(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記嵌合状態において、前記プラグ側位置決め部を前記レセプタクル側位置決め部に当接させたまま、前記プラグを前記レセプタクルに保持するレセプタクル側保持部と、を備える、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のレセプタクル。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明の便宜上、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」の方向は、各図に示す通りである。プラグの正面は、プラグの前側であり、レセプタクルの正面は、レセプタクルの後側である。また、「垂直」という語は、「略垂直」の意味を含む。「直交」という語は、「略直交」の意味を含む。
【0011】
まず、本実施形態のコネクタ100の概要を
図1〜
図6の模式図を用いて説明する。本実施形態のコネクタ100は、例えば、光電気ハイブリッド伝送を行う光電気混成コネクタ100である。本実施形態のコネクタ100は、挿入側コネクタとなるプラグ101と、受け側コネクタとなるレセプタクル102とを備える。
【0012】
(プラグ101の概要)
図1に示すように、挿入側コネクタとなる本実施形態のプラグ101は、光電気接続ユニット1、シャッタ2、弾性部材3(第2の付勢部)、弾性部材4(第1の付勢部)、および、ケース5を備えている。
【0013】
光電気接続ユニット1は、レセプタクル102が備える光電気接続ユニット51(
図2)との接続体となる。光電気接続ユニット1は、2つの光接続ユニット6(プラグ側光接続ユニット)と、1つの電気接続ユニット7(プラグ側電気接続ユニット)とを備える。
【0014】
光接続ユニット6は、電気接続ユニット7の左右両側に1つずつ配置されており、電気接続ユニット7と一体であってもよいし、別体であってもよい(
図1の構成は、一体である)。例えば、光接続ユニット6の一方は、光接続の送信用(レセプタクル102に光を送信)であり、他方は受信用(レセプタクル102からの光を受信)である。光接続ユニット6は、例えば、ULTEM(登録商標)、PEI(ポリエーテルイミド)などの樹脂でできている。光接続ユニット6には、前後方向に延在しているファイバ8の先端部を受容するファイバ穴が形成されている。光接続ユニット6は、レンズ9(プラグ側光接続部)と、位置決め面10(プラグ側位置決め部)と、光路変換部11とを備える。
【0015】
レンズ9は、光を屈折させる光学素子である。電気接続ユニット7の左側にある光接続ユニット6が備えるレンズ9は、その光接続ユニット6の左側面に配置されている。電気接続ユニット7の右側にある光接続ユニット6が備えるレンズ9は、その光接続ユニット6の右側面に配置されている。なお、プラグ101のレセプタクル102への挿抜方向が図面における前後方向に対応しているので、レンズ9はプラグ101の挿抜方向に対して直交する側面に配置されることになる。レンズ9は、レセプタクル102が備える光電気接続ユニット51のレンズ55(
図2)との光接続を行う。レンズ9の光軸は、レンズ55との光接続方向がプラグ101の挿抜方向と直交してなるように設置される。レンズを採用することで、光接続の機能を高めることができる。例えば伝送する光をコリメート化するレンズを採用すれば光軸ズレに対する耐性を向上させることができる。
【0016】
位置決め面10は、レセプタクル102が備える光電気接続ユニット51の位置決め面56(
図2)に当接して、プラグ101およびレセプタクル102の嵌合状態(
図3)における光接続ユニット6の位置(前後方向の位置)を決定する。電気接続ユニット7の左側にある光接続ユニット6が備える位置決め面10は、その光接続ユニット6の左側面に形成されており、その光接続ユニット6と一体である。電気接続ユニット7の右側にある光接続ユニット6が備える位置決め面10は、その光接続ユニット6の右側面に形成されており、その光接続ユニット6と一体である。位置決め面10は、前後方向に直交する平面である。位置決め面10は、前後方向に非直交であってもよいし、また、非平面であってもよい。
【0017】
光路変換部11は、光の入射方向に対して略45度の傾斜面を備え、光接続ユニット6の内部で伝送される光の光路を略90度変換する。電気接続ユニット7の左側にある光接続ユニット6が備える光路変換部11は、対応のファイバ8から前方向に伝送される光を前方向と直交する左方向へ光路を変換して、対応のレンズ9に伝送する、あるいは、対応のレンズ9から入射して右方向に伝送される光を右方向と直交する後方向へ光路を変換して、対応のファイバ8に伝送する。電気接続ユニット7の右側にある光接続ユニット6が備える光路変換部11は、対応のファイバ8から前方向に伝送される光を前方向と直交する右方向へ光路を変換して、対応のレンズ9に伝送する、あるいは、対応のレンズ9から入射して左方向に伝送される光を左方向と直交する後方向へ光路を変換して、対応のファイバ8に伝送する(
