特許第6584047号(P6584047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000002
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000003
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000004
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000005
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000006
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000007
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000008
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000009
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000010
  • 特許6584047-パワーモジュール 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584047
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】パワーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20190919BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20190919BHJP
   H02M 7/06 20060101ALI20190919BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H02M3/155 Y
   H02M7/06 G
   H02M7/12 601A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-266286(P2012-266286)
(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-112998(P2014-112998A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2015年11月26日
【審判番号】不服2018-225(P2018-225/J1)
【審判請求日】2018年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】ミシ アブダラー
【合議体】
【審判長】 國分 直樹
【審判官】 宮本 秀一
【審判官】 須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−10377(JP,A)
【文献】 特開2010−172183(JP,A)
【文献】 特開平7−64658(JP,A)
【文献】 特開2008−199788(JP,A)
【文献】 特開2007−166803(JP,A)
【文献】 特開2007−60796(JP,A)
【文献】 特開2007−274895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M7/48
H02M3/155
H02M7/06
H02M7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)と、いずれも前記基板に設けられた第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)とを備え、
前記第1直流母線(11)には前記第2直流母線(12)よりも高い直流電位が供給され、
前記基板の外部に設けられたインダクタ(43;53)と協動して直流/直流変換を行う単数もしくは複数の直流/直流−変換用スイッチング回路(4;5)と、交流/直流変換を行う単数の交流/直流−変換用スイッチング回路(7C;7D)と、直流/交流変換を行う直流/交流−変換用スイッチング回路(6)とを前記基板において搭載して更に備え、
前記直流/直流−変換用スイッチング回路、前記交流/直流−変換用スイッチング回路及び直流/交流−変換用スイッチング回路のいずれもが、少なくとも一つのスイッチング素子を有し、
前記基板に搭載された、前記直流/直流−変換用スイッチング回路及び前記交流/直流−変換用スイッチング回路は、その前記スイッチング素子のスイッチングによって前記第1直流母線と第2直流母線との間に直流電圧を供給し、
前記基板に搭載された前記直流/交流−変換用スイッチング回路はその前記スイッチング素子のスイッチングによって前記直流電圧から交流電圧を生成するパワーモジュールであって
前記交流/直流−変換用スイッチング回路は、その入力側と前記スイッチング素子との間にアイランディング防止スイッチ(S1,S2,S3)を前記基板に有し
前記アイランディング防止スイッチが導通して、前記交流/直流−変換用スイッチング回路の前記入力側を交流負荷に接続するパワーモジュール。
【請求項2】
第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路(4)は、前記第1直流母線(11)と前記第2直流母線(12)との間において互いに直列に接続された一対の前記スイッチング素子(S41,S42)を有し、
前記第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記一対の前記スイッチング素子のいずれもが、自身が非導通であるときにのみ前記第1直流母線から前記第2直流母線へ向かう方向に電流が流れることを阻止する、請求項1記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記一対の前記スイッチング素子(S41,S42)同士の接続点に接続される第1外部端子(40)
を更に備え、
前記一対の前記スイッチング素子は、前記第1直流母線(11)側に接続される第1スイッチング素子(S41)及び前記第2直流母線(12)側に接続される第2スイッチング素子(S42)であり、
前記第1外部端子に対して前記インダクタ(43)を介して接続される充電電池(42)からの放電電圧が前記第2スイッチング素子のチョッパ動作によって昇圧されて前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給され、
前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給される直流電圧が前記第1スイッチング素子のチョッパ動作によって降圧されて前記充電電池に供給される、請求項2記載のパワーモジュール。
