(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記のようなフロートを有する膜分離ユニットに、一般的な散気装置による洗浄を採用した場合、気泡および気泡の上昇により形成される気液混相の上向流がフロートの下面にぶつかることによる衝撃、並びに、フロートの下面に気相又は気液混相が存在することによる浮力の変動によって、膜分離装置が揺動するといった問題がある。
【0007】
本発明は、揺動を抑制することができる膜分離装置および膜分離設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、被処理液中に浸漬された状態で被処理液を固液分離する膜分離ユニットと、
膜分離ユニットに浮力を付与して膜分離ユニットを被処理液中に浮かせる浮上手段とを有し、
膜分離ユニットは
、膜エレメントと、膜エレメントの下方に設けられた散気手段
とを有し、
浮上手段は、内部に空気を貯留する貯留部を有するとともに、下面に開口部を有し、
浮上手段は、散気手段から放出される気泡を、開口部を通じて貯留部に貯留することで、浮力を得
ており、
浮上手段の開口部は膜分離ユニットの上方に位置し、
膜エレメントは浮上手段の開口部よりも下方に位置し、
平面視において浮上手段は膜分離ユニットの上方全域を覆っており、
散気手段から放出される気泡が浮上手段の開口部に向って浮上するものである。
【0009】
これによると、散気手段から放出された気泡は、上昇しながら膜分離ユニット内を通過し、浮上手段の開口部から貯留部に貯留される。このような気泡の上昇により気液混相の上向流が発生するが、浮上手段は下面に開口部を有しているため、上向流の大部分は、膜分離ユニット内を通過した後、浮上手段の下面に直接当ることはなく、開口部に形成される自由水面で気泡が放出された後、側方又は下方に向きを変えて流れる。これにより、膜分離装置の揺動を抑制することができる。
【0010】
また、散気手段から放出された気泡が上昇しながら膜分離ユニット内を通過する際、膜分離ユニットの分離膜表面が気泡および上向流によって洗浄されるため、散気手段から気泡を放出することによって、浮上手段の浮力が得られるとともに、膜分離ユニットの分離膜表面が洗浄されるといった2つの機能を得ることができる。
【0012】
本第
2発明における膜分離装置は、浮上手段は被処理液面に浮上しており、
浮上手段が傾くのを防止する
樹脂製の四角枠状の補助浮上部材が浮上手段
の貯留部内に設けられているものである。
これによると、外部から浮上手段に偏った荷重等が作用しても、浮上手段が異常に傾くのを防止することができ、被処理液面での浮上手段の姿勢が安定して保たれる。
【0013】
本第
3発明における膜分離装置は、浮上手段は膜分離ユニットに着脱可能に設けられているものである。
これによると、浮上手段を膜分離ユニットに装着することにより、膜分離ユニットが被処理液中に浮かんだ状態で、被処理液を固液分離することができる。また、浮上手段を膜分離ユニットから取り外すことにより、膜分離ユニットを処理槽の底部に設置した状態で、被処理液を固液分離することができる。
【0014】
本第
4発明は、上記第1発明から第
3発明のいずれか1項に記載の膜分離装置を複数台隣接して配置した膜分離設備であって、
隣接する膜分離装置の浮上手段同士が連結手段によって連結されているものである。
【0015】
これによると、隣接する膜分離装置が離間するのを防止することができるとともに、各膜分離装置の揺動を抑制することができる。
本第
5発明における膜分離設備は、隣接する膜分離装置の浮上手段の上部に、作業者が歩行可能な通路が構成されるものである。
【0016】
これによると、作業者は、浮上手段の上部の通路を歩いて目的の膜分離装置まで移動し、目的の膜分離装置に対して保守点検等の作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によると、気泡および上向流の大部分は、膜分離ユニット内を通過した後、浮上手段の下面に直接当ることはなく、これにより、膜分離装置の揺動を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、
図1〜
