(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記付加情報表示データ送信部は、前記被選択枠にて放送される広告の接触度合いと前記被選択枠の料金とから算出される前記被選択枠の評価値を示す前記付加情報表示データを送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の広告枠取引支援装置。
前記要求情報取得部は、前記広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の属性に関する前記要求内容を示す前記要求情報を取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の広告枠取引支援装置。
前記広告枠利用者が、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠を利用対象として選んだ場合、前記利用対象枠特定部は、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠を前記利用対象枠として特定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の広告枠取引支援装置。
前記利用対象枠特定部により、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠が前記利用対象枠として特定されたとき、前記通知部は、前記利用対象枠を放送局別に分けて通知することを特徴とする請求項8に記載の広告枠取引支援装置。
前記広告枠提供者と前記広告枠利用者との間で前記利用対象枠の取引が成立した場合に、前記利用対象枠に応じた有価ポイントを設定し、設定した前記有価ポイントを前記広告枠利用者に対して付与するポイント付与部を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の広告枠取引支援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2等に記載された従来の取引方法においては、広告枠が多数提供されると、広告枠利用者が、多数の広告枠の中から利用対象の広告枠を見つけ出す必要があるため、広告枠の取引に手間を要することになる。また、広告枠利用者は、利用対象の広告枠を決めるにあたっては、広告枠に関して日時や放送局以外の付加情報(例えば、広告枠にて放送される広告の接触度合いの推定値)を把握しておきたいところであるが、広告枠が多数提供されて上記の付加情報が各広告枠に対して表示されることになると、迅速な広告枠の取引に支障をきたす虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広告枠の取引をより効率よく行い、広告枠利用者に利用対象の広告枠を適切に決めさせることが可能な広告枠取引支援装置、及び広告枠取引支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の広告枠取引支援装置は、広告が放送される広告枠に関して、広告枠提供者と広告枠利用者との間で行われる取引を支援する広告枠取引支援装置であって、前記広告枠提供者が提供する前記広告枠に関して、該広告枠にて広告を放送する日時及び放送局を少なくとも含む広告枠情報を取得する広告枠情報取得部と、前記広告枠利用者の前記広告枠に対する要求内容を示す要求情報を取得する要求情報取得部と、前記広告枠情報及び前記要求情報に基づき、前記広告枠の中から前記要求内容を充足する前記広告枠である要求充足枠を抽出する抽出部と、抽出された前記要求充足枠の前記広告枠情報を表示するための広告枠情報表示データを送信する広告枠情報表示データ送信部と、前記広告枠情報が表示された前記要求充足枠の中から前記広告枠利用者が選択した被選択枠
のみに関して、該被選択枠に関する前記広告枠情報以外の付加情報を表示する付加情報表示データを送信する付加情報表示データ送信部と、前記付加情報が表示された前記被選択枠のうち、前記広告枠利用者が利用対象として選んだ前記広告枠である利用対象枠を特定する利用対象枠特定部と、特定された前記利用対象枠を、前記広告枠提供者に通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【0009】
以上のように構成された本発明の広告枠取引支援装置によれば、広告枠提供者が提供した広告枠のうち、広告枠利用者の要求内容を充足する広告枠(要求充足枠)の広告枠情報を表示する。また、要求充足枠の中から広告枠利用者が選択した広告枠(被選択枠)について、広告枠情報以外の付加情報を表示する。そして、広告枠利用者は、付加情報が表示された被選択枠の中から、利用対象として希望する広告枠(利用対象枠)を選ぶ。
以上のように、広告枠利用者は、広告枠提供者が提供する広告枠のうち、要求充足枠の広告枠情報を見ればよく、さらに、要求充足枠の中から絞り込んだ被選択枠の付加情報を見て、最終的に利用対象枠を決定する。このような取引であれば、すべての広告枠について広告枠情報及び付加情報を見る必要がないので、手間を要さずに円滑に行われ、且つ、広告枠利用者が所望の広告枠を利用することが可能となる。
【0010】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠情報
が示す日時及び放送局が同一である過去放送分の番組に関する接触状況についての調査結果を用いて前記広告枠を分析し、該広告枠にて放送される広告の接触度合いを推測する分析部を有し、前記付加情報表示データ送信部は、前記被選択枠にて放送される広告の接触度合いに関して前記分析部が推測した値を示す前記付加情報表示データを送信すると、好適である。
上記の構成によれば、付加情報として、広告枠にて放送される広告の接触度合いの推測値が表示される。これにより、広告枠利用者は、広告の接触度合いの推測値を参考にして、より妥当な利用対象枠を決めることが可能となる。
【0011】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記分析部は、
個人属性と関連付けられた前記接触状況についての調査結果、若しくは、前記番組への接触者又は該接触者と属性が類似する者に対して行ったアンケート調査の結果に基づいて前記広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の属性を特定し、前記予想接触者の属性毎に前記接触度合いを推測し、前記付加情報表示データ送信部は、前記被選択枠にて放送される広告の接触度合いに関して前記分析部が前記予想接触者の属性毎に推測した値を示す前記付加情報表示データを送信すると、より好適である。
上記の構成によれば、広告枠にて放送される広告の接触度合いの推測値を付加情報として表示する際に、上記の広告に接触すると予想される予想接触者の属性毎に表示する。これにより、広告枠利用者は、予想接触者の属性毎に表示された広告の接触度合いの推測値を参考にして、より妥当な利用対象枠を決めることが可能となる。
【0012】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記付加情報表示データ送信部は、前記被選択枠にて放送される広告の接触度合いと前記被選択枠の料金とから算出される前記被選択枠の評価値を示す前記付加情報表示データを送信すると、より一層好適である。
上記の構成によれば、付加情報として、広告枠にて放送される広告の接触度合いの推測値と広告枠の料金とから算出される評価値(コスト)が表示される。これにより、広告枠利用者は、上記の評価値を参考にして、より妥当な利用対象枠を決めることが可能となる。
【0013】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠情報取得部は、前記広告枠に関して、複数の前記広告枠が連続して設定された広告放送時間帯内における前記広告枠の順番を更に含む前記広告枠情報を取得し、前記要求情報取得部は、前記広告放送時間帯内における前記広告枠の順序に関する前記要求内容を示す前記要求情報を取得すると、さらに好適である。
上記の構成によれば、要求内容に、広告枠の広告放送時間帯における順序(ポジション)が含まれているため、要求充足枠の広告枠情報を表示する際には、広告枠利用者が要求するポジションとなった広告枠の広告枠情報を表示することになる。これにより、広告枠利用者は、所望のポジションとなった広告枠を的確に把握することが可能となる。
