特許第6584443号(P6584443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6584443芳香族アミドチアゾール、それを含有する化粧用または皮膚科用製剤、ならびに望ましくない皮膚の色素沈着を治療および予防するためのその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584443
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】芳香族アミドチアゾール、それを含有する化粧用または皮膚科用製剤、ならびに望ましくない皮膚の色素沈着を治療および予防するためのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 277/46 20060101AFI20190919BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20190919BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190919BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20190919BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20190919BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190919BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   C07D277/46CSP
   C07D417/12
   A61K31/426
   A61K31/443
   A61K31/4439
   A61P17/00
   A61P43/00 105
   A61P43/00 111
   A61K8/49
   A61Q15/00
   A61Q19/00
   A61Q19/02
【請求項の数】1
【外国語出願】
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2017-42759(P2017-42759)
(22)【出願日】2017年3月7日
(62)【分割の表示】特願2014-531199(P2014-531199)の分割
【原出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-141242(P2017-141242A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月6日
(31)【優先権主張番号】102011083271.8
(32)【優先日】2011年9月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398042277
【氏名又は名称】バイエルスドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Beiersdorf AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コルベ,ルトガー
(72)【発明者】
【氏名】ブライトクロイツ,サブリナ
(72)【発明者】
【氏名】ベーアマン,ミヒヤエル
(72)【発明者】
【氏名】シユレガー,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】シエルナー,カトリン
(72)【発明者】
【氏名】マン,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバト,ボルフラム
【審査官】 薄井 慎矢
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6157475(JP,B2)
【文献】 国際公開第2005/007151(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/099195(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00221211(EP,A1)
【文献】 国際公開第2009/150196(WO,A1)
【文献】 特表2010−535706(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/115998(WO,A1)
【文献】 特表2009−503107(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0258915(US,A1)
【文献】 特表2009−541367(JP,A)
【文献】 特開2010−215644(JP,A)
【文献】 国際公開第03/103658(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/103648(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/103647(WO,A1)
【文献】 特開平03−279374(JP,A)
【文献】 国際公開第96/016650(WO,A1)
【文献】 特表2007−504255(JP,A)
【文献】 特許第6099559(JP,B2)
【文献】 Journal of the Institution of Chemists,1997年,69(6), 167-168
【文献】 Journal of the Institution of Chemists,1997年,69(4), 113-115
【文献】 Indian Journal of Heterocyclic Chemistry,1997年,6(4), 291-294
【文献】 JOURNAL OF THE INDIAN CHEMICAL SOCIETY,1979年,V56 N9,P917-918
【文献】 AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY,1973年,V37 N6,P1375-1383
【文献】 Journal of the Institution of Chemists,1977年,49(6), 294-6