【請求項4】
第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路(5)は、前記第1直流母線と前記第2直流母線との間において互いに直列に接続されたダイオード(D51)及び前記スイッチング素子(S52)を有し、
前記ダイオードの順方向は前記第2直流母線から前記第1直流母線へと向かう方向であり、
前記第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記スイッチング素子は、自身が非導通であるときにのみ前記第1直流母線から前記第2直流母線へ向かう方向に電流が流れることを阻止する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【請求項5】
前記第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記ダイオード(D51)と前記スイッチング素子(S52)との接続点に接続される第2外部端子(50)
を更に備え、
前記第2外部端子に対して前記インダクタ(53)を介して接続される電池(54)からの放電電圧が前記スイッチング素子のチョッパ動作によって昇圧されて前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給される、請求項4記載のパワーモジュール。
【請求項6】
前記交流/直流−変換用スイッチング回路(7C)は単相交流電圧を直流電圧に変換する、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【請求項7】
前記交流/直流−変換用スイッチング回路(7D)は三相交流電圧を直流電圧に変換する、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【請求項8】
前記直流/交流−変換用スイッチング回路(6)が前記基板(1)に搭載される、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【請求項9】
前記直流/直流−変換用スイッチング回路(4;5)の前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体で構成される、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【請求項10】
前記スイッチング素子の全てがワイドバンドギャップ半導体で構成される、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載のパワーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はパワーモジュールに関し、特にスイッチング回路を有し、複数のスイッチング回路を有するパワーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電力変換回路を用いた電力変換システムが提案されている。これは例えば分散型電源に対応して、太陽光や風力発電など自然エネルギーを利用した電源系統において採用される。
【0003】
例えば非特許文献1では、AC/DC変換を行う電流形整流器と、直流電源用のDC/DCコンバータと、電圧型インバータとが相互に接続された構成が開示されている。
【0004】
また、非特許文献2では、二つの電圧型インバータが共通の直流母線で接続された場合の高調波成分の共振によるノイズの増加を問題視している。
【0005】
また、特許文献1では平滑コンデンサと電力変換モジュールとの間の配線インダクタンスを低減する技術を紹介している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−34268号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】加藤康司、伊藤淳一、「昇圧形AC/DC/AC直接形電力変換器の波形改善」、平成19年電気学会全国大会4−098(2007)、第4分冊153〜154頁
【非特許文献2】A.David Graham,“THE IMPORTANCE OF A DC SIDE HARMONIC STUDY FOR A DC DISTRIBUTION SYSTEM",6th IET International Conference on Power Electronics, Machines and Drives (PEMD 2012)(CP592)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら非特許文献2に示されるような電圧型インバータが二つ設けられる場合に限らず、非特許文献1に示されるような複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合、直流母線を流れる高調波は問題となる。
【0009】
なるほど、特許文献1には平滑コンデンサとスイッチング素子との間での配線長さを短くする観点での技術が紹介されてはいるものの、複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合については言及されていない。
【0010】
複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合、各スイッチング回路のスイッチング周波数は異なる場合があり、複数の周波数をノッチするフィルタを構成することは容易ではなく、スイッチング周波数ごとに複数のフィルタを設けることは部品の個数を増大させることとなって望ましくない。
【0011】
そこで本願は、複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明にかかるパワーモジュールの第1の態様は、基板(1)と、いずれも前記基板に設けられた第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)とを備える。
【0013】
前記第1直流母線(11)には前記第2直流母線(12)よりも高い直流電位が供給される。
【0014】
当該第1の態様は、単数もしくは複数の直流/直流−変換用スイッチング回路(4;5)と、単数の交流/直流−変換用スイッチング回路(7C;7D)と、直流/交流変換を行う直流/交流−変換用スイッチング回路(6)とを前記基板において搭載して更に備える。
【0015】
前記直流/直流−変換用スイッチング回路、前記交流/直流−変換用スイッチング回路及び直流/交流−変換用スイッチング回路のいずれもが、少なくとも一つのスイッチング素子を有する。
【0016】
前記直流/直流−変換用スイッチング回路は、いずれも前記基板の外部に設けられたインダクタ(43;53)と協動して直流/直流変換を行う。前記交流/直流−変換用スイッチング回路は、交流/直流変換を行う。前記直流/交流−変換用スイッチング回路は、直流/交流変換を行う。