【0014】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠情報取得部は、前記広告枠に関して、前記広告枠の料金を更に含む前記広告枠情報を取得し、前記要求情報取得部は、前記広告枠の料金に関する前記要求内容を示す前記要求情報を取得すると、一段と好適である。
上記の構成によれば、要求内容に、広告枠の料金が含まれているため、要求充足枠の広告枠情報を表示する際には、広告枠利用者が要求する料金となった広告枠の広告枠情報を表示することになる。これにより、広告枠利用者は、所望の料金となった広告枠を的確に把握することが可能となる。
【0015】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記要求情報取得部は、前記広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の属性に関する前記要求内容を示す前記要求情報を取得すると、尚一層好適である。
上記の構成によれば、要求内容に、広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の属性(ターゲット)が含まれているため、要求充足枠の広告枠情報を表示する際には、広告枠利用者が要求するターゲットに接触し得る広告枠の広告枠情報を表示することになる。これにより、広告枠利用者は、所望のターゲットに接触し得る広告枠を的確に把握することが可能となる。
【0016】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記要求情報取得部が取得した前記要求情報を登録する登録部と、前記広告枠提供者が新たな前記広告枠を提供したときに、新たな前記広告枠が、前記登録部により登録された前記要求情報が示す前記要求内容を充足するかどうかを判定し、新たな前記広告枠が前記要求内容を充足すると判定した場合に、新たな前記広告枠を前記広告枠利用者に知らせる枠推薦部と、を有すると、好適である。
上記の構成によれば、要求情報を登録しておき、新たな広告枠が提供されたとき、登録された要求情報が示す要求内容を充足するものであれば、その広告枠を広告枠利用者に知らせる(リコメンドする)。これにより、要求内容を充足する広告枠が新たに提供された場合に、広告枠利用者は、その事を知ることができ、広告枠の取引をより効率よく行うことが可能となる。
【0017】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠利用者が、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠を利用対象として選んだ場合、前記利用対象枠特定部は、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠を前記利用対象枠として特定すると、好適である。
上記の構成によれば、広告枠利用者が、放送局が互いに異なる複数の広告枠を利用対象として選んだ場合に、それに対応する形で、利用対象枠が特定される。このように、一人の広告枠利用者が、放送局が互いに異なる複数の広告枠を同時に利用対象として選ぶことが可能となり、広告枠利用者にとって本発明の広告枠取引支援装置の利便性が向上する。
【0018】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記利用対象枠特定部により、放送局が互いに異なる複数の前記広告枠が前記利用対象枠として特定されたとき、前記通知部は、前記利用対象枠を放送局別に分けて通知すると、より好適である。
上記の構成によれば、広告枠利用者が、放送局が互いに異なる複数の広告枠を利用対象として選んだ場合に、通知部は、利用対象枠を放送局別に分けて通知する。このため、各放送局は、自局分の利用対象枠を的確に把握することが可能となる。
【0019】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠提供者と前記広告枠利用者との間で前記利用対象枠の取引が成立した場合に、前記利用対象枠に応じた有価ポイントを設定し、設定した前記有価ポイントを前記広告枠利用者に対して付与するポイント付与部を有するとよい。
上記の構成によれば、利用対象枠の取引が成立すると、広告枠利用者に対して有価ポイントが設定される。これにより、広告枠取引を活性化させることができ、その場合には、効率よく広告枠取引を行うことを可能とする本発明の広告枠取引支援装置の効果が際立って発揮されることになる。
【0020】
また、上記の広告枠取引支援装置において、前記広告枠は、テレビコマーシャル用の広告枠であってもよい。
かかる場合には、テレビコマーシャル用の広告枠の取引をより効率よく行い、広告枠利用者に利用対象の広告枠を適切に決めさせることが可能となる。
【0021】
また、前述した課題を解決するために、本発明の広告枠取引支援方法は、広告が放送される広告枠に関して、広告枠提供者と広告枠利用者との間で行われる取引を、コンピュータによって支援する広告枠取引支援方法であって、コンピュータが、前記広告枠提供者が提供する前記広告枠に関して、該広告枠にて広告を放送する日時及び放送局を少なくとも含む広告枠情報を取得し、コンピュータが、前記広告枠利用者の前記広告枠に対する要求内容を示す要求情報を取得し、コンピュータが、前記広告枠情報及び前記要求情報に基づき、前記広告枠の中から前記要求内容を充足する前記広告枠である要求充足枠を抽出し、コンピュータが、抽出された前記要求充足枠の前記広告枠情報を表示するための広告枠情報表示データを送信し、コンピュータが、前記広告枠情報が表示された前記要求充足枠の中から前記広告枠利用者が選択した被選択枠
のみに関して、該被選択枠に関する前記広告枠情報以外の付加情報を表示する付加情報表示データを送信し、コンピュータが、前記付加情報が表示された前記被選択枠のうち、前記広告枠利用者が利用対象として選んだ前記広告枠である利用対象枠を特定し、コンピュータが、特定された前記利用対象枠を、前記広告枠提供者に通知することを特徴とする。
上記の方法によれば、広告枠の取引をより効率よく行い、広告枠利用者に利用対象の広告枠を適切に決めさせることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の広告枠取引支援装置及び広告枠取引支援方法によれば、広告枠の取引をより効率よく行い、広告枠利用者に利用対象の広告枠を適切に決めさせることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の広告枠取引支援装置、及び広告枠取引支援方法について、以下、添付の図面に示す好適な実施形態(本実施形態)を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱する限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0025】
また、以下の説明において、「放送」とは、テレビ放送、ラジオ放送、及びインターネットを通じたWEB配信を含む概念である。また、「番組」とは、決められた放送時間帯で放送されるテレビ放送、ラジオ放送、及びインターネット配信用の番組(具体的には、インターネットテレビ又はインターネットラジオによって配信される番組)を含むものである。また、「取引」とは、取引成立に際して代金の支払いが必要となるもののみならず、取引成立に代金の支払いが必要でないものをも含むものである。
【0026】
<<広告枠取引の概要について>>
本発明の広告枠取引支援装置、及び広告枠取引支援方法について説明するにあたり、広告枠取引の概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、広告枠取引の説明図である。なお、図示の都合上、
図1には、広告枠提供者S及び広告枠利用者Dをそれぞれ一つずつ図示しているが、実際には、広告枠提供者S及び広告枠利用者Dは、それぞれ複数存在する。
【0027】
広告枠取引は、広告枠を提供する広告枠提供者Sと、広告枠を利用する広告枠利用者Dとの間で行われる取引であり、本実施形態では、広告枠の売買取引である。なお、広告枠提供者Sと広告枠利用者Dとの間で行われる取引には、広告枠提供者Sと広告枠利用者Dとの間で直接的に行われる取引のみならず、広告枠提供者Sと広告枠利用者Dとの間に第三者(例えば、管理企業又は管理団体)が介在して間接的に行われる取引も含まれる。
【0028】
