【実施例】
【0015】
次に、本発明の実施例に係るレコメンド情報提示システムの構成を
図1に示す。本実施例に係るレコメンド情報提示システム1は、搭乗者が所有する情報端末10A、10B、車載装置20、およびサーバ30を含んで構成される。ここには一例として2つの情報端末10A、10Bを示すが、情報端末の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、以下の説明では、情報端末10Aは、運転者が所有するものとし、情報端末10Bは、同乗者が所有するものとする。
【0016】
情報端末10A、10Bは、車内に持ち込まれたとき、車載装置20との間で、例えば、無線LAN、WiFi(登録商標)、近距離無線通信手段等の接続手段を介して車載装置20に接続される。また、情報端末10A、10Bは、車載装置20との接続以外にも、無線LANや4GやLTEなどの通信規格によりネットワークを介してサーバ30に接続することが可能である。車載装置20もまた、同様の接続手段を介して情報端末10A、10Bに接続される。また、車載装置20は、無線LANや4GやLTEなどの通信規格によりネットワークを介してサーバ30に接続することが可能である。車載装置20は、後述するように、サーバ30が配信するレコメンド情報を保持し、保持したレコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信したり、車載装置20の表示部に表示させる機能を備える。
【0017】
図2は、本実施例の車載装置20の構成例を示すブロック図である。車載装置20は、撮像部100、入力部110、ナビゲーション部120、接続部130、表示部140、音声出力部150、通信部160、記憶部170、および制御部180を含んで構成される。但し、この構成は例示であり、本発明は、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0018】
撮像部100は、車内に備えられた1つまたは複数の車載カメラから構成され、同乗者や運転者を撮像する。撮像データは、好ましくは運転者や同乗者の状態を監視するために利用される。入力部110は、入力キーデバイス、音声入力認識装置、タッチパネルなどにより、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部180へ提供する。ナビゲーション部120は、GPS信号などを利用して自車位置を算出し、算出された自車位置周辺の道路地図を表示部140へ表示したり、目的地までの経路を探索し、その案内を行う。
【0019】
接続部130は、特定の外部機器との接続を可能にする。具体的には、
図1に示すように車内に持ち込まれた情報端末10A、10Bと車載装置20との間の接続を可能にする。接続方法は、特に限定されないが、例えば、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線接続、あるいはUSBケーブル等の有線接続であることができる。
【0020】
表示部140は、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイあるいはHUD(ヘッドアップディスプレイ)などを含む。表示部140は、少なくとも運転者にとって視認可能な位置に配置され、例えば、計器類を含むインスツルメンツを表示するクラスター表示ユニットであったり、運転者の正面のフロントガラス上に投射されるHUDであることができる。表示部140は、ナビゲーション部120による道路地図を表示したり、あるいは、後述する運転者のためのレコメンド情報などを表示する。
【0021】
音声出力部150は、ナビゲーション部120により生成された音声案内等を出力する。通信部160は、
図1に示すように車載装置20を外部のインターネットやイントラネット等を介してサーバ30との間でデータ通信を可能にする。通信方法は、特に問わないが、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、その他の通信規格により通信を行う。さらに通信部160は、接続部130により接続された情報端末10A、10Bが通信手段を備えている場合には、その通信手段を利用してネットワークに接続し、サーバ30とデータ通信するものであってもよい。
【0022】
記憶部170は、制御部180が実行するプログラムやソフトウエア、ナビゲーション部120が必要とする道路地図データ等を記憶することができる。また、通信部160を介してサーバ30からレコメンド情報を受信したとき、そのレコメンド情報を記憶する。
【0023】
制御部180は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、車載装置20の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。第1の実施例では、制御部180は、車載装置20に接続された情報端末10A、10Bに対してレコメンド情報を提示するためのレコメンド情報提示プログラムを実行する。
【0024】
図3は、レコメンド情報提示プログラムの機能的な構成例を示す図である。レコメンド情報提示プログラム200は、情報端末認識部210、レコメンド情報保持部220、提示先識別部230、レコメンド情報提示部240、確認判定部250および提示済通知部260を含んで構成される。
【0025】
情報端末認識部210は、例えば、2つの情報端末10A、10Bが接続部130を介して車載装置20に接続されたとき、2つの情報端末10A、10Bの所有者の認識を行う。つまり、運転者の情報端末の識別と、同乗者の情報端末の識別である。
図4に、情報端末の認識方法の一例を示す。車載装置20に接続部130を介して2台の情報端末10A、10Bがされたとき、情報端末認識部210は、
図4(A)に示すように、表示部140に認識用画面212を表示させる。認識用画面212には、現在接続されている情報端末10A、10Bのリストが表示される。次に、情報端末認識部210は、