図4)。光接続ユニット6が屈折率1.5程度以上の材料(ULTEM、PEIなど)でできているため、光接続ユニット6の一部を中空部とすることで、中空部が光路変換部11として機能することにより(つまり、光路変換部11の媒質は空気)、光を全反射させる。
【0018】
電気接続ユニット7は、左右方向において中央に配置されており、レセプタクル102との電気伝送(電気信号の送受信)を行う。電気接続ユニット7には、前後方向に延在している電気接続端子7aが左右方向(幅方向)に複数並設されている。嵌合状態(
図3)において、電気接続ユニット7の電気接続端子7aと、レセプタクル102が備える光電気接続ユニット51の電気接続ユニット54(
図2)の電気接続端子54aとが接触することで、電気伝送が実現される。
なお、電気接続端子7aの各々を先端に備える複数の電気ワイヤ7bおよびファイバ8は、ケーブル12に束ねられてプラグ101の後方へ延在している。
また、光接続ユニット6は、電気接続ユニット7の左右両側に配置されているので、プラグ101を低背化することができる。これによりコネクタ100全体の低背化を実現できる。
【0019】
シャッタ2は、光電気接続ユニット1の側面を囲むように筒状を呈している。シャッタ2は、光電気接続ユニット1の側面に沿って前後方向に移動することができる。シャッタ2は、レンズ9および位置決め面10を被覆する位置にある「閉状態」、および、閉状態と比較して後方に移動し、レンズ9および位置決め面10を露出する位置にある「開状態」、になる。シャッタ2の後端部にはフランジ2aが形成されている。フランジ2aには、弾性部材4の前端部が当接している。
【0020】
弾性部材3は、光電気接続ユニット1の2つの光接続ユニット6の各々の後方に当接し、光電気接続ユニット1を前方に付勢する。弾性部材3の後端部は、ケース5の一部分に当接している。弾性部材3は、例えば、コイルバネである。
【0021】
弾性部材4は、シャッタ2の後端部に当接し、シャッタ2を前方に付勢する。弾性部材4の後端部は、ケース5の一部分に当接している。弾性部材4は、例えば、コイルバネである。なお、シャッタ2のフランジ2aは、ケース5の一部分に前方から当接し係止されるため、シャッタ2がケース5から飛び出すことはない。
【0022】
ケース5は、プラグ101の筺体となり、光電気接続ユニット1の前面を露出させるとともに、複数の電気ワイヤ7bおよびファイバ8を束ねるケーブル12を後方へ排出する。ケース5は、例えば、樹脂製である。ケース5は、1対の位置決めポスト13を備える。
【0023】
位置決めポスト13は、ケース5の前面、かつ、シャッタ2の左右外側に配置されており、嵌合状態(
図3)では、レセプタクル102内に位置し、前後方向を回転軸とするプラグ101の回転位置を決定する。位置決めポスト13は、嵌合状態にて、レセプタクル102のケース52(
図2)に形成されている孔52a(
図2)(レセプタクル側保持部)に係合する爪部13a(プラグ側保持部)を備える。爪部13aおよび孔52aは、プラグ101をレセプタクル102に保持する保持構造をとり、嵌合状態のプラグ101が弾性部材3および弾性部材4の付勢力によってレセプタクル102から外れてしまうことを防止する。
【0024】
(レセプタクル102の概要)
図2に示すように、受け側コネクタとなる本実施形態のレセプタクル102は、光電気接続ユニット51、および、ケース52を備えている。
【0025】
光電気接続ユニット51は、プラグ101が備える光電気接続ユニット1(
図1)との接続体となり、プラグ101の光電気接続ユニット1を受容する受容部分を有する。光電気接続ユニット51は、2つの光接続ユニット53(レセプタクル側光接続ユニット)と、1つの電気接続ユニット54(レセプタクル側電気接続ユニット)とを備える。
【0026】
光接続ユニット53は、電気接続ユニット54の左右両側に1つずつ配置されており、電気接続ユニット54と一体であってもよいし、別体であってもよい(
図2の構成は、一体である)。例えば、光接続ユニット53の一方は、光接続の送信用(プラグ101に光を送信)であり、他方は受信用(プラグ101からの光を受信)である。光接続ユニット53は、例えば、ULTEM、PEI(ポリエーテルイミド)などの樹脂でできている。光接続ユニット53には、前後方向に延在しているファイバ58の先端部を受容するファイバ穴が形成されている。光接続ユニット53は、レンズ55(レセプタクル側光接続部)と、位置決め面56(レセプタクル側位置決め部)と、光路変換部57とを備える。
【0027】
レンズ55は、光を屈折させる光学素子である。電気接続ユニット54の左側にある光接続ユニット53が備えるレンズ55は、その光接続ユニット53の左側面に配置されている。電気接続ユニット54の右側にある光接続ユニット53が備えるレンズ55は、その光接続ユニット53の右側面に配置されている。レンズ55は、プラグ101が備える光電気接続ユニット1のレンズ9(
図1)との光接続を行う。レンズ55の光軸は、レンズ9との光接続方向がプラグの挿抜方向と直交してなるように設置される。レンズを採用することで、光接続の機能を高めることができる。例えば伝送する光をコリメート化するレンズを採用すれば光軸ズレに対する耐性を向上させることができる。