ここで、「広告枠」は、取引対象物であり、商品またはサービス等の広告を放送することができる権利である。各広告枠には、少なくとも放送日時及び放送局が決められている。広告枠利用者Dは、取引にて入手した広告枠にて広告を放送させることができる。なお、以下では、広告枠は、テレビコマーシャル用の広告枠であることとする。すなわち、以下に示す実施形態において、広告枠を利用して放送される広告は、テレビコマーシャルであることとする。ただし、これに限定されるものではなく、広告枠を利用して放送される広告は、ラジオコマーシャルであってもよく、あるいは、インターネットを通じて配信されるデジタル広告であってもよい。
【0029】
また、本実施形態では、広告枠提供者Sが放送局各社及びこれに準ずる者であり、広告枠利用者Dが広告会社各社であることとする。ただし、これに限定されるものではなく、広告枠利用者Dが広告主(広告依頼企業)であってもよい。
【0030】
そして、広告枠取引は、広告枠取引支援システム10を通じて行われる。広告枠取引支援システム10は、インターネットを利用した情報通信システムである。広告枠提供者Sである放送局各社は、広告枠取引支援システム10を通じて広告枠を提供し、具体的に広告枠に関するデータをアップロードする。なお、広告枠提供者Sが広告枠を提供する時期は、広告枠の日時(すなわち、広告枠を利用して実際に広告が放送される日時)の数月前、数週間前、数日前、数時間前、数分前あるいは数秒前である。
【0031】
広告枠利用者Dである広告会社各社は、広告枠取引支援システム10を通じて広告枠を購入することができる。具体的には、広告枠利用者Dは、広告枠利用者Dが保有する端末にてブラウザを起動して所定の操作を行う。すると、ブラウザ画面(WEB画面)に、
図2に示すような取引対象の広告枠に関する情報が表示され、広告枠利用者Dは、その表示画面を通じて取引対象の広告枠を確認する。表示画面には、
図2に示すように、各広告枠に関する情報(以下、広告枠情報という。)が表示される。
図2は、広告枠情報表示画面の一例を示す図である。
【0032】
広告枠情報は、各広告枠の一般的な情報であり、例えば広告枠提供者Sによって付与される。また、広告枠情報は、広告枠にて広告を放送する日時及び放送局を少なくとも含んでいるが、本実施形態では、日時及び放送局の他に、広告枠の種類、広告枠の秒数、広告枠と対応付けられる番組名(具体的には、広告枠が放送時間内又は放送時間直近に組み込まれた番組の名称)、広告枠のポジション、及び広告枠の料金(購入料金)を含んでいる。ここで、広告枠の種類とは、その広告枠と番組の放送時間との関係を示す情報であり、具体的には、「PT(パーティシペイティング・コマーシャル:番組放送時間内に設定された時間)」、及び「SB(ステーションブレイク:ある番組から次の番組へ移る間の時間)」が挙げられる。また、広告枠のポジションとは、「PIB(ポジション・イン・ブレイク)」と呼ばれ、複数の広告枠が連続して設定された広告放送時間帯内における広告枠の順番であり、例えば、15秒×4本の広告枠で構成された広告放送時間帯における何番目の広告枠であるかを示す情報である。
【0033】
なお、広告枠情報は、上記以外の情報を更に含んでいてもよく、例えば、放送地域、放送期間、放送時間帯(1日の中で広告が放送される時間帯:Daypart)、広告枠と対応付けられる番組のジャンル及びその番組の出演者に関する情報、番組に関連するイベントの情報、並びに後述するターゲットが含まれてもよい。ただし、これらはあくまでも一例にすぎず、これらの情報に限定されるものではない。また、広告枠情報表示画面には、広告枠情報に含まれる項目すべてを表示してもよく、あるいは一部の項目のみを表示してもよい。
【0034】
そして、広告枠利用者Dは、利用対象の広告枠(利用対象枠)を選ぶためにブラウザ画面にてクリック操作又はポインティング操作等を行い、最終的に、ブラウザ画面を通じて利用対象枠の購入を決定する。この際、広告枠利用者Dは、複数の広告枠を選択することが可能であり、また、互いに放送局(すなわち、広告枠提供者S)が異なる複数の広告枠を選定することもできる。つまり、広告枠取引支援システム10によれば、一ユーザ(一人の広告枠利用者D)が複数局の広告枠を同時に購入することが可能である。なお、広告枠の購入可能時期は、広告枠の提供後から、広告枠の日時(すなわち、広告枠を利用して実際に広告が放送される日時)の数月前、数週間前、数日前、数時間前、数分前あるいは数秒前までである。
【0035】
さらに、広告枠利用者Dは、広告枠取引支援システム10を利用することにより、ブラウザ画面を通じて、取引対象の広告枠に関する付加情報を確認することができる。付加情報は、広告枠に関する前述の広告枠情報以外の情報である。
【0036】
より詳しく説明すると、付加情報は、広告枠の購入(すなわち、出稿)の要否を検討する上で有益な情報であり、本実施形態では、広告枠にて広告を放送した場合の効果(例えば、到達数や出稿効率など)について分析したときの分析結果である。
【0037】
また、広告枠の分析、及び、付加情報の付与は、広告枠取引支援システム10(厳密には、広告枠取引支援装置11をなすサーバコンピュータ)によって自動的に行われる。広告枠の分析には、前述の広告枠情報の他に各種の調査データ(具体的には、テレビ視聴調査のデータ、デバイスログ全般を含む視聴ログのデータ、生活行動パターンやWEB利用パターンに関するアンケート調査のデータ等)が必要となる。本実施形態では、
図1に示すように、調査データが第三者機関(調査機関R)から提供されることになっている。ただし、調査データの提供元については、特に限定されるものではなく、調査データの一部が広告枠提供者Sや広告枠利用者Dから提供されてもよい。また、調査データは、各種DMP(データマネジメントプラットフォーム)にて管理されているのが望ましい。
【0038】
具体的な付加情報としては、下記のd1〜d4に示す情報が挙げられる。
d1:広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の属性(以下、ターゲット)
d2:広告枠にて放送される広告の接触度合い(以下、接触度合い)
d3:接触度合いと広告枠の料金とから算出される評価値(以下、評価値)
d4:その他の情報
【0039】
ターゲットについては、例えば、性別、年齢、年収及び職業等のデモグラフィックな属性;興味、関心、嗜好、価値観、生活行動パターン(ライフスタイル)、及びWEB利用パターン等のサイコグラフィックな属性が挙げられる。
なお、性別及び年齢等を推測する方法としては、例えば、過去放送分の番組の視聴状況に関して個人別に行った調査(テレビ視聴調査)の結果から、ある日時・放送局の番組の視聴傾向を個人属性と関連付けながら把握することで推測することができる。例えば、2018年6月20日の18時にA局で放送される広告に接触する人の性別及び年齢を推測する場合、前年の同一日時にA局で放送された番組に関するテレビ視聴調査の結果から、当該番組を見た人の性別及び年齢についての傾向を把握し、その傾向に基づいて推測する。
また、関心、生活行動パターン若しくはWEB利用パターン等(以下、関心等という。)のターゲットを推測する方法としては、関心等に関して行ったアンケート調査の結果をテレビ視聴調査の結果とリンクし、テレビ視聴傾向をアンケート調査の結果と関連付けて把握し、アンケート調査の結果と関連付けられた視聴傾向に基づいて推測することができる。例えば、2018年6月20日の18時にA局で放送される広告に接触する人の関心等を推測する場合、前年の同一日時にA局で放送された番組に関するテレビ視聴調査の結果と、当該番組を見た人又はその人と属性が類似する人に対して行ったアンケート調査の結果と、をリンクする。そして、アンケート調査の結果から上記番組を見た人の関心等についての傾向を把握し、その傾向に基づいて推測する。
【0040】
接触度合いについては、例えば、視聴率、延べ視聴率(グロス・レーティング・ポイント:GRP)、視聴質、視聴ログ数、接触者数(リーチ)、接触率(リーチ率)、接触回数別のリーチ率、接触回数別の延べ視聴率等が挙げられる。
また、視聴率については、リアルタイム(実際の放送日時)での視聴率であってもよく、あるいは、放送後一定期間内に録画再生又はWEB配信(所謂、見逃し配信など)された分を加算した視聴率であってもよい。なお、視聴率を推測する際には、過去放送された広告について測定した視聴率(例えば、前年の同一日時における視聴率、又は、直近数週間分の視聴率)を用いることになるが、視聴率の測定は公知の技術を利用して実施することができ、また、世帯別に測定することが可能であるとともに、世帯を構成する個人別に測定することも可能である。