【文献】 REGISTRY (STN) [online],2010年,2010年9月22日(検索日:2014年1月15日)、(RN)1242267-72-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】
{式中、R1=−C〜C24アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C〜C24アリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C〜C24アリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−2−ヒドロキシフェニル、−3−ヒドロキシフェニル、−4−ヒドロキシフェニル、−ピリジン−2−イル、−ピリジン−3−イル、−ピリジン−4−イル、ピリジン−1(2H)−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピラジン−2−イル、−ピリミジン−4−イル、−ピリダジン−3−イル、−ピリダジン−4−イル、−ピリミジン−5−イル、−1,2,4−トリアジン−3−イル、−1,3,5−トリアジン−2−イル、−1,2,3−トリアジン−4−イル、−1,2,3−トリアジン−5−イル、−1,2,3,4−テトラジン−5−イル、−1,2,3,5−テトラジン−4−イル、−1,2,4,5−テトラジン−3−イル、−ペンタジン−6−イル、−チアゾール、−イミダゾール、−オキサゾール、−イソキサゾール、モノ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−、オリゴ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−を意味し、
2=H、−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)を意味し、
Xは構造;
【化2】
を意味し、Z=−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CNを意味し、
Y=Hを意味する}の芳香族アミドチアゾールであって、ここで、前記チアゾールは遊離塩基としても、化粧用および皮膚科用に使用可能な塩としても存在していてもよいが、但し、以下の化合物を除く;
3−メチル−N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−ベンズアミド、
4−クロロ−N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−ベンズアミド、
N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド塩酸塩、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
{式中、R3とR4は互いに独立した意味を有してもよく:
3=H、−C1−C24アルキル(直鎖または分岐鎖)であり、
4=H、−C1−C24アルキル(直鎖または分岐鎖)である}、
【化7】
【化8】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な芳香族アミドチアゾール、このような芳香族アミドチアゾールを1種類以上含有する化粧用または皮膚科用製剤、ならびに望ましくない皮膚の色素沈着を治療および予防するためのこのような芳香族アミドチアゾールまたはこのような芳香族アミドチアゾールを含有する製剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の色素沈着の原因はメラノサイトであり、メラノサイトは表皮の最下層である基底層に、基底細胞と並んで−皮膚のタイプに応じて散在しているまたは多少とも凝集している−色素形成細胞として存在する。
【0003】
メラノサイトは、特徴的な細胞器官としてメラノソームを含み、その中でメラニンが形成される。とりわけ、紫外線により刺激されると、メラニンの形成が亢進する。これは表皮の生きている層(ケラチノサイト)を経て最終的に角質層(角質細胞)に運ばれ、多少とも顕著な褐色乃至黒褐色の皮膚色を生じさせる。
【0004】
メラニンは、チロシンが酵素チロシナーゼの作用により複数の中間体を経て褐色乃至黒褐色のユーメラニン(DHICAメラニンおよびDHIメラニン)に変化する、またはイオウ含有化合物の関与により赤みを帯びたフェオメラニンに変化する酸化プロセスの最終段階として形成される。DHICAメラニンおよびDHIメラニンは、共通の中間体であるドーパキノンおよびドーパクロムを経て生成する。後者は、一部にはその他の酵素の関与により、インド−ル−5,6−キノン−カルボン酸にまたはインド−ル−5,6−キノンに変換され、それから前述の2種類のユーメラニンが生成する。
【0005】
フェオメラニンの生成は、とりわけ、中間生成物であるドーパキノンおよびシステイニルドーパを経て行われる。メラニン合成酵素の発現は、特異的な転写因子(小眼球症関連転写因子、MITF)により調節される。メラニン合成の前述の酵素プロセス以外に、メラノソーム中でその他のタンパク質がメラニン産生に重要である。ここで、いわゆるp−タンパク質には重要な役割があるように見受けられるが、その正確な機能は依然として不明である。
【0006】
メラノサイトにおける前述のメラニン合成プロセスの他に、皮膚の色素沈着では、メラノソームの移動、表皮におけるその存在位置、ならびにその分解およびメラニンの分解も非常に重要である。メラノサイトからケラチノサイトへのメラノソームの輸送には、PAR−2受容体が重要であることが判明した(非特許文献1)。
【0007】
さらに、メラノソームのサイズおよび形態は、その光散乱特性、従って、皮膚の色の外観に影響を及ぼす。ブラックアフリカ人では、散在する非常に大型の楕円体のメラノソームが認められるが、白色人種ではむしろ、集団で存在する比較的小型のメラノソームが認められる。
【0008】
皮膚の色素沈着過剰の問題は、様々な原因を有し、もしくは多くの生物学的過程、例えば、紫外線(例えば、そばかす、雀卵斑)、遺伝的素因、創傷治癒時もしくは創傷瘢痕化時の皮膚の色素沈着異常(炎症後色素沈着過剰)または皮膚老化(例えば、老人性黒子)の随伴症状である。
【0009】
炎症反応後、皮膚の色素沈着系の反応では、一部、反対の反応が起こる。炎症後色素沈着過剰と色素脱失の両方が起こり得る。炎症後低メラニン症は、とりわけ、アトピー、紅斑性狼瘡および乾癬に関連して起こることが多い。炎症症状後のヒトの皮膚の色素沈着系の異なる反応形態については、極僅かしか分かっていない。
【0010】
