【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)LシリCL6D−KR 販売日:平成27年3月2日等、販売場所:ヤフー宅配等 (2)LシリCL6DL−KR 販売日:平成27年2月25日等、販売場所:アイリスプラザ宅配等 (3)LシリCL8D−KR 販売日:平成27年3月2日等、販売場所:ユニディ 若葉台店 39等 (4)LシリCL8DL−KR 販売日:平成27年3月2日等、販売場所:ユニディ 若葉台店 39等 (5)LシリCL12D−KR 販売日:平成27年3月2日等、販売場所:ユニディ 若葉台店 39等 (6)LシリCL12DL−KR 販売日:平成27年2月26日等、販売場所:ショッピングランドでんでん等 (7)LシリCL8DL−C1 販売日:平成27年3月2日等、販売場所:ホームセンターみつわ鯖江店等 (8)LシリCL12DL−C1 販売日:平成27年2月27日等、販売場所:ユニディ 我孫子店 31等 (9)LシリCL14DL−C1 販売日:平成27年2月27日等、販売場所:ユニディ 我孫子店 31等
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
本発明の一態様に係る照明装置は、複数個のLEDが実装基板に実装されてなる光源部と当該光源部が搭載される搭載部とを有する装置本体と、前記光源部を覆う透光性カバーとを備える照明装置において、前記透光性カバーは、第1光拡散領域と、前記第1光拡散領域よりも光拡散性が低い第2光拡散領域とを有し、前記第2光拡散領域は、最も近いLEDから出射される光の光度が最大光度の1/2以上となる範囲内に存在する。
別態様に係る照明装置において、前記複数のLEDの光の出射方向から前記実装基板を平面視したときに前記第2光拡散領域は前記実装基板と重なる。これにより第2光拡散領域から出射される光の光度が第1光拡散領域から出射される光の光度より高くなり演出効果を向上させることができる。
別態様に係る照明装置において、前記複数個のLEDと前記第2光拡散領域は、前記実装基板を平面視したときに環状をしている。これによりLEDの光が第2光拡散領域に達し易くできる。
【0009】
別態様に係る照明装置において、前記透光性カバーの外周形状は前記第2光拡散領域に対して同心状の環状をしている。これにより第2光拡散領域の意匠性を向上させることができる。
別態様に係る照明装置において、前記第2光拡散領域の主面はダイヤカット模様を有する。きらめき感を向上させることができる。
【0010】
<実施形態>
以下に本発明の一態様である照明装置について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは照明装置の一例としてシーリングライトについて説明する。
【0011】
1.シーリングライトの全体構成
図1及び
図2を用いて説明する。
シーリングライト1は天井等の設置面2に設けられている被取付部材4にアダプタ6を介して付け外し可能に取り付けられて使用される。シーリングライト1は、装置本体3と、装置本体3に着脱自在に装着される透光性カバー5とで構成されている。透光性カバー5は装置本体3における設置面2と反対側を覆う。
なお、シーリングライト1から光が出射される側を表側や前側とする。また、被取付部材4として例えばロゼット、引掛けシーリング等がある。
シーリングライト1は、例えば、調光機能、調色機能及びタイマ機能等を有し、図外のリモコンからの信号により選択された光環境を提供する。
【0012】
2.装置本体
装置本体3について
図1〜
図5、特に
図3を用いて説明する。
装置本体3は、複数個のLED21から構成される光源部11、光源部11を点灯させるための回路部12、光源部11を搭載するための搭載部13、アダプタ6に取り付けられる取付部14、透光性カバー5を装着するためのカバー装着部15を少なくとも有している。
装置本体3は、上記構成以外に、例えば、光源部11を覆う光源カバー部17、回路部12を収容する回路収容部18、図外のリモコンからの操作信号を受信する受信部19等を有してもよい。
以下、各部について説明する。
【0013】
(1)光源部
光源部11について主に
図3及び
図4を用いて説明する。
光源部11は、複数個(例えば96個である。)のLED21と、複数個のLED21を実装するための1枚又は複数枚(例えば8枚である。)の実装基板23とを有する。複数個のLED21は調色機能を有するため光色の異なる複数種類(例えば、光色が電球色と昼光色の2種類である。)ある。
