(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第3の面(40)に設けられた開口部(42)の幅は、軸(46)に対して垂直な横断面で見て、また軸(46)に向かう径方向で見て、最小幅から増大し、それによって、第3の面(40)は、回転空間(44)を第3の面(40)の内側に画成し、回転空間(44)の幅は最小幅よりも大きい、
請求項2または3に記載の薬物送達デバイス(1)。
ピストンロッド本体(19)は、縦軸(29)を有し、支承部(18)は、該支承部(18)とピストンロッド本体(19)を互いの方に向ける動きによって、ピストンロッド本体(19)に取付け可能であり、前記動きの間、支承部(18)の軸(46)とピストンロッド本体(19)の縦軸(29)が互いに平行な向きにおかれる、
請求項1または2に記載の薬物送達デバイス(1)。
ヘッド(24)は、第1および第3の面(39、40)に設けられた開口部(41、42)とヘッド(24)の主方向(38)とが心合わせされている場合にのみ、ピストンロッド本体(19)と支承部(18)の組立てを可能にする、
請求項10に記載の薬物送達デバイス(1)。
支承部(18)の第3の面(40)の回転空間(44)は、ヘッド(24)最大径方向幅よりも広く、それによって、ヘッド(24)が回転空間(44)の内部で回転すること
が可能になる、
請求項10に記載の薬物送達デバイス(1)。
第1の面(39)に設けられた開口部(41)の最大幅は、連結部分(23)の最大直径と等しいか、それよりも大きく、かつヘッド(24)の最小径方向幅よりも小さい、請求項13に記載の薬物送達デバイス(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1つの目的は、ピストンロッド本体との組立ての改善を助ける支承部を提供することである。別の目的は、ピストンロッド本体と支承部の組立ての改善を助けるピストンロッド配置を提供することである。さらには、新規の、特に改善されたピストンロッド本体が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立請求項に記載の薬物送達デバイスのピストンロッド配置用の支承部、ピストンロッド配置、およびピストンロッド本体によって達成することができる。さらなる機能、有利な実施形態および有用性は、従属請求項の主題である。
【0005】
一態様によれば、薬物送達デバイスのピストンロッド本体用の支承部が軸を有し、この支承部は、軸の方向に離隔されている第1および第2の面と、第3の面とを備え、この第3の面は第1と第2の面を連結する。第1および第3の面のそれぞれに開口部を設けることができる。第1の面の開口部は、第3の面の開口部と連結することができる。
【0006】
支承部の第1の面は、固定近位端壁によって形成することができる。特に、この固定近位端壁は、支承部をピストンロッド本体に固定することができる。支承部の第2の面は、栓接触壁すなわち遠端壁によって形成することができる。この支承部は、薬物送達デバイス内で使用することができる。支承部は、ピストンロッド本体と組み合わされて薬物送達デバイスのピストンロッドが形成されるように適合させることができる。特に、薬物送達デバイスでは、支承部の栓接触壁は、栓(例えば、デバイスから投薬されるべき薬物を収容するカートリッジ内に配置された栓)と直接接触することができる。特に、支承部の遠位端壁は、栓の近位端面に当接するように配置することができる。支承部の第3の面は、側壁によって形成することができる。特に、この側壁は、固定近位端壁および遠位端壁に対して垂直に伸びることができる。
【0007】
第1および第3の面に設けられた開口部により、ピストンロッド本体と支承部の組立てが可能になり、支承部は、ピストンロッド本体に向かって横方向に動かされる。横方向の動きは、支承部の軸がピストンロッド本体の縦軸と平行に向けられる動きに対応することができる。特に、第3の面は、入口領域を画成することができ、その結果、ピストンロッド本体の一部分を支承部の外側からその入口領域を経由して支承部内の内部空間内に動かすことによって、ピストンロッド本体を支承部と組み合わせることができるようになる。入口領域は、第3の面に設けられた開口部の減少する幅によって特徴づけることができる。
【0008】
支承部とピストンロッド本体のこの連結は、非常に堅牢である。再使用可能薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスから取り外すことが可能な、かつ、第1のカートリッジが空
