特許第6584747号(P6584747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584747
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】膜式ガスメーター
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   G01F3/22 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-86716(P2014-86716)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-206658(P2015-206658A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000156813
【氏名又は名称】関西ガスメータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067091
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 弘
(72)【発明者】
【氏名】石谷 聡
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】野中 勉
(72)【発明者】
【氏名】花木 克久
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰広
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴昭
【審査官】 山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−315133(JP,A)
【文献】 特開2005−283245(JP,A)
【文献】 特開2008−076114(JP,A)
【文献】 特開2009−121980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメーター本体の下段に形成した計量室内に一対の計量膜を組み付けると共に、前記ガスメーター本体の上段に形成した計量室内に流入するガスの入側の流入経路とこの流入経路内に緊急時に作動するガスの遮断弁を組み付けてなる膜式ガスメーターにおいて、前記ガスメーター本体の上段を覆う上ケースの天面に形成されたガスの流入口金から鉛直方向に形成された縦流路の下端部のコーナー部分に円曲面を形成し、前記縦流路の下部に一部かかるように遮断弁取付空間を形成し、この遮断弁取付空間の前壁に遮断弁取付用のフランジ穴を形成すると共にこのフランジ穴に対向する遮断弁取付空間の後壁に弁シートを形成してなる膜式ガスメーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイキャストボディからなるガスメーター本体の下ケース内に計量室を形成し、上ケースにはこの上面に入側口金と出側口金を形成し、更に上ケース内であって、緊急時にガスの流れ(計量)を遮断する遮断弁をガスの流入経路内に取り付けた所謂膜式ガスメーターに関し、更に詳しくは、前記入側口金と遮断弁間に形成されたガスの流入経路において、ガスの流動抵抗(圧損)を可及的に低減できる膜式ガスメーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の膜式ガスメーターの場合、その要請として小型化が求められているため、上ケース内において入側口金から鉛直方向に向けて形成された縦流路と遮断弁取付流路を結ぶコーナー部分は直角に形成されている。
【0003】
また、膜式ガスメーターの下ケースと上ケースはダイキャスト成形方式のため、前記ガスの流入流路は、入側口金方向に抜く抜き型と、遮断弁を取り付ける流路は上ケースにおいて正面方向に抜く抜き型が用いられている。
【0004】
このように、従来の方式でガスの流入経路を形成した場合、肉抜き方向が縦方向と水平方向において行われるため、コーナー部分の流路は鉛直方向と水平方向が交わる直角となり、然も流路径以上にはならないため、圧損がどうしても大きくなるという問題がある。
【0005】
因に、本発明が対象としている膜式ガスメーターの流路径状は特開2011−169826号公報において見られるようにそのコーナー部分は直角形状を呈している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−169826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、入側口金から遮断弁に至るガス流入経路において、圧損を可及的に低減するガスの流入路形状を持った膜式ガスメーターを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、膜式ガスメーターにおいて、ガスメーター本体の下段に形成した計量室内に一対の計量膜を組み付けると共に、前記ガスメーター本体の上段に形成した計量室内に流入するガスの入側の流入経路とこの流入経路内に緊急時に作動するガスの遮断弁を組み付けてなる膜式ガスメーターにおいて、前記ガスメーター本体の上段を覆う上ケースの天面に形成されたガスの流入口金から鉛直方向に形成された縦流路の下端部のコーナー部分に円曲面を形成し、前記縦流路の下部に一部かかるように遮断弁取付空間を形成し、この遮断弁取付空間の前壁に遮断弁取付用のフランジ穴を形成すると共にこのフランジ穴に対向する遮断弁取付空間の後壁に弁シートを形成してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
上記膜式ガスメーターにおいて、本発明は、入側ガス流入経路において縦流路の下端部のコーナー部分に円曲面を形成し、前記縦流路の下部に一部かかるように遮断弁の取付空間を形成したことにより、遮断弁に至るガス流入経路のコーナー部分に十分な空間を形成できるため、流入したガスは直接遮断弁の取付空間内に入り、コーナー部を経由しないため、ガスの圧損を従来の流路形式に比較して大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】膜式ガスメーターの外観の説明図
図2】A−A’線断面図
図3】入側流入経路と遮断弁の取付空間を示す説明図
図4】遮断弁の取付状態を示す断面図
図5】遮断弁の取付状態を上方から見た説明図
図6】(A)(B)本発明に係るガスの入側流入経路と遮断弁取付空間の説明図
図7】ガスの入側流入経路を形成する抜き型の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図6に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0012】
図1において、1はガスメーター本体であって、このガスメーター本体1は内部に計量室を形成し、この計量室内に一対の計量膜を組み付けた下ケース2と、内部に機械室及び計測回路等を組み付けた上ケース3からなる。
【0013】
また、上ケース3内には、図2乃至図6示すように入側口金4から入ったガスが遮断弁に至る流入経路6と計量室から出たガスが出側口金5に至るガス流出路7が形成されている。
【0014】
更に詳しくガスの流入経路6について説明すると、入側口金4の下方には、鉛直方向に縦流路8が形成されていると共にこの縦流路8の下端部のコーナー部分に円曲面を形成し、縦流路8の下部に一部かかるように遮断弁取付用空間9が形成されている。
【0015】
また、遮断弁取付空間9の前壁にはフランジ口10が形成され、このフランジ口10に遮断弁11がフランジ11bを用いて取り付けられ、遮断弁取付空間9の後壁には弁シート13が形成されている。
【0016】
12は、前記縦流路8の下端部のコーナー部分に形成された円曲面である。
【0017】
遮断弁11は、地震センサー(図示せず)あるいはガス圧センサー(図示せず)からの信号で作動し、遮断弁11の弁11aが弁シート13に密着して計量室に至るガスを止める。14は遮断弁のリセットボタン、15は表示窓である。
【0018】
次に、上記したガスメーター本体1の上ケース3内に形成されたガスの流入経路6の成形方法を図7に基づいて説明すると、入側口金4から鉛直方向に入る下向きの縦流路8は、上方に抜く抜き型Aで形成され、遮断弁取付空間9は上ケース3の正面方向に抜く抜き型Bで形成される。
【0019】
以上のとおり、本発明は、ガスの流入経路6において、下向きの縦流路8の下端に一部かかるように遮断弁取付空間9を形成することにより、縦流路8から直接遮断弁取付空間9内に流入するため、ガスの圧損を従来に比較して大幅に低減することができる。
【0020】
また、縦流路8の下端に円曲面12を形成したことにより、遮断弁取付空間9内に流入するガスの流れをスムーズにすることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ガスメーター
2 下ケース
3 上ケース
4 入側口金
5 出側口金
6 ガスの流入経路
7 ガスの流出路
8 縦流路
9 遮断弁取付空間
10 フランジ口
11 遮断弁
11a 弁
11b フランジ
12 円曲面
13 弁シート
14 リセットボタン
15 表示窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7