特許第6584013号(P6584013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6584013CTEが中程度から高いガラスおよびそれを備えたガラス物品
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  • 特許6584013-CTEが中程度から高いガラスおよびそれを備えたガラス物品 図000015
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584013
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】CTEが中程度から高いガラスおよびそれを備えたガラス物品
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/091 20060101AFI20190919BHJP
   C03C 3/093 20060101ALI20190919BHJP
   C03B 23/203 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   C03C3/091
   C03C3/093
   C03B23/203
【請求項の数】17
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-534765(P2016-534765)
(86)(22)【出願日】2014年8月11日
(65)【公表番号】特表2016-528153(P2016-528153A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】US2014050486
(87)【国際公開番号】WO2015023561
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年8月8日
(31)【優先権主張番号】61/866,168
(32)【優先日】2013年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/878,829
(32)【優先日】2013年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】キツェンスキ,ティモシー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ,ジョン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン−ストゥル,ミシェル ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】シャウト,ロバート アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタラマン,ナテサン
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−528072(JP,A)
【文献】 特表2013−530123(JP,A)
【文献】 特表2008−522950(JP,A)
【文献】 特表2012−504548(JP,A)
【文献】 特開2007−246365(JP,A)
【文献】 特開2005−089286(JP,A)
【文献】 特開2005−263628(JP,A)
【文献】 特開2011−162413(JP,A)
【文献】 特開2011−093728(JP,A)
【文献】 特表2009−525941(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/065648(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 3/076 − 3/093
C03B 23/023
C03B 17/06
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス組成物において、
65モル%から73モル%のSiO2
5モル%から11モル%のAl23
4モル%から11モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
2モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、および
0モル%超から1モル%のBaO
を含むガラス組成物であって、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%であるガラス組成物。
【請求項2】
SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上をさらに含み、存在する場合、SnO2、Fe23、またはZrO2の各々の量が0超から3モル%である、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項3】
20℃から300℃の範囲で55×10-7/℃から120×10-7/℃の熱膨張係数を有する、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項4】
100キロポアズ以上の液相線粘度を有する、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項5】
前記液相線粘度が250キロポアズ以上である、請求項4記載のガラス組成物。
【請求項6】
ガラスコアおよび少なくとも1つのガラスクラッドを備えたガラス積層板であって、前記ガラスコアが、請求項1記載のガラス組成物から構成される、ガラス積層板。
【請求項7】
前記ガラス組成物が、SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上を含み、存在する場合、SnO2、Fe23、またはZrO2の各々の量が0超から3モル%である、請求項6記載のガラス積層板。
【請求項8】
家庭用または業務用電子機器におけるカバーガラスまたはガラスバックプレーンとして請求項1記載のガラス組成物を備えた機器。
【請求項9】
前記ガラスが、
65モル%から73モル%のSiO2
5モル%から9モル%のAl23
4モル%から11モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
2モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、および
0モル%超から1モル%のBaO
を含み、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%である、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項10】
前記ガラスが、
65モル%から73モル%のSiO2
8モル%から11モル%のAl23
4モル%から11モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
2モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、および
0モル%超から1モル%のBaO
を含み、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%である、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項11】
前記ガラスが、
65モル%から73モル%のSiO2
5モル%から9モル%のAl23
4モル%から9モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
2モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、および
0モル%超から1モル%のBaO
を含み、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%である、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項12】
前記ガラスが、
65モル%から73モル%のSiO2
5モル%から9モル%のAl23
4モル%から11モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
5モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、および
0モル%超から1モル%のBaO
を含み、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%である、請求項1記載のガラス組成物。
【請求項13】
ガラス組成物において、
65モル%から73モル%のSiO2
5モル%から11モル%のAl23
4モル%から11モル%のB23
0.09モル%から0.5モル%のNa2O、
2モル%から13モル%のK2O、
0モル%から7モル%のMgO、
0モル%超から9モル%のCaO、
2モル%から6モル%のSrO、
モル%超から1モル%のBaO、および
0モル%超から3モル%のSnO2
から実質的になるガラス組成物であって、
R’Oが該組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが5モル%から16モル%であるガラス組成物。
【請求項14】
20℃から300℃の範囲で55×10-7/℃から120×10-7/℃の熱膨張係数を有する、請求項13記載のガラス組成物。
【請求項15】
100キロポアズ以上の液相線粘度を有する、請求項13記載のガラス組成物。
【請求項16】
前記液相線粘度が250キロポアズ以上である、請求項15記載のガラス組成物。
【請求項17】
ガラスコアおよび少なくとも1つのガラスクラッドを備えたガラス積層板であって、前記ガラスコアが、請求項13記載のガラス組成物から構成される、ガラス積層板。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2013年9月17日に出願された米国仮特許出願第61/878829号に米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものであり、2013年8月15日に出願された米国仮特許出願第61/866168号に関連しており、それらの内容の全てがここに依拠され、全体として引用される。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概して、ガラス組成物に関し、より詳しくは、CTEが中程度から高いカリウム含有アルミノケイ酸塩および/またはアルミノホウケイ酸塩ガラス組成物、およびそれを備えたガラス物品に関する。
