(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
投光素子から出た光を投光レンズにより出射し、当該投光レンズより出射した光が反射板に反射して回帰光となり、当該回帰光を、受光レンズを通して受光素子で受光する回帰反射形の光学系に使用する、投光軸と受光軸とが同軸にない回帰反射形光電センサであって、
前記投光レンズの、前記受光素子側とは反対側の面に形成される第一の遮光部と、
前記受光レンズの、前記投光素子側とは反対側の面に形成される第二の遮光部とを備え、
前記第一の遮光部は、前記投光レンズの、前記投光素子の発光面に対向する面であって、かつ、前記受光素子側とは反対側の面に形成され、
前記第二の遮光部は、前記受光レンズの、前記受光素子の受光面に対向する面であって、かつ、前記投光素子側とは反対側の面に形成される
ことを特徴とする回帰反射形光電センサ。
投光素子から出た光を投光レンズにより出射し、当該投光レンズより出射した光が反射板に反射して回帰光となり、当該回帰光を、受光レンズを通して受光素子で受光する回帰反射形の光学系に使用する、投光軸と受光軸とが同軸にない回帰反射形光電センサであって、
前記投光レンズの、前記受光素子側とは反対側の面に形成される第一の遮光部と、
前記受光レンズの、前記投光素子側とは反対側の面に形成される第二の遮光部とを備え、
前記第一の遮光部は、前記投光レンズの、前記投光素子の発光面と対向する面とは反対側の面であって、かつ、前記受光素子側とは反対側の面に形成され、
前記第二の遮光部は、前記受光レンズの、前記受光素子の受光面と対向する面とは反対側の面であって、かつ、前記投光素子側とは反対側の面に形成される
ことを特徴とする回帰反射形光電センサ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、図を用いて、本発明の前提となる、一般的な回帰反射形光電センサ60の構成、および、当該一般的な回帰反射形光電センサ60における問題について説明する。
図1は、一般的な回帰反射形光電センサ60の光学系の一例について説明する図である。
図2は、一般的な2眼式の回帰反射形光電センサ60の構成の一例について説明する図である。
一般的な回帰反射形光電センサ60の光学系としては、
図1に示すように、2眼式、すなわち、投光軸と受光軸が同軸でない回帰反射形光電センサ60と反射板61とを組み合わせたものがある。
2眼式の回帰反射形光電センサ60は、
図2に示すように、ホルダ50の背面側に設けた投光素子装着部51に投光素子52を、ホルダ50の背面側に設けた受光素子装着部53に受光素子54を、それぞれ装着し、ホルダ50の前面部に設けたレンズ装着部63に投光レンズ64と受光レンズ65とを一体に成形したレンズ体55を装着する。
なお、投光素子52の中心は投光レンズ64の中心に一致させられ、受光素子54の中心は受光レンズ65の中心に一致させられている。
【0012】
図1に示すように、投光素子52が発する光は、投光レンズ64により所定の投光領域E1を形成する投光ビームとして出射される。
この投光ビームは、反射板61の表面の三角錐に入射し反射されるが、この反射光である受光ビームは、所定の受光領域E2を形成し、投光領域E1,受光領域E2の重なる部分E3の回帰光が受光レンズ65を通して受光素子54に達する。なお、この重なる部分E3を、ここでは、交錯領域E3とする。
【0013】
以上のような従来の一般的な回帰反射形光電センサ60の光学系で、検出体を検出する仕組みについて
図3を用いて説明する。
図3(a)は、回帰反射形光電センサ60と反射板61との間に検出体がない状態、
図3(b)は、回帰反射形光電センサ60と反射板61との間に透過率の低い検出体xがある状態、
図3(c)は、回帰反射形光電センサ60と反射板61の間に透過率の高い検出体yがある状態の一例を説明する図である。