図4(B)に示すように、運転者の情報端末の選択を促す案内214を表示させ、運転者は、自身の情報端末10Aを選択する。情報端末認識部210は、選択された情報端末10Aを運転者のものと認識し、
図4(C)に示すように認識結果216を通知し、情報端末10A以外の情報端末10Bは、同乗者のものと認識する。
【0026】
レコメンド情報保持部220は、サーバ30から配信されるレコメンド情報を保持する。レコメンド情報の取得の経路は、特に限定されないが、例えば、レコメンド情報保持部220は、通信部160を介してネットワーク上のサーバ30が配信するレコメンド情報を取得したり、情報端末10A、10Bの通信機能を介してレコメンド情報を取得したり、あるいは、サーバ30が情報端末10A、10Bに配信したレコメンド情報を情報端末10A、10Bを経由して取得する。
【0027】
また、どのようなレコメンド情報を取得するのかは、特に限定されないが、例えば、車載装置20は、サーバ30に自車位置情報を送信し、サーバ30は、受信した自車位置情報に基づき自車位置周辺のレコメンド情報を車載装置20へ配信したり、あるいは、車載装置20は、接続されている情報端末10A、10Bの所有者の嗜好に関する情報をサーバ30へ送信し、サーバ30は、情報端末10A、10Bの所有者の嗜好に関する情報に応じたレコメンド情報を配信する。後者の場合、情報端末10A、10Bの各々の嗜好に関する情報が情報端末10A、10Bの識別情報に関連付けして予め記憶部170に記憶されているか、情報端末10A、10Bが接続されたとき、ユーザーに嗜好に関する情報を入力させるようにしてもよい。
【0028】
提示先識別部230は、レコメンド情報保持部220によって保持されたレコメンド情報の提示先を識別する。上記したように、車載装置20から情報端末10A、10Bの嗜好に関する情報をサーバ30に送信した場合には、サーバ30から配信されるレコメンド情報には、情報端末の識別情報が付加されるため、提出先識別部230は、当該識別情報に基づきレコメンド情報の提示先を識別することができる。また、サーバ30から情報端末10A、10Bに対して直接配信されたレコメンド情報を車載装置20が取得している場合には、そのレコメンド情報が配信された配信先を提示先として識別することができる。
【0029】
レコメンド情報提示部240は、提示先識別部230によって識別された提示先に基づき、レコメンド情報保持部220に保持されたレコメンド情報を提示する。具体的には、提示先識別部230によってレコメンド情報の提示先が情報端末10Aと識別されたとき、レコメンド情報提示部240は、情報端末認識部210の認識結果から情報端末10Aが運転者のものと認識されるので、レコメンド情報を情報端末10Aに提示するのではなく、レコメンド情報を表示部140へ提示する。また、レコメンド情報の提示先が情報端末10Bと識別されたとき、レコメンド情報底部240は、情報端末10Bが同乗者のものと認識されるので、レコメンド情報を接続部130を介して情報端末10Bに提示する。なお、レコメンド情報の提示は、表示部140への表示に加えて音声出力部150への音声出力を含むものであってもよい。
【0030】
確認判定部250は、レコメンド情報が同乗者の情報端末10Bに提示されたとき、同乗者がレコメンド情報を一定時間以内に確認したか否かを判定する。1つの例では、レコメンド情報が情報端末10Bに対して電子メールのような形式で送信されたとき、情報端末10Bから一定時間経過後に既読通知を受け取ることができない場合には、レコメンド情報が同乗者によって確認されていないと判定する。
【0031】
提示済通知部260は、確認判定部250によって同乗者がレコメンド情報を確認していないと判定された場合、運転者に、同乗者に対してレコメンド情報が提示済みであることを通知する。この通知は、情報端末10Aにではなく、表示部140に提示される。運転者は、当該通知により、レコメンド情報が同乗者に提示されているにもかかわらず同乗者がレコメンド情報を確認していないことを知り、運転者は、同乗者にレコメンド情報の確認を促すことが可能になる。
【0032】
次に、本実施例のレコメンド情報提示動作のフローを
図5に示す。先ず、提示先識別部230は、レコメンド情報の提示先を識別する(S100)。次に、レコメンド情報提示部240は、提示先が情報端末10A、すなわち運転者であるとき、レコメンド情報を運転者が視認可能な表示部140へ提示し(S110)、提示先が情報端末10B、すなわち同乗者であるとき、レコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信する(S120)。
【0033】
運転者は、表示部140にレコメンド情報が表示されるので、情報端末10Aを確認することなくレコメンド情報を容易に視認することができる。一方、同乗者は、自身の情報端末10Aのメールボックスやアイコン等に表示されたレコメンド情報を確認することができる。しかしながら、同乗者が居眠りをしていたり、情報端末10Bをバッグの中にしまいこんでいる場合には、レコメンド情報が送信されたことに気が付かない場合がある。確認判定部250は、一定時間以内に同乗者によってレコメンド情報が確認されたか否か判定し(S130)、未確認であると判定した場合には、運転者に対して、同乗者にレコメンド情報を提示済みであることを表示部140を介して通知する(S140)。これにより、運転者は、同乗者に対してレコメンド情報が提示されていることを知らせることができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、同乗者がレコメンド情報を確認したか否かを判定したが、第2の実施例ではさらに、同乗者の状態を検知し、その検知結果に基づき同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定する。
図6は、第2の実施例によるレコメンド情報提示プログラム200Aの機能的なブロック図である。