【背景技術】
【0003】
カバーガラス、ガラスバックプレーンなどのガラス物品が、LCDおよびLEDディスプレイ、コンピュータ用モニタ、現金自動預入支払機(ATM)などの家庭用および業務用の両方の電子機器に使用されている。これらのガラス物品のいくつかは、ガラス物品に、利用者の指および/またはスタイラス器具を含む様々な物体が触れる必要がある「タッチ」機能を備えることがあり、ガラスは、それ自体で、損傷を受けずに頻繁に行われる接触に耐えるのに十分に頑丈でなければならない。さらに、そのようなガラス物品は、携帯電話、パーソナル・メディア・プレーヤー、およびタブレット型コンピュータなどの携帯用電子機器に組み込まれることもある。それらの機器に組み込まれたガラス物品は、関連する機器の運送中および/または使用中に損傷を受けやすいであろう。したがって、電子機器に使用されるガラス物品は、実際の使用からの日常的な「タッチ」による接触だけでなく、機器が持ち運ばれているときに生じることがある偶発的な接触と衝撃にも耐えられる増強された強度を必要とするであろう。
【0004】
ガラス物品は、通常、熱強化(thermal tempering)および/またはイオン交換処理によって強化される。いずれの場合にも、ガラス物品は、そのガラス物品が形成された後に、追加の処理工程が施される。これらの追加の処理工程により、ガラス物品の全体のコストが増加するであろう。さらに、これらの処理工程を実施するのに必要な追加の取扱いのために、ガラス物品が損傷を受けるおそれが増し、これにより、製造の歩留まりが低下し、製造費およびガラス物品の最終的なコストがさらに増してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、追加の処理工程を必要としない強化ガラス物品を製造するために使用できる代わりのガラス組成物およびそのような組成物から製造されるガラス物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、0モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物を含む。
【0007】
第2の態様は、約65モル%から約75モル%のSiO2、約5モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約0.5モル%のNa2O、約2モル%から約13モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約2モル%から約6モル%のSrO、および0モル%から約1モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物を含む。
【0008】
別の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約5モル%から8モル%未満(<8)のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物を含む。
【0009】
第4の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から7モル%未満のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物を含む。
【0010】
第5の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、8モル%超から約14モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物を含む。
【0011】
第6の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約9モル%未満であるガラス組成物を含む。
【0012】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス組成物は、SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上をさらに含み、存在する場合、SnO2、Fe23、またはZrO2の各々の量は0超から約3モル%である。
【0013】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス組成物は、SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上を0モル%超から約3モル%、およびTiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、ZrO2、Y23、La23、HfO2、CdO、CeO2、Fe23、F-、Cl-、Br-、またはI-の1種類以上を0から約3モル%と共に、先に列挙した成分から実質的になる。
【0014】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス組成物は、20℃から300℃の範囲で約55×10-7/℃から約120×10-7/℃のCTEを有する。他の実施の形態において、上述したガラス組成物は、20℃から300℃の範囲で約75×10-7/℃から約110×10-7/℃のCTEを有する。いくつかの実施の形態において、上述したガラス組成物は、約100キロポアズ以上の液相線粘度を有する。他の実施の形態において、上述したガラス組成物は、約250キロポアズ以上の液相線粘度を有する。
【0015】
コアガラスおよび少なくとも1つのクラッドガラスを備えたガラス積層板もここに具体化される。第7の態様は、コアガラスおよび少なくとも1つのクラッドガラスを備えたガラス積層板であって、そのガラスコアが、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、0モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含み、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%である、ガラス積層板を含む。
【0016】
第8の態様は、約65モル%から約75モル%のSiO2、約5モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約0.5モル%のNa2O、約2モル%から約13モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約2モル%から約6モル%のSrO、および0モル%から約1モル%のBaOを含むガラスコアであって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラスコアを備えたガラス積層板を含む。
【0017】
第9の態様は、約65モル%から約73モル%のSiO2、約5モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%超から約0.5モル%のNa2O、約2モル%から約13モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%超から約9モル%のCaO、約2モル%から約6モル%のSrO、および0モル%超から約1モル%のBaOを含むガラスコアであって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約5モル%から約16モル%であるガラスコアを備えたガラス積層板を含む。
【0018】
第10の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約5モル%から8モル%未満(<8)のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス積層板であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス積層板を含む。
【0019】
第11の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から7モル%未満のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス積層板であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス積層板を含む。
【0020】
第12の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、8モル%超から約14モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス積層板であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス積層板を含む。
【0021】
別の態様は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むガラス積層板であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約9モル%未満であるガラス積層板を含む。
【0022】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス積層板のいずれのガラスコアも、SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上をさらに含み、存在する場合、SnO2、Fe23、またはZrO2の各々の量は0超から約3モル%である。
【0023】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス組成物は、SnO2、Fe23、またはZrO2の1種類以上を0モル%超から約3モル%、およびTiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、ZrO2、Y23、La23、HfO2、CdO、CeO2、Fe23、F-、Cl-、Br-、またはI-の1種類以上を0から約3モル%と共に、先に列挙した成分から実質的になる。