【0017】
前記基板に搭載された、前記直流/直流−変換用スイッチング回路及び前記交流/直流−変換用スイッチング回路は、その前記スイッチング素子のスイッチングによって前記第1直流母線と第2直流母線との間に直流電圧を供給する。
【0018】
前記基板に搭載された前記直流/交流−変換用スイッチング回路はその前記スイッチング素子のスイッチングによって前記直流電圧から交流電圧を生成する。前記交流/直流−変換用スイッチング回路は、その入力側と前記スイッチング素子との間にアイランディング防止スイッチ(S1,S2,S3)を前記基板に有する。前記アイランディング防止スイッチが導通して、前記交流/直流−変換用スイッチング回路の前記入力側を交流負荷に接続する。
【0019】
この発明にかかるパワーモジュールの第2の態様は、その第1の態様であって、第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路(4)は、前記第1直流母線(11)と前記第2直流母線(12)との間において互いに直列に接続された一対の前記スイッチング素子(S41,S42)を有する。
【0020】
前記第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記一対の前記スイッチング素子のいずれもが、自身が非導通であるときにのみ前記第1直流母線から前記第2直流母線へ向かう方向に電流が流れることを阻止する。
【0021】
この発明にかかるパワーモジュールの第3の態様は、その第2の態様であって、前記第1の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記一対の前記スイッチング素子(S41,S42)同士の接続点に接続される第1外部端子(40)を更に備える。
【0022】
前記一対の前記スイッチング素子は、前記第1直流母線(11)側に接続される第1スイッチング素子(S41)及び前記第2直流母線(12)側に接続される第2スイッチング素子(S42)である。
【0023】
前記第1外部端子に対して前記インダクタ(43)を介して接続される充電電池(42)からの放電電圧が前記第2スイッチング素子のチョッパ動作によって昇圧されて前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給される。
【0024】
前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給される直流電圧が前記第1スイッチング素子のチョッパ動作によって降圧されて前記充電電池に供給される。
【0025】
この発明にかかるパワーモジュールの第4の態様は、その第1乃至第3の態様のいずれかであって、第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路(5)は、前記第1直流母線と前記第2直流母線との間において互いに直列に接続されたダイオード(D51)及び前記スイッチング素子(S52)を有する。
【0026】
前記ダイオードの順方向は前記第2直流母線から前記第1直流母線へと向かう方向である。前記第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記スイッチング素子は、自身が非導通であるときにのみ前記第1直流母線から前記第2直流母線へ向かう方向に電流が流れることを阻止する。
【0027】
この発明にかかるパワーモジュールの第5の態様は、その第4の態様であって、前記第2の前記直流/直流−変換用スイッチング回路の前記ダイオード(D51)と前記スイッチング素子(S52)との接続点に接続される第2外部端子(50)を更に備える。
【0028】
前記第2外部端子に対して前記インダクタ(53)を介して接続される電池(54)からの放電電圧が前記スイッチング素子のチョッパ動作によって昇圧されて前記第1直流母線(11)及び第2直流母線(12)に供給される。
【0030】
この発明にかかるパワーモジュールの第の態様は、その第1乃至第5の態様のいずれかであって、前記交流/直流−変換用スイッチング回路(7C)は単相交流電圧を直流電圧に変換する。
【0031】
この発明にかかるパワーモジュールの第の態様は、その第1乃至第5の態様のいずれかであって、前記交流/直流−変換用スイッチング回路(7D)は三相交流電圧を直流電圧に変換する。
【0035】
この発明にかかるパワーモジュールの第の態様は、その第1乃至第の態様のいずれかであって、前記直流/交流−変換用スイッチング回路(6)が前記基板(1)に搭載される。
【0036】
この発明にかかるパワーモジュールの第の態様は、その第1乃至第の態様のいずれかであって、前記直流/直流−変換用スイッチング回路(4;5)の前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体で構成される。
【0037】
この発明にかかるパワーモジュールの第10の態様は、その第1乃至第の態様のいずれかであって、前記スイッチング素子の全てがワイドバンドギャップ半導体で構成される。
【発明の効果】
【0038】
この発明にかかるパワーモジュールによれば、第1直流母線と第2直流母線、複数のスイッチング回路のいずれもが同じ基板に搭載されることにより、複数のスイッチング回路同士を接続する配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】第1の実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。
図2】第1の実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。
図3】第2の実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。
図4】第2の実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。
図5】第3の実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。
図6】第3の実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。
図7】第4の実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。
図8】第4の実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。
図9】第5の実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。
図10】第5の実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
第1の実施の形態.
