とを有する。ハウジング50は、飲料を注出する注出口70を含む。
図1に示されているように、待機時は、弁棒20の第1シール24と可動部30の第2シール32とが当接している。また、待機時は、弁棒20の弁体25は、弁本体10の弁座14に当接している。
【0016】
図2に示されるように、飲料の注出時は、レバー40が
図2において反時計回りに回動され、これによって可動部30が
図2において右方向に移動する。可動部30の第2シール32と弁棒20の第1シール24とは当接しているので、可動部30が
図2において右方向に移動すると、それに伴って弁棒20も右方向に移動する。これにより、弁本体10の弁座14と弁棒20の弁体25との間に隙間(流路)が形成され、飲料ディスペンサ101の本体から供給される飲料が弁座14と弁体25との間の隙間を通して注出口70に送り出され、注出口70を通して注出される。
【0017】
図3に示されるように、飲料の泡付け時は、レバー40が
図3において時計回りに回動され、これによって、可動部30は、バネ60を圧縮しながら
図3において左方向に移動する。可動部30が左に移動することによって、弁棒20の第1シール24と可動部30の第2シール32との間に隙間(流路)が形成され、飲料ディスペンサ101の本体から供給される飲料は、弁棒20の第1流路21および第2流路22を介して、第1シール24と第2シール32との間の隙間に送り出される。この際に、飲料は泡状になる。泡状になった飲料は、泡付け口80と通して押し出される。
【0018】
図4には、弁棒20が拡大して示されている。本実施形態の飲料注出コック1あるいは弁棒20は、第2流路22の構造に特徴を有する。
図5には、第2流路22の比較例が示されている。A’で示された部分は、Aで示された部分を拡大した部分である。
図6には、本実施形態の飲料注出コック1あるいは弁棒20における第2流路22が示されている。B’で示された部分は、Bで示された部分を拡大した部分である。
【0019】
図5に示された比較例では、第2流路22は、一定の径φを有する。一方、本実施形態の第2流路22は、第1部分221と、第1シール24と第1部分221との間に配置された第2部分222とを有する。第2部分222の径φ2は、第1部分221の径φ1より小さい。第2部分222は、第2流路22の径を絞るオリフィスとして機能する。つまり、本実施形態の第2流路22は、オリフィスを有している。第2流路22にオリフィスを設けることにより、オリフィス(第2部分222)において飲料の流速が速くなり、これが第1シール24と第2シール32との間の隙間に押し出されることによって効率的に細かな泡が形成される。また、第2部分222の径より大きい径を有する第1部分221を設けることによって飲料の流量の低下を抑えることができる。
【0020】
第2流路22にオリフィスを設けることにより、後述のように、比較例よりも、木目細かでクリーミーな泡を形成することができる。第2流路22の個数は、例えば、1、2、3、4のいずれかであることが好ましいが、これに制限されるものではない。第2流路22の軸方向は、典型的には、第1流路21の軸方向と交差する方向である。
【0021】
図7には、第2流路22にオリフィス(第2部分221)を設けることによる効果が示されている。
図7における「泡密度比」は、第2流路22にオリフィス(第2部分221)を設けることによる効果を示す指標であり、比較例における泡密度を100%としたときの本実施形態に係るサンプルの泡密度を%で表示したものである。なお、実験を複数の日にわたって行ったため、実験日ごとに比較例の泡密度を計測し、その泡密度を100%として本実施形態に係るサンプルの泡密度比を計算した。
【0022】
泡密度の評価は、容器によって採取された泡を顕微鏡を使って撮影し、これによって得られた画像から1mm角の領域を切り出し、その領域内の泡の個数を数えることによって行った。泡密度が高いことは、より木目が細かくクリーミーな泡を意味すると考えてよい。泡密度による評価は、客観的な評価として優れている。比較例は、第2流路22の(軸方向の)長さL=6.25mm、第2流路22の径φ=1.0mm、第2流路の個数=1個とした。
【0023】
本実施形態では、第2流路22の第2部分の(軸方向の)長さL2=0.5mm〜2.5mmとし、第2部分222の長さと第1部分221の長さとの合計である第2流路22の長さL=6.25mmとした。また、本実施形態では、第2部分222(オリフィス)の径φ2を0.5〜0.8mmとし、第1部分221の径φ1を2.0mmとした。また、本実施形態では、第2流路22の個数を1〜4とした。
図7に示された効果のいずれも100%を越えており、比較例における泡密度よりも高い泡密度が得られている。
【0024】
なお、
図7には示されていないが、泡密度は、少なくとも第1部分221の径φ1が1.5mm〜2.5mmの範囲内では第1部分221の径φ1に対して鈍感である。第1部分221の径φ1が1.5mm〜2.5mmの範囲外でも良好な結果が得られるものと推察される。また、
図7には示されていないが、泡密度は、少なくとも第2流路22の長さLが5mm〜8mmの範囲内では第2流路22の長さLに対して鈍感である。第2流路22の長さLが5mm〜8mmの範囲外でも良好な結果が得られるものと推察される。
【0025】
図7に示された結果より、第2部分222の長さL2は、0.5mm〜2.5mmの範囲内であることが好ましい。また、第2部分222の径φ2は、0.5mm〜0.8mmの範囲内であることが好ましく、0.6mm〜0.8mmの範囲内であることが更に好ましい。また、第2流路22(第2部分222)の個数は、1、2、3、4のいずれかであることが好ましい。また、第2流路22(第2部分222)の個数は2であり、第2部分の長さL2は0.5mm〜2.5mmの範囲内であり、第2部分222の径φ2は0.6mm〜0.8mmの範囲内であることが好ましい。
【0026】
第2流路22の軸方向は、典型的には、第1流路21の軸方向と交差する方向であり、記第2流路22の軸方向が第1流路21の軸方向と交差する角度は、20°〜60°の範囲内であることが好ましい。第2部分222の軸方向は、第1部分221の軸方向と等しいことが好ましい。
【符号の説明】
【0027】
1:飲料注出コック、10:弁本体、12:孔、14:弁座、20:弁棒、21:第1流路、22:第2流路、24:第1シール、25:弁体、30:可動部、32:第2シール、40:レバー、50:ハウジング、60:バネ、70:注出口、80:泡付け口、100:飲料注出装置、V1:第1弁、V2:第2弁、221:第1部分、222:第2部分