特許第6584119号(P6584119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584119
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】止水ガレージ
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/02 20060101AFI20190919BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20190919BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20190919BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   E04H6/02 G
   E04H6/42 Z
   E04H9/14 Z
   E06B5/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-83774(P2015-83774)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2016-204843(P2016-204843A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006910
【氏名又は名称】株式会社淀川製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】飯島 秀和
(72)【発明者】
【氏名】當山 徹太郎
(72)【発明者】
【氏名】堀 俊也
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
(72)【発明者】
【氏名】中島 厚二
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 誠
(72)【発明者】
【氏名】井上 康寛
(72)【発明者】
【氏名】仙頭 知行
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄侍
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−022404(JP,U)
【文献】 実開平07−025195(JP,U)
【文献】 特開平11−256693(JP,A)
【文献】 米国特許第04133148(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00−6/44
E04H 9/14
E06B 5/00−5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置領域を囲って地面に設置され、かつ切り欠き部を有する基礎と、
前記基礎上に設置される壁部と、
前記壁部上に設置される屋根部と、
前記切り欠き部に幅方向において離間して設置され、かつ前記切り欠き部よりも上下方向における上方に延在して形成される一対のガイドレールと、
少なくとも前記一対のガイドレールにより形成される開口部と、
幅方向における両端部の少なくとも一部が前記ガイドレールに対して上下方向に移動自在に挿入され、前記一対のガイドレールに案内されて上下動することで、前記開口部を開閉する開閉体と、
を備え、
前記開閉体は、
少なくとも一部が閉状態において前記開口部に位置し、少なくとも一部が開状態において前記開口部と前記屋根部との間に収容される開閉体本体と、
前記開状態において前記開口部に位置し、かつ前記開閉体本体の下端に上端が固定されている止水板と、
前記閉状態における前記止水板と前記地面との間を止水する第1止水部材と、
前記閉状態における前記止水板の前記設置領域側の面と前記一対のガイドレールとの間を止水する第2止水部材と、
を備え、
前記基礎の前記地面からの基礎高さH1および前記閉状態における前記止水板の前記地面からの止水板高さH2が300mm以上1000mm以下であり、
前記止水板高さH2は、前記基礎高さH1と同じか当該基礎高さH1よりも高い、
ことを特徴とする止水ガレージ。
【請求項2】
請求項1に記載の止水ガレージにおいて、
前記基礎高さH1及び前記止水板高さH2は、300mm以上500mm以下であり、
前記基礎よりも上方に開閉扉が設けられている、