炎症後色素沈着過剰の問題は、比較的濃色の皮膚タイプで起こることが多い。特に、男性の有色人種では、美容上望ましくない色素沈着異常を伴う、または結果としてこれを引き起こす鬚毛部仮性毛包炎(Pseudofollikulitis barbae)の問題が知られている。特にアジア系の女性で顔面およびデコルテ領域に発生する形態の黒皮症、ならびに様々な形態の不規則な皮膚色素沈着も炎症後色素沈着過剰に挙げられる。さらに、基になる炎症がたいてい無症状に進行する目の隈も炎症後色素沈着過剰の一形態とみなされる。
【0011】
多くの場合、このような炎症後色素沈着異常は太陽光(紫外線)の作用により、紫外線により誘発される炎症(日焼け)が起こらずに、さらに増悪する。
【0012】
皮膚の色素沈着を防止する有効成分および製剤が知られている。実際に使用されているのは、主としてハイドロキノンをベースにする製剤であるが、これは、一方では数週間使用しないとその作用を示さず、他方ではその過度の長期使用が毒物学的理由から懸念される。Albert Kligmanらにより、トレチノイン0.1%、ハイドロキノン5.0%、デキサメタゾン0.1%の組み合わせである、いわゆる「Triformula」が開発された(非特許文献2)。しかし、この製剤でも皮膚の色素沈着系の不可逆的変化が起こり得るため非常に議論の余地がある。
【0013】
さらに、皮膚剥離法(化学的および機械的「ピーリング」)も使用されるが、これは、結果として炎症反応を引き起こすことが多く、しかもその後に発生する炎症後色素沈着過剰のため、色素沈着が低減するのではなく増悪する可能性がある。炎症後色素沈着過剰の治療に使用されるこれらの一般的な方法は全て、重大な副作用が顕著に現れる。
【0014】
さらに、皮膚美白効果が説明されている他の様々な物質も知られている。とりわけ、ここでは、ヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸、コウジ酸および誘導体、アルブチン、アスコルビン酸および誘導体、フラボノイド、エラグ酸および誘導体、トラネキサム酸および様々なレゾルシノール誘導体、例えば、4−n−ブチルレゾルシン、4−n−ヘキシルレゾルシンおよび4−(1−フェニルエチル)ベンゼン−1,3−ジオールを挙げることができる。
【0015】
J.M.Readyは、刊行物(非特許文献3)中で、とりわけ置換チアゾール誘導体のマッシュルームチロシナーゼ阻害作用について記載している。
【0016】
株式会社資生堂の特許出願(特許文献1)には、皮膚美白用置換チアゾールアミンまたはヒドロチアゾールアミンが記載されている。
【0017】
前述の従来技術に記載の物質は、中程度の有効性および/または低い製剤安定性を示す。
【0018】
目の隈も同様に色素沈着障害の結果として起こり得るが、それはさらに一般的なストレス、例えば、睡眠不足に対する反応としてもまたは単に目の酷使によっても現れる。比較的若い人では、この症状は夜十分な睡眠を取った後、消失して元に戻るが、比較的長時間にわたってその状態は慢性的になり、当人にとって非常に煩わしくなる可能性がある。このような皮膚症状に対しても十分有望な有効成分および治療手段がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開第2009099195号パンフレット
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】M.Seiberg et al.,2000,J.Cell.Sci.,113:3093−101
【非特許文献2】A.Kligman,1975,Arch.Dermatol.,111:40−48
【非特許文献3】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter 17(2007)6871−6875
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、以下の本発明の目的は、従来技術の欠点を解決することであった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明による上記課題の解決は、一般式
【0023】
【化1】
【0024】
{式中、
1、R2、XおよびYは、異なっても、部分的に同じであっても、または全く同じであってもよく、互いに独立した意味を有してもよく:
1=−C3〜C24アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−2−ヒドロキシフェニル、−3−ヒドロキシフェニル、−4−ヒドロキシフェニル、−ピリジン−2−イル、−ピリジン−3−イル、−ピリジン−4−イル、ピリジン−1(2H)−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピラジン−2−イル、−ピリミジン−4−イル、−ピリダジン−3−イル、−ピリダジン−4−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピリミジン−5−イル、−1,2,4−トリアジン−3−イル、−1,3,5−トリアジン−2−イル、−1,2,3−トリアジン−4−イル、−1,2,3−トリアジン−5−イル、−1,2,3,4−テトラジン−5−イル、−1,2,3,5−テトラジン−4−イル、−1,2,4,5−テトラジン−3−イル、−ペンタジン−6−イル、−チアゾール、−イミダゾール、−オキサゾール、−イソキサゾール、−NH−アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−NH−ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、モノ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−、オリゴ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−を意味し、
2=H、−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルケニル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C8シクロアルキル、−C1〜C24ヒドロキシアルキル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルキルアリール(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルキルヘテロアリール(直鎖または分岐鎖)を意味し、