【0014】
LED21の実装位置は、規則性があってもよいし、規則性がなくてもよい。規則性の形状には、直線状(1列、複数列を含む。)、千鳥状、円弧状(1列、複数列を含む。)等がある。
複数枚の実装基板23は搭載部13の中央の開口37を囲繞する環状に配される。1枚の実装基板23上の12個のLED21が、複数枚で構成されて96個のLED21が全体として3重環状を構成するように、実装されている。
【0015】
(2)回路部
回路部12について主に
図2及び
図3を用いて説明する。
回路部12は、複数個の電子部品25,27,29と、複数個の電子部品25,27,29を実装するための1枚又は複数枚(例えば1枚である。)の回路基板33とを有する。なお、複数個の電子部品のうち、3個の電子部品に符号を付している。
複数個の電子部品25,27,29により、例えば、整流回路、平滑回路、電圧変換回路等が構成される。複数個の電子部品にはリモコンから受信した信号によりLED21の点灯を制御するIC部品も含まれる。
回路収容部18の中央部にはアダプタ6が配されるため、回路基板33は例えば円弧状をしている。回路基板33はアダプタ6の周りに配された状態で回路収容部18に固定される。
【0016】
(3)搭載部
搭載部13について主に
図2から
図4を用いて説明する。
搭載部13はベース部材35により構成される。ベース部材35は中央に開口37を有する板状をしている。なお、開口37にはアダプタ6が嵌合する。
ベース部材35の概観形状は床側(表側)から見たときに円形状をしているが、例えば外観形状が正方形、長方形等の他の形状であってもよい。
【0017】
搭載部13は、光源部11、カバー装着部15、光源カバー部17、回路収容部18、受信部19をベース部材35に固定するためのねじ孔や貫通孔をベース部材35に有している。
搭載部13は、光源部11を搭載するための光源部搭載領域41をベース部材35の表面であって開口37の周囲に有している。この光源部搭載領域41に複数枚の実装基板23が開口37を囲む円環状に配された状態でねじ体やピン体等により固定される。
搭載部13はベース部材35の表面であって光源部搭載領域41の外側に光源カバー部17を固定するためのねじ孔や貫通孔を有し、光源部搭載領域41の外側にカバー装着部15が設けられる。
【0018】
搭載部13は、回路部12を設けるための回路部搭載領域をベース部材35の裏面であって開口37の周囲に有している。なお、回路基板33の固定されている回路収容部18がベース部材35にねじ体87により取り付けられることで、回路部12が搭載部13に搭載される。
【0019】
(4)取付部
取付部14について主に
図3及び
図6を用いて説明する。
取付部14は、開口43を中心に有する円板状部45と、円板状部45から前方へと開口43から間隔をおいて2重の円筒状に突出する外筒部47及び内筒部49とを有している。
取付部14のアダプタ6への取り付けはアダプタ6の係止爪53(
図5参照)が円板状部45の表面であって開口43の周辺部分45aに係合することで行われる。
取付部14は、円板状部45の後面が回路収容部18と当接し且つ外筒部47及び内筒部49の前端がベース部材35に当接する状態で、ねじ体87により回路収容部18に固定される。
【0020】
(5)カバー取付部
カバー装着部15について主に
図4及び
図7を用いて説明する。
カバー装着部15はベース部材35の表面であってベース部材35の外周縁に沿って間隔を置いて取り付けられる複数個(例えば3個である)の係止具55により構成される。
透光性カバー5の取り付けは、透光性カバー5をベース部材35に対して位置せした状態で所定方向(例えば時計まわりである。)に回転させると透光性カバー5の凸部147(
図8参照)が係止具55に係合することで行われる。
係止具55は、透光性カバー5の回転方向に対して直交する断面形状が「コ」字状であって回転方向に延伸するコ字状部57と、コ字状部57の長手方向(透光性カバー5の回転方向進行側である。)の端部を塞ぐ蓋部59とを有する。係止具55は、コ字状部57の底壁57aを貫通するねじ体63によりベース部材35に固定される。
【0021】
(6)光源カバー部
光源カバー部17について主に
図2〜
図4及び
図6を用いて説明する。
