(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584039
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】熱溶融型アンカーヘッド
(51)【国際特許分類】
E02D 5/80 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
E02D5/80 A
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-548707(P2018-548707)
(86)(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公表番号】特表2019-512626(P2019-512626A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】CN2017086577
(87)【国際公開番号】WO2018090599
(87)【国際公開日】20180524
【審査請求日】2018年9月14日
(31)【優先権主張番号】201611163994.4
(32)【優先日】2016年12月16日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201611016515.6
(32)【優先日】2016年11月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516348692
【氏名又は名称】蘇州市能工基礎工程有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU NG.FOUNDATION ENGINEERING CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】周 建明
(72)【発明者】
【氏名】範 恵菊
(72)【発明者】
【氏名】杜 明祥
(72)【発明者】
【氏名】陸 暁明
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103132518(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第103898903(CN,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01980712(EP,A1)
【文献】
実開平06−074633(JP,U)
【文献】
特開2008−096416(JP,A)
【文献】
特開2009−102928(JP,A)
【文献】
特開2010−139303(JP,A)
【文献】
特開2013−177760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の貫通孔を備えたアンカーリングと、通電可能な導線と、前記アンカーリング上に設けられると共に導線に接続する電気溶融部材と、前記貫通孔内に設けられ、アンカー筋を挟持するための挟持片とを含み、前記アンカーリングの底部に支圧板が設けられ、前記支圧板上に前記貫通孔に対応する開口部を有し、前記アンカーリングが金属材料で製造された熱溶融型アンカーヘッドであって、前記導線と接続すると共に前記アンカーリングの表面上に設けられたひずみゲージを更に含み、前記アンカーリングの表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層を有し、前記ひずみゲージは前記被覆層に包み込められると共に前記アンカーリングの表面と密着して一体化し、前記アンカーリングの前記支圧板に近い端部が内方に向けて突縁を延伸しており、前記突縁は前記被覆層の前記貫通孔内にある部分を支えるために用いられ、前記アンカーヘッドは、前記アンカー筋を締め付ける状態にある時、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が前記アンカーリングと挟持片との間の空間に充填されており、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が該空間内の各方向のものに動きを規制され、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が前記電気溶融部材で加熱溶融された時、前記アンカーヘッドは前記アンカー筋を開放する状態にあることを特徴とする、熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項2】
前記熱溶融型アンカーヘッドにアンカー筋の長さを測定する測定端子が設けられ、前記測定端子は導線或いは無線信号を通じて外部と通信することを特徴とする、請求項1に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項3】
前記ひずみゲージは、断熱性を持つひずみゲージであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項4】
前記ひずみゲージは、前記アンカーリングの貫通孔内壁に貼設され、前記アンカーリングの側壁に前記導線を引き出すための穴が穿設されることを特徴とする、請求項3に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項5】
前記ひずみゲージは、前記アンカーリングの外側壁、アンカーリングの上端面或いはアンカーリングの下端面に貼設されることを特徴とする、請求項3に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項6】
前記電気溶融部材は、前記貫通孔内に設けられると共に前記被覆層の前記貫通孔内にある部分で密に被覆されて一体化していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項7】
