(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の制御端子および第1の動作基準端子を有し、前記第1の制御端子と前記第1の動作基準端子との電位差に応じてオンオフする第1のスイッチ素子と、前記第1の制御端子に制御信号を供給する制御信号生成手段と、を備え、前記第1のスイッチ素子のオンオフにより直流電源から負荷への電力の供給を制御する制御回路であって、
前記制御信号または前記直流電源から供給される電源電圧に基づいて、前記第1の制御端子に前記制御信号を供給するか否かを制御する制御信号供給制御手段と、
前記第1の制御端子と前記第1の動作基準端子とを接続するインピーダンス素子と、
を備え、
前記制御信号供給制御手段は、前記制御信号の電圧または前記電源電圧が予め定められた閾値電圧未満であれば、前記第1の制御端子への前記制御信号の供給を停止し、
前記制御信号供給制御手段は、前記制御信号生成手段と前記第1の制御端子との間に設けられた第3のスイッチ素子を備え、
前記第3のスイッチ素子に並列接続された整流素子を備え、
前記整流素子は、前記第1の制御端子から前記制御信号生成手段に向かって整流する向きに設けられ、
前記第3のスイッチ素子は、
前記制御信号の電圧または前記電源電圧が前記閾値電圧以上である場合に、オン状態になり、
前記制御信号の電圧または前記電源電圧が前記閾値電圧未満である場合に、オフ状態になり、
前記第3のスイッチ素子は、第3の制御端子と、前記制御信号生成手段が接続された第3の入力端子と、前記第1の制御端子が接続された第3の出力端子と、を備え、
前記制御信号供給制御手段は、前記制御信号の電圧または前記電源電圧を分圧して、前記第3の制御端子と前記第3の入力端子との間に印加する分圧手段を備え、
前記第3のスイッチ素子は、前記第3の制御端子と前記第3の入力端子との電位差に基づいてオンオフすることを特徴とする制御回路。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合せを含む様々なバリエーションが可能である。このため、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御回路1の回路図である。制御回路1は、
図11に示した関連技術に係る制御回路100とは、制御信号供給制御手段としての制御信号供給制御部20と、インピーダンス素子としての抵抗R11と、整流素子としてのダイオードD13と、を備える点と、制御信号生成部110の代わりに制御信号生成手段としての制御信号生成部10を備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、関連技術と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
なお、本実施形態では、スイッチ素子Q11のことを第2のスイッチ素子Q11と呼び、スイッチ素子Q12のことを第1のスイッチ素子Q12と呼ぶ。
第2のスイッチ素子Q11は、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合において、直流電源200から負荷300への電力供給を制御するための素子として機能する。この第2のスイッチ素子Q11は、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。
第1のスイッチ素子Q12は、制御回路1に対して直流電源200が逆接続されている場合において、負荷300から直流電源200への逆電流を防止するための素子として機能する。この第1のスイッチ素子Q12は、第1の制御端子としてのゲートと、第1の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。
【0023】
制御信号供給制御部20は、制御信号生成部10から出力される制御信号S11に基づいて、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートに制御信号S11を供給するか否かを制御する。この制御信号供給制御部20は、第3のスイッチ素子Q13と、分圧手段としての分圧部21と、を備える。
【0024】
第3のスイッチ素子Q13は、PNP型トランジスタであり、第3の制御端子としてのベースと、第3の入力端子としてのエミッタと、第3の出力端子としてのコレクタと、の3つの端子を備える。この第3のスイッチ素子Q13は、制御信号生成部10と第1のスイッチ素子Q12のゲートとの間に設けられ、第3のスイッチ素子Q13のエミッタには、制御信号生成部10が接続され、第3のスイッチ素子Q13のコレクタには、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートが接続される。第3のスイッチ素子Q13のベースには、分圧部21が接続される。
【0025】
分圧部21は、抵抗R12と、抵抗R12に直列接続された抵抗R13と、を備える。抵抗R12の一端には、第3のスイッチ素子Q13のエミッタが接続され、抵抗R12の他端には、抵抗R13の一端と、第3のスイッチ素子Q13のベースと、が接続され、抵抗R13の他端には、基準電位源GNDが接続される。
【0026】
抵抗R11の一端には、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートが接続され、抵抗R11の他端には、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのソースが接続される。
【0027】
ダイオードD13は、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートから制御信号生成部10に向かって整流する向きで、第3のスイッチ素子Q13に並列接続される。ダイオードD13のアノードには、第3のスイッチ素子Q13のコレクタが接続され、ダイオードD13のカソードには、第3のスイッチ素子Q13のエミッタが接続される。
【0028】
制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合には、ダイオードD1を介して直流電源200から制御信号生成部10に電力が供給される。この場合、制御信号生成部10は、供給された電力により動作して、閾値電圧以上の制御信号S11と、閾値電圧未満の制御信号S11と、を適宜切り替えて出力する。
一方、制御回路1に対して直流電源200が逆接続されている場合には、ダイオードD1の整流作用により制御信号生成部10に電力が供給されない。この場合、制御信号生成部10は動作できないので、制御信号生成部10からは、基準電位源GNDと同電位の制御信号S11が出力される。
【0029】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、以下の2つの条件に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
【0030】
1つ目の条件は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧である。
制御信号S11は、抵抗R12、R13の抵抗比に応じて分圧され、抵抗R12にかかる電圧が第3のスイッチ素子Q13のベースとエミッタとの間に印加される。
そこで、制御信号S11の電圧が閾値電圧に等しいときに、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧に等しくなるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0031】
2つ目の条件は、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲート閾値電圧である。
制御信号S11の電圧が閾値電圧以上であれば、第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、この制御信号S11が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートに供給される。しかし、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合と逆接続されている場合とで、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のソース電位が異なるので、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲート・ソース間電位も異なってくる。