光源カバー部17は透光性の樹脂材料からなる保護カバー65により構成されている。保護カバー65は、全体として円環状に配された複数個の実装基板23を表側から覆う。ここでの保護カバー65は複数個(例えば4個である。)のカバー部材67から構成される。複数個(例えばn個(nは自然数)とする。)のカバー部材67は、表側から見たときに円環を1/nにしたような形状をしている。
【0022】
カバー部材67は、横断面において、中央部が表側へとドーム状に張り出すドーム部67aと、ドーム部67aの内周縁からベース部材35の開口37側へと張り出す内鍔部67bと、ドーム部67aの外周縁からベース部材35の外周縁側へと張り出す外鍔部67cとを有する。
内鍔部67bは受信部19によりベース部材35に押圧される。外鍔部67cはねじ体69によりベース部材35に固定される。
【0023】
(7)回路収容部
回路収容部18について主に
図2、
図3及び
図6を用いて説明する。
回路収容部18は底部73に開口75を有する有底筒部材77により構成される。回路部12は、電子部品25,27,29がベース部材35側に位置する状態で回路基板33が底部73にピン体79により固定されることで、回路収容部18に収容される。
有底筒部材77は筒部83の前端から外方へと張り出す外鍔部85を有している。外鍔部85はベース部材35の裏面にねじ体87により固定される。底部73の開口75の周辺部分73aはベース部材35側に凹入している。周辺部分73aに取付部14の円板状部45がねじ体87により固定される。
【0024】
(8)受信部
受信部19について主に
図3、
図4及び
図6を用いて説明する。
受信部19は、筐体91と、筐体91に設けられた受信センサ93とを有している。ここでの筐体91には受信センサ93以外に常夜灯94及びチャンネルスイッチ96を有している。
筐体91は、有底筒状をする本体部95と、本体部95の開口を開閉自在に塞ぐ蓋部97とを有する。本体部95は、アダプタ6用の開口(貫通孔)99を有する底壁103と、底壁103の外周縁から前方に延出する筒壁105と、筒壁105の前端から本体部95の中心軸と反対側に延出した後に後方へと曲げられた後に再度外方へと張り出す鍔部107とを有している。
【0025】
蓋部97は、表側に膨出する膨出部分109と、膨出部分109を裏側から被覆する被覆部分113とを有する。膨出部分109と被覆部分113との間の空間には受信センサ93、常夜灯94及びチャンネルスイッチ96を実装する受信用基板115が収容される。
受信部19は本体部95の底壁103がねじ体によりベース部材35の開口37の周辺部に固定される。固定状態において、筐体91の鍔部107の後端部分107aはカバー部材67の内鍔部67bに前側から当接し、筐体91の底壁103はベース部材35の開口37の周辺部に当接する。なお、受信部19は装置本体3の中央の開口に配されるアダプタ6を覆う機能も有している。
【0026】
3.透光性カバー
透光性カバー5について
図1〜
図3及び
図8〜
図14を用いて説明する。
透光性カバー5は、装置本体3に取り付けられる取付カバー121と、取付カバー121に装着される主カバー123とを一体で有する。取付カバー121及び主カバー123は例えば透光性樹脂材料により構成されている。
【0027】
(1)取付カバー
取付カバー121について主に
図8〜
図10を用いて説明する。
取付カバー121は全体形状として環状をしている。取付カバー121は主カバー123を装置本体3に取り付けるための補助部127を有する。取付カバー121は補助部127以外に装飾部129を有している。
装飾部129は、設置面2と略平行に延伸する環状(例えば、円環状である。)の環状部131と、環状部131の外周縁から後拡がりの筒状に延伸する傾斜部133とを有している。
【0028】
環状部131の裏面には所定模様が施されている。ここではダイヤカット模様134である。傾斜部133の裏面にも所定模様が施されている。ここでは径方向に延伸する縦縞模様135である。
ダイヤカット模様134は、環状部131の周方向に規則性をもった凹凸形状を含む。凹凸は、環状部131の周方向に並ぶ複数個の四角形134a(
図10において右上がりのハッチングを施している部分である。)において、一方の対角線134bにより2分される三角形134c,134dを周方向に沿って上り勾配と下り勾配とを交互に繰り返すことで構成される。四角形134aは径方向が長辺となる略長方形状をしている。
【0029】
また、ダイヤカット模様134は、環状部131の周方向に規則性をもったプリズム形状を含む。プリズム形状の一例として、より具体的には、規則性を有する凹凸形状をしている。平面視におけるプリズム形状は、環状部131の周方向に並ぶ複数個の四角形134e(