なお、
図3において、回帰反射形光電センサ60は説明の便宜上、簡略化して記載しているが、回帰反射形光電センサ60の構成は、
図2を用いて説明したとおりである。
【0014】
図3(a)に示すように、回帰反射形光電センサ60と反射板61の間に検出体がない状態では、回帰反射形光電センサ60の投光素子52が発する光は、出射された光のうち受光領域E2との交錯領域E3から回帰する光を100%とすると、100%の光のまま受光ビームとなって受光素子54に達する。
一方、回帰反射形光電センサ60と反射板61の間に検出体がある場合、当該検出体により光路が遮られることにより、受光素子54に入射する光量が減少する。
図3(b)に示すように、透過率の低い検出体xがある場合には、例えば、交錯領域E3からの100%の光は、10%の光の受光ビームとなって受光素子54に達する。また、
図3(c)に示すように、透過率の高い検出体yがある場合には、例えば、交錯領域E3からの100%の光は、80%の光の受光ビームとなって受光素子54に達する。
このように、一般的な回帰反射形光電センサ60では、投光領域E1,受光領域E2の重なり部分である交錯領域E3に検出体が進入すると、この検出体により光路が遮られることにより、受光素子54に入射する光量が変化して光電変換する量の減少を検出信号として出力するようにしている。
【0015】
しかしながら、上述したような一般的な回帰反射形光電センサ60では、
図4に示すように、回帰反射形光電センサ60と反射板61との間に、空のペットボトルやビン等、透過率が高く複雑な形状の検出体zがある場合、例えば、100%の光が、110%の光の受光ビームとなって受光素子54に達するなど、検出体を安定検出できないという問題があった。
この要因は、空のペットボトルやビン等の検出体zによる拡散光や屈折光にあると推定できる。以下、
図5,6を用いて具体的に説明する。
図5は、回帰反射形光電センサ60と反射板61との間に検出体が何もない状態において、反射板61を正面から、すなわち、回帰反射形光電センサ60側から見た場合の投光領域、受光領域、交錯領域の一例を説明する図である。
検出体が何もない場合は、
図5に示すように、例えば、任意の距離L[mm]としたときの反射板61の交錯領域の面積からの回帰光を100%としている。
【0016】
しかし、
図6に示すように、空のペットボトルやビンなどの検出体19が進入すると、投光ビームの屈折等がおこり、交錯領域以上の領域で受光することになる。すなわち、検出体19により投光ビームが屈折し、本来光が当たらない反射板61上の投光領域(
図6のa)に光が当たり、本来受光側が見ていない、反射板61上の受光領域(
図6のb)の光を入射するため、交錯領域以上の光が出射され、あるいは、当該交錯領域以上の光が入射されることより、検出体19を誤検出してしまう等、安定して検出体19を検出できない要因となる。
【0017】
このような問題を解決するため、従来技術では、上述したように、回帰反射形光電センサ本体に形成された投光側スリットと受光側スリットとによって、光を透過し屈折させる検出物体を安定検出できるようにしているが、このような構成では、投光側スリットや受光側スリットといった部品を備える工程が複雑となり、また、回帰反射形光電センサ内部の構造も複雑となってしまう。
そこで、この発明は、簡単な構成で検出体19を安定検出することができる回帰反射形光電センサを提供できるようにするものである。
【0018】
なお、上述したような問題は、2眼式の回帰反射形光電センサにおいて起こり得るものである。
一般的な回帰反射形光電センサの光学系としては、投、受光同軸の、すなわち、1眼式の回帰反射形光電センサの光学系もあるが、このような、投、受光同軸の回帰反射形光電センサにおいては、上述したような問題は発生しない。
1眼式の回帰反射形光電センサの光学系は、