【0035】
レコメンド情報提示プログラム200Aは、第1の実施例のときの構成に加えて、同乗者状態検知部270を有する。同乗者状態検知部270は、同乗者の状態を検知するが、1つの例では、同乗者状態検知部270は、撮像部110によって撮像された画像データを解析処理することで、同乗者の状態を検知する。例えば、同乗者の動きが一定期間ない場合、あるいは同乗者の眼球が検出されない場合、同乗者は居眠りをしていると推定される。また、同乗者状態検知部270は、接続部130を介して情報端末10Bに搭載されているセンサなどから情報から同乗者の状態を検知するようにしてもよい。例えば、情報端末10Bが照度センサを有するとき、照度が一定以下である場合には、情報端末10Bがバッグ等に収容されていることが推定される。
【0036】
確認判定部250は、同乗者状態検知部270の検知結果に基づき、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定し、その判定結果が、提示済通知部260またはレコメンド情報提示部240へ提供される。
【0037】
図7に、第2の実施例によるレコメンド情報提示動作のフローを示す。図中、ステップS100〜S130までは、第1の実施例のときと同じであるので説明を省略する。確認判定部250によって、同乗者が一定期間経過後にレコメンド情報が未確認であると判定されると(S130)、これに応答して同乗者状態検知部270は、同乗者の状態を検知する(S200)。この検知結果が再度、確認判定部250へ提供され、確認判定部250は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるのか否かを判定する(S210)。例えば、同乗者が居眠りをしていると推定されたり、情報端末10Bがバッグの中に入っていると推定された場合には、レコメンド情報を確認できる状態にはないと判定される。
【0038】
同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にないと判定された場合には、その判定結果を受けて、提示済通知部260は、第1の実施例のときと同様に、同乗者に対してレコメンド情報を提示済みである通知を表示部140を介して運転者へ通知する(S220)。一方、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあると判定された場合には(S210)、その判定結果を受けて、レコメンド情報提示部240は、同乗者の情報端末10Bにレコメンド情報を再送する(S230)。これにより、同乗者は、レコメンド情報が受信されたことに気付くことができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第1および第2の実施例は、レコメンド情報の提示先が同乗者である場合を示したが、第3の実施例は、レコメンド情報の提示先が運転者である場合に関する。
図8は、第3の実施例によるレコメンド情報提示プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。レコメンド情報提示プログラム200Bは、第1および第2の実施例のときに加えて、車両状態検知部280を有する。車両状態検知部280は、提示先判定部230によってレコメンド情報の提示先が情報端末10A、すなわち運転者であると識別されたとき、車両の状態を検知する。車両状態検知部280は、例えば、車速パルス、パーキングブレーキのオン/オフ情報、ナビゲーション部120で利用するGPS信号などを検知する。
【0040】
レコメンド情報提示部240は、車両状態検知部280の検知結果を受け取り、車両が走行中か否かを判定し、すなわち運転者が運転中か否かを判定し、運転中であると判定した場合には、さらに情報端末認識部210の認識結果に基づき同乗者が存在するか否かを判定する。運転中であり、かつ同乗者が存在すると判定された場合には、レコメンド情報提示部240は、提示先識別部230の提示先が運転者であったとしても、運転者にレコメンド情報を提示せず、同乗者にレコメンド情報を提示する。他方、運転中でないと判定されたとき、または同乗者が存在しないと判定されたときには、提示先識別部230で識別された提示先に従い運転者にレコメンド情報を提示する。
【0041】
図9は、第3の実施例によるレコメンド情報提示動作のフローである。先ず、提示先識別部230によってレコメンド情報の提示先が識別される(S300)。レコメンド情報の提示先が情報端末10B、すなわち同乗者であると識別された場合には、例えば、第1および第2の実施例のときの処理フローに従うことができる。他方、提示先が情報端末10A、すなわち運転者であると識別された場合には、レコメンド情報提示部240は、直ちにレコメンド情報を提示するのではなく、車両状態検知部280の検知結果が得られるまで提示を一時ホールドする。
【0042】
車両状態検知部280は、車両状態を検知し(S320)、その検知結果をレコメンド情報提示部240へ提供する。レコメンド情報提示部240は、検知結果に基づき運転者が運転中か否かを判定し(S330)、運転中でないと判定した場合には、提示先に従いレコメンド情報を表示部140に表示させる(S340)。他方、運転中であると判定した場合には、さらに情報端末認識部210の認識結果に基づき同乗者が存在するか否かを判定し、同乗者が存在しなければ、レコメンド情報を表示部140に表示させ(S340)、同乗者が存在すれば、レコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信する(S360)。
【0043】
このように第3の実施例によれば、運転者へのレコメンド情報であっても、運転中か否かを判定し、運転中であれば、同乗者へレコメンド情報を提示することで、運転の障害になり得る外的要因を少なくすることができる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。