また、視聴質については、テレビ視聴しているときの態度、具体的には、どれぐらい集中して視聴しているかを数値化した情報であり、公知の技術を利用して取得することが可能である。
さらに、本実施形態において、接触度合いは、ターゲット別に推測することが可能であり、広告枠利用者Dに対してターゲット別に接触度合いを提示することができる。
【0041】
評価値については、出稿効率の指標、例えば、コスト・パー・レイティング(CPR)等が挙げられる。CPRは、広告枠の料金を視聴率(厳密には、視聴率の推測値)で割ることで算出される。また、本実施形態において、評価値は、ターゲット別に算出することが可能であり、広告枠利用者Dに対してターゲット別にCPRを提示することができる。
【0042】
その他の情報については、例えば、広告枠のランク等が挙げられる。広告枠のランクとは、出稿効率の高さに基づいて設定され、具体的には、1日を複数のタイム区分(時間帯)で区分したときに最も視聴率が高くなる区分(俗にAタイムと呼ばれる区分)が最上位のランクとして設定される。
【0043】
以上の付加情報は、
図3及び
図4に示すようにブラウザ画面に表示される。
図3及び
図4は、ブラウザ画面に表示された付加情報の一例を示す図である。より詳しく説明すると、
図3は、広告枠にて放送される広告の視聴率の推測値をターゲット別に表示している例であり、
図4は、コスト・パー・レイティングをターゲット別に表示している例である。
【0044】
そして、広告枠利用者Dは、ブラウザ画面に表示された付加情報を参考にして、購入する広告枠を決めることができる。このように広告枠取引支援システム10を利用することにより、インターネット(WEB)を通じて広告枠の売買を効率よく行うことが可能となる。すなわち、広告枠利用者Dは、上述した広告枠情報や付加情報を確認することで、出稿を最適化する上で適当な広告枠を見つけることが可能である。
【0045】
広告枠利用者Dが購入対象の広告枠(すなわち、利用対象枠)を決めて注文すると、その注文が広告枠取引支援システム10を通じて広告枠提供者Sに通知される。広告枠提供者Sは、注文を受領すると、広告枠の提供(販売)を決定し、その旨を広告枠取引支援システム10によって広告枠利用者Dに通知する。かかる通知については、広告枠取引支援システム10を通じて行う代わりに、広告枠提供者Sがメール、電話若しくはFAXを通じて広告枠利用者Dに対して直接行ってもよい。
そして、広告枠利用者Dが決定通知を受領した時点で広告枠の売買取引が完了する。
【0046】
一方、広告枠の売買取引に伴い、広告枠取引支援システム10は、取引対象として管理している広告枠(以下、在庫ともいう。)の中から、売買取引が完了した広告枠を見つけ出して、取引対象から外す処理を実施する。すなわち、広告枠取引支援システム10では、広告枠の売買取引が完了すると、そのことが速やかに在庫状況に反映されることになっている。これにより、広告枠の売買取引が最新の在庫状況の下で実施されるため、取引の信頼性を担保することができる(具体的には、広告枠の二重売買等を回避することができる)。
【0047】
なお、広告枠の売買取引に関する情報(取引データ,トランザクション)については、ブロックチェーンに保存されてもよい。
【0048】
また、売買取引が完了すると、その情報が不図示の作表システムに送信することができる。同システムは、売買取引が完了した広告枠の広告枠情報に基づき、売買取引された広告枠の内容(例えば、広告枠利用者Dの企業名や広告商品等)を反映させたタイムテーブル及びCMスケジュール表を作成(作案)する。
【0049】
また、売買取引が完了すると、購入者である広告枠利用者Dに対して有価ポイントが付与される。有価ポイントは、広告枠の購入に付随して付与され、例えば、広告枠取引システム10を通じたサービスの利用料金、または広告枠の購入料金に応じた値のポイントが付与され、また、キャンペーン期間中であれば特別のポイントが更に付与されてもよい。有価ポイントとしては、換金性のあるポイント(いわゆるキャッシュバック)であってもよく、次回以降の広告枠購入の際に利用可能な割引ポイントであってもよく、あるいは、一般の商品と交換可能なポイントであってもよい。なお、有価ポイントの付与は、広告枠取引システム10によって自動的に行われてもよく、あるいは、広告枠提供者Sが所定の手続きを経ることによって行われてもよい。
付与されたポイントは、広告枠取引支援システム10(厳密には、後述の広告枠取引支援装置11)にて管理されており、広告枠利用者Dは、所定の手続きを行うことにより、ポイントの残存分を利用することが可能である。
【0050】
以上までに広告枠取引支援システム10を用いた広告枠の売買取引について、その概要を説明したが、広告枠取引支援システム10を利用したビジネスモデルの展望について付言しておくと、例えば、システム利用者(例えば、広告枠利用者Dである広告会社)からシステム利用料を徴収したり、システム利用を通じて取得・閲覧したデータ(具体的には、上述の付加情報等)の料金を徴収したり、広告枠利用者Dが上述の付加情報を見た際に課金したり、広告枠の購入料金に対して中間マージンを設定したりすることで収益を得てもよい。
【0051】
<<広告枠取引支援システムの構成>>
次に、広告枠取引支援システム10の構成について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、広告枠取引支援システム10の構成を示す図である。
図6は、広告枠取引支援装置11のハードウェア構成を示す図である。
【0052】
広告枠取引支援システム10は、
図5に示すように、広告枠取引支援装置11、提供者側端末12、利用者側端末13、及び調査データ提供装置14等によって構成されている。広告枠取引支援装置11は、広告枠取引支援システム10の中心機能を担う機器であり、広告枠の売買取引を支援する。
【0053】
広告枠取引支援装置11は、コンピュータ、具体的にはサーバコンピュータによって構成されており、
図6に示すように、CPU11a、ROMやRAM等からなるメモリ11b、通信用インタフェース11c、ハードディスクドライブ11d、マウスやキーボード等の入力装置11e、及びディスプレイやプリンタ等の出力装置11fを構成要素として有する。また、広告枠取引支援装置11をなすコンピュータには、その機能を発生させるためのプログラム(以下、広告枠取引支援プログラム)が予めインストールされている。この広告枠取引支援プログラムがCPU11aによって読み取られて実行されることで、広告枠取引支援装置11によるデータ処理サービス(広告枠の売買取引に関連するサービス)が提供される。また、広告枠取引支援装置11は、
図5に示すようにインターネット等の外部通信ネットワークNに接続されており、外部通信ネットワークNを経由して、提供者側端末12や利用者側端末13等との間でデータの送受信を行う。
【0054】
提供者側端末12は、広告枠提供者Sである各放送局が保有する端末であり、PC、タブレット、若しくはスマートフォン等の通信機器によって構成されている。各放送局は、提供者側端末12を通じて、提供する広告枠に関する情報(すなわち、広告枠情報)を広告枠取引支援装置11に向けて送信する。これにより、各放送局は、新たな広告枠を取引対象品として提供した際に、その広告枠情報を、提供者側端末12及び広告枠取引支援装置11を通じて広告枠利用者Dに知らせることが可能である。また、提供者側端末12は、広告枠の取引状況を示すデータ(具体的には、後述する利用対象枠通知データ)を広告枠取引支援装置11から取得する。これにより、各放送局は、自身が提供した広告枠のうち、どの広告枠が誰によって購入されようとしているのかを把握することが可能である。
【0055】
利用者側端末13は、広告枠利用者Dである各広告会社が保有する端末であり、ブラウジング機能を有するPC、タブレット、若しくはスマートフォン等の通信機器によって構成されている。また、利用者側端末13は、ディスプレイと、ディスプレイに表示された情報に対するユーザの入力操作を受け付けるポインティングデバイスと、を有する。各広告会社は、利用者側端末13を通じて、各放送局が提供した広告枠の広告枠情報を受信し、受信した情報をディスプレイに表示させて確認する。また、利用者側端末13は、前述の付加情報を広告枠取引支援装置11から受信し、受信した情報をディスプレイに表示する。これにより、各広告会社は、ディスプレイに表示された付加情報を参照しながら、購入対象とする広告枠、すなわち利用対象枠を決定することが可能である。