そこで、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S11の電圧が閾値電圧以上であれば、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧以上になるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0032】
(制御信号S11の電圧が閾値電圧以上の場合における制御回路1の動作)
制御信号S11の電圧が閾値電圧以上である場合には、第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、この制御信号S11が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートに供給される。
【0033】
また、制御信号S11の電圧が閾値電圧以上であるということは、制御信号生成部10に電力が供給されているということなので、制御回路1に対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0034】
以上により、制御信号S11の電圧が閾値電圧以上である場合には、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12がオン状態になる。このため、制御回路1は、直流電源200から負荷300に電力を供給することができる。
【0035】
(制御信号S11の電圧が閾値電圧未満の場合における制御回路1の動作)
制御信号S11の電圧が閾値電圧未満である場合には、第3のスイッチ素子Q13がオフ状態になり、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートへの制御信号S11の供給が停止される。これにより、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートは、いわゆるハイ・インピーダンス状態になる。
【0036】
しかし、第2のスイッチ素子Q11のゲートとソースとは、抵抗R11により接続されている。このため、抵抗R11を介して第2のスイッチ素子Q11のゲートとソースとの間で電荷が移動し、第2のスイッチ素子Q11のゲート電位が第2のスイッチ素子Q11のソース電位に近づいて、第2のスイッチ素子Q11のゲート・ソース間電圧が略ゼロになる。
また、第1のスイッチ素子Q12のゲートとソースとも、抵抗R11により接続されている。このため、第1のスイッチ素子Q12のゲート・ソース間電圧も、第2のスイッチ素子Q11のゲート・ソース間電圧と同様に、略ゼロになる。
【0037】
以上により、制御信号S11の電圧が閾値電圧未満である場合には、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12がオフ状態になる。
【0038】
ここで、制御回路1に対して直流電源200が逆接続されている場合、上述のように制御信号生成部10が動作できないので、制御信号S11が基準電位源GNDと同電位になる。このため、制御信号S11の電圧が閾値電圧未満になるので、第3のスイッチ素子Q13がオフ状態になり、制御信号S11が第1のスイッチ素子Q12のゲートに供給されなくなって、上述のように第1のスイッチ素子Q12がオフ状態になる。また、第1のスイッチ素子Q12が有する寄生ダイオードD12は、制御回路1に対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、制御回路1に対して直流電源200が逆接続されている場合に、ヒューズを用いることなく、負荷300から直流電源200に向かって制御回路1に逆電流が流れてしまうのを防止することができる。したがって、直流電源200が逆接続されても逆電流を流さない制御回路1を、容易に設計することができる。
【0039】
また、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合、上述のように制御信号生成部10が動作して、制御信号S11の電圧が閾値電圧以上になったり閾値電圧未満になったりする。このため、仮に、制御信号S11の電圧が第2のスイッチ素子Q11のゲート閾値電圧の近傍で変動を繰り返すと、第2のスイッチ素子Q11が予期しないスイッチングを行うおそれがある。予期しないタイミングで第2のスイッチ素子Q11がオン状態になると、第2のスイッチ素子Q11および寄生ダイオードD12を介して、予期しないタイミングで直流電源200から負荷300に電流が流れてしまう。また、予期しないタイミングで第2のスイッチ素子Q11がオフ状態になると、直流電源200から負荷300に流れていた電流が予期しないタイミングで止まってしまう。したがって、直流電源200から負荷300への電力供給が不安定になってしまうおそれがある。
【0040】
しかし、制御回路1は、制御信号S11の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S11が第2のスイッチ素子Q11のゲートに供給されないようにして、第2のスイッチ素子Q11をオフ状態にし、第2のスイッチ素子Q11の予期しないスイッチングを防止する。また、第2のスイッチ素子Q11が有する寄生ダイオードD11は、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合には導通しない。
このため、制御信号S11の電圧が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲート閾値電圧の近傍で変動を繰り返したとしても、制御回路1は、直流電源200から負荷300に電流が流れないようにして、直流電源200から負荷300への電力供給が不安定になってしまうのを防止することもできる。
【0041】
また、制御回路1は、第1のスイッチ素子Q12に直列接続された第2のスイッチ素子Q11を備えており、第2のスイッチ素子Q11は、負荷300側から直流電源200側に向かって整流する向きに設けられた寄生ダイオードD11を備える。このため、制御回路1に対して直流電源200が正接続されている場合に、第2のスイッチ素子Q11をオフ状態にすれば、直流電源200と負荷300とを絶縁させて、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止させることができる。
【0042】
また、制御回路1は、第3のスイッチ素子Q13に並列接続されたダイオードD13を備えており、ダイオードD13は、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートから制御信号生成部10に向かって整流する向きに設けられている。このため、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12をオフさせる際に、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートの電荷を、ダイオードD13を介して制御信号生成部10に引き抜くことができる。したがって、第3のスイッチ素子Q13がオフ状態であっても、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12を迅速にオフさせることができる。
【0043】
また、制御回路1は、抵抗R12、R13の抵抗比に応じて制御信号S11を分圧し、抵抗R12にかかる電圧を第3のスイッチ素子Q13のベースとエミッタとの間に印加する。このため、第3のスイッチ素子Q13のオンオフを切り替える際の制御信号S11の電圧、言い換えると第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12に制御信号S11を供給するか否かを切り替える際の制御信号S11の電圧、すなわち閾値電圧を、抵抗R12、R13の抵抗比により設定することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、制御信号S11の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にした。しかし、これに限らず、直流電源200から制御信号生成部10に供給される電源電圧が、制御信号生成部10が動作するために必要な電圧の下限値未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にしてもよい。この場合でも、本実施形態と同様に、負荷300から直流電源200に向かって制御回路1に逆電流が流れてしまうのを防止することができる。
【0045】