図10において右下がりのハッチングを施している部分である。)の内部が周方向に延伸する2つの辺の一方側に存在する頂134fを頂角とする5個の三角形134g,134h,134i,134j,134kに区分されており、周方向に隣接する三角形が周方向に沿って上り勾配と下り勾配とを交互に繰り返す形状をしている。
【0030】
ダイヤカット模様134は、周方向に並ぶ四角形134a,134eが径方向に複数段(例えば2段である。)有している。
縦縞模様135はダイヤカット模様134の四角形134aの周方向に延伸する辺と同じ寸法の四角形135aを周方向に上り勾配と下り勾配とを繰り返す状態で有する。
取付カバー121は、光源部11から出射された光のうち補助部127から入射した光を装飾部129内を導光させて設置面2側へ出射する導光機能も有する。この際環状部131のダイヤカット模様134により光拡散(乱反射)された光が設置面2と反対側へと出射される。これにより光源部11の発光によりシーリングライト1の光学的な付加価値を高めることができる。
【0031】
補助部127は段付き筒状をしている。補助部127は大径筒部分137と小径筒部分139と連結部分141とを有している。
補助部127は装置本体3に取り付けられるための被取付手段や主カバー123を装着するための装着手段を有している。
大径筒部分137は主カバー123の筒部151の凸部175と係合する凹部143を有している。凹部143は、筒部151の凸部175と対応し、大径筒部分137の内周面における周方向に間隔をおいた部位で装飾部129側へと凹入する。
【0032】
連結部分141は大径筒部分137の凹部143間に対応する部位から大径筒部分137と間隔を置いて平行に立設する立設部分145を有している。なお、立設部分145と大径筒部分137との間隔は主カバー123の筒部151の厚みに相当し、筒部151の後端部が立設部分145と大径筒部分137との間で形成される溝に挿入される。ここでの装着手段は、大径筒部分137の凹部143と、大径筒部分137と立設部分145との間の溝とにより構成されている。
小径筒部分139は内周面の周方向に間隔をおいた部位から内方へと突出する凸部147を有している。なお、凸部147は装置本体の3のカバー装着部15の係止具55に係合する。小径筒部分139は凸部147の裏側に補強用の縦リブ148を有している。ここでの被取付手段は、小径筒部分139の凸部147により構成されている。
【0033】
(2)主カバー
主カバー123について主に
図11〜
図14を用いて説明する。
主カバー123は、取付カバー121の大径筒部分137に内嵌する筒部151と、筒部151の前端から前方へと張り出すドーム部(部分球状部)153とを有している。
主カバー123は、当該主カバー123を光の出射方向に向かって見たときに、ドーム部153の中央部に第1光拡散領域155を、第1光拡散領域155の外側に第2光拡散領域157を、第2光拡散領域157の外側に第3光拡散領域159をそれぞれ有している。
【0034】
光の出射方向から主カバー123を見ると、第1光拡散領域155は円形状をし、第2及び第3光拡散領域157,159は円環状をしている。つまり、光の出射方向から主カバー123を見ると、第2光拡散領域157は第1光拡散領域155の外側周辺部であって周方向に連続して設けられている。第3光拡散領域159は、第2光拡散領域157の外側周辺部であって周方向に連続して設けられている。
第1光拡散領域155と第3光拡散領域159は、同じ材料及び同じ光拡散処理が施されている。このため、第1光拡散領域155と第3光拡散領域159は同じ光拡散性と光透過性を有している。
【0035】
具体的には、第1光拡散領域155及び第3光拡散領域159は透光性の樹脂材料(例えばポリプロピレン等の熱可塑性樹脂である。)により形成され、内面及び外面の少なくとも一方の面が光拡散加工面となっている。光拡散加工面は、例えばシボ加工面であり、シボ加工されている型材を利用して射出成形した際に形成される面である。なお、主面に直接光拡散加工(シボ加工)がされていなくても光拡散加工面という。
第1光拡散領域155及び第3光拡散領域159は透光性の上記樹脂材料に拡散剤(例えばシリコーン剤である。)が混入されている。これにより第1光拡散領域155及び第3光拡散領域159は乳白色に見える。
【0036】