【0056】
また、各広告会社は、利用者側端末13にて広告枠情報や付加情報を確認する際に、情報閲覧対象とする広告枠を利用者側端末13のポインティングデバイス(不図示)にて絞り込むことが可能である。つまり、本実施形態では、広告枠情報及び付加情報を利用者側端末13のディスプレイに表示するにあたり、ユーザである広告会社が指定した広告枠や広告会社の要求と合致する広告枠を抽出し、抽出した広告枠の広告枠情報及び付加情報のみを表示する。
さらに、各広告会社は、利用者側端末13にて利用対象枠の選定及び購入(広告枠の利用許諾)の申し込みを行い、その結果を、広告枠取引支援装置11を経由して広告枠提供者Sに送信することが可能である。
さらにまた、利用者側端末13は、利用対象枠に対する広告枠提供者Sの了解(広告枠の利用許可)を、提供者側端末12から広告枠取引支援装置11を通じて受信する。これにより、各広告会社は、購入を申し込んだ広告枠が販売(提供)される旨を知り、その後に購入手続きを進めることができる。
【0057】
調査データ提供装置14は、調査機関Rが保有する装置であり、広告枠取引支援装置11に調査データを提供する機器である。本実施形態では、調査データ提供装置14が外部通信ネットワークNに接続されており、外部通信ネットワークNを通じて広告枠取引支援装置11に調査データを提供する。ただし、これに限定されるものではなく、調査データ提供装置14が調査データを帳票形式にて出力(プリントアウト)し、その帳票が郵送又はFAX等にて送付されることで調査データが提供されてもよい。
【0058】
ここで、調査データ提供装置14が提供する調査データについて説明すると、例えば、(r1)過去放送分の番組の視聴状況に関してターゲット別に行ったテレビ視聴調査のデータ、(r2)テレビ視聴調査の結果から割り出した視聴率(具体的には、単純視聴率、又はターゲット別の視聴率)、(r3)関心等に関して行ったアンケート調査のデータ、(r4)アンケート調査の結果を解析して得られたターゲット別の行動パターン、又はWEB利用パターンを示すデータ、(r5)上記のデータ、具体的には(r2)及び(r4)を融合(フュージョン)させて得られるデータ、すなわち、ターゲット別の行動パターン又はWEB利用パターンとテレビ視聴傾向との相関を示すデータ等が挙げられる。
なお、調査データ提供装置14については、例えば複数の調査機関Rが個々に保有していてもよく、一つの調査機関Rのみが調査データ提供装置14を一台保有していて、その調査データ提供装置14から全種類の調査データが提供されてもよい。
【0059】
<<広告枠取引支援装置の機能について>>
次に、
図7を参照しながら、広告枠取引支援装置11の構成を機能面から改めて説明することとする。
図7は、広告枠取引支援装置11の機能についての説明図である。
【0060】
広告枠取引支援装置11は、
図7に示すように、広告枠情報取得部21、調査データ取得部22、要求情報取得部23、抽出部24、広告枠情報表示データ送信部25、分析部26、付加情報表示データ送信部27、利用対象枠特定部28、通知部29、返答部30、登録部31、枠推薦部32及びポイント付与部33を有する。これらの機能部は、前述した広告枠取引支援装置11のハードウェア機器と、前述した広告枠取引支援プログラムとが協働することによって実現されている。以下、各機能部について説明する。
【0061】
広告枠情報取得部21は、広告枠提供者Sが提供する広告枠に関する広告枠情報を、外部通信ネットワークN経由で提供者側端末12から取得(受信)する。本実施形態において、広告枠情報取得部21は、広告枠の日時、提供元の放送局、広告枠の種類、広告枠の秒数、広告枠と対応付けられる番組名、広告枠のポジション、及び広告枠の料金、及び広告枠のポジションを含む広告枠情報を取得する。
広告枠情報取得部21が取得した広告枠情報は、広告枠取引支援装置11以外の装置(例えば、広告枠取引支援装置11と通信可能なデータベースサーバ15)に蓄積される。ただし、これに限定されず、広告枠情報は、広告枠取引支援装置11の記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ11d)に蓄積されてもよい。なお、広告枠情報は、広告枠別、より厳密には放送局別及び放送日時別(放送番組別)に蓄積される。
また、広告枠情報取得部21は、広告枠提供者Sが新たな広告枠を提供したタイミングにて、その広告枠に関する広告枠情報を取得してもよく、1週間から数週間に1回程度の頻度にて広告枠情報をまとめて取得してもよい。
【0062】
調査データ取得部22は、前述した各種の調査データを、外部通信ネットワークNを通じて調査データ提供装置14から取得(受信)する。調査データ取得部22が取得した調査データについては、広告枠情報と同様、データベースサーバ15にて調査内容別に蓄積される。ただし、これに限定されず、調査データは、広告枠取引支援装置11の記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ11d)に蓄積されてもよい。なお、テレビの視聴状況又は視聴率に関する調査データは、放送局別及び放送日時別(放送番組別)に蓄積されているのが好ましい。
【0063】
要求情報取得部23は、外部通信ネットワークNを通じて、利用者側端末13から送信される要求情報を取得(受信)する。要求情報は、広告枠利用者Dの広告枠に対する要求内容を示す情報である。具体的には、広告枠利用者Dが利用者側端末13に描画された入力画面(
図10参照)を通じて選んだ広告枠の日時、放送局、放送地域、ポジション、購入料金、広告枠にて放送される広告の予想接触者の性別、年齢及び属性(ターゲット)、放送期間、並びに放送時間帯等が挙げられる。
【0064】
抽出部24は、広告枠情報取得部21が取得した広告枠情報、及び要求情報取得部23が取得した要求情報に基づき、取引対象となっている広告枠の中から要求内容を充足する広告枠(以下、「要求充足枠」という)を抽出する。抽出部24は、要求充足枠を抽出する際に各広告枠の広告枠情報と要求情報とを照合し、広告枠情報が要求情報とマッチングする広告枠を要求充足枠として抽出する。なお、要求充足枠が複数存在する場合、抽出部24は、すべての要求充足枠を抽出する。
【0065】
広告枠情報表示データ送信部25は、抽出部24によって抽出された要求充足枠の広告枠情報を表示するためのデータ(以下、広告枠情報表示データ)を生成する。また、広告枠情報表示データ送信部25は、生成した広告枠情報表示データを、利用者側端末13(厳密には、要求情報を発信した利用者側端末13)に向けて送信する。広告枠情報表示データを受信した利用者側端末13側では、広告枠情報表示データが展開される。これにより、利用者側端末13のディスプレイに描画されたWEB画面(広告枠表示画面)に、要求充足枠の広告枠情報が表示されるようになる(
図2参照)。つまり、広告枠利用者Dは、取引対象となっている広告枠の中から、自己の要求を充足する広告枠(要求充足枠)について広告枠情報を見ることができる。つまり、本実施形態では、取引対象の広告枠すべてについて広告枠情報を見る必要がなく、その分、広告枠利用者D側の手間を軽減することが可能となる。
【0066】
分析部26は、分析対象の広告枠について、その広告枠情報と調査データ取得部22によって取得された調査データとに基づいて分析し、上述した付加情報d1〜d4を取得する。
例えば、分析部26は、ある放送局が提供する所定日時の広告枠について、当該広告枠にて放送される広告の視聴率(接触度合い)を推測することができる。この際、分析部26は、過去放送分の広告について測定した視聴率(具体的には、分析対象の広告枠と同一の放送局によって放送された広告のうち、分析対象の広告枠の日時を基準として前年同一日時に放送された広告の視聴率、あるいは、分析対象の広告枠と同一時刻に放送された広告の直近数週間分の視聴率)を参照する。また、分析部26は、視聴率のデータとしてターゲット別の視聴率のデータを参照することで、分析対象の広告枠にて放送される広告の予想接触者の属性を特定し、その属性(すなわち、ターゲット)別に視聴率を推測することができる。さらに、分析部26は、ターゲット別の行動パターン又はWEB利用パターンを示す調査データを参照することで、行動パターン別又はWEB利用パターン別に視聴率を推測することができる。さらにまた、分析部26は、推測した視聴率と広告枠の購入料金から、コスト・パー・レイティング(評価値)を算出することができる。
【0067】