【0024】
いくつかの実施の形態において、上述したガラスコアは、20℃から300℃の範囲で約55×10-7/℃から約120×10-7/℃のCTEを有する。他の実施の形態において、上述したガラスコアは、20℃から300℃の範囲で約75×10-7/℃から約110×10-7/℃のCTEを有する。いくつかの実施の形態において、上述したガラスコアは、約100キロポアズ以上の液相線粘度を有する。他の実施の形態において、上述したガラスコアは、約250キロポアズ以上の液相線粘度を有する。
【0025】
いくつかの実施の形態において、上述したガラス積層板は、約60モル%から約66モル%のSiO2、約7モル%から約10モル%のAl23、約14モル%から約18モル%のB23、および約9モル%から約16モル%のアルカリ土類酸化物を含むクラッドガラスであって、アルカリ土類酸化物が少なくともCaOを含み、CaOは、約3モル%から約12モル%の濃度でそのガラス組成物中に存在し、そのガラス組成物がアルカリ金属およびアルカリ金属を含有する化合物を実質的に含まない、クラッドガラスを備えている。
【0026】
第14の態様は、LCDおよびLEDディスプレイ、コンピュータ用モニタ、現金自動預入支払機(ATM)を含む家庭用または業務用電子機器におけるカバーガラスまたはガラスバックプレーン用途、タッチスクリーンまたはタッチセンサ用途、携帯電話、パーソナル・メディア・プレーヤー、およびタブレット型コンピュータを含む携帯用電子機器向け、太陽電池用途、建築用ガラス用途、自動車または車両ガラス用途、もしくは業務用または家庭用電化製品用途への、上述したガラス組成物または積層板のいずれの使用も含む。
【0027】
ガラス組成物およびここに記載されたガラス組成物から形成されたガラス物品の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者にとって容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
【0028】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されているのが理解されよう。添付図面は、様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。それらの図面は、記載された様々な実施の形態を図解しており、説明と共に、請求項の主題の原理および作動を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による積層ガラス物品の概略断面図
図2図1のガラス物品を製造するためのフュージョンドロー法を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明において、本発明の実施の形態の完全な理解を与えるために、数多くの特定の詳細が述べられているであろう。しかしながら、本発明の実施の形態を、これらの特定の詳細のいくつかまたは全てがなくとも、実施してよい場合が、当業者に明白であろう。他の場合、周知の特徴またはプロセスは、本発明を不必要に分かりにくくしないように、詳細に記載されないことがある。その上、共通のまたは類似の要素を特定するために、同様のまたは同じ参照番号が使用されることがある。さらに、特に明記のない限り、ここに用いた全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。対立する場合、この中の定義を含む本明細書が優先する。
【0031】
本発明の実施または試験に、他の方法を使用しても差し支えないが、特定の適切な方法および材料がここに記載されている。
【0032】
開示された方法および組成物に使用できる、それと共に使用できる、その調製に使用できる、またはその実施の形態である、材料、化合物、組成物、および成分が開示されている。これらと他の材料がここに開示されており、これらの材料の組合せ、部分集合、相互作用、群などが開示されている場合、これらの化合物の様々な個々と集合の組合せと置換の各々の具体的な参照が明白に開示されていなくても、各々が具体的に考えられ、ここに記載されていることが理解されよう。
【0033】
それゆえ、置換基A、BおよびCの群、並びに置換基D、EおよびFの群が開示され、組合せの実施の形態の一例A−Dが開示されている場合、各々が個別と集合的に考えられる。すなわち、この例において、組合せA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fの各々が、具体的に考えられ、A、Bおよび/またはC;D、Eおよび/またはF;並びに例の組合せA−Dの開示から開示されていると考えるべきである。同様に、これらの任意の部分集合または組合せも、具体的に考えられ、開示されている。それゆえ、例えば、A−E、B−FおよびC−Eの部分群が、具体的に考えられ、A、Bおよび/またはC;D、Eおよび/またはF;並びに例の組合せA−Dの開示から開示されていると考えるべきである。この概念は、以下に限られないが、組成物の任意の成分、並びに開示された組成物を製造する方法および使用する方法におえける工程を含む、本開示の全ての態様に適用される。より詳しくは、ここに与えられた例の組成物範囲は、本明細書の一部であると考えられ、さらに、文章におけるそれらの特定の包有にあらゆる面で同等な、例の数値範囲の端点を提供すると考えられ、全ての組合せが具体的に考えられ、開示されている。さらに、実施できる様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程の各々が、開示された方法のどの特定の実施の形態または実施の形態の組合せにより行えること、またそのような組合せの各々が、具体的に考えられ、開示されていると考えるべきであることが理解されよう。
【0034】
さらに、上限値および下限値を含む、数値の範囲がここに列挙されている場合、特定の環境において特に明記のない限り、その範囲は、当該範囲内に、その端点、並びに全ての整数および分数を含むことが意図されている。本発明の領域は、ある範囲を定義する場合に列挙された特定の値に制限されることは意図されていない。さらに、量、濃度、もしくは他の値またはパラメータが、範囲、1つ以上の好ましい範囲もしくは好ましい上限値と好ましい下限値のリストとして与えられている場合、これは、そのような対が別々に開示されているか否かにかかわらず、任意の上限範囲値または好ましい値および任意の下限範囲値または好ましい値の任意の対から形成される全ての範囲が具体的に開示されていると考えるべきである。最後に、値または範囲の端点を記述する際に、「約」という用語が使用されている場合、その開示は、称された特定の値または端点を含むと理解すべきである。
【0035】
ここに用いたように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要がないが、許容誤差、換算率、丸め、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、所望のように、近似および/またはより大きいかより小さくてもよいことを意味する。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴は、そうであると明白に述べられているか否かにかかわらず、「約」または「近似」である。
【0036】
ここに用いた「または」という用語は、包含的である;より詳しくは、「AまたはB」という句は、「A、B、またはAとBの両方」を意味する。排他的な「または」は、例えば、「AまたはBのいずれか」および「AまたはBの一方」などの用語によりここに示される。
【0037】
名詞は、本発明の要素および成分を記載するために用いられている。名詞の使用は、これらの要素または成分の1つまたは少なくとも1つが存在することを意味する。名詞は、従来、特定の場合に特に明記のない限り、単数だけではなく、複数の対象を示すために用いられる。
【0038】
実施の形態を記述する目的で、ある変数が、あるパラメータまたは別の変数の「関数」であるという言及は、その変数が、排他的に、列挙されたパラメータまたは変数の関数であることを意味することは意図していないことに留意のこと。そうではなく、列挙されたパラメータの「関数」である変数への言及は、その変数が単一のパラメータまたは複数のパラメータの関数であってよいように、制約がないことを意図している。
【0039】
「好ましくは」、「通常」、および「典型的に」などの用語は、ここに用いられる場合、請求項に記載された発明の範囲を制限するため、または特定の特徴が、請求項に記載された発明の構造または機能にとって絶対不可欠、必須または重要でさえあることを示唆するために用いられていないことを留意のこと。そうではなく、これらの用語は、本開示の実施の形態の特定の態様を特定すること、または本開示の特定の実施の形態に使用されてもされなくてもよい代わりのまたは追加の特徴を強調することが単に意図されている。
【0040】
請求項の1つ以上が、移行句において「ここで」という用語を使用することがあることに留意のこと。本発明を定義する目的で、この用語は、構造の一連の特徴の列挙を導入するために使用される制限のない移行句として請求項に導入され、より一般に使用される制約のない前置き用語の「含む」と同様の様式で解釈すべきであることに留意のこと。
【0041】
本発明のガラスまたはガラスセラミック組成物を製造するために使用される原料および/または設備の結果として、意図的に添加されないある不純物または成分が、最終的なガラスまたはガラスセラミック組成物中に存在し得る。そのような材料は、微量にガラスまたはガラスセラミック組成物中に存在し、ここでは、「混入物」と称される。
【0042】
ここに用いたように、0モル%の化合物を有するガラスまたはガラスセラミック組成物は、その化合物、分子、または元素が、その組成物に意図的に加えられなかったが、その組成物は、それでも、その化合物を、典型的に混入量すなわち微量で含むことがあることを意味するものとして定義される。同様に、「鉄不含有」、「ナトリウム不含有」、「リチウム不含有」、「ジルコニウム不含有」、「アルカリ土類金属不含有」、「重金属不含有」などは、その化合物、分子、または元素が、その組成物に意図的に加えられなかったが、その組成物は、それでも、鉄、ナトリウム、リチウム、ジルコニウム、アルカリ土類金属、または重金属などを、おおよそ混入量すなわち微量で含むことがある。