図1はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。当該パワーモジュールは、基板1と、一対の直流母線11、12とを備える。
【0041】
直流母線11、12のいずれもが基板1に設けられる。直流母線11には直流母線12よりも高い直流電位が供給される。このような直流電位は、スイッチング回路4,5によって供給される。スイッチング回路4,5のいずれもが基板1において備えられる。
【0042】
スイッチング回路4,5は、それぞれインダクタ43,53と協動して直流/直流変換を行う。インダクタ43,53はいずれも基板1の外部に設けられる。
【0043】
スイッチング回路4は直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S41,S42を有している。スイッチング素子S41,S42のいずれも、自身が非導通であるときにのみ直流母線11から直流母線12へ向かう方向に電流が流れることを阻止する。スイッチング素子S41,S42には例えば逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタが採用される。スイッチング素子S41はスイッチング素子S42よりも直流母線11側に設けられる。
【0044】
スイッチング素子S41,S42同士の接続点は基板1に設けられた外部端子40に接続される。外部端子40はインダクタ43を介してバッテリ(充電電池)44の正極に接続される。バッテリ44の負極は、例えば図示されない箇所で接地される。
【0045】
スイッチング回路4はインダクタ43と協動して、スイッチング素子S41のスイッチングによりバッテリ44の放電によって供給される直流電圧を昇圧し、直流母線11、12間に印加する。スイッチング回路4はインダクタ43と協動して、スイッチング素子S42のスイッチングにより、直流母線11、12間の直流電圧を降圧してバッテリ44に供給し、これを充電する。
【0046】
スイッチング回路5は直流母線11,12間で直列に接続されたダイオードD51とスイッチング素子S52とを有している。スイッチング素子S52は、自身が非導通であるときにのみ直流母線11から直流母線12へ向かう方向に電流が流れることを阻止する。スイッチング素子S52には例えば逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタが採用される。ダイオードD51のカソードは直流母線11に接続され、そのアノードはスイッチング素子S52を介して直流母線12に接続される。
【0047】
ダイオードD51とスイッチング素子S52との間の接続点は基板1に設けられた外部端子50に接続される。外部端子50はインダクタ53を介して光電池54の正極に接続される。光電池54の負極は、例えば図示されない箇所で接地される。
【0048】
スイッチング回路5はインダクタ53と協動して、スイッチング素子S52のスイッチングにより光電池54から供給される直流電圧を昇圧し、直流母線11、12間に印加する。
【0049】
直流母線11,12は、基板1に設けられた外部端子81,82にそれぞれ接続される。例えば外部端子81,82には外部からコンデンサ80が接続され、直流母線11,12間の直流電圧が平滑される。図示しないが、直流負荷がコンデンサ80に並列に接続されることにより、この平滑された直流電圧が当該直流負荷に印加される。
【0050】
さて非特許文献1に鑑みれば、直流母線11,12とコンデンサ80とで共振回路が形成され、ここにおいてスイッチング回路4,5のスイッチングに起因した共振現象が発生すれば、ノイズが発生すると考えられる。特にそのような共振が発生するならば、それはスイッチング回路4,5のスイッチング周波数が異なる場合に、より複雑な問題となる。
【0051】
しかしながら、本実施の形態にかかるパワーモジュールでは、直流母線11,12、及びスイッチング回路4,5のいずれもが同じ基板に搭載される。よってスイッチング回路4,5が直流母線11,12に接続される位置を適宜に設計することができる。そして当該位置を適宜に設定できるので、スイッチング回路4,5とコンデンサ80との間の直流母線11,12のインダクタンスを調整することができる。
【0052】
従って、直流母線11,12とコンデンサ80とで共振回路が形成されるとしても、その共振周波数として、スイッチング回路4,5のスイッチング周波数を避ける設計が可能となる。
【0053】
