特許第6584285号(P6584285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6584285電子装置およびレコメンド情報提示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584285
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】電子装置およびレコメンド情報提示システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20190919BHJP
   B60R 16/037 20060101ALI20190919BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20190919BHJP
【FI】
   B60R11/02 C
   B60R16/037
   G06F16/9035
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-209245(P2015-209245)
(22)【出願日】2015年10月23日
(65)【公開番号】特開2017-81256(P2017-81256A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 勲
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】高原 周
(72)【発明者】
【氏名】大鹿 貴弘
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−147567(JP,A)
【文献】 特開2014−216714(JP,A)
【文献】 特開2015−152884(JP,A)
【文献】 特開2011−148425(JP,A)
【文献】 特開2014−025873(JP,A)
【文献】 特開2008−032569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 16/037
B60R 16/02
G06F 16/9035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つまたは複数の情報端末を接続可能な接続手段と、
前記接続手段を介して接続された情報端末が運転者のものか運転者以外の同乗者のものかを認識する認識手段と、
運転者が視認可能な表示手段と、
レコメンド情報を提示する提示手段であって、当該提示手段は、前記認識手段の認識結果に基づき前記レコメンド情報を前記接続手段を介して前記同乗者の情報端末に提示するとともに、前記運転者の情報端末には前記レコメンド情報を提示しない、前記提示手段と、
同乗者の情報端末によってレコメンド情報が確認されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって確認されていないと判定された場合に、同乗者の情報端末にレコメンド情報が提示済であることを前記表示手段を介して運転者に通知する通知手段と、を有する、電子装置。
【請求項2】
少なくとも1つまたは複数の情報端末を接続可能な接続手段と、
前記接続手段を介して接続された情報端末が運転者のものか運転者以外の同乗者のものかを認識する認識手段と、
運転者が視認可能な表示手段と、
レコメンド情報を提示する提示手段であって、当該提示手段は、前記認識手段の認識結果に基づき前記レコメンド情報を前記接続手段を介して前記同乗者の情報端末に提示するとともに、前記運転者の情報端末には前記レコメンド情報を提示しない、前記提示手段と、
レコメンド情報の提示先を識別する識別手段と、
前記識別手段によりレコメンド情報の提示先が運転者であると識別されたとき、運転中か否かを判定する判定手段とを有し、
前記提示手段は、前記判定手段により運転者が運転中であると判定され、かつ前記認識手段により同乗者の存在が認識されたとき、レコメンド情報を同乗者の情報端末に提示する、電子装置。
【請求項3】
電子装置はさらに、同乗者の情報端末によってレコメンド情報が未確認であると判定された場合に、同乗者の状態を検知する同乗者検知手段と、
前記同乗者検知手段に基づき同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定する判定手段とを含み、
前記提示手段は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあると判定された場合には、レコメンド情報を再提示する、請求項に記載の電子装置。
【請求項4】
前記通知手段は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にないと判定された場合に、前記提示済を通知する、請求項1または3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記提示手段は、運転中でないと判定されたとき、または前記認識手段により同乗者の存在が認識されないとき、レコメンド情報を前記表示手段に提示する、請求項に記載の電子装置。
【請求項6】