第2光拡散領域157は、第1及び第3光拡散領域155,159と異なる光特性を有する領域である。具体的には、第2光拡散領域157は、透光性を有し且つ透明な樹脂材料(例えばアクリル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂である)。により構成され、第1及び第3光拡散領域155,159の光拡散加工面と異なる光拡散加工面を有している。なお、ここでの主面も直接光拡散加工がされていなくても、間接的に光拡散加工されているものも光拡散加工面とする。
第2光拡散領域157における主面の少なくとも一方の面(ここでは内面である。)がダイヤカット面となっている。つまり、第2光拡散領域157の内面はダイヤカット模様156を有している。これにより、第2光拡散領域157は、第1及び第3光拡散領域155,159よりも光透過性が高く、光拡散性が低くなる。
【0037】
ダイヤカット模様156は、円環状の第2光拡散領域157の周方向に規則性をもったプリズム形状を含む。プリズム形状の一例として、より具体的には、規則性を有する凹凸形状をしている。平面視におけるプリズム形状は、第2光拡散領域157の周方向に並ぶ複数個の四角形156aの内部が周方向に延伸する2つの辺の一方側に存在する頂156b(
図14において右上がりのハッチングを施している部分である。)を頂角とする5個の三角形156c,156d,156e,156f,156gに区分されており、周方向に隣接する三角形が周方向に沿って上り勾配と下り勾配とを交互に繰り返す形状をしている。
三角形156cは周方向に延伸する一方の辺を底辺とする。三角形156d,156eは四角形156aの径方向に延伸する2つの辺を底辺とする。三角形156f,156gは四角形156aの周方向に延伸する他方の辺を底辺とする三角形を2分したものである。
【0038】
三角形156e,156dは周方向に隣接し、三角形156f,156gは周方向に隣接する。換言すると、周方向に隣接する三角形は径方向に延伸する辺を共有する2つの三角形である。
ここでの四角形156aは径方向が長辺となる略長方形状をしている。ダイヤカット模様156は、周方向に並ぶ四角形状が径方向に複数段有している。ここでの段数は2段であり、2段の間に位置し且つ周方向に延伸する仮想線に対して各段の模様が線対称となっている。
【0039】
主カバー123は、ドーム部153の頂部側に開口161を有する外側主カバー体163と、外側主カバー体163の開口161の中央に配される内側主カバー体165と、外側主カバー体163と内側主カバー体165との間に介在する中間主カバー体167とを有する。主カバー123はさらに外側主カバー体163と中間主カバー体167と内側主カバー体165との連結を補助する補助カバー体169を有している。
外側主カバー体163は筒部151と截頭ドーム部173とを有する。筒部151は外周面における周方向に間隔をおいた部位に取付カバー121の大径筒部分137の凹部143に係合する凸部175を有している。
截頭ドーム部173は第3光拡散領域159を構成する。截頭ドーム部173の内周縁部177は厚肉部となっている。截頭ドーム部173は内周縁部177における周方向に間隔をおいた部位に切欠179を有している。
【0040】
内側主カバー体165は第1光拡散領域155を構成する。内側主カバー体165の外周縁部181は厚肉部となっている。内側主カバー体165は外周縁部181における周方向に間隔をおいた部位に切欠183を有している。
中間主カバー体167は第2光拡散領域157を構成する。中間主カバー体167は、外周縁における周方向に間隔をおいた部位から後方へ延出する外側ピン187を有し、内周縁における周方向に間隔をおいた部位から後方へと延出する内側ピン189を有している。外側ピン187は外側主カバー体163の切欠179に嵌合する。内側ピン189は内側主カバー体165の切欠183に嵌合する。
補助カバー体169は環状(例えば円環状である。)をしている。補助カバー体169は中間主カバー体167と同様に透光性を有する透明な樹脂材料により構成されている。補助カバー体169の外周縁部190と内周縁部192は厚肉部となっている。補助カバー体169は外周縁部190における周方向に間隔を置いた部位に中間主カバー体167の外側ピン187用の外貫通孔191を有する。補助カバー体169は内周縁部192における周方向に間隔をおいた部位に中間主カバー体167の内側ピン189用の内貫通孔193を有する。
【0041】