になったときに新しいカートリッジと交換することが可能な、カートリッジを備えることができる。カートリッジ交換時、支承部は露出される可能性がある。したがって、通常の、軸方向に取り付けられる支承部は、使用者によってピストンロッド本体から偶発的に取り外され、または取り除かれる可能性がある。
【0009】
提案の側方懸架式支承部では、非常に堅牢なアセンブリが得られ、また、使用者(特に、患者などの、訓練を受けていない医療デバイスの使用者)は、カートリッジの交換時には通常、ピストンロッド本体から支承部を取り外すために必要な径方向の力ではなく、軸方向の力を加えるので、偶発的に支承部を取り外すリスクが著しく低減する。提案の支承部は、ピストンロッド本体から容易には分離しない。さらに、この支承部は製造しやすく、また単一の(例えば成形される)部材として、安価になり得る。
【0010】
好ましい実施形態では、軸に対して垂直な横断面で見て、第3の面は、第3の面に設けられた開口部が最小幅を有する入口領域を画成する。第3の面は、2つの対向する壁によって入口領域が制限されるように形作ることができる。さらに、最小幅は、入口領域内の、第3の面の2つの対向する壁の間の最小距離として規定することができる。
【0011】
第3の面に設けられた開口部の幅は、軸に対して垂直な横断面で見て、また軸に向かう径方向で見て、入口領域内で最小幅まで減少することができる。それによって、第3の面に設けられた開口部は挿入斜面を形成することができる。支承部がピストンロッド本体に取り付けられるとき、支承部とピストンロッド本体でわずかに心合わせがずれている場合でも、挿入斜面により組立てが可能になる。特に、第3の面に設けられた開口部の幅は、入口領域内で、最小幅に向かって次第に減少することができる。それによって、挿入斜面は凸状とすることができる。凸状の挿入斜面は、支承部とピストンロッド本体の(特に、湾曲した縁部を備えるピストンロッド本体の)より容易な組立てを可能にする。
【0012】
さらに、第3の面に設けられた開口部の幅は、軸に向かう径方向で見て最小幅から増大し、それによって第3の面は、回転空間を第3の面の内側に画成する。回転空間の幅は、最小幅よりも大きくすることができる。特に、回転空間は円筒形とすることができる。さらに、回転空間は入口領域と隣接することができる。支承部がピストンロッド本体に取り付けられると、回転空間により、ピストンロッド本体が支承部に対して回転することが可能になり得る。特に、回転空間の幅を最小幅よりも大きくできるので、ピストンロッド本体の一部分は、回転空間内で回転することが可能になるが、回転空間から外へ動くことは阻止される。
【0013】
さらに、第1の面に設けられた開口部は、軸に対して垂直な横断面で見て、第3の面に設けられた開口部の、最小幅のところの幅よりも小さい最大幅を有することができる。支承部がピストンロッド本体に取り付けられると、第1の面は、ピストンロッド本体の支承部に対する軸方向運動を阻止することができる。特に、第1の面に設けられた、最小幅よりもさらに小さい開口部の最大幅よりも大きい幅を有する、ピストンロッド本体のヘッドは、第1の面に設けられた開口部によって軸方向に固定される。
【0014】
可撓性要素を第3の面に配置することができる。この可撓性要素は、開口部内に突出することができる。特に、可撓性要素は、開口部の入口領域内に突出することができる。可撓性要素は、最小幅よりもわずかに小さい直径を有する要素が、縦軸に向かう方向では入口領域を通って入ることを可能にするが、縦軸から遠ざかる方向では入口領域を通って出ることを可能にしないように、形作ることができる。
【0015】
好ましい実施形態では、第3の面は、軸に対して垂直な平面で見てC字形の断面を有する。別の好ましい実施形態では、第1の面は、軸に対して垂直な平面で見てC字形の断面
を有する。C字形の断面は、開口部が設けられて上記の特徴が実現される第1の面および第3の面それぞれに、簡単な形状を与える。
【0016】
さらに、一態様によれば、支承部と、縦軸を有するピストンロッド本体とを含む、ピストンロッド配置が提供される。支承部は、支承部とピストンロッド本体を互いの方に向かわせる動きによって、ピストンロッド本体に取付け可能とすることができ、その動きの間、支承部の軸とピストンロッド本体の縦軸が互いに平行な向きにおかれる。言い換えると、支承部は、横方向に動かすことによってピストンロッドに取り付けることができる。
【0017】
このピストンロッド配置は、ピストンロッド本体と支承部の非常に堅牢な組立てを可能にする。支承部が露出される場合、例えば、薬物送達デバイスのカートリッジの交換時に、使用者が支承部を偶発的に取り外す、または引っ張る可能性がある。しかし、ピストンロッド本体に支承部を横方向に取り付けることにより、支承部がピストンロッド本体と組み合わされた後に、使用者がピストンロッド配置を偶発的に分解するという可能性は非常に低くなる。