【0028】
位置決め面56は、プラグ101が備える光電気接続ユニット1の位置決め面10(
図1)に当接して、プラグ101およびレセプタクル102の嵌合状態(
図3)における光接続ユニット6の位置(前後方向の位置)を決定する。電気接続ユニット54の左側にある光接続ユニット53が備える位置決め面56は、その光接続ユニット53の正面(後面)上に形成されており、その光接続ユニット53と一体である。電気接続ユニット54の右側にある光接続ユニット53が備える位置決め面56は、その光接続ユニット53の正面(後面)上に形成されており、その光接続ユニット53と一体である。位置決め面56は、前後方向に直交する平面である。位置決め面56は、前後方向に非直交であってもよいし、また、非平面であってもよい。
【0029】
光路変換部57は、光の入射方向に対して略45度の傾斜面を備え、光接続ユニット53の内部で伝送される光の光路を略90度変換する。電気接続ユニット54の左側にある光接続ユニット53が備える光路変換部57は、対応のファイバ58から後方向に伝送される光を後方向と直交する右方向へ光路を変換して、対応のレンズ55に伝送する、あるいは対応のレンズ55から入射して左方向に伝送される光を左方向と直交する前方向へ光路を変換して、対応のファイバ58に伝送する。電気接続ユニット54の右側にある光接続ユニット53が備える光路変換部57は、対応のファイバ58から後方向に伝送される光を後方向と直交する左方向へ光路を変換して、対応のレンズ55に伝送する、あるいは対応のレンズ55から入射して右方向に伝送される光を右方向と直交する前方向へ光路を変換して、対応のファイバ58に伝送する(
図4)。光接続ユニット53が屈折率1.5以上の材料(ULTEM、PEIなど)でできているため、光接続ユニット53の一部を中空部とすることで、中空部が光路変換部57として機能することにより(つまり、光路変換部57の媒質は空気)、光を全反射させる。
【0030】
電気接続ユニット54は、レセプタクル102側にて左右方向に関して中央に配置されており、プラグ101との電気伝送(電気信号の送受信)を行う。電気接続ユニット54には、前後方向に延在している電気接続端子54aが左右方向(幅方向)に複数並設されている。嵌合状態(
図3)において、電気接続ユニット54の電気接続端子と、プラグ101が備える光電気接続ユニット1の電気接続ユニット7(
図1)の電気接続端子7aとが接触することで、電気伝送が実現される。
【0031】
ケース52は、レセプタクル102の筺体となり、光電気接続ユニット51を格納する。ケース52は、例えば、金属製である。ケース52は、1対の位置決めポスト受容部59を備える。プラグ101を挿入すると、シャッタ2の上下の前端面は、ケース52の挿入口(ケース52の後端部)に当接する。
【0032】
位置決めポスト受容部59は、ケース52の内側、かつ、光接続ユニット53の左右外側に形成された空間であって、レセプタクル102に挿入されたプラグ101の位置決めポスト13を受容する。先述したように、ケース52の左右側面に形成された孔52aは、位置決めポスト13の爪部13aとともに、プラグ101をレセプタクル102に保持する保持構造の一部となる。
【0033】
(側面結合)
図3および
図4に示すように、嵌合状態では、シャッタ2がケース5内に格納されてレンズ9が露出し、光接続ユニット6の位置決め面10と光接続ユニット53の位置決め面56とが当接しているため、レンズ9,55は対向する。よって、嵌合状態におけるレンズ9,55間で行われる光接続の光接続方向は左右方向であり、プラグ101の挿抜方向である前後方向とは直交する(側面結合)。
【0034】
従来のコネクタは、光接続方向を挿抜方向と同じとし、プラグの先端面にレンズ等の光接続部を配置しているものが一般的であった。このようなコネクタにおいては、プラグの光接続部を保護するためのシャッタは、プラグの先端面よりもプラグ挿入側に配置し、嵌合状態では、挿抜方向の垂直方向に移動する構造をとる必要があった。しかし、シャッタにこのような構造を持たせると、コネクタの垂直方向の大型化を招くという不都合があった。本実施形態では、側面結合を採用することで、シャッタ2を挿抜方向に移動させることができ、コネクタ100の垂直方向の小型化を実現することができる。
【0035】
(光軸合わせ(1))
図3に示すように、嵌合状態にあるコネクタ100の電気伝送は、プラグ101の電気接続ユニット7の電気接続端子7aと、レセプタクル102の電気接続ユニット54の電気接続端子54aとが面接触して実現される。このとき、電気接続端子7aの一部分でも電気接続端子54aに接触していれば電気伝送は実現されるので、電気接続端子7a、54a間に求められる位置決め精度は、それほど高くする必要がない。
【0036】
一方、側面結合を行うレンズ9,55間の光軸合わせに求められる、レンズ9、55間の位置決め精度は、前記した電気接続と比較して高くする必要があり、特に、挿抜方向についてはなおさらである。本発明においては、この問題を解決する手段として、以下に詳述する光接続ユニットと位置決め面の一体化(第1の解決手段)、および位置決め面をプラグ先頭部ではなくプラグ側面に備えるという構成(第2の解決手段)を提供する。