【0043】
「実質的に含まない」という用語は、ガラス組成物における特定の酸化物成分の不在を記載するために使用される場合、その成分がガラス組成物中に、1モル%未満の微量で汚染物質として存在することを意味する。
【0044】
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態において、構成成分(例えば、SiO2、Al23、B23など)の濃度は、特に明記のない限り、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で与えられている。
【0045】
ここに用いた「液相線粘度」という用語は、液相線温度でのガラス組成物の剪断粘度を称する。
【0046】
ここに用いた「液相線温度」という用語は、ガラス組成物中で失透が生じる最高温度を称する。
【0047】
ここに用いた「CTE」という用語は、約20℃から約300℃の温度範囲に亘り平均したガラス組成物の熱膨張係数を称する。
【0048】
CTEが中程度から高いガラス
ここに記載されたガラス組成物は、そのためにそれらのガラス組成物が、フュージョン・ダウン・ドロー法および/またはフュージョン積層法などのフュージョン成形法に使用するのに特に適したものとなる、液相線粘度または液相線温度などの性質を有する。これらの性質は、ここにより詳しく記載されるように、ガラスの特定の組成物に起因する。
【0049】
第1の態様は、中程度から高いCTEを有するガラス組成物であって、
約60モル%から約75モル%のSiO2
約2モル%から約11モル%のAl23
0モル%から約11モル%のB23
0モル%から約1モル%のNa2O、
約1モル%から約18モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約1モル%から約8モル%のSrO、および
0モル%から約4モル%のBaO
を含み、
R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物(組成物1)を含む。
【0050】
別の態様において、そのガラスは、
約65モル%から約75モル%のSiO2
約5モル%から約11モル%のAl23
約4モル%から約11モル%のB23
0モル%から約0.5モル%のNa2O、
約2モル%から約13モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約2モル%から約6モル%のSrO、および
0モル%から約1モル%のBaO
を含む組成であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%である組成(組成物2)を含むことがある。
【0051】
別の態様において、そのガラス組成物は、
約60モル%から約75モル%のSiO2
約5モル%から8モル%未満のAl23
約4モル%から約11モル%のB23
0モル%から約1モル%のNa2O、
約1モル%から約18モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約1モル%から約8モル%のSrO、および
0モル%から約4モル%のBaO
を含み、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%である(組成物3)。
【0052】
第4の態様は、
約60モル%から約75モル%のSiO2
約2モル%から約11モル%のAl23
約4モル%から7モル%未満のB23
0モル%から約1モル%のNa2O、
約1モル%から約18モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約1モル%から約8モル%のSrO、および
0モル%から約4モル%のBaO
を含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物(組成物4)を含む。
【0053】
第5の態様は、
約60モル%から約75モル%のSiO2
約2モル%から約11モル%のAl23
約4モル%から約11モル%のB23
0モル%から約1モル%のNa2O、
8モル%超から約14モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約1モル%から約8モル%のSrO、および
0モル%から約4モル%のBaO
を含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約16モル%であるガラス組成物(組成物5)を含む。
【0054】
第6の態様は、
約60モル%から約75モル%のSiO2
約2モル%から約11モル%のAl23
約4モル%から約11モル%のB23
0モル%から約1モル%のNa2O、
約1モル%から約18モル%のK2O、
0モル%から約7モル%のMgO、
0モル%から約9モル%のCaO、
約1モル%から約8モル%のSrO、および
0モル%から約4モル%のBaO
を含むガラス組成物であって、R’Oがその組成物中のMgO、CaO、SrOおよびBaOのモル%を表して、R’Oが約3モル%から約9モル%未満であるガラス組成物(組成物6)を含む。
【0055】
ここに詳述するように、前記ガラス組成物は、SnO2、Fe23、ZrO2などの、追加の成分および清澄剤を、0から約3モル%、またはある場合には、0超から約1モル%さらに含んでよい。その上、そのガラス組成物は、約1モル%から約28モル%のアルカリ土類酸化物を含んでよい。このアルカリ土類酸化物は、CaO、SrO、MgO、およびBaOの少なくとも1つを含んでよい。
【0056】
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態において、SiO2が組成物の最大成分であり、SiO2は、それ自体、結果として形成されるガラス網目構造の主成分である。SiO2は、所望の液相線粘度を得るのと同時に、組成物に添加されるAl23の量を相殺するために、ここに記載されたガラス組成物中に使用される。したがって、高いSiO2濃度が一般に望ましい。しかしながら、SiO2の含有量が多すぎる場合、SiO2の濃度が高まるにつれて、ガラスを溶融する難しさが増し、これは転じて、ガラスの成形性に悪影響を与えるので、ガラスの成形性が損なわれるであろう。ここに記載された実施の形態において、ガラス組成物は、一般に、約60から約75モル%の量でSiO2を含む。他の実施の形態において、ガラス組成物は、一般に、約65から約75モル%のSiO2を含む。例えば、いくつかの実施の形態において、ガラス組成物中のSiO2の量は、約60から約75モル%、約60から約73モル%、約60から約70モル%、約60から約67モル%、約60から約65モル%、約60から約63モル%、約63から約75モル%、約63から約73モル%、約63から約70モル%、約63から約67モル%、約63から約65モル%、約65から約75モル%、約65から約73モル%、約65から約70モル%、約65から約67モル%、約67から約75モル%、約67から約73モル%、約67から約70モル%、約70から約75モル%、約70から約73モル%、または約73から約75モル%である。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、または75モル%のSiO2を含む。
【0057】
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成物はAl23をさらに含むことがある。Al23は、存在する場合、SiO2と同様に作用することがあり、ガラス組成物から形成されたガラス溶融物における四面体配位中に存在する場合、ガラス組成物の粘度を上昇させることがある。しかしながら、ガラス組成物中にAl23が存在すると、ガラス成分中のアルカリ成分の移動度も増すことがある。したがって、ガラス組成物中のAl23の量は、注意深く検討する必要がある。
【0058】
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態において、ガラス組成物中のAl23の濃度は、存在する場合、一般に、約2から約11モル%である。いくつかの実施の形態において、Al23は、ガラス組成物中に約5から8モル%未満で存在する。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約2から約11モル%、約2から約10モル%、約2から約8モル%、約2から8モル%未満、約2から約5モル%、約4から約11モル%、約4から約10モル%、約4から約8モル%、約4から8モル%未満、約5から約11モル%、約5から約10モル%、約5から約8モル%、約5から約8モル%未満、約8から約11モル%、または約8から約10モル% のAl23を含んで差し支えない。いくつかの実施の形態において、ガラスまたはガラスセラミック組成物は、約2、3、4、5、6、7、8未満、8、9、10、または11モル%のAl23を含んで差し支えない。
【0059】