例えば、具体的には、直流母線11,12においてスイッチング回路4,5が接続される位置同士を、いずれも外部端子81,82に近接させる設計を行うことができる。これにより、スイッチング回路4,5とコンデンサ80との間の直流母線11,12のインダクタンスを低減し、上述の共振回路の共振周波数を、スイッチング回路4,5のスイッチング周波数に対して非常に高め、共振現象の発生を抑制できる。
【0054】
逆に、直流母線11,12においてスイッチング回路4,5が接続される位置同士を、いずれも外部端子81,82から遠くに配置する設計を行って、上述の共振回路の共振周波数を、スイッチング回路4,5のスイッチング周波数に対して非常に低め、共振現象の発生を抑制できる。
【0055】
このように本実施の形態にかかるパワーモジュールによれば、複数のスイッチング回路4,5が共通の直流母線11,12で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減することができる。しかも、フィルタを別途に設ける必要がない。
【0056】
上述のような自由度のある設計は、特許文献1のように積層構造を採用した場合には困難である。これは特許文献1が複数のスイッチング回路を想定していないことからも当然の帰結であろう。
【0057】
さて、直流母線11,12間に直流電圧を印加するのはスイッチング回路4,5に限定されない。外部から供給される交流電圧を整流する整流器を設け、これによって直流母線11,12間に直流電圧を印加してもよい。
【0058】
図1ではそのような整流器としてダイオードブリッジ3Aを例示している。ダイオードブリッジ3Aも基板1に搭載されており、その入力端は基板1に設けられた外部端子22,23に接続されている。
【0059】
より具体的には、ダイオードブリッジ3AはダイオードD31,D32,D33,D34を有している。ダイオードD31,D33のいずれのカソードも直流母線11に接続され、ダイオードD32,D34のいずれのアノードも直流母線12に接続される。ダイオードD31のアノードとダイオードD32のカソードは外部端子22に接続され、ダイオードD33のアノードとダイオードD34のカソードは外部端子23に接続される。
【0060】
外部端子22,23には外部から単相交流電源2Aを接続し、これらに交流電圧を印加することができる。
【0061】
ダイオードブリッジ3Aは当該交流電圧を整流し、整流された電圧が直流母線11,12間に印加される。スイッチング回路4,5及びダイオードブリッジ3Aの各々が出力する直流電圧同士の調整は、例えばスイッチング回路4,5のスイッチング動作のタイミングを制御することで可能となる。かかる技術は公知であるので、ここでは説明を省略する。
【0062】
なお、外部端子22と単相交流電源2Aとの間には、入力リアクトル21Aが介在しているが、その機能は公知なので説明を省略する。
【0063】
また、基板1は、単相交流電源2Aから得られた交流電圧を外部へと中継することができる。具体的には外部端子22、23とそれぞれ接続される外部端子37,38が基板1に設けられてもよい。外部端子22,23に基板1の外部の第1の交流負荷に接続することにより、当該第1の交流負荷へ単相交流電源2Aから得られた交流電圧を印加することができる。
【0064】
図2はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。図2に示された構成は、図1に示された構成に対し、ダイオードブリッジ3Aをダイオードブリッジ3Bに置換し、外部端子24,39を追加して得られる。
【0065】
具体的に、ダイオードブリッジ3Bはダイオードブリッジ3Aに対してダイオードD35,D36を追加した構成を有している。ダイオードD35のカソードが直流母線11に接続され、ダイオードD36のアノードが直流母線12に接続される。ダイオードD35のアノードとダイオードD36のカソードは外部端子24に接続される。
【0066】
外部端子22,23,24には外部から三相交流電源2Bを接続し、これらに交流電圧を印加することができる。
【0067】
ダイオードブリッジ3Bは当該交流電圧を整流し、整流された電圧が直流母線11,12間に印加される。なお、外部端子22,23,24と三相交流電源2Bとの間には、入力リアクトル群21Bが介在しているが、その機能は公知なので説明を省略する。
【0068】
また、基板1は、三相交流電源2Bから得られた交流電圧を外部端子37,38,39を介して、基板1の外部の第1の交流負荷に印加することができる。
【0069】
図2に示された構成においても、スイッチング回路4,5と直流母線11,12との接続関係は図1に示された構成と共通する。図1に示された構成は単相交流電圧を整流、あるいは更に中継することができ、図2に示された構成は三相交流電圧を整流、あるいは更に中継することができる。
【0070】
第2の実施の形態.