付加情報表示データ送信部27は、分析部26によって付加された付加情報を表示するためのデータ(以下、付加情報表示データ)を生成する。また、付加情報表示データ送信部27は、生成した付加情報表示データを、利用者側端末13に向けて送信する。付加情報表示データを受信した利用者側端末13側では、付加情報表示データが展開される。これにより、利用者側端末13のディスプレイに描画されたWEB画面(付加情報表示画面)に、広告枠の付加情報が表示されるようになる(
図3,4参照)。
ここで、付加情報表示データについて説明すると、ある放送局が提供する所定日時の広告枠について、分析部26が当該広告枠にて放送される広告の視聴率(接触度合い)を推測したときには、付加情報表示データ送信部27は、その推測値を示す付加情報表示データを送信する。また、分析部26がターゲット毎に視聴率を推測したときには、付加情報表示データ送信部27は、ターゲット毎の推測値を示す付加情報表示データを送信する。また、分析部26がコスト・パー・レイティング等の評価値を算出したときには、その算出結果を示す付加情報表示データを送信する。
【0068】
また、本実施形態では、提供者側端末12にて広告枠情報が表示された要求充足枠のうち、広告枠利用者Dが選択した広告枠(以下、「被選択枠」という)に限り、付加情報が広告枠利用者Dに提示されることになっている。すなわち、本実施形態において、分析部26は、被選択枠を分析して当該被選択枠の付加情報を取得し、付加情報表示データ送信部27は、被選択枠に関する付加情報を表示するための付加情報表示データを送信する。これにより、広告枠利用者Dは、要求充足枠の中から選んだ広告枠(被選択枠)について付加情報を見て、当該広告枠の購入の要否を判断することができる。つまり、本実施形態では、要求充足枠すべてについて付加情報を見る必要がなく、その分、広告枠利用者D側の手間を軽減することが可能となる。
【0069】
なお、複数の被選択枠が選択された場合に、付加情報の付与(換言すると、広告枠の分析)、及び付加情報の表示については、
図3及び
図4に示すように個々の被選択枠に対して行ってもよい。あるいは、複数の被選択枠をまとめて分析し、その分析結果としての付加情報を、例えば
図8に図示のクロス集計表等の形式にて表示してもよい。
図8は、ブラウザ画面に表示された付加情報の第三例を示す図であり、クロス集計表の形式にて表示された付加情報(具体的には、Aタイムに属する被選択枠の割合やGRP1%あたりのコスト等)を示している。
【0070】
利用対象枠特定部28は、付加情報が表示された被選択枠のうち、広告枠利用者Dが購入対象(利用対象)として選んだ広告枠(以下、「利用対象枠」という)を特定する。具体的に説明すると、広告枠利用者Dは、提供者側端末12を通じて被選択枠の中から利用対象枠を選択し、例えば、画面上で利用対象枠を指定する。提供者側端末12は、広告枠利用者Dの選択操作を受け付けると、その選択結果を示すデータ(以下、選択結果データ)を広告枠取引支援装置11に向けて送信する。利用対象枠特定部28は、提供者側端末12から選択結果データを受信(取得)し、同データを解析して利用対象枠を特定する。
なお、本実施形態において、広告枠利用者Dは、一度に複数の広告枠(厳密には、被選択枠)を購入対象として選択することができる。換言すると、利用対象枠特定部28は、ある広告枠利用者Dが選んだ利用対象枠を特定する際に、複数の利用対象枠を一度に特定することが可能である。また、複数の利用対象枠の中には、放送局が互いに異なる複数の広告枠が含まれていてもよい。つまり、広告枠利用者Dは、放送局が互いに異なる複数の広告枠を、同時に利用対象枠として選ぶことができる。この場合、利用対象枠特定部28は、放送局が互いに異なる複数の広告枠を利用対象枠として特定することになる。
【0071】
通知部29は、利用対象枠特定部28によって特定された利用対象枠を、広告枠提供者Sである放送局に通知する。具体的に説明すると、通知部29は、利用対象枠を提供する放送局の提供者側端末12に向けて、通知メールを送信する。この通知メールには、利用対象枠の購入を希望する広告枠利用者Dの名前又はID、利用対象枠の日時及び番組名等が記述されている。そして、広告枠提供者Sは、上記の通知メールを受信することにより、利用対象枠となった広告枠の日時、及び利用対象枠の購入を希望する広告枠利用者Dを確認する。
なお、利用対象枠の通知方法については、上記の通知メールに限定されず、他の方法によって通知してもよく、例えば、利用対象枠等を伝えるメッセージを録音した音声データを送信してもよく、あるいは、WEB画面にて利用対象枠等を表示するためのHTMLデータを送信してもよい。
また、本実施形態では、利用対象枠特定部28により、放送局が互いに異なる複数の広告枠が利用対象枠として特定されたとき、通知部29が利用対象枠を放送局別に分けて通知する。これにより、各放送局は、自局分の利用対象枠を的確に把握することが可能となる。
【0072】
返答部30は、上記の通知メールを受け取った広告枠提供者Sが利用対象枠を広告枠利用者Dに対して販売する場合に、その旨を広告枠利用者Dに通知する。具体的に説明すると、広告枠提供者Sは、上記の通知メールを確認した後、提供者側端末12を操作して利用対象枠の利用を許可する。提供者側端末12は、利用対象枠に対する利用許可操作を受け付けると、それに伴って利用確認データを広告枠取引支援装置11に向けて送信する。利用確認データは、利用が許可された広告枠(利用対象枠)の日時及び放送局等を示すデータである。返答部30は、利用確認データを提供者側端末12から受信すると、利用対象枠が販売される旨のメール(以下、返答メール)を広告枠利用者Dの利用者側端末13に向けて送信する。広告枠利用者Dは、上記の返答メールから、自分が選んだ利用対象枠が購入可能であることを確認する。
なお、利用対象枠の販売を知らせる方法については、上記の返答メールに限定されず、他の方法を用いてもよく、例えば、メッセージを録音した音声データを送信してもよく、あるいは、WEB画面にて知らせるためのHTMLデータを送信してもよい。
【0073】
登録部31は、要求情報取得部23が取得した要求情報を、その送信元である広告枠利用者Dと関連付けて登録する。登録された要求情報は、広告枠利用者Dが将来提供される広告枠に対して求められることが予想される要求内容を示しており、所謂「お気に入り」として設定された要求内容である。なお、要求情報の登録は、要求情報の取得時点で行われてもよく、あるいは、要求情報を充足する広告枠(要求充足枠)の中から選ばれた広告枠(利用対象枠)について売買取引が完了した時点で行われてもよい。また、一人(一社)の広告枠利用者Dに対して登録できる要求情報(すなわち、「お気に入り」の内容)の数は、一つでもあってもよく、複数であってもよい。
【0074】
枠推薦部32は、登録部31により登録された要求情報が示す要求内容(以下、登録要求)を充足する広告枠が新たに提供されたときに、その旨を、上記の要求情報の送信元である広告枠利用者Dに知らせる。より詳しく説明すると、広告枠提供者Sが新たな広告枠を提供し、広告枠情報取得部21がその広告枠の広告枠情報を取得すると、枠推薦部32は、新たな広告枠が登録要求を充足するかどうかを判定する。そして、枠推薦部32は、新たな広告枠が登録要求を充足すると判定した場合、新たな広告枠を広告枠利用者Dに知らせる。具体的に説明すると、枠推薦部32は、登録要求を充足する新たな広告枠の広告枠情報を表示するためのデータ(以下、推薦枠情報表示データ)を、利用者側端末13に向けて送信する。推薦枠情報表示データを受信した利用者側端末13側では、推薦枠情報表示データが展開される。これにより、利用者側端末13のディスプレイに描画されたWEB画面に、登録要求を充足する新たな広告枠の広告枠情報が表示されるようになる。なお、登録要求が複数存在する場合、枠推薦部32は、上記の処理を登録要求毎に繰り返して実施する。
【0075】
ポイント付与部33は、広告枠提供者Sと広告枠利用者Dとの間で広告枠(厳密には利用対象枠)の売買取引が成立した場合に、利用対象枠に応じた有価ポイントを設定し、設定した有価ポイントを広告枠利用者Dに対して付与する。付与された有価ポイントは、前回までに付与されたポイントに加算されて、広告枠取引支援装置11に広告枠利用者D別に記憶される。
【0076】
<<広告枠取引支援装置の動作例>>
次に、広告枠取引支援装置11の動作例として、広告枠取引支援装置11をなすコンピュータが広告枠取引を支援するために実施するデータ処理の流れ(以下、広告枠取引支援フロー)について
図9A〜
図9Cを参照しながら説明する。