【0018】
ピストンロッド配置の好ましい実施形態では、ピストンロッド本体はヘッドを備えることができ、ヘッドの径方向幅は、縦軸のまわりで方位角方向に沿って変化する。特に、ヘッドは最小径方向幅を備えることができる。さらに、ヘッドは最大径方向幅を備えることができる。主方向は、最小径方向幅によって規定される方向に対して垂直であると定義することができる。
【0019】
好ましい実施形態では、ヘッドは、第1および第3の面に設けられた開口部とヘッドの主方向が心合わせされている場合にのみ、ピストンロッド本体と支承部の組立てを可能にすることができる。したがって、支承部とピストンロッド本体は、第1および第3の面に設けられた開口部を通してヘッドを挿入できるように、互いに方向を合わせる必要がある。
【0020】
支承部の第3の面に設けられた開口部が、入口領域内で減少する幅を有することができるので、入口領域は挿入斜面を備えることができる。この挿入斜面により、第1および第3の面に設けられた開口部とヘッドの主方向が数度だけ(例えば20度を超えないで)心合わせがずれている場合でも、ピストンロッド本体と支承部の組立てが可能になり得る。
【0021】
ヘッドは、湾曲した縁部を備えることができる。それによって、この湾曲した縁部は、ヘッドが支承部の挿入斜面に沿って摺動することを可能にする。したがって、湾曲した縁部は、支承部とヘッドの滑らかな相互作用を可能にする。
【0022】
さらに、支承部の第3の面の回転空間は、ヘッドの最大径方向幅よりも広くすることができ、それによって、ヘッドが回転空間内で回転することが可能になる。
【0023】
さらに、第3の面に設けられた開口部の入口領域の最小幅は、ヘッドの最小径方向幅と等しくするか、それよりも大きくすることができ、さらに、ヘッドの最大径方向幅よりも小さくすることができる。それによって、ヘッドは、主方向が開口部と心合わせされているときに、第3の面によって画成された入口領域を通って入ることが可能になる。さらに、ヘッドは、主方向が開口部と心合わせされていないときには、第3の面によって画成された入口領域を通って入ることが阻止される。
【0024】
好ましい実施形態では、ピストンロッド本体はさらに、主本体部材と、ヘッドを主本体部材に連結する連結部分とを備えることができる。ピストンロッド本体の主本体部材は、らせん溝を備えることができる。主本体部材は、親ねじ本体とすることができる。
【0025】
連結部分は、縦軸に対して垂直な横断面で見て、ヘッドの最小径方向幅よりも小さい最小直径を有することができる。しかし、好ましい実施形態では、連結部分は一定の直径を有する。したがって、連結部分の最小直径は、連結部分の最大直径と等しくなり得る。
【0026】
第1の面に設けられた開口部の最大幅は、連結部分の最大直径と等しくするか、それよりも大きく、またヘッドの最小半径よりも小さくすることができる。それによって、ピストンロッド本体は、支承部がピストンロッドと組み合わされるときに、支承部に対して軸方向に動くことが阻止される。
【0027】
さらに、ピストンロッド本体は、支承部がピストンロッド本体と組み合わされるときに、支承部に対して回転することを可能にすることができる。特に、ピストンロッド本体のヘッドは、第3の面に設けられた開口部の回転空間内で回転できるようにすることができる。
【0028】
本開示の別の態様によれば、支承部がピストンロッド本体に取り付けられる、ピストンロッド配置を備える薬物送達デバイスが提供される。
【0029】
本開示の別の態様によれば、縦軸を有するピストンロッド本体が提供される。ピストンロッド本体は、主本体部材と、ヘッドと、ヘッドを主本体部材に連結する連結部分とを備えることができ、ヘッドの径方向幅は、縦軸のまわりで方位角方向に沿って変化し、ヘッドは最小径方向幅を備え、連結部分は、縦軸に対して垂直な横断面で見て、ヘッドの最小径方向幅よりも小さい直径を有する。
【0030】
支承部およびピストンロッド本体と関連して以上および以下に本明細書で説明する諸機能はまた、支承部およびピストンロッド本体を備えた、対応する薬物送達デバイスおよびピストンロッド配置にも適用することができる。
【0031】
さらなる機能、改良および有用性は、図と関連した例示的な実施形態についての以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
同様の要素、同じ種類の要素、および全く同様に作動する要素は、図中で同じ参照番号を用いて提示されることがある。
【0034】