ここに記載された実施の形態におけるガラス組成物は、B23をさらに含む。SiO2およびAl23のように、B23はガラス網目構造の形成に寄与する。従来、B23は、ガラス組成物の粘度を減少させるためにガラス組成物に加えられる。しかしながら、ここに記載された実施の形態のいくつかにおいては、B23は、K2OおよびAl23(存在する場合)の添加と併せて、ガラス組成物の徐冷点を上昇させ、液相線粘度を上昇させ、アルカリの移動度を阻害するように働くことがある。ここに記載された実施の形態において、B23は、一般に、0から約11モル%の量でガラス組成物中に存在する。いくつかの実施の形態において、ガラスは、0超から約11モル%の量でB23を含む。いくつかの実施の形態において、ガラスは、約4から約11モル%の量でB23を含む。他の実施の形態において、ガラスは、0から約6.5モル%のB23を含む。さらに他の実施の形態において、ガラスは、約4から7モル%未満のB23を含む。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0から約11モル%、0から約10モル%、0から約8モル%、0から約6モル%、0から約5モル%、0から約3モル%、0から約1モル%、0超から約11モル%、0超から約10モル%、0超から約8モル%、0超から約6モル%、0超から約5モル%、0超から約3モル%、0超から約1モル%、約1から約11モル%、約1から約10モル%、約1から約8モル%、約1から約6モル%、約1から約5モル%、約1から3モル%、約1から2モル%、約2から約11モル%、約2から約10モル%、約2から約8モル%、約2から約6モル%、約2から約5モル%、約2から3モル%、約4から約11モル%、約4から約10モル%、約4から約8モル%、約4から約7モル%未満、約3から約6モル%、約3から約5モル%、約5から約11モル%、約5から約10モル%、約5から約8モル%、約5から約6モル%、約6から約11モル%、約6から約10モル%、約6から約8モル%、約8から約11モル%、または約8から約10モル%のB23を含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約0、0超、1、2、3、4、5、6、7未満、7、8、9、10、または11モル%のB23を含み得る。
【0060】
ここに記載された実施の形態のガラス組成物は、アルカリ酸化物も含む。詳しくは、ここに記載されたガラス組成物は少なくともK2Oを含む。K2Oなどのアルカリ酸化物をガラス組成物に添加すると、結果として得られたガラスの平均熱膨張係数が上昇し、またガラスの液相線温度が減少することもある。K2Oの比較的大きいイオン半径(Na2OおよびLi2Oなどの他のアルカリ酸化物と比べて)により、ガラス中のK2Oの拡散性が減少するので、K2Oは主なアルカリ酸化物成分として使用される。ガラス組成物がディスプレイ用バックプレーンを形成するために使用され、ガラスから、ガラス上に堆積される薄膜トランジスタへのK2Oの拡散によりトランジスタが損傷を受ける場合、K2Oの低い拡散性が特に重要である。積層ガラス物品のガラスコア層を形成するために前記ガラス組成物が使用される実施の形態において、その組成物中にK2Oが存在することにより、ガラスコア層と、そのガラスコア層に融合されるガラスクラッド層との間の界面でのクラッド層のイオン交換強化が促進されるであろう。ここに記載された実施の形態において、ガラス組成物中のK2Oの濃度はである。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、1から約18モル%のK2Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、5から約18モル%のK2Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、8超から約14モル%のK2Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から18モル%、約1から約15モル%、約1から約12モル%、約1から約10モル%、約3から約18モル%、約3から約15モル%、約3から約12モル%、約3から約10モル%、約5から約18モル%、約5から約18モル%、約5から約15モル%、約5から約12モル%、約5から約10モル%、約8から約18モル%、約8から約15モル%、約8から約12モル%、約8から約10モル%、8超から約18モル%、8超から約15モル%、8から約14モル%、8超から約10モル%、約10から約18モル%、約10から約15モル%、約10から約12モル%、約12から約18モル%、または約12から約15モル%のK2Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、8超、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18モル%のK2Oを含み得る。
【0061】
ここに記載されたガラス組成物のいくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、Na2OまたはLi2Oなどの追加のアルカリ酸化物を1種類以上含むことがある。追加のアルカリ酸化物が存在するいくつかの実施の形態において、アルカリ酸化物は特にNa2Oである。追加のアルカリ酸化物がガラス組成物中に存在する実施の形態において、その追加のアルカリ酸化物の濃度は0超から約3モル%である。いくつかの他の実施の形態において、追加のアルカリ酸化物はNa2Oであり、これは、0モル%超から約1モル%でガラス組成物中に存在する。いくつかの実施の形態において、ガラスは、0から約3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0から約0.5モル%、0から約0.1モル%、0から約0.05モル%、0から約0.01モル%、0超から約3モル%、0超から約2モル%、0超から約1モル%、0超から約0.5モル%、0超から約0.1モル%、0超から約0.05モル%、または0超から約0.01モル%のNa2OまたはLi2Oもしくはそれらの組合せを含み得る。
【0062】
ここに記載されたガラス組成物のいくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から約18モル%の全アルカリ酸化物R2Oを含むことがあり、ここで、R2Oは、Na2O、Li2O、K2O、Rb2O、およびCs2Oの合計である。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から約18モル%の全アルカリ酸化物R2Oを含み、ここで、Na2O<1モル%、Li2O<1モル%、およびRb2O=0モル%およびCs2O=0モル%である。
【0063】
ここに記載されたガラス組成物は、1種類以上のアルカリ土類酸化物をさらに含むことがある。アルカリ土類酸化物は、ガラス組成物の溶融挙動を改善し、ガラス組成物の溶融温度を低下させ、ガラス組成物中のアルカリ成分の拡散を阻害する。ここに記載された実施の形態のいくつかにおいて、アルカリ土類酸化物としては、MgO、CaO、SrO、BaOまたはそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物中に存在する主なアルカリ土類酸化物はMgOである。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物中に存在する主なアルカリ土類酸化物は、アルカリの拡散性を減少させるために使用されるBaOである。しかしながら、他の実施の形態において、アルカリ土類酸化物は主にSrOおよび/またはCaOを含む。さらに他の実施の形態において、ガラス組成物が「SuperGreen(環境に非常に優しい)」である、すなわち環境に優しいガラス組成物である場合など、ガラス組成物はBaOを実質的に含まない。
【0064】
ここに定義したように、R’Oは、ガラス組成物中にそのモル%のMgO、CaO、SrO、およびBaOを含む。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から約28モル%のR’Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約3から約16モル%のR’Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約5から約16モル%のR’Oまたは約3から約16モル%のR’Oを含み得る。他の実施の形態において、ガラス組成物は、約3から約9モル%未満のR’Oを含む。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から約28モル%、約1から約24モル%、約1から約20モル%、約1から約16モル%、約1から約12モル%、約1から約8モル%、約1から約5モル%、約3から約28モル%、約3から約24モル%、約3から約20モル%、約3から約16モル%、約3から約12モル%、約3から約9モル%未満、約3から約8モル%、約3から約5モル%、約5から約28モル%、約5から約24モル%、約5から約20モル%、約5から約16モル%、約5から約12モル%、約5から約8モル%、約8から約28モル%、約8から約24モル%、約8から約20モル%、約8から約16モル%、約8から約12モル%、約12から約28モル%、約12から約24モル%、約12から約20モル%、約12から約16モル%、約16から約28モル%、約16から約24モル%、約8から約20モル%、または約20から約28モル%のR’Oを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9未満、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28モル%のR’Oを含み得る。
【0065】
いくつかの実施の形態において、MgOは、溶融温度を低下させるため、歪み点を上昇させるため、または他のアルカリ土類化合物(例えば、CaO、SrO、およびBaO)と併用して使用される場合、CTEを調節するために、ガラスに加えることができる。いくつかの実施の形態において、ガラスは、約0から約7モル%のMgOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0超から約5モル%のMgOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0超から約5モル%のMgOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0から約7モル%、0から約5モル%、0から約4モル%、0から約3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0超から約7モル%、0超から約5モル%、0超から約4モル%、0超から約3モル%、0超から約2モル%、0超から約1モル%、約1から約7モル%、約1から約5モル%、約1から約4モル%、約1から約3モル%、約1から約2モル%、約2から約7モル%、約2から約5モル%、約2から約4モル%、約2から約3モル%、約3から約7モル%、約3から約5モル%、約3から約4モル%、約4から約7モル%、約4から約5モル%、または約5から約7モル%のMgOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約0、0超、1、2、3、4、5、6、または7モル%のMgOを含み得る。