中間主カバー体167の外側ピン187は、表側から外側主カバー体163の切欠179と補助カバー体169の外貫通孔191を通過した後、その先端部が熱圧潰されている。中間主カバー体167の内側ピン189は、表側から内側主カバー体165の切欠183と補助カバー体169の内貫通孔193を通過した後、その先端部が熱圧潰されている。これにより、外側主カバー体163、中間主カバー体167、内側主カバー体165及び補助カバー体169が一体化され、主カバー123となる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態の透光性カバー5は、表側からみたときに最外周に装飾部129を有する取付カバー121を有していたが、最外周の装飾部はなくてもよい。第2の実施形態では装飾部を有しない透光性カバーを備える照明装置(シーリングライト)について説明する。
【0043】
以下、主に透光性カバーについて説明し、他の部分の詳細は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
シーリングライト201は、
図15及び
図16に示すように、装置本体3と透光性カバー203とを有する。なお、上述した通り、装置本体3は第1の実施形態の装置本体3と同じ構成であり、各部の説明は第1の実施形態での各部と同じ符号を用いる。
装置本体3は、
図16に示すように、光源部11、回路部12、搭載部13、取付部14、カバー装着部15(
図4参照)、光源カバー部17、回路収容部18及び受信部19を有する。透光性カバー203は
図16に示すように取付カバー205と主カバー123とを有する。主カバー123は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0044】
取付カバー205について主に
図17及び
図18を用いて説明する。
取付カバー205は、透光性樹脂材料に拡散剤が混入されたもので構成されてもよいし、透明の透光性樹脂により構成されてもよい。ここでは、主カバー123の内側主カバー体165と同じ透光性の樹脂材料(ポリプロピレン)に拡散剤が混入され、光拡散加工面を有する。
取付カバー205は、表側拡がりの段付き筒状をしている。取付カバー205は第1の実施形態の取付カバー121の補助部127と同じような構成をしている。
【0045】
取付カバー205は大径筒部211と連結部213と小径筒部215とを有している。大径筒部211は、内周面における周方向に間隔をおいた部位で凹入して、主カバー123における筒部151の凸部175と係合する凹部217を有している。連結部213は大径筒部211の凹部217間に対応する部位から大径筒部211と平行に立設する立設部分219を有している。立設部分219と大径筒部211との間には主カバーの123の筒部151の後端部が挿入される。
小径筒部215は内周面の周方向に間隔をおいた部位から内方へと突出して、装置本体3のカバー装着部15の係止具55に係合する凸部221を有する。なお、小径筒部215は凸部221の裏側に補強用の縦リブ223を有している。
【0046】
<光拡散領域>
1.第1光拡散領域及び第3光拡散領域
実施形態における透光性カバー5の第1及び第3光拡散領域155,159は、LED21から出射された光を光拡散する機能を有し、指向性の強いLED21を光源として利用した場合のグレアを防止している。第1及び第3光拡散領域155,159における光拡散機能は、例えば、透光性樹脂材料に拡散剤を混入させたり、外側主カバー体163や内側主カバー体165の裏面と表面とをシボ加工面としたりすることで実施されている。しかしながら、第1及び第3光拡散領域155,159の光拡散加工としては、シボ加工以外に、例えばブラスト加工や光拡散膜形成加工等を利用することができる。
【0047】
なお、実施形態における第1光拡散領域155と第3光拡散領域159とは同じ材料、同じ光拡散加工(光拡散処理)されていたが、それぞれ別の材料や光拡散処理を利用してもよい。ただし、第1光拡散領域及び第3光拡散領域は第2光拡散領域と異なる光拡散性を有する必要がある。具体的には、第3光拡散領域は、第2光拡散領域よりも低い光透過性を有し、第2光拡散領域よりも高い光拡散性を有する必要がある。これにより、第1光拡散領域や第3光拡散領域から出射される光の光度と、第2光拡散領域から出射される光の光度との差が大きくなり、第2光拡散領域のきらめき感を向上させることができる。
【0048】
2.第2光拡散領域
(1)ダイヤカット模様