本明細書で使用する用語「薬剤」または「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0035】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0036】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0037】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0038】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0039】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(
1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0040】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0041】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0042】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0043】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0044】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0045】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クロ
ーンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0046】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0047】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0048】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0049】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0050】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0051】
ここで
図1を参照すると、カートリッジユニット2および駆動機構3を備える薬物送達デバイス1が示されている。カートリッジユニット2はカートリッジ4を備える。薬剤5は、カートリッジ4内に保持される。薬剤5は、好ましくは液体薬剤である。カートリッジ4は、好ましくは薬剤5の複数の用量を備える。薬剤5は、例えば、インスリン、ヘパリンまたは成長ホルモンを含むことができる。カートリッジ4は、その遠位端28に出口6を有する。薬剤5は、カートリッジから出口6を通して投薬することができる。デバイ
ス1はペン型デバイス(具体的にはペン型注射器)とすることができる。デバイス1は、使い捨てデバイスとすることも再使用可能デバイスとすることもできる。デバイス1は、薬剤の固定された用量または可変の、好ましくは使用者設定可能な用量を投薬するように構成されたデバイスとすることができる。デバイス1は、針ベースのデバイスとすることも無針デバイスとすることもできる。デバイス1は、注射デバイスとすることができる。
【0052】
薬剤送達デバイス1またはその部材の「遠位端」という用語は、デバイス1の投薬端部に最も近いデバイスまたは部材の端部を指すことができる。薬剤送達デバイス1またはその部材の「近位端」という用語は、デバイスの投薬端部から最も遠いデバイスまたは部材の端部を指すことができる。
図1では、デバイス1の遠位端に参照番号7が付与され、デバイスの近位端に参照番号8が付与されている。
【0053】
出口6は、カートリッジの保管中に外部の影響から薬剤5を保護する膜9で覆うことができる。薬剤送達のために、膜9は開封する(例えば、穿孔する)ことができる。例えば、膜9は針ユニット17によって穿孔することができる。針ユニット17は、カートリッジユニット2の遠位端7に(取り外し可能に)付けることができる。針ユニット17は、カートリッジ4の内側から出口6を経由してカートリッジの外側へ流体連通を行うことができる。
【0054】
栓10がカートリッジ4の内部に保持される。栓10は、カートリッジ4に対して可動である。栓10は、薬剤5をカートリッジ4の内部に封止することができる。栓10は、カートリッジ4の内部を近位で封止することができることが好都合である。カートリッジ4に対して遠位の方向に栓10を動かすと、デバイスの動作時に薬剤5がカートリッジから出口6を経由して投薬されることになる。
【0055】