請求項1ないしいずれか1つに記載の電子装置と、前記接続手段を介して接続された1つまたは複数の情報端末と、レコメンド情報を配信するサーバとを備え、前記電子装置は、前記サーバが配信するレコメンド情報を保持する保持手段を含む、レコメンド情報提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内の搭乗者へのレコメンド情報の提示方法に関し、特に、運転者と同乗者とが乗車したときのレコメンド情報の提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末等の携帯型情報端末の普及に伴い、場所や時間を選ばずに様々な情報にアクセスすることが可能になっている。情報にアクセスする場合、情報端末から必要な情報を能動的に参照することができる一方で、情報端末を使用するユーザー個人に関する情報や情報端末が有するGPS機能による位置情報に基づき、外部サーバから自動的にレコメンド情報(おすすめ情報)が配信される場合もある。近年では、ビッグデータを活用することにより、個人に最適なレコメンド情報を通知する技術も存在する。また、車載装置と情報端末を接続することにより、新たな利便性を生み出す技術も存在する。
【0003】
車載装置と情報端末の連携例として、特許文献1では、次のような車両用情報提供装置を開示する。情報端末2は、車両の現在位置および進行方向に関する情報に基づいて、車両の進行方向に関するPOI情報を表示することにより、運転者の見ている情報と同乗者の見ている情報を共通化し、運転者と同乗者との間のコミュニケーションの活性化を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−22949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、ビッグデータ等を活用することにより、個人嗜好のレコメンド情報を配信するネットワーク環境は整っており、それは、車内においても同様である。運転者に対するレコメンド情報は、運転者の情報端末や、運転者の情報端末が接続された車載装置を介して運転者用のクラスターディスプレイ(計器類が表示されるインスツルメンツパネルに搭載)やHUD(ヘッドアップディスプレイ)に表示することが可能である。しかしながら、仮に運転中であっても、レコメンド情報がクラスターディスプレイやHUDに表示されると、注意力が散漫となり運転に悪影響を及ぼしかねない。さらに、運転者以外に同乗者がいる場合、同乗者に対するレコメンド情報は、同乗者のスマートフォン等の情報端末に通知されることとなる。しかし、同乗者が寝ていたり、スマートフォンをバッグ等などに入れていると、同乗者は、レコメンド情報を受け取ったことに気付かない場合がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、車内の運転者や同乗者に対して適切にレコメンド情報を提示することができる電子装置、レコメンド情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子装置は、少なくとも1つまたは複数の情報端末を接続可能な接続手段と、前記接続手段を介して接続された情報端末が運転者のものか運転者以外の同乗者のものかを認識する認識手段と、運転者が視認可能な表示手段と、レコメンド情報を提示する提示手段とを有し、前記提示手段は、前記認識手段の認識結果に基づき前記レコメンド情報を前記接続手段を介して前記同乗者の情報端末に提示するとともに、前記運転者の情報端末には前記レコメンド情報を提示しない。
【0008】
好ましくは電子装置はさらに、同乗者の情報端末によってレコメンド情報が確認されたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって確認されていないと判定された場合に、同乗者の情報端末にレコメンド情報が提示済であることを前記表示手段を介して運転者に通知する通知手段とを含む。好ましくは電子装置はさらに、同乗者の情報端末によってレコメンド情報が未確認であると判定された場合に、同乗者の状態を検知する同乗者検知手段と、前記同乗者検知手段に基づき同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定する判定手段とを含み、前記提示手段は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあると判定された場合には、レコメンド情報を再提示する。好ましくは前記通知手段は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にないと判定された場合に、前記提示済を通知する。好ましくは電子装置はさらに、レコメンド情報の提示先を識別する識別手段と、前記識別手段によりレコメンド情報の提示先が運転者であると識別されたとき、運転中か否かを判定する判定手段とを有し、前記提示手段は、前記判定手段により運転者が運転中であると判定され、かつ前記認識手段により同乗者の存在が認識されたとき、レコメンド情報を同乗者の情報端末に提示する。好ましくは前記提示手段は、運転中でないと判定されたとき、または前記認識手段により同乗者の存在が認識されないとき、レコメンド情報を前記表示手段に提示する。
【0009】