X=−H、−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルケニル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C8シクロアルキル、−C1〜C24アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CNで一置換または多置換されている)、−C1〜C24ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CNで一置換または多置換されている)、−C1〜C24アルキルアリール(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルキルヘテロアリール(直鎖または分岐鎖)、−アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CNで一置換または多置換されている)、−フェニル、−2,4−ジヒドロキシフェニル、−2,3−ジヒドロキシフェニル、−2,4−ジメトキシフェニル、−2,3−ジメトキシフェニルを意味し、
Y=H、−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルケニル(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C8シクロアルキル、−C1〜C24アリール、−C1〜C24ヘテロアリール、−C1〜C24アルキルアリール(直鎖または分岐鎖)、−C1〜C24アルキルヘテロアリール(直鎖または分岐鎖)、−アリール、−フェニル、−2,4−ジヒドロキシフェニル、−2,3−ジヒドロキシフェニル、−2,4−ジメトキシフェニル、−2,3−ジメトキシフェニル、−COO−アルキル、−COO−アルケニル、−COO−シクロアルキル、−COO−アリール、−COO−ヘテロアリールを意味し、
X、Yは、場合により=縮合芳香族化合物を意味することもでき、
ここで、XとYは互いに、n個以下の環構成原子を有する芳香族または脂肪族同素環式または複素環式環系を構成してもよく、ここで、数nは5〜8の値を取ることができ、各環系もまた同様に、n−1個以下のアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトリル官能基、イオウ含有置換基、エステル基および/またはエーテル基で置換されていてもよい}
の芳香族アミドチアゾールにより達成される。
【0025】
前述のチアゾールは、遊離塩基として存在しても、塩として:例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、炭酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩またはリン酸塩として存在してもよい。特に、ハロゲン化物塩、例えば、塩化物および臭化物などとして存在してもよい。
【0026】
さらに、本発明の有利な実施形態は、1種類以上の前述の芳香族アミドチアゾールを有効量含有する化粧用または皮膚科用製剤である。
【0027】
さらに、望ましくない皮膚色素沈着を治療および/または予防するための前述の芳香族アミドチアゾールの使用も本発明に含まれる。
【0028】
その場合、望ましくない皮膚色素沈着の治療および/または予防は、化粧の範囲内およ
び薬学の範囲内で行うことができる。
【0029】
その場合、病的な皮膚の状態の場合は、まず第一に、薬学的(または皮膚科学的)治療が行われるものと理解され、それに対して、健常な皮膚には、まず第一に、望ましくない皮膚色素沈着の美容的治療および/または予防が適用される。
【0030】
有利には、Xは、置換フェニルからなる群から選択され、ここで、置換基(Z)は、−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルからなる群から選択されてもよく、同じであってもまたは異なってもよい。
【0031】
【化2】
【0032】
特に有利には、Xは、1個以上のヒドロキシ基で置換されたフェニル基からなる群から選択され、ここで、置換基(Z)は、−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルからなる群から選択されてもよく、次の一般構造が好ましく、式中、Y、R1およびR2は、前述の特徴を有してもよい。
【0033】
【化3】
【0034】
特に、
X=
【0035】
【化4】
【0036】
であり、
Y=Hであり、
1=−C3〜C24アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3
〜C24ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−2−ヒドロキシフェニル、−3−ヒドロキシフェニル、−4−ヒドロキシフェニル、−ピリジン−2−イル、−ピリジン−3−イル、−ピリジン−4−イル、ピリジン−1(2H)−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピラジン−2−イル、−ピリミジン−4−イル、−ピリダジン−3−イル、−ピリダジン−4−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピリミジン−5−イル、−1,2,4−トリアジン−3−イル、−1,3,5−トリアジン−2−イル、−1,2,3−トリアジン−4−イル、−1,2,3−トリアジン−5−イル、−1,2,3,4−テトラジン−5−イル、−1,2,3,5−テトラジン−4−イル、−1,2,4,5−テトラジン−3−イル、−ペンタジン−6−イル、−チアゾール、−イミダゾール、−オキサゾール、−イソキサゾール、−NH−アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−NH−ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、モノ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−、オリゴ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−を意味し、
2=H、−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)であり、