図3に示すように、1は下水等の排水を活性汚泥処理する処理槽であり、処理槽1内には膜分離設備2が設けられている。膜分離設備2は複数台の膜分離装置3が隣接して配置されたものである。尚、膜分離装置3の配列方向を前後方向Aとし、配列方向に直交する方向を左右方向Bとする。
【0020】
膜分離装置3は、被処理水10中に浸漬された状態で被処理水10を固液分離する膜分離ユニット11と、膜分離ユニット11に浮力を付与して膜分離ユニット11を被処理水10中に浮かせる浮上手段12とを有している。
【0021】
膜分離ユニット11は、ケーシング14と、ケーシング14内に設けられた複数の膜エレメント15および散気手段16とを有している。
ケーシング14は、上下両面が開口した四角箱状の部材であり、上部の膜ケース18と下部の散気ケース19とに分割可能である。膜ケース18の下端部と散気ケース19の上端部とは複数のボルト,ナット20を介して連結されている。ケーシング14の内部と外部とは、ケーシング14の上下両面の開口部14a,14bを介して連通している。ケーシング14の上部外面には、複数(
図3では4枚)の吊上用ブラケット17が設けられている。
【0022】
各膜エレメント15は、四角平板状の濾板21と、濾板21の両面に装着された濾過膜22とを有しており、縦姿勢で所定間隔をあけて膜ケース18内に配列されて収納され、膜ケース18内で支持されている。
【0023】
各膜エレメント15の濾過膜22を透過した透過水23は、膜エレメント15の内部を通り、複数の接続チューブ24を経て、集合管25に集められる。集合管25はケーシング14に支持されている。
【0024】
散気手段16は、各膜エレメント15の下方に設けられた主管27と、主管27に設けられた複数の枝管28とを有している。枝管28に形成された複数の噴出孔(図示省略)から気泡を放出することで、散気が行われる。
【0025】
浮上手段12は、被処理水10の水面10aに浮上しており、
図4に示すように、ステンレス鋼等の金属製の外枠30と、外枠30内に格納された樹脂製のフロート31とを有している。外枠30は複数のフレーム32を四角枠状に組み付けたものである。
【0026】
図1,
図2に示すように、フロート31は、内部に空気を貯留する貯留部33を有するとともに、貯留部33に連通する開口部34を下面に有している。フロート31は、散気手段16から放出される気泡を、開口部34を通じて貯留部33に貯留することで、浮力を得る。尚、開口部34は膜分離ユニット11の上方に位置している。
【0027】
図1〜
図4に示すように、膜分離ユニット11と浮上手段12とは複数本(
図4では4本)の連結部材36を介して連結されている。すなわち、各連結部材36は浮上手段12の外枠30に設けられて垂下され、各連結部材36の下端部がボルト,ナット等の締結具37を介してケーシング14の吊上用ブラケット17に締結されている。これにより、浮上手段12は、連結部材36を介して、着脱自在に膜分離ユニット11に連結されている。また、連結部材36の上端部には、吊上げ用の穴38が形成されている。
【0028】
隣接する膜分離装置3の浮上手段12同士は、常用される複数の第1連結手段39によって、着脱自在に連結されている。第1連結手段39は、第1連結板40と、第1連結板40の一端部を隣接する一方の浮上手段12の外枠30に締結するボルト等の第1締結具41と、第1連結板40の他端部を隣接する他方の浮上手段12の外枠30に締結するボルト等の第1締結具42とを有している。
【0029】
浮上手段12の外枠30の両側部には、ボルト等の締結具44により、配管支持部材45,46が着脱自在に取り付けられている。このうち、一方の配管支持部材45には、透過水管48が支持されてUボルト(図示省略)等で固定され、他方の配管支持部材46には、空気供給管49が支持されてUボルト(図示省略)等で固定されている。これにより、
図1,
図3に示すように、透過水管48と空気供給管49とは浮上手段12の上方から左右方向Bへ退避した位置において配管支持部材45,46で支持されている。
【0030】
透過水管48と各膜分離装置3の集合管25とは、複数の一方の連通管51を介して連通している。尚、各一方の連通管51にはフランジ部52とバルブ53とが設けられ、透過水管48と各一方の連通管51とはフランジ部52を介して分離可能に接続されている。