図3はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。図3に示された構成は、図1に示された構成に対し、ダイオードブリッジ3Aをスイッチング回路7Aに置換し、外部端子37,38を削除して得られる。つまりスイッチング回路7Aが基板1に搭載されている。
【0071】
スイッチング回路7Aは直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S71,S72を有している。スイッチング素子S71はスイッチング素子S72よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S71,S72同士の接続点は外部端子22に接続される。
【0072】
スイッチング回路7Aは更に、直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S73,S74をも有している。スイッチング素子S73はスイッチング素子S74よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S73,S74同士の接続点は外部端子23に接続される。
【0073】
スイッチング回路7Aは本実施の形態においては電圧型コンバータとして機能する。即ち、単相交流電源2Aから外部端子22,23を介して得られる交流電圧を、スイッチング素子S71,S72,S73,S74のスイッチングによって整流し、整流された電圧を直流母線11,12間に印加する。スイッチング素子S71,S72,S73,S74には例えば逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタが採用される。
【0074】
スイッチング回路4,5,7Aの各々が出力する直流電圧同士の調整は、例えばスイッチング回路4,5,7Aのスイッチング動作のタイミングを制御することで可能となる。かかる技術は公知であるので、ここでは説明を省略する。
【0075】
図4はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。図4に示された構成は、図3に示された構成に対し、スイッチング回路7Aをスイッチング回路7Bに置換し、外部端子24を追加して得られる。つまりこの構成ではスイッチング回路7Bが基板1に搭載されている。
【0076】
かかる構成は、図2に示された構成に対し、ダイオードブリッジ3Bをスイッチング回路7Bに置換し、外部端子37,38,39を削除しても得られる。
【0077】
スイッチング回路7Bはスイッチング回路7Aに対してスイッチング素子S75,S76を追加した構成を有している。スイッチング素子S75,S76は直流母線11,12間で直列に接続され、スイッチング素子S75はスイッチング素子S76よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S75,S76同士の接続点は外部端子24に接続される。スイッチング素子S75,S76には例えば逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタが採用される。
【0078】
スイッチング回路7Bは本実施の形態においては電圧型コンバータとして機能する。即ち、三相交流電源2Bから外部端子22,23,24を介して得られる交流電圧を、スイッチング素子S71,S72,S73,S74,S75,S76のスイッチングによって整流し、整流された電圧が直流母線11,12間に印加される。
【0079】
このように本実施の形態にかかるパワーモジュールによれば、複数のスイッチング回路4,5及びスイッチング回路7A(あるいはスイッチング回路7B)の各々が共通の直流母線11,12で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減することができる。
【0080】
なお、本願では、複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合における配線のインダクタンスを調整することを目的とするので、スイッチング回路7A(あるいはスイッチング回路7B)、スイッチング回路4,5のいずれか一つが省略された場合にも適用できる。これら三者のうちスイッチング回路7A(あるいはスイッチング回路7B)を省略した場合が第1の実施の形態で説明された。逆に、本実施の形態及びこれ以降の実施の形態においてスイッチング回路4,5のいずれか一つが省略されてもよい。
【0081】
第3の実施の形態.
図5はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。図5に示された構成は、図3に示された構成に対し、外部端子77,78を追加し、スイッチング回路7Aをスイッチング回路7Cに置換して得られる。つまり当該構成ではスイッチング回路7Cが基板1に搭載されている。
【0082】
外部端子77は、スイッチング素子S71、S72同士の接続点に接続される。外部端子78は、スイッチング素子S73、S74同士の接続点に接続される。
【0083】
スイッチング回路7Cはスイッチング回路7AにスイッチS1,S2を追加して得られる。スイッチS1は、外部端子22と、スイッチング素子S71、S72同士の接続点との間に接続される。スイッチS2は、外部端子23と、スイッチング素子S73、S74同士の接続点との間に接続される。つまりスイッチS1,S2はスイッチング回路7Cへの入力側に設けられる。
【0084】
本実施の形態においてスイッチング回路7Cは電圧型整流器として機能するのみならず、電圧型インバータとしても機能する。前者の機能は第2の実施の形態で説明しており、後者の機能は公知であるので説明を省略する。
【0085】
スイッチS1,S2はアイランディング防止(anti islanding)用のスイッチとして機能する。例えばスイッチS1,S2がオンしているとき、外部端子22と外部端子77が接続され、外部端子23と外部端子78とが接続される。よって外部端子77,78には、単相交流電源2Aから得られる単相交流電圧が印加される。第1の交流負荷は外部端子77,78に接続されることにより、基板1によって中継された当該交流電圧が印加される。
【0086】
他方、スイッチング回路4,5の少なくともいずれか一方から直流母線11,12間に印加される直流電圧を、スイッチング回路7Cのスイッチング動作により、単相交流電圧を生成することもできる。当該単相交流電圧は外部端子77,78に印加されるのみならず、外部端子22,23を介して単相交流電源2Aへと逆潮流する。即ちこの場合、入力リアクトル21Aは連係リアクトルとして機能する。