Z=−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルである、
化合物が有利である。
【0037】
次の構造:
【0038】
【化5】
【0039】
{式中、R3とR4は互いに独立した意味を有してもよく:
3=H、−C1−C24アルキル(直鎖または分岐鎖)であり、
4=H、−C1−C24アルキル(直鎖または分岐鎖)である}
の化合物が本発明に関して有利である。
【0040】
X=
【0041】
【化6】
【0042】
であり、
Y=Hであり、
1=−C3〜C24アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24アリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−C3〜C24ヘテロアリール−C1〜C24アルキル−ヒドロキシ(直鎖または分岐鎖)、−2−ヒドロキシフェニル、−3−ヒドロキシフェニル、−4−ヒドロキシフェニル、−ピリジン−2−イル、−ピリジン−3−イル、−ピリジン−4−イル、ピリジン−1(2H)−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピラジン−2−イル、−ピリミジン−4−イル、−ピリダジン−3−イル、−ピリダジン−4−イル、−ピリミジン−2−イル、−ピリミジン−5−イル、−1,2,4−トリアジン−3−イル、−1,3,5−トリアジン−2−イル、−1,2,3−トリアジン−4−イル、−1,2,3−トリアジン−5−イル、−1,2,3,4−テトラジン−5−イル、−1,2,3,5−テトラジン−4−イル、−1,2,4,5−テトラジン−3−イル、−ペンタジン−6−イル、−チアゾール、−イミダゾール、−オキサゾール、−イソキサゾール、−NH−アリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、−NH−ヘテロアリール(場合により−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CN、アセチルで一置換または多置換され、多ヒドロキシ置換されており、ここでこれらのヒドロキシ官能基はアセタールとして結合していてもよい)、モノ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−、オリゴ(ヒドロキシアルキル)−フェニル−を意味し、
2=Hであり、
Z=−H、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−OMe、−NH2、−CNである、
化合物が特に好ましい。
【0043】
次の化合物
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
が本発明に好ましいものである。
【0048】
驚くべきことに、本発明の芳香族アミドチアゾールは、対応する芳香族アミノチアゾールと比較して、高い製剤安定性および/または高い有効性を示すことが判明した。
【0049】
表1を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0050】
有効性試験の方法の説明:
チアゾールの有効性は、ヒトチロシナーゼによるL−ドーパからL−ドーパキノンへの変換を測定する酵素試験で証明された。文献に記載のこの方法(Winder,A.J.and Harris,H.,New assays for the tyrosine hydroxylase and dopa oxidase activities of tyrosinase.Eur.J.Biochem.(1991),198,317−26)では、反応生成物L−ドーパキノンをMBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリンヒドラゾン)と反応させてピンク色の物質に変換し、その経時的増加を490nmでの吸光度により測定する。表に、請求の範囲に記載された物質の幾つかについての有効性データを例示している。そのデータから、本発明の物質が極めて有効な色素沈着抑制物質であることが結論付けられる。
【0051】
【表1】
【0052】
例示的に選択された芳香族アミドチアゾールの合成手順:
2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン:
【0053】
【化10】
【0054】
2,4−ジヒドロキシアセトフェノン60g(369mmol)とトリエチルアミン186mlをテトラヒドロフラン900mlに溶解した溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸メチルエステル(93ml)のテトラヒドロフラン(400ml)溶液をゆっくり滴下した。白色沈殿が生じた。室温で3時間撹拌した後、反応を停止した(DCコントロール)。沈殿を吸引濾過し、十分テトラヒドロフランで洗浄した。濾液をロータリーエバポレータで濃縮乾固し、酢酸エチルに溶かし、1N HClおよびNaCl溶液(飽和)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別し、酢酸エチルをロータリーエバポレータで濃縮した。2,4−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン105gを得た。1H NMR(DMSO−D6):8.05(d,1H),7.38(d,1H),7.36(s,1H),3.86(d,6H).この生成物をさらに精製することなく使用した。2,4−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン105gをクロロホルム(1000ml)に溶解した溶液に、臭素63g(392mmol)のクロロホルム(450ml)溶液を3時間以内に滴下した。その後、反応を室温でさらに15分間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレータで留去した。残留物を酢酸エチル/n−ヘキサンに撹拌混合し、生じた沈殿を吸引濾過した。酢酸エチル/n−ヘキサンから再結晶し、2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン100gを得た。1H NMR(DMSO−D6):8.11(d,1H),7.42(m,2H),4.87(s,2H),3.87(s,3H),3.85(s,3H)ppm;m.p.73−74℃.