第2光拡散領域157は、透明の透光性樹脂材料により構成し、裏面にダイヤカット模様を有している。ダイヤカット模様はダイヤカット加工された金型を利用して射出成形することで得られる。しかしながら、第2光拡散領域は、例えば、ガラス材料を用いてダイヤカット加工によるダイヤカット模様を有するようにしてもよい。
ダイヤカット模様は、例えば、環状の第2光拡散領域の周方向が長辺となるような四角形を利用してもよいし、周方向と径方向との長さが略等しい正方形状を利用してもよい。また、四角形は、周方向に一直線状に設けられていたが、例えば四角形をひし形として周方向にジグザグ状に設けられてもよい。また、四角形の代わりにn角形状(「n」は4以上の偶数である。)を利用することもできる。さらには、複数種類の多角形状を利用してもよい。例えば、8角形を密に配置して空いた部分に四角形を配置したような模様であってもよい。
【0049】
1つの四角形の大きさは、投影面積が40[mm
2]以上50[mm
2]以下の範囲が好ましく、44[mm
2]以上46[mm
2]以下の範囲がより好ましい。この範囲にすることで第2光拡散領域から出射される光のきらめき感を向上させることができる。
さらに、ダイヤカット模様に略長方形状を利用する場合、短辺と長辺との比(短辺/長辺)は0.5以上0.8以下の範囲が好ましく、0.6以上0.7以下の範囲がより好ましい。これにより、第2光拡散領域から出射される光のきらめき感を向上させることができる。
また、ダイヤカット模様に頂156bを含む三角形状の凹凸面を利用する場合、凹凸(頂の高さ)は1.0[mm]以上2.0[mm]以下の範囲が好ましく、1.4[mm]以上1.6[mm]以下の範囲がより好ましい。これにより、第2光拡散領域から出射される光のきらめき感を向上させることができる。
径方向の四角形の段数は実施形態において2段であったが、1段でもよいし、3段以上の複数段であってもよい。複数段有する場合、各段で同じ模様であってもよいし、異なる模様であってもよい。段数はきらめき領域の広さや模様の大きさ(例えば四角形の大きさ)によって適宜決定される。
【0050】
(2)第2光拡散領域の数と形状
実施形態の第2光拡散領域157は環状している。その本数は、1本であってもよいし、2本以上であってもよい。第2光拡散領域157の外周縁及び内周縁は円形状であったが、例えば四角形状等の多角形状であってもよい。また、第2光拡散領域の外周縁と内周縁とで形状が異なってもよい。このような例としては外周縁が円形状で内周縁が四角形のような場合である。さらに、第2光拡散領域は同一半径の円環状をしているが、仮想基準円の内外を行き来するジグザグ状の環状であってもよい。
実施形態では、透光性カバー5を光の出射方向に向かって見たときに、透光性カバー5の外周形状と第2光拡散領域157の環形状とが対応していたが、第2光拡散領域の形状は透光性カバーの外周形状と異なる形状であってもよい。なお、意匠性を考慮すると第2光拡散領域と透光性カバーの外周形状は対応する方が好ましい。
【0051】
(3)第2光拡散領域の占有率
実施形態では、透光性カバー5を光の出射方向に向かって見たとき(設置面が天井の場合に床側から見たとき)に、中心側から第1光拡散領域155、第2光拡散領域157、第3光拡散領域159の順で3つの領域を有している。第1及び第3光拡散領域155,159は同じ光透過性及び光拡散性を有しているため、同じ光拡散領域とみなすことができる。この場合の第2光拡散領域157の全体領域に対する比率(合計の第2光拡散領域157の投影面積/(第1光拡散領域、第2光拡散領域及び第3光拡散領域の合計の投影面積)は、15[%]以上23[%]以下の範囲内にあるのが好ましい。より好ましくは、17[%]以上21[%]以下の範囲である。この範囲にあるとグレアを抑えつつきらめき感を得ることができる。
【0052】
(4)幅
シーリングライト1を光の出射方向からみたときに、
図1に示すように第2光拡散領域157の内径をD1、外径をD2とすると、第2光拡散領域157の幅は(D2−D1)/2となる。第2光拡散領域157の幅は、56[mm]以上68[mm]以下の範囲内に、好ましくは、61[mm]以上63[mm]以下の範囲内にあるのが好ましい。この範囲にあると、全体の光度と第2光拡散領域から出射される光の光度とのバランスが良くなる。
【0053】
(5)断面における位置
LED21と第2光拡散領域157(167)との位置関係を
図19を用いて説明する。