また、本実施形態では、分圧部21を、抵抗R12、R13で形成したが、これに限らず、例えばツェナーダイオードを用いて形成してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、インピーダンス素子として、抵抗R11を用いた。しかし、これに限らず、インピーダンスを有する素子であれば用いることができ、例えばダイオードを用いてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12として、NチャネルMOSFETを用いた。しかし、これに限らず、制御信号に基づいてスイッチングする素子であれば用いることができ、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、第3のスイッチ素子Q13として、PNP型トランジスタを用いた。しかし、これに限らず、制御信号に基づいてスイッチングする素子であれば用いることができ、例えばダイオードやサイリスタなどを用いてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、PNP型トランジスタである第3のスイッチ素子Q13と、ダイオードD13と、を制御回路1に設けた。しかし、これら第3のスイッチ素子Q13およびダイオードD13の代わりに、PチャネルMOSFETを設けてもよい。この場合、このPチャネルMOSFETのソースを制御信号生成部10に接続し、ドレインを第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲートに接続し、ゲートを抵抗R12の他端および抵抗R13の一端に接続すればよい。このように接続すれば、PチャネルMOSFETに設けられている寄生ダイオードが、上述のダイオードD13と同様の機能を果たし、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12を迅速にオフさせることができる。
【0050】
また、本実施形態では、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12で形成される電源リレーを、直流電源200と負荷300との間に設けた。しかし、これに限らず、例えば、直流電源200、電源リレー、負荷300の順番に設けてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、制御信号供給制御部20に、第3のスイッチ素子Q13および分圧部21を設けた。しかし、これに限らず、例えば第3のスイッチ素子Q13および分圧部21の代わりにツェナーダイオードを用いてもよい。この場合、ツェナーダイオードのカソードを制御信号生成部10に接続し、アノードを第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12それぞれのゲートに接続すればよい。このように接続すれば、ツェナーダイオードが、上述の第3のスイッチ素子Q13および分圧部21と、ダイオードD13と、と同様の機能を果たすことになる。
【0052】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に係る制御回路1Aの回路図である。制御回路1Aは、
図1に示した本発明の第1実施形態に係る制御回路1とは、第2のスイッチ素子Q11と第1のスイッチ素子Q12との位置関係が逆になっている点と、抵抗R11の代わりに抵抗R21を備える点と、制御信号生成部10の代わりに制御信号生成部10Aを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第1実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0053】
第1のスイッチ素子Q12のソースには、端子P1が接続され、第1のスイッチ素子Q12のドレインには、第2のスイッチ素子Q11のドレインが接続され、第2のスイッチ素子Q11のソースには、負荷300が接続される。第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートには、第3のスイッチ素子Q13のコレクタと、ダイオードD13のアノードと、が接続される。
【0054】
抵抗R21の一端には、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートが接続され、抵抗R21の他端には、第1のスイッチ素子Q12のソースが接続される。
【0055】
制御信号生成部10Aは、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されている場合には、閾値電圧以上かつ所定電圧未満の制御信号S12と、所定電圧以上の制御信号S12と、を適宜切り替えて出力する。
一方、制御信号生成部10Aは、制御回路1Aに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S12、すなわち閾値電圧未満の制御信号S12を出力する。
【0056】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S12の電圧が閾値電圧に等しいときに、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧に等しくなるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0057】
また、本実施形態では、上述の所定電圧は、第2のスイッチ素子Q11のゲート閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S12の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q11のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0058】
(制御信号S12の電圧が所定電圧以上の場合における制御回路1Aの動作)
制御信号S12の電圧が所定電圧以上である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、制御信号S12が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートに供給される。
【0059】
また、制御信号S12の電圧が所定電圧以上であるということは、制御信号生成部10Aに電力が供給されているということなので、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0060】
以上により、制御信号S12の電圧が所定電圧以上である場合には、第2のスイッチ素子Q11がオン状態になる。このため、制御回路1Aは、寄生ダイオードD12および第2のスイッチ素子Q11を介して、直流電源200から負荷300に電力を供給することができる。また、第1のスイッチ素子Q12は寄生ダイオードD12よりもオン抵抗が低いため、第1のスイッチ素子Q12もオン状態にすることで、電力損失を抑えることができる。
【0061】
(制御信号S12の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満の場合における制御回路1Aの動作)
制御信号S12の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、制御信号S12が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートに供給される。
【0062】
また、制御信号S12の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満であるということは、制御信号生成部10Aに電力が供給されているということなので、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0063】
以上により、制御信号S12の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、第2のスイッチ素子Q11がオフ状態になる。また、第2のスイッチ素子Q11が有する寄生ダイオードD11は、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されている場合には導通しない。このため、制御回路1Aは、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止することができる。
【0064】
(制御信号S12の電圧が閾値電圧未満の場合における制御回路1Aの動作)
制御信号S12の電圧が閾値電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオフ状態になり、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートへの制御信号S12の供給が停止される。これにより、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートは、いわゆるハイ・インピーダンス状態になる。