図9A〜
図9Cは、広告枠取引支援フローの説明図である。
ここで、本発明の広告枠取引支援方法は、広告枠取引支援フローにおいて採用されている。より具体的に説明すると、広告枠取引支援フロー中の各ステップは、本発明の広告枠取引支援方法の構成要素に相当する。
【0077】
広告枠取引支援フローは、
図9A〜
図9Cに図示した流れに従って進行する。具体的に説明すると、広告枠提供者Sが広告枠を提供すると、これに伴って提供者側端末12がその広告枠情報を送信する(S001)。広告枠取引支援装置11をなすコンピュータ(以下、本コンピュータ)は、外部通信ネットワークNを介して上記の広告枠情報を受信する(S002)。なお、受信した広告枠情報は、データベースサーバ15に蓄積される。
【0078】
また、
図9A〜
図9Cには図示していないが、調査機関Rから本コンピュータに調査データが随時提供され、本コンピュータは、提供される調査データを取得してデータベースサーバ15に蓄積する。
【0079】
一方、広告枠利用者Dが広告枠の売買取引を開始するにあたって利用者側端末13を起動して専用のアプリケーションを起動すると、利用者側端末13のディスプレイに
図10の入力画面(以下、要求入力画面)が描画される。
図10は、要求入力画面の一例を示す図である。なお、
図10に図示の画面は、あくまでも要求入力画面の一例にすぎず、画面レイアウト、画面に表示される情報、及びその他の画面設定については、特に限定されるものではなく、任意に決めることが可能である。
【0080】
なお、要求入力画面が描画される前に、ユーザ名及びユーザパスワード等のユーザ情報の入力画面が描画されてもよい。この場合、広告枠取引支援装置11が、入力されたユーザ情報と、予め登録されたユーザ情報とを照合し、両者が一致していることを条件として要求入力画面が描画されてもよい。
【0081】
広告枠利用者Dは、広告枠に対する要求内容を、要求入力画面を通じて入力する。具体的に説明すると、要求入力画面には、要求項目が複数表示されており、
図10に図示のケースでは「放送期間」、「性・年代」、「放送局」及び「料金」が挙げられている。ここで、「放送期間」とは、広告枠にて広告を放送する期間であり、「放送局」とは、広告枠にて広告を放送する放送局であり、「料金」とは、広告枠の購入料金であり、「性・年代」とは、広告枠にて放送される広告に接触すると予想される予想接触者の性及び年代である。なお、当然ながら、これら以外の項目が要求項目として挙げられてもよい。
【0082】
なお、要求入力画面に表示された要求項目については、すべての項目を採用してもよく、あるいは、広告枠利用者Dが指定した一部の項目のみを採用してもよい。
【0083】
また、要求入力画面において、各要求項目の右側には、要求項目の内容を入力するための入力欄Bt1が設けられている。
図10に図示のケースでは、各項目の入力欄Bt1に具体的な要求内容の候補がプルダウン形式で選択可能な状態で表示されており、広告枠利用者Dは、候補の中から一つを要求内容として選択する。ただし、要求内容の入力については、プルダウン形式で表示された候補の中から選択する場合に限定されず、要求内容を示す文字列を入力欄Bt1に直接入力してもよい。
【0084】
そして、要求内容の入力が完了すると、広告枠利用者Dは、要求入力画面中の右下に設けられた送信ボタンBt2を押す。これにより、利用者側端末13は、要求入力画面を通じて入力された要求内容を示す要求情報を本コンピュータに向けて送信する(S003)。本コンピュータは、外部通信ネットワークNを通じて要求情報を受信(取得)する(S004)。また、本コンピュータは、受信した要求情報を登録する(S005)。
【0085】
その後、本コンピュータは、現時点で取引対象となっている広告枠の広告枠情報と、ステップS004で取得した要求情報とに基づいて、要求情報が示す要求内容を充足する広告枠、すなわち、要求充足枠を抽出する(S006)。そして、本コンピュータは、抽出した要求充足枠の広告枠情報を表示するための広告枠情報表示データを生成し、同データを利用者側端末13に向けて送信する(S007)。利用者側端末13は、外部通信ネットワークNを通じて広告枠情報表示データを受信して展開する(S008)。これにより、利用者側端末13に描画されたブラウザ画面(広告枠表示画面)に、
図2に示すように、要求充足枠の広告枠情報が表示される(S008)。
【0086】
広告枠表示画面について説明すると、
図2に図示の例では、広告枠情報として各広告枠(厳密には、要求充足枠)の放送期間(日時)、放送局、種類、秒数、番組名、ポジション及び購入料金が一覧形式(リスト形式)で表示される。なお、
図2に図示の画面は、あくまでも広告枠情報の表示画面の一例にすぎず、画面レイアウト、画面に表示される情報、及びその他の画面設定については、特に限定されるものではなく、任意に決めることが可能である。
【0087】
また、広告枠表示画面において、各広告枠情報の表示領域の左端(具体的には、「放送局」の列の左隣)には、チェックボックスBt4が設けられている。広告枠利用者Dは、広告枠情報が表示された要求対象枠の中から、興味又は関心を抱いた広告枠(被選択枠)を少なくとも一つ以上選び、その広告枠のチェックボックスBt4にチェックを入れる。
【0088】
さらに、広告枠表示画面中、最下段の領域には、
図2に示すように、付加情報依頼ボタンBt5〜Bt8が設けられている。付加情報依頼ボタンBt5〜Bt8は、チェックボックスBt4にチェックが入れられた広告枠(すなわち、被選択枠)について付加情報の提供を依頼するためのボタンである。
図2に図示のケースでは、依頼する付加情報の種類毎に付加情報依頼ボタンが設けられており、例えば、最も左側に位置する付加情報依頼ボタンBt5は、広告枠にて放送される広告の視聴率の、ターゲット別の推測値を依頼するボタンである。左から二番目に位置する付加情報依頼ボタンBt6は、コスト・パー・レイティング(評価値)の、ターゲット別の算出値を依頼するボタンである。左から三番目に位置する付加情報依頼ボタンBt7は、行動パターン又はWEB利用パターン別の視聴率の推測値を依頼するボタンである。最も右側に位置する付加情報依頼ボタンBt8は、複数の広告枠におけるAタイムに属する広告枠の割合やGRP1%あたりのコスト等を示すクロス集計表を依頼するボタンである。
なお、付加情報依頼ボタンの種類については、当然ながら、上述した4つの種類に限定されず、それ以外の種類のボタンが含まれていてもよい。
【0089】
広告枠利用者Dは、広告枠表示画面にて少なくとも一つ以上の広告枠を被選択枠として選んで、そのチェックボックスBt4にチェックを入れ、4つの付加情報依頼ボタンBt5〜Bt8のいずれかをクリックする。これを契機として、利用者側端末13は、被選択枠及び依頼した付加情報の種類を示すデータ(以下、付加情報依頼データ)を生成して送信する(S009)。本コンピュータは、付加情報依頼データを受信すると(S010)、同データを解析して、被選択枠、及び依頼された付加情報の種類を特定する。
【0090】
その後、本コンピュータは、被選択枠の広告枠情報、及び各種の調査データに基づいて被選択枠を分析し、その分析結果として被選択枠に関する付加情報を取得する(S011)。そして、本コンピュータは、取得した付加情報を表示するためのデータ、すなわち付加情報表示データを生成して送信する(S012)。利用者側端末13は、外部通信ネットワークNを通じて付加情報表示データを受信して展開する(S013)。これにより、利用者側端末13に描画されたブラウザ画面(付加情報表示画面)には、依頼された種類の付加情報が表示される(S013)。例えば、ターゲット別の視聴率の推測値が依頼された場合(つまり、付加情報依頼ボタンBt5をクリックした場合)には、
図3に図示したようにターゲット別の視聴率の推測値が表示される。
【0091】
広告枠利用者Dは、付加情報表示画面にて付加情報が表示された広告枠(厳密には、被選択枠)の各々について購入するか否かを検討し、購入対象とする広告枠(すなわち、利用対象枠)については、付加情報表示画面において広告枠毎に設けられたチェックボックスBt9にチェックを入れる。そして、広告枠利用者Dが利用対象枠にチェックを入れた上で所定の画面操作を行うと、
図11に図示の選択結果確認画面が利用者側端末13のディスプレイに描画される。
図11は、選択結果確認画面の一例を示す図である。
【0092】
選択結果確認画面は、広告枠利用者Dが選択した利用対象枠を確認するための画面であり、