第2光拡散領域157の位置は、シーリングライト1の断面(設置面と直交する方向の断面である。)において、すべてのLED21の光軸(X1、X2)に対する1/2ビーム角(LED21から出射される光の光度が最大光度の1/2となる光の出射方向と光軸との間の角度の2倍の角度)Aの範囲内にある。これにより、高い光度の光が第2光拡散領域157に入射することとなり、第2光拡散領域157のきらめき感が向上する。また、光色の異なる複数種類のLED21を用いる場合、複数種類のLED21から出射された光が第2光拡散領域157に直接達することとなり、光色の異なるきらめき感を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、シーリングライト1,201を光出射方向に向かって見たときに第2光拡散領域157は環状に設けられ、装置本体3を光出射方向に向かって見たときに複数枚の実装基板23が環状に配されている。第2光拡散領域157は、光の出射方向に向かって見たときに環状に配された実装基板23に重なるように設けられている。これにより、第2光拡散領域157がLED21の光軸(X1、X2)に対する1/2ビーム角(本例では120°である。)Aの範囲内に位置することが多くなる。
本実施形態では装置本体3を光の出射方向に向かって見たときに、第2光拡散領域157に最も近いLED21の光軸(X1)上に第2光拡散領域157が位置しているが、第2光拡散領域157は、最も近いLED21において、LED21から出射される光の光度が最大光度の90%となる光の出射方向と光軸(X1)との間の角度の2倍の角度B(本例では50°である。)の範囲内に存在していればよい。これにより、LED21から出射される光度の高い光が第2光拡散領域157に直接入射することとなり、きらめき感を向上させることができる。
【0055】
3.第1〜第3光拡散領域
主カバー123は、外側主カバー体163、内側主カバー体165、中間主カバー体167を別体で有し、各カバー体に第1光拡散領域155、第2光拡散領域157、第3光拡散領域159が設けられている。
しかしながら、外側主カバー体、内側主カバー体、中間主カバー体を一体構造とし、第1〜第3光拡散領域を設けてもよい。例えば、主カバーを光透過性の高い材料で構成し、第1光拡散領域と第3光拡散領域の表裏面をシボ加工面とし、第2光拡散領域の表裏の少なくとも一方面をダイヤカット加工面とすることで実施できる。
【0056】
<変形例>
以上、2つの実施形態に係る照明装置を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものでもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0057】
1.透光性カバー
実施形態における透光性カバー5は、取付カバー121と主カバー123とを別体で有して組み立てる構造をしていたが、取付カバーと主カバーとが最初から一体となった構造でもよい。この場合でも、主カバーが少なくとも第1光拡散領域と第2光拡散領域とを有することで、光学的な付加価値を向上させることができる。
第1の実施形態の取付カバー121並びに第1の実施形態及び第2実施形態の第2拡散領域157(中間主カバー体167)は、無色透明に構成されていたが、取付カバー及び第2拡散領域の少なくとも一方を有色透明に構成してもよい。
有色としては、薄い有色があり、例えば、薄い青色、薄い緑色、薄い赤色等がある。特に、薄い緑色の場合、光源部11から出射される光色が昼光色系のときに光学的な付加価値を一層向上させることができる。
有色とする方法は、例えば、有色の透明性樹脂材料を塗布したり、有色の透明性樹脂材料で射出成形したり、有色の透光性フィルムを貼付けたり等がある。
【0058】
2.照明装置
照明装置は、LEDを利用した光源部を有する装置本体と、透光性カバーとを有していればよい。従って、装置本体は、回路部12を搭載部13の裏側に備えてもよいし、回路部を搭載部の表側に備えてもよい。さらには、照明装置は、点灯回路を装置本体と別に有してもよい。同様に、装置本体は光源カバー部を備えなくてもよいし、光源カバー部は、複数部材で構成しても良いし、一部材で構成してもよい。
また、実施形態の照明装置はシーリングライト1であったが、例えば、ペンダントタイプの照明装置であってもよいし、壁に装着される照明装置であってもよいし、天井等の設置面に埋設される長尺状の照明装置であってもよい。この場合、使用目的に合わせて、第2光拡散領域の光拡散性、光透過性、位置等を適宜変更すればよい。