前記電気溶融部材は、前記アンカーリングの外側壁に設けられると共に前記アンカーリングの外側壁と前記被覆層の前記貫通孔外にある部分と密着して一体化していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項8】
前記被覆層の前記貫通孔外にある部分が、前記アンカーリングを保護するために用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【請求項9】
前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が、前記挟持片とマッチするテーパ面を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱溶融型アンカーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎固定の建築物技術分野に属し、特に、アンカーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
都市化プロセスの推進に伴い、地下駐車場、地下歩道、地下商店街、地下鉄等の地下施設の建設において、掘削穴と擁壁とにより基礎を強固なものにすることを進める必要がある。
【0003】
出願人が出願した名称が《改良したクランプピース式定着具》の特許文献1のアンカーボルトは、簡単に芯材を解体、回収できる便利さを持ち、かつ、掘削穴と擁壁とにより強固な基礎を作る過程において、強固さの性能に影響を及ぼさない。ただし、該アンカーボルトは、正確でリアルタイムな内力測定の機能を持っていなかった。
【0004】
出願人が知っている範囲では、従来技術内のアンカーボルトに内力測定を行なう場合、通常、ひずみゲージを用いて内力測定を行ってきたが、従来のひずみゲージは、一般的にアンカーケーブル内或いはアンカーケーブル支圧板内に固定され、通常、ひずみゲージを直接貼り付けており、実際の施工時の施工条件も複雑で変化することが多く、ひずみゲージも容易に脱落しかつ測定結果も不正確であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願番号第CN201310086728.6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足について、構造が簡単で、内力の測定も正確で、かつアンカー筋の回収を実現できる熱溶融型アンカーヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が上述の技術的課題を解決するために提出する技術的解決策としては、熱溶融型アンカーヘッドであって、少なくとも1個の貫通孔を備えたアンカーリングと、通電可能な導線と、前記アンカーリング上に設けられると共に導線に接続する電気溶融部材と、前記貫通孔内に設けられ、アンカー筋を挟持するための挟持片とを含み、前記アンカーリングの底部に支圧板が設けられ、前記支圧板上に前記貫通孔に対応する開口部を有し、前記アンカーリングが金属材料で製造され、該熱溶融型アンカーヘッドは、前記導線と接続すると共に前記アンカーリングの表面上に設けられたひずみゲージを更に含み、前記アンカーリングの表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層を有し、前記ひずみゲージは前記被覆層に包み込められると共に前記アンカーリングの表面と密着して一体化し、前記アンカーリングの前記支圧板に近い端部が内方に向けて突縁を延伸しており、前記突縁は前記被覆層の前記貫通孔内にある部分を支えるために用いられ、前記アンカーヘッドは、前記アンカー筋を締め付ける状態にある時、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が前記アンカーリングと挟持片との間の空間に充填され、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が該空間内の各方向のものに動きを規制され、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が前記電気溶融部材で加熱溶融された時、前記アンカーヘッドは前記アンカー筋を開放する状態にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明で開示される上記熱溶融型アンカーヘッドの技術的解決策の動作原理及び有利な効果は、下記の通りである。
【0009】
本発明の挟持片は、貫通孔内に設けられると共にアンカー筋(鋼より線)を挟持し、被覆層の貫通孔内にある部分がアンカーリングと挟持片との間の空間に充填されており、被覆層の貫通孔内にある部分が該空間内の各方向のものに動きを規制(挟持片は、内方から被覆層の貫通孔内にある部分を制限し、支圧板が外方から被覆層の貫通孔内にある部分を制限し、アンカーリングが周囲から被覆層の貫通孔内にある部分を取り囲み、こうして空間の各方向から被覆層の貫通孔内にある部分を制限する)される。挟持片が貫通孔に挿入された時、被覆層の貫通孔内にある部分は、アンカーリング、挟持片及び支圧板で効果的に貫通孔内に締め付けられ、この時、被覆層の貫通孔内にある部分が固体状態を呈し、被覆層の貫通孔内にある部分に対し包囲圧の効果を形成でき、すなわち、圧縮材が空間の各方向のものに規制されて変形できない時、その圧縮強度は、数倍、数十倍、のみならず百倍以上増強する。こうして被覆層の貫通孔内にある部分が逆に挟持片を圧迫してアンカー筋を締め付け、極めて大きな引き抜き力に耐えられ、従って完全に現在の強固化の需要を満たすことができる。
【0010】
回収時、導線で通電して電気溶融部材を発熱させ、被覆層の貫通孔内にある部分を軟化或いは溶融させることができ、被覆層の貫通孔内にある部分が支圧板及びアンカーリング内部から流出させることができ、こうして被覆層の貫通孔内にある部分の包囲圧の効果を解除し、芯材と挟持片との間の摩擦抵抗力を低下或いは解除することで、簡単に芯材を回収する、という目的を達成する。