【0031】
空気供給管49と各膜分離装置3の散気手段16の主管27とは、複数の他方の連通管55を介して連通している。尚、各他方の連通管55にはフランジ部56とバルブ57とが設けられ、空気供給管49と各他方の連通管55とはフランジ部56を介して分離可能に接続されている。
【0032】
隣接する各膜分離装置3の浮上手段12の上面には、作業者59が歩行可能な通路60が構成されている。尚、
図6に示すように、透過水管48は、可撓性を有する変形自在な接続管67を介して、地上の配管(図示省略)に接続され、同様に、空気供給管49は可撓性を有する変形自在な別の接続管(図示省略)を介して、地上の別の配管(図示省略)に接続されている。尚、透過水管48に接続した地上の配管には、自吸式吸引ポンプ(図示省略)が接続され、空気供給管49に接続した地上の別の配管には、散気用の空気を供給するブロワ装置(図示省略)が接続されている。
【0033】
また、
図6に示すように、膜分離設備2の最も端に位置する膜分離装置3の浮上手段12は、ダンパー79を介して、処理槽1の仕切壁80に接続されている。
また、膜分離装置3の浮上手段12と、この膜分離装置3の2台隣りの膜分離装置3の浮上手段12とは、作業時に一時的に用いられる左右一対の第2連結手段62によって、着脱自在に連結可能である。第2連結手段62は、第2連結板63と、第2連結板63の一端部を隣接する一方の浮上手段12の外枠30の側面に締結するボルト等の第2締結具64と、第2連結板63の他端部を隣接する他方の浮上手段12の外枠30の側面に締結するボルト等の第2締結具65とを有している。
【0034】
尚、通常の活性汚泥処理を行っている場合、隣接する膜分離装置3の浮上手段12同士が第1連結手段39によって連結されており、この際、第2連結手段62は使用されない。
【0035】
以下、上記構成における作用を説明する。
自吸式吸引ポンプとブロワ装置とを駆動することにより、散気用の空気が、空気供給管49から他方の連通管55を通って各膜分離装置3の散気手段16の主管27に流れ、枝管28の噴出孔から放出される。このようにして散気手段16から放出された気泡73は、
図1,
図2に示すように、上昇しながら膜分離ユニット11内の膜エレメント15間を通過し、フロート31の開口部34に面した水面10bに向って浮上し、開口部34から貯留部33に貯留される。
このような気泡73の上昇により気液混相の上向流75がケーシング14内に発生するが、フロート31は下面に開口部34を有しているため、気泡73および上向流75の大部分は、膜分離ユニット11内を通過した後、フロート31の下面に直接当ることはなく、開口部34に面した水面10bで気泡73が放出された後、側方又は下方へ向きを変えて流れる。これにより、膜分離装置3の揺動を抑制することができる。
【0036】
また、膜エレメント15の濾過膜22の表面が気泡73および上向流75によって洗浄されるため、散気手段16から気泡73を放出することによって、フロート31の浮力が得られるとともに、膜エレメント15が洗浄されるといった2つの機能を得ることができる。
【0037】
また、被処理水10は、各膜エレメント15の濾過膜22を透過し、透過水23として、各膜エレメント15から接続チューブ24を経て集合管25に集められ、集合管25から一方の連通管51を経て透過水管48に取り出され、固液分離される。
【0038】
このような通常の活性汚泥処理を行っている場合、
図2,
図3に示すように、隣接する膜分離装置3の浮上手段12同士が第1連結手段39によって連結されているため、隣接する膜分離装置3同士が離間するのを防止することができる。
【0039】
また、
図6に示すように、作業者59は、浮上手段12の通路60を歩いて目的の膜分離装置3まで移動し、目的の膜分離装置3を吊上げて保守点検等の作業を行うことができる。保守点検等の際、目的の膜分離装置3を吊上げるには下記のような作業を行う。
【0040】
図6,