【0037】
まずは、第1の解決手段について説明する。本実施形態のプラグ101は、光接続ユニット6と位置決め面10が一体化されている。また、実施形態のレセプタクル102も、光接続ユニット53と位置決め面56が一体化されている。これにより、位置決め面10と56が当接した場合、挿抜方向の光軸ズレを一体化された部品の寸法公差オーダーにまで小さくすることができる。
【0038】
(光軸合わせ(2))
次に第2の解決手段について説明する。
図5(a)の比較例に示すように、従来のコネクタ(光電気混成コネクタとする)は、プラグの光電気接続ユニットの前面、つまり先端面が、レセプタクルの光電気接続ユニットが形成する、プラグの光電気接続ユニットを受容する受容部分の底面に当接することで、レンズ同士の挿抜方向の光軸合わせがなされていた。つまり、プラグの光電気接続ユニットの先端面およびレセプタクルの光電気接続ユニットの受容部分の底面は、プラグの光電気接続ユニットの位置決め面となっていた。しかし、受容部分の底面の面積は比較的が大きいうえ、受容部分の構造上、概してゴミ、埃、塵などの異物が溜まりやすい。したがって、
図5(b)に示すように、レンズ間の側面結合に関して、異物混入による挿抜方向の光軸ズレを招く可能性が高かった。
【0039】
図3に示すように、本実施形態のコネクタ100は、レンズ9,55による側面結合に対して、プラグ101の位置決め面10を光接続ユニット6の側面に備えている。これにより、プラグ101の光接続ユニット6が備える位置決め面10の面積を比較的小さくすることができ、異物が位置決め面10に付着する可能性を低減することができる。
また、プラグ101の位置決め面10がレンズ9よりも後方に配置されていることに対応して、レセプタクル102の位置決め面56は、光接続ユニット53の正面に、かつ、レセプタクル102の挿入口付近に配置されている。これにより、仮に、位置決め面56に異物が付着したとしても、布で拭う、息を吹きかける、などして容易に異物を排除することができる。
また、コネクタ100を使用するユーザがよく手に取るプラグ101の位置決め面10は、未挿入状態ではシャッタ2に被覆されているので、位置決め面10に異物が付着する可能性は大幅に低減されている。
これらの効果の結果、レンズ9,55間の側面結合に関して、異物混入による挿抜方向の光軸ズレを招く可能性を大幅に低減することができる。
なお、
図3に示すように、レセプタクル102の光電気接続ユニット51の受容部分の底面から位置決め面56までの距離Yは、プラグ101の光電気接続ユニット1の先端面から位置決め面10までの距離Xよりも長い。すなわち、レセプタクル102の受容部分底面とプラグ101の先端面との間に隙間を有している。これにより、受容部分の底面に溜まってしまった異物による光軸ズレへの影響を大幅に低減している。
【0040】
(コネクタ100の作用)
プラグ101をレセプタクル102に挿入する場合、プラグ101の構成部材およびレセプタクル102の構成部材は以下のように作用する。
【0041】
まず、
図6(a)に示すように、レセプタクル102に対向配置されている未挿入状態のプラグ101において、シャッタ2は、弾性部材4によって後方から付勢されるとともに、ケース5の一部分に後方から当接、係止している。このため、シャッタ2は、閉状態としてその移動可能範囲の最前側に配置されており、レンズ9および位置決め面10を被覆している。
【0042】
図6(b)に示すように、レセプタクル102にプラグ101を挿入し始めると、シャッタ2がレセプタクル102のケース52の挿入口(後端部)に当接する。
【0043】
図6(c)に示すように、プラグ101をレセプタクル102内にさらに押し込むと、シャッタ2が弾性部材4をその付勢力に抗して圧縮しながら徐々に開状態になる。プラグ101の位置決め面10がレセプタクル102の位置決め面56に当接するまで押し込むと、レンズ9,55同士の光軸が一致する。このとき、電気接続ユニット7,54同士による電気接続端子7a、54aによる電気接続が完了する。また、位置決めポスト13は、位置決めポスト受容部59内に受容され、左右方向内側に撓み始める。
【0044】
図6(d)に示すように、プラグ101をレセプタクル102内にさらに押し込むと、光電気接続ユニット1が弾性部材3をその付勢力に抗して圧縮する。すると、位置決めポスト13は、位置決めポスト受容部59内に押し込まれ、孔52aを経由して左右方向外側に復元した爪部13aがケース52に係合する。その結果、プラグ101はレセプタクル102に保持され、嵌合状態の後の弾性部材3,4によるプラグ101の抜けが防止される。また、位置決めポスト13および位置決めポスト受容部59によってレンズ9,55同士の、前後方向軸周りの回転位置が決定する。また、位置決め面10は、弾性部材3により位置決め面56に弾接するため、嵌合状態の間は位置決め面10、56が分離して隙間が形成されないように密着しており、レンズ9,55同士の光軸合わせが嵌合状態において確実に維持される。
なお、嵌合状態におけるレンズ9,55間の距離は、位置決めポスト13および位置決めポスト受容部59によって決定される。