【0055】
N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−4−(ヒドロキシメチル)ベンズアミド:
【0056】
【化11】
【0057】
【化12】
【0058】
4−アセトキシメチル安息香酸73.06g(380mmol)を塩化チオニル350ml中で2時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを減圧留去した後、残留物をトルエン1000mlに溶かし、チオ尿素57g(750mmol)を添加した。反応溶液を3時間煮沸還流した後、溶媒を減圧留去した。固体をメタノール500mlおよび酢酸エチル500mlと共に煮沸し、熱濾過した。収量:55g。1H NMR(DMSO−D6):1
1.25(bs,1H),9.85(bs,1H),9.56(bs,1H),7.93(d,2H),7.47(d,2H),5.15(s,2H),2.10(s,3H)ppm.
【0059】
2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン74.3g(218mmol)をチオ尿素55g(218mmol)およびNaHCO328g(327mmol)と共にエタノール1000ml中で0.5時間煮沸還流した。反応溶液を冷却し、NaOH70g(1.74mol)の水(300ml)溶液と混合した。60℃で2時間撹拌した後、反応溶液を水500mlに溶かし、2N HClでpH=6に調節した。生じた沈殿を濾別し、エタノール/水から再結晶した。チアゾール46gを得た。1H NMR(DMSO−D6):12.62(bs,1H),11.08(bs,1H),9.50(bs,1H),8.08(d,2H),7.70(d,1H),7.51(d,2H),7.48(s,1H),6.32(m,2H),5.38(t,1H),4.61(d,2H)ppm.m.p.:251−254℃.
【0060】
N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)ベンズアミド:
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
チアゾール臭化水素酸塩4.9g(12.2mmol)および4−(ヒドロキシ−1−メチルエチル)安息香酸2.2g(12.2mmol)を、TBTU4.3g(13.4mmol)およびトリエチルアミン6.17g(61mmol)と共にDMF50ml中で、室温で終夜撹拌した。ジメチルホルムアミドをロータリーエバポレータで留去し、反応混合物をエタノール150mlに溶かし、NaOH(2.5g(61mmol))の水(15ml)溶液を添加し、室温で1時間撹拌した。その後、水30mlを添加し、1N HClでpH=5に調節した。溶媒を減圧留去し、シリカゲル60のカラムクロマトグラフィーで、クロロホルム/メタノール/NH3 9/1/0.1を用いて、残留物の精製を行った。収量:1.3g。1H NMR(DMSO−D6):12.59(br,1H),11.06(br,1H),9.49(br,1H),8.05(d,2H),7.70(d,1H),7.65(d,2H),7.48(s,1H),6.30(m,2H),5.20(s,1H),1.46(s,6H)ppm;m.p.:152−154℃.
【0064】
N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)−6−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド:
【0065】
【化15】
【0066】
6−アセトキシメチルニコチン酸5.0g(26mmol)をTHF100mlに溶解し、塩化オキサリル3.7g(31mmol)を添加した後、15分間加熱還流した。チオ尿素3.9g(51mmol)を添加し、次いで、反応溶液を3時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、クロロホルム/メタノール 9/1を用いて精製を行った。収量:1.2g。1H NMR(DMSO−D6):11.54(s,1H),9.77(bs,1H),9.62(bs,1H),8.98(d,1H),8.28(dd,1H),7.52(d,1H),5.21(s,2H),2.15(s,3H)ppm;
【0067】
2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン1.6g(4.7mmol)を、N−(6−アセトキシメチルニコチノイル)チオ尿素1.2g(4.7mmol)およびNaHCO30.6g(7.1mmol)と共にエタノール20ml中で0.5時間煮沸還流した。反応溶液を冷却し、NaOH(2.0g(50mmol))の水(10ml)溶液と混合した。60℃で2時間撹拌した後、反応溶液を水50mlに溶かし、2N HClでpH=6に調節した。反応混合物を約20mlに減圧濃縮し、生じた沈殿を濾別した。精製は、分取HPLC(シリカゲル、RP18、水/アセトニトリル/TFA 50/50/0.1)およびその後に塩酸塩として沈殿することにより行った。チアゾール0.3gを得た。1H NMR(DMSO−D6):13.00(bs,1H),9.22(bs,1H),8.61(d,1H),7.79(d,1H),7.71(d,1H),7.53(s,1H),6.37(d,1H),6.33(dd,2H),5.80(bs,4H),4.79(s,2H)ppm.m.p.:>202℃、分解。
【0068】
4−シアノ−N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド:
【0069】
【化16】
【0070】
チオ尿素10.6g(139mmol)をトルエン(100ml)に入れておき、それに4−シアノベンゾイルクロライド11.5g(69.5mmol)を滴下した。反応溶液を4時間煮沸還流した。溶媒をロータリーエバポレータで留去し、残留物を3回アセトニトリルと共に煮沸し、熱濾過した。冷却した溶液から沈殿した結晶を吸引濾過し、乾燥した。収量:7.7g。1H NMR(DMSO−D6):11.54(bs,1H),9.74(bs,1H),9.64(bs,1H),8.05(d,2H),8.02(d,2H)ppm.