【0087】
しかし例えば単相交流電源2A側でメンテナンスを行う場合、逆潮流を防止する必要がある。この防止のため、外部端子22,23とスイッチング回路7Cとを切り離すことが可能なスイッチS1、S2が設けられている。
【0088】
つまり、逆潮流を防止したい場合にはスイッチS1,S2をオフする。それ以外の場合には、スイッチS1,S2をオンし、例えば第1の交流負荷に単相交流電圧を中継することができる。
【0089】
図6はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。図6に示された構成は、図5に示された構成に対し、スイッチング回路7Cをスイッチング回路7Dに置換し、外部端子24,79を追加して得られる。つまりこの構成ではスイッチング回路7Dが基板1に搭載されている。
【0090】
かかる構成は、図2に示された構成に対し、ダイオードブリッジ3Bをスイッチング回路7Dに置換し、外部端子37,38,39を外部端子77,78,79に置換しても得られる。
【0091】
スイッチS3は、外部端子24と、スイッチング素子S75、S76同士の接続点との間に接続される。つまりスイッチS3はスイッチング回路7Dへの入力側に設けられる。
【0092】
スイッチング回路7Dは本実施の形態においてはスイッチング回路7Cと同様に、電圧型インバータとして機能することもできる。またスイッチS3はスイッチS1,S2と同様にアイランディング防止用のスイッチとして機能する。また入力リアクトル群21Bは連係リアクトルとして機能する。
【0093】
本実施の形態にかかるパワーモジュールは、第2の実施の形態と同様に、複数のスイッチング回路4,5及びスイッチング回路7C(あるいはスイッチング回路7D)の各々が共通の直流母線11,12で接続されるので、第2の実施の形態と同様に、第1の実施の形態で説明された効果を得ることができる。
【0094】
また本実施の形態ではアイランディング防止用にスイッチS1,S2(あるいは更に、スイッチS3)を設けた。よってアイランディングを防止しつつ、スイッチング回路7C(あるいはスイッチング回路7D)を、電圧型整流器としても、電圧型インバータとしても機能させることができる。
【0095】
第4の実施の形態.
図7はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。図7に示された構成は、図1に示された構成に対し、基板1にスイッチング回路6及び外部端子67,68,69、並びに冷媒導入管13及び冷媒排出管14を追加して搭載して得られる。
【0096】
図8はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。図8に示された構成は、図2に示された構成に対し、基板1にスイッチング回路6及び外部端子67,68,69、並びに冷媒導入管13及び冷媒排出管14を追加して搭載して得られる。
【0097】
スイッチング回路6は直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S61,S62を有している。スイッチング素子S61はスイッチング素子S62よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S61,S62同士の接続点は外部端子67に接続される。
【0098】
スイッチング回路6は更に、直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S63,S64をも有している。スイッチング素子S63はスイッチング素子S64よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S63,S64同士の接続点は外部端子68に接続される。
【0099】
スイッチング回路6は更に、直流母線11,12間で直列に接続されたスイッチング素子S65,S66をも有している。スイッチング素子S65はスイッチング素子S66よりも直流母線11側に設けられる。スイッチング素子S65,S66同士の接続点は外部端子69に接続される。スイッチング素子S61,S62,S63,S64,S65,S66には例えば逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタが採用される。
【0100】
スイッチング回路6は直流母線11,12間に印加された直流電圧を交流電圧に変換する電圧型インバータとして機能する。即ち、直流母線11,12間に印加された直流電圧を、スイッチング素子S61,S62,S63,S64,S65,S66のスイッチングによって三相電圧に変換し、当該三相電圧が外部端子67,68,69に印加される。
【0101】
外部端子67,68,69に基板1の外部の第2の交流負荷に接続することにより、当該第2の交流負荷へスイッチング回路6から得られた三相交流電圧を印加することができる。
【0102】
このように本実施の形態にかかるパワーモジュールによれば、複数のスイッチング回路4,5,6の各々が共通の直流母線11,12で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減することができる。
【0103】
なお、本願では、複数のスイッチング回路が共通の直流母線で接続された場合における配線のインダクタンスを調整することを目的とするので、スイッチング回路4,5,6のいずれか一つが省略された場合にも適用できる。これら三者のうちスイッチング回路6を省略した場合が第1の実施の形態で説明された。逆に、本実施の形態及びこれ以降の実施の形態において、スイッチング回路4,5のいずれか一つが省略されてもよい。
【0104】
また、スイッチング回路6は、直流母線11,12間に印加された直流電圧を、三相電圧ではなく、単相電圧に変換しても良い。例えばスイッチング回路6からスイッチング素子S65,S66及び外部端子69を削除した構成によれば、そのような変換を行う電圧型コンバータが得られる。
【0105】
冷媒を冷媒導入管13から導入し、冷媒排出管14から排出することによって、基板1、引いてはダイオードブリッジ3A(あるいはダイオードブリッジ3B)、スイッチング回路4,5,6を冷却することができる。例えば当該冷媒として冷凍サイクルに採用される冷媒を用いてもよい。この場合、当該冷媒を圧縮対象とする圧縮機を、第2の交流負荷として採用することもできる。この場合、第2の交流負荷で採用される冷媒を基板1の冷却に利用することができる観点で有利である。
【0106】
第5の実施の形態.