本発明に係るレコメンド情報提示システムは、上記構成の電子装置と、前記接続手段を介して接続された1つまたは複数の情報端末と、レコメンド情報を配信するサーバとを備え、前記電子装置は、前記サーバが配信するレコメンド情報を保持する保持手段を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者に対しては運転者が視認可能な表示手段にレコメンド情報を提示し、同乗者に対しては情報端末にレコメンド情報を提示することができる。さらに、同乗者がレコメンド情報を確認していない場合には、運転者に対して同乗者へのレコメンド情報の提示済を通知することで、運転者は、同乗者にレコメンド情報が提示されていることを知らせることができる。さらに、運転者へのレコメンド情報の提示である場合には、運転中か否かを判定し、運転中と判定され、かつ同乗者が存在する場合には、運転者へのレコメンド情報を同乗者に提示することで、運転障害となる外的要因を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係るレコメンド情報提示システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施例に係る車載装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施例に係るレコメンド情報提示プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
図4】本実施例の情報端末の認証方法の一例を説明する図である。
図5】本発明の第1の実施例に係るレコメンド情報の提示動作を説明するフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施例に係るレコメンド情報提示プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施例に係るレコメンド情報の提示動作を説明するフローチャートである。
図8】本発明の第3の実施例に係るレコメンド情報提示プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。
図9】本発明の第3の実施例に係るレコメンド情報の提示動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明に係る情報端末は、好ましい態様では、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末等の携帯端末である。本発明に係る情報端末は、無線または有線による接続手段を介して他の電子装置に接続することが、さらに通信手段を介してネットワーク等との間でデータ通信を行うことができる。さらに本発明に係る情報端末は、例えば、通話機能、様々のアプリケーション機能、ナビゲーション機能などを包含することも可能である。
【0013】
本発明に係る電子装置は、好ましい態様では、車両に搭載された車載装置によって実施される。本発明に係る電子装置は、有線または無線による接続手段を介して情報端末に接続することができ、さらに通信手段を介してネットワーク等との間でデータ通信を行うことができる。さらに本発明に係る電子装置は、例えば、様々なアプリケーション機能、ナビゲーション機能、ラジオ・テレビ受信機能、マルチメディア再生機能等を含むことができる。また、車載装置は、車両の状態に関する情報を取得したり、車載カメラで撮像された撮像データ等を取得するためのインターフェースを備えることができる。さらに車載装置は、種々の情報を表示するための表示装置を含み、表示装置は、運転者が視認することができるものであり、例えば、計器類を含むインスツルメンツパネルに収容されたディスプレイやHUD(ヘッドアップディスプレイ)であることができる。但し、表示装置は、同乗者が視認できるものであってもよい。
【0014】
本発明に係るサーバは、ネットワークを介してレコメンド情報を他の外部機器(例えば、情報端末や車載装置など)へ配信する機能を有する。レコメンド情報は、例えば、ビッグデータに基づく情報端末の所有者に適した情報、あるいは情報端末の現在地情報に基づく情報であることができる。レコメンド情報の配信は、車載装置や情報端末からの要求に応じて配信するものであってもよいし、定期的にレコメンド情報を配信するものであってもよい。
【実施例】
【0015】
次に、本発明の実施例に係るレコメンド情報提示システムの構成を図1に示す。本実施例に係るレコメンド情報提示システム1は、搭乗者が所有する情報端末10A、10B、車載装置20、およびサーバ30を含んで構成される。ここには一例として2つの情報端末10A、10Bを示すが、情報端末の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、以下の説明では、情報端末10Aは、運転者が所有するものとし、情報端末10Bは、同乗者が所有するものとする。
【0016】
情報端末10A、10Bは、車内に持ち込まれたとき、車載装置20との間で、例えば、無線LAN、WiFi(登録商標)、近距離無線通信手段等の接続手段を介して車載装置20に接続される。また、情報端末10A、10Bは、車載装置20との接続以外にも、無線LANや4GやLTEなどの通信規格によりネットワークを介してサーバ30に接続することが可能である。車載装置20もまた、同様の接続手段を介して情報端末10A、10Bに接続される。また、車載装置20は、無線LANや4GやLTEなどの通信規格によりネットワークを介してサーバ30に接続することが可能である。車載装置20は、後述するように、サーバ30が配信するレコメンド情報を保持し、保持したレコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信したり、車載装置20の表示部に表示させる機能を備える。
【0017】