【0065】
しかし、第1のスイッチ素子Q12のゲートとソースとは、抵抗R21により接続されている。このため、抵抗R21を介して第1のスイッチ素子Q12のゲートとソースとの間で電荷が移動し、第1のスイッチ素子Q12のゲート電位が第1のスイッチ素子Q12のソース電位に近づいて、第1のスイッチ素子Q12のゲート・ソース間電圧が略ゼロになる。したがって、第1のスイッチ素子Q12がオフ状態になる。
【0066】
ここで、制御回路1Aに対して直流電源200が逆接続されている場合、上述のように制御信号生成部10Aが動作できないので、制御信号S12が基準電位源GNDと同電位になる。このため、制御信号S12の電圧が閾値電圧未満になるので、上述のように第1のスイッチ素子Q12がオフ状態になる。また、第1のスイッチ素子Q12が有する寄生ダイオードD12は、制御回路1Aに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、制御回路1Aに対して直流電源200が逆接続されている場合に、ヒューズを用いることなく、負荷300から直流電源200に向かって制御回路1Aに逆電流が流れてしまうのを防止することができる。したがって、直流電源200が逆接続されても逆電流を流さない制御回路1Aを、容易に設計することができる。
【0067】
また、制御回路1Aは、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されている場合において、制御信号S12の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S11が第2のスイッチ素子Q11のゲートに供給されないようにする。
この場合、第2のスイッチ素子Q11のゲート電位が、抵抗R21を介して接続されている端子P1の電位に略等しくなる。一方、第2のスイッチ素子Q11のソースは、負荷300を介して基準電位源GNDに接続されている。このため、第2のスイッチ素子Q11がオン状態になり、第2のスイッチ素子Q11の予期しないスイッチングが防止される。
このため、制御信号S11の電圧が第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のゲート閾値電圧の近傍で変動を繰り返したとしても、制御回路1Aは、寄生ダイオードD12および第2のスイッチ素子Q11を介して直流電源200から負荷300に電流が流れるようにして、直流電源200から負荷300への電力供給が不安定になってしまうのを防止することもできる。
【0068】
また、制御回路1Aは、第1のスイッチ素子Q12に直列接続された第2のスイッチ素子Q11を備えており、第2のスイッチ素子Q11は、負荷300側から直流電源200側に向かって整流する向きに設けられた寄生ダイオードD11を備える。このため、制御回路1Aに対して直流電源200が正接続されている場合に、第2のスイッチ素子Q11をオフ状態にすれば、直流電源200と負荷300とを絶縁させて、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止させることができる。
【0069】
また、制御回路1Aは、第3のスイッチ素子Q13に並列接続されたダイオードD13を備えており、ダイオードD13は、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートから制御信号生成部10Aに向かって整流する向きに設けられている。このため、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12をオフさせる際に、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートの電荷を、ダイオードD13を介して制御信号生成部10Aに引き抜くことができる。したがって、第3のスイッチ素子Q13がオフ状態であっても、第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12を迅速にオフさせることができる。
【0070】
また、制御回路1Aは、抵抗R12、R13の抵抗比に応じて制御信号S12を分圧し、抵抗R12にかかる電圧を第3のスイッチ素子Q13のベースとエミッタとの間に印加する。このため、第3のスイッチ素子Q13のオンオフを切り替える際の制御信号S12の電圧、言い換えると第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12に制御信号S12を供給するか否かを切り替える際の制御信号S12の電圧、すなわち閾値電圧を、抵抗R12、R13の抵抗比により設定することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、第2のスイッチ素子Q11のゲートを、第3のスイッチ素子Q13のコレクタに接続したが、これに限らず、例えば
図3に示すように制御信号生成部10Aに接続してもよい。この場合でも、本実施形態と同様に、直流電源200が逆接続されても逆電流を流さない制御回路1Bを、容易に設計することができる。
【0072】
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態に係る制御回路1Cの回路図である。制御回路1Cは、
図1に示した本発明の第1実施形態に係る制御回路1とは、第2のスイッチ素子Q11の代わりに第2のスイッチ素子Q31を備える点と、第1のスイッチ素子Q12の代わりに第1のスイッチ素子Q32を備える点と、抵抗R11の代わりに抵抗R31を備える点と、制御信号生成部10の代わりに制御信号生成部10Bを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第1実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
第2のスイッチ素子Q31は、PチャネルMOSFETであり、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。
第1のスイッチ素子Q32は、PチャネルMOSFETであり、第1の制御端子としてのゲートと、第1の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。
【0074】
第1のスイッチ素子Q32のドレインには、端子P1が接続され、第1のスイッチ素子Q32のソースには、第2のスイッチ素子Q31のソースが接続され、第2のスイッチ素子Q31のドレインには、負荷300が接続される。
【0075】
抵抗R31の一端には、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートが接続され、抵抗R31の他端には、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのソースが接続される。
【0076】
制御信号生成部10Bは、制御回路1Cに対して直流電源200が正接続されている場合には、閾値電圧以上かつ所定電圧未満の制御信号S21と、所定電圧以上の制御信号S21と、を適宜切り替えて出力する。
一方、制御信号生成部10Bは、制御回路1Cに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S21、すなわち閾値電圧未満の制御信号S21を出力する。
【0077】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S21の電圧が閾値電圧に等しいときに、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧に等しくなるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0078】
また、本実施形態では、上述の所定電圧は、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲート閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御回路1Cに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S21の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0079】
(制御信号S21の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満の場合における制御回路1Cの動作)