【0071】
【化17】
【0072】
2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン13.02g(37mmol)を、4−シアノベンゾイルチオ尿素7.7g(37mmol)およびNaHCO34.72g(56mmol)と共にエタノール100ml中で40分間煮沸還流した。反応溶液を冷却し、NaOH(6.0g(148mmol))の水(100ml)溶液と混合した。室温で30分間撹拌した後、反応溶液を水50mlと混合し、2N HClでpH=4に調節し、ロータリーエバポレータでエタノールを留去した。生じた沈殿を濾別し、エタノールと共に2回煮沸し、熱濾過した。冷却した溶液からチアゾール6.3gを得た。1H NMR(DMSO−D6):12.92(bs,1H),10.93(bs,1H),9.52(bs,1H),8.24(d,2H),8.06(d,2H),7.71(d,1H),7.70(s,1 H),6.33(m,2H)ppm.m.p.:301−303℃.
【0073】
4−(tert−ブチル)−N−(4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イル)ベンズアミド:
【0074】
【化18】
【0075】
チオ尿素7.74g(102mmol)をトルエン(75ml)に入れておき、それにp−tert−ブチル−ベンゾイルクロライド10g(50.8mmol)を滴下した。反応溶液を4時間煮沸還流し、冷却した。沈殿した淡黄色の結晶をエタノールから2回再結晶した。収量:4.1g。1H NMR(DMSO−D6):11.11(bs,1H),9.88(bs,1H),9.53(bs,1H),7.90(d,2H),7.53(d,2H),1.30(s,9H)ppm.
【0076】
【化19】
【0077】
2−ブロモ−2’,4’−ビス−メトキシカルボニルオキシ−アセトフェノン4.71g(13.6mmol)をp−tert−ブチル−ベンゾイルチオ尿素3.21g(13.6mmol)およびNaHCO31.72g(20.4mmol)と共にエタノール45ml中で0.5時間煮沸還流した。反応溶液を冷却し、NaOH(2.0g(50mmol))の水(15ml)溶液と混合した。室温で30分間撹拌した後、反応溶液を水30mlに溶かし、2N HClでpH=6に調節した。生じた沈殿を濾別し、エタノール/水から2回再結晶した。チアゾール3.2gを得た。1H NMR(DMSO−D6):12.59(bs,1H),11.06(bs,1H),9.50(bs,1H),8.06(d,2H),7.70(d,1H),7.59(d,2H),7.48(s,1H),6.32(m,2H),1.33(s,9H)ppm.m.p.:228−229℃.