図2は、本実施例の車載装置20の構成例を示すブロック図である。車載装置20は、撮像部100、入力部110、ナビゲーション部120、接続部130、表示部140、音声出力部150、通信部160、記憶部170、および制御部180を含んで構成される。但し、この構成は例示であり、本発明は、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0018】
撮像部100は、車内に備えられた1つまたは複数の車載カメラから構成され、同乗者や運転者を撮像する。撮像データは、好ましくは運転者や同乗者の状態を監視するために利用される。入力部110は、入力キーデバイス、音声入力認識装置、タッチパネルなどにより、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部180へ提供する。ナビゲーション部120は、GPS信号などを利用して自車位置を算出し、算出された自車位置周辺の道路地図を表示部140へ表示したり、目的地までの経路を探索し、その案内を行う。
【0019】
接続部130は、特定の外部機器との接続を可能にする。具体的には、図1に示すように車内に持ち込まれた情報端末10A、10Bと車載装置20との間の接続を可能にする。接続方法は、特に限定されないが、例えば、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線接続、あるいはUSBケーブル等の有線接続であることができる。
【0020】
表示部140は、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイあるいはHUD(ヘッドアップディスプレイ)などを含む。表示部140は、少なくとも運転者にとって視認可能な位置に配置され、例えば、計器類を含むインスツルメンツを表示するクラスター表示ユニットであったり、運転者の正面のフロントガラス上に投射されるHUDであることができる。表示部140は、ナビゲーション部120による道路地図を表示したり、あるいは、後述する運転者のためのレコメンド情報などを表示する。
【0021】
音声出力部150は、ナビゲーション部120により生成された音声案内等を出力する。通信部160は、図1に示すように車載装置20を外部のインターネットやイントラネット等を介してサーバ30との間でデータ通信を可能にする。通信方法は、特に問わないが、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、その他の通信規格により通信を行う。さらに通信部160は、接続部130により接続された情報端末10A、10Bが通信手段を備えている場合には、その通信手段を利用してネットワークに接続し、サーバ30とデータ通信するものであってもよい。
【0022】
記憶部170は、制御部180が実行するプログラムやソフトウエア、ナビゲーション部120が必要とする道路地図データ等を記憶することができる。また、通信部160を介してサーバ30からレコメンド情報を受信したとき、そのレコメンド情報を記憶する。
【0023】
制御部180は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、車載装置20の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。第1の実施例では、制御部180は、車載装置20に接続された情報端末10A、10Bに対してレコメンド情報を提示するためのレコメンド情報提示プログラムを実行する。
【0024】
図3は、レコメンド情報提示プログラムの機能的な構成例を示す図である。レコメンド情報提示プログラム200は、情報端末認識部210、レコメンド情報保持部220、提示先識別部230、レコメンド情報提示部240、確認判定部250および提示済通知部260を含んで構成される。
【0025】
情報端末認識部210は、例えば、2つの情報端末10A、10Bが接続部130を介して車載装置20に接続されたとき、2つの情報端末10A、10Bの所有者の認識を行う。つまり、運転者の情報端末の識別と、同乗者の情報端末の識別である。図4に、情報端末の認識方法の一例を示す。車載装置20に接続部130を介して2台の情報端末10A、10Bがされたとき、情報端末認識部210は、図4(A)に示すように、表示部140に認識用画面212を表示させる。認識用画面212には、現在接続されている情報端末10A、10Bのリストが表示される。次に、情報端末認識部210は、図4(B)に示すように、運転者の情報端末の選択を促す案内214を表示させ、運転者は、自身の情報端末10Aを選択する。情報端末認識部210は、選択された情報端末10Aを運転者のものと認識し、図4(C)に示すように認識結果216を通知し、情報端末10A以外の情報端末10Bは、同乗者のものと認識する。
【0026】
レコメンド情報保持部220は、サーバ30から配信されるレコメンド情報を保持する。レコメンド情報の取得の経路は、特に限定されないが、例えば、レコメンド情報保持部220は、通信部160を介してネットワーク上のサーバ30が配信するレコメンド情報を取得したり、情報端末10A、10Bの通信機能を介してレコメンド情報を取得したり、あるいは、サーバ30が情報端末10A、10Bに配信したレコメンド情報を情報端末10A、10Bを経由して取得する。
【0027】