【0066】
いくつかの実施の形態において、CaOは、より高い歪み点、より低い密度、およびより低い溶融温度に寄与し得る。より一般には、CaOは、ある潜在的な失透相、特に灰長石(CaAl2Si28)の一成分であり得、この相は、類似のナトリウム相である曹長石(NaAlSi38)との完全な固溶体を有する。CaO源としては、体積と低コストが要因である限りは、安価な材料である石灰石が挙げられ、いくつかの実施の形態において、CaO含有量を、他のアルカリ土類酸化物に対して適度に達成できるほど高くすることが、有用であり得る。ここに記載されたガラスまたはガラスセラミックは、0から10モル%のCaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、そのガラスまたはガラスセラミック組成物は、0から約10モル%のCaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約0から約9モル%のCaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0超から約9モル%のCaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0から約10モル%、0から約9モル%、0から約6モル%、0から約5モル%、0から約3モル%、0から約1モル%、0超から約10モル%、0超から約9モル%、0超から約6モル%、0超から約5モル%、0超から3モル%、0超から約1モル%、1から約10モル%、約1から約9モル%、約1から約6モル%、約1から約5モル%、約1から3モル%、約1から2モル%、約2から約10モル%、約2から約9モル%、約2から約6モル%、約2から約5モル%、約2から3モル%、約3から約10モル%、約3から約9モル%、約3から約6モル%、約3から約5モル%、約5から約10モル%、約5から約9モル%、約5から約6モル%、約6から約10モル%、約6から約9モル%、または約9から約10モル%のCaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約0、0超、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10モル%のCaOを含み得る。
【0067】
いくつかの実施の形態において、ガラスは、約0から約5モル%のBaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、0超から約4モル%のBaOを含み得る。他の実施の形態において、ガラス組成物は、0超から約1モル%のBaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラスまたはガラス組成物は、0から約5モル%、0から4モル%、0から3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0超から約5モル%、0超から約4モル%、0超から約3モル%、0超から約2モル%、0超から約1モル%、約1から約5モル%、約1から約4モル%、約1から約3モル%、約1から約2モル%、約2から約5モル%、約2から約4モル%、約2から約3モル%、約3から約5モル%、約3から約4モル%、または約4から約5モル%のBaOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約0、0超、1、2、3、4、または5モル%のBaOを含み得る。
【0068】
SrOは、より高い熱膨張係数に寄与し得、SrOおよびSrOの相対的比率を操作して、液相線温度、それゆえ、液相線粘度を改善し得る。いくつかの実施の形態において、ガラスは、約1から約8モル%のSrOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約2から約6モル%のSrOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1から約8モル%、約1から約6モル%、約1から約4モル%、約1から約2モル%、約2から約8モル%、約2から約6モル%、約2から約4モル%、約4から約8モル%、約4から約6モル%、または約6から約8モル%のSrOを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、または8モル%のSrOを含み得る。
【0069】
ZrO2の濃度が、随意的に、成形過程の作用としてガラス中に見つけられる、または追加の成分として添加されることがある。いくつかの実施の形態において、ガラスは、0から約3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0から0.5モル%、0から0.1モル%、0から0.05モル%、0から0.01モル%、0超から約3モル%、0超から約2モル%、0超から約1モル%、0超から0.5モル%、0超から0.1モル%、0超から0.05モル%、0超から0.01モル%のZrO2を含み得る。
【0070】
本発明のガラスまたはガラスセラミック組成物を製造するのに使用される原料および/または設備の結果として、意図的に加えられない特定の不純物または成分が、最終的なガラスまたはガラスセラミック組成物中に存在し得る。そのような材料は、そのガラスまたはガラスセラミック組成物中に微量で存在し、ここでは「混入物」と称される。
【0071】
ここに用いたように、0モル%の化合物を有するガラスまたはガラスセラミック組成物は、その化合物、分子、または元素が、その組成物に意図的に加えられなかったが、その組成物はそれでもその化合物を、典型的に、混入量すなわち微量で含むことがあることを意味するものと定義される。同様に、「鉄不含有」、「ナトリウム不含有」、「リチウム不含有」、「ジルコニウム不含有」、「アルカリ土類金属不含有」、「重金属不含有」などは、その化合物、分子、または元素が、その組成物に意図的に加えられなかったが、その組成物は、それでも、鉄、ナトリウム、リチウム、ジルコニウム、アルカリ土類金属、または重金属などを、おおよそ混入量すなわち微量で含むことがあることを意味するものと定義される。ここに具体化されたガラスまたはガラスセラミック中に見つけられることのある混入化合物としては、以下に限られないが、Na2O、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、ZrO2、Y23、La23、HfO2、CdO、SnO2、Fe23、CeO2、As23、Sb23、硫酸塩などの硫黄系化合物、ハロゲン、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0072】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスまたはガラスセラミックは、化学的清澄剤をさらに含む。そのような清澄剤としては、以下に限られないが、SnO2、As23、Sb23、F、ClおよびBrが挙げられる。いくつかの実施の形態において、化学的清澄剤の濃度は、3、2、1、または0.5、>0モル%のレベルに維持される。いくつかの実施の形態において、清澄剤の量は、0超から約3モル%である。化学的清澄剤は、CeO2、Fe23、およびMnO2などの遷移金属の他の酸化物も含んでよい。これらの酸化物は、ガラス中のそれらの最終的な原子価状態における可視吸収のために、ガラスまたはガラスセラミックに色を与えることがあり、それゆえ、存在する場合、それらの濃度は、通常、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1または>0モル%のレベルに維持される。
【0073】
As23およびSb23による清澄と比べると、スズによる清澄(すなわち、SnO2による清澄)はそれほど効果的ではないが、SnO2は、公知の有害性がない、至る所にある材料である。スズによる清澄は、単独で、または所望であれば、他の清澄技法との併用で、使用することができる。例えば、スズによる清澄を、ハロゲン化物による清澄、例えば、臭素による清澄と組み合わせることができる。他の可能性のある組合せとしては、以下に限られないが、スズによる清澄に加えて、硫酸塩、硫化物、酸化セリウム、機械式泡立て、および/または真空による清澄が挙げられる。これらの他の清澄技法を単独で使用しても差し支えないと考えられる。それらの全てをここに全体として引用する、米国特許第5785726号、同第6128924号、同第5824127号、および同時係属出願である米国特許出願第11/116669号の各明細書には、ヒ素不含有ガラスを製造するプロセスが開示されている。その全体が引用される、米国特許第7696113号明細書には、ガス状包有物を最小にするために、鉄およびスズを使用して、ヒ素およびアンチモン不含有ガラスを製造するプロセスが開示されている。
【0074】
前記ガラスまたはガラスセラミックは、酸化スズ電極を使用したジュール溶融の結果として、スズ含有材料、例えば、SnO2、SnO、SnCO3、SnC22などのバッチ配合により、または様々な物理的特性、溶融特性、および成形性を調節するための作用物質としてのSnO2の添加により、SnO2も含有し得る。そのガラスは、0から約3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0から0.5モル%、または0から0.1モル%のSnO2を含有し得る。
【0075】
いくつかの実施の形態において、前記ガラスは、Sb23、As23、またはそれらの組合せを実質的に含まないことがあり得る。例えば、ガラスは、0.05質量パーセント以下しかSb23またはAs23もしくはそれらの組合せを含まないことがあり得る、ガラスは、ゼロ質量パーセントのSb23またはAs23もしくはそれらの組合せを含むことがある、あるいはガラスは、例えば、意図的に添加されたSb23、As23、またはそれらの組合せのいずれも含まないことがある。
【0076】