図7に示すように、ホルダ71の背面側に設けた受光素子装着部72に受光素子73を装着し、ホルダ71の前面部に設けたレンズ装着部74にレンズ75を位置させ、この光路上にハーフミラー76を配置し、ホルダ71の、光路とは直角をなす光路上に投光素子78を装着した構成となっている。
このような構成においては、
図6に示すような現象は発生しないため、上述したような問題は発生しない。
したがって、以下に説明するこの発明の回帰反射形光電センサは、投光軸と受光軸が同軸でない2眼式の回帰反射形光電センサであることを前提としている。
【0019】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図8は、この発明の実施の形態1に係る回帰反射形光電センサ10の構成図である。
図8(a)は、回帰反射形光電センサ10の断面図であり、
図8(b)は、回帰反射形光電センサ10に装着されたレンズ体15を正面、すなわち、
図8(a)のX方向から見た図である。
なお、この発明の実施の形態1の回帰反射形光電センサ10の光学系については、
図1で説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
【0020】
回帰反射形光電センサ10は、
図8(a)に示すように、回帰反射形光電センサ10のホルダ20の背面側に設けた素子装着部160に備えられたプリント基板16に投光素子11および受光素子13を装着する。
また、回帰反射形光電センサ10は、回帰反射形光電センサ10のホルダ20の前面部に設けたレンズ装着部150に、投光レンズ12と受光レンズ14とを一体に成形したレンズ体15を装着する。
なお、回帰反射形光電センサ10は、投光素子11の中心が投光レンズ12の中心に一致し、受光素子13の中心が受光レンズ14の中心に一致するよう、投光素子11および受光素子13と、レンズ体15とを装着する。
【0021】
投光レンズ12の、投光素子11の発光面に対向する面であって、かつ、受光素子13側とは反対側の面の裏側には、蒸着による遮光マスク121が形成される。
また、受光レンズ14の、受光素子13の
受光面に対向する面であって、かつ、投光素子11側とは反対側の面の裏側には、蒸着による遮光マスク141が形成される。
【0022】
遮光マスク121,141は、交錯領域(
図6参照)以外の光を遮断する遮光部である。
すなわち、遮光マスク121により、交錯領域以外の領域へ発する光である投光ビームを遮光し、遮光マスク141により、交錯領域以外から受光する光である受光ビームを遮光する。
【0023】
このように、投光レンズ12および受光レンズ14に、それぞれ、遮光マスク121,141を形成したことで、交錯領域以上の光が出射され、当該交錯領域以上の光が入射されることより検出体19を誤検出してしまうことがなく、検出体19の安定した検出を行うことができる。
また、遮光部は、投光レンズ12および受光レンズ14を蒸着することで形成できるため、回帰反射形光電センサ10の内部に部品を設置する等、複雑な製作工程を有することなく、簡単な構成で、検出体19の安定した検出を行うことができる。
また、遮光部は、回帰反射形光電センサ10の内部に別途設けるようにするのではなく、投光レンズ12および受光レンズ14に直接遮光部を形成するようにしたため、レンズを交換すれば、全く別の用途として回帰反射形光電センサ10を使用することができ、汎用性が高い回帰反射形光電センサ10とすることができる。また、部品点数を増やす必要がなく、コスト削減にも繋がる。
【0024】
なお、ここでは、
図8(b)に示すように、受光レンズ14の光軸に直交する方向への遮光マスク141の幅(