また、どのようなレコメンド情報を取得するのかは、特に限定されないが、例えば、車載装置20は、サーバ30に自車位置情報を送信し、サーバ30は、受信した自車位置情報に基づき自車位置周辺のレコメンド情報を車載装置20へ配信したり、あるいは、車載装置20は、接続されている情報端末10A、10Bの所有者の嗜好に関する情報をサーバ30へ送信し、サーバ30は、情報端末10A、10Bの所有者の嗜好に関する情報に応じたレコメンド情報を配信する。後者の場合、情報端末10A、10Bの各々の嗜好に関する情報が情報端末10A、10Bの識別情報に関連付けして予め記憶部170に記憶されているか、情報端末10A、10Bが接続されたとき、ユーザーに嗜好に関する情報を入力させるようにしてもよい。
【0028】
提示先識別部230は、レコメンド情報保持部220によって保持されたレコメンド情報の提示先を識別する。上記したように、車載装置20から情報端末10A、10Bの嗜好に関する情報をサーバ30に送信した場合には、サーバ30から配信されるレコメンド情報には、情報端末の識別情報が付加されるため、提出先識別部230は、当該識別情報に基づきレコメンド情報の提示先を識別することができる。また、サーバ30から情報端末10A、10Bに対して直接配信されたレコメンド情報を車載装置20が取得している場合には、そのレコメンド情報が配信された配信先を提示先として識別することができる。
【0029】
レコメンド情報提示部240は、提示先識別部230によって識別された提示先に基づき、レコメンド情報保持部220に保持されたレコメンド情報を提示する。具体的には、提示先識別部230によってレコメンド情報の提示先が情報端末10Aと識別されたとき、レコメンド情報提示部240は、情報端末認識部210の認識結果から情報端末10Aが運転者のものと認識されるので、レコメンド情報を情報端末10Aに提示するのではなく、レコメンド情報を表示部140へ提示する。また、レコメンド情報の提示先が情報端末10Bと識別されたとき、レコメンド情報底部240は、情報端末10Bが同乗者のものと認識されるので、レコメンド情報を接続部130を介して情報端末10Bに提示する。なお、レコメンド情報の提示は、表示部140への表示に加えて音声出力部150への音声出力を含むものであってもよい。
【0030】
確認判定部250は、レコメンド情報が同乗者の情報端末10Bに提示されたとき、同乗者がレコメンド情報を一定時間以内に確認したか否かを判定する。1つの例では、レコメンド情報が情報端末10Bに対して電子メールのような形式で送信されたとき、情報端末10Bから一定時間経過後に既読通知を受け取ることができない場合には、レコメンド情報が同乗者によって確認されていないと判定する。
【0031】
提示済通知部260は、確認判定部250によって同乗者がレコメンド情報を確認していないと判定された場合、運転者に、同乗者に対してレコメンド情報が提示済みであることを通知する。この通知は、情報端末10Aにではなく、表示部140に提示される。運転者は、当該通知により、レコメンド情報が同乗者に提示されているにもかかわらず同乗者がレコメンド情報を確認していないことを知り、運転者は、同乗者にレコメンド情報の確認を促すことが可能になる。
【0032】
次に、本実施例のレコメンド情報提示動作のフローを図5に示す。先ず、提示先識別部230は、レコメンド情報の提示先を識別する(S100)。次に、レコメンド情報提示部240は、提示先が情報端末10A、すなわち運転者であるとき、レコメンド情報を運転者が視認可能な表示部140へ提示し(S110)、提示先が情報端末10B、すなわち同乗者であるとき、レコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信する(S120)。
【0033】
運転者は、表示部140にレコメンド情報が表示されるので、情報端末10Aを確認することなくレコメンド情報を容易に視認することができる。一方、同乗者は、自身の情報端末10Aのメールボックスやアイコン等に表示されたレコメンド情報を確認することができる。しかしながら、同乗者が居眠りをしていたり、情報端末10Bをバッグの中にしまいこんでいる場合には、レコメンド情報が送信されたことに気が付かない場合がある。確認判定部250は、一定時間以内に同乗者によってレコメンド情報が確認されたか否か判定し(S130)、未確認であると判定した場合には、運転者に対して、同乗者にレコメンド情報を提示済みであることを表示部140を介して通知する(S140)。これにより、運転者は、同乗者に対してレコメンド情報が提示されていることを知らせることができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、同乗者がレコメンド情報を確認したか否かを判定したが、第2の実施例ではさらに、同乗者の状態を検知し、その検知結果に基づき同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定する。図6は、第2の実施例によるレコメンド情報提示プログラム200Aの機能的なブロック図である。
【0035】
レコメンド情報提示プログラム200Aは、第1の実施例のときの構成に加えて、同乗者状態検知部270を有する。同乗者状態検知部270は、同乗者の状態を検知するが、1つの例では、同乗者状態検知部270は、撮像部110によって撮像された画像データを解析処理することで、同乗者の状態を検知する。例えば、同乗者の動きが一定期間ない場合、あるいは同乗者の眼球が検出されない場合、同乗者は居眠りをしていると推定される。また、同乗者状態検知部270は、接続部130を介して情報端末10Bに搭載されているセンサなどから情報から同乗者の状態を検知するようにしてもよい。例えば、情報端末10Bが照度センサを有するとき、照度が一定以下である場合には、情報端末10Bがバッグ等に収容されていることが推定される。