図9はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの構成を示す回路図である。図9に示された構成は、図5に示された構成に対し、基板1にスイッチング回路6及び外部端子67,68,69、並びに冷媒導入管13及び冷媒排出管14を追加して搭載して得られる。
【0107】
図10はこの実施の形態にかかるパワーモジュールの他の構成を示す回路図である。図10に示された構成は、図6に示された構成に対し、基板1にスイッチング回路6及び外部端子67,68,69、並びに冷媒導入管13及び冷媒排出管14を追加して搭載して得られる。
【0108】
このように本実施の形態にかかるパワーモジュールによれば、複数のスイッチング回路4,5,6及びスイッチング回路7C(あるいはスイッチング回路7D)の各々が共通の直流母線11,12で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減することができる。
【0109】
本実施の形態においてスイッチング回路4,5の両方が省略されてもよい。この場合、スイッチング回路7C(あるいはスイッチング回路7D)とスイッチング回路6とはコンデンサ80を介して接続された、間接形交流電力変換回路を構成する。
【0110】
なお、この実施の形態及び第4の実施の形態において、冷媒導入管13及び冷媒排出管14を省略しても、本願の目的を達成できることは明白である。
【0111】
<上位概念の説明>
上記実施の形態において、スイッチング回路4,5は、基板1の外部に設けられたインダクタ43,43と協動して直流/直流変換を行う直流/直流−変換用スイッチング回路として把握できる。
【0112】
またスイッチング回路7A,7B,7C,7Dのいずれもが、交流/直流変換を行う交流/直流−変換用スイッチング回路として把握できる。
【0113】
またスイッチング回路6,7C,7Dのいずれもが、直流/交流変換を行う直流/交流−変換用スイッチング回路として把握できる。
【0114】
従って上記実施の形態のいずれについても、単数もしくは複数の直流/直流−変換用スイッチング回路、単数もしくは複数の交流/直流−変換用スイッチング回路、直流/交流−変換用スイッチング回路のうちの少なくとも二つが基板1に搭載されて設けられる、と把握することができる。
【0115】
そして、基板1に搭載された、直流/直流−変換用スイッチング回路4,5及び/または交流/直流−変換用スイッチング回路7A,7B,7C,7Dは、そのスイッチング素子S41,S42,S52,S71,S72,S73,S74,S75,S76のスイッチングによって直流母線11,12の間に直流電圧を供給する、と把握することができる。
【0116】
また基板1に搭載された、直流/交流−変換用スイッチング回路6,7C,7Dはそのスイッチング素子S61,S62,S63,S64,S65,S66,S71,S72,S73,S74,S75,S76のスイッチングによって、直流母線11,12の間に直流電圧から単相もしくは三相の交流電圧を生成する、と把握することができる。
【0117】
そして上記実施の形態の各効果は、これら複数のスイッチング回路が、いずれも基板1に設けられた共通の直流母線11,12で接続された場合における配線のインダクタンスを調整し、以てノイズを低減する、と把握することができる。
【0118】
<変形>
基板1は両面基板であって、複数のスイッチング回路が基板1の異なる面に振り分けて設けられてもよい。
【0119】
また、スイッチング素子S41,S42,S52,S61,S62,S63,S64,S65,S66,S71,S72,S73,S74,S75,S76にはいわゆるワイドバンドギャップ素子を採用することは、スイッチングの高速化の観点で望ましい。
【0120】
あるいは更に、スイッチS1,S2,S3にもバンドギャップ素子を採用してもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 基板
3A,3B ダイオードブリッジ
4,5,6,7A,7B,7C,7D スイッチング回路
11,12 直流母線
40,50 外部端子
42 充電電池
43,53 インダクタ
54 電池
D51 ダイオード
S1,S2,S3 スイッチ
S41,S42,S52,S61,S62,S63,S64,S65,S66,S71,S72,S73,S74,S75,S76 スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10