制御信号S21の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、所定電圧未満の制御信号S21が第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートに供給される。
【0080】
また、制御信号S21の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満であるということは、制御信号生成部10Bに電力が供給されているということなので、制御回路1Cに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0081】
以上により、制御信号S21の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32がオン状態になる。このため、制御回路1Cは、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32を介して、直流電源200から負荷300に電力を供給することができる。
【0082】
(制御信号S21の電圧が所定電圧以上の場合における制御回路1Cの動作)
制御信号S21の電圧が所定電圧以上である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、所定電圧以上の制御信号S21が第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートに供給される。
【0083】
また、制御信号S21の電圧が所定電圧以上であるということは、制御信号生成部10Bに電力が供給されているということなので、制御回路1Cに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0084】
以上により、制御信号S21の電圧が所定電圧以上である場合には、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32がオフ状態になる。このため、制御回路1Cは、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止することができる。
【0085】
(制御信号S21の電圧が閾値電圧未満の場合における制御回路1Cの動作)
制御信号S21の電圧が閾値電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオフ状態になり、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートへの制御信号S21の供給が停止される。これにより、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートは、いわゆるハイ・インピーダンス状態になる。
【0086】
しかし、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲートとソースとは、抵抗R31により接続されている。このため、抵抗R31を介して第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲートとソースとの間で電荷が移動し、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲート電位が第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のソース電位に近づいて、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のゲート・ソース間電圧が略ゼロになる。したがって、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32がオフ状態になる。
【0087】
以上により、制御回路1Cは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S21の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S21が第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q32をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q32が備える寄生ダイオードD32は、制御回路1Cに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
さらに、直流電源200が正接続されている場合において、制御信号S21の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S21が第2のスイッチ素子Q31のゲートに供給されないようにする。これにより、第2のスイッチ素子Q31が、第1実施形態に係る第2のスイッチ素子Q11と同様にオフ状態になる。また、第2のスイッチ素子Q31が備える寄生ダイオードD31は、制御回路1Cに対して直流電源200が正接続されている場合には導通しない。
このため、第1実施形態に係る制御回路1と同様の効果を奏することができる。
【0088】
<第4実施形態>
図5は、本発明の第4実施形態に係る制御回路1Dの回路図である。制御回路1Dは、
図4に示した本発明の第3実施形態に係る制御回路1Cとは、第2のスイッチ素子Q31と第1のスイッチ素子Q32との位置関係が逆になっている点と、抵抗R31の代わりに抵抗R41を備える点と、制御信号生成部10Bの代わりに制御信号生成部10Cを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第3実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0089】
第2のスイッチ素子Q31のソースには、端子P1が接続され、第2のスイッチ素子Q31のドレインには、第1のスイッチ素子Q32のドレインが接続され、第1のスイッチ素子Q32のソースには、負荷300が接続される。第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートには、第3のスイッチ素子Q13のコレクタと、ダイオードD13のアノードと、が接続される。
【0090】
抵抗R41の一端には、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートが接続され、抵抗R41の他端には、第1のスイッチ素子Q32のソースが接続される。
【0091】
制御信号生成部10Cは、制御回路1Dに対して直流電源200が正接続されている場合には、閾値電圧以上かつ所定電圧未満の制御信号S22と、所定電圧以上の制御信号S22と、を適宜切り替えて出力する。
一方、制御信号生成部10Cは、制御回路1Dに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S22、すなわち閾値電圧未満の制御信号S22を出力する。
【0092】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S22の電圧が閾値電圧に等しいときに、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧に等しくなるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0093】
また、本実施形態では、上述の所定電圧は、第2のスイッチ素子Q31のゲート閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御回路1Dに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S22の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q31のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0094】
(制御信号S22の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満の場合における制御回路1Dの動作)
制御信号S22の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、所定電圧未満の制御信号S22が第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートに供給される。
【0095】