図7に示すように、目的の膜分離装置3の両隣りC1,C2の膜分離装置3の浮上手段12同士を第2連結手段62によって連結する。そして、第1連結手段39の第1締結具41,42を取り外して、目的の膜分離装置3の浮上手段12とその一方C1で隣り合った膜分離装置3の浮上手段12とを分離するとともに、目的の膜分離装置3の浮上手段12とその他方C2で隣り合った膜分離装置3の浮上手段12とを分離する。
【0041】
次に、締結具44(
図1参照)を外して、目的の膜分離装置3の一方および他方の配管支持部材45,46を浮上手段12の外枠30から取り外し、さらに、透過水管48と目的の膜分離装置3の一方の連通管51とをフランジ部52から分離し、空気供給管49と目的の膜分離装置3の他方の連通管53とをフランジ部56から分離する。
【0042】
その後、
図5〜
図7に示すように、目的の膜分離装置3の連結部材36の穴38に吊上げ装置のフック76を引っ掛けて、目的の膜分離装置3を吊上げることができる。この際、目的の膜分離装置3は、左右一対の第2連結手段62間および透過水管48と空気供給管49との間を通って吊上げられる。このようにして吊上げた目的の膜分離装置3を処理槽1の外部の所定場所まで搬送し、保守点検を行う。
【0043】
保守点検中は、吊上げられた目的の膜分離装置3の両隣りC1,C2の膜分離装置3の浮上手段12同士が第2連結手段62によって連結されているため、これら両膜分離装置3同士の間隔77が不用意に増減することはなく、所定の間隔77に保たれる。
【0044】
目的の膜分離装置3を保守点検した後、目的の膜分離装置3を吊上げた状態で処理槽1上まで搬送し、目的の膜分離装置3を元の位置に降ろす。その後、第1連結手段39を装着して目的の膜分離装置3の浮上手段12とその両方で隣り合った膜分離装置3の浮上手段12とを連結し、第2連結手段62を取り外す。
【0045】
その後、
図1に示すように、目的の膜分離装置3の一方および他方の配管支持部材45,46を浮上手段12の外枠30に取り付け、さらに、透過水管48と目的の膜分離装置3の一方の連通管51とをフランジ部52で接続し、空気供給管49と目的の膜分離装置3の他方の連通管53とをフランジ部56で接続する。
【0046】
また、浮上手段12を膜分離ユニット11に装着しているため、膜分離ユニット11が被処理水10中に浮かんだ状態で、被処理水10を固液分離することができる。また、ボルト,ナット等の締結具37を取り外して、連結部材36の下端部とケーシング14の吊上用ブラケット17とを分離することにより、浮上手段12を膜分離ユニット11から取り外すことができる。これにより、膜分離ユニット11を処理槽1の底部に設置した状態で、被処理水10を固液分離することができる。このような二通りの使い方が可能であるため、例えば、膜分離ユニット11を一時的に使って処理槽1内の被処理水10を処理したい場合等において、処理槽1内の被処理水10を全て抜いた後に膜分離ユニット11を処理槽1内に据付け固定するといった工事を行うことなく、膜分離ユニット11に浮上手段12を装着して被処理水10に投入するだけで、膜分離ユニット11を使った処理が一時的に可能となるため、有用である。
【0047】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、
図8,
図9に示すように、浮上手段12のフロート31内には、浮上手段12が傾くのを防止する補助浮上部材84が設けられている。補助浮上部材84は、例えば発泡スチロール等の嵩比重の小さい樹脂で、四角枠状に形成されている。
【0048】
これによると、外部から浮上手段12に偏った荷重等が作用しても、浮上手段12が異常に傾くのを防止することができ、被処理液水10の水面10aでの浮上手段12の姿勢が安定して保たれる。
【0049】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、
図10に示すように、膜ユニット11の下端部に錘91が設けられている。これによると、散気手段16で散気を行っている際、膜分離装置3の揺動を抑制することができる。尚、錘91を設けることにより、膜分離装置3の重心92を、錘91の下端から膜分離装置3の全高の三分の一の高さ以下に調整するのが適切である。
【0050】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、
図11,