【0036】
確認判定部250は、同乗者状態検知部270の検知結果に基づき、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるか否かを判定し、その判定結果が、提示済通知部260またはレコメンド情報提示部240へ提供される。
【0037】
図7に、第2の実施例によるレコメンド情報提示動作のフローを示す。図中、ステップS100〜S130までは、第1の実施例のときと同じであるので説明を省略する。確認判定部250によって、同乗者が一定期間経過後にレコメンド情報が未確認であると判定されると(S130)、これに応答して同乗者状態検知部270は、同乗者の状態を検知する(S200)。この検知結果が再度、確認判定部250へ提供され、確認判定部250は、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあるのか否かを判定する(S210)。例えば、同乗者が居眠りをしていると推定されたり、情報端末10Bがバッグの中に入っていると推定された場合には、レコメンド情報を確認できる状態にはないと判定される。
【0038】
同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にないと判定された場合には、その判定結果を受けて、提示済通知部260は、第1の実施例のときと同様に、同乗者に対してレコメンド情報を提示済みである通知を表示部140を介して運転者へ通知する(S220)。一方、同乗者がレコメンド情報を確認できる状態にあると判定された場合には(S210)、その判定結果を受けて、レコメンド情報提示部240は、同乗者の情報端末10Bにレコメンド情報を再送する(S230)。これにより、同乗者は、レコメンド情報が受信されたことに気付くことができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第1および第2の実施例は、レコメンド情報の提示先が同乗者である場合を示したが、第3の実施例は、レコメンド情報の提示先が運転者である場合に関する。図8は、第3の実施例によるレコメンド情報提示プログラムの機能的な構成を示すブロック図である。レコメンド情報提示プログラム200Bは、第1および第2の実施例のときに加えて、車両状態検知部280を有する。車両状態検知部280は、提示先判定部230によってレコメンド情報の提示先が情報端末10A、すなわち運転者であると識別されたとき、車両の状態を検知する。車両状態検知部280は、例えば、車速パルス、パーキングブレーキのオン/オフ情報、ナビゲーション部120で利用するGPS信号などを検知する。
【0040】
レコメンド情報提示部240は、車両状態検知部280の検知結果を受け取り、車両が走行中か否かを判定し、すなわち運転者が運転中か否かを判定し、運転中であると判定した場合には、さらに情報端末認識部210の認識結果に基づき同乗者が存在するか否かを判定する。運転中であり、かつ同乗者が存在すると判定された場合には、レコメンド情報提示部240は、提示先識別部230の提示先が運転者であったとしても、運転者にレコメンド情報を提示せず、同乗者にレコメンド情報を提示する。他方、運転中でないと判定されたとき、または同乗者が存在しないと判定されたときには、提示先識別部230で識別された提示先に従い運転者にレコメンド情報を提示する。
【0041】
図9は、第3の実施例によるレコメンド情報提示動作のフローである。先ず、提示先識別部230によってレコメンド情報の提示先が識別される(S300)。レコメンド情報の提示先が情報端末10B、すなわち同乗者であると識別された場合には、例えば、第1および第2の実施例のときの処理フローに従うことができる。他方、提示先が情報端末10A、すなわち運転者であると識別された場合には、レコメンド情報提示部240は、直ちにレコメンド情報を提示するのではなく、車両状態検知部280の検知結果が得られるまで提示を一時ホールドする。
【0042】
車両状態検知部280は、車両状態を検知し(S320)、その検知結果をレコメンド情報提示部240へ提供する。レコメンド情報提示部240は、検知結果に基づき運転者が運転中か否かを判定し(S330)、運転中でないと判定した場合には、提示先に従いレコメンド情報を表示部140に表示させる(S340)。他方、運転中であると判定した場合には、さらに情報端末認識部210の認識結果に基づき同乗者が存在するか否かを判定し、同乗者が存在しなければ、レコメンド情報を表示部140に表示させ(S340)、同乗者が存在すれば、レコメンド情報を同乗者の情報端末10Bに送信する(S360)。
【0043】
このように第3の実施例によれば、運転者へのレコメンド情報であっても、運転中か否かを判定し、運転中であれば、同乗者へレコメンド情報を提示することで、運転の障害になり得る外的要因を少なくすることができる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1:レコメンド情報提示システム 10A、10B:情報端末
20:車載装置 30:サーバ
100:撮像部 110:入力部
120:ナビゲーション部 130:接続部
140:表示部 150:音声出力部
160:通信部 170:記憶部
180:制御部
200、200A、200B:レコメンド情報提示プログラム
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9