図8(b)のB)が受光レンズ14の半径と等しくなるように、すなわち、受光レンズ14の投光素子11側とは反対側の半分の表面が覆われるように、遮光マスク141を設けるようにした。しかしながら、遮光マスク141で覆われる面積はこれに限らず、遮光マスク141は、交錯領域以外から受光する受光ビームを除去できる範囲を覆うものであればよく、その面積は、検出体19を検出する距離等に応じて適宜設定可能である。
【0025】
また、ここでは、
図8(b)に示すように、投光レンズ12の光軸に直交する方向への遮光マスク121の幅(
図8(b)のC)が投光レンズ12の半径と等しくなるように、すなわち、投光レンズ12の受光素子13側とは反対側の半分の表面が覆われるように、遮光マスク121を設けるようにした。しかしながら、遮光マスク121で覆われる面積はこれに限らず、遮光マスク121は、交錯領域以外の領域へ発する投光ビームを除去できる範囲を覆うものであればよく、その面積は、反射板61までの距離等に応じて適宜設定可能である。
【0026】
なお、以上の説明では、遮光マスク141,121は、投光レンズ12あるいは受光レンズ14の、投光素子11
の発光面あるいは受光素子13の
受光面に対向する面の裏側に蒸着によって形成されるものとしたが、遮光マスク141,121は、投光レンズ12あるいは受光レンズ14の、投光素子11
の発光面あるいは受光素子13の
受光面に対向する面の裏側に塗装によって形成されるものであってもよい。
また、遮光マスク141,121は、投光素子11
の発光面あるいは受光素子13の
受光面に対向する面の裏側に印刷によって形成されるものであってもよい。
【0027】
また、遮光マスク141,121は、
図9に示すように、例えば、遮光を行うフィルム等の遮光部材を埋め込んでレンズ体15と一体成型することによって形成されるものであってもよい。
このように、遮光部の形成方法は、蒸着に限らない。
【0028】
また、上述した例では、遮光部を、回帰反射形光電センサ10の内部の投光レンズ12あるいは受光レンズ14に形成するようにしているが、遮光部を、回帰反射形光電センサ10の外部の投光レンズ12あるいは受光レンズ14に形成するようにしてもよい。
【0029】
図10は、実施の形態1において、回帰反射形光電センサ10の外部の投光レンズ12および受光レンズ14に遮光部を設けた構成の一例を説明する構成図である。
図10(a)は、回帰反射形光電センサ10の断面図であり、
図10(b)は、回帰反射形光電センサ10に装着されるレンズ体15を、回帰反射形光電センサ10の前面、すなわち、
図10(a)のX方向から見た図である。
図10(a)(b)に示すように、遮光部である遮光マスク141,121は、回帰反射形光電センサ10のホルダ20の前面部のレンズ装着部150に装着された投光レンズ12および受光レンズ14の表面を、ホルダ20の外側から蒸着することによって形成されるようにしてもよい。
すなわち、遮光マスク121は、投光レンズ12の、投光素子11の発光面と対向する面とは反対側の面に形成され、遮光マスク141は、受光レンズ14の、受光素子13の
受光面と対向する面とは反対側の面に形成されるようにしてもよい。
【0030】
なお、ここでは、
図10(b)に示すように、受光レンズ14の光軸に対して、投光素子11側とは反対側となるレンズ体15が覆われるように、遮光マスク141を設けるようにした。しかしながら、遮光マスク141で覆われる面積はこれに限らず、遮光マスク141は、交錯領域以外から受光する光である受光ビームを除去できる範囲を覆うものであればよく、その面積は、検出体19を検出する距離等に応じて適宜設定可能である。
【0031】
また、ここでは、
図10(b)に示すように、投光レンズ12の光軸に対して、受光素子13側とは反対側となるレンズ体15が覆われるように、遮光マスク121を設けるようにした。しかしながら、遮光マスク121で覆われる面積はこれに限らず、遮光マスク121は、交錯領域以外の領域へ発する光である投光ビームを除去できる範囲を覆うものであればよく、その面積は、検出体19を検出する距離等に応じて適宜設定可能である。