追加の成分は、追加の恩恵を提供するためにガラス組成物中に含むことができる、あるいは、商業的に調製されたガラス中に典型的に見られる汚染物質をさらに含み得る。例えば、追加の成分は、様々な物理的特性、溶融特性、および成形性を調節するために添加することができる。いくつかの実施の形態によるガラスは、バッチ材料に関連する、および/またはガラスを製造するために使用される溶融、清澄、および/または成形設備によりガラス中に導入される(例えば、ZrO2)様々な汚染物質も含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラスは、紫外線吸収剤として有用な化合物を1種類以上含むことがある。いくつかの実施の形態において、ガラスは、3モル%以下のTiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、ZrO2、Y23、La23、HfO2、CdO、Fe23、CeO2、ハロゲン、またはそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施の形態において、ガラスは、0から約3モル%、0から約2モル%、0から約1モル%、0から0.5モル%、0から0.1モル%、0から0.05モル%、または0から0.01モル%のTiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、ZrO2、Y23、La23、HfO2、CdO、CeO2、Fe23、ハロゲン、またはそれらの組合せを含み得る。
【0077】
ここに記載されたガラス組成物は、一般に、20℃から300℃の範囲に亘り平均して約55×10-7/℃以上の熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物のCTEは、20℃から300℃の範囲で約55×10-7/℃から約120×10-7/℃であることがある。他の実施の形態において、ガラス組成物のCTEは、20℃から300℃の範囲で約75×10-7/℃から約110×10-7/℃であることがある。さらに他の実施の形態において、ガラス組成物のCTEは、20℃から300℃の範囲で約90×10-7/℃から約110×10-7/℃であることがある。これらの比較的高いCTEのために、そのガラス組成物は、フュージョン形成される積層ガラス物品におけるガラスコア層として使用するのに特にうまく適したものとなる。詳しくは、フュージョン積層プロセス中に、高いCTEのガラスコア層と、CTEがそれより低いガラスクラッド層と対になった場合、ガラスコア層とガラスクラッド層のCTEの差により、冷却の際に、ガラスクラッド層中に圧縮応力が生じる。したがって、ここに記載されたガラス組成物は、イオン交換処理または熱強化の必要なく、強化された積層ガラス物品を形成するために利用してよい。
【0078】
ここに記載されたガラス組成物は、そのためにこれらのガラス組成物がフュージョンドロー法に使用するのに適したものとなる、特に、フュージョン積層法におけるガラスコア組成物として使用するのに適したものとなる、液相線粘度を有する。いくつかの実施の形態において、その液相線粘度は約100キロポアズ以上である。いくつかの他の実施の形態において、液相線粘度は、350キロポアズ以上またさらには500キロポアズ以上であることがある。ここに記載されたガラス組成物の高い液相線粘度値は、SiO2含有量の多い高度に重合した溶融物と低い液相線粘度との組合せに起因する。
【0079】
ここに記載されたガラス組成物は、低い液相線温度を有し、これは、液相線粘度のように、そのガラス組成物を、フュージョンドロー法に使用するのに、特に、フュージョン積層法におけるガラスコア層として使用するのに適したものとする。低い液相線温度により、フュージョンドロー法中にガラスの失透が防がれる。これにより、高品質の均質なガラスおよび一貫した流動作用が確保される。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物の液相線温度は約900℃から約1300℃である。いくつかの他の実施の形態において、その液相線温度は約1000℃以下、またさらには約950℃以下であることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス組成物の液相線温度は900℃以下であることがある。ガラス組成物の液相線温度は、B23、アルカリ酸化物および/またはアルカリ土類酸化物の濃度の上昇と共に、一般に減少する。
【0080】
表1は、ここに論じたように、ここに開示された特性、性質または所望の特質も提供することがある、具体化された例示の組成範囲を提供している。ゼロ(「0」)もしくは未満または超(「>」または「<」)の符号が先行していない限り、表における全ての数値は、「約」その値を称するものと考えるべきである。
【0081】
【表1-1】
【0082】
【表1-2】
【0083】
【表1-3】
【0084】
【表1-4】
【0085】
【表1-5】
【0086】
積層板
ここで図1を参照すると、ここに記載されたガラス組成物を使用して、図1に断面で概略示された積層ガラス物品100などの、ガラス物品を形成してもよい。積層ガラス物品100は、概して、ガラスコア層102および一対のガラスクラッド層104a、104bを備えている。ここに記載されたガラス組成物は、ここにさらに詳しく論じられるように、その比較的高い熱膨張係数のために、ガラスコア層として使用するのに特にうまく適している。
【0087】
図1は、第1の表面103aおよび第1の表面103aと反対の第2の表面103bを有するガラスコア層102を示している。第1のガラスクラッド層104aはガラスコア層102の第1の表面103aに融合されており、第2のガラスクラッド層104bはガラスコア層102の第2の表面103bに融合されている。ガラスクラッド層104a、104bは、ガラスコア層102と、ガラスクラッド層104a、104bとの間に配置された、接着剤、コーティング層などのどのような追加の材料もなく、ガラスコア層102に融合されている。それゆえ、ガラスコア層の第1の表面は第1のガラスクラッド層に直接隣接しており、ガラスコア層の第2の表面は第2のガラスクラッド層に直接隣接している。いくつかの実施の形態において、ガラスコア層102およびガラスクラッド層104a、104bは、フュージョン積層法により形成される。拡散層(図示せず)が、ガラスコア層102とガラスクラッド層104aとの間、またはガラスコア層102とガラスクラッド層104bとの間、もしくはその両方に形成されることがある。そのような場合、第1の拡散層の平均クラッド熱膨張係数は、コアの平均コア熱膨張係数の値と、第1のクラッド層の平均クラッド熱膨張係数の値との間の値を有するか、または第2の拡散層の平均クラッド熱膨張係数は、コアの平均コア熱膨張係数の値と、第2のクラッド層の平均クラッド熱膨張係数の値との間の値を有する。
【0088】
ここに記載された積層ガラス物品100の実施の形態において、ガラスコア層102は、平均コア熱膨張係数CTEコアを有する第1のガラス組成物から形成され、ガラスクラッド層104a、104bは、平均クラッド熱膨張係数CTEクラット゛を有する第2の異なるガラス組成物から形成されている。CTEコアはCTEクラット゛より大きく、それにより、ガラスクラッド層104a、104bは、イオン交換または熱強化されずに、圧縮応力が印加される。
【0089】
詳しくは、ここに記載されたガラス物品100は、ここに引用する米国特許第4214886号明細書に記載されているプロセスなどのフュージョン積層法により形成されてよい。一例として図2を参照すると、積層ガラス物品を形成するための積層フュージョンドロー装置200は、下側アイソパイプ204の上方に配置された上側アイソパイプ202を備えている。上側アイソパイプ202はトラフ210を備え、その中に、溶融したガラスクラッド組成物206が溶融装置(図示せず)から供給される。同様に、下側アイソパイプ204はトラフ212を備え、その中に、溶融したガラスコア組成物208が溶融装置(図示せず)から供給される。ここに記載された実施の形態において、溶融したガラスコア組成物208は、溶融したガラスクラッド組成物206の平均熱膨張係数CTEクラット゛よりも大きい平均熱膨張係数CTEコアを有する。
【0090】
溶融したガラスコア組成物208がトラフ212を満たすと、トラフ212を溢れ、下側アイソパイプ204の外側形成表面216、218上を流れる。下側アイソパイプ204の外側形成表面216、218は、基部220で合わさる。したがって、外側形成表面216、218上を流れる溶融したガラスコア組成物208は、下側アイソパイプ204の基部220で再び接合し、それによって、積層ガラス物品のガラスコア層102を形成する。
【0091】
それと同時に、溶融したガラスクラッド組成物206が、上側アイソパイプ202に形成されたトラフ210を溢れ、上側アイソパイプ202の外側形成表面222、224上を流れる。溶融したガラスクラッド組成物206は、この溶融したガラスクラッド組成物206が下側アイソパイプ204の周りを流れ、下側アイソパイプの外側形成表面216、218上を流れる溶融したガラスコア組成物208と接触し、溶融したガラスコア組成物に融合し、ガラスコア層102の周りにガラスクラッド層104a、104bを形成するように、上側アイソパイプ202により外側に逸らされる。
【0092】
上述したように、溶融したガラスコア組成物208は、概して、溶融したガラスクラッド組成物206の平均クラッド熱膨張係数CTEクラット゛よりも大きい平均熱膨張係数CTEコアを有する。したがって、ガラスコア層102およびガラスクラッド層104a、104bが冷えたときに、ガラスコア層102およびガラスクラッド層104a、104bの熱膨張係数の差により、ガラスクラッド層104a、104bに圧縮応力が生じる。この圧縮応力により、イオン交換処理または熱強化を行わずに、結果として得られた積層ガラス物品の強度が増加する。
【0093】
図1に示された積層ガラス物品100を再び参照すると、この積層ガラス物品のガラスコア層102は、55×10-7/℃以上の熱膨張係数を有する、ここに記載されたガラス組成物などの、平均熱膨張係数が比較的高いガラス組成物から形成される。いくつかの実施の形態において、カラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で約55×10-7/℃から約120×10-7/℃であることがある。他の実施の形態において、カラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で約60×10-7/℃から約110×10-7/℃であることがある。他の実施の形態において、カラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で約75×10-7/℃から約110×10-7/℃であることがある。さらに他の実施の形態において、カラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で約90×10-7/℃から約110×10-7/℃であることがある。
