(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584493
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】軌道を安定化させる装置
(51)【国際特許分類】
E01B 27/17 20060101AFI20190919BHJP
E01B 27/13 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
E01B27/17
E01B27/13
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-508054(P2017-508054)
(86)(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公表番号】特表2017-523328(P2017-523328A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】EP2015001458
(87)【国際公開番号】WO2016023609
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2018年3月15日
(31)【優先権主張番号】A630/2014
(32)【優先日】2014年8月13日
(33)【優先権主張国】AT
(31)【優先権主張番号】A110/2015
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール リンツ
【審査官】
湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3107898(JP,U)
【文献】
特開昭57−143001(JP,A)
【文献】
特開昭51−112007(JP,A)
【文献】
米国特許第04449459(US,A)
【文献】
実開平01−167402(JP,U)
【文献】
特開平08−239801(JP,A)
【文献】
特開昭56−128803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/17
E01B 27/13
E01B 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール走行装置(3)により軌道(2)上を走行可能な機械フレーム(5)と、前記軌道(2)上を転動可能な複数のフランジ付き車輪(16)、高さ位置調節駆動装置(6)および振動発生器(7)を有する安定化ユニット(4)と、を備え、該安定化ユニット(4)は、長手方向シフト駆動装置(24)により、機械長手方向(23)で前記機械フレーム(5)に対してシフト可能に構成されている、軌道(2)を安定化させる機械であって、
前記安定化ユニット(4)の前記複数のフランジ付き車輪(16)が、それぞれ固有の、独立して作用可能な1つの液圧駆動装置(35)と結合されていることを特徴とする、軌道を安定化させる機械。
【請求項2】
前記機械フレーム(5)と前記安定化ユニット(4)との間に押圧駆動装置(28)が設けられており、該押圧駆動装置(28)は、第1の端部(27)で、押圧レバー(26)と枢着式に結合されているとともに、第2の端部(29)により、前記安定化ユニット(4)と枢着式に結合されており、前記押圧レバー(26)は、鉛直方向に関して下側の端部(30)により、前記安定化ユニット(4)と枢着式に結合されている一方、上側の端部(31)に、前記機械フレーム(5)に当接するように設けられた押圧ローラ(33)が配置されている、請求項1記載の機械。
【請求項3】
第1の枢着部(19)により前記機械フレーム(5)と結合されるとともに第2の枢着部(20)により前記安定化ユニット(4)と結合された補整レバー(21)が設けられており、前記長手方向シフト駆動装置(24)は、前記両方の枢着部(19,20)の間で前記補整レバー(21)と結合されている、請求項1記載の機械。
【請求項4】
前記安定化ユニット(4)または前記機械フレーム(5)と結合された、前記軌道(2)のレール(17)上を転動可能な速度測定器(34)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール走行装置により軌道上を走行可能な機械フレームと、高さ位置調節駆動装置および振動発生器を有する安定化ユニットと、を備える、軌道を安定化させる機械に関する。
【背景技術】
【0002】
既に欧州特許第0726360号明細書(EP 0 726 360)において、このような、道床安定作業車として知られた機械が記述されている。この機械は、作業運転時に歩進的に走行可能なマルチプルタイタンパに連結されており、軌道は、突き固めの後で振動により構造荷重を掛けながらコントロールされて目標位置に沈下させられる。制御装置により、突き固めおよび安定化の連続動作を互いに合わせて調整することができ、この場合、安定作業車の機械フレームは、長手方向シフト駆動装置によりタイタンパの機械フレームに対して位置調整可能に構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明の課題は、運転時の安定化ユニットの改善された制御が可能である、冒頭で述べた態様の機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた態様の機械において、独立請求項の特徴部に記載の構成により解決される。