【0032】
このように、遮光部を、回帰反射形光電センサ10の外部の投光レンズ12あるいは受光レンズ14に形成するようにすることもできる。
また、このように、外部の投光レンズ12あるいは受光レンズ14に遮光部を設けるようにした場合も、上述のように、遮光マスク141,121は、直接、投光レンズ12および受光レンズ14に形成するようにしているため、レンズを交換すれば、全く別の用途として回帰反射形光電センサ10を使用することができ、汎用性が高い回帰反射形光電センサ10とすることができる。また、例えば、回帰反射形光電センサ10を洗浄する場合でも、遮光マスク141,121と投光レンズ12,受光レンズ14との間に水が入り込んでしまうことがなく、使い勝手を向上させることができる。
【0033】
また、遮光マスク141,121は、回帰反射形光電センサ10の前面部のレンズ装着部150に装着された投光レンズ12および受光レンズ14の、投光素子11
の発光面および受光素子13の
受光面と対向する面とは反対側の面に、蒸着することによって形成されるものに限らず、遮光マスク141,121は、塗装によって形成されるものであってもよいし、印刷によって形成されるものであってもよい。
【0034】
また、遮光マスク141,121は、
図11に示すように、例えば、開口部171を有するシール17等の遮光部材を貼り付けることで形成されるようにしてもよい。
図11(a)は、シール17が添付されたレンズ体15の断面図であり、
図11(b)は、シール17が添付された回帰反射形光電センサ10を、回帰反射形光電センサ10の前面側から、すなわち、
図11(a)のX方向から見た図である。
シール17の貼り付け位置は、開口部171から、交錯領域の投光ビームを発射し、交錯領域の受光ビームを入射する位置に位置決めされる。
なお、シール17の形状および大きさについては、開口部171が、交錯領域の投光ビームを発射する部分および交錯領域の受光ビームを入射する部分を遮らないように形成され、交錯領域以外の領域から発射する投光ビームを除去し、交錯領域以外から受光する受光ビームを除去する面積を覆うことができる形状および大きさのものであればよい。
また、
図11では、シール17は1枚とし、1枚のシール17によって遮光マスク121,141を形成するようにしたが、これに限らず、複数枚のシール17によって遮光マスク121,141を形成するようにしてもよい。
【0035】
遮光マスク141,121をシール17で形成するようにした場合、部品点数は増えるが、当該シール17は、回帰反射形光電センサ10の内部に設けるようにするものではないため、回帰反射形光電センサ10の内部の構造が複雑になることはない。また、シール17は、簡単に取り外しや調整を行うことができるため、必要に応じて回帰反射形光電センサ10を全く別の用途で使用することもでき、回帰反射形光電センサ10の汎用性を高めることができる。
【0036】
以上のように、実施の形態1によると、投光レンズ12および受光レンズ14に、それぞれ、遮光マスク121(第一の遮光部),遮光マスク141(第二の遮光部)を形成したので、回帰反射形光電センサ10の内部に部品を設置する等、複雑な製作工程を有することなく、簡単な構成で、交錯領域以上の光が出射され、当該交錯領域以上の光が入射されることより検出体19を誤検出してしまうことがなく、検出体19の安定した検出を行うことができる。
また、遮光マスク121(第一の遮光部),遮光マスク141(第二の遮光部)は、回帰反射形光電センサ10の内部に別途設けるようにするのではなく、投光レンズ12および受光レンズ14に直接設けるようにしたため、レンズを交換すれば、全く別の用途として回帰反射形光電センサ10を使用することもでき、汎用性が高い回帰反射形光電センサ10とすることができる。
【0037】
実施の形態2.