また、制御信号S22の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満であるということは、制御信号生成部10Cに電力が供給されているということなので、制御回路1Dに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0096】
以上により、制御信号S22の電圧が閾値電圧以上かつ所定電圧未満である場合には、第2のスイッチ素子Q31がオン状態になる。このため、制御回路1Dは、第2のスイッチ素子Q31および寄生ダイオードD32を介して、直流電源200から負荷300に電力を供給することができる。また、第1のスイッチ素子Q32は寄生ダイオードD32よりもオン抵抗が低いため、第1のスイッチ素子Q32もオン状態にすることで、電力損失を抑えることができる。
【0097】
(制御信号S22の電圧が所定電圧以上の場合における制御回路1Dの動作)
制御信号S22の電圧が所定電圧以上である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオン状態になって、所定電圧以上の制御信号S22が第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートに供給される。
【0098】
また、制御信号S22の電圧が所定電圧以上であるということは、制御信号生成部10Cに電力が供給されているということなので、制御回路1Dに対して直流電源200が正接続されていることになる。
【0099】
以上により、制御信号S22の電圧が所定電圧以上である場合には、第2のスイッチ素子Q31がオフ状態になる。また、第2のスイッチ素子Q31が有する寄生ダイオードD31は、制御回路1Dに対して直流電源200が正接続されている場合には導通しない。このため、制御回路1Dは、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止することができる。
【0100】
(制御信号S22の電圧が閾値電圧未満の場合における制御回路1Dの動作)
制御信号S22の電圧が閾値電圧未満である場合には、上述のように第3のスイッチ素子Q13がオフ状態になり、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートへの制御信号S22の供給が停止される。これにより、第2のスイッチ素子Q31および第1のスイッチ素子Q32のそれぞれのゲートは、いわゆるハイ・インピーダンス状態になる。
【0101】
しかし、第1のスイッチ素子Q32のゲートとソースとは、抵抗R41により接続されている。このため、抵抗R41を介して第1のスイッチ素子Q32のゲートとソースとの間で電荷が移動し、第1のスイッチ素子Q32のゲート電位が第1のスイッチ素子Q32のソース電位に近づいて、第1のスイッチ素子Q32のゲート・ソース間電圧が略ゼロになる。したがって、第1のスイッチ素子Q32がオフ状態になる。
【0102】
以上により、制御回路1Dは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S22の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S22が第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q32をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q32が備える寄生ダイオードD32は、制御回路1Dに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
一方、制御回路1Dは、直流電源200が正接続されている場合において、制御信号S22の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S22が第2のスイッチ素子Q31のゲートに供給されないようにする。これにより、第2のスイッチ素子Q31が、第2実施形態に係る第2のスイッチ素子Q11と同様にオン状態になる。
このため、第2実施形態に係る制御回路1Aと同様の効果を奏することができる。
【0103】
<第5実施形態>
図6は、本発明の第5実施形態に係る制御回路1Eの回路図である。制御回路1Eは、
図1に示した本発明の第1実施形態に係る制御回路1とは、第2のスイッチ素子Q11の代わりに第2のスイッチ素子Q51を備える点と、制御信号生成部10の代わりに制御信号生成部10Dを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第1実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0104】
第2のスイッチ素子Q51は、PチャネルMOSFETであり、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。第2のスイッチ素子Q51のソースには、端子P1が接続され、第2のスイッチ素子Q51のドレインには、第1のスイッチ素子Q12のソースが接続される。第2のスイッチ素子Q51のゲートには、制御信号生成部10Dが接続される。
【0105】
制御信号生成部10Dは、制御回路1Eに対して直流電源200が正接続されている場合には、閾値電圧以上の制御信号S11と、閾値電圧未満の制御信号S11と、を適宜切り替えて出力するとともに、所定電圧未満の制御信号S23と、所定電圧以上の制御信号S23と、を適宜切り替えて出力する。
一方、制御信号生成部10Dは、制御回路1Eに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S11、すなわち閾値電圧未満の制御信号S11を出力するとともに、基準電位源GNDと同電位の制御信号S23を出力する。
【0106】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S11の電圧が閾値電圧に等しいときに、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧に等しくなるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0107】
また、本実施形態では、制御回路1Eに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S23の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q51のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0108】
以上により、制御回路1Eは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S11の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S11が第1のスイッチ素子Q12のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q12をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q12が備える寄生ダイオードD12は、制御回路1Eに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、制御回路1Eに対して直流電源200が逆接続されている場合に、ヒューズを用いることなく、負荷300から直流電源200に向かって制御回路1Eに逆電流が流れてしまうのを防止することができる。したがって、直流電源200が逆接続されても逆電流を流さない制御回路1Eを、容易に設計することができる。
【0109】
また、制御回路1Eは、第1のスイッチ素子Q12に直列接続された第2のスイッチ素子Q51を備えており、第2のスイッチ素子Q51は、負荷300側から直流電源200側に向かって整流する向きに設けられた寄生ダイオードD51を備える。このため、制御回路1Eに対して直流電源200が正接続されている場合に、第2のスイッチ素子Q51をオフ状態にすれば、直流電源200と負荷300とを絶縁させて、直流電源200から負荷300への電力の供給を停止させることができる。
【0110】
また、制御回路1Eは、第3のスイッチ素子Q13に並列接続されたダイオードD13を備えており、ダイオードD13は、第2のスイッチ素子Q51および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートから制御信号生成部10Dに向かって整流する向きに設けられている。このため、第2のスイッチ素子Q51および第1のスイッチ素子Q12をオフさせる際に、第2のスイッチ素子Q51および第1のスイッチ素子Q12のそれぞれのゲートの電荷を、ダイオードD13を介して制御信号生成部10Dに引き抜くことができる。したがって、第3のスイッチ素子Q13がオフ状態であっても、第2のスイッチ素子Q51および第1のスイッチ素子Q12を迅速にオフさせることができる。