止水ガレージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、止水ガレージに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置されるガレージは、上下動する開閉体により開口部を開閉する。開口部は、設置領域を囲って地面に設置される基礎の切り欠き部に形成されている。このようなガレージにおいては、開閉体により開口部を閉じることで、ガレージ内部である設置領域に雨、雪や埃などが侵入することを抑制し、ガレージ内部に収納された車両、道具などの物を保護する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−234640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、開閉体は、地面に接することで開口部を閉じるため、開閉体と地面との間には隙間がある。また、ガレージの壁部は、一般的に、複数の外壁材を組み合わせて構成されており、外壁材どうしには隙間がある。ガレージ外部が浸水すると、水圧によりこれら隙間を介して水がガレージ内部に浸入する可能性がある。従って、例えば、ガレージが設置されている地域が浸水した場合に、ガレージ内部の物が浸水する可能性がある。
【0005】
本発明は、ガレージ内部に水が浸入することを抑制することができる止水ガレージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る止水ガレージは、設置領域を囲って地面に設置され、かつ切り欠き部を有する基礎と、前記基礎上に設置される壁部と、前記壁部上に設置される屋根部と、前記切り欠き部に幅方向において離間して設置され、前記切り欠き部よりも上下方向における上方に延在して形成される一対のガイドレールと、少なくとも前記一対のガイドレールにより形成される開口部と、幅方向における両端部の少なくとも一部が前記ガイドレールに対して上下方向に移動自在に挿入され、前記一対のガイドレールに案内されて上下動することで、前記開口部を開閉する開閉体と、を備え、前記開閉体は、閉状態において少なくとも一部が前記開口部に位置し、開状態において少なくとも一部が前記開口部と前記屋根部との間に収容される開閉体本体と、前記開状態において前記開口部に位置し、かつ前記開閉体本体の下端に上端が固定されている止水板と、前記閉状態における前記止水板と前記地面との間を止水する第1止水部材と、前記閉状態における前記止水板の前記設置領域側の面と前記一対のガイドレールとの間を止水する第2止水部材と、を備え、前記基礎の前記地面からの基礎高さH1および前記閉状態における前記止水板の前記地面からの止水板高さH2が300mm以上1000mm以下であり、前記止水板高さH2は、前記基礎高さH1と同じか当該基礎高さH1よりも高い、ことを特徴とする。
【0007】
また、上記止水ガレージにおいて、基礎高さH1及び止水板高さH2は、300mm以上500mm以下であり、基礎よりも上方に開閉扉が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ガレージ外部の水位が基礎高さH1および止水板高さH2となるまで、ガレージ外部の水が設置領域に浸入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態の止水ガレージの正面図(閉状態)である。
図2図2は、実施形態の止水ガレージの断面図(閉状態)である。
図3図3は、実施形態の止水ガレージの要部拡大断面図(閉状態)である。
図4図4は、実施形態の止水ガレージの開状態を示す図である。
【0011】
以下に、本発明にかかる止水ガレージの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
〔実施形態〕
まず、実施形態に係る止水ガレージについて説明する。ガレージとは、屋外において車輌を出入庫する建設物のみならず、屋外において物を収納し、収納した物を出し入れするための開口部が形成された建設物をいい、物置、倉庫なども含まれる。図1は、実施形態の止水ガレージの正面図(閉状態)である。図2は、実施形態の止水ガレージの断面図(閉状態)である。図3は、実施形態の止水ガレージの要部拡大断面図(閉状態)である。図4は、実施形態の止水ガレージの開状態を示す図である。ここで、図2は、図1のA−A断面図であり、一部図示が省略されている。また、「幅方向」とは、上下動する開閉体の延在する方向であり、「上下方向」とは幅方向と直交し、基礎が立設される方向であり、「奥行き方向」とは幅方向および上下方向に直交する方向をいう。また、「高さ」とは、上下方向における距離である。
【0013】
止水ガレージ1は、図1図4に示すように、屋外に設置されるものであり、設置領域Sを囲って設置される箱状体である。止水ガレージ1は、基礎2と、壁部3と、屋根部4と、一対のガイドレール5A,5Bと、開口部6と、開閉体7と備え、さらに開閉扉8を備える。
【0014】
基礎2は、止水ガレージ1の土台となるものであり、図2に示すように、設置領域Sを囲って地面100に設置されている。基礎2は、例えば、鉄筋コンクリート製であり、壁部3を構成する図示しない柱や、柱を介して屋根部4を構成する図示しない梁を支持する。基礎2は、止水ガレージ1の骨格が設置されるものである。基礎2は、地面100に形成された溝から上下方向における上方に立設されている。つまり、基礎2は、地面100と一体に形成されるものであり、基礎2と地面100との間に隙間はなく、基礎2自体が止水構造を有する。本実施形態における基礎2は、コ字状に形成されており、側面基礎21,22と、背面基礎23と、切り欠き部24とを備える。側面基礎21,22は、設置領域Sの幅方向において対向する辺に沿って設置されている。背面基礎23は、幅方向における両端部が、側面基礎21,22の奥行き方向における奥側端部と連結されており、設置領域Sの奥行き方向において奥側の辺に沿って設置されている。切り欠き部24は、一対のガイドレール5A,5Bが設置されるものであり、側面基礎21,22の奥行き方向における手前側端部の間に形成されている。本実施形態における切り欠き部24は、地面100が露出するように切り欠かれている。