実施の形態1では、遮光部を、回帰反射形光電センサ10の内部、あるいは、外部の投光レンズ12および受光レンズ14に、直接形成するようにしていた。
この実施の形態2では、回帰反射形光電センサ10に着脱可能な遮光部材を用いて、回帰反射形光電センサ10の外部の投光レンズ12および受光レンズ14を回帰反射形光電センサ10の外側から遮光する実施の形態について説明する。
【0038】
図12は、この発明の実施の形態2に係る回帰反射形光電センサ10の構成図である。
図12(a)は、この発明の実施の形態2の回帰反射形光電センサ10の断面図であり、
図12(b)は、この発明の実施の形態2の回帰反射形光電センサ10を、遮光部材18が装着された状態で、回帰反射形光電センサ10の前面、すなわち、
図12(a)のX方向から見た図である。
なお、この実施の形態2の回帰反射形光電センサ10の光学系については、実施の形態1で
図1を用いて説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
【0039】
図12(a)において、実施の形態1において
図8(a)を用いて説明した構成と同様の構成については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
この実施の形態2に係る回帰反射形光電センサ10は、実施の形態1で
図8〜
図11を用いて説明した回帰反射形光電センサ10とは、遮光マスク141,121をレンズ装着部150に装着された投光レンズ12および受光レンズ14に直接形成するのではなく、遮光部材18を用いて投光レンズ12および受光レンズ14を回帰反射形光電センサ10の外側から遮光する点が異なるのみである。
【0040】
ここでは、
図12(a)(b)に示すように、遮光部材18は、回帰反射形光電センサ10のホルダ20の外側から、投光レンズ12の、投光素子11の発光面に対向する面とは反対側の面と、受光レンズ14の、受光素子13の
受光面に対向する面とは反対側の面とを覆う。
この時、遮光部材18の、投光レンズ12の交錯領域以外の領域へ発射する投光ビームの投光領域を覆う部分が遮光マスク121となり、受光レンズ14の交錯領域以外から受光ビームを入射する受光領域を覆う部分が遮光マスク141となる。
なお、遮光部材18は、回帰反射形光電センサ10に着脱可能に装着される。
また、遮光部材18は、例えば、金属等の光を遮断する部材から成り、コの字型をしており、
図12(b)に示すように開口部181,182を有する。
そして、遮光部材18は、回帰反射形光電センサ10に装着された際に、開口部181(第一の開口部)から、交錯領域の投光ビームを発射し、開口部182(第二の開口部)から、交錯領域の受光ビームを入射する。
すなわち、開口部181,182によって、必要な光、すなわち、交錯領域から発射される投光ビームおよび交錯領域に入射される受光ビームを遮ることなく通過させることができる。
【0041】
なお、
図12(a),(b)に示した遮光部材18は一例に過ぎず、遮光部材18の形状および大きさについては、遮光部材18の開口部181,182が形成される面の開口部181,182以外の部分で、交錯領域以外の領域から発射する投光ビームを遮光し、交錯領域以外から受光する受光ビームを遮光することができる形状および大きさであればよく、また、開口部181から交錯領域の投光ビームを発射し、かつ、開口部182から、交錯領域の受光ビームを入射することができるようになっていればよい。また、ここでは、
図12(b)に示すように、開口部181,182は2つ設けるようにしたが、これに限らず、例えば、開口部は1つであってもよく、開口部から、交錯領域の投光ビームを発射し、かつ、交錯領域の受光ビームを入射するようになっていればよい。
【0042】
このように、遮光部材18を用いて、投光レンズ12の交錯領域以外の領域から発射する投光ビームの投光領域、および、受光レンズ14の交錯領域以外から受光ビームを入射する受光領域を覆うようにしたので、交錯領域以上の光の入射により、検出体19を誤検出してしまうことがなく、検出体19の安定した検出を行うことができる。
また、遮光部材18により部品点数は増えるが、回帰反射形光電センサ10の内部に遮光部材18を設置するものではないため、遮光部材18設置のための複雑な製作工程を必要とせず、簡単に遮光部材18を装着でき、回帰反射形光電センサ10の内部の構造が複雑になることはない。
【0043】
以上のように、実施の形態2によると、投光レンズ12の、投光素子11の発光面に対向する面とは反対側の面を覆う遮光マスク121(第一の遮光部)と、受光レンズ14の、受光素子13の
受光面に対向する面とは反対側の面を覆う遮光マスク141(第二の遮光部)とを有する遮光部材18を備えるようにしたので、回帰反射形光電センサ10の内部に部品を設置する等複雑な製作工程を有することなく、簡単な構成で、交錯領域以上の光が出射され、当該交錯領域以上の光が入射されることより検出体19を誤検出してしまうことがなく、検出体19の安定した検出を行うことができる。
【0044】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。