図12に示すように、透過水管48は複数の透過水分割管48aに分割され、これら透過水分割管48a同士がフランジ48bを介して分割可能に接合されている。各透過水分割管48aはそれぞれ一方の配管支持部材45で支持されている。
【0051】
同様に、空気供給管49は複数の空気供給分割管49aに分割され、これら空気供給分割管49a同士がフランジ49bを介して分割可能に接合されている。各空気供給分割管49aはそれぞれ他方の配管支持部材46で支持されている。
【0052】
以下、上記構成における作用を説明する。
隣接する膜分離装置3の透過水分割管48a同士がフランジ48bを介して接合され、空気供給分割管49a同士がフランジ49bを介して接合されているため、隣接する膜分離装置3同士の連結強度を十分に確保することができる。
【0053】
また、目的の膜分離装置3を吊上げて保守点検等の作業を行う際、目的の膜分離装置3の透過水分割管48aをフランジ48bにおいて透過水管48から分割するとともに、空気供給分割管49aをフランジ49bにおいて空気供給管49から分割する。これにより、目的の膜分離装置3を透過水分割管48aおよび空気供給分割管49aと共に吊上げることができ、目的の膜分離装置3の一方および他方の配管支持部材45,46を浮上手段12の外枠30から取り外す必要はない。
【0054】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、
図13〜
図15に示すように、処理槽1内の被処理水10の水面10aに、金属製の四角形状の固定枠95が設けられている。固定枠95は、複数のフレーム95aで囲まれた複数の収納部96を有している。各膜分離装置3の浮上手段12が収納部96に収納されている。尚、固定枠95の四隅はチェーン等の固定部材97によって処理槽1の仕切壁80に固定されている。
【0055】
以下、上記構成における作用を説明する。
各膜分離装置3の浮上手段12が固定枠95の収納部96に収納されているため、隣接する膜分離装置3同士が接近離間するのを防止することができ、第1および第2連結手段39,62を不要にすることができる。これにより、目的の膜分離装置3を吊上げて保守点検等の作業を行う際、第1および第2連結手段39,62の着脱作業が不要である。
【0056】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、
図16に示すように、処理槽1の底部に散気装置100が設けられている。膜分離装置3のケーシング14の下端部にはスカート101が設けられている。スカート101は、下面が開放された四角枠状の枠板部102と、枠板部102の上部に設けられた多孔板103とを有している。尚、多孔板103に形成された複数の貫通孔103aを介して、スカート101の内部と散気ケース19の内部とが連通している。
【0057】
以下、上記構成における作用を説明する。
散気装置100から放出された気泡104は、上昇してスカート101内に回収され、多孔板103の貫通孔103aを通過した後、上昇しながら膜分離ユニット11内の膜エレメント15間を通過し、フロート31の開口部34に面した水面10bに向って浮上し、開口部34から貯留部33に貯留される。これにより、処理槽1の底部に既に散気装置100が設置されている場合に、このような既存の散気装置100を有効利用することができる。
【0058】
尚、上記のように気泡104が多孔板103の貫通孔103aを通過する際、気泡104同士が合体して大型化するため、膜エレメント15が洗浄効果が向上する。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、
図17に示すように、自吸式吸引ポンプ70とブロワ装置71とが1台の膜分離装置3の浮上手段12上に設置されている。自吸式吸引ポンプ70と集合管25とは一方の連通管51を介して連通している。また、ブロワ装置71と散気手段16の主管27とは他方の連通管55を介して連通している。
【0059】
以下、上記構成における作用を説明する。
処理槽1内の被処理水10に膜分離装置3を浮かべ、自吸式吸引ポンプ70とブロワ装置71とを電源に接続した後、これら自吸式吸引ポンプ70とブロワ装置71とを駆動することにより、直ちに膜分離装置3を稼働して濾過運転を行うことができる。これにより、1台の膜分離装置3についての性能確認試験等を手軽に実施することができる。