【0015】
壁部3は、基礎2上に設置されるものである。本実施形態における壁部3は、基礎2に設置された図示しない複数の柱(例えば、金属製柱)に沿って、図示しない複数の外壁材(例えば、金属製パネル)が配置され、外壁材が柱によって支持されることで構成されている。壁部3は、コ字状に形成されており、側面壁部31,32と、背面壁部33とを備える。側面壁部31,32は、側面基礎21,22上に設置されている。背面壁部33は、幅方向における両端部が、側面壁部31,32の奥行き方向における奥側端部と連結されており、背面基礎23上に設置されている。ここで、本実施形態における壁部3は、通常、防水構造を有していない。従って、基礎2と壁部3との間、外壁材どうしの間には、隙間が形成されている。
【0016】
屋根部4は、壁部3上に設置されるものである。本実施形態における屋根部4は、壁部3の複数の柱の上に、複数の梁が配置され、金属製屋根材が梁によって支持されることで構成されている。屋根部4は、少なくとも水が下方に位置する設置領域S内に浸入することを防止できる構成となっている。
【0017】
一対のガイドレール5A,5Bは、切り欠き部24に、幅方向において離間して設置され、切り欠き部24よりも上下方向における上方に延在して形成されている。本実施形態におけるガイドレール5A,5Bは、側面基礎21,22の奥行き方向における手前側端部および側面壁部31,32の奥行き方向における手前側端部に固定されている。ガイドレール5A,5Bは、図1に示すように、開閉体7の上下動を案内するものであり、開閉体7の幅方向において開閉体7を挟んで対向している。ガイドレール5A,5Bには、図2および図3に示すように、幅方向において開口が向かい合うように支持開口部51がそれぞれ形成されている。支持開口部51は、上下方向、すなわち開閉方向に沿って形成されている。開口部51は、開閉体7の後述する開閉体収納部75から地面100まで連続して形成されており、地面100や基礎2との隙間はシール材等により塞がれている。
【0018】
開口部6は、ガレージ外部とガレージ内部、すなわち設置領域Sとを連通するものである。本実施形態における開口部6は、図1に示すように、一対のガイドレール5A,5Bと、地面100と、開閉体収納部75とにより形成されている。
【0019】
開閉体7は、一対のガイドレール5A,5Bに案内されて上下動することで、開口部6を開閉するものである。つまり、開閉体7は、上方に移動することで開口部6を開き、下方向に移動することで開口部6を閉じる。開閉体7は、開閉体本体71と、止水板72と、第1止水部材73と、一対の第2止水部材74A,74Bと、開閉体収納部75とを備える。
【0020】
開閉体本体71は、一部が一対のガイドレール5A,5Bに案内されて上下方向に移動することで、上下方向に移動するものである。本実施形態における開閉体本体71は、シャッターカーテンであり、複数のスラット71aから構成されている。複数のスラット71aは、隣りどうしが上下方向の両端部において幅方向周りに回転自在に支持されている。つまり、複数のスラット71aは、上下方向に連続して連結されている。開閉体本体71は、開口部6が閉状態(全閉状態)において、大部分のスラット71aの幅方向における両端部がガイドレール5A,5Bに対して上下方向に移動自在に挿入されている。また、開閉体本体71は、開口部6が開状態(全開状態)において、上下方向における下方端部に位置する一部の複数のスラット71aの幅方向における両端部がガイドレール5A,5Bに対して上下方向に移動自在に挿入されている。
【0021】
ここで、開閉体本体71は、上下方向おける上端が巻取軸76に連結されている。巻取軸76は、開閉体収納部75に配置されている。本実施形態における巻取軸76は、開閉体収納部75に配置される図示しない梁に取り付けられた一対の軸受部材77A,77Bにより、水平に配置されるとともに、回転自在に支持されている。本実施形態における巻取軸76は、チェーンやスプロケットなどを含んで構成される動力伝達機構78を介して、開閉機79に連結されている。開閉機79は、開閉体収納部75に配置されており、巻取軸76の回転を制御することで、開閉体本体71の巻き取り、あるいは繰り出しを行うものである。開閉機79は、一対の軸受部材77A,77Bのうち一方(図1では、右側)により取り付けられている。開閉機79は、駆動源としてのモータと巻取軸76の回転を規制するブレーキ、これらを制御する制御装置などを含んで構成されている。開閉機79は、ユーザーが操作可能な図示しない操作部と電気的に接続されており、ユーザーが図示しない操作部を操作することで、巻取軸76を回転させ、開閉体本体71および止水板72を上下方向に移動させることで、開閉体7を開状態で維持、あるいは閉状態で維持する。開閉体本体71は、開状態において、図4に示すように、巻取軸76に巻き取られた状態となり開閉体収納部75に位置する。一方、開閉体本体71は、閉状態において、図1に示すように、止水板72の上下方向における下端が地面100と接触(第1止水部材73を介して接触する場合を意味する)すると、大部分が開口部6に位置し、一部が開閉体収納部75に位置する。