【0045】
プラグ101をレセプタクル102から抜き出すときは、位置決めポスト13を左右方向内側に押して、爪部13aによる孔52aとの係合を解除すればよい。弾性部材3,4による付勢が作用して嵌合状態は円滑に解除される。
【0046】
[具体例]
続いて、上記したコネクタ100の概要を具現化したコネクタ100の構造の具体例を説明する。この具体例では、具現化するにあたって、すでに説明したコネクタ100の概要で示した構成とは一部相違しており、その相違点を中心に説明する。
【0047】
図7(a)に示すように、プラグ101のケース5は、ケース5の前面、かつ、シャッタ2の左右両側に、1対の位置決めポスト13を備える。位置決めポスト13は、前方に延在しているとともに、左右外側の一方に開いた、前方視コ字状となる収容部14を形成している。収容部14の各々には、左右方向に撓むことができるように折り曲げられた板状の保持部15(プラグ側保持部)の前部分が収容されている。保持部15の前部分は、外部から視認可能であり、保持部15のその他の部分(
図8参照)は、ケース5の内部に配置されている。保持部15の前部分には、板厚方向に貫通した孔15a(プラグ側保持部)が形成されている。孔15aは、レセプタクル102のケース52の左右の内壁部に形成されている爪部63(
図11(b)参照)(レセプタクル側保持部)が係合する箇所である。
【0048】
図7(b)に示すように、シャッタ2は、レセプタクル102のケース52(金属シェル)の挿入口(後端部)の一部分に当接し、嵌合状態ではケース5内に収容される。このとき、爪部63は、孔15aに係合する。
【0049】
(プラグ101の構造の具体例)
図8に示すように、シャッタ2は、その後端部にて左右外側に延在するフランジ2aを備える。フランジ2aは、弾性部材4を後方から受ける機能、および、収容部14に当接することでケース5からの飛び出しを防止する機能を有する。
【0050】
光電気接続ユニット1は、左右方向中央にある電気接続ユニット7と、電気接続ユニット7の左右両側に配置されている光接続ユニット6を備えており、電気接続ユニット7および1対の光接続ユニット6は一体である。よって、光電気接続ユニット1全体が、2つの弾性部材3により後方から付勢されることになる。このため、弾性部材3は、電気接続ユニット7をレセプタクル102の電気接続ユニット54(
図10(b))に円滑に摺動させて、位置決め面10をレセプタクル102の位置決め面56に到達させる程度の付勢力を有する。
【0051】
図8、
図9(a)および
図9(b)に示すように、光電気接続ユニット1の外形は、一般的に普及して周知である電気伝送用のプラグ(例:マイクロUSB2.0)に用いられる電気接続ユニットの外形と同じである。
【0052】
光電気接続ユニット1は、金属製の外殻部16に囲まれている。外殻部16は、光電気接続ユニット1に脱着可能に取り付けられおり、上方に開放されている電気接続端子7aを保護する。外殻部16は、シャッタ2に囲まれている。
【0053】
外殻部16の左右両側は切り欠かれており、レンズ9が露出している。よって、外殻部16はレンズ9、55(
図11(a))同士の側面結合を妨げない。
なお、露出させたいレンズ9の位置に合わせて外殻部16の一部を切り欠くことで、レンズ9の露出方向は任意に設計することができる。
【0054】
図9(b)に示すように、位置決め面10は、光接続ユニット6の側面に形成され、レンズ9よりも後方に位置しており、正面に向いている。嵌合状態では、レセプタクル102の光接続ユニット53の位置決め面56(
図10)に当接している。また、位置決め面10は、下方に延びて形成されているため、位置決め面10を左右方向外側に延ばして形成した場合と比較して、シャッタ2の内壁をレンズ9に近付けるように設計することができる。その結果、閉状態にあるシャッタ2とレンズ9との間に異物が侵入する可能性を低減することができる。なお、位置決め面10の面積は約0.2mm
2と極めて小さいため、異物が位置決め面10に付着する可能性を低減することができる。
【0055】
(レセプタクル102の構造の具体例)
図10(a)に示すように、本具体例のレセプタクル102は、基板実装用であり、ケース52から下方に延在している脚部52bは、図示しない基板に取り付け固定される。光電気接続ユニット51は、レセプタクル102の内部に取り付けられており、左右方向の中央にプラグ101の受容部分をケース52内に形成する。また、光電気接続ユニット51は、その左右方向外側、かつ、ケース52の内側にて1対の位置決めポスト受容部59を形成する。
【0056】
図10(b)に示すように、光電気接続ユニット51が備える、2つの光接続ユニット53と、電気接続ユニット54とは、別体である。2つの光接続ユニット53の各々は、支持板60の左右両側に連結している。支持板60は、光電気接続ユニット51が備える部位である。
【0057】