(第8の実施の形態)
以下、第8の実施の形態を、
図18〜
図21を用いて説明する。尚、上記第1〜第7の実施の形態で説明した構成部材と同じ構成部材については、同一の符号を付記して、詳細な説明を省略する。
【0060】
浮上手段12はフロート31を有しており、フロート31は、嵩比重の小さい樹脂等の材質で作成されたロの字型の部材であり、中央部に開口部107を有している。
膜分離ユニット11は、フロート31の開口部107の下方において、複数の連結部材36を介して浮上手段12に懸垂した状態で浮かんでいる。
【0061】
各連結部材36の下端部はボルト,ナット等の締結具37によって膜ケース18の吊上用ブラケット17に締結されている。連結部材36は、上下方向に長い本体部108と、本体部108の上端から横方向へ延びた係合部109とを有している。連結部材36の本体部108はフロート31の開口部107内において被処理水10の水面10aから上方へ突出し、係合部109は上方から浮上手段12に係合可能である。
【0062】
尚、係合部109はボルト等の固定具110によって浮上手段12に固定されている。
また、浮上手段12上には透過水管48と空気供給管49とが配設されている。
透過水管48と各膜分離装置3の集合管25とは、複数の一方の連通管51を介して連通している。尚、各一方の連通管51にはフランジ部52とバルブ53とが設けられ、透過水管48と各一方の連通管51とはフランジ部52を介して分離可能に接続されている。
【0063】
空気供給管49と各膜分離装置3の散気手段16の主管27とは、複数の他方の連通管55を介して連通している。尚、各他方の連通管55にはフランジ部56とバルブ57とが設けられ、空気供給管49と各他方の連通管55とはフランジ部56を介して分離可能に接続されている。
【0064】
また、隣接する膜分離装置3の浮上手段12同士は複数の第1連結手段39によって、着脱自在に連結されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0065】
目的の膜分離ユニット11を吊上げて保守点検等の作業を行う際、先ず、透過水管48と目的の膜分離装置3の一方の連通管51とをフランジ部52から分離し、空気供給管49と目的の膜分離装置3の他方の連通管55とをフランジ部56から分離する。
【0066】
さらに、
図21に示すように、固定具110を外して係合部109の固定を解除し、連結部材36の穴38に吊上げ装置のフック76を引っ掛けて、目的の膜分離ユニット11を吊上げることができる。この際、目的の膜分離ユニット11はフロート31の開口部107を通って吊上げられ、浮上手段12を被処理水10の水面10aに残したまま、膜分離ユニット11のみを容易に吊上げることができる。このようにして吊上げた目的の膜分離ユニット11を処理槽1の外部の所定場所まで搬送し、保守点検を行う。
【0067】
保守点検した後、目的の膜分離ユニット11を吊上げた状態で処理槽1上まで搬送し、目的の膜分離ユニット11をフロート31の開口部107内に降ろす。これにより、
図18に示すように、各連結部材36の係合部109が上方から浮上手段12に係合し、膜分離ユニット11が複数の連結部材36を介して浮上手段12に懸垂した状態で浮かぶ。
【0068】
その後、固定具110によって係合部109を浮上手段12に固定し、透過水管48と目的の膜分離ユニット11の一方の連通管51とをフランジ部52で接続し、空気供給管49と目的の膜分離ユニット11の他方の連通管53とをフランジ部56で接続する。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態では、
図22,
図23に示すように、フロート31は、嵩比重の小さい樹脂等の材質で作成されており、ロの字型の枠フロート115と、枠フロート115の内側に設けられた複数の仕切りフロート116とを有し、これら枠フロート115と仕切りフロート116とで囲まれた複数の開口部107が形成されている。
【0069】