カートリッジユニット2はさらに、カートリッジ保持部材11を備える。カートリッジ4は、カートリッジ保持部材11の内部に保持される。カートリッジ保持部材11は、カートリッジ4を機械的に安定化することができる。加えて、または別法として、カートリッジ保持部材11は、カートリッジユニット2を駆動機構3に取り付けるための固定部材(明示的に図示せず)を備えることもできる。
【0056】
カートリッジユニット2と駆動機構3は互いに、好ましくは解除可能に、固定することができる。
【0057】
駆動機構3は、栓10をカートリッジ4に対して遠位方向に変位させるために、力(好ましくは使用者が及ぼす力、特に好ましくは手で及ぼす力)を栓10に移動させるように構成される。このようにして薬剤5の用量をカートリッジ4から投薬することができる。送達される用量の大きさは、栓10をカートリッジ4に対して遠位方向に変位させる距離によって決めることができる。
【0058】
駆動機構3は、ピストンロッド配置12を含む。ピストンロッド配置12は、力を栓10に移動させるように構成することができ、それによって栓をカートリッジ4に対して遠位方向に変位させる。ピストンロッド配置12は、支承部18およびピストンロッド本体19を含むことができる。支承部18は、ピストンロッド本体19に軸方向で固定することができる。それによって、ピストンロッド本体19の軸方向運動を支承部18の軸方向運動に変換することができる。
【0059】
支承部の遠位端面20は、栓10の近位端面21に当接するように配置することができる。支承部18は、栓10を前進させることができる。
【0060】
駆動機構3はハウジング13を含む。ピストンロッド配置12は、ハウジング内に保持することができる。カートリッジユニット2の近位端側面14は、ハウジング13の遠位端側面15において、例えばねじ付連結部を介して駆動機構3に固定することができる。ハウジング13、カートリッジ4および/またはカートリッジ保持部材11は、管状の形を有することができる。
【0061】
「ハウジング」という用語は、特定の部材が近位に動かないようにする単方向の軸方向連結を有することができる、任意の外部ハウジング(「主ハウジング」、「ボディ」、「外殻」)または内部ハウジング(「挿入物」、「内部ボディ」)を意味するものとするのが好ましい。ハウジングは、薬剤送達デバイスの、またはその機構のどれでも、安全、適正で快適な操作ができるように設計することができる。通常、ハウジングは、好ましくは液体、ほこり、ちりなどの汚染物質に曝すことを限定することによって、薬剤送達デバイスの内部部材(例えば、駆動機構、カートリッジ、ピストン、ピストンロッド)のいずれも収容し、固定し、保護し、案内し、かつ/またはそれと係合するように設計される。一般に、ハウジングは、管状または非管状の形の、単一または複数部の部材とすることができる。
【0062】
「ピストンロッド本体」という用語は、ハウジングを通って/内部で、動作するように適合された部材を意味するものとするのが好ましく、この部材は、例えば、注射可能な製品を排出/投薬する目的のために、薬物送達デバイス1を通る/内部の軸方向運動を、好ましくは駆動部材から栓へ移動させるように設計することができる。前記ピストンロッド本体19は、可撓性とすることも非可撓性とすることもできる。ピストンロッド本体は、単純なロッド、親ねじ、ラックとピニオンシステム、ウォーム歯車システムなどとすることができる。「ピストンロッド本体」はさらに、円形または非円形の断面を有する部材を意味することもできる。ピストンロッド本体は、当業者に知られている適切な材料で作ることができ、また単一または複数部の構造とすることができる。
【0063】
駆動機構3は用量部材16を含む。用量部材16はハウジング13に対して可動である。用量部材16は、送達されるべき薬剤5の用量を設定するためにハウジング13に対して近位方向に、また設定された用量を送達するためにハウジングに対して遠位方向に、可動にすることができる。用量部材16は、好ましくはハウジング13に連結することができる。用量部材16は、ハウジングに対して回転運動することのないよう固定することができる。用量部材16は、ハウジング13に対して近位端位置と遠位端位置の間で動かす(変位させる)ことができる(明示的に図示せず)。
【0064】
デバイス1は手動(特に非電動)デバイスとすることができる。用量部材16をハウジング13に対して遠位方向に動かす(使用者の加えた)力は、駆動部材によってピストンロッド配置12に移動させることができる。この目的のために、
図1には明示されていない、他の駆動機構の要素を設けることもできる。この駆動機構は、好ましくは、用量を設定するために用量部材16をハウジング13に対して近位方向に動かすときに、ピストンロッド配置12がハウジング13に対して動かないように構成される。