【0011】
測定時、ひずみゲージが被覆層に包み込まれると共にアンカーリングの表面と密着して一体化しているため、鋼より線、すなわち、アンカーボルトの内力を、リアルタイムで正確に監視できる。
【0012】
また、本発明は、アンカーリングの表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層を有し、ひずみゲージとアンカーリングを互いに密着して一体化し、ひずみゲージをしっかり固定させ、実際の施工及び運送の時、施工及び運送条件が複雑で変化することも多いことにより、ひずみゲージが容易に脱落する問題を防止できる。同時に、金属製アンカーリングの全表面を一体化射出成形で一つの完全な保護層として製造し、構造が簡単であるだけでなく、内力の測定が正確である。更にアンカーヘッド全体の腐食を防ぐこと、また、アンカーヘッドの貫通孔内におけるアンカー筋の挟持を要する時、被覆層の貫通孔内にある部分の動きが規制されてしまうこと、アンカー筋の開放を要する時、被覆層の貫通孔内にある部分の熱溶融材料を熱溶融する必要となること、という複数の問題を解決できる。
【0013】
本発明の実施形態の改善策としては、該熱溶融型アンカーヘッドにアンカー筋の長さを測定する測定端子が設けられ、前記測定端子は導線或いは無線信号を通じて外部と通信する。
【0014】
本発明が上記技術的解決手段を用いる効果:本発明は、アンカー筋の長さを測定する測定端子を設けることによって、アンカーケーブルの実際の長さを、リアルタイムで正確に測定でき、工事の施工にとって十分重要である。
【0015】
本発明の好ましい実施態様1としては、前記ひずみゲージは、断熱性を持つひずみゲージである。
【0016】
本発明が上記技術的解決手段を用いる効果:従来のひずみゲージは、100℃以上で故障し、アンカーリングの表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層を有し、通常射出成形時の温度が300℃以上で、本発明を実現するため、断熱性を持つひずみゲージを用いる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様1の改善策としては、前記ひずみゲージは、前記アンカーリングの貫通孔内壁に貼設され、前記アンカーリングの側壁に導線を引き出すための穴が穿設される。
【0018】
測定時、ひずみゲージがアンカーリングの貫通孔の内壁上に貼設され、アンカーリング内において貫通孔内の熱溶融層に対し形成した包囲圧構造を実現し、アンカーケーブルが受けた引内力は挟持片を経由して貫通孔内の熱溶融層内に完全に伝達され、貫通孔内の熱溶融層はひずみゲージ上に伝達でき、鋼より線、すなわち、アンカーボルトの内力を、リアルタイムで正確に監視できる。
【0019】
本発明の好ましい実施態様1の改善策としては、前記ひずみゲージは、前記アンカーリングの外側壁、アンカーリングの上端面或いはアンカーリングの下端面に貼設される。
【0020】
本発明の好ましい実施態様2としては、前記電気溶融部材は、前記貫通孔内に設けられると共に前記被覆層の前記貫通孔内にある部分で密に被覆されて一体化する。
【0021】
本発明の好ましい実施態様3としては、前記電気溶融部材は、前記アンカーリングの外側壁に設けられると共に前記アンカーリングの外側壁と前記被覆層の前記貫通孔外にある部分と密着して一体化する。
【0022】
本発明の好ましい実施態様4としては、前記被覆層の前記貫通孔外にある部分が、前記アンカーリングを保護するために用いられる。
【0023】
本発明の好ましい実施態様5としては、前記被覆層の前記貫通孔内にある部分が、前記挟持片とマッチするテーパ面を備える。
【0024】
以下、添付図面を基に本発明について更に説明を進める。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施例に係る熱溶融型アンカーヘッドの構造を示す模式図一である。
【
図3】本発明の実施例に係る熱溶融型アンカーヘッドの構造を示す模式図二である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本実施例の熱溶融型アンカーヘッドは、
図1及び
図2に示すように、少なくとも1個の貫通孔1−1を備えたアンカーリング1と、通電可能な導線2と、前記アンカーリング1上に設けられると共に導線2に接続する電気溶融部材3と、貫通孔1−1内に設けられ、アンカー筋4を挟持するための挟持片5とを含む。アンカーリング1の底部に支圧板6が設けられ、支圧板6上に貫通孔1−1に対応する開口部を有する。
【0027】
該熱溶融型アンカーヘッドは、導線2と接続すると共にアンカーリング1の表面上に設けられたひずみゲージ7を更に含む。本実施例のひずみゲージ7は、断熱性を持つひずみゲージである。断熱性を持つひずみゲージ7を製造するため、ひずみゲージ7上に断熱フィルムを覆い、或いは直接ひずみゲージ7上に断熱被覆層等を製作する。ひずみゲージ7は、1枚、2枚或いは複数枚を用いる。
【0028】
アンカーリング1は、金属材料で製造される。アンカーリング1の表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層8を有し、被覆層8はアンカーリング1に対し全体的な防食保護作用を働かせることができる。ひずみゲージ7は、被覆層8に包み込められると共にアンカーリング1の表面と密着して一体化している。アンカーリング1の支圧板6に近い端部が内方に向けて突縁を延伸しており、突縁は被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を支えるために用いられる。
【0029】