【0022】
止水板72は、一対のガイドレール5A,5Bに案内されて上下方向に移動するものである。止水板72は、開閉体本体71の下端に上端が固定されている。止水板72は、矩形状に形成されており、幅方向における長さが開口部6の幅方向における長さよりも長く設定されている。止水板72は、閉状態および開状体において、幅方向における両端部がガイドレール5A,5Bに対して上下方向に移動自在に挿入されている。止水板72は、閉状態において、開口部6の下端に位置することで、ガレージ外部から設置領域Sに浸入する水を外部側の側面72aで受け止め、堰き止めるものである。つまり、止水板72は、幅方向における両端部がガイドレール5A,5Bと、奥行き方向においてそれぞれ対向する。止水板72は、平面を有するパネル形状に構成されており、自重により第1止水部材73を十分に圧縮することができる程度の重量であることが好ましく、例えば、アルミ製やステンレス製の枠材および枠材にはめ込まれるアルミ製やステンレス製のパネル材により構成されている。なお、枠材とパネル材との間は止水部材などが介在されている。さらに、止水板72の内部空間は、水圧が作用することを考慮して、枠材を連結するリブや柱などが挿入されていてもよい。止水板72は、開状態において、図4に示すように、開閉体本体71が巻取軸76に巻き取られると、開閉体収納部75に一部が収容、あるいは収容されずに開口部6の上下方向における上端に位置する。一方、止水板72は、閉状態において、上下方向における下端が地面100と接触し、開口部6の上下方向における下端に位置する。
【0023】
第1止水部材73は、開口部6が閉状態において地面100と止水板72との間を止水するものである。第1止水部材73は、止水板72の底面72b、すなわち上下方向における下方側の面に設けられている。本実施形態における第1止水部材73は、止水板72の幅方向における両端部までの長さを有する帯状に形成されている。第1止水部材73は、幅方向における両端部が第2止水部材74A,74Bとそれぞれ連結されている。例えば、第1止水部材73の幅方向における両端部が止水板72の設置領域S側の側面72bに延在しており、側面において第2止水部材74A,74Bと第1止水部材73とが奥行き方向において重なっている。第1止水部材73は、弾性変形が大きい軟質ゴム、あるいは発泡ゴムなどであり、第2止水部材74A,74Bと共通の断面形状としてもよいが、止水板72の自重により変形することを考慮して、外力が作用していない状態で、第2止水部材74A,74Bよりも厚く形成するようにしてもよい。
【0024】
一対の第2止水部材74A,74Bは、開口部6が閉状態において止水板72の設置領域S側の面である側面72cと一対のガイドレール51A,52Bとの間を止水するものである。本実施形態における第2止水部材74A,74Bは、側面72cと、開口部51を構成する内壁面のうち、設置領域S側の面51aとの間を止水するものである。

第2止水部材74A,74Bは、側面72cの幅方向における両端部にそれぞれ設けられている。本実施形態における第2止水部材74A,74Bは、同一形状であり、止水板72の上下方向における両端部までの長さを有する帯状に形成されている。第2止水部材74A,74Bは、弾性変形が大きい軟質ゴム、あるいは発泡ゴムなどである。なお、第2止水部材74A,74Bは、止水板72ではなく、ガイドレール5A,5Bの側面51aにそれぞれ設けられていてもよい。
【0025】
開閉扉8は、図2に示すように、閉状態におけるガレージ外部とガレージ内部(設置領域S)とを行き来するためのものである。開閉扉8は、基礎2よりも上方、本実施形態では、開閉扉8の上下方向における下端が基礎2の上端よりも上方に配置される、すなわち基礎2の直上に設けられている。本実施形態における開閉扉8は、例えば、ヒンジ機構により、側面壁部32に形成された側面開口部34を開閉自在とするものである。開閉扉8は、基礎2よりも上方に位置しているので、後述する外部水位が基礎高さH1を超えるまで、止水ガレージ1の止水状態を維持したまま、ガレージ外部と設置領域Sとを行き来することができる。従って、ユーザーは、外部水位が基礎高さH1を超えると予想される場合に、開閉扉8により側面開口部34を開き、設置領域Sの物とをガレージ外部に出すこともできる。
【0026】