【0065】
上述したように薬物送達デバイス1内に設けるのに適している駆動機構の諸実施形態について、以下でより詳細に説明する。
【0066】
上述したように薬剤送達デバイス1内で実施するのに適している駆動機構の第1の実施形態について、
図2〜14に関して説明する。
【0067】
図2および
図3は、ピストンロッド本体19の一部分の斜視図を示す。ピストンロッド本体19は、縦軸29を有すると共に、主本体部材22、連結部分23、およびヘッド2
4を備える。ピストンロッド本体19は、親ねじとすることができる。ピストンロッド本体の主本体部材22は、ねじ山25を備える。主本体部材22のねじ山25はらせん状になっている。駆動機構3の部材とねじ山25の相互作用により、ピストンロッド本体が回転すること、および/または軸方向に動くことが可能になる。さらに、ピストンロッド本体19の主本体部材22は、軸方向に直線溝26を備える。直線溝26は、駆動部材との相互作用を可能にする。
【0068】
さらに、ピストンロッド本体19は、主本体部材22の近位端側面27に連結されている連結部分23を備える。ピストンロッド本体19の縦軸29に対して垂直な横断面で見て、連結部分23は円形断面を有する。連結部分23の径方向幅は、縦軸29に対して垂直な横断面に見られる主本体部材22の最小径方向幅よりも小さい。
【0069】
さらに、ピストンロッド本体19はヘッド24を備える。このヘッドの遠位端30は、連結部分23の近位端31に連結される。縦軸29に対して垂直な横断面で見て、ヘッド24は4つの側壁32〜35を備え、第1の側壁32と第2の側壁33は互いに向かい合っており、径方向に最小幅を有する。さらに、第3の側壁34と第4の側壁35もまた互いに向かい合っており、径方向に最大幅を有する。縦方向にヘッド24は、側壁32〜35間の径方向幅が一定である主部36と、側壁32〜35間の径方向幅が減少する前部37とを備える。
【0070】
ヘッド24の近傍の側壁(例えば、第1および第3の側壁32、34)に連結する縁部は、湾曲している。
【0071】
第1および第2の側壁32、33は、ヘッド24の最小径方向幅を有する。そのために、ヘッド24の主方向38は、最小幅によって規定される方向に対して垂直であることで定義される。この場合、ヘッド24の主方向38は、第1の側壁32と第2の側壁33の接続線に対して垂直であることで定義される。
【0072】
ヘッド24の最小径方向幅は、連結部分23の直径よりも大きい。第3および第4の側壁34、35は、湾曲した形状を有する。
【0073】
図4および
図5は、支承部18の斜視図を示す。支承部18は、第1の面39、第2の面20、および第3の面40を備える。支承部18の第1の面39は、固定近位端壁とすることができる。具体的には、固定近位端壁は、支承部18をピストンロッド本体19に固定することができる。支承部18の第2の面20は栓接触壁すなわち遠位端壁20とすることができる。特に、薬物送達デバイス1では、支承部18の栓接触壁は、栓10と直接接触することができる。特に、支承部18の遠位端壁20は、栓の近位端面に当接するように配置することができる。支承部18の第3の面40は、側壁とすることができる。特に、側壁40は、第1の面39および第2の面20に対して垂直にすることができる。
【0074】
支承部18は軸46を有する。第1の面39と第2の面20は、軸46の方向に離隔されている。第3の面40は、第1および第2の面39、20と連結している。
【0075】
縦軸29に対して垂直な横断面で見て、第1の面39はC字形の断面を有する。開口部41が第1の面39に設けられている。縦軸29に向かって見て、開口部41は、開口部41の最大幅でもある一定幅を有し、後部で開口部41の幅は減少する。第1の面39に設けられた開口部41の最大幅は、ヘッド24の主部36におけるヘッド24の最小径方向幅よりも小さい。さらに、第1の面39に設けられた開口部41の最大幅は、連結部分23の径方向幅の直径と等しいか、それよりも広い。そのために、第1の面39に設けられた開口部41により、ピストンロッド本体19の連結部分23を第1の面39に挿入す
ることが可能になる。しかし、第1の面39に設けられた開口部41がヘッド24の最小径方向幅よりも小さいので、支承部18に対するピストンロッド本体19の軸方向運動は阻止される。
【0076】