【0111】
また、制御回路1Eは、抵抗R12、R13の抵抗比に応じて制御信号S11を分圧し、抵抗R12にかかる電圧を第3のスイッチ素子Q13のベースとエミッタとの間に印加する。このため、第3のスイッチ素子Q13のオンオフを切り替える際の制御信号S11の電圧、言い換えると第2のスイッチ素子Q11および第1のスイッチ素子Q12に制御信号S11を供給するか否かを切り替える際の制御信号S11の電圧、すなわち閾値電圧を、抵抗R12、R13の抵抗比により設定することができる。
【0112】
<第6実施形態>
図7は、本発明の第6実施形態に係る制御回路1Fの回路図である。制御回路1Fは、
図4に示した本発明の第3実施形態に係る制御回路1Cとは、第2のスイッチ素子Q31の代わりに第2のスイッチ素子Q61を備える点と、制御信号生成部10Bの代わりに制御信号生成部10Eを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第3実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
第2のスイッチ素子Q61は、NチャネルMOSFETであり、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。第2のスイッチ素子Q61のドレインには、第1のスイッチ素子Q32のソースが接続され、第2のスイッチ素子Q61のソースには、負荷300が接続される。第2のスイッチ素子Q61のゲートには、制御信号生成部10Eが接続される。
【0114】
制御信号生成部10Eは、制御回路1Eに対して直流電源200が正接続されている場合には、所定電圧以上の制御信号S13と、所定電圧未満の制御信号S13と、を適宜切り替えて出力するとともに、電圧を適宜切り替えた制御信号S24を出力する。
一方、制御信号生成部10Eは、制御回路1Fに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S24、すなわち閾値電圧未満の制御信号S24を出力するとともに、基準電位源GNDと同電位の制御信号S13を出力する。
【0115】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S21の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧未満になるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0116】
また、本実施形態では、制御回路1Fに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S13の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q61のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0117】
以上により、制御回路1Fは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S24の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S24が第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q32をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q32が備える寄生ダイオードD32は、制御回路1Fに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、第5実施形態に係る制御回路1Eと同様の効果を奏することができる。
【0118】
<第7実施形態>
図8は、本発明の第7実施形態に係る制御回路1Gの回路図である。制御回路1Gは、
図2に示した本発明の第2実施形態に係る制御回路1Aとは、第2のスイッチ素子Q11の代わりに第2のスイッチ素子Q71を備える点と、制御信号生成部10Aの代わりに制御信号生成部10Fを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第2実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0119】
第2のスイッチ素子Q71は、PチャネルMOSFETであり、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。第2のスイッチ素子Q71のソースには、第1のスイッチ素子Q12のドレインが接続され、第2のスイッチ素子Q71のドレインには、負荷300が接続される。第2のスイッチ素子Q71のゲートには、制御信号生成部10Fが接続される。
【0120】
制御信号生成部10Fは、制御回路1Gに対して直流電源200が正接続されている場合には、所定電圧未満の制御信号S23と、所定電圧以上の制御信号S23と、を適宜切り替えて出力するとともに、電圧を適宜切り替えた制御信号S11を出力する。
一方、制御信号生成部10Fは、制御回路1Gに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S11、すなわち閾値電圧未満の制御信号S11を出力するとともに、基準電位源GNDと同電位の制御信号S23を出力する。
【0121】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S11の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧未満になるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0122】
また、本実施形態では、制御回路1Gに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S23の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q71のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0123】
以上により、制御回路1Gは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S11の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S11が第1のスイッチ素子Q12のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q12をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q12が備える寄生ダイオードD12は、制御回路1Gに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、第5実施形態に係る制御回路1Eと同様の効果を奏することができる。
【0124】
<第8実施形態>
図9は、本発明の第8実施形態に係る制御回路1Hの回路図である。制御回路1Hは、
図5に示した本発明の第4実施形態に係る制御回路1Dとは、第2のスイッチ素子Q31の代わりに第2のスイッチ素子Q81を備える点と、制御信号生成部10Cの代わりに制御信号生成部10Gを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第4実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0125】
第2のスイッチ素子Q81は、NチャネルMOSFETであり、第2の制御端子としてのゲートと、第2の動作基準端子としてのソースと、ドレインと、の3つの端子を備える。第2のスイッチ素子Q81のドレインには、端子P1が接続され、第2のスイッチ素子Q81のソースには、第1のスイッチ素子Q32のドレインが接続される。第2のスイッチ素子Q81のゲートには、制御信号生成部10Gが接続される。
【0126】
制御信号生成部10Gは、制御回路1Hに対して直流電源200が正接続されている場合には、所定電圧以上の制御信号S14と、所定電圧未満の制御信号S14と、を適宜切り替えて出力するとともに、電圧を適宜切り替えた制御信号S25を出力する。
一方、制御信号生成部10Gは、制御回路1Hに対して直流電源200が逆接続されている場合には、基準電位源GNDと同電位の制御信号S14を出力するとともに、基準電位源GNDと同電位の制御信号S25、すなわち閾値電圧未満の制御信号S25を出力する。