図11に図示の例では、広告枠利用者Dが選択した利用対象枠に関する情報として、日時、放送局、種類、購入料金がリスト形式で表示される。また、選択結果確認画面の右上隅部には、利用対象枠にて広告を放送した場合のリーチ率の推測値、及び、利用対象枠の購入費用の総額が表示される。さらに、選択結果確認画面において、各利用対象枠の情報が表示される領域の左端部にはキャンセルボタンBt10が設けられている。このキャンセルボタンBt10が押された広告枠は、利用対象枠から外れて購入(利用)をキャンセルされる。
なお、
図11に図示の画面は、あくまでも選択結果確認画面の一例にすぎず、画面レイアウト、画面に表示される情報、及びその他の画面設定については、特に限定されるものではなく、任意に決めることが可能である。また、選択結果確認画面を通じて広告枠(厳密には、利用対象枠)の付加情報を依頼してもよく、例えば、広告枠表示画面の付加情報依頼ボタンBt5〜Bt8(
図2参照)に相当するボタンが選択結果確認画面に設けられてもよい。この場合には、利用対象枠の付加情報、特に複数の利用対象枠を選択した場合には当該複数の利用対象枠をまとめて分析して得られる付加情報(具体的には、
図8に図示のクロス集計表等)を利用者側端末13に表示させることができる。
【0093】
そして、広告枠利用者Dは、選択結果確認画面にて利用対象枠を確認した後、同画面の下端部に設けられた購入決定ボタンBt11をクリックする。すると、利用者側端末13は、広告枠利用者Dによって選択された利用対象枠を示すデータ(以下、選択結果データ)を生成して送信する(S014)。本コンピュータは、選択結果データを受信すると、同データを解析して、利用対象枠を特定する(S015)。その後、本コンピュータは、特定された利用対象枠を通知するために通知メールを送信して、広告枠提供者Sに利用対象枠を通知する(S016)。なお、放送局が互いに異なる複数の広告枠が利用対象枠として特定された場合、本コンピュータは、利用対象枠を放送局別に分けて通知する。つまり、広告枠提供者Sである放送局各社は、自局分の利用対象枠を通知されることになる。
【0094】
広告枠提供者S側では提供者側端末12が通知メールを受信し(S017)、これにより、利用対象枠、及び利用対象枠の購入を希望する者(広告枠利用者D)が確認される。次いで、広告枠提供者Sは、利用対象枠の利用の許否を判断し、利用を許可する場合には、その旨を示すデータ(利用確認データ)を提供者側端末12にて生成し、生成した利用確認データを提供者側端末12から送信する(S018)。本コンピュータは、利用確認データを提供者側端末12から受信すると(S019)、利用対象枠が販売される旨のメール(返答メール)を利用者側端末13に向けて送信する(S020)。広告枠利用者D側では、利用者側端末13が上記の返答メールを受信する(S021)。これにより、広告枠利用者Dは、自分が選択した利用対象枠が利用(購入)可能であることを確認する。
【0095】
その後、広告枠利用者Dが所定の購入手続きを行い、広告枠提供者Sが利用対象枠の利用権を設定した時点で、広告枠の売買取引が成立し、当該取引が完了する。そして、広告枠の売買取引が成立すると、本コンピュータは、広告枠を購入した広告枠利用者Dに対して、当該広告枠に応じた有価ポイントを設定して付与する(S022)。付与されたポイントは、前回までに広告枠利用者Dに付与されたポイント(厳密には、残存分のポイント)に合算され、本コンピュータに記憶される。
【0096】
以降、広告枠利用者Dが広告枠の購入を検討する度に、上述した一連のステップが繰り返し行われる。一方、広告枠提供者Sが新たな広告枠を提供し、利用者側端末13がその広告枠情報を送信すると(S031)、本コンピュータが外部通信ネットワークNを通じて上記の広告枠情報を受信する(S032)。そして、本コンピュータは、前ステップS032で受信した広告枠情報に基づき、新たな広告枠が登録要求(すなわち、ステップ005にて登録された要求情報が示す要求内容)を充足するか否かを判定する(S033)。新たな広告枠が登録要求を充足していると判定した場合、本コンピュータは、新たな広告枠の広告枠情報を表示する推薦枠情報表示データを生成し、登録要求の送信元である広告枠利用者Dに向けて送信する(S034)。
【0097】
推薦枠情報表示データを受信した利用者側端末13側では、推薦枠情報表示データに基づき、登録要求を充足する新たな広告枠の広告枠情報が表示されるようになる(S035)。具体的に説明すると、推薦枠情報表示データを受信した利用者側端末13において、
図10に図示の要求入力画面が描画されると、同画面中のお知らせボタンBt3が点滅する。このとき、広告枠利用者Dがお知らせボタンBt3をクリックすると、登録要求を充足する新たな広告枠の広告枠情報がポップアップ表示されるようになる。
【0098】
なお、お知らせボタンBt3の用途は、登録要求を充足する新たな広告枠を知らせることに限られず、登録要求を充足する既存の広告枠について購入料金が下がったときに、そのことを知らせるために用いられてもよい(具体的には、お知らせボタンBt3を点滅させて広告枠利用者Dに知らせてもよい)。
また、本実施形態では、お知らせボタンBt3の点滅等を利用して広告枠利用者Dに新しい広告枠や料金変更等を知らせることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、メール、電話又はFAX等の他の連絡手段を用いて知らせてもよい。
【0099】
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の広告枠取引支援装置及び広告枠取引支援方法について、一例を挙げて説明してきたが、上述の実施例は、あくまでも一例にすぎず、他の実施例も考えられ得る。
例えば、上述の実施例では、広告枠情報の提供及び取得が、利用者側端末13と広告枠取引支援装置11とのデータ通信を通じて行われ、広告枠取引支援装置11は、広告枠情報を、外部通信ネットワークNを通じて受信することで取得することとした。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、CD−ROMやDVD等の記録媒体に広告枠情報が記録されており、広告枠取引支援装置11が上記の記憶媒体から広告枠情報を読み出して取得してもよい。あるいは、広告枠取引支援装置11の操作者(オペレータ)が、広告枠情報が記載された帳票等を入手し、その帳票等を見ながら広告枠情報をキーボード等の入力手段によって入力することで、広告枠取引支援装置11が広告枠情報を取得してもよい。
【0100】
また、上述の実施例では、広告枠の分析(具体的には、視聴率やターゲット等の把握)が、広告枠の購入取引が完了する前(広告枠利用者Dが広告枠の購入を検討している段階)で実施されることとした。ただし、これに限定されるものではない。広告枠の分析は、広告枠の購入取引が完了した後、より詳しくは購入した広告枠にて実際に広告が放送された後に実施されてもよい。かかる場合には、購入した広告枠を実際に利用したときの効果(出稿効果)を確認し、購入時点での効果の予測値と比較することが可能である。
【0101】
また、上記の実施例では、取引対象の広告枠に関する広告枠情報を表示する際に、広告枠利用者Dの要求を充足する広告枠(要求充足枠)のみの広告枠情報を表示することとした。ただし、これに限定されるものではなく、取引対象となっている広告枠のすべて(現時点で広告枠提供者Sが提供しているすべての広告枠)について、広告枠情報を表示してもよい。取引対象の広告枠すべてについて広告枠情報を表示する画面(以下、全広告枠情報表示画面)は、例えば、公知の番組表に広告枠情報(放送日時等)を併記したものであり、要求入力画面よりも前に描画されてもよく、あるいは、全広告枠情報表示画面と要求入力画面とが切替え自在に描画されてもよい。
【解決手段】コンピュータが、広告枠提供者が提供する広告枠に関して、広告枠にて広告を放送する日時及び放送局を少なくとも含む広告枠情報を取得し、広告枠利用者の広告枠に対する要求内容を示す要求情報を取得し、広告枠情報及び要求情報に基づき、広告枠の中から要求内容を充足する広告枠である要求充足枠を抽出し、抽出された要求充足枠の広告枠情報を表示するための広告枠情報表示データを送信し、広告枠情報が表示された要求充足枠の中から広告枠利用者が選択した被選択枠に関して、被選択枠に関する付加情報を表示する付加情報表示データを送信し、付加情報が表示された被選択枠のうち、広告枠利用者が利用対象として選んだ広告枠である利用対象枠を特定し、特定された利用対象枠を、広告枠提供者に通知する。