【0005】
この構造的に簡単で丈夫な構成により、安定化ユニットを、運転時、持続的に軌道上で作業方向に前進移動させることができる一方、同時に、タイタンパに連結された機械フレームが、タイタンパとともに歩進的にまたは周期的に走行させられる。これにより、好適には、タイタンパの停止期間中、安定化ユニットが過度に長く同一の位置で軌道に作用して、これにより軌道が場所により過度に強く沈下させられ、したがって総じて不均一な作業結果となってしまうことを回避することができる。
【0006】
本発明のその他の利点は、従属請求項および図面に関する記述から明らかである。
【0007】
以下、本発明を、図示された実施の態様に基づいて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】タイタンパと結合された本発明による機械の側面図である。
【
図2】
図1に示された安定化ユニットの拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示された、軌道2を安定化させる機械1は、レール走行装置3により軌道2上を走行可能であって安定化ユニット4と結合された機械フレーム5を備える。以下、
図2に関してさらに詳しく記述される安定化ユニット4は、高さ位置調整駆動装置6を介して、鉛直方向に位置調整可能に構成されているとともに、振動発生器7を備えている。機械フレーム5は、作業方向8に関して前方に配置された、周期的に突き固めを行うように構成されたタイタンパ9に連結されており、タイタンパ9は、レール走行装置10を介して軌道2上に支持されていて、運転室11と、軌道突き固めユニット12と、軌道持上げ調整ユニット13と、エネルギユニット14と、走行駆動装置15とを備える。
【0010】
図2において看取されるように、安定化ユニット4は、作業運転中、フランジ付き車輪16により軌道2のレール17上に支持されているとともに、側方へ旋回可能な持上げローラ18によりレール17と係合する。各フランジ付き車輪16は、固有の、独立して作用可能な液圧駆動装置35と結合されている。作業方向8で安定化ユニット4の前方に配置されほぼ鉛直に延在する補整レバー21が設けられている。補整レバー21は、第1の枢着部19により機械フレーム5と結合されているとともに、第2の枢着部20により引張りロッド22を介して安定化ユニット4と結合されている。両方の枢着部19,20の間のほぼ中央に置かれた位置で、補整レバー21は、機械長手方向23に延在する長手方向シフト駆動装置24と結合されており、この長手方向シフト駆動装置24自体は、機械フレーム5に枢着されている。このようにして、安定化ユニット4は、機械長手方向23で、機械フレーム5に対して相対的にシフト可能に構成されている。
【0011】
安定化ユニット4は、鉛直方向の構造荷重を生成するための押圧装置25を備える。この装置は、押圧レバー26から成る。押圧レバー26は、押圧駆動装置28の第1の端部27と枢着式に結合されており、押圧駆動装置28の第2の端部29は、安定化ユニット4に枢着されている。押圧レバー26自体は、鉛直方向に関して下側の端部30により、安定化ユニット4と枢着式に結合されている一方、上側の端部31に、機械フレーム5に(または機械フレーム5に取り付けられたプレート32に)当接するように設けられた押圧ローラ33が配置されている。
【0012】
さらに、機械1に速度測定器34が設けられており(
図1)、速度測定器34は、機械フレーム5と結合されていて、軌道2のレール17上を転動可能である。代替的に、速度測定器は、安定化ユニット4と結合されていてもよい。
【0013】
作業運転時、タイタンパ9は、歩進的に軌道2の枕木から枕木へ走行し、突き固め動作のために突き固めユニット12を道床に降下させるために、そのつど周期的に停止する。作業方向後方で、所定の一時的な高さ位置にある軌道下突き固めされた軌道2は、安定化ユニット4により振動させられ、構造荷重が加えられて目標位置へ沈下させられる。その際、タイタンパ9の停止期間中、軌道2が過剰に長い安定化作用によって1つの箇所で過度に強く沈下させられることを阻止するために、安定化ユニット4は、長手方向シフト駆動装置24により、軌道上2を転動するフランジ付き車輪16の液圧駆動装置35の作用により補助されて、停止期間経過中、機械フレーム5に対して相対的に前進移動させられる。互いに結合された2つの機械1,9の前進を検出する速度測定器34により、前進移動を長手方向シフト駆動装置24によって相応に制御し、または機械前進に合わせて調整することができ、最適な作業結果が得られる。
【0014】
図3には、本発明の代替的な態様が示されている。
図3の態様では、押圧装置25が、高さ位置調節駆動装置6によって形成され、この場合、高さ位置調節駆動装置6により、構造荷重がレール17に及ぼされる。機械フレーム5に対して相対的な安定化ユニット4のシフト移動により、高さ位置調節駆動装置6の長さが継続的に変化するので、高さ位置調節駆動装置6は、コントロール装置(図示されていない)により持続的に後制御され、これにより、軌道2のレール17に掛かる構造荷重が一定に維持される。