【0078】
芳香族アミドチアゾールを含有する化粧用もしくは皮膚科用製剤、または望ましくない皮膚色素沈着を治療および/または予防するためのその使用も同様に本発明の有利な実施形態である。
【0079】
特に、このような製剤が、本発明に従って使用される芳香族アミドチアゾールを1種類以上、製剤の全重量に基づいて0.000001〜10重量%、特に0.0001〜3重量%、とりわけ0.001〜1重量%含有することが有利である。
【0080】
本発明の化粧用および皮膚科用製剤は、様々な形態で存在することができる。例えば、それらは溶液、水非含有製剤、油中水(W/O)型または水中油(O/W)型のエマルションまたはマイクロエマルション、例えば水中油中水(W/O/W)型などの複合エマルション、ゲル、固形スティック、軟膏またはエアゾールであってもよい。本発明に従って使用される物質および/またはその誘導体が、カプセル化された形態で、例えば、コラーゲンマトリックスおよび他の通常のカプセル化材料中に、例えば、セルロースカプセル化として、ゼラチンまたはリポソームにカプセル化された状態で提供されることも本発明に有利である。
【0081】
本発明に従って使用される物質および/またはその誘導体を皮膚および毛髪清浄化用の水系または界面活性剤製剤に添加することも、本発明に関して可能であり且つ有利である。
【0082】
本発明の化粧用および皮膚科用製剤は、このような製剤に通常使用される化粧品添加剤、例えば、保存料、抗菌剤、香料、抑泡物質、染料、着色作用を有する顔料、増粘剤、界面活性物質、乳化剤、皮膚軟化、湿潤および/または保湿物質、脂肪、油、ワックス、または化粧用もしくは皮膚科用製剤の他の通常の成分、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体を含有してもよい。
【0083】
脂質相は、有利には次の物質群:
−ミネラルオイル、ミネラルワックス
−カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、その他の天然油、例えば、ヒマシ油など;
−脂肪、ワックス、ならびに他の天然および合成脂肪体、好ましくは脂肪酸と低炭素数のアルコールとの、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセリンとのエステル、または脂肪アルコールと低炭素数のアルカン酸とのもしくは脂肪酸とのエステル;
−安息香酸アルキル;
−シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびこれらの混合形態、
から選択することができる。
【0084】
本発明に関するエマルション、含油ゲル(Oleogele)または水性分散液(Hydrodispersionen)もしくは油性分散液(Lipodispersionen)の油相は、有利には、炭素数3〜30の鎖長の飽和および/または不飽和、分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸と炭素数3〜30の鎖長の飽和および/または不飽和、分岐および/または非分岐アルコールとのエステルからなる群、芳香族カルボン酸と炭素数3〜30の鎖長の飽和および/または不飽和、分岐および/または非分岐アルコールとのエステルからなる群から選択される。このようなエステル油は、有利には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ならびにこのようなエステルの合成、半合成、および天然混合物、例えば、ホホバ油からなる群から選択することができる。
【0085】
本発明の製剤の水相は、場合により、例えば、プロピレングリコール、パンテノール、またはヒアルロン酸などの保湿剤、および、特に、有利には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択することができる1種類以上の増粘剤、特に有利には、例えば、カルボポール・タイプ980などのポリアクリレートを、それぞれ単独でまたは組み合わせて含有することが有利である。
【0086】
特に、前述の溶媒の混合物が使用される。アルコール系溶媒の場合、その他の成分として水を含んでもよい。
【0087】
本発明のエマルションは有利であり、例えば、前述の脂肪、油、ワックス、および別の脂肪体、ならびに水、およびこのような種類の製剤に通常使用される乳化剤を含有する。
【0088】
本発明のゲルは、通常、低炭素数のアルコール、例えば、エタノール、プロピレングリコール、および水または前述の油を増粘剤の存在下で含有し、増粘剤は、油−アルコール系ゲルの場合、好ましくは二酸化ケイ素またはケイ酸アルミニウムであり、水−アルコール系またはアルコール系ゲルの場合、好ましくはポリアクリレートである。
【0089】
エアゾール容器から噴霧可能な本発明の製剤用の噴射剤として、通常の公知の易揮発性液化噴射剤、例えば、炭化水素(プロパン、ブタン、イソブタン)が好適であり、それらは単独で使用されてもまたは互いに混合して使用されてもよい。圧縮空気も有利に使用することができる。
【0090】
有利には、本発明の製剤はその他に、UVB領域の紫外線を吸収する材料を含有してもよく、毛髪または皮膚を全領域の紫外線から保護する化粧用製剤を提供するために、紫外線吸収材料の全量は、例えば、製剤の全重量に基づき0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1.0〜6.0重量%である。それは、毛髪または皮膚用のサンスクリーン剤の役割を果たすこともできる。
【0091】
以下の実施例は本発明を説明するものであって、本発明を限定するものではない。量の記載、割合、およびパーセンテージは全て、特記しない限り、製剤の重量および全量または全重量に基づく重量パーセントである。
【実施例】
【0092】
処方例
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】
【表15】
【0107】
【表16】
【0108】
【表17】
【0109】
【表18】
【0110】
【表19】
【0111】
【表20】
【0112】
【表21】
【0113】
【表22】
【0114】
【表23】