【0094】
1つの実施の形態において、ガラスコア層は、先の組成物1〜6に記載されたガラス組成物、表1に示されたもの、および下記の実施例に示されたものなどの、CTEが中程度から高いガラス組成物から形成される。
【0095】
例えば、第1のガラス積層板は、約60モル%から約75モル%のSiO2、約2モル%から約11モル%のAl23、0モル%から約11モル%のB23、0モル%から約1モル%のNa2O、約1モル%から約18モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約1モル%から約8モル%のSrO、および0モル%から約4モル%のBaOを含むコアガラス組成物を備えている。他の実施の形態において、ガラスコアは、約65モル%から約75モル%のSiO2、約5モル%から約11モル%のAl23、約4モル%から約11モル%のB23、0モル%から約0.5モル%のNa2O、約2モル%から約13モル%のK2O、0モル%から約7モル%のMgO、0モル%から約9モル%のCaO、約2モル%から約6モル%のSrO、および0モル%から約1モル%のBaOを含む組成物から構成されることがある。これらのガラス組成物は、SnO2、Fe23、ZrO2などの追加の成分および清澄剤を、0から約3モル%、またはある場合には、0超から約1モル%さらに含むことがある。
【0096】
ガラスコア層102として使用するための特別なガラス組成物をここに記載してきたが、積層ガラス物品100のガラスコア層102を形成するために、ここに記載されたガラス組成物のいずれを使用してもよいことを理解すべきである。
【0097】
前記ガラス積層板構造のガラスコア層102を、平均熱膨張係数が比較的高いガラス組成物から形成されていると先に記載されているのに対し、ガラス物品100のガラスクラッド層104a、104bは、フュージョン形成後の積層ガラス物品の冷却の際に、クラッド層における圧縮応力の発生を促進させるのにより低い平均熱膨張係数を有するガラス組成物から形成される。例えば、ガラスクラッド層は、全てがCorning Incorporated社に譲渡され、その全てが全体としてここに引用される、「Low CTE Alkali-Free Boroaluminosilicate Glass Compositions and Glass Articles Comprising the Same」と題する同時係属出願である米国仮特許出願第61/604839号、「Alkali-Free Boroaluminosilicate Glasses with High Native Scratch Resistance」と題する米国仮特許出願第61/866272号、および「Alkali-Free Phosphoboroaluminosilicate Glass」と題する米国仮特許出願第61/821426号に記載されたガラス組成物から形成されてもよい。いくつかの実施の形態において、前記ガラスクラッド層は、20℃から300℃の温度範囲で約10から約45×10-7/℃の熱膨張係数を有する。他の実施の形態において、ガラスクラッド層は、20℃から300℃の温度範囲で約20から約40×10-7/℃の熱膨張係数を有する。さらに他の実施の形態において、ガラスクラッドは、20℃から300℃の温度範囲で40×10-7/℃未満の熱膨張係数を有する。
【0098】
あるいは、特定の環境において、クラッドおよびコアを、それら2つの間のCTEの差が特定の値以上となるように設計することが都合よいかもしれない。そのような設計により、複合積層板の圧縮応力の制御が可能になるであろう。いくつかの実施の形態において、ガラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で、ガラスクラッドよりも、少なくとも約20×10-7/℃大きい。他の実施の形態において、ガラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で、ガラスクラッドよりも、少なくとも約30×10-7/℃大きい。さらに他の実施の形態において、ガラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で、ガラスクラッドよりも、約10×10-7/℃から約80×10-7/℃大きい。他の実施の形態において、ガラスコアのCTEは、20℃から300℃の範囲で、ガラスクラッドよりも、約20×10-7/℃から約60×10-7/℃大きい。
【0099】
一例のガラスクラッドは、約60モル%から約66モル%のSiO2、約7モル%から約10モル%のAl23、約14モル%から約18モル%のB23、および約9モル%から約16モル%のアルカリ土類酸化物を含むガラス組成物から構成され、ここで、アルカリ土類酸化物は少なくともCaOを含み、CaOは、約3モル%から約12モル%の濃度でそのガラス組成物中に存在し、そのガラス組成物はアルカリ金属およびアルカリ金属を含有する化合物を実質的に含まない。しかしながら、ガラスクラッド層104a、104bの熱膨張係数がガラスコア層102の平均熱膨張係数よりも低い限り、積層ガラス物品100のガラスクラッド層104a、104bを形成するために、他のガラス組成物も使用してよいことが理解されよう。
【実施例】
【0100】
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態を、以下の実施例により、さらに明確にする。表2に述べられたガラス特性は、ガラスの技術分野で慣習的な技法にしたがって測定した。それゆえ、Tstr(℃)は、ビーム曲げまたはファイバ伸張により測定した、粘度が1014.7ポアズと等しい温度である歪み点である。線熱膨張係数(CTE)は、25〜300℃の温度範囲に亘り、ASTM E228−85にしたがって測定し、×10-7/℃で表されている。徐冷点は、℃で表され、ファイバ伸張技法(ASTM C336)から決定した。g/cm3で表される密度は、アルキメデス法(ASTM C693)により測定した。℃で表される溶融温度(ガラス溶融物が400ポアズの粘度を示す温度として定義される)は、回転シリンダ粘度測定法(ASTM C965−81)により測定した高温粘度データに対するファルチャー方程式の近似を利用して計算した。
【0101】
liq(℃)は、液相線温度−標準勾配ボート液相線法(ASTM C829−81)で最初の結晶が観察される温度である。これらの条件下で、サンプルの内部に結晶が観察される温度を採用して、ガラスの液相線を表す(対応する試験期間に亘る)。試験は、24時間からそれより長い時間(例えば、72時間)まで行ってもよく、時間がより長いと、より遅く成長する相を観察する機会が得られる。ポアズで表される液相線粘度は、液相線温度およびファルチャー方程式の係数から決定した。
【0102】
下記の表2に列挙したバッチ組成物にしたがって、複数の例示のガラス組成物を調製した。酸化物構成成分のバッチを混合し、溶融し、ガラスプレートに成形した。ガラス溶融物の性質(すなわち、液相線温度、徐冷点など)および結果として得られたガラス物品の性質を測定した。その結果が表2に報告されている。示されるように、実施例1〜20の各々は、そのガラス組成物をフュージョン成形法に使用するのに、特に、フュージョン成形された積層ガラス物品におけるガラスコア層として使用するのにうまく適したものとする、比較的高い熱膨張係数(約60×10-7/℃以上)を示す。
【0103】
【表2-1】
【0104】
【表2-2】
【0105】
【表2-3】
【0106】
【表2-4】
【0107】
【表2-5】
【0108】
【表2-6】
【0109】
【表2-7】
【0110】
【表2-8】
【0111】
ここに記載されたガラス組成物の平均熱膨張係数は比較的高いので、それらガラス組成物は、フュージョン積層法により圧縮応力が印加された積層ガラス物品を形成するために、熱膨張係数が比較的より低いガラス組成物と併せて使用するのに特にうまく適している。これらのガラス物品は、制限するものではないが、携帯電話、パーソナル音楽プレーヤー、タブレット型コンピュータ、LCDおよびLEDディスプレイ、現金自動預入支払機などを含む多種多様な家庭用および業務用電子機器に利用してよい。さらに、ここに記載されたガラス組成物の性質(例えば、液相線粘度、液相線温度など)のために、それらのガラス組成物は、フュージョン・ダウン・ドロー法やフュージョン積層法などのフュージョン成形法に使用するのにうまく適したものとなる。その上、ガラス組成物中のアルカリイオンの移動度が、そのガラス組成物中のAl23の濃度が低く、またB23の濃度がより高いために、著しく低下し、その組成物が、バックプレーン基板中の極めて移動性の高いアルカリイオンが存在するために、基板上の薄膜トランジスタが損なわれることのあるLCD、LED、およびOLEDディスプレイのバックプレーン基板として使用するのに特にうまく適したものとなる。最後に、ここでは、積層ガラス物品におるガラスコア層としてのガラス組成物としての使用に具体的に言及しているが、そのガラス組成物は、電子機器用のカバーガラスおよびその他の類似のガラス物品などのガラス物品を形成するために独立して(すなわち、積層構造の一部としてではなく)使用してもよいことを理解すべきである。
【0112】
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に様々な改変および変更を行えることが、当業者には明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内に入るという条件で、包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0113】
100 積層ガラス物品
102 ガラスコア層
104a、104b ガラスクラッド層
200 積層フュージョンドロー装置
202 上側アイソパイプ
204 下側アイソパイプ
206 ガラスクラッド組成物
208 ガラスコア組成物
210、212 トラフ
図1
図2