支持板60には、電気接続ユニット54の本体から下方に延在している脚部54bが挿通する孔60aが形成されている。脚部54bが孔60aに挿通することで電気接続ユニット54は、光接続ユニット53に取り付けられる。孔60aを挿通した脚部54bは、図示しない基板に取り付け固定される。光電気接続ユニット51は、光接続ユニット53および電気接続ユニット54をケース52の内部に格納し、かつ、支持板60をレセプタクル102の下面とした状態で組み込まれる。
【0058】
本具体例のレセプタクル102は、ファイバ(
図2に示したファイバ58)は使用せず、光変換素子61を備えている。光接続ユニット53の下部には光変換素子61を収容する窪み(図示せず)が形成されており、光変換素子61を支持する支持台62を、ケース52の内部に格納された光接続ユニット53に下方から取り付けることができる。支持台62から下方に延在している脚部62aは、図示しない基板に取り付け固定される。
【0059】
送信用の光接続ユニット53内に収容された光変換素子61は、支持台62上に発光素子を備えており、基板を経由した電気信号を光信号に変換し、嵌合状態では発光素子からの光を上方に照射する。発光素子からの光は、光接続ユニット53が備える光路変換部57(
図2)によって、レンズ55に向けて左右方向内側へ伝送され、レンズ9、55間の光接続が実現される。なお、
図2では光路が前後方向と左右方向とに変換していたが、本具体例では光路が前後方向と上下方向とに変換している。
【0060】
受信用の光接続ユニット53内に収容された光変換素子61は、支持台62上に受光素子を備えている。嵌合状態にて、レンズ9、55間の光接続によって、レンズ55から左右方向外側に伝送された光は、光路変換部57によって下方に伝送し、受光素子に受光され電気信号に変換される。電気信号は基板を経由して所定の電子回路素子に送信される。
【0061】
なお、本具体例のレセプタクル102では、送信用と受信用にそれぞれ光接続ユニット53を備えるようにしたが、送信用と受信用の機能を1つの光接続ユニット53に備える構成をとることも可能である。
【0062】
図11(a)に示すように、位置決め面56は、光接続ユニット53の後面となっており、光接続ユニット53と一体である。プラグ101が挿入されると、プラグ101の位置決め面10が位置決め面56に当接する。また、位置決め面56は、レンズ55よりも後方に配置されており、レセプタクル102の挿入口(後端部)付近に配置されている。よって、位置決め面56に付着した異物の除去は容易である。
【0063】
図11(b)および
図10に示すように、ケース52の左右内側板の後部には、嵌合状態にてプラグ101の保持部15の孔15a(
図8)に係合する爪部63が形成されている。また、光変換素子61の支持台62は、支持板60とともにレセプタクル102の下面を構成する。
【0064】
本具体例のレセプタクル102がケース52内の中央に形成するプラグ101の受容部分は、
図12(a)に示す、一般的に普及して周知である電気伝送用のプラグを受容することもできる。つまり、レセプタクル102の光接続ユニット53は、
図12(b)に示すような嵌合状態においても、周知のプラグの電気接続ユニットとレセプタクル102の電気接続ユニット54とによる電気接続を妨げない。よって、光伝送および電気伝送の両方を行う本実施形態のコネクタ100に対して電気伝送のみを行うプラグも用いることができるように、本実施形態のコネクタ100に周知のプラグとの互換性を持たせることができる。その結果、本実施形態のコネクタ100の利用範囲を広げることができる。
【0065】
図13(a)および
図13(b)に示すように、嵌合状態では、弾性部材3が光電気接続ユニット1を前方に付勢しているため、レンズ9,55同士の前後方向の光軸合わせが成立した状態が維持される。プラグ101は、電気接続ユニット7の電気接続端子7aおよび電気ワイヤ7bを中継する基板17を、光電気接続ユニット1の後方に備えている。基板17は、リジッドフレキシブル基板であり、基板17の前後方向中央に位置するフレキシブル部分は、左右方向から視て逆U字状に折り曲がっている(
図8参照)。弾性部材3に弾接する光電気接続ユニット1は前後方向に変位するため、それに合わせて電気ワイヤ7bおよびファイバ8の光電気接続ユニット1側の接続部分も変位する。このとき基板17のフレキシブル部分は電気ワイヤ7bの変位に合わせて変形し、ファイバ8は自身の可撓性によって変形するため、光電気接続ユニット1の変位は円滑に行われる。
【0066】
[他の実施形態]
他の実施形態のプラグ101について、先述した実施形態のプラグ101(
図8、
図9)と異なる点を中心に説明する。
【0067】
図14に示すように、他の実施形態のプラグ101が備える、2つの光接続ユニット6の各々、および、1つの電気接続ユニット7は別体である。光接続ユニット6の後端部には、弾性部材3が当接している。光接続ユニット6と、電気接続ユニット7を別体にすることで、光接続ユニット6および電気接続ユニット7を個別に製造することができる。この製造は、光接続ユニット6および電気接続ユニット7が一体となった光電気接続ユニット1の製造よりも容易である。
【0068】
図15(b)に示すように、位置決め面10は、先述した実施形態のプラグ101と同様、光接続ユニット6の側面に形成されている。つまり、位置決め面10は、光接続ユニット6と一体である。よって、すでに述べたように、挿抜方向の光軸ズレを最小限にすることができる。