縦方向軸29に対して垂直な横断面で見て、第3の面40はC字形の断面を有する。開口部42が第3の面40に設けられている。第3の面40は、入口領域43および回転空間44を画成する。縦軸29に向かって見て、第3の面40に設けられた開口部42の幅は、最小幅まで(例えば最小幅の箇所まで)減少する。第3の面40に設けられた開口部42の幅の減少する領域は、入口領域43である。さらに、最小幅と縦軸29の間で開口部42の幅が増大し、それによって第3の面40は、開口部42の内側に回転空間44を画成する。回転空間44内では、第3の面40に設けられた開口部42は円形である。回転空間44内の開口部42の直径は、ヘッド24の最大径方向幅よりも大きい。その最小幅は、この幅がヘッド24の最小軸方向幅と同じか、それよりも大きく、かつヘッド24の最大径方向幅よりは小さくなるように選ばれる。
【0077】
さらに、入口領域43には、突起45が側壁40上に設けられている。突起45は可撓性とすることができる。突起45は、縦軸29に向かう方向に要素が動くことを可能にするように、さらに縦軸29から遠くへ動くことを制限するように形作ることができる。
【0078】
図6〜11は、支承部18とピストンロッド本体19の組立てを示す。
図6、8、および10は、その組立てを斜視図で示す。
図7、9、および11は、その組立てを縦軸29に対して垂直な断面図で示す。
【0079】
図6および
図7は、組み合わされていない状態の支承部18およびピストンロッド本体19を示す。支承部18をピストンロッド本体19に取り付けるために、支承部18とピストンロッド本体19は、支承部18の軸46がピストンロッド本体19の縦軸29と平行になるように並べられる。さらにこれらは、支承部18をピストンロッド本体19に向けて動かし、かつ2つの軸46、29を互いに平行に保つ動きによって取り付けられる。言い換えると、支承部18は、横方向の動きによってピストンロッド本体19に取り付けられる。
【0080】
しかし、支承部18は、これをピストンロッド本体19に取り付けるためにピストンロッド本体19と心合わせする必要がある。具体的には、取付けは、ピストンロッド本体19のヘッド24の主方向38を、支承部18の第3の面40に設けられた開口部42に向かって心合わせされている場合にのみ可能である。第3の面40に設けられた開口部42の幅は、縦軸29に向かって最小幅まで減少するので、挿入斜面47が画成される。挿入斜面47により、支承部18をピストンロッド本体19に取り付けることが、これらが数度だけ(例えば20度を超えないで)心合わせがずれている場合でも可能になる。具体的には、第3の面40に設けられた開口部42の幅は、縦軸29に向かって最小幅まで次第に減少する。それによって、挿入斜面47は凸状に形作られて、ヘッド24と挿入斜面47の滑らかな相互作用が可能になる。ヘッド24の湾曲した縁部は、挿入斜面47の凸面に沿って摺動することができ、それによって、支承部18の軸46とピストンロッド本体19の縦軸29でわずかに心合わせがずれている場合でも、ヘッド24と支承部18の組立てが可能になる。
【0081】
図8および
図9は、組み合わせ工程中の支承部18およびピストンロッド本体19を示す。
【0082】
図10および
図11は、ピストンロッド本体19に取り付けられた支承部18を示す。ヘッド24は、第3の面40の回転空間44内に位置している。ヘッド24は、回転空間
44内の開口部42の直径がヘッド24の最大径方向幅よりも大きいので、回転空間44の内側で支承部18に対して回転することが可能になっている。第3の面40に設けられている開口部42の入口領域43の突起45は、ヘッド24が回転空間44から外へ偶発的に動くことを阻止する。支承部18は、ピストンロッド本体19に対する軸方向運動が阻止される。第1の面39に設けられている開口部41の最大幅がヘッド24の最小径方向幅よりも小さいことが、軸方向運動を阻止する。
【0083】
図12は、ピストンロッド本体19と組み合わされた支承部18を、縦軸29に沿った断面図で示す。
図12から、第1の面39に設けられている開口部41の最大幅がヘッド24の最小径方向幅よりも小さいことが、軸方向運動を阻止すると推論することができる。
【0084】
図13A〜13Cは、縦軸29に対して垂直な断面で、支承部18およびピストンロッド本体19の断面図を示す。
図13A〜13Cから、ヘッド24およびピストンロッド本体19は、支承部18に対して回転することが可能になっていると推論することができる。これは、ヘッド24の最大径方向幅よりも広い幅を有する回転空間44によって可能になる。
【0085】
さらに、
図14は、薬物送達デバイス1の部材を斜視図で示す。具体的には、例えばカートリッジを交換するためにカートリッジホルダが取り外されている、薬物送達デバイス1が示されている。支承部18はピストンロッド本体19に、使用者が偶発的に取り外す可能性がないようにして固定されるので、デバイスの安全性および再使用性が改善される。