複数の膜分離ユニット11がそれぞれ、フロート31の各開口部107の下方において、連結部材36を介して浮上手段12に懸垂した状態で浮かんでいる。
これによると、浮上手段12を被処理水10の水面10aに残したまま、各膜分離ユニット11を1台ずつ容易に吊上げることができる。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態では、
図24〜
図26に示すように、吊上用ブラケット17が散気ケース19に設けられ、複数の連結部材36の下端部が締結具37によって散気ケース19の吊上用ブラケット17に連結されている。
【0070】
また、膜ケース18は、散気ケース19上に、分離可能に載置されて支持されている。膜ケース18の上部外面には複数の上部案内体120が設けられ、膜ケース18の下部外面には複数の下部案内体121が設けられている。これら上部および下部案内体120,121はそれぞれ、凹部122を有する平面視においてコの字型の部材である。各連結部材36の本体部108は、上下方向から、上部および下部案内体120,121の凹部122に挿通されている。
【0071】
また、膜ケース18の上部には、チェーン等の複数の吊上用索体124が接続されている。尚、吊上用索体124の上端部は、フロート31の内周面の上部に、取り外し可能に掛止されている。
【0072】
これによると、膜分離装置3の横揺れ(ローリング)や縦揺れ(ヒービング)が抑制される。
また、
図26に示すように、浮上手段12を被処理水10の水面10aに残し、散気手段16と散気ケース19一式とを被処理水10中に残したままで、膜エレメント15と共に膜ケース18一式を容易に水面10aの上方へ吊上げることができる。
【0073】
この際、各吊上用索体124の上端部を、フロート31から取り外して、吊上用治具126のフック127に引っ掛ける。その後、吊上用治具126をクレーン128で吊上げることにより、膜ケース18が、水面10a下の散気ケース19から分離して、収納された膜エレメント15と共に上昇する。この際、膜ケース18は、上部および下部案内体120,121を介して、各連結部材36の本体部108に案内されながら上昇する。
【0074】
このようにして膜ケース18を膜エレメント15と共に水面10aの上方へ吊上げることにより、膜エレメント15に対して容易に保守点検等を行うことができる。
保守点検後、
図24に示すように、膜エレメント15と共に膜ケース18を上方から吊り下げて水面10a下の散気ケース19上に降ろす。この際、膜ケース18は、上部および下部案内体120,121を介して、各連結部材36の本体部108に案内されながら下降する。
【0075】
膜ケース18が散気ケース19上に降ろされた後、吊上用治具126のフック127を吊上用索体124から外し、
図24に示すように、吊上用索体124の上端部をフロート31の上部に掛止する。
【0076】
上記のように、膜ケース18を吊り上げおよび吊り下げる際、膜ケース18は上部および下部案内体120,121を介して各連結部材36の本体部108に案内されながら上下移動するため、膜ケース18が散気ケース19から前後左右方向A,Bにずれてしまうのを防止することができる。
【0077】
尚、各連結部材36は、浮上手段12と散気ケース19とを連結する役割に加えて、膜ケース18を上下方向に案内する役割も兼ね備えているため、別途、専用の案内部材を設ける必要はなく、部品点数を削減し、膜分離装置3を軽量化することができる。
【0078】
上記第8〜第10の実施の形態では、フロート31を水よりも嵩比重の小さい樹脂で製作しているが、上記第1〜第7の実施の形態で記載したように、貯留部33と開口部34とを備えたフロート31を用いてもよい。さらには、可撓性シート等を袋状に形成した中に気体を充填して浮力を得るタイプのフロートを用いてもよい。
【0079】
上記第1〜第6の実施の形態では、
図1に示すように、透過水管48と空気供給管49とを、浮上手段12の上方から左右方向Bへ退避した位置において配管支持部材45,46で支持しているが、浮上手段12の上方に支持してもよい。また、透過水管48と空気供給管49とを処理槽1の仕切壁80の上方に設置してもよい。この場合、透過水管48と空気供給管49との重量は浮上手段12に作用しないため、フロート31を小型化できる。