【0069】
図14に示すように、光接続ユニット6は、電気接続ユニット7の左右方向外側に取り付けられる。光接続ユニット6および電気接続ユニット7は、互いの接触面にて、前後方向に摺動可能とし、かつ、左右方向に取り外し不可となるように互いに係合した状態で取り付けられる取付構造をとる。嵌合状態にあるプラグ101の位置決めを行う際(
図6(d)の状況)、弾性部材3による付勢力は光接続ユニット6にのみ作用し、電気接続ユニット7には作用しない。よって、嵌合状態におけるレンズ9,55同士の光軸合わせを確実に実現させるために、弾性部材3は光接続ユニット6のみを移動させる程度の付勢力を有していればよい。この付勢力は、先述した実施形態のプラグ101のように、プラグ101の電気接続端子7aと、レセプタクル102の電気接続端子54aとの電気接続も確実に実現させるために光電気接続ユニット1全体を移動させる程度の付勢力よりも小さくてよい。また、左右2つの光接続ユニット6がそれぞれ独立して前後に可動するため、組立公差などにより生じるレセプタクル102の光接続ユニット53の前後位置のバラつき(光軸の前後の位置のバラつき)を吸収でき、より一層高精度な光軸合わせが可能になる。ここで光部品(光伝送を行うための部品)として左右同一形状の部品を使用できるようにし、さらに金型による一体成型部品を適用すれば、2つ必要となることに伴うコスト面でのデメリットを低減できる。
【0070】
図15(a)および
図15(b)に示すように、他の実施形態のプラグ101が備える基板18は、先述した実施形態のプラグ101が備える基板17と同様、電気接続ユニット7の電気接続端子7aおよび電気ワイヤ7bを中継する。基板18は、リジッドフレキシブル基板ではなく、1枚の板状体である。光接続ユニット6は、電気接続ユニット7と別体であるため、電気接続ユニット7とは前後方向に独立に移動することができる。よって、嵌合状態にあるプラグ101の位置決め(
図6(d))のためにある程度は前後方向に移動する必要のある光接続ユニット6に対して、電気接続ユニット7は、前後方向に移動させる必要は特にない。したがって、電気接続ユニット7は、フレキシブル部分を有しない基板18に実装し、プラグ101全体に対して固定することができる。
【0071】
≪まとめ≫
これまでに説明した各実施形態によれば、光接続ユニット6の側面に配置されている位置決め面10は、その面積が小さいうえ、プラグ101およびレセプタクル102の構造上、位置決め面10に異物が溜まることが殆どなく、異物に起因する光軸ズレの影響をほとんど受けない。
したがって、光伝送を行うコネクタ100について、煩雑な異物対策を行わずに異物の付着を防ぐことで、プラグ101とレセプタクル102との間の光軸合わせの精度を向上し、当業者以外の者でも容易に使用できるコネクタを提供することができる。
【0072】
また、各実施形態によれば、光接続ユニット53の側面に配置されている位置決め面56は、その面積が小さいうえ、プラグ101およびレセプタクル102の構造上、位置決め面56に異物が溜まることが殆どなく、異物に起因する光軸ズレの影響をほとんど受けない。
したがって、光伝送を行うコネクタ100について、煩雑な異物対策を行わずに異物の付着を防ぐことで、プラグ101とレセプタクル102との間の光軸合わせの精度を向上し、当業者以外の者でも容易に使用できるコネクタを提供することができる。
【0073】
また、プラグ101が、シャッタ2と、弾性部材4を備えることにより、未挿入状態におけるレンズ9の保護、および、嵌合状態におけるレンズ9,55による光接続の補助を行うシャッタ2の開閉を、プラグ101の挿抜のみによって自動的に実現することができる。
【0074】
また、側面結合を行うプラグ101において、光接続ユニット6が備える位置決め面10は、光接続ユニット6と一体である。よって、挿抜方向の光軸ズレを最小限にすることができる。
【0075】
また、プラグ101が、弾性部材3と、プラグ101をレセプタクル102に保持する構成要素(爪部13a、保持部15、孔15a)とを備えることにより、弾性部材3によって弾性支持されている光接続ユニット6のレンズ9について、嵌合状態でのレンズ9,55同士の光軸ズレを常時最小限に維持することができる。
【0076】
また、プラグ101が電気接続ユニット7を備える場合、光接続ユニット6を電気接続ユニット7の左右方向外側に配置することにより、プラグ101の低背化を実現することができる。
【0077】
また、他の実施形態にて説明したように、プラグ101の光接続ユニット6および電気接続ユニット7を別体にすることによって、位置決め面10と一体の光接続ユニット6の製造、電気接続ユニット7の製造を容易にし、結果として、プラグ101の製造を容易にすることができる。
【0078】
また、レセプタクル102において、光接続ユニット53が備える位置決め面56がレンズ55よりも後方に配置されていることにより、位置決め面56がケース52の挿入口(後端部)の付近に配置されることになる。よって、位置決め面56に異物が付着したとしても、その異物を容易に除去することができる。