【0127】
本実施形態では、上述の閾値電圧は、第3のスイッチ素子Q13のベース閾値電圧に基づいて抵抗R12、R13の抵抗比を調整することによって、設定される。
具体的には、制御信号S25の電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q13のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧未満になるように、上述の閾値電圧を設定する。
【0128】
また、本実施形態では、制御回路1Hに対して直流電源200が正接続されている状態において、制御信号S14の電圧が所定電圧に等しいときに、第2のスイッチ素子Q81のゲート・ソース間電圧がゲート閾値電圧に等しくなるように、上述の所定電圧を設定する。
【0129】
以上により、制御回路1Hは、直流電源200が逆接続されている場合、制御信号S25の電圧を閾値電圧未満にして第3のスイッチ素子Q13をオフ状態にし、制御信号S25が第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q32をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q32が備える寄生ダイオードD32は、制御回路1Hに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
このため、第5実施形態に係る制御回路1Eと同様の効果を奏することができる。
【0130】
<第9実施形態>
図10は、本発明の第9実施形態に係る制御回路1Jの回路図である。制御回路1Jは、
図4に示した本発明の第3実施形態に係る制御回路1Cとは、制御信号生成部10Bの代わりに制御信号生成部10Hを備える点と、制御信号供給制御部20の代わりに制御信号供給制御部20Aを備える点と、で異なっており、他の部分については同様の形態をしている。このため、第3実施形態と同様の形態をしている部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0131】
制御信号生成部10Hは、制御信号S21を出力する出力端子OUTと、第4のスイッチ素子Q91と、スイッチ素子制御手段としてのスイッチ素子制御部11と、抵抗R91、R92と、を備える。
【0132】
第4のスイッチ素子Q91は、NチャネルMOSFETであり、基準ラインとしての基準電位源GNDと、出力端子OUTと、の間に設けられる。第4のスイッチ素子Q91のドレインには、抵抗R92を介して出力端子OUTが接続され、第4のスイッチ素子Q91のソースには、基準電位源GNDが接続され、第4のスイッチ素子Q91のゲートには、スイッチ素子制御部11が接続される。
【0133】
抵抗R91の一端には、電源ラインVccを介してダイオードD1のカソードが接続され、抵抗R91の他端には、制御信号供給制御部20Aを介して出力端子OUTが接続される。
【0134】
制御信号供給制御部20Aは、第3のスイッチ素子Q92と、分圧手段としての分圧部21Aと、を備える。
【0135】
第3のスイッチ素子Q92は、PNP型トランジスタである。第3のスイッチ素子Q92のエミッタには、抵抗R91の他端が接続され、第3のスイッチ素子Q92のコレクタには、出力端子OUTが接続され、第3のスイッチ素子Q92のベースには、分圧部21Aが接続される。
【0136】
分圧部21Aは、抵抗R93と、抵抗R93に直列接続された抵抗R94と、を備える。抵抗R93の一端には、第3のスイッチ素子Q92のエミッタが接続され、抵抗R93の他端には、抵抗R94の一端と、第3のスイッチ素子Q92のベースと、が接続され、抵抗R94の他端には、基準電位源GNDが接続される。
【0137】
以上の制御回路1Jは、直流電源200が正接続されている場合には、直流電源200から供給される電源電圧に応じた制御信号S21と、基準電位源GNDと同電位の制御信号S21と、を適宜切り替えて制御信号生成部10Hの出力端子OUTから出力する。
一方、制御回路1Jは、直流電源200が逆接続されている場合には、制御信号生成部10Hの出力端子OUTからの制御信号S21の出力を停止する。
【0138】
まず、制御回路1Jに対して直流電源200が正接続されている場合について、以下に説明する。この場合、ダイオードD1の整流作用により制御信号生成部10Hに電力が供給される。これにより、電源電圧が、電源ラインVccから抵抗R91に供給される。
【0139】
抵抗R91は、供給された電源電圧を降圧する。抵抗R91で降圧された電源電圧は、分圧部21Aにより分圧され、抵抗R93にかかる電圧が第3のスイッチ素子Q92のベースとエミッタとの間に印加される。
そこで、本実施形態では、制御回路1Jに対して直流電源200が正接続されている場合に電源電圧が閾値電圧以上になり、電源電圧が閾値電圧以上であれば、第3のスイッチ素子Q92のベース・エミッタ間電圧がベース閾値電圧以上になるように、抵抗R12、R13の抵抗比を調整して、上述の閾値電圧を設定する。
【0140】
このため、制御回路1Jに対して直流電源200が正接続されている場合には、出力端子OUTが電源ラインVccと導通し、抵抗R91で降圧された電源電圧が、出力端子OUTに印加される。
【0141】
また、上述のように制御信号生成部10Hに電力が供給されると、スイッチ素子制御部11が、第4のスイッチ素子Q91をオン状態にする信号と、第4のスイッチ素子Q91をオフ状態にする信号と、を適宜切り替えて出力する。このため、スイッチ素子制御部11から出力される信号に応じて、出力端子OUTと基準電位源GNDとが導通したり絶縁したりする。
【0142】
以上により、制御回路1Jに対して直流電源200が正接続されている場合には、出力端子OUTから、抵抗R91で降圧された電源電圧の制御信号S21、すなわち上述の直流電源200から供給される電源電圧に応じた制御信号S21と、上述の基準電位源GNDと同電位の制御信号S21と、が適宜切り替えて出力端子OUTから出力されることになる。
【0143】
次に、制御回路1Jに対して直流電源200が逆接続されている場合について、以下に説明する。この場合、ダイオードD1の整流作用により制御信号生成部10Hに電力が供給されず、電源ラインVccから供給される電源電圧が基準電位源GNDと同電位になり、電源電圧が閾値電圧未満になる。これにより、閾値電圧未満の電圧が抵抗R91に供給されることになり、第3のスイッチ素子Q92がオフ状態になる。このため、出力端子OUTが電源ラインVccと絶縁される。
【0144】
また、上述のようにダイオードD1の整流作用により制御信号生成部10Hに電力が供給されないと、スイッチ素子制御部11が動作できない。このため、スイッチ素子制御部11から、基準電位源GNDと同電位の信号、すなわち第4のスイッチ素子Q91をオフ状態にする信号が出力される。したがって、出力端子OUTが基準電位源GNDとも絶縁される。
【0145】
以上により、制御回路1Jに対して直流電源200が逆接続されている場合には、制御信号生成部10Hに電力が供給されなくなることにより電源電圧が閾値電圧未満になり、その結果、出力端子OUTが、電源ラインVccおよび基準電位源GNDの両方と絶縁される。このため、出力端子OUTからの制御信号S21の出力が停止されることになる。
【0146】
以上により、制御回路1Jでは、直流電源200が逆接続されている場合、電源電圧が閾値電圧未満になる。そこで、制御回路1Jは、電源電圧が閾値電圧未満であれば、第3のスイッチ素子Q92および第4のスイッチ素子Q91をオフ状態にし、制御信号S21が第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給されないようにして、第1のスイッチ素子Q32をオフ状態にする。また、第1のスイッチ素子Q32が備える寄生ダイオードD32は、制御回路1Cに対して直流電源200が逆接続されている場合には導通しない。
【0147】
このため、制御信号S21を第1のスイッチ素子Q32のゲートに供給するか否かを、第3実施形態に係る制御回路1Cは、制御信号S21の電圧が閾値電圧以上か否かにより制御していたのに対して、本実施形態に係る制御回路1Jは、電源電圧が閾値電圧以上か否かにより制御するという点で、制御回路1Cと制御回路1Jとは異なっている。しかし、制御回路1Jも、制御回路1Cと同様に、直流電源200が逆接続されている場合には、この場合に導通しない寄生ダイオードD32を備える第1のスイッチ素子Q32を、オフ状態にする。したがって、直流電源200が逆接続されても逆電流を流さない制御回路1Jを、容易に設計することができる。
【0148】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。