前記アンカーヘッドは、前記アンカー筋4を締め付ける状態にある時、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分がアンカーリング1と挟持片5との間の空間に充填されており、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が該空間内の各方向のものに動きを規制される。被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が電気溶融部材3で加熱溶融された時、アンカーヘッドはアンカー筋4を開放する状態にある。
【0030】
該熱溶融型アンカーヘッドにアンカー筋4の長さを測定する測定端子(図示せず)が設けられる。測定端子は、導線2或いは無線信号を通じて外部と通信する。測定端子は、該熱溶融型アンカーヘッド上に固定され、アンカーリング1の外側壁、支圧板6或いはアンカーヘッドの任意位置に設けられることができる。測定端子は、設定信号を発すると共に外部設備に受信させることで、アンカーケーブルの長さを算出できる。
【0031】
本実施例のひずみゲージ7は、アンカーリング1の貫通孔1−1内壁に貼設され、アンカーリング1の側壁に導線2を引き出すための穴が穿設される(図示せず)。
【0032】
本実施例の電気溶融部材3は、貫通孔1−1内に設けられると共に被覆層8の貫通孔1−1内にある部分で密に被覆されて一体化している。また、
図3に示すように、電気溶融部材3は、アンカーリング1の外側壁に設けられると共にアンカーリング1の外側壁と被覆層8の貫通孔1−1外にある部分と密着して一体化している。被覆層8の貫通孔1−1外にある部分が、アンカーリング1を保護するために用いられる。本実施例の導線2は、コンクリート又は土壌外まで延伸され、電気溶融部材3が環状抵抗線、S状抵抗線、電熱棒或いは加熱コイルであり、挟持片5が1枚或いは複数枚の挟持片等である。
【0033】
本発明の挟持片5は、貫通孔1−1内に設けられると共にアンカー筋4(鋼より線)を挟持し、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分がアンカーリング1と挟持片5との間の空間に充填されており、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が該空間内の各方向のものに動きを規制(挟持片5は、内方から被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を制限し、支圧板6が外方から被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を制限し、アンカーリング1が周囲から被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を取り囲み、こうして、空間の各方向から被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を制限する)される。挟持片5が貫通孔1−1に挿入された時、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分は、アンカーリング1、挟持片5及び支圧板6で効果的に貫通孔1−1内に締め付けられ、この時、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が固体状態を呈し、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分に対し包囲圧の効果を形成でき、すなわち、圧縮材が空間の各方向のものに規制されて変形できない時、その圧縮強度は、数倍、数十倍、のみならず百倍以上増強する。こうして、被覆層の8貫通孔1−1内にある部分が逆に挟持片5を圧迫してアンカー筋4を締め付け、極めて大きな引き抜き力に耐えられ、従って完全に現在の強固化の需要を満たすことができる。
【0034】
回収時、導線2で通電して電気溶融部材3を発熱させ、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分を軟化或いは溶融させることができ、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が支圧板6及びアンカーリング1内部から流出させることができ、こうして被覆層8の貫通孔1−1内にある部分の包囲圧の効果を解除し、芯材と挟持片5との間の摩擦抵抗力を低下或いは解除することで、簡単に芯材を回収する目的を達成する。
【0035】
測定時、ひずみゲージ7が被覆層8に包み込まれると共にアンカーリング1の表面と密着して一体化しているため、鋼より線、すなわち、アンカーボルトの内力を、リアルタイムで正確に監視できる。
【0036】
また、本発明は、アンカーリング1の表面上に熱溶融材料を射出成形で一体的に製造した被覆層8を有し、ひずみゲージ7とアンカーリング1を互いに密着して一体化し、ひずみゲージ7をしっかり固定させ、実際の施工及び運送の時、施工及び運送条件が複雑で変化することも多いことにより、ひずみゲージ7が容易に脱落する問題を防止できる。同時に、金属製アンカーリング1の全表面を一体化射出成形で一つの完全な保護層として製造し、構造が簡単であるだけでなく、内力の測定が正確である。更にアンカーヘッド全体の腐食を防ぐ。また、アンカーヘッドの貫通孔1−1内におけるアンカー筋4の挟持を要する時、被覆層8の貫通孔1−1内にある部分の動きを規制し、アンカー筋4の開放を要する時、この部分の熱溶融材料が熱溶融することにより、複数の問題を解決できる。
【0037】
本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、1)本実施例のひずみゲージ7は、アンカーリング1の外側壁上、アンカーリング1の上端面或いはアンカーリング1の下端面に貼設され、2)被覆層8の貫通孔1−1内にある部分が、挟持片5とマッチするテーパ面を備え、3)本発明を永久アンカー分野に応用し、スマートアンカーボルトを用いてリアルタイムでアンカーボルトの内力及びアンカーボルトの長さ等を測定する。均等範囲内の置換えから成る技術的解決手段は、均しく本発明で保護を求める範囲に属する。