【0079】
また、側面結合を行うレセプタクル102において、光接続ユニット53が備える位置決め面56は、光接続ユニット53と一体である。よって、挿抜方向の光軸ズレを最小限にすることができる。
【0080】
また、レセプタクル102が、プラグ101をレセプタクル102に保持する構成要素(孔52a、爪部63)を備えることにより、弾性部材3によって弾性支持されている光接続ユニット6のレンズ9に対向するレンズ55について、嵌合状態でのレンズ9,55同士の光軸ズレを常時最小限に維持することができる。
【0081】
また、レセプタクル102が電気接続ユニット54を備える場合、光接続ユニット53を電気接続ユニット54の左右方向外側に配置することにより、レセプタクル102の低背化を実現することができる。
【0082】
また、最初の実施形態の具体例(
図10(b)など)にてレセプタクル102の光接続ユニット53および電気接続ユニット54が別体であることを説明したが、このことによって、位置決め面56と一体の光接続ユニット53の製造、電気接続ユニット54の製造を容易にし、結果として、レセプタクル102の製造を容易にすることができる。
【0083】
≪その他≫
本実施形態は光電気混成コネクタについて説明した。しかし、本発明は、光伝送のみを行う光コネクタに適用することも可能である。
【0084】
また、本実施形態のコネクタ100において、プラグ101側に光路変換部11を備え、レセプタクル102側に光路変換部57を備えた側面結合について説明した。しかし、例えば、プラグ101に保持されているファイバ8を90°折り曲げてファイバ8の先端をレンズ9に向けたり、レセプタクル102に保持されているファイバ58を90°折り曲げてファイバ58の先端をレンズ55に向けたりして側面結合を実現することもできる。
【0085】
また、本実施形態のプラグ101について、位置決め面10はレンズ9の後方に配置されており、本実施形態のレセプタクル102について、位置決め面56はレンズ55の後方に配置されていた(
図3)。しかし、プラグ101について、位置決め面10をレンズ9の前方に配置し、レセプタクル102について、位置決め面56をレンズ55の前方に配置してもよい。
【0086】
また、本実施形態のプラグ101は、外形の正面が略長方形となる柱状体を採り上げて説明した。しかし、本発明は、外形が、円形、楕円形(2芯式など)、多角形となる柱状体についても適用可能である。
【0087】
また、本実施形態では、プラグ101を挿入する際、シャッタ2はレセプタクル102のケース52の挿入口に当接し、光電気接続ユニット51の後端面、つまり、位置決め面56は前記挿入口よりも前側に配置されていた(
図3)。しかし、光電気接続ユニット51の位置決め面56が前記挿入口よりも後側に配置され、ケース52からはみ出した構成としてもよい。この場合、プラグ101を挿入すると、シャッタ2は位置決め面56に当接する。
【0088】
また、本実施形態では、プラグ101のケース5の前面から前方に延在している位置決めポスト13に爪部13aが配置されている場合において、位置決めポスト13が左右方向内側に撓むことで嵌合状態になることについて説明した(
図6(c))。しかし、例えば、爪部13aを位置決めポスト13の内部に手で押すことで爪部13aが位置決めポスト13の内部に退避し、爪部13aから手を離せば爪部が位置決めポスト13から飛び出し元の位置に戻る構造を採用することもできる。この構造によれば、位置決めポスト13を撓ませず、爪部13aの出入りによって、嵌合状態を実現することができる。
【0089】
また、本実施形態では、レセプタクル102について、ファイバを使用せず、光変換素子61を一例として使用し、レセプタクル102内部にて光電気変換を行う構成を導入した例について説明した(
図10)。しかし、このような構成は、プラグ101に導入することもできる。
【0090】
また、本実施形態のうち他の実施形態において、プラグ101が備える2つの光接続ユニット6と1つの電気接続ユニット7とが別体であることについて説明した(
図14)。この場合において、2つの光接続ユニット6は独立して前後方向に摺動可能であることに鑑みて、レセプタクル102側において、支持板60に連結している2つの光接続ユニット53について、例えば、支持板60を分断したり、無くしたりするなどして、2つの光接続ユニット53同士の間接的な連結状態を解除してもよい。そのようにした場合であっても、嵌合状態では、一方の光接続ユニット6、および、その光接続ユニット6に対向する一方の光接続ユニット53の間にて、レンズ9,55は対向し、光軸合わせは高精度に行われる。また、他方の光接続ユニット6、および、その光接続ユニット6に対向する他方の光接続ユニット53の間にて、レンズ9,55は対向し、光軸合わせは高精度に行われる。
【0091】
また、本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
【0092】
その他、本発明の構成要素の形状、材質、機能などについて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。