ここで、図1に示すように、基礎2の地面100からの基礎高さH1および閉状態における止水板72の地面100からの止水板高さH2は、300mm以上1000mm以下である。ここで、基礎高さH1及び止水板高さH2が300mm未満であると、止水ガレージ1を設置する地域が他の地域よりも浸水の可能性が高い場合に、十分な止水性能を得ることができず、屋外の水が設置領域Sに浸入することを抑制することが困難となるためである。また、基礎高さH1及び止水板高さH2が300mm未満であると、一般的な車輌の床高さ(マフラー高さ)よりも低くなり、基礎2および止水板72を乗り越え、ガレージ内部に水が浸入した際に、車室内に水が浸入することになり、車輌の修理が困難となり、廃車対象となるためである。一方、基礎高さH1および止水板高さH2が1000mmを超えると、開状態における地面100から止水板72の下端までの最大開口高さH3が、止水板72がない場合の最大開口高さH3と比較して低くなり過ぎ、開口部6の開口面積が狭くなり過ぎ、例えばワゴンや、ミニバンなどの全高が高い車輌などの入出庫することが非常に困難となり、物を出し入れする際の作業性が非常に低下するためである。また、基礎高さH1および止水板高さH2が1000mmは、ハザードマップにおいて住居1階の床上まで浸水している程度の目安値として色分けの境界となる値である。基礎高さH1および止水板高さH2が1000mmを超えると、止水板72を水圧に耐える強度とするために、止水板72が重量化し、開閉体7を上下動させるために大きな動力が必要となり、止水板72が巻取軸76に取り付けられているため、止水ガレージ1の強度を向上させるため、柱や梁が大型化し、高コストとなるためである。基礎高さH1および止水板高さH2が500mmは、ハザードマップにおいて住居1階の床下まで浸水している程度の目安値として色分けの境界となる値である。
なお、より好ましくは、基礎高さH1及び前記高さH2は、300mm以上500mm以下である。ここで、基礎高さH1および止水板高さH2が500mmを超えると、開状態における地面から止水板72の下端までの最大開口高さH3が、止水板72がない場合の最大開口高さH3と比較して低くなり、開口部6の開口面積が狭くなり、例えばワゴンや、ミニバンなどの全高が高い車輌などの入出庫することが困難となり、物を出し入れする際の作業性が低下するためである。また、基礎高さH1および止水板高さH2が500mmを超えると、開閉扉8を介して、ユーザーがガレージ外部とガレージ内部とを行き来する際に、ユーザーが足をかけられるような台や足場が開閉扉8を挟んで存在しない場合に、ユーザーが基礎2を跨ぐことが困難となるためである。
【0027】
ここで、本実施形態における止水ガレージ1では、基礎高さH1が400mm、止水板高さH2が475mmであり、基礎高さH1よりも止水板高さH2が高く設定されている。しかしながら、これに限定されるものではなく、基礎高さH1と止水板高さH2が同じでも、または基礎高さH1よりも止水板高さH2が低くてもよい。基礎高さH1よりも止水板高さH2が低い場合は、最大開口高さH3を高くすることができ、開口部6の開口面積が広くなる。従って、止水機能を有する止水ガレージ1においても、例えばワゴンや、ミニバンなどの全高が高い車輌などの入出庫することができ、物を出し入れする際の作業性を向上することができる。
【0028】
次に、本実施形態に係る止水ガレージ1の止水機能を使用する場合について説明する。例えば、豪雨、津波、河川の氾濫などでは、大量の水が止水ガレージ1を設置した地域に流れ込み、この地域に流れ込む単位時間当たりの水量がこの地域の単位時間当たりの排水量を超えると、地域浸水が発生する。上記状態が継続されると、止水ガレージ1の外部の水位である外部水位が上昇することとなる。ユーザーは、地域浸水の可能性がある場合は、止水ガレージ1を閉状態とする。これにより、止水板72と地面100および一対のガイドレール5A,5Bとの止水が行われる。従って、基礎2と、止水板72とで囲まれた設置領域Sは止水状態となる。従って、外部水位が上昇しても、外部水位が基礎高さH1および止水板高さH2のいずれかを超えない限り、止水ガレージ1の止水状態は維持されることとなる。従って、外部水位が基礎高さH1および止水板高さH2となるまで、屋外の水が設置領域に浸入することを抑制することができる。
【0029】
上記実施形態では、開閉体本体71を複数のスラット71aから構成されるシャッターカーテンとしたが、これに限定されるものではなく、開閉体収納部75に巻き取って、あるいは巻き取らずに収納するオーバーヘッドドア、グリルシャッター、ブラインドシャッター、シートシャッター、パネルシャッター等のカーテンであってもよい。また、上記実施形態では、電動で開口部6が開閉体7により開閉するものであるが、これに限定されるものではなく、手動で開口部6が開閉体7により開閉するものであってよい。
【符号の説明】
【0030】
1 止水ガレージ
2 基礎
3 壁部
4 屋根部
5A,5B ガイドレール
6 開口部
7 開閉体
71 開閉体本体
72 止水板
73 第1止水部材
74A,74B 第2止水部材
8 開閉扉
100 地面
H1 基礎高さ
H2 止水板高